JP2020065956A - エアフィルタ用濾材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ガラス繊維濾材の特徴である高捕集効率、低圧力損失、難燃性、高剛度の各物性を維持しつつ、プリーツ加工時の折山の割れを防ぐことにより、プリーツ加工適性を向上させた、ガラス繊維を主成分とするエアフィルタ用濾材を提供することである。【解決手段】本発明は、主成分としてガラス繊維を含有し、さらに、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有するバインダー繊維と、非繊維状のバインダー樹脂を含有し、バインダー繊維の濾材中含有量が3〜25質量%であり、かつ、バインダー繊維とバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量が8〜30質量%であることを特徴とするエアフィルタ用濾材に関する。【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体製造などの各種クリーンルーム、ビル空調等の用途において、気体中の粒子状物質を濾過するために用いられる、ガラス繊維を主成分とするエアフィルタ用濾材に関する。
気体中の粒子状物質を濾過するために用いられるエアフィルタにおいては、ガラス繊維を主成分とするエアフィルタ用濾材が広く用いられている。ガラス繊維濾材が広く用いられている理由としては、非常に細い繊維径とすることが可能なため、目が細かく捕集効率が高い濾材が得られる、繊維が剛直であるため、高い空隙率を維持して圧力損失が低く通気性が高い濾材が得られる、難燃性を有する濾材が得られること等が挙げられる。
エアフィルタ用濾材は、通常、濾過面積を大きくするためにプリーツ加工機でジグザグ状に折られる、いわゆるプリーツ加工され、エアフィルタユニットの形で用いられる。ガラス繊維濾材は、シートが比較的剛直であるため、支持体を別途使用しなくとも、濾材のみでジグザグ状のフィルタユニット形状を維持しやすく、さらに通風時の変形による圧力損失の上昇(構造圧損)を起こしにくい利点がある。しかしながら、その一方で、折り曲げに対しては脆弱であるため、プリーツ加工時に折った折山部分が割れやすく、プリーツ加工における生産速度や製品歩留を低下させるという問題がある。
一方で、エアフィルタ用濾材に用いられる細径ガラス繊維としては、耐熱性、耐薬品性及び高い強度を有する硼珪酸ガラス繊維が広く用いられているが、半導体製造用のクリーンルームにおいては、この硼珪酸ガラスから空気中に離脱した硼素がp型ドーパントして作用し、シリコンウエハを汚染する問題がある。これを解決する手段として、低硼素含有量のガラス繊維が用いられているが、これは硼珪酸ガラス繊維に比べて脆弱なため、上述したような折山部分が割れる問題がさらに顕著となる。
ガラス繊維濾材のプリーツ加工適性を向上させる方法としては、ガラス繊維以外の繊維を用いる方法が提案されており、例えば、繊維形態を保持しながら膨潤したポリビニルアルコール繊維状バインダーを含む濾材(特許文献1)、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有するバインダー繊維と、非繊維状のバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量が3.5〜7.5質量%である濾材(特許文献2)、B含有量0.01重量%以下のガラス繊維が80〜20重量%、繊維径1〜70μmで繊維長が1〜15mmの有機繊維が20〜80重量%である濾材(特許文献3)等が提案されている。
特開2003−159507号公報 特開2014−54595号公報 特開平9−70512号公報
本発明の課題は、ガラス繊維濾材の特徴である高捕集効率、低圧力損失、難燃性、高剛度の各物性を維持しつつ、プリーツ加工時の折山の割れを防ぐことにより、プリーツ加工適性を向上させた、ガラス繊維を主成分とするエアフィルタ用濾材を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ガラス繊維を接着するバインダーとして、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有するバインダー繊維と、非繊維状のバインダー樹脂を含有し、かつ、バインダー繊維及び全バインダー分の濾材中含有量を一定の範囲内とすることにより、前記の課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明は、ガラス繊維を主成分とするエアフィルタ用濾材に関する発明であり、接着成分が鞘部である芯鞘構造のバインダー繊維と、非繊維状のバインダー樹脂を含有し、バインダー繊維の濾材中含有量が3〜25質量%であり、かつ、バインダー繊維とバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量が8〜30質量%であることを特徴とする。
さらに、本発明の第2の実施形態は、ガラス繊維のB含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする前記エアフィルタ用濾材である。
さらに、本発明の第3の実施形態は、バインダー繊維の芯部が、ポリエステル又はポリオレフィンであることを特徴とする前記エアフィルタ用濾材である。
