JP2020090566A - コンクリート片の剥落防止工法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)プライマー
プライマーとして、以下の三種を準備した。
(1a)コニシ株式会社製「ボンド VMプライマー」(1液型エポキシ樹脂)
(1b)コニシ株式会社製「ボンド シールプライマー♯9」(1液型ウレタン樹脂)
(1c)コニシ株式会社製「ボンド E810L」(2液型エポキシ樹脂)
弾性樹脂として、以下の二種を準備した。
(2a)コニシ株式会社製「ボンド AUクイック」(1液型ウレタン樹脂)
(2b)コニシ株式会社製「ボンド 変成シリコンコーク グレー」(1液型変成シリコーン樹脂)
イソシアヌレート化合物として、以下の三種と、本発明では用いられないイソシアヌレート化合物の一種を準備した。
(3a)住化コベストロウレタン株式会社製「デスモジュール Z4470 BA」(イソホロンジイソシアネートの三量体)
(3b)住化コベストロウレタン株式会社製「スミジュールN3300」(ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体)
(3c)三井化学株式会社製「スタビオD−370N」(1,5−ペンタメチレンジイソシアネートの三量体)
(3d)三井化学株式会社製「タケネートD−204」(トルエンジイソシアネートの三量体;本発明では用いられいないイソシアヌレート化合物)
イソシアネートプレポリマーとして、以下の二種と、本発明では用いられないイソシアネートプレポリマーの一種を準備した。
(4a)三井化学SKCポリウレタン株式会社製「アクトコールD1000」(分子量1000のポリプロピレングリコール)30質量部と、三井化学SKCポリウレタン株式会社製「アクトコールT3000D」(分子量3000のポリプロピレングリコール)70質量部と、イソホロンジイソシアネート36質量部とを均一に混合し、触媒である日東化成株式会社製「ネオスタン U−830」(ジオクチル錫)0.003質量部の存在下、80℃で2時間反応させて得られたイソシアネートプレポリマー
(4b)イソホロンジイソシアネート36質量部をヘキサメチレンジイソシアネート26質量部に変更した他は、上記(4a)と同一の条件で得られたイソシアネートプレポリマー
(4c)イソホロンジイソシアネート36質量部をモノメリックMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)42質量部に変更し、かつ、無触媒下とした他は、上記(4a)と同一の条件で得られたイソシアネートプレポリマー(本発明では用いられないイソシアネートプレポリマー)
ジアミン化合物として、以下の二種と、本発明でも用いられないジアミン化合物の一種を準備した。
(5a)アルベマール社製「エタキュア300」(ジメチルチオトルエンジアミン)
(5b)アルベマール社製「エタキュア100」(ジエチルトルエンジアミン)
(5c)エボニック社製「バーサリンクP1000」(ポリテトラメチレンオキシドジ−p−アミノ安息香酸エステル)(本発明では用いられいないジアミン化合物)
(7)疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製「アエロジルRY200S」)
コンクリート躯体表面に、プライマー(1a)を0.1kg/m2塗布し、プライマー層を形成した。プライマー層の上に、弾性樹脂(2a)を0.5kg/m2塗布し、弾性層を形成した。弾性層を形成した後、イソシアヌレート化合物(3a)32質量部、イソシアネートプレポリマー(4a)100質量部、ジアミン化合物(5a)23質量部、炭酸カルシウム(6)40質量部及び疎水性シリカ(7)10質量部を均一に混合して塗装材を調製した。この塗装材を弾性層の上に、1.0kg/m2塗布し、コンクリート躯体表面に被膜を設けて、剥落防止工法の施工を行った。
プライマー(1a)に代えて、プライマー(1b)を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
プライマー(1a)に代えて、プライマー(1c)を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
弾性樹脂(2a)に代えて、弾性樹脂(2b)を使用した他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
実施例1で用いた塗装材に代えて、以下の塗装材を用いた他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。すなわち、この塗装材は、イソシアヌレート化合物(3b)17質量部、イソシアネートプレポリマー(4a)100質量部、ジアミン化合物(5a)21質量部、炭酸カルシウム(6)36質量部及び疎水性シリカ(7)9質量部を均一に混合して調製されたものである。
実施例1で用いた塗装材に代えて、以下の塗装材を用いた他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。すなわち、この塗装材は、イソシアヌレート化合物(3c)15質量部、イソシアネートプレポリマー(4a)100質量部、ジアミン化合物(5a)20質量部、炭酸カルシウム(6)35質量部及び疎水性シリカ(7)9質量部を均一に混合して調製されたものである。
実施例1で用いた塗装材に代えて、以下の塗装材を用いた他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。すなわち、この塗装材は、イソシアヌレート化合物(3a)32質量部、イソシアネートプレポリマー(4b)100質量部、ジアミン化合物(5a)26質量部、炭酸カルシウム(6)40質量部及び疎水性シリカ(7)10質量部を均一に混合して調製されたものである。
実施例1で用いた塗装材に代えて、以下の塗装材を用いた他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。すなわち、この塗装材は、イソシアヌレート化合物(3a)32質量部、イソシアネートプレポリマー(4a)100質量部、ジアミン化合物(5b)22質量部、炭酸カルシウム(6)40質量部及び疎水性シリカ(7)10質量部を均一に混合して調製されたものである。
