JP2020064892A - 磁気センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】出力が応力の影響を受けにくい磁気センサを提供する。【解決手段】磁気センサは、外部磁場に応じて磁化方向が変化するフリー層26と、外部磁場に対して磁化方向が固定されたレファレンス層24と、フリー層26とレファレンス層24との間に位置し、磁気抵抗効果を奏するスペーサ層25と、スペーサ層25との間でレファレンス層24を挟み、レファレンス層24と磁気的に結合し、磁化方向がレファレンス層24に対して反平行の向きに固定されたピンド層22と、を有している。レファレンス層24の磁歪定数λRとピンド層22の磁歪定数λPとの間には−2.5≦λP/λR≦0.5(但し、0を除く)の関係がある。【選択図】図2

Description

本発明は磁気センサに関し、特に磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサに関する。
磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサは、磁気抵抗効果によって生じる抵抗変化に基づき外部磁場を検出する。磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサは他の磁気センサと比べて、磁場に対する出力及び感度が高く、かつ小型化が容易である。磁気センサは外部磁場に応じて磁化方向が変化するフリー層と、磁気抵抗効果を奏するスペーサ層と、レファレンス層と、ピンド層とがこの順で積層された多層膜構造を有している(特許文献1)。ピンド層とレファレンス層は反強磁性結合によって磁気的に連結され、磁化方向が互いに反平行の向きに固定されている。これによって、レファレンス層の磁化方向が安定化するとともに、レファレンス層から放出される磁場がピンド層から放出される磁場によって打ち消され、外部への漏れ磁場を抑制することができる。
特開2011−238342号公報
磁気センサは製造中及び製造後に様々な応力を受ける。レファレンス層とピンド層が応力を受けると、逆磁歪効果によって磁化方向が変化する。磁化方向の変化は磁気抵抗効果素子の電気抵抗、ひいては磁気センサの出力特性に影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、磁気センサが受ける応力は予測できない場合が多く、予測できた場合も応力を制御することは困難である。従って、磁気センサの精度を確保するためには、磁気センサの出力が応力によって大きく影響されないこと、換言すれば磁気センサの出力が応力に対して鈍感であることが望まれる。
本発明は、出力が応力の影響を受けにくい磁気センサを提供することを目的とする。
本発明の磁気センサは、外部磁場に応じて磁化方向が変化するフリー層と、外部磁場に対して磁化方向が固定されたレファレンス層と、フリー層とレファレンス層との間に位置し、磁気抵抗効果を奏するスペーサ層と、スペーサ層との間でレファレンス層を挟み、レファレンス層と磁気的に結合し、磁化方向がレファレンス層に対して反平行の向きに固定されたピンド層と、を有している。レファレンス層の磁歪定数λRとピンド層の磁歪定数λPとの間には−2.5≦λP/λR≦0.5(但し、0を除く)の関係がある。
本発明によれば、出力が応力の影響を受けにくい磁気センサを提供することができる。
磁気センサの概略構成を示す回路図である。 磁気抵抗効果素子の概略構成を示す概念図である。 磁気センサの出力とオフセットを説明する概念図である。 様々なλPをパラメータとした、応力とオフセット変化の関係を示すグラフである。 λP/λRとオフセット変化の関係を示すグラフである。 レファレンス層及びピンド層の磁化と応力との関係を示す模式図である。 本発明の磁気センサを用いた電流センサの模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る磁気センサについて説明する。以下の説明及び図面において、X方向は磁気センサの感磁方向であり、ピンド層及びレファレンス層の磁化方向及び磁気抵抗効果素子の短軸方向に一致する。Y方向は磁気センサの感磁方向(X方向)と直交する方向であり、無磁場状態におけるフリー層の磁化方向及び磁気抵抗効果素子の長軸方向に一致する。Z方向はX方向及びY方向と直交する方向であり、磁気抵抗効果素子の多層膜の積層方向に一致する。なお、各図面におけるX方向を示す矢印の向きを+X方向、矢印の向きと反対側の向きを−X方向ということがある。