さらに、本発明の第4の実施形態は、ガラス繊維と、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有するバインダー繊維を含む水性スラリーを得る分散工程と、得られた水性スラリーを湿式抄紙して湿潤状態のシートを得る抄紙工程と、前記湿潤状態のシートに、バインダー樹脂を含む溶液または分散液を含浸させてシートに付着させる含浸工程と、前記溶液又は分散液を含浸させた湿潤状態のシートを乾燥する乾燥工程を有し、バインダー繊維の濾材中含有量が3〜25質量%であり、かつ、バインダー繊維とバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量が8〜30質量%であることを特徴とする、ガラス繊維を主成分とするエアフィルタ用濾材の製造方法である。
本発明によれば、接着成分が鞘部である芯鞘構造のバインダー繊維とバインダー樹脂を使用することにより、プリーツ加工適性に優れ、さらに、ガラス繊維濾材の特徴である高捕集効率、低圧力損失、難燃性、高剛度を有しているガラス繊維を主成分とするエアフィルタ用濾材を得ることができる。
本発明のエアフィルタ用濾材は主成分であるガラス繊維に加えてバインダー繊維を含有する。当該バインダー繊維は、鞘部がガラス繊維に接着するとともに、芯部が繊維の形態を維持することにより、折山部の加工時においてガラス繊維及びバインダー樹脂をつなぎとめるとともに、折山部にかかる応力を吸収することにより、折山部の割れを防ぐ効果を奏する。また、バインダー樹脂は繊維表面同士を広範囲にわたって接着することにより、実用上必要とされる強度を付与する効果を奏する。
本発明で使用されるバインダー繊維は、複合型のポリマー繊維であり芯部と鞘部が異なる物性を有する芯鞘構造の繊維である。その中でも、本発明においては、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有する繊維を使用する。芯部の成分は、水分散、湿式抄紙、乾燥等からなる濾材の製造工程を経て製造された濾材中においてほとんど溶解又は溶融せずに繊維の形態を維持しうる不溶性、強度及び耐熱性を有し、かつ、プリーツ加工時に割れを生じにくくする可撓性を有するポリマーから選択される。芯部の成分の例としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、セルロース系ポリマー等がある。その中でも、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。鞘部の成分は、濾材の製造工程において、加熱されることにより、溶解又は溶融してガラス繊維に接着するポリマーから選択される。鞘部の成分の例としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)等がある。より好ましくは、鞘部の成分として、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)、ポリエチレンを使用することが好ましい。
本発明で使用されるバインダー繊維の形状は、ガラス繊維とともに水中で混合分散され、湿式抄紙法によりシート化させることのできる短繊維であることが好ましい。バインダー繊維の繊維径は、好ましくは3〜30μm、より好ましくは6〜20μmである。繊維径が細すぎると、水中での分散性が悪くなることがあり、さらに、濾材の圧力損失を不必要に上昇させる。繊維径が太すぎると、濾材中に存在する繊維本数が少なくなり、折山部の割れ防止効果が十分に得られない。バインダー繊維の繊維長は、好ましくは3〜20mm、より好ましくは3〜10mmである。繊維長が短すぎると、折山部の割れ防止効果が十分に得られない。繊維長が長すぎると、水中での分散性が悪くなる。さらに、バインダー繊維の繊度を0.5 〜4.0dtx、好ましくは、1.0〜2.5dtxの範囲とすることが好ましい。
本発明のエアフィルタ用濾材は、ガラス繊維およびバインダー繊維に加えて、非繊維状のバインダー樹脂を含有する。本発明で使用される非繊維状のバインダー樹脂は、ガラス繊維同士を接着し、強度を付与することのできるポリマーから選択されればよく、水又は有機溶媒に溶解又は分散された状態で、ガラス繊維に付与されるものである。バインダー樹脂の成分の例としては、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等がある。バインダー樹脂の溶液又は分散液は、任意の濃度となるように希釈して、ガラス繊維に付与することができる。また、必要に応じて、十分な強度が得られる範囲で、撥水剤、耐水化剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤等の薬剤を適宜添加することができる。
本発明で使用されるバインダー繊維の濾材中含有量は、3〜25質量%である。好ましくは4〜19質量%であり、より好ましくは5〜15質量%であり、さらに好ましくは6〜11質量%である。バインダー繊維が3質量%未満であると、実用上必要とされる強度が得られない。バインダー繊維が25質量%を超えると、捕集効率が低下し、難燃性が低下する。
本発明で使用される、バインダー繊維とバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量は、8〜30質量%であり、好ましくは9〜24質量%であり、より好ましくは10〜20質量%であり、さらに好ましくは11〜16質量%である。全バインダー分が8質量未満であると、実用上必要とされる強度が得られない。全バインダー分が30質量%を超えると、捕集効率が低下し、難燃性が低下する。また、バインダー樹脂の含有量としては、例えば、バインダー繊維の含有量が3〜25質量%であり、全バインダー分の濾材中含有量が8〜30質量%となるように調製されれば良いが、例えば、4.0〜7.5質量%であり、さらに5.0〜6.5質量%であってよい。
