JP2020086348A - 帯電装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質な画像を形成することが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、帯電装置を備える。この帯電装置は、被帯電部材の表面を帯電させると共に被帯電部材の表面に圧接された第1表面を有し、被帯電部材の表面に第1表面が圧接されながら回転方向に回転可能であり、第1表面が回転方向に延在する複数の溝を有し、第1表面の表面自由エネルギーが12.00dyn/cm以上25.60dyn/cm以下の範囲内である帯電部材と、第1表面に付着した異物を除去すると共に第1表面に圧接された第2表面を有し、第1表面に第2表面が圧接されながら回転方向と反対の方向に回転可能であり、第1表面と第2表面との動摩擦係数が0.48以上0.86以下の範囲内である清掃部材とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、被帯電部材の表面を帯電させる帯電装置およびその帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置が広く普及している。インクジェット方式などの他の方式の画像形成装置と比較して、鮮明な画像が短時間で得られるからである。
この電子写真方式の画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」と呼称する。)は、画像の形成工程(現像処理)において、感光部材の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。このため、画像形成装置は、帯電装置を搭載しており、その帯電装置は、感光部材の表面を帯電させる帯電部材を備えている。
帯電装置の構成は、感光部材の表面の帯電状況、ひいては静電潜像を用いて形成される画像の品質に影響を及ぼすため、その帯電装置の構成に関しては、様々な検討がなされている。具体的には、感光部材の表面を均一に帯電させるために、接触帯電方式の帯電部材(帯電ローラ)が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。この帯電ローラは、感光部材に圧接されながら回転することにより、その感光部材の表面を帯電させる。
特開2015−090409号公報
画像形成装置に搭載される帯電装置の構成に関して様々な提案がなされているが、その帯電装置の構成は画像の品質を担保する観点において未だ十分でないため、改善の余地がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高品質な画像を形成することが可能な帯電装置および画像形成装置を提供することにある。
本発明の一実施形態の帯電装置は、被帯電部材の表面を帯電させると共に被帯電部材の表面に圧接された第1表面を有し、被帯電部材の表面に第1表面が圧接されながら回転方向に回転可能であり、第1表面が回転方向に延在する複数の溝を有し、第1表面の表面自由エネルギーが12.00dyn/cm以上25.60dyn/cm以下の範囲内である帯電部材と、第1表面に付着した異物を除去すると共に第1表面に圧接された第2表面を有し、第1表面に第2表面が圧接されながら回転方向と反対の方向に回転可能であり、第1表面と第2表面との動摩擦係数が0.48以上0.86以下の範囲内である清掃部材とを備えたものである。
本発明の一実施形態の画像形成装置は、被帯電部材である感光部材の表面において帯電処理を行う帯電装置と、感光部材を含むと共に帯電装置により帯電処理された感光部材の表面にトナーを付着させる現像処理を行う現像装置と、現像装置により現像処理されたトナーを用いて転写処理を行う転写装置と、転写装置により転写処理されたトナーを用いて定着処理を行う定着装置とを備え、その帯電装置が上記した本発明の一実施形態の帯電装置と同様の構成を有するものである。
本発明の一実施形態の帯電装置または画像形成装置によれば、その帯電装置において、帯電部材の第1表面が回転方向に延在する複数の溝を有している。また、帯電部材の第1表面の表面自由エネルギーが12.00dyn/cm以上25.60dyn/cm以下の範囲内であると共に、帯電部材の第1表面と清掃部材の第2表面との動摩擦係数が0.48以上0.86以下の範囲内である。よって、高品質な画像を形成することができる。
本発明の一実施形態の画像形成装置の構成を表す平面図である。 画像形成装置の構成を表すブロック図である。 帯電装置の構成を表す平面図である。 帯電ローラの表面の一部の構成を拡大して表す斜視図である。 図4に示した帯電ローラの表面の構成を模式的に表す平面図である。 動摩擦係数の測定方法を説明するための平面図である。 第1比較例の画像形成装置における帯電ローラの表面の一部の構成を拡大して表す斜視図である。 図7に示した帯電ローラの表面の構成を模式的に表す平面図である。 第2比較例の画像形成装置における帯電ローラの表面の一部の構成を拡大して表す斜視図である。 図9に示した帯電ローラの表面の構成を模式的に表す平面図である。 表面自由エネルギーおよび動摩擦係数と画像の品質(斑点欠陥の発生状況)との相関を表す図である。
以下、本発明の一実施形態に関して、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.画像形成装置(帯電装置)
1−1.構成
1−1−1.全体構成
1−1−2.ブロック構成
1−1−3.帯電装置の詳細な構成
1−2.動作
1−3.作用および効果
2.変形例
<1.画像形成装置(帯電装置)>
まず、本発明の一実施形態の画像形成装置に関して説明する。なお、本発明の一実施形態の帯電装置は、画像形成装置の一部(一構成要素)であるため、その帯電装置に関しては、以下で併せて説明する。
<1−1.構成>
ここで説明する画像形成装置は、例えば、後述するように、複数色のトナーを用いて媒体Mに画像を形成する装置であり、いわゆる電子写真方式のフルカラープリンタである(図1参照)。この画像形成装置は、例えば、媒体Mに画像を形成するために中間転写媒体を用いない直接転写方式を採用している。
媒体Mの種類は、特に限定されないが、例えば、紙およびフィルムなどのうちのいずれか1種類または2種類以上である。具体的には、媒体M(紙)は、例えば、普通紙(複写紙)、特殊紙および封筒などであると共に、媒体M(フィルム)は、例えば、オーバーヘッドプロジェクタ(OHP)シートなどである。
特に、媒体Mは、例えば、2枚の基材が粘着剤を介して互いに剥離可能に貼り合わされたラベル紙でもよい。2枚の基材のうちの一方は、例えば、粘着剤と貼り合わされる面に離型層が設けられた基材である、また、2枚の基材のうちの他方は、例えば、粘着剤が設けられた基材であり、上記した一方の基材から剥離されたのちに任意の対象物に貼り付け可能である。なお、2枚の基材のそれぞれは、紙でもよいし、フィルムでもよい。
<1−1−1.全体構成>
図1は、画像形成装置の平面構成を表している。この画像形成装置は、例えば、図1に示したように、カセット10と、ホッピングローラ20と、現像ユニット30と、帯電ユニット40と、露光ユニット50と、転写ユニット60と、定着ユニット70と、搬送ローラ80とを備えている。この画像形成装置では、破線で示した搬送経路Pに沿うように媒体Mが搬送方向D1に向かって搬送される。ここで、現像ユニット30は、本発明の一実施形態の「現像装置」である。帯電ユニット40は、本発明の一実施形態の「帯電装置」である。転写ユニット60は、本発明の一実施形態の「転写装置」である。定着ユニット70は、本発明の一実施形態の「定着装置」である。
以下で説明する一連のローラ、すなわち名称中に「ローラ」という文言を含む一連の構成要素は、図1の紙面と交差する方向(X軸方向)に延在する円筒状の部材であると共に、そのX軸方向に延在する回転軸を中心として回転可能である。
[カセットおよびホッピングローラ]
カセット10は、例えば、媒体Mを収納しており、着脱可能である。このカセット10には、例えば、複数の媒体Mが互いに重ねられた状態で収納されている。ホッピングローラ20は、カセット10から媒体Mを取り出すことにより、その媒体Mを搬送経路Pに供給する給紙ローラである。
