JP2020084134A - プロピレン系樹脂組成物および成形体 - Google Patents
プロピレン系樹脂組成物および成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020084134A JP2020084134A JP2018225063A JP2018225063A JP2020084134A JP 2020084134 A JP2020084134 A JP 2020084134A JP 2018225063 A JP2018225063 A JP 2018225063A JP 2018225063 A JP2018225063 A JP 2018225063A JP 2020084134 A JP2020084134 A JP 2020084134A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- propylene
- mass
- group
- olefin
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
Description
下記要件(1)〜(4)を満たすプロピレン系重合体(A1)、および、プロピレン単独重合体部とプロピレン・α−オレフィン共重合体部とからなるプロピレン系ブロック共重合体(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(A)20〜99質量%、
エチレンに由来する構成単位50〜95モル%と、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位5〜50モル%とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)0〜50質量%、
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)0〜20質量%、および
無機充填材(D)1〜70質量%
を含み(ただし、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とする。)、
前記プロピレン系重合体プロピレン系ブロック共重合体(A2)が、
前記プロピレン単独重合体部として、前記プロピレン系重合体(A1)60〜99質量%、および
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体部として、プロピレンに由来する構成単位55〜90モル%と、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位10〜45モル%とを含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)1〜40質量%を含む(ただし、成分(A1)および(A3)の合計を100質量%とする。):
(1)メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.5〜1000g/10分である;
(2)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、前記要件(1)のメルトフローレートをBg/10分とした場合、下記式(I)を満たす;
100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B)・・・(I)
(3)アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm)が98.0%よりも高く、99.9%以下である;
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.2〜20である。
本発明の成形体は、本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いて形成されることを特徴とする。
本発明のプロピレン系樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、
後述する、プロピレン系重合体(A1)、および、プロピレン単独重合体部とプロピレン・α−オレフィン共重合体部とからなるプロピレン系ブロック共重合体(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(A)20〜99質量%、
エチレンに由来する構成単位50〜95モル%と、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位5〜50モル%とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)0〜50質量%、
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)0〜20質量%、および
無機充填材(D)1〜70質量%
を含むことを特徴とする(ただし、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とする。)。以下、各成分について説明する。
前記成分(A)として用いることができるプロピレン系重合体(A1)は下記要件(1)〜(4)を満たす。
(1)メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.5〜1000g/10分である。
(2)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、前記要件(1)のメルトフローレートをBg/10分とした場合、下記式(I)を満たす。
100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B)・・・(I)
(3)アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm)が98.0%よりも高く、99.9%以下である。
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.2〜20である。
前記プロピレン単独重合体部として、前記プロピレン系重合体(A1)60〜99質量%、および
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体部として、プロピレンに由来する構成単位55〜90モル%と、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位10〜45モル%とを含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)1〜40質量%を含む(ただし、成分(A1)および(A3)の合計を100質量%とする。)。