本発明で主体繊維、主成分として、ガラス繊維が使用される。捕集効率が高く、低圧力損失であり、難燃性に優れ、高剛度のエアフィルタ濾材が得られるからである。ガラス繊維(主体繊維)の含有量としては、エアフィルタ濾材中において、60〜92 質量%であり、好ましくは、65〜90質量%、例えば、68〜88質量%である。使用されるガラス繊維の形態としては、火炎延伸法やロータリー法により製造されるウール状の極細ガラス繊維や、所定の繊維径となるように紡糸されたガラス繊維の束を所定の繊維長に切断して製造されるチョップドストランドガラス繊維等があるこれらの中から、必要とされる物性に応じて、種々の繊維径や繊維長を有するものが選択され、単独または混合して使用される。例えば、本発明では、平均繊維径が1μm未満のサブミクロンガラス繊維と、平均繊維径が1μm以上のミクロンガラス繊維を併用することができる。ミクロンガラス繊維の平均繊維径は、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは1〜10μmである。例えば、本発明においては、主体繊維中、すなわち、全ガラス繊維中において、サブミクロンガラス繊維を40〜97質量%、さらには45〜95質量%、または50〜95 質量%の割合で使用することができる。
ガラス繊維の組成としては、従来広く用いられている硼珪酸ガラスを始めとする種々の組成のガラス繊維を使用できる。半導体製造用のクリーンルームにおける硼素によるシリコンウエハ汚染を防止する目的で、低硼素ガラス繊維またはシリカガラス繊維を使用することができ、例えば、B含有量が0.1質量%以下である低硼素ガラス繊維を使用することができる。
本発明のエアフィルタ用濾材は、湿式抄紙法によって製造される。まず、ガラス繊維とバインダー繊維を水中で均一に混合分散し、得られた繊維スラリーをワイヤー上に積層し、脱水することにより抄紙(シート化)する。ここで、分散及び抄紙に用いられる水は、ガラス繊維の分散を均一にするために、酸を添加してpHが約2〜4に調整することが好ましい。次に、バインダー樹脂の溶液又は分散液を、湿式抄紙されたシートに付与する。バインダー液の付与方法としては、含浸、スプレー、ロール転写等の方法が用いられる。余分に付与されたバインダー液は、負圧吸引等により除去することが好ましい。その後、湿潤状態のシートを、熱風乾燥機、ロータリー乾燥機等を用いて乾燥し、最終的なエアフィルタ用濾材を得る。この時の乾燥温度は、シートを乾燥状態にするとともに、バインダー繊維の鞘部は溶解又は溶融するが、バインダー繊維の芯部は溶解又は溶融しない温度となるように調整される。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
含有量が0.1質量%以下である平均繊維径0.65μmの低硼素ガラス繊維(A−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、B含有量が0.1質量%以下である平均繊維径2.44μmの低硼素ガラス繊維(A−26−F、Lauscha Fiber International Co.製)26質量部と、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(テピルス(登録商標)TJ04CN、繊度1.1dtx、繊維長5mm、繊維径12μm、帝人(株)製)4質量部を、pH 3.0の酸性水中でパルパーを用いて離解し、原料スラリーを得た。得られた原料スラリーを、傾斜ワイヤー抄紙機を用いて湿式抄紙を行い、湿紙を得た。得られた湿紙に、アクリル樹脂バインダー(ボンコートAC−501、DIC(株)製)を湿紙の固形分100質量部に対する固形分付着量が6質量部となるように含浸により付与した後、ロータリードライヤーを用いて乾燥し、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例2>
含有量が0.1質量%以下である平均繊維径0.65μmの低硼素ガラス繊維(A−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、B含有量が0.1質量%以下である平均繊維径2.44μmの低硼素ガラス繊維(A−26−F、Lauscha Fiber International Co.製)22質量部と、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(テピルス(登録商標)TJ04CN、繊度1.1dtx、繊維長5mm、繊維径12μm、帝人(株)製)8質量部を原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例3>
含有量が0.1質量%以下である平均繊維径0.65μmの低硼素ガラス繊維(A−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、B含有量が0.1質量%以下である平均繊維径2.44μmの低硼素ガラス繊維(A−26−F、Lauscha Fiber International Co.製)11質量部と、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(テピルス(登録商標)TJ04CN、繊度1.1dtx、繊維長5mm、繊維径12μm、帝人(株)製)19質量部を原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例4>