[現像ユニット]
現像ユニット30は、トナーを用いて現像処理を行う。具体的には、現像ユニット30は、例えば、帯電ユニット40により帯電処理された後述する感光体ドラム311の表面、より具体的には感光体ドラム311の表面に形成された静電潜像に、クーロン力を利用してトナーを付着させる。
この現像ユニット30は、現像処理を行う現像処理ユニット31を含んでいる。この現像処理ユニット31は、例えば、上記した感光体ドラム311と、現像ローラ312と、供給ローラ313と、クリーニングブレード314とを含んでいる。ここで、感光体ドラム311は、本発明の一実施形態の「被帯電部材」および「感光部材」である。
感光体ドラム311は、X軸方向に延在する円筒状の部材であり、そのX軸方向に延在する回転軸を中心として回転可能である。この感光体ドラム311は、例えば、X軸方向に延在する円筒状の導電性シャフトと、その導電性シャフトの外周面を被覆する光導電層とを含む有機系感光体である。
導電性シャフトは、例えば、アルミニウムおよびステンレス鋼などの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含む金属パイプである。光導電層は、例えば、互いに交互に積層された電荷発生層および電荷輸送層などを含んでいる。電荷発生層は、例えば、電荷発生物質および結着剤などを含んでいる。電荷輸送層は、例えば、電荷輸送物質および結着剤などを含んでおり、必要に応じて酸化防止剤および増感剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
電荷発生物質は、例えば、有機顔料および有機染料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この他、電荷発生物質は、例えば、無金属フタロシアニン、銅塩化インジウム、塩化ガリウムおよびオキシチタニウムなどでもよいし、金属(例えば、錫、亜鉛およびバナジウムなど)またはその酸化物でもよいし、アゾ顔料(例えば、モノアゾ、ヒスアゾ、トリスアゾおよびポリアゾ類など)でもよい。結着剤は、例えば、高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その高分子材料は、例えば、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステルおよびセルロースエーテルなどである。
電荷輸送物質は、例えば、電子供与性物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その電子供与性物質は、例えば、複素環化合物(例えば、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリンおよびチアジアゾールなど)、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体およびスチルベン誘導体などである。ただし、電荷輸送物質は、例えば、上記した電子供与性物質からなる基を主鎖中または側鎖中に有する重合体でもよい。結着剤は、例えば、高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その高分子材料は、例えば、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ビニル重合体(例えば、ポリ塩化ビニルなど)、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂およびシリコーン樹脂などである。なお、結着剤は、例えば、上記した一連の高分子材料のうちの任意の2種類以上の重合体または部分的架橋硬化物などでもよい。
現像ローラ312は、感光体ドラム311に圧接されており、その感光体ドラム311の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。この現像ローラ312は、例えば、金属製の円筒状のシャフトと、そのシャフトの外周面を被覆する半導電性ウレタンゴム層とを含んでいる。
供給ローラ313は、現像ローラ312に圧接されており、図示しないトナーカートリッジから排出されるトナーを現像ローラ312に供給する。クリーニングブレード314は、感光体ドラム311に圧接された板状の部材であり、その感光体ドラム311の表面に残留した不要なトナーなどの異物を掻き落とす。このクリーニングブレード314は、例えば、可撓性のゴム材料および高分子材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
ここでは、現像ユニット30は、例えば、4個の現像処理ユニット31(31Y,31M,31C,31K)を含んでいる。現像処理ユニット31Y,31M,31C,31Kは、例えば、搬送方向D1における下流から上流に向かってこの順に配置されている。現像処理ユニット41Y,41M,41C,41Kのそれぞれは、例えば、現像処理に用いるトナーの種類(色)が互いに異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。具体的には、現像処理ユニット31Yは、例えば、イエロートナーを搭載している。現像処理ユニット31Mは、例えば、マゼンタトナーを搭載している。現像処理ユニット31Cは、例えば、シアントナーを搭載している。現像処理ユニット31Kは、例えば、ブラックトナーを搭載している。
トナーは、例えば、着色剤、結着剤、離型剤および帯電制御剤などを含むトナー母粒子と、そのトナー母粒子の表面に定着された複数の無機粒子とを含んでいる。すなわち、着色剤、離型剤および帯電制御剤などは、いわゆる内部添加剤であると共に、複数の無機粒子は、いわゆる外部添加剤である。着色剤は、トナーの色に対応した色を有する顔料および染料などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。結着剤は、例えば、ポリエステルなどの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上である。複数の無機粒子は、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)粒子および酸化チタン粒子などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。なお、トナーの円形度は、特に限定されないが、例えば、約0.94〜0.98である。トナーの平均粒径(メジアン径D50)は、特に限定されないが、例えば、約7μmである。無機粒子の平均粒径(メジアン径D50)は、特に限定されないが、例えば、約50nm〜200nmである。
[帯電ユニット]
帯電ユニット40は、感光体ドラム311の表面において帯電処理を行う。具体的には、帯電ユニット40は、例えば、感光体ドラム311の表面に静電潜像を形成するために、その感光体ドラム311の表面を均一に帯電させる。この帯電ユニット40は、例えば、現像処理ユニット31ごとに配置されており、感光体ドラム311の表面を帯電させる帯電ローラ41を含んでいる。なお、帯電ユニット40の詳細な構成に関しては、後述する(図3参照)。ここで、帯電ローラ41は、本発明の一実施形態の「帯電部材」である。
[露光ユニット]
露光ユニット50は、露光用の光を用いて露光処理を行う。具体的には、露光ユニット50は、例えば、帯電ユニット40により感光体ドラム311の表面が帯電されたのち、その感光体ドラム311の表面に露光用の光を放射することにより、その感光体ドラム311の表面に静電潜像を形成する。
この露光ユニット50は、例えば、現像処理ユニット31ごとに配置されており、発光ダイオード(LED)およびレーザ素子などの光源51を含んでいる。この他、露光ユニット50は、例えば、感光体ドラム311の表面において露光用の光を結像させるレンズアレイなどを含んでいてもよい。ここでは、画像形成装置は、例えば、4個の現像処理ユニット31(31Y,31M,31C,31K)に対応する4個の露光ユニット50を含んでいる。
[転写ユニット]