以下、前記プロピレン系重合体(A1)の各要件について説明する。
<要件(1)>
前記プロピレン系重合体(A1)は、MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.5〜1000g/10分、好ましくは1.0〜800g/10分、より好ましくは1.5〜500g/10分である。MFRが前記範囲内であると、本発明の組成物の成形性と機械強度とのバランスが優れる。なお、前記プロピレン系重合体(A1)は、好ましくは50〜1000g/10分、より好ましくは100〜1000g/10分、特に好ましくは100〜500g/10分の高MFR領域においても、高立体規則性を有する。
前記プロピレン系重合体(A1)は、TREFにより122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、前記要件(1)のメルトフローレートをBg/10分とした場合、下記式(I)を満たす。
100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B)・・・(I)
上記式(I)を満たすプロピレン系重合体(A1)は、MFRが一定以上であっても、一定の耐熱性および高剛性を示す立体規則性を有する点で好ましい。
前記プロピレン系重合体(A1)は、アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm)が、98.0%よりも高く99.9%以下であり、好ましくは98.1〜99.9%、より好ましくは98.2〜99.9%である。アイソタクチックメソペンタッド分率が前記範囲内であると、プロピレン系重合体(A1)の立体規則性が充分に高くなる傾向にある。
前記プロピレン系重合体(A1)は、GPCにより測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.2〜20、好ましくは4.5〜15、より好ましくは4.8〜10である。Mw/Mnが前記範囲内であると、プロピレン系重合体の成形性の観点から好ましい。
なお、前記プロピレン系重合体(A1)は、前記要件(1)〜(4)に加えて、下記要件(5)を満たすことが好ましい。
(5)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したZ平均分子量(Mz)が30万〜500万である。
前記プロピレン系重合体(A1)は、TREFにより122℃以上の温度で溶出する成分のZ平均分子量(Mz)が、好ましくは30万〜500万、より好ましくは40万〜480万、特に好ましくは50万〜450万である。前記溶出成分のMzが前記範囲内であるとプロピレン系樹脂組成物の剛性が向上する観点で好ましい。
前記プロピレン系重合体(A1)を製造するために用いることができるオレフィン重合用触媒としては、特に限定されないが、例えば、
(i)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体(内部ドナー)を含み、かつ、下記要件(k1)〜(k4)を満たす固体状チタン触媒成分と、
(ii)下記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物成分(外部ドナー)と、
(iii)周期律表の1族、2族または13族に属する元素を含む有機金属化合物成分と
を含む触媒〔A〕、または、
前記触媒〔A〕にプロピレンが予備重合された予備重合触媒(p)と、前記有機ケイ素化合物成分(ii)と、前記有機金属化合物成分(iii)とを含む触媒〔B〕
が挙げられる。
(k1)チタン含有量が2.5質量%以下である。
(k2)電子供与体の含有量が8〜30質量%である。
(k3)電子供与体/チタン(質量比)が5以上である。
(k4)室温でのヘキサン洗浄によってチタンが実質的に脱離されることがない。
R1 nSi(OR2)2(NR3R4)2-n ・・・(II)
式(II)中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R2は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素基または水素原子を示し、R4は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、R3とR4とは互いに結合して炭素数3〜20の2価の炭化水素基を形成していてもよく、nは0もしくは1である。
≪固体状チタン触媒成分(i)≫
前記固体状チタン触媒成分(i)は、
(a)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含み、かつ室温でのヘキサン洗浄によってチタンが脱離することがない固体状チタン、
(b)芳香族炭化水素、
(c)液状チタン、および
(d)電子供与体
を接触させる工程を含む方法により調製することができる。
前記固体状チタン(a)は、マグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体(内部ドナー)などを種々の方法により接触させることにより、公知の固体状チタン触媒成分の調製法(例えば特開平4−096911号公報、特開昭58−83006号公報、特開平8−143580号公報等参照)により製造することができる。
Ti(OR5)gX4-g ・・・(III)
式(III)中、R5は炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、0≦g≦4である。
前記電子供与体(内部ドナー)としては、例えば、下記式(IV)で表わされる化合物(以下「化合物(IV)」ともいう。)が挙げられる。
このようにして得られた固体状チタン(a)は、室温でのヘキサン洗浄によってチタンが脱離することがない。
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる芳香族炭化水素(b)としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、これらのハロゲン含有炭化水素などが挙げられる。これらの中では、キシレン(特にパラキシレン)が好ましい。前記固体状チタン(a)を、このような芳香族炭化水素(b)と接触させることにより、低立体規則性成分を副生する、いわゆる「剰余チタン化合物」を低減することができる。
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる液状チタン(c)としては、該固体状チタン(a)を調製する際に用いたチタン化合物と同様のものを挙げることができる。それらの中でも、テトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。