含有量が0.1質量%以下である平均繊維径0.65μmの低硼素ガラス繊維(A−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、B含有量が0.1質量%以下である平均繊維径2.44μmの低硼素ガラス繊維(A−26−F、Lauscha Fiber International Co.製)5質量部と、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(テピルス(登録商標)TJ04CN、繊度1.1dtx、繊維長5mm、繊維径12μm、帝人(株)製)25質量部を原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例5>
バインダー繊維を、芯がポリプロピレン、鞘がポリ(エチレン−酢酸ビニル)の芯鞘構造バインダー繊維(NBF(E)、繊度2.2dtx、繊維長5mm、繊維径17μm、ダイワボウポリテック(株)製)8質量部とした以外は、実施例2と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<実施例6>
平均繊維径0.65μmの硼珪酸ガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、平均繊維径2.44μmの硼珪酸ガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)22質量部と、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(テピルス(登録商標)TJ04CN、繊度1.1dtx、繊維長5mm、繊維径12μm、帝人(株)製)8質量部を、pH 3.0の酸性水中でパルパーを用いて離解し、原料スラリーを得た。得られた原料スラリーを、傾斜ワイヤー抄紙機を用いて湿式抄紙を行い、湿紙を得た。得られた湿紙に、アクリル樹脂バインダー(ボンコートAC−501、DIC(株)製)を湿紙の固形分100質量部に対する固形分付着量が6質量部となるように含浸により付与した後、ロータリードライヤーを用いて乾燥し、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例1>
含有量が0.1質量%以下である平均繊維径0.65μmの低硼素ガラス繊維(A−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、B含有量が0.1質量%以下である平均繊維径2.44μmの低硼素ガラス繊維(A−26−F、Lauscha Fiber International Co.製)30質量部を原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例2>
含有量が0.1質量%以下である平均繊維径0.65μmの低硼素ガラス繊維(A−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、B含有量が0.1質量%以下である平均繊維径2.44μmの低硼素ガラス繊維(A−26−F、Lauscha Fiber International Co.製)28質量部と、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(テピルス(登録商標)TJ04CN、繊度1.1dtx、繊維長5mm、繊維径12μm、帝人(株)製)2質量部を原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例3>
含有量が0.1質量%以下である平均繊維径0.65μmの低硼素ガラス繊維(A−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(テピルス(登録商標)TJ04CN、繊度1.1dtx、繊維長5mm、繊維径12μm、帝人(株)製)30質量部を原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
<比較例4>
含有量が0.1質量%以下である平均繊維径0.65μmの低硼素ガラス繊維(A−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)70質量部と、B含有量が0.1質量%以下である平均繊維径2.44μmの低硼素ガラス繊維(A−26−F、Lauscha Fiber International Co.製)22質量部と、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘が変性ポリエチレンテレフタレートの芯鞘構造バインダー繊維(テピルス(登録商標)TJ04CN、繊度1.1dtx、繊維長5mm、繊維径12μm、帝人(株)製)8質量部を、pH 3.0の酸性水中でパルパーを用いて離解し、原料スラリーを得た。得られた原料スラリーを、傾斜ワイヤー抄紙機を用いて湿式抄紙を行い、湿紙を得た。得られた湿紙を、ロータリードライヤーを用いて乾燥し、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。
実施例及び比較例において得られた濾材の評価は、次に示す方法で行った。
圧力損失は、有効面積100cmの濾材に、空気を面風速5.3cm/秒で通過させた時の差圧を、マノメーターを用いて測定した。