転写ユニット60は、現像ユニット30により現像処理されたトナーを用いて転写処理を行う。具体的には、転写ユニット60は、例えば、静電潜像に付着されたトナーを媒体Mにトナーを転写させる。
この転写ユニット60は、例えば、ドライブローラ61と、アイドルローラ62と、転写ベルト63と、転写ローラ64と、クリーニングブレード65とを含んでいる。
ドライブローラ61は、例えば、モータなどの駆動源を介して回転可能である。アイドルローラ62は、例えば、ドライブローラ61の回転に応じて回転可能である。転写ベルト63は、例えば、無端のベルトである。この転写ベルト63は、例えば、ドライブローラ61およびアイドルローラ62により張架された状態において、そのドライブローラ61の回転に応じて移動方向D2に向かって移動可能である。
転写ローラ64は、転写ベルト63を介して感光体ドラム311に圧接されており、静電潜像に付着されたトナーを媒体Mに転写させる。ここでは、転写ユニット60は、例えば、4個の現像処理ユニット31(31Y,31M,31C,31K)に対応する4個の転写ローラ64(64Y,64M,64C,64K)を含んでいる。クリーニングブレード65は、例えば、転写ベルト63の表面に圧接された板状の部材であり、その転写ベルト63の表面に付着した不要なトナーなどの異物を掻き落とす。
[定着ユニット]
定着ユニット70は、転写ユニット60により転写処理されたトナーを用いて定着処理を行う。具体的には、定着ユニット70は、例えば、トナーが転写された媒体Mを加熱しながら加圧することにより、そのトナーを媒体Mに定着させる。
この定着ユニット70は、例えば、加熱ローラ71および加圧ローラ72を含んでいる。加熱ローラ71は、例えば、ハロゲンランプなどの加熱源を内蔵しており、トナーが転写された媒体Mを加熱する。加圧ローラ72は、加熱ローラ71に圧接されており、トナーが転写された媒体Mを加圧する。
[搬送ローラ]
搬送ローラ80は、例えば、搬送経路Pを介して互いに対向する一対のローラを含んでおり、その搬送経路Pに沿ように媒体Mを搬送させる。ここでは、画像形成装置は、例えば、2個の搬送ローラ80(81,82)を備えている。ただし、搬送ローラ80の数は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
<1−1−2.ブロック構成>
図2は、画像形成装置のブロック構成を表している。なお、図2では、既に説明した画像形成装置の構成要素の一部も併せて示している。
この画像形成装置は、例えば、図2に示したように、制御部100と、受信メモリ111と、画像データ編集メモリ112と、操作パネル113と、センサ群114と、電源回路120とを備えている。
制御部100は、画像形成装置の全体を制御する。この制御部100は、例えば、制御回路、メモリ、入出力ポートおよびタイマなどの電子部品のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その制御回路は、例えば、中央演算処理装置(CPU)などを含んでいる。メモリは、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)などの記憶素子のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
この制御部100は、例えば、主制御部101と、インターフェース(I/F)制御部102と、露光制御部103と、定着制御部104と、搬送制御部105と、駆動制御部106とを含んでいる。主制御部101は、画像形成装置の全体の動作を統括的に制御する。I/F制御部102は、外部装置(例えば、パーソナルコンピュータなど)から画像形成装置に送信される画像データなどの情報を受信する。露光制御部103は、露光ユニット50(光源51)の動作を制御する。定着制御部104は、定着ユニット70(加熱ローラ71および加熱ローラ72)の動作を制御する。搬送制御部105は、搬送ローラ80の動作を制御する。駆動制御部106は、転写ユニット60(転写ベルト63)の動作を制御する。
受信メモリ111は、外部装置から画像形成装置に送信された画像データなどの情報を格納している。画像データ編集メモリ112は、編集処理された画像データなどを格納している。操作パネル113は、ユーザが画像形成装置を操作するために必要な情報を表示する表示装置であると共に、そのユーザが画像形成装置を操作するために用いられる入力装置であり、例えば、表示灯(例えば、LEDランプ)、表示パネル(例えば、タッチパネル)および操作ボタンなどを含んでいる。センサ群114は、例えば、温度センサ、湿度センサ、画像濃度センサ、媒***置検出センサ、トナー残量検知センサおよび人感センサなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
電源回路120は、例えば、帯電ローラ用電源121と、現像ローラ用電源122と、供給ローラ用電源123と、転写ローラ用電源124とを含んでいる。
帯電ローラ用電源121は、帯電ローラ41に電圧を印加する電源である。現像ローラ用電源122は、現像ローラ312に電圧を印加する電源である。供給ローラ用電源123は、供給ローラ313に電圧を印加する電源である。転写ローラ用電源124は、転写ローラ64に電圧を印加する電源である。
<1−1−3.帯電装置の詳細な構成>
図3は、帯電ユニット40の平面構成を表している。ただし、図3では、感光体ドラム311の一部と共に帯電ローラ用電源121も併せて示している。
図4は、帯電ローラ41の表面41Mの一部の斜視構成を拡大して表していると共に、図5は、図4に示した帯電ローラ41の表面41Mの平面構成を模式的に表している。なお、図5では、X軸方向から帯電ローラ41を見た状態を示している。
この帯電ユニット40は、図3に示したように、帯電ローラ41およびクリーニングローラ42を備えている。なお、感光体ドラム311は、帯電ユニット41により帯電される表面311Mを有している。ここで、クリーニングローラ42は、本発明の一実施形態の「清掃部材」である。
[帯電ローラ]
帯電ローラ41は、上記したように、感光体ドラム311の表面311Mを帯電させるローラであり、その感光体ドラム311に圧接されている。この帯電ローラ41は、例えば、導電性のシャフト(芯金)411と、導電性の弾性層412とを含んでいる。ここで、弾性層412は、本発明の一実施形態の「第1表面層」である。
シャフト411は、図3に示したように、X軸方向に延在する円筒状の部材であり、金属材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。金属材料の種類は、特に限定されないが、例えば、快削鋼(SUM)およびステンレス鋼(SUS)などである。ただし、シャフト411の表面には、例えば、無電解鍍金法などを用いてニッケルなどの金属材料が鍍金されていてもよい。このシャフト411は、帯電ローラ用電源121に接続されているため、その帯電ローラ用電源121は、シャフト411に電圧を印加可能である。
弾性層412は、図3に示したように、シャフト411の外周面を被覆しており、感光体ドラム311の表面311Mに圧接された表面41Mを有している。帯電ローラ41(弾性層412)は、感光体ドラム311の表面311Mに圧接されながら、シャフト411を中心(回転軸)として回転方向R2に回転可能である。この帯電ローラ41の回転方向R2(例えば、反時計回り)は、感光体ドラム311の回転方向R1(例えば、時計回り)とは反対の方向である。なお、弾性層412は、例えば、単層でもよいし、多層でもよい。ここで、回転方向R2は、本発明の一実施形態の「回転方向」である。表面41Mは、本発明の一実施形態の「第1表面」である。
この弾性層412は、例えば、ゴムおよび熱可塑性エラストマーなどの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。具体的には、高分子材料は、例えば、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO,GECO)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴムおよびシリコーンゴムなどである。中でも、エピクロルヒドリンゴム(ECO)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)との混合物が好ましい。後述するように、帯電ローラ41の表面41Mの表面自由エネルギーが適正に低下しやすくなるからである。