前記固体状チタン(a)との接触に用いられる電子供与体(d)の例としては、上述した電子供与体(内部ドナー)で例示したものと同じものを挙げることができる。それらの中でも、前記固体状チタン(a)の調製に使用した電子供与体と同じものを用いることが好ましい。
固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)の接触は、通常110〜160℃、好ましくは115℃〜150℃の温度で、1分間〜10時間、好ましくは10分間〜5時間行われる。
固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)は、不活性ガス雰囲気下、攪拌下に接触させることが好ましい。例えば、充分に窒素置換された攪拌機付きガラス製フラスコ中で、固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)のスラリーを、上記温度で、攪拌機を100〜1000rpm、好ましくは200〜800rpmの回転数で、上記の時間、攪拌して、固体状チタン(a)、芳香族炭化水素(b)、液状チタン(c)および電子供与体(d)を接触させることが望ましい。
このような固体状チタン(a)と芳香族炭化水素(b)との接触により、固体状チタン(a)よりもチタン含有量が減少された固体状チタン触媒成分(i)が得られる。具体的には、チタン含有量が固体状チタン(a)よりも25質量%以上、好ましくは30〜95質量%より好ましくは40〜90質量%少ない固体状チタン触媒成分(i)が得られる。
(k2)電子供与体の含有量は8〜30質量%、好ましくは9〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
(k3)電子供与体/チタン(質量比)は5以上、好ましくは5.2〜35、より好ましくは5.5〜30、特に好ましくは6.0〜25である。
(k4)固体状チタン触媒成分(i)は、室温でのヘキサン洗浄によってチタンが実質的に脱離されることがない。なお、固体状チタン触媒成分(i)のヘキサン洗浄とは、固体状チタン触媒成分(i)1gに対して、通常10〜500ml、好ましくは20〜100mlの量のヘキサンで5分間洗浄することをいう。室温とは15〜25℃である。また、チタンが実質的に脱離されることがないとは、ヘキサン洗浄液中のチタン濃度が0.1g/リットル以下であることを意味する。
(k5)固体状チタン触媒成分(i)は、平均粒径が5〜80μmであり、好ましくは7〜75μmであり、より好ましくは8〜70μmであり、特に好ましくは10〜65μmである。
前記オレフィン重合用触媒を構成する有機ケイ素化合物成分(ii)(外部ドナー)は、下記式(II)で表わされる。
R1 nSi(OR2)2(NR3R4)2-n ・・・(II)
式(II)中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R2は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R3は炭素数1〜12の炭化水素基または水素原子を示し、R4は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、R3とR4とは互いに結合して炭素数3〜20の2価の炭化水素基を形成していてもよく、nは0もしくは1である。
前記炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシニル基、置換基を有するこれらの基などが挙げられる。また、前記脂環式炭化水素基は、アダマンチル基、メチルアダマンチル基などの多環式基であってもよい。
R2としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらの中ではメチル基およびエチル基が特に好ましい。
前記固体状チタン触媒成分(i)と前記有機ケイ素化合物成分(ii)とを組み合わせて用いることにより、高立体規則性を有するプロピレン系重合体を得ることができる。
本発明のオレフィン重合用触媒を構成する有機金属化合物成分(iii)は、周期律表の1族、2族または13族に属する金属を含む有機金属化合物であり、例えば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物、第2族金属の有機金属化合物などが挙げられる。なお、有機金属化合物成分(iii)は、2種以上を併用してもよい。
Ra nAlX3-n
式中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。
Ra nAlY3-n
式中、Raは上記と同様であり、Yは−ORb基、−OSiRc 3基、−OAlRd 2基、−NRe 2基、−SiRf 3基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2であり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、Reは水素、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基などである。
・ Ra nAl(ORb)3-n で表される化合物、例えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど。
・Ra nAl(OSiRc)3-n で表される化合物、例えばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、(iso-Bu) 2Al(OSiEt3)など。
・Ra nAl(OAlRd 2)3-nEt2AlOAlEt2、(iso-Bu) 2AlOAl(iso-Bu) 2 など。
上記のような有機アルミニウム化合物のうちでも、Ra 3Alで表される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。
前記オレフィン重合用触媒は、前記固体状チタン触媒成分(i)と、前記有機ケイ素化合物成分(ii)と、前記有機金属化合物成分(iii)とを接触させる工程を含む方法により製造することができる。
本発明では、上記のような各成分から予備重合触媒(p)が形成されていてもよい。予備重合触媒(p)は、上述した各成分(i)、(ii)、(iii)および必要に応じて用いられる他の成分の存在下に、プロピレンを予備重合させることにより形成される。このような予備重合触媒(p)は、通常、有機ケイ素化合物(ii)および有機金属化合物(iii)とともにオレフィン重合用触媒を形成するが、予備重合触媒(p)のみをオレフィン重合用触媒として用いることができる場合もある。