図1は磁気センサの概略回路構成を示している。磁気センサ1は4つの磁気抵抗効果素子(以下、第1の磁気抵抗効果素子11、第2の磁気抵抗効果素子12、第3の磁気抵抗効果素子13、第4の磁気抵抗効果素子14という)を有し、これらの磁気抵抗効果素子11〜14がブリッジ回路(ホイートストンブリッジ)で相互に接続されている。4つの磁気抵抗効果素子11〜14は2つの組11,12及び13,14に分割され、それぞれの組の磁気抵抗効果素子11,12及び磁気抵抗効果素子13,14は直列接続されている。磁気抵抗効果素子の組11,12及び13,14のそれぞれの一端が電源電圧Vccに接続され、他端が接地(GND)されている。また、第1の磁気抵抗効果素子11と第2の磁気抵抗効果素子12の間の中点電圧V1と、第3の磁気抵抗効果素子13と第4の磁気抵抗効果素子14の間の中点電圧V2が取り出されるようにされている。従って、第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14の電気抵抗をそれぞれR1〜R4とすると、中点電圧V1、V2はそれぞれ下式のように求められる。
Figure 2020064892
Figure 2020064892
図2は第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14の概略構成を示す概念図である。第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14は同一の構成を有しているため、ここでは第1の磁気抵抗効果素子11について説明する。図2(a)は第1の磁気抵抗効果素子11の膜構成を示している。第1の磁気抵抗効果素子11は一般的なスピンバルブ型の膜構成を有している。第1の磁気抵抗効果素子11は反強磁性層21と、ピンド層22と、非磁性中間層23と、レファレンス層24と、スペーサ層25と、フリー層26と、を含む積層膜であり、これらの層はこの順で積層されている。積層膜はZ方向において一対の電極層(図示せず)に挟まれており、電極層から積層膜にZ方向にセンス電流が流れるようにされている。
フリー層26は外部磁場に応じて磁化方向が変化する磁性層であり、例えばNiFeで形成することができる。ピンド層22は反強磁性層21との交換結合によって外部磁場に対して磁化方向が固定された強磁性層である。反強磁性層21はPtMn、IrMn,NiMnなどで形成することができる。レファレンス層24はピンド層22とスペーサ層25との間に挟まれた強磁性層であり、Ru,Rhなどの非磁性中間層23を介してピンド層22と磁気的に結合、より具体的にはピンド層22と反強磁性結合している。従って、レファレンス層24とピンド層22はいずれも外部磁場に対して磁化方向が固定されているが、その磁化方向は互いに反平行の向きとされている。スペーサ層25はフリー層26とレファレンス層24との間に位置し、磁気抵抗効果を奏する非磁性層である。スペーサ層25は、Cuなどの非磁性金属からなる非磁性導電層、またはAl23などの非磁性絶縁体からなるトンネルバリア層である。スペーサ層25が非磁性導電層である場合、第1の磁気抵抗効果素子11は巨大磁気抵抗効果(GMR)素子として機能し、スペーサ層25がトンネルバリア層である場合、第1の磁気抵抗効果素子11はトンネル磁気抵抗効果(TMR)素子として機能する。MR変化率が大きく、ブリッジ回路の出力電圧を大きくすることができるという点で、第1の磁気抵抗効果素子11はTMR素子であることがより好ましい。
図2(b)に示すように、第1の磁気抵抗効果素子11はZ方向からみて、長軸と短軸を有する概ね楕円形の平面形状を有している。図2(c)はフリー層26とレファレンス層24とピンド層22の無磁場状態での磁化を概念的に示している。図中の矢印は磁化方向を模式的に示している。フリー層26は形状異方性効果によって無磁場状態では概ね長軸方向(Y方向)に磁化されている。これに対しレファレンス層24とピンド層22は概ね短軸方向(X方向)に磁化されており、上述の通り、磁化方向は互いに反平行である。感磁方向であるX方向に外部磁場が印加されると、フリー層26の磁化方向は外部磁場の強さに応じて図2(c)において時計回りまたは反時計回りに回転する。これによってレファレンス層24の磁化方向とフリー層26の磁化方向との間の相対角度が変化し、センス電流に対する電気抵抗が変化する。
再び図1を参照すると、第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14のレファレンス層24の磁化方向は図中の矢印の方向を向いている。従って、+X方向に外部磁場が印加されると第1及び第3の第1の磁気抵抗効果素子11、13の電気抵抗が減少し、第2及び第4の磁気抵抗効果素子12,14の電気抵抗が増加する。これにより、図3(a)に示すように、中点電圧V1が増加し中点電圧V2が低下する。−X方向に外部磁場が印加された場合は、これとは逆に、中点電圧V1が低下し中点電圧V2が増加する。中点電圧V1,V2の差分V1−V2を検出することで、中点電圧V1,V2を検出する場合と比べて2倍の感度が得られる。また、中点電圧V1,V2がオフセットしている場合(すなわち、図3(a)において中点電圧V1,V2が出力軸方向にシフトしている場合)も差分を検出することでオフセットの影響を排除することができる。