弾性層412の導電性は、適正な電気抵抗との関係において設定されていることが好ましい。電気抵抗が大きすぎると、感光体ドラム311の表面311Mにおいて帯電ムラおよび帯電不良などが発生する可能性があると共に、電気抵抗が小さすぎると、感光体ドラム311の表面311Mに存在する傷などに起因してリーク電流が発生する可能性があるからである。このため、弾性層412は、所望の導電性を得るために、イオン導電性材料、イオン導電剤、カーボンブラックおよび金属性酸化物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。なお、弾性層412の導電性は、電子導電性でもよいし、イオン導電性でもよいが、中でも、イオン導電性が好ましい。電気抵抗ムラが抑制されるからである。
弾性層412の体積抵抗は、特に限定されないが、例えば、106 Ω〜109 Ωである。体積抵抗の値は、導電性がイオン導電性である場合には温度、湿度および測定電圧などの条件に応じて変動するが、ここで説明する体積抵抗の値は、温度=20℃および湿度=50%RHの環境条件下において測定された値とする。
弾性層412の硬さは、特に限定されないが、例えば、35度〜80度である。帯電ローラ41の表面41Mと感光体ドラム311の表面311Mとの間に微小なギャップが形成されるため、パッシェンの法則に基づいた放電に寄与する領域(適正なニップ状態)が確保されるからである。ここで説明した弾性層412の硬さは、例えば、高分子計器株式会社製のマイクロゴム硬度計 MD−1capa(TypeA)を用いてピーク測定される。ただし、弾性層412の硬さは、帯電ローラ41および感光体ドラム311のそれぞれの円筒振れおよび形状ばらつきなどを吸収する役割も果たす。このため、上記した適正なニップ状態が得られれば、その弾性層412の硬さは任意に設定可能である。
弾性層412の表面形状は、例えば、切削処理、研磨処理および型成形処理などを用いて弾性層412が形成されているため、所望の研磨目および表面粗さを有するように調整されていてもよい。具体的には、帯電ローラ41(弾性層412)の表面粗さ(JIS B 0601:1994に準拠する最大高さRy)は、印加電圧および使用環境などの条件に応じて多少変動するが、例えば、パッシェンの法則に基づいて約1μm〜40μmである。
なお、弾性層412は、表面処理されていてもよい。弾性層412中の成分により感光体ドラム311が汚染されることを防止できると共に、弾性層412の表面抵抗を調整できるからである。また、感光体ドラム311の表面311Mに付着したトナーおよび外部添加剤などが帯電ローラ41の表面41Mに付着することを抑制できるからである。
表面処理は、例えば、紫外線照射処理および電子線照射処理などの照射処理である。また、表面処理は、例えば、浸漬、スプレーおよびコータなどを用いて弾性層412の表面41Mに塗布溶液を供給する塗布処理である。この塗布溶液は、例えば、イソシアネート化合物およびポリオールなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。イソシアネート化合物は、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびイソホロンジイソシアネート(IPDI)などである。ポリオールは、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、シリコーン系ポリオール、アクリルフッ素系ポリオール、アクリルシリコーン系ポリオールおよびフッ素系ポリオールなどである。ただし、ポリオールは、多重体および変性体などでもよい。
なお、塗布溶液は、必要に応じて、カーボンブラックおよびイオン導電剤などの導電性材料を含んでいてもよい。また、塗布溶液は、必要に応じて、複数の粒子を含んでいてもよい。この複数の粒子は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂およびイソシアネート樹脂などの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
中でも、塗布溶液は、フッ素樹脂を含んでいるため、弾性層412は、そのフッ素樹脂を含む塗布溶液により表面処理されていることが好ましい。後述するように、帯電ローラ41の表面41Mの表面自由エネルギーEが適正に低下しやすくなるからである。このフッ素樹脂は、フッ素(F)を構成元素として含む樹脂(高分子材料)の総称であり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
ここで、帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mは、図4および図5に示したように、複数の溝41Zを有している。各溝41Zは、回転方向R2(Y軸方向)に延在していると共に、複数の溝41Zは、その回転方向R2と交差する方向(X軸方向)に配列されている。このため、帯電ローラ41の表面41Mには、回転方向R2に延在する複数の稜線41Lが設けられている。なお、溝41Zの深さ(または稜線41Lの高さ)は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
弾性層412の表面41Mが複数の溝41Zを有しているのは、媒体Mとして粘着剤を含むラベル紙を用いた場合において、その媒体Mからはみ出した粘着剤が帯電ローラ41の表面41Mに付着しても、その粘着剤が帯電ローラ41の表面41Mに定着しにくくなるからである。これにより、粘着剤がクリーニングローラ42により巻き上げられやすくなるため、帯電ローラ41の表面41Mに付着した粘着剤が帯電処理に悪影響を及ぼしにくくなる。なお、ここで説明した理由の詳細に関しては、後述する。
回転方向R2に延在する複数の溝41Zが帯電ローラ41の表面41Mに形成されれば、その複数の溝41Zの形成方法、すなわち弾性層412の形成方法は、特に限定されない。中でも、帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mは、テープ研磨法を用いて回転方向R2にテープ研磨(湿式研磨)されていることが好ましい。回転方向R2に延在する複数の溝41Zが容易かつ安定に形成されやすくなるからである。
[クリーニングローラ]
クリーニングローラ42は、帯電ローラ41の表面41Mに付着した異物を除去するローラ(清掃ローラ)であり、その帯電ローラ41の表面41Mに圧接されている。このクリーニングローラ42は、帯電ローラ41の表面41Mに付着した異物を回転しながら巻き上げることにより、その異物を除去する。具体的には、クリーニングローラ42は、例えば、シャフト(芯体)421と、弾性層422とを含んでいる。ここで、弾性層422は、本発明の一実施形態の「第2表面層」である。
シャフト421は、図3に示したように、X軸方向に延在する円筒状の部材であり、金属材料および高分子材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。金属材料の種類は、特に限定されないが、例えば、快削鋼(SUM)およびステンレス鋼(SUS)などである。ただし、シャフト411の表面には、例えば、無電解鍍金法などを用いてニッケルなどの金属材料が鍍金されていてもよい。高分子材料の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリアセタール(POM)などである。