前記プロピレン系重合体(A1)の製造方法では、上述したオレフィン重合用触媒の存在下でプロピレンを重合させる。
なお、プロピレンの重合を行う際に、プロピレンに加えて、少量のプロピレン以外の他のオレフィンまたは少量のジエン化合物を重合系内に共存させてランダム共重合体を製造することもできる。このようなプロピレン以外の他のオレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテンなどの炭素数2〜8のオレフィンが挙げられる。これらの中ではエチレンが好ましい。ランダム共重合体の場合、プロピレン以外の他のコモノマーの含有量は、好ましくは6モル%以下、より好ましくは3モル%以下である。
有機金属化合物(iii)は、該化合物(iii)中の金属原子が重合系中のチタン原子1モルに対し、通常約1〜2000モル、好ましくは約2〜500モルとなるような量で用いられる。
本発明では、重合は、通常、約20〜150℃、好ましくは約50〜100℃の温度で、また常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2の圧力下で行われる。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)は、プロピレン単独重合体部として前記プロピレン系重合体(A1)を60〜99質量%、好ましくは70〜97質量%、より好ましくは75〜95質量%の範囲で含み、前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)を1〜40質量%、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%の範囲で含む(ただし、成分(A1)および(A3)の合計を100質量%とする。)。
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)は、プロピレンと、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、プロピレンに由来する構成単位を40〜90モル%、好ましくは45〜85モル%の範囲内で含有し、前記α−オレフィンに由来する構成単位を10〜60モル%、好ましくは15〜55モル%の範囲内で含有する(ただし、プロピレンに由来する構成単位とα−オレフィンに由来する構成単位の合計を100モル%とする。)。
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、必要に応じてエチレン・α−オレフィン共重合体(B)を含有してもよい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体であり、エチレンに由来する構成単位を50〜95モル%、好ましくは55〜90モル%の範囲内で含有し、前記α−オレフィンに由来する構成単位を5〜50モル%、好ましくは10〜45モル%の範囲内で含有する。前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)を前記成分(A)に配合することにより、耐衝撃性をさらに向上させることができる。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、必要に応じて、前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)を含有してもよい。
前記プロピレン系ブロック共重合体(C)の、ASTM D1238に準拠して230℃、2.16kg荷重の条件下で測定されるメルトフローレート(MFR)は、1〜200g/10分、好ましくは2〜150g/10分、より好ましくは5〜100g/10分である。
前記プロピレン系ブロック共重合体(C)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物に含まれる前記無機充填材(D)としては、例えば、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸アンモニウム塩、珪酸塩類、炭酸塩類、カーボンブラック、硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の組成物では、無機充填材(D)としてタルクを用いることが好ましい。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述した成分(A)〜(D)以外の、樹脂、ゴム、充填剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、核剤などの他の成分を配合することができる。本発明のプロピレン系樹脂組成物における前記他の成分の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、特に限定されるものではない。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上述した成分(A)および無機充填材(D)を必須構成成分として含む樹脂組成物であり、成分(A)および(D)以外の成分については、用途に応じて適宜配合することができる。
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)20〜90質量%、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)1〜50質量%、および前記無機充填材(D)1〜70質量%を含む(ただし、成分(A2)、(B)および(D)の合計を100質量%とする。)プロピレン系樹脂組成物(以下「第1の組成物」ともいう。);
前記プロピレン系重合体(A1)20〜80質量%、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)1〜50質量%、前記プロピレン系ブロック共重合体(C)1〜20質量%、および前記無機充填材(D)1〜70質量%を含む(ただし、成分(A1)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とする。)プロピレン系樹脂組成物(以下「第2の組成物」ともいう。);
前記プロピレン系重合体(A1)40〜99質量%、および前記無機充填材(D)1〜60質量%を含む(ただし、成分(A1)および(D)の合計を100質量%とする。)プロピレン系樹脂組成物(以下「第3の組成物」ともいう。)
などが挙げられる。