弾性樹脂を塗布しない他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。
実施例1で用いた塗装材に代えて、以下の塗装材を用いた他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。すなわち、この塗装材は、イソシアヌレート化合物(3d)51質量部、イソシアネートプレポリマー(4a)100質量部、ジアミン化合物(5a)26質量部、炭酸カルシウム(6)46質量部及び疎水性シリカ(7)11質量部を均一に混合して調製されたものである。
実施例1で用いた塗装材に代えて、以下の塗装材を用いた他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。すなわち、この塗装材は、イソシアヌレート化合物(3a)32質量部、イソシアネートプレポリマー(4c)100質量部、ジアミン化合物(5a)26質量部、炭酸カルシウム(6)40質量部及び疎水性シリカ(7)10質量部を均一に混合して調製されたものである。
実施例1で用いた塗装材に代えて、以下の塗装材を用いた他は、実施例1と同一の方法で剥落防止工法の施工を行った。すなわち、この塗装材は、イソシアヌレート化合物(3a)32質量部、イソシアネートプレポリマー(4a)100質量部、ジアミン化合物(5c)146質量部、炭酸カルシウム(6)40質量部及び疎水性シリカ(7)10質量部を均一に混合して調製されたものである。
実施例1〜8及び比較例1〜4で調製した塗装材の可使時間を以下の方法で測定した。すなわち、調製した塗装材を23℃の環境下で1分間混合し、B型粘度形で初期粘度を測定した。その後、継続して粘度を測定し、初期粘度の1.5倍に到達するまでの時間を測った。実施例1〜7及び比較例1で用いた塗装材は、30分以上経過しても初期粘度の1.5倍に到達しなかった。また、実施例8で用いた塗装材は、5〜30分で初期粘度の1.5倍に到達した。比較例2及び3で用いた塗装材は、5分未満で初期粘度の1.5倍に到達した。さらに、比較例4で用いた塗装材は、粘度が上らずに翌日以降も硬化しなかった。この結果から明らかなように、比較例2の塗装材は、芳香族炭化水素基を持つイソシアヌレート化合物を用いているため、及び比較例3の塗装材は、芳香族炭化水素基を持つイソシアネートプレポリマーを用いているため、可使時間を延ばすことができなかった。また、比較例4の塗装材は、長鎖の炭化水素基を持つジアミン化合物を用いているため、硬化時間が長過ぎて、使用できないものであった。
実施例1〜8及び比較例1〜4の剥落防止工法を、コンクリート躯体に適用せずにJSCE−K 533に記載された供試体に適用した。そして、JSCE−K 533に記載の方法で、50℃の環境下にて、供試体に形成された被膜に対して押抜き試験を行い、荷重−変位曲線を得た。そして、変位が10mm以上における最大荷重を求め、これを押抜き強さとした。実施例1及び3の剥落防止工法で得られた被膜の押抜き強さは2.0kN以上であり、実施例2及び4〜8の剥落防止工法で得られた被膜の押抜き強さは1.5〜2.0kNであり、比較例1の剥落防止工法で得られた被膜の押抜き強さは1.5kN未満であった。比較例1の剥落防止工法で得られた被膜は、弾性樹脂層を含んでいないため、変位による応力を分散しにくく、十分な押抜き強さを持つものが得られなかった。
Claims (11)
- コンクリート躯体の表面側にプライマー層を形成した後、該プライマー層上に弾性樹脂層を形成し、次いで、該弾性樹脂層上に補強層を形成するコンクリート片の剥落防止工法であって、
前記補強層は、化1で表されるイソシアヌレート化合物、化2で表される末端基を複数個持つイソシアネートプレポリマー及び化3で表されるジアミン化合物を含む塗装材を塗布して形成することを特徴とするコンクリート片の剥落防止工法。
- プライマー層は、1液型エポキシ樹脂又は1液型ウレタン樹脂を塗布することによって形成される請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
- 弾性樹脂層は、1液湿気硬化型ウレタン樹脂を塗布することによって形成される請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
- イソシアヌレート化合物がイソホロンジイソシアネートの三量体である請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
- イソシアネートプレポリマーが、ポリエーテルポリオールと脂環式ジイソシアネートとを反応させて得られたものである請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
- ポリエーテルポリオールがポリプロピレングリコールであり、脂環式ジイソシアネートがイソホロンジイソシアネートである請求項5記載のコンクリート片の剥落防止工法。
- ジアミン化合物がジメチルチオトルエンジアミンである請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
- 塗装材に充填材が含まれている請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
- 補強層上に仕上層を形成する請求項1記載のコンクリート片の剥落防止工法。
- 請求項1記載の塗装材を得るための塗装材キットであって、該塗装材キットは化1で表されるイソシアヌレート化合物及び化2で表される末端基を複数個持つイソシアネートプレポリマーを含む主材と、化3で表されるジアミン化合物を含む硬化材との組み合わせであることを特徴とする塗装材キット。
- 主材又は硬化材中に、充填材が含まれている請求項10記載の塗装材キット。
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