弾性層422は、図3に示したように、シャフト421の外周面を被覆しており、帯電ローラ41の表面41Mに圧接された表面42Mを有している。ただし、弾性層422は、例えば、シャフト421の外周面のうちの中央部(長手方向における両端部を除いた部分)だけを被覆していてもよいし、シャフト421の外周面を螺旋状に被覆していてもよい。クリーニングローラ42(弾性層422)は、帯電ローラ41の表面41Mに圧接されながら、シャフト421を中心(回転軸)として回転方向R3に回転可能である。このクリーニングローラ42の回転方向R3(例えば、時計回り)は、帯電ローラ41の回転方向R2(例えば、反時計回り)とは反対の方向である。なお、弾性層422は、例えば、単層でもよいし、多層でもよい。また、弾性層422は、例えば、発泡構造を有していてもよいし、ソリッド層と発泡層とが互いに積層された構造を有していてもよい。ここで、表面42Mは、本発明の一実施形態の「第2表面」である。
この弾性層422は、例えば、発泡性樹脂およびゴム材料などの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。発泡性樹脂の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミドおよびポリプロピレンなどである。ゴム材料の種類は、特に限定されないが、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM,EDPM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)およびクロロプレンゴム(CR)などである。なお、弾性層422は、必要に応じて、発泡助剤、整泡剤、触媒、硬化剤、可塑剤および加硫促進剤などの助剤のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
中でも、気泡を有する発泡性樹脂が好ましい。後述するように、帯電ローラ41の表面41Mとクリーニングローラ42の表面42Mとの動摩擦係数μが適正に低下しやすくなるからである。これにより、帯電ローラ41の表面41Mに付着した異物がクリーニングローラ42(弾性層422)により除去されやすくなる。
特に、発泡性のポリウレタン(発泡ポリウレタン)がより好ましい。発泡ポリウレタンは、引き裂きおよび引っ張りなどに対して耐性を有するため、帯電ローラ41の表面41Mが傷付きにくくなると共に、その帯電ローラ41が破損(例えば、千切れなど)しにくくなるからである。
弾性層422の密度(JIS K7222)は、特に限定されないが、例えば、20kg/m3 〜80kg/m3 である。弾性層422の硬さ(JIS K6400−2,25%圧縮硬さ)は、特に限定されないが、例えば、100N〜410Nである。弾性層422の引っ張り強度(JIS K6400−5)は、特に限定されないが、例えば、60kPa〜300kPaである。弾性層422の伸び(JIS K6400−5)は、特に限定されないが、例えば、100%〜220%である。
[物性]
この帯電ユニット40では、上記したように、帯電ローラ41の表面41Mに粘着剤Vが定着しにくくなると共に、その帯電ローラ41の表面41Mに付着した粘着剤Vがクリーニングローラ42により除去されやすくするために、その帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mが複数の溝41Zを有している。
この場合には、帯電ローラ41の表面形状(複数の溝41Z)の観点において粘着剤Vが定着しにくくなると共に除去されやすくなるようにするだけでなく、帯電ローラ41およびクリーニングローラ42のそれぞれの物性の観点においても粘着剤Vが定着しにくくなると共に除去されやすくなるようにするために、その物性が適正化されている。
具体的には、帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mの表面自由エネルギーE(dyn/cm)は、12.00dyn/cm〜25.60dyn/cmである。また、帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mとクリーニングローラ42(弾性層422)の表面42Mとの動摩擦係数μは、0.48〜0.86である。
表面自由エネルギーEが上記した範囲内であるのは、その表面自由エネルギーEが適正に低下するため、帯電ローラ41の表面41Mの極性が適正に低下するからである。これにより、表面41Mに対する粘着剤Vの付着力が低下するため、その粘着剤Vが表面41Mに定着しにくくなる。よって、クリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mから粘着剤Vを除去しやすくなる。
また、動摩擦係数μが上記した範囲内であるのは、その動摩擦係数μが適正に低下するため、帯電ローラ41の表面41Mとクリーニングローラ42の表面42Mとが互いに摺接し合う力は適正に低下するからである。これにより、クリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mに粘着剤Vを擦り付けにくくなるため、その粘着剤Vが表面41Mに定着しにくくなる。よって、クリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mから粘着剤Vをより除去しやすくなる。
ここで、表面自由エネルギーEの測定方法は、以下の通りである。表面自由エネルギーEを測定する場合には、表1に示した3種類の液体試料を用いて、帯電ローラ41の表面41Mにおける接触角を測定する。この3種類の液体試料は、水(H2 O)、ジヨードメタン(CH2 2 )およびドデカン(C1226)である。これらの3種類の液体試料に関する表面自由エネルギー成分γd(dyn/cm),γp(dyn/cm),γh(dyn/cm),γtotal(dyn/cm)は、表1に示した通りである。
Figure 2020086348
接触角を測定する場合には、液適法を用いて、液量=0.22×10-3 ml〜0.27×10-3 ml(=0.22mm3 〜0.27mm3 )として接触角を測定する。こののち、接触角の測定結果に基づいて、北崎・畑理論の式およびヤング−デュプレの式を用いて表面自由エネルギーEを算出する。
また、動摩擦係数μの測定方法は、以下の通りである。図6は、動摩擦係数μの測定方法を説明するために、帯電ローラ41などの平面構成を表している。動摩擦係数μを測定する場合には、オイラーのベルト式を用いる。
具体的には、図6に示したように、ベルト201の内側面を帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mに接触させたのち、そのベルト201の一端部を重り202に接続させると共に、そのベルト201の他端部を荷重計203に接続させる。この場合には、ベルト201の内側面が帯電ローラ41の表面41Mに巻き付けられる角度(巻き付け角度)をθ(rad)とする。
この状態において、帯電ローラ41をベルト201に接触させながら所定の回転速度で回転方向R4に回転させると、巻き付け角度θ(rad)と、重り202の荷重W(gf)と、荷重計203において測定される力F(gf)と、帯電ローラ41の表面41Mとベルト201の内側面との動摩擦係数μとの間には、下記の式(1)で表される関係式が成立する。
μ=(1/θ)ln(F/W) ・・・(1)
式(1)に示した関係式を用いて、帯電ローラ41の表面41Mとクリーニングローラ42の表面42Mとの動摩擦係数μを測定する場合には、弾性層422の形成材料と同様の材料により形成されたベルト201を用いることにより、その動摩擦係数μを算出する。この場合には、巻き付け角度θ=π/2rad、ベルト201の幅=7mmおよび厚さ=4mm、荷重W=50gf、帯電ローラ41の回転速度(ベルト201に摺接する速度)=1.0mm/秒とする。これにより、荷重計203を用いて力Fを測定したのち、式(1)に示した関係式を用いて動摩擦係数μを算出する。
<1−2.動作>
この画像形成装置では、例えば、以下で説明する手順により、媒体Mに画像が形成される。以下では、既に説明した図1〜図3を随時参照する。
媒体Mに画像を形成する場合には、外部装置から画像形成装置に画像データが送信されると、I/F制御部102が画像データを受信したのち、その画像データが受信メモリ111に格納されると共に、編集処理された画像データが画像データ編集メモリ112に格納される。