本発明の第1の組成物は、前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)および前記無機充填材(D)を含む樹脂組成物である。
本発明の第1の組成物は、前記プロピレン系重合体(A1)と前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)とを混合してプロピレン系ブロック共重合体(A2)を形成した後、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)および前記無機充填材(D)を混合することにより、調製することができる。
本発明の第2の組成物は、前記プロピレン系重合体(A1)、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)、前記プロピレン系ブロック共重合体(C)、および前記無機充填材(D)を含む樹脂組成物である。
本発明の第3の組成物は、前記プロピレン系重合体(A1)および前記無機充填材(D)を含む樹脂組成物である。
本発明の第3の組成物における成分(A1)および(D)の含有量は、成分(A1)および(D)の合計を100質量%とした場合、成分(A1)が、40〜99質量%、好ましくは45〜99質量%、より好ましくは50〜99質量%であり、成分(D)が、1〜60質量%、好ましくは1〜55質量%、より好ましくは1〜50質量%である。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上述した各成分を配合することにより製造することができる。各成分は、任意の順番で逐次配合してもよく、同時に混合してもよい。また、一部の成分を混合した後に他の成分を混合するような多段階の混合方法を採用してもよい。ただし、本発明の第1の組成物については、上述したように、前記プロピレン系重合体(A1)と前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)とを混合してプロピレン系ブロック共重合体(A2)を形成した後、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)、前記無機充填材(D)および必要に応じて他の成分を混合することにより製造される。
本発明の成形体は、上述した本発明の組成物を用いて形成される。本発明の組成物は、高剛性および低線膨張性を有することから、本発明の成形体は、温度変化による寸法変化が小さく寸法安定性に優れている。そのため、本発明の成形体は、例えば自動車用部品、家電部品、食品容器、医療容器など様々な分野に好適に用いることができる。前記自動車用部品としては、例えば、バンパーやインストルメンタルパネル等の自動車内外装部材、ルーフ、ドアパネル、フェンダー等の外板材などが挙げられる。
本発明の成形体の成形法としては、特に限定されず、重合体の成形法として公知の様々な方法を採用することができるが、特に射出成形やプレス成形が好ましい。
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたアイソタクチックメソペンタド分率mmmm〔%〕は、プロピレン系重合体においてMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C−NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。13C−NMRスペクトルは、日本電子製EX−400の装置を用い、TMSを基準とし、温度130℃、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いて測定した。
立体規則性の指標の1つと考えられるTREF高温溶出成分量は、下記条件における昇温分別測定によって得られる122℃以上で溶出したポリマー濃度から算出した。
(測定条件)
装置:Polymer Char製CFC2型クロス分別クロマトグラフ
検出器:Polymer Char製IR4型赤外分光光度計(内蔵)
移動相:o−ジクロロベンゼン、BHT添加
流速:1.0mL/min
試料濃度:90mg/30mL
注入量:0.5mL
溶解条件:145℃、30min
安定化条件:135℃、30min
降温速度:1.0mL/min
溶出区分:−20℃〜0℃ 10℃刻み、0℃〜80℃ 5℃刻み、
80℃〜104℃ 3℃刻み、104〜126℃ 2℃刻み
溶出時間:3min
前記昇温溶出分別測定(TREF)により122℃以上の温度で溶出した成分の融点を、示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)を用いて下記条件で測定を行った。ここで測定した第3stepにおける吸熱ピークを融点(Tm)と定義した。
(測定条件)
第1step : 10℃/minで240℃まで昇温し、10min間保持する。
第2step : 10℃/minで60℃まで降温する。
第3step : 10℃/minで240℃まで昇温する。
分子量分布の指標であるMw/Mn値、およびZ平均分子量(Mz)は、下記条件で測定したクロマトグラムを公知の方法によって解析することによって得た。
(測定条件)
装置:Waters製ゲル浸透クロマトグラフAllianceGPC2000型
カラム:東ソー製TSKgel GMH6−HT x2 + TSKgel GMH6−HTL x2
移動相:o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
流速:1.0ml/min
温度:140℃
カラム校正:東ソー製単分散ポリスチレン
試料濃度:0.15%(w/v)
注入量:0.4ミリリットル
ASTM D1238Eに準拠し、測定温度は230℃とし、2.16kg荷重で測定した。
ISO 178に準拠して、以下の条件で曲げ弾性率(MPa)を測定した。
(測定条件)
温度:23℃
試験片:10mm(幅)×4mm(厚さ)×80mm(長さ)
曲げ速度:2mm/分
スパン間:64mm
線膨張係数(10-5/℃)は、TMA法(測定範囲:−30〜80℃)にて評価した。具体的には、長さ30mm、幅30mm、厚み2mmの角板の中央部を、10mm×5mm×2mm厚の形状に切り出して試験片として用い、射出成形流動方向および射出成形流動に対し垂直方向について、測定した値の平均値を線膨張係数とした。測定条件は以下のとおりである。
(測定条件)
測定装置:TMA2940(TA社製)
試験荷重:0.029N
試験温度範囲:−30〜80℃
昇温速度:5℃/min
テスト前アニール処理:120℃×30min
<固体状チタン(a−1)の調製>