しかし、第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14のばらつきのため、式1,2は厳密には成立せず多少の誤差が生じる。このため、図3(a)のA部拡大図である図3(b)に示すように、差分V1−V2にオフセットが生じる。オフセットは外部磁場がゼロのときの、差分V1−V2のゼロからの偏差である。オフセットは外部磁場の測定精度に影響を与える。さらに、オフセットは第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14に掛かる応力によって変動する。第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14に掛かる応力は様々な原因によって発生する。例えば製造中にはウエハ工程における膜の残留応力に起因する応力、ウエハの研削や切断などに起因する応力が生じる。第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14をパッケージ内に封入する際にも、封止用の樹脂などから受ける力によって応力が生じる。さらに、パッケージに封入された磁気センサ1を基板などに取り付け、モジュール化する際(たとえばはんだ工程)にも応力が生じる。また、モジュールが製品に組み込まれる際の工程(例えばねじ止め)でも応力が生じることがあり、製品としての使用中にも、例えば温度変化による熱応力が生じることがある。これらの応力の一部は測定が不可能であり、測定が可能な応力についても応力を制御することは困難である。従って、本質的にはオフセットが応力によって影響を受けにくいことが望まれる。
この課題に対処するため、本実施形態の磁気センサ1はレファレンス層24の磁歪定数λRとピンド層22の磁歪定数λPとの間に−2.5≦λP/λR≦0.5(但し、0を除く)の関係が成り立っている。磁歪定数は、基板上に磁性材料の薄膜を成膜し、薄膜の磁化を飽和させた状態で、光梃子法などにより基板の変位を測定することにより求められる。なお、0を除いたのはλP=0の物質が現実的にありえないためである。以下実施例によって説明する。
図1に示すブロック回路と図2に示す膜構成を有する複数の磁気センサ1を対象にシミュレーションを行った。レファレンス層24の磁歪定数λRは10×10-6に固定し、ピンド層22の磁歪定数λPを−50×10-6〜50×10-6の範囲で変動させた。第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14はZ方向からみて長軸が3.5μm、短軸が0.5μmの楕円形状とした。第1〜第4の磁気抵抗効果素子11〜14の短軸方向(X方向)または長軸方向(Y方向)に引張応力を印加した状態でオフセット変化を測定した。フリー層26の磁化膜厚Mstは80A(8emu/cm2)、磁歪定数は−3×10-6、レファレンス層24とピンド層22の磁化膜厚Mstは32A(3.2emu/cm2)とした。図4に評価結果を示す。横軸は応力を示しており、正の範囲では短軸方向(X方向)に引張応力が印加され、負の範囲では長軸方向(Y方向)に引張応力が印加されている。換言すれば、正の範囲では長軸方向(Y方向)に圧縮応力が印加され、負の範囲では短軸方向(X方向)に圧縮応力が印加されている。縦軸はオフセット変化を示している。オフセット変化はゼロ応力時のオフセットで規格化している。すなわち、オフセット変化はゼロ応力時のオフセットに対する偏差である。
図4より、応力が大きいほどオフセット変化が増加していることが分かる。オフセット変化は引張応力の方向(X方向の引張応力またはY方向の引張応力)に関して大きな差はなく、ほぼゼロ応力点を中心に対称となっている。磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサの最大出力電圧は概ね500mVであり、応力によるオフセット変化が約2%以内であればオフセットの影響は実用上大きな問題とならない。従って、オフセット変化は概ね±10mV以内とすることが望ましい。また、一般的に磁気センサが60MPaを超える異方的な応力を受ける可能性は小さいと考えられる。そこで、応力が±60MPaでオフセット変化が概ね±10mV以内となるλP/λR(レファレンス層24の磁歪定数λRに対するピンド層22の磁歪定数λPの比)の関係を求めた。図5に示すように、λP/λR=−1、すなわちレファレンス層24の磁歪定数λRとピンド層22の磁歪定数λPの正負が逆でかつ絶対値が同じときにオフセット変化が最も少なく、かつλP/λRが−1から離れるに従いオフセット変化がほぼ直線状に増加している。また、オフセット変化は引張応力の方向(X方向の引張応力またはY方向の引張応力)に関して大きな差はない。以上より、λP/λRを−1を中心とした所定範囲に調整することで、応力に対するオフセット変化を実用的な範囲に収めることができる。