この場合には、搬送制御部105が搬送ローラ80を駆動させることにより、ホッピングローラ20によりカセット10から媒体Mが取り出されたのち、その媒体Mが搬送方向D1に向かって搬送経路Pに沿うように搬送される。こののち、画像形成装置は、例えば、以下で説明するように、帯電処理、露光処理、現像処理、転写処理および定着処理をこの順に行う。これらの一連の処理は、制御部100(主制御部101)により制御される。
[帯電処理]
最初に、帯電ユニット40において、帯電ローラ用電源121が帯電ローラ41(シャフト411)に電圧を印加すると、その帯電ローラ41が感光体ドラム311に圧接されながら回転することにより、その感光体ドラム311の表面311Mを均一に帯電させる。この場合には、クリーニングローラ42が帯電ローラ41に圧接されながら回転するため、その帯電ローラ41の表面41Mに付着した異物がクリーニングローラ42により除去される。
[露光処理]
続いて、露光ユニット50において、露光制御部103が光源51を駆動させることにより、編集処理された画像データに基づいて光源51が感光体ドラム311の表面に露光用の光を放射する。これにより、感光体ドラム311の表面に静電潜像が形成される。
[現像処理]
続いて、現像ユニット30(現像処理ユニット31)において、供給ローラ用電源123が供給ローラ313に電圧を印加すると共に、現像ローラ用電源122が現像ローラ312に電圧を印加すると、供給ローラ313が現像ローラ312の表面にトナーを供給すると共に、現像ローラ312が静電潜像にトナーを付着させる。この場合には、感光体ドラム311の表面に付着した不要なトナーなどの異物がクリーニングブレード314により掻き取られる。
[転写処理]
続いて、転写ユニット60において、駆動制御部106が転写ベルト63を駆動させると共に、転写ローラ用電源124が転写ローラ64に電圧を印加すると、転写ベルト63が移動方向D2に向かって移動すると共に、転写ローラ64が転写ベルト63を介して感光体ドラム311に圧接される。これにより、静電潜像に付着されたトナーが媒体Mに転写される。この場合には、転写ベルト63の表面に付着した不要なトナーなどの異物がクリーニングブレード65により掻き取られる。
なお、4個の現像処理ユニット31(31Y,31M,31C,31K)および4個の転写ローラ64(64Y,64M,64C,64K)のうちのいずれの組み合わせにより現像処理および転写処理が行われるかは、画像を形成するために必要なトナーの色の組み合わせに応じて決定される。
[定着処理]
最後に、定着ユニット70において、媒体Mに転写されたトナーが加圧ローラ72により加圧されながら加熱ローラ71により加熱されるため、その媒体Mにトナーが定着される。これにより、媒体Mに画像が形成されるため、画像の形成動作が完了する。
<1−3.作用および効果>
本実施形態の画像形成装置では、帯電ユニット40において、帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mが回転方向R2に延在する複数の溝41Zを有している。この場合において、帯電ローラ41の表面41Mの表面自由エネルギーEが12.00dyn/cm〜25.60dyn/cmであると共に、その帯電ローラ41の表面41Mとクリーニングローラ42(弾性層422)の表面42Mとの動摩擦係数μが0.48〜0.86である。よって、以下で説明する理由により、高品質な画像を形成することができる。
以下では、帯電ローラ41の表面41Mが複数の溝41Zを有していることが好ましい理由に関して説明したのち、表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μのそれぞれに関して上記した条件が満たされていることが好ましい理由に関して説明する。
[複数の溝に関する理由]
図7は、第1比較例の画像形成装置における帯電ローラ141の表面141Mの一部の斜視構成を拡大して表しており、図4に対応している。図8は、図7に示した帯電ローラ141の表面141Mの平面構成を模式的に表しており、図5に対応している。
図9は、第2比較例の画像形成装置における帯電ローラ241の表面241Mの一部の斜視構成を拡大して表しており、図4に対応している。図10は、図9に示した帯電ローラ241の表面241Mの平面構成を模式的に表しており、図5に対応している。
第1比較例の帯電ローラ141は、テープ研磨法を用いて弾性層412の表面141Mがテープ研磨(湿式研磨)されておらずに、円筒研磨法(砥石)を用いて弾性層412の表面412Mが砥石研磨(乾式研磨)されていることを除いて、帯電ローラ41と同様の構成を有している。この場合には、回転方向R2に延在する複数の溝41Zが表面141Mに形成されておらずに、回転方向R2に向かって複数の段差141Dが表面141Mに形成されている。
第2比較例の帯電ローラ241は、テープ研磨法を用いて弾性層412の表面241Mがテープ研磨(湿式研磨)されておらずに、その弾性層412が型成形されていることを除いて、帯電ローラ41と同様の構成を有している。この場合には、回転方向R2に延在する複数の溝41Zが表面241Mに形成されておらずに、ランダムに配置された複数の突起241Tが表面241Mに形成されている。
ここで、媒体Mとして粘着剤を含むラベル紙を用いた場合には、搬送途中において媒体Mから粘着剤Vがはみ出す場合がある。媒体Mから粘着剤Vがはみ出す原因としては、例えば、転写ローラ64により媒体Mが転写ベルト63を介して感光体ドラム311に押し付けられるため、その媒体Mが上下から押されることなどが考えられる。また、例えば、使用前の状態において何らかの原因に起因して媒体Mが上下から押されることなども考えられる。
この場合には、帯電ローラ41が感光体ドラム311に圧接されているため、媒体Mからはみ出した粘着剤Vが感光体ドラム311の表面311Mに付着すると、その粘着剤Vが感光体ドラム311の表面311Mから帯電ローラ41の表面41Mに移行しやすくなる。帯電ローラ41の表面41Mに粘着剤Vが付着すると、帯電処理時において感光体ドラム311の表面311Mでは粘着剤Vの付着領域に対応する領域において帯電不良が発生するため、現像処理時において帯電不良が発生した領域に意図せずにトナーが付着されやすくなる。この帯電不良が発生する傾向は、特に、粘着剤Vが絶縁性を有している場合に顕著になる。帯電ローラ41の表面41Mに絶縁性の粘着剤Vが付着すると、その帯電ローラ41が感光体ドラム311の表面311Mを帯電させにくくなるからである。
これにより、画像形成装置により媒体Mに形成された画像中には、帯電ローラ41の回転周期に対応する位置に画像不良(いわゆる斑点欠陥)が発生しやすくなる。この斑点欠陥は、帯電不良の発生領域に付着されたトナーの種類に応じた色を有する斑点状の画像欠陥であり、画像データ(静電潜像の形成パターン)とは無関係に形成される画像不良である。
よって、画像中に斑点欠陥が発生することを抑制するためには、媒体Mとしてラベル紙を用いた場合において、クリーニングローラ42による清掃機能を向上させる必要がある。すなわち、帯電ローラ41の表面41Mに粘着剤Vが付着した際に、その帯電ローラ41の表面41Mに粘着剤Vが定着(滞留)しにくくなるように、クリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mから粘着剤Vを除去しやすくする必要がある。
この点に関して、第1比較例の帯電ローラ141では、図7に示したように、弾性層412の表面141Mが砥石研磨されたことに起因して、回転方向R2に向かって複数の段差141Dが形成されている。この場合には、図8に示したように、粘着剤Vが表面141Mに付着すると、その表面141Mに対する粘着剤Vの接触面積(言い替えれば付着力)が大きくなるため、その粘着剤Vが表面141Mに定着しやすくなる。しかも、粘着剤Vが段差141Dの近傍に付着すると、その粘着剤Vが段差141Dに引っ掛かりやすくなるため、帯電ローラ141に圧接されながらクリーニングローラ42が回転しても、そのクリーニングローラ42が帯電ローラ141の表面141Mから粘着剤Vを除去しにくくなる。
よって、第1比較例の画像形成装置では、帯電ローラ141の表面141Mに粘着剤Vが定着しやすくなると共に、クリーニングローラ42が粘着剤Vを除去しにくくなるため、斑点欠陥が発生しやすくなる。