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、該装置に精製灯油700ml、塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよびソルビタンジステアレート(花王アトラス(株)製「エマゾール320」)3gを装入した。この系を撹拌下で昇温し、120℃および800rpmの条件で30分間撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。得られた固体を濾過し、精製n−ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
充分に窒素置換された200mlのガラス製反応器に、得られた固体状チタン(a−1)6.8g、パラキシレン113ml、デカン11ml、四塩化チタン2.5ml(23ミリモル)及びジイソブチルフタレ−ト0.34ml(1.2ミリモル)を入れた。反応器内の温度を130℃に昇温し、その温度で1時間攪拌して接触処理した後、熱ろ過により固体部を採取した。この固体部を101mlのパラキシレンに再懸濁させ、さらに四塩化チタン1.7ml(15ミリモル)及びジイソブチルフタレート0.22ml(0.8ミリモル)を添加した。
窒素置換された200mlのガラス製反応器に、ヘキサン50ml、トリエチルアルミニウム2.5ミリモル、エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン0.5ミリモル、および得られた固体状チタン触媒成分(i-1)をチタン原子換算で0.25ミリモル装入した後、系内の温度を20℃に保ちながら、1.47リットル/時間の量でプロピレンを1時間供給した。この操作により、固体状チタン触媒成分(i-1)1g当り3gのプロピレンが予備重合された予備重合触媒(p−1)を得た。
内容積2リットルのオートクレーブに、プロピレン500gと水素3.5リットルとを装入し、系内の温度を60℃に昇温した。その後、トリエチルアルミニウムを0.7ミリモル、エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシランを0.7ミリモルおよび上記で得られた予備重合触媒(p-1)をチタン原子換算で0.0028ミリモル添加することにより重合を開始した。系内の温度を70℃に保ちながら1時間重合を行った。次いで、エタノールを添加することにより重合を停止し、未反応のプロピレンをパージしてプロピレン単独重合体(A1−1)286gを得た。得られたプロピレン単独重合体(A1−1)の物性を評価した結果を表1に示す。
合成例1において、本重合にて水素の装入量を8.5リットルに変更したこと以外は合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(A1−2)の物性を評価した結果を表1に示す。
合成例1において、本重合にて水素の装入量を9リットルに変更したこと以外は合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(A1−3)の物性を評価した結果を表1に示す。
合成例1において、予備重合触媒(p-1)の調製および本重合で用いたエチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシランの代わりにジエチルアミノトリエトキシシランを用いたこと、および装入した水素量を1.8リットルに変更したこと以外は合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(a−1)の物性を評価した結果を表1に示す。
比較合成例1において、本重合にて装入した水素量を4.5リットルに変更したこと以外は比較合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(a−2)の物性を評価した結果を表1に示す。
比較合成例1において、本重合にて装入した水素量を5リットルに変更したこと以外は比較合成例1と同様に行った。得られたプロピレン単独重合体(a−3)の物性を評価した結果を表1に示す。
ii-1:エチル(ジエチルアミノ)ジメトキシシラン
ii-2:ジエチルアミノトリエトキシシラン
以下の実施例および比較例において用いた成分(A3)、(B)〜(D)は以下のとおりである。
・プロピレン・α−オレフィン共重合体(A3):プロピレン・エチレン共重合体(商品名:タフマーS4020、三井化学(株)製)
・エチレン・α−オレフィン共重合体(B):エチレン・ブテン共重合体(商品名:タフマーA1050S、三井化学(株)製)
・プロピレン系ブロック共重合体(C):プロピレン・エチレンブロック共重合体(商品名:X855、(株)プライムポリマー製)
・無機充填材(D)
D−1:タルク(商品名:JM209、浅田製粉(株)製)
D−2:タルク(商品名:HAR 3G77、IMERYS社製)
まず、上述した合成例または比較合成例で得られたプロピレン単独重合体とプロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)とを、表2に示す量で混合した後、二軸押出機にて下記の条件で溶融混練することにより、プロピレン系ブロック共重合体を調製した。次いで、得られたプロピレン系ブロック共重合体に、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)および無機充填材(D)を表2に示す量で配合し、二軸押出機にて下記の条件で溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を作製した。得られたペレットを用いて、射出成形機にて下記の条件で射出成形し、試験片を作製した。得られた射出成形体(試験片)の物性を表2に示す。
同方向二軸混練機:品番 KZW−15、(株)テクノベル 社製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:40rpm
<射出成形条件>
射出成形機:EC40(商品名、東芝機械(株)製)
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:13秒
冷却時間:15秒
表3に示す組成となるように、上述した合成例または比較合成例で得られたプロピレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)、プロピレン系ブロック共重合体(C)および無機充填材(D)を混合した後、二軸押出機にて下記の条件で溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を作製した。得られたペレットを用いて、射出成形機にて下記の条件で射出成形し、試験片を作製した。得られた射出成形体(試験片)の物性を表3に示す。