PAO透過率は、有効面積100cmの濾材に、ラスキンノズルを用いた発生させたPAO(ポリアルファオレフィン Durasyn 164、BP Amoco Chemical Co.製)を含む空気を面風速5.3cm/秒で通過させた時の上流及び下流の個数比からのPAO透過率を、レーザーパーティクルカウンター(Lasair Model 1001、Particle Measuring Systems,Inc.製)を用いて測定した。なお、対象粒子径は0.10〜0.15μmとした。
PF値は、圧力損失とDOP透過率の測定値から、数1に示す式を用いて算出した。なお、対象粒子径は0.10〜0.15μmとした。このPF値が高いほど、エアフィルタ用濾材が、高捕集効率かつ低圧力損失であると言える。本発明においては、9.0以上のPF値であることが好ましい。
Figure 2020065956
引張強度は、MD方向を長さ方向として幅25mm、長さ150mmで切り出したサンプルについて、つかみ間隔(試験長さ)100mm、伸長速度15mm/分の条件で、卓上型精密万能試験機(オートグラフAGS−X、(株)島津製作所製)を用いて測定した最大応力を、試験幅(25mm)で除して、kN/mの単位で求めた。
折目付引張強度は、MD方向を長さ方向として、幅25mm、長さ150mmで切り出したサンプルについて、CD方向に縁を合わせた厚さ1mmの板の縁に沿わせて長さ方向の半分の位置で180°折り曲げて2つ折りにし、次いで、2つ折り状態のサンプルの上に98Paの圧力となるように面積100mm×100mm、質量100gの板を載せて5分間加圧して折目を付けたサンプルについて、前記の引張強度と同様に測定した。
剛度は、JIS L 1085:1998「不織布しん地試験方法」に準拠して、ガーレーステフネステスター(熊谷理機工業(株)製)を用いて測定した。
難燃性は、JACA No.11A−2003「空気清浄装置用ろ材燃焼性試験方法」に準拠して、燃焼性試験器(UL−94HBF、スガ試験機(株)製)を用いて測定した。燃焼性の区分は、クラス1、クラス2、クラス3の順に燃焼し難くなり、すなわち、難燃性が高くなる。
実施例及び比較例の評価結果を、表1に示した。
表1の結果より、接着成分が鞘部である芯鞘構造のバインダー繊維と非繊維状のバインダー樹脂をバインダーとして用い、バインダー繊維の濾材中含有量を3〜25質量%とし、かつ、バインダー繊維とバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量を8〜30質量%とすることにより、高いPF値、高剛度、優れた難燃性を維持しつつ、プリーツ加工に耐えるために十分な折目付引張強度(例えば、0.45kN/m以上)を有するエアフィルタ用濾材が得られることがわかる。
それに対して、バインダー繊維の量が少ないエアフィルタ用濾材は、十分な折目付引張強度が得られずプリーツ加工に耐えることができないことが判明し(比較例1および2)、また、バインダー繊維が多量に含まれているエアフィルタ用濾材は、捕集効率が低下し、難燃性が低下することが判明した(比較例3)。さらに、非繊維状のバインダー樹脂を含まないエアフィルタ用濾材は、十分な折目付引張強度が得られず、強度、剛度が不足していることが判明した(比較例4)。
Figure 2020065956

Claims (6)

  1. 主成分としてガラス繊維を含有し、さらに、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有するバインダー繊維と、非繊維状のバインダー樹脂を含有し、バインダー繊維の濾材中含有量が3〜25質量%であり、かつ、バインダー繊維とバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量が8〜30質量%であることを特徴とするエアフィルタ用濾材。
  2. ガラス繊維中のB含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
  3. バインダー繊維の芯部が、ポリエステル又はポリオレフィンであることを特徴とする、請求項1及び2に記載のエアフィルタ用濾材。
  4. ガラス繊維と、接着成分が鞘部である芯鞘構造を有するバインダー繊維を含む水性スラリーを得る分散工程と、得られた水性スラリーを湿式抄紙して湿潤状態のシートを得る抄紙工程と、前記湿潤状態のシートに、バインダー樹脂を含む溶液又は分散液を含浸させてシートに付着させる含浸工程と、前記溶液又は分散液を含浸させた湿潤状態のシートを乾燥する乾燥工程を有し、バインダー繊維の濾材中含有量が3〜25質量%であり、かつ、バインダー繊維とバインダー樹脂からなる全バインダー分の濾材中含有量が8〜30質量%であることを特徴とする、ガラス繊維を主成分として含有するエアフィルタ用濾材の製造方法。
  5. ガラス繊維のB含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする、請求項4に記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
  6. バインダー繊維の芯部が、ポリエステル又はポリオレフィンであることを特徴とする、請求項4及び5に記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
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