また、第2比較例の帯電ローラ241では、図9に示したように、弾性層412が型成形されたことに起因して、複数の突起241Tが形成されている。この場合には、図10に示したように、粘着剤Vが表面241Mに付着すると、その表面241Mに対する粘着剤Vの接触面積(付着力)が大きくなるため、その粘着剤Vが表面241Mに定着しやすくなる。しかも、粘着剤Vが突起241Tの近傍に付着すると、その粘着剤Vが突起241Tに引っ掛かりやすくなるため、帯電ローラ141に圧接されながらクリーニングローラ42が回転しても、そのクリーニングローラ42が帯電ローラ241の表面241Mから粘着剤Vを除去しにくくなる。
よって、第2比較例の画像形成装置では、上記した第1比較例の画像形成装置と同様に、帯電ローラ241の表面241Mに粘着剤Vが定着しやすくなると共に、クリーニングローラ42が粘着剤Vを除去しにくくなるため、やはり斑点欠陥が発生しやすくなる。
これに対して、本実施形態の帯電ローラ41では、図4に示したように、弾性層412がテープ研磨されたことに起因して、回転方向R2に延在する複数の溝41Zが形成されている。この場合には、図5に示したように、粘着剤Vが表面41Mに付着しても、その粘着剤Vが複数の稜線41Lにより部分的に支持されることに起因して表面41Mに対する粘着剤Vの接触面積(付着力)が小さくなるため、その粘着剤Vが表面41Mに定着しにくくなる。しかも、粘着剤Vが溝41Zに入り込まない限り、その粘着剤Vが表面41Mにおいて引っ掛かりにくくなるため、帯電ローラ141に圧接されながらクリーニングローラ42が回転すると、そのクリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mから粘着剤Vを除去しやすくなる。
よって、本実施形態の画像形成装置では、上記した第1比較例の画像形成装置および第2比較例の画像形成装置とは異なり、帯電ローラ41の表面41Mに粘着剤Vが定着しにくくなると共に、クリーニングローラ42が粘着剤Vを除去しやすくなるため、斑点欠陥が発生しにくくなる。
[表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μに関する理由]
また、帯電ユニット40では、帯電ローラ41の表面41Mが複数の溝41Zを有している場合において、上記したように、表面自由エネルギーEが所定の範囲となるように適正化されていると共に、動摩擦係数μも所定の範囲となるように適正化されている。
この場合には、上記したように、表面自由エネルギーEが適正に低下しているため、その表面自由エネルギーEが適正に低下していない場合と比較して、帯電ローラ41の表面41Mに対する粘着剤Vの付着力が十分に低下する。これにより、粘着剤Vが表面41Mにより定着しにくくなるため、クリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mから粘着剤Vをより除去しやすくなる。
しかも、動摩擦係数μが適正に低下しているため、その動摩擦係数μが適正に低下していない場合と比較して、クリーニングローラ42が帯電ローラ41に圧接されながら回転しても、そのクリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mに粘着剤Vを擦り付けにくくなる。これにより、粘着剤Vが表面41Mにさらに定着しにくくなるため、クリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mから粘着剤Vをさらに除去しやすくなる。
[まとめ]
これらのことから、本実施形態の画像形成装置では、帯電ローラ41の表面41Mの形状(複数の溝41Z)が適正化されている観点において、クリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mから粘着剤Vを除去しやすくなる。しかも、帯電ローラ41およびクリーニングローラ42に関する物性(表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μ)が適正化されている観点において、クリーニングローラ42が帯電ローラ41の表面41Mから粘着剤Vをより除去しやすくなる。よって、画像中に斑点欠陥が発生しにくくなるため、高品質な画像を形成することができる。
[他の作用および効果]
この他、本実施形態の画像形成装置では、帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mが回転方向R2にテープ研磨されていれば、その表面41Mに複数の溝41Zが容易かつ安定に形成されやすくなる。よって、帯電ローラ41の表面41Mに粘着剤Vがより定着しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、帯電ローラ41の弾性層412がフッ素樹脂を含む塗布溶液により表面処理されていれば、その帯電ローラ41の表面41Mの表面自由エネルギーEが適正に低下しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。この場合には、弾性層412がエピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物を含んでいれば、表面自由エネルギーがより低下しやすくなるため、さらに高い効果を得ることができる。
また、クリーニングローラ42の弾性層422が発泡ポリウレタンを含んでいれば、帯電ローラ41の表面41Mとクリーニングローラ42の表面42Mとの動摩擦係数μが適正に低下しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
ここで説明した画像形成装置に関する作用および効果は、帯電装置(帯電ユニット40)においても同様に得られる。
<2.変形例>
上記した画像形成装置の構成は、適宜、変更可能である。具体的には、帯電ローラ41の表面41Mに複数の溝41Zが形成されれば、その表面41Mの研磨方法は、上記したテープ研磨法に限られず、他の研磨法でもよい。また、表面自由エネルギーEが上記した適正な範囲内になれば、その弾性層412の形成材料は、上記したエピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物に限られず、他の材料でもよい。また、動摩擦係数μが上記した適正な範囲内になれば、弾性層422の形成材料は、上記した発泡ポリウレタンに限られず、他の材料でもよい。これらの場合においても、帯電ローラ41の表面41Mに複数の溝41Mが形成されていると共に、表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μのそれぞれに関して上記した適正な条件が満たされていれば、同様の効果を得ることができる。
本発明の実施例に関して、詳細に説明する。
(実験例1〜25)
以下の手順により、画像形成装置を用いて媒体Mに画像を形成したのち、その画像の品質を評価した。
[画像形成装置などの準備]
帯電ユニット40(帯電ローラ41およびクリーニングローラ42)を備えた画像形成装置と、媒体Mと、4色のトナー(イエロートナー,マゼンタトナー,シアントナー,ブラックトナー)とを準備した。
画像形成装置としては、電子写真方式のフルカラープリンタ(株式会社沖データ製のプリンタ C542dn)を用いた。媒体Mとしては、ラベル紙(A5サイズ)と、普通紙(A4サイズ)とを用いた。このラベル紙は、合成紙(厚さ=100μm)/粘着剤(絶縁性のアクリル系粘着剤,厚さ=30μm)/剥離紙(厚さ=50μm)という3層構造を有している。
クリーニングローラ42としては、シャフト421(無電解鍍金法を用いてニッケル鍍金された快削鋼(SUM),外径=4mm)の外周面に弾性層422(発泡ポリウレタン,株式会社ノイアックコーポレーション製のウレタンフォーム モルトプレンSM−55,外径=6mm)が設けられたローラを用いた。