同方向二軸混練機:品番 KZW−15、(株)テクノベル 社製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:40rpm
<射出成形条件>
射出成形機:EC40(商品名、東芝機械(株)製)
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:13秒
冷却時間:15秒
表4に示す組成となるように、上述した合成例または比較合成例で得られたプロピレン単独重合体および無機充填材(D)を混合した後、二軸押出機にて下記の条件で溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を作製した。得られたペレットを用いて、射出成形機にて下記の条件で射出成形し、試験片を作製した。得られた射出成形体(試験片)の物性を表4に示す。
同方向二軸混練機:品番 KZW−15、(株)テクノベル 社製
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:40rpm
<射出成形条件>
射出成形機:EC40(商品名、東芝機械(株)製)
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間−保圧時間:13秒
冷却時間:15秒
Claims (3)
- 下記要件(1)〜(4)を満たすプロピレン系重合体(A1)、および、プロピレン単独重合体部とプロピレン・α−オレフィン共重合体部とからなるプロピレン系ブロック共重合体(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(A)20〜99質量%、
エチレンに由来する構成単位50〜95モル%と、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位5〜50モル%とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)0〜50質量%、
前記プロピレン系ブロック共重合体(A2)とは異なるプロピレン系ブロック共重合体(C)0〜20質量%、および
無機充填材(D)1〜70質量%
を含み(ただし、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計を100質量%とする。)、
前記プロピレン系重合体プロピレン系ブロック共重合体(A2)が、
前記プロピレン単独重合体部として、前記プロピレン系重合体(A1)60〜99質量%、および
前記プロピレン・α−オレフィン共重合体部として、プロピレンに由来する構成単位55〜90モル%と、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位10〜45モル%とを含有するプロピレン・α−オレフィン共重合体(A3)1〜40質量%を含む(ただし、成分(A1)および(A3)の合計を100質量%とする。)、プロピレン系樹脂組成物:
(1)メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.5〜1000g/10分である;
(2)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の割合をA質量%とし、前記要件(1)のメルトフローレートをBg/10分とした場合、下記式(I)を満たす;
100≧A≧8.0×EXP(−0.01×B)・・・(I)
(3)アイソタクチックメソペンダット分率(mmmm)が98.0%よりも高く、99.9%以下である;
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.2〜20である。 - 前記プロピレン系重合体(A1)が、下記要件(5)をさらに満たす請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物:
(5)昇温溶出分別測定法(TREF)により122℃以上の温度で溶出する成分の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したZ平均分子量(Mz)が30万〜500万である。 - 請求項1〜2のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を用いて形成された成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018225063A JP7195897B2 (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | プロピレン系樹脂組成物および成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018225063A JP7195897B2 (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | プロピレン系樹脂組成物および成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020084134A true JP2020084134A (ja) | 2020-06-04 |
JP7195897B2 JP7195897B2 (ja) | 2022-12-26 |
Family
ID=70906609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018225063A Active JP7195897B2 (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | プロピレン系樹脂組成物および成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7195897B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006028312A (ja) * | 2004-07-14 | 2006-02-02 | Ube Ind Ltd | 環状アミノシラン、α−オレフィンの重合又は共重合用触媒、及びα−オレフィンの重合方法 |
JP2006225468A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Japan Polypropylene Corp | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 |