図6は応力が印加されたときの磁気抵抗効果素子のピンド層22とレファレンス層24の磁化の変化を模式的に示している。図6(a)は応力が掛かっていないときの比較例の磁気抵抗効果素子のピンド層22とレファレンス層24の磁化(図中、太矢印)を表している。ピンド層22とレファレンス層24の磁歪定数は正で(図中の「+λ」を参照)、且つほぼ同じ値である。前述のように、ピンド層22とレファレンス層24の磁化方向はX方向を向いており、互いに反平行である。この磁気抵抗効果素子に図6(b)に示すように引張応力が印加されると、異方性エネルギーと異方性磁界が誘導される。応力により誘導される異方性エネルギーK* uと異方性磁界H* kはそれぞれ以下のように表される。
Figure 2020064892
Figure 2020064892
ここで、λは磁歪定数、σは応力、Mは各磁性層の磁化である。レファレンス層24とピンド層22の磁化方向は逆磁歪効果によって回転する。レファレンス層24とピンド層22の磁歪定数は正であるため、異方性磁界H* kは引張応力と平行な方向に誘起される。レファレンス層24とピンド層22の磁化方向は異方性磁界H* kの向きと揃う方向に回転するため、両者は同じ方向(図6(b)では反時計周り)に回転する。ピンド層22はレファレンス層24と反強磁性結合しているため、レファレンス層24の磁化方向をピンド層22の磁化方向と反平行の方向に保持しようとする。しかし両者は同方向に回転するため、ピンド層22がレファレンス層24の磁化方向の回転を阻止する効果は小さい。これに対し図6(c)は実施形態の磁気抵抗効果素子のピンド層22とレファレンス層24の磁化を表している。ピンド層22の磁歪定数は正(図中の「+λ」を参照)、レファレンス層24の磁歪定数は負(図中の「−λ」を参照)で絶対値は同じとしている。ピンド層22の磁歪定数は正であるため、異方性磁界H* kは引張応力と平行な方向に誘起される。一方、レファレンス層24の磁歪定数は負であるため、異方性磁界H* kは引張応力と直交する方向に誘起される。しかし、ピンド層22とレファレンス層24は反強磁性結合しているため、ピンド層22とレファレンス層24の磁化方向は回転せず、図6(b)と異なり、X方向を向いた状態を維持する。この結果、レファレンス層24の磁化方向がX方向から回転することが阻止され、オフセット変化が抑制される。以上の説明からも分かるように、λP/λRを−1.1以上、−0.9以下の範囲、より好ましくは−1とすることでオフセット変化を最小化することができる。また、λP/λRがこの範囲を超えていても、−2.5≦λP/λR≦0.5(但し、0を除く)の範囲にある限り、本発明の効果を奏することができる。
レファレンス層24の磁歪定数λRとピンド層22の磁歪定数λPはλP/λRが上記の範囲となるように定めればよく、レファレンス層24の磁歪定数λR及びピンド層22の磁歪定数λPの正負に制約はない。換言すれば、λP/λRが正であるときは、λRとλPがともに正でもよいし、ともに負でもよいし、λP/λRが負であるときは、λRが正、λPが負でもよいし、λRが負、λPが正でもよい。つまり、レファレンス層24とピンド層22の少なくともいずれかは正の磁歪定数を有する層であり、レファレンス層24とピンド層22の少なくともいずれかは負の磁歪定数を有する層であればよい。また、レファレンス層24の磁歪定数λR及びピンド層22の磁歪定数λPの絶対値の制約もない。レファレンス層24とピンド層22の具体的な構成は本条件を満たす範囲で、他の要因も考慮しながら決定することができる。
レファレンス層24またはピンド層22が正の磁歪定数を有する場合、レファレンス層24またはピンド層22はCoFe層またはCoFeX層で構成することができる。ここで、XはB,Ni,Si,Ta,Ti,Hf,V,Zr,W,Mnからなるグループから選択された1以上の元素である。あるいは、レファレンス層24またはピンド層22は、少なくとも一つのCoFe層と少なくとも一つのCoFeX層とを備えた積層構造から構成されてもよい。
レファレンス層24またはピンド層22が負の磁歪定数を有する場合、レファレンス層24またはピンド層22はNi層,Co層、CoNi層またはNiFe層で構成することができる。あるいは、レファレンス層24またはピンド層22は、少なくとも一つのNi層と少なくとも一つのCo層と少なくとも一つのCoNi層と少なくとも一つのNiFeのいずれか2以上を含む積層構造から構成されてもよい。特に、レファレンス層24またはピンド層22は、Ni層、またはNiを主成分とする層を含む積層構造から構成されることが好ましい。
なお、以上の説明ではフリー層26の磁歪定数について言及していないが、フリー層26の磁歪定数は本発明において大きな制約とならない。また、本願発明者はλP/λRはオフセット変化には大きな影響を与えるものの、磁気センサの感度にほとんど影響を与えないことを確認している。つまり、磁気センサの感度は主にフリー層26の磁歪定数の影響を受け、オフセット変化は主にλP/λRの影響を受ける。
以上説明した磁気センサ1は例えば電流センサに用いることができる。図7(a)は磁気センサ1を備える電流センサ101の概略断面図を示している。図7(b)は図7(a)のA−A線に沿った断面図である。磁気センサ1は電流線102の近傍に設置され、印加される信号磁場Bsの変化に応じて磁気抵抗変化を発生させる。電流センサ101は、磁場強度調整手段である第1及び第2の軟磁性体103,104と、磁気センサ1の近傍に設けられたソレノイド型のフィードバックコイル105と、を有している。フィードバックコイル105は信号磁場Bsをキャンセルするキャンセル磁場Bcを発生させる。フィードバックコイル105は、磁気センサ1と第2の軟磁性体104の周りを螺旋状に巻回している。図7(a)において紙面手前から奥側(y方向)に、図7(b)において左から右に、電流iが電流線102を流れている。この電流iによって、図7(a)において時計回りの外部磁場Boが誘起される。外部磁場Boは第1の軟磁性体103で減衰され、第2の軟磁性体104で増幅され、信号磁場Bsとして磁気センサ1に左向きに印加される。磁気センサ1は信号磁場Bsに相当する電圧信号を出力し、電圧信号がフィードバックコイル105に入力される。フィードバックコイル105にはフィードバック電流Fiが流れ、フィードバック電流Fiは信号磁場Bsをキャンセルするキャンセル磁場Bcを発生させる。信号磁場Bsとキャンセル磁場Bcは絶対値が同じで方向が逆向きであるため、信号磁場Bsはキャンセル磁場Bcと相殺され、磁気センサ1に印加される磁場は実質的にゼロとなる。フィードバック電流Fiは抵抗(図示せず)によって電圧に変換され、電圧値として出力される。電圧値はフィードバック電流Fi、キャンセル磁場Bc及び信号磁場Bsに比例するため、電圧値から電流線102を流れる電流を得ることができる。
1 磁気センサ
11 第1の磁気抵抗効果素子
12 第2の磁気抵抗効果素子
13 第3の磁気抵抗効果素子
14 第4の磁気抵抗効果素子
21 反強磁性層
22 ピンド層
23 非磁性中間層
24 レファレンス層
25 スペーサ層
26 フリー層
λP ピンド層の磁歪定数
λR レファレンス層の磁歪定数

Claims (7)

  1. 外部磁場に応じて磁化方向が変化するフリー層と、外部磁場に対して磁化方向が固定されたレファレンス層と、前記フリー層と前記レファレンス層との間に位置し、磁気抵抗効果を奏するスペーサ層と、前記スペーサ層との間で前記レファレンス層を挟み、前記レファレンス層と反強磁性結合するピンド層と、を有し、
    前記レファレンス層の磁歪定数λRと前記ピンド層の磁歪定数λPとの間に
    −2.5≦λP/λR≦0.5(但し、0を除く)
    の関係がある、磁気センサ。
  2. 前記レファレンス層と前記ピンド層の少なくともいずれかは正の磁歪定数を有する層であり、前記正の磁歪定数を有する層はCoFe層またはCoFeX層(XはB,Ni,Si,Ta,Ti,Hf,V,Zr,W,Mnからなるグループから選択された1以上の元素)からなる、請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記レファレンス層と前記ピンド層の少なくともいずれかは正の磁歪定数を有する層であり、前記正の磁歪定数を有する層は少なくとも一つのCoFe層と少なくとも一つのCoFeX層(XはB,Ni,Si,Ta,Ti,Hf,V,Zr,W,Mnからなるグループから選択された1以上の元素)とを含む積層構造からなる、請求項1に記載の磁気センサ。
  4. 前記レファレンス層と前記ピンド層の少なくともいずれかは負の磁歪定数を有する層であり、前記負の磁歪定数を有する層はNi層,Co層、CoNi層またはNiFe層からなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  5. 前記レファレンス層と前記ピンド層の少なくともいずれかは負の磁歪定数を有する層であり、前記負の磁歪定数を有する層は少なくとも一つのNi層と少なくとも一つのCo層と少なくとも一つのCoNi層と少なくとも一つのNiFeのいずれか2以上を含む積層構造からなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  6. 前記負の磁歪定数を有する層は前記Ni層を含む、請求項4または5に記載の磁気センサ。
  7. ―0.9≦λP/λR≦−1.1である、請求項1から6のいずれか1項に記載の磁気センサ。
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