帯電ローラ41としては、以下の手順により作製されたローラを用いた。帯電ローラ41を作製する場合には、最初に、シャフト411(無電解鍍金法を用いてニッケル鍍金された快削鋼(SUM),外径=6mm)の外周面に弾性層412(エピクロルヒドリンゴム(ECO)とアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)との混合物を主成分とするゴム材料,外径=9.5mm)が設けられたローラ前駆体を準備した。
続いて、回転方向R2において円筒研磨法(砥石)を用いて弾性層412の表面41Mを乾式研磨したのち、同方向においてテープ研磨法を用いて弾性層412の表面41Mを湿式研磨した。このテープ研磨法を用いた研磨処理により、回転方向R2に延在する複数の溝41Zが弾性層412の表面41Mに形成された。
続いて、有機溶剤(酢酸エチル)100質量部と、イソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI))15質量部と、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))0.3質量部〜3質量部とを混合したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、塗布溶液を調製した。
最後に、浸漬法を用いて弾性層412の表面41Mに塗布溶液を塗布したのち、その塗布溶液を乾燥させた。これにより、弾性層412の内部に塗布溶液が浸透すると共に、有機溶剤が揮発しながら塗布溶液が硬化したため、その弾性層412が表面処理された。よって、帯電ローラ41が完成した。
この場合には、弾性層412の表面41Mの表面粗さ(JIS B 0601:1994に準拠する最大高さRy)を1μm〜25μmの範囲内において5段階に変化させると共に、塗布溶液中におけるフッ素樹脂の濃度を0.3質量部〜3質量部の範囲内において5段階に変化させることにより、表2に示したように、表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μのそれぞれを変化させた。表面粗さを変化させる場合には、テープ研磨法を用いた研磨工程においてテープの粒度および研磨速度のそれぞれを変化させた。なお、表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μのそれぞれの測定方法は、上記した通りである。
Figure 2020086348
[画像の形成および評価]
以下の手順により、媒体Mに画像を形成したのち、その画像の品質を評価したところ、表2に示した結果が得られた。
最初に、常温常湿の環境条件下(温度=24±4℃,湿度=50±14%RH)において、媒体M(ラベル紙)に画像を連続形成した。この場合には、画像パターンをベタパターン(印字率=100%)とすると共に、画像の形成枚数を10000枚とした。
続いて、低温低湿の環境条件下(温度=10℃,湿度=15%RH)において、媒体M(普通紙)に画像を形成した。この場合には、画像パターンをベタパターン(印字率=0%)および画像の形成枚数を1枚とすると共に、画像パターンをハーフトーンパターン(印字率=25%)および画像の形成枚数を1枚とした。
最後に、媒体M(普通紙)に形成された2種類の画像の状態を目視で確認することにより、その画像の品質を評価した。具体的には、2種類の画像のうちのいずれにおいても斑点欠陥が発生していなかった場合を「A」と評価した。一方、2種類の画像のうちの一方または双方において斑点欠陥が発生していた場合を「B」と評価した。
なお、図11は、表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μと画像の品質(斑点欠陥の発生状況)との相関を表している。図11では、表2中においてAと評価されたデータを「○」で表していると共に、表2中においてBと評価されたデータを「×」で表している。
[考察]
表1および図11に示したように、帯電ローラ41(弾性層412)の表面41Mが複数の溝41Mを有している場合において、斑点欠陥の発生状況は、その帯電ローラ41およびクリーニングローラ42の物性(表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μ)に応じて変動した。
具体的には、表面自由エネルギーEが12.00dyn/cm〜25.60dyn/cmであると共に動摩擦係数μが0.48〜0.86であるという2つの条件が満たされている場合(実験例1〜4,6〜9,11〜14,16,17,21)には、その2つの条件が満たされていない場合(実験例5,10,15,18〜20,22〜25)とは異なり、斑点欠陥が発生しなかった。なお、図11中において破線で囲まれた範囲は、斑点欠陥が発生しなかった範囲を表している。
よって、帯電ローラ41の表面41Mが複数の溝41Zを有している場合において、その帯電ローラ41およびクリーニングローラ42の物性(表面自由エネルギーEおよび動摩擦係数μ)に関して上記した2つの条件が満たされていると、画像の品質が改善された。よって、高品質な画像を形成することができた。
以上、一実施形態を挙げながら本発明の態様に関して説明したが、その本発明の態様は、上記した態様に限定されない。
具体的には、例えば、本発明の一実施形態の画像形成装置は、カラー方式に限られず、モノクロ方式でもよい。また、本発明の一実施形態の画像形成装置は、プリンタに限られず、複写機、ファクシミリおよび複合機などでもよい。さらに、例えば、本発明の一実施形態の画像形成装置は、中間転写媒体を用いない直接転写方式に限られず、その中間転写媒体を用いた中間転写方式でもよい。この他、本発明の一実施形態の帯電装置は、プリンタなどの画像形成装置以外の用途に用いられてもよい。
30…現像ユニット、40…帯電ユニット、41…帯電ローラ、41M,42M,311M…表面、41Z…溝、42…クリーニングローラ、60…転写ユニット、70…定着ユニット、311…感光体ドラム、411,421…シャフト、412,422…弾性層、R1〜R3…回転方向。

Claims (6)

  1. 被帯電部材の表面を帯電させると共に前記被帯電部材の表面に圧接された第1表面を有し、前記被帯電部材の表面に前記第1表面が圧接されながら回転方向に回転可能であり、前記第1表面が前記回転方向に延在する複数の溝を有し、前記第1表面の表面自由エネルギーが12.00dyn/cm以上25.60dyn/cm以下の範囲内である、帯電部材と、
    前記第1表面に付着した異物を除去すると共に前記第1表面に圧接された第2表面を有し、前記第1表面に前記第2表面が圧接されながら前記回転方向と反対の方向に回転可能であり、前記第1表面と前記第2表面との動摩擦係数が0.48以上0.86以下の範囲内である、清掃部材と
    を備えた、帯電装置。
  2. 前記第1表面は、前記回転方向にテープ研磨されている、
    請求項1記載の帯電装置。
  3. 前記帯電部材は、前記第1表面を有する第1表面層を含み、
    前記第1表面層は、フッ素樹脂を含む溶液により表面処理されている、
    請求項1または請求項2に記載の帯電装置。
  4. 前記第1表面層は、エピクロルヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエンゴムとの混合物を含む、
    請求項3記載の帯電装置。
  5. 前記清掃部材は、前記第2表面を有する第2表面層を含み、
    前記第2表面層は、発泡ポリウレタンを含む、
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の帯電装置。
  6. 被帯電部材である感光部材の表面において帯電処理を行う請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の帯電装置と、
    前記感光部材を含むと共に、前記帯電装置により帯電処理された前記感光部材の表面にトナーを付着させる現像処理を行う現像装置と、
    前記現像装置により現像処理された前記トナーを用いて転写処理を行う転写装置と、
    前記転写装置により転写処理された前記トナーを用いて定着処理を行う定着装置と
    を備えた、画像形成装置。
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