JP2008163320A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-07-17 | Prime Polymer:Kk | プロピレン系樹脂組成物およびプロピレン系樹脂発泡成形体 |
JP2008540815A (ja) * | 2005-05-27 | 2008-11-20 | ボレアリス テクノロジー オイ | 高結晶化度を有するプロピレンポリマー |
JP2018178109A (ja) * | 2017-04-14 | 2018-11-15 | 住友化学株式会社 | プロピレン樹脂組成物及び射出成形体 |
-
2018
- 2018-11-30 JP JP2018225063A patent/JP7195897B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006028312A (ja) * | 2004-07-14 | 2006-02-02 | Ube Ind Ltd | 環状アミノシラン、α−オレフィンの重合又は共重合用触媒、及びα−オレフィンの重合方法 |
JP2006225468A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Japan Polypropylene Corp | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 |
JP2008540815A (ja) * | 2005-05-27 | 2008-11-20 | ボレアリス テクノロジー オイ | 高結晶化度を有するプロピレンポリマー |
JP2008163320A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-07-17 | Prime Polymer:Kk | プロピレン系樹脂組成物およびプロピレン系樹脂発泡成形体 |
JP2018178109A (ja) * | 2017-04-14 | 2018-11-15 | 住友化学株式会社 | プロピレン樹脂組成物及び射出成形体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7195897B2 (ja) | 2022-12-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6848059B2 (ja) | プロピレン系重合体、その製造方法、プロピレン系樹脂組成物および成形体 | |
RU2647310C1 (ru) | Смола на основе олефина, способ ее получения и композиция на основе пропиленовой смолы | |
JP6566842B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
JP4864274B2 (ja) | ブテン系共重合体、その樹脂組成物およびそれらの成形体並びにそれを製造する固体状チタン触媒およびその製造方法 | |
DE102011018779A1 (de) | Verfahren zur Herstellung einer festen Katalysatorkomponente für Olefinpolymerisation | |
JP6564289B2 (ja) | オレフィン系樹脂とその製造方法および組成物並びに成形体 | |
DE102009060196A1 (de) | Verfahren zur Herstellung von Propylen-Blockcopolymer | |
JP2020105358A (ja) | プロピレン系重合体を含む延伸フィルム | |
JP7195897B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物および成形体 | |
JP6831218B2 (ja) | マスターバッチ組成物およびこれを含むポリプロピレン樹脂組成物 | |
JP6259751B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその用途 | |
JP7186594B2 (ja) | プロピレン系重合体の製造方法 | |
WO2021176930A1 (ja) | コンデンサ用多層ポリプロピレンフィルム | |
JP2022102090A (ja) | 自動車内装部品用ポリプロピレン系樹脂組成物、その製造方法及び自動車内装部品用成形体 | |
JP2021172729A (ja) | 自動車内装部品用ポリプロピレン系樹脂組成物、その製造方法及び自動車内装部品用成形体 | |
JP3552801B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
JP2020105356A (ja) | コンデンサフィルムおよびその製造方法 | |
JP2019011466A (ja) | プロピレン系重合体、オレフィン重合用触媒および成形体 | |
WO2024024880A1 (ja) | オレフィン類重合用固体触媒成分混合物、オレフィン類重合用触媒及びオレフィン類重合体の製造方法 | |
JP7291479B2 (ja) | 成形体 | |
JP2014214202A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
WO2022270625A1 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物及びその製造方法、並びにフィルム成形体、食品に接する包装体、食品に接する容器及びレトルト用パウチ | |
WO2023112857A1 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその用途 | |
WO2022270629A1 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物、シート成形体及び容器 | |
JP2024044572A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211013 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220727 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220802 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7195897 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |