JP2020056321A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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陽平 ▲高▼瀬
陽平 ▲高▼瀬
Yohei Takase
中根 芳之
Yoshiyuki Nakane
芳之 中根
了介 福山
Ryosuke Fukuyama
了介 福山
享仁 國枝
Takahito Kunieda
享仁 國枝
正悟 伊藤
Shogo Ito
正悟 伊藤
花帆 竹内
Kaho Takeuchi
花帆 竹内
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Abstract

【課題】増速機室内の圧力の上昇を抑えつつも、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制すること。【解決手段】遠心圧縮機10の運転が停止している状態では、弁体63が、付勢ばね64の付勢力によってオイル供給通路56の第2接続通路56bを遮断する方向に移動し、バイパス通路61、バッファ室60b、及び排出孔60cを介した増速機室13cと外部との連通が許容される。遠心圧縮機10の運転中においては、弁体63の受圧面63aが、オイルポンプ57から吐出されてオイル供給通路56の第2接続通路56bを流れるオイルの動圧を受けることにより、弁体63は、付勢ばね64の付勢力に抗して移動しオイル供給通路56の第2接続通路56bを開通するとともにバイパス通路61を遮断する。よって、バイパス通路61を介した増速機室13cと外部との連通が遮断される。【選択図】図1

Description

本発明は、遠心圧縮機に関する。
遠心圧縮機は、低速側シャフトと、高速側シャフトと一体回転して気体を圧縮するインペラと、低速側シャフトの動力を高速側シャフトに伝達する増速機と、を備えている。遠心圧縮機のハウジング内には、インペラを収容するインペラ室と、増速機を収容する増速機室とが形成されている。インペラ室と増速機室とは仕切壁によって仕切られている。仕切壁には、シャフト挿通孔が形成されている。高速側シャフトは、増速機室内からシャフト挿通孔を通過してインペラ室内に突出している。
このような遠心圧縮機においては、高速側シャフトと増速機との摺動部分の摩擦や焼き付きを抑制するために、例えば特許文献1のように、増速機にオイルが供給されている。遠心圧縮機は、増速機室に供給されるオイルが貯留されるオイルパンと、オイルパンに貯留されたオイルを増速機室に供給するオイル供給通路と、増速機室内のオイルをオイルパンに還流するオイル還流通路と、を備えている。そして、オイルパンからオイル供給通路を介して増速機室に供給されたオイルは、増速機に供給された後、増速機室内に貯留され、オイル還流通路を介してオイルパンに還流される。高速側シャフトの外周面とシャフト挿通孔の内周面との間には、シール部材が設けられている。シール部材は、増速機室内に貯留されるオイルが、シャフト挿通孔を介してインペラ室内へ洩れ出すことを抑制する。
特開2016−186238号公報
しかしながら、インペラの回転に伴って気体が圧縮されて、インペラ室の圧力が高くなると、高速側シャフトの外周面とシャフト挿通孔の内周面との間を介したインペラ室から増速機室への気体の洩れが生じ、増速機室内の圧力が上昇する場合がある。そして、例えば、インペラが低速で回転している場合や、遠心圧縮機の運転が停止している場合のように、インペラ室の圧力が増速機室の圧力よりも低くなる条件となると、増速機室内のオイルが高速側シャフトの外周面とシャフト挿通孔の内周面との間を介してインペラ室に洩れ出してしまう虞がある。
そこで、増速機室内の圧力の上昇を抑えるために、例えば、オイルパンと外部とを連通する圧抜き通路を遠心圧縮機に設けることが考えられる。ここで、例えば、遠心圧縮機の運転が停止している状態では、オイル供給通路及びオイル還流通路がオイルで満たされることにより増速機室内が密閉空間となる。そして、例えば、遠心圧縮機が搭載される車両が日射を受けるなどの理由で、増速機室内の温度上昇が起こると、増速機室内の気体が膨脹することにより増速機室内のオイルが気体によって押し出されてオイル還流通路へ流出し、オイルがオイル還流通路を介してオイルパン内に流れ込むことにより、オイルパンの油面が上昇する。このオイルパンの油面の上昇に伴って、オイルが圧抜き通路から外部へ洩れ出す虞があり、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、増速機室内の圧力の上昇を抑えつつも、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる遠心圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決する遠心圧縮機は、低速側シャフトと、高速側シャフトと一体回転して気体を圧縮するインペラと、前記低速側シャフトの動力を前記高速側シャフトに伝達する増速機と、前記インペラを収容するインペラ室、及び前記増速機を収容する増速機室が形成されたハウジングと、前記インペラ室と前記増速機室とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁に形成されるとともに前記高速側シャフトが挿通されるシャフト挿通孔と、前記高速側シャフトの外周面と前記シャフト挿通孔の内周面との間に設けられるシール部材と、前記増速機に供給されるオイルが貯留されるオイルパンと、前記オイルパンに貯留されたオイルを前記増速機室に供給するオイル供給通路と、前記増速機室内のオイルを前記オイルパンに還流するオイル還流通路と、前記オイルパンと外部とを連通する圧抜き通路と、を備えた遠心圧縮機であって、一端が前記増速機室に連通するとともに他端が外部に連通するバイパス通路と、前記オイル供給通路に設けられるとともに前記オイルパンに貯留されたオイルを吸い上げて吐出するオイルポンプと、一端が前記オイル供給通路における前記オイルポンプよりも吐出側の部位に連通するとともに、他端が前記バイパス通路に連通する連通路と、前記連通路内に摺動可能に配置される弁体と、前記オイル供給通路を遮断するよう前記弁体を前記オイル供給通路側に付勢する付勢部材と、を備え、前記弁体は、前記オイルポンプから吐出される前記オイルの動圧を受けると、前記付勢部材の付勢力に抗して移動し前記オイル供給通路を開通するとともに前記バイパス通路を遮断する。
これによれば、例えば、遠心圧縮機の運転が停止している状態では、オイルポンプの駆動が停止しており、弁体がオイルの動圧を受けないため、弁体は、付勢部材の付勢力によってオイル供給通路を遮断する方向に移動し、バイパス通路を介した増速機室と外部との連通が許容される。よって、遠心圧縮機の運転が停止している状態において、オイル供給通路及びオイル還流通路がオイルで満たされていても、増速機室内が密閉空間となってしまうことが無い。その結果、増速機室内の温度上昇が起こって、増速機室内の気体が膨脹したとしても、増速機室内の気体がバイパス通路を介して外部へ排出されるため、増速機室内のオイルが気体によって押し出されてオイル還流通路へ流出し、オイルがオイル還流通路を介してオイルパン内に流れ込むことを抑制できる。したがって、オイルパンの油面の上昇を抑制できるため、オイルパンの油面の上昇に伴うオイルの圧抜き通路からの外部への洩れを抑制でき、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
また、遠心圧縮機の運転中においては、高速側シャフトの外周面とシャフト挿通孔の内周面との間を介したインペラ室から増速機室への気体の洩れが生じても、増速機室内の気体がオイル還流通路及びオイルパンを介して圧抜き通路から外部へ排出されるため、増速機室内の圧力の上昇が抑えられる。さらに、遠心圧縮機の運転中においては、弁体は、オイルポンプから吐出されるオイルの動圧を受けることにより、付勢部材の付勢力に抗して移動しオイル供給通路を開通するとともにバイパス通路を遮断する。よって、遠心圧縮機の運転中に増速機によって撹拌される増速機室内のオイルが、バイパス通路に流れ込んだとしても、オイルがバイパス通路を介して外部へ洩れ出すことを抑制できる。したがって、遠心圧縮機にバイパス通路を設けても、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。以上のことから、増速機室内の圧力の上昇を抑えつつも、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
上記課題を解決する遠心圧縮機は、低速側シャフトと、高速側シャフトと一体回転して気体を圧縮するインペラと、前記低速側シャフトの動力を前記高速側シャフトに伝達する増速機と、前記インペラを収容するインペラ室、及び前記増速機を収容する増速機室が形成されたハウジングと、前記インペラ室と前記増速機室とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁に形成されるとともに前記高速側シャフトが挿通されるシャフト挿通孔と、前記高速側シャフトの外周面と前記シャフト挿通孔の内周面との間に設けられるシール部材と、前記増速機に供給されるオイルが貯留されるオイルパンと、前記オイルパンに貯留されたオイルを前記増速機室に供給するオイル供給通路と、前記増速機室内のオイルを前記オイルパンに還流するオイル還流通路と、前記オイルパンと外部とを連通する圧抜き通路と、を備えた遠心圧縮機であって、一端が前記増速機室に連通するとともに他端が外部に連通するバイパス通路と、一端が前記インペラ室における前記インペラの背面に臨む位置に連通するとともに、他端が前記バイパス通路に連通する連通路と、前記連通路内に摺動可能に配置される弁体と、前記バイパス通路を開通するように前記弁体を前記連通路側に付勢する付勢部材と、を備え、前記弁体は、前記インペラの背面側に生じる背圧を受けると、前記付勢部材の付勢力に抗して移動し前記バイパス通路を遮断する。
これによれば、例えば、遠心圧縮機の運転が停止している状態では、弁体がインペラ室におけるインペラの背面側に生じる圧力である背圧を受けないため、弁体は、付勢部材の付勢力によってバイパス通路を開通する方向に移動し、バイパス通路を介した増速機室と外部との連通が許容される。よって、遠心圧縮機の運転が停止している状態において、オイル供給通路及びオイル還流通路がオイルで満たされていても、増速機室内が密閉空間となってしまうことが無い。その結果、増速機室内の温度上昇が起こって、増速機室内の気体が膨脹したとしても、増速機室内の気体がバイパス通路を介して外部へ排出されるため、増速機室内のオイルが気体によって押し出されてオイル還流通路へ流出し、オイルがオイル還流通路を介してオイルパン内に流れ込むことを抑制できる。したがって、オイルパンの油面の上昇を抑制できるため、オイルパンの油面の上昇に伴うオイルの圧抜き通路からの外部への洩れを抑制でき、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
また、遠心圧縮機の運転中においては、高速側シャフトの外周面とシャフト挿通孔の内周面との間を介したインペラ室から増速機室への気体の洩れが生じても、増速機室内の気体がオイル還流通路及びオイルパンを介して圧抜き通路から外部へ排出されるため、増速機室内の圧力の上昇が抑えられる。さらに、遠心圧縮機の運転中においては、弁体は、インペラ室の背面側に生じる背圧を受けることにより、付勢部材の付勢力に抗して移動しバイパス通路を遮断する。よって、遠心圧縮機の運転中に増速機によって撹拌される増速機室内のオイルが、バイパス通路に流れ込んだとしても、オイルがバイパス通路を介して外部へ洩れ出すことを抑制できる。したがって、遠心圧縮機にバイパス通路を設けても、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。以上のことから、増速機室内の圧力の上昇を抑えつつも、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
この発明によれば、増速機室内の圧力の上昇を抑えつつも、増速機に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
第1の実施形態における遠心圧縮機を示す側断面図。 図1における2−2線断面図。 弁体の閉弁状態を拡大して示す断面図。 弁体の開弁状態を拡大して示す断面図。 第2の実施形態における遠心圧縮機を示す側断面図。 弁体の閉弁状態を拡大して示す断面図。 弁体の開弁状態を拡大して示す断面図。
(第1の実施形態)
以下、遠心圧縮機を具体化した第1の実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。本実施形態の遠心圧縮機は、燃料電池を電力源として走行する燃料電池車両(FCV)に搭載され、燃料電池に対して空気を供給する。
図1に示すように、遠心圧縮機10のハウジング11は、モータハウジング12と、モータハウジング12に連結される増速機ハウジング13と、増速機ハウジング13に連結されるプレート14と、プレート14に連結されるコンプレッサハウジング15と、を備えている。モータハウジング12、増速機ハウジング13、プレート14、及びコンプレッサハウジング15は、例えばアルミニウムにより形成された金属材料製である。ハウジング11は略筒状である。モータハウジング12、増速機ハウジング13、プレート14、及びコンプレッサハウジング15は、ハウジング11の軸線方向にこの順序で配列されている。
モータハウジング12は、円板状の底壁12aと、底壁12aの外周縁から円筒状に延設された周壁12bと、を有する有底円筒状である。増速機ハウジング13は、円板状の底壁13aと、底壁13aの外周縁から円筒状に延設された周壁13bと、を有する有底円筒状である。
モータハウジング12の周壁12bにおける底壁12aとは反対側の端部は、増速機ハウジング13の底壁13aに連結されている。そして、モータハウジング12の周壁12bにおける底壁12aとは反対側の開口は、増速機ハウジング13の底壁13aによって閉塞されている。底壁13aの中央部には、貫通孔13hが形成されている。
増速機ハウジング13の周壁13bにおける底壁13aとは反対側の端部は、プレート14に連結されている。そして、増速機ハウジング13の周壁13bにおける底壁13aとは反対側の開口は、プレート14によって閉塞されている。プレート14の中央部には、シャフト挿通孔14hが形成されている。
コンプレッサハウジング15は、プレート14における増速機ハウジング13とは反対側の面に連結されている。コンプレッサハウジング15には、気体である空気が吸入される吸入口15aが形成されている。吸入口15aは、コンプレッサハウジング15におけるプレート14とは反対側の端面の中央部に開口するとともに、コンプレッサハウジング15におけるプレート14とは反対側の端面の中央部からハウジング11の軸線方向に延びている。
遠心圧縮機10は、低速側シャフト16と、低速側シャフト16を回転させる電動モータ17と、を備えている。ハウジング11内には、電動モータ17を収容するモータ室12cが形成されている。モータ室12cは、モータハウジング12の底壁12aの内面、周壁12bの内周面、及び増速機ハウジング13の底壁13aの外面によって区画されている。低速側シャフト16は、低速側シャフト16の軸線方向がモータハウジング12の軸線方向に一致した状態でモータハウジング12内に収容されている。低速側シャフト16は、例えば鉄又は合金で形成された金属材料製である。
モータハウジング12の底壁12aの内面には、筒状のボス部12fが突出している。低速側シャフト16の一端部は、ボス部12f内に挿入されている。低速側シャフト16の一端部とボス部12fとの間には、第1軸受18が設けられている。そして、低速側シャフト16の一端部は、第1軸受18を介してモータハウジング12の底壁12aに回転可能に支持されている。
低速側シャフト16の他端部は、貫通孔13hに挿入されている。低速側シャフト16の他端部と貫通孔13hとの間には、第2軸受19が設けられている。そして、低速側シャフト16の他端部は、第2軸受19を介して増速機ハウジング13の底壁13aに回転可能に支持されている。よって、低速側シャフト16は、ハウジング11に回転可能に支持されている。低速側シャフト16の他端は、モータ室12cから貫通孔13hを通過して増速機ハウジング13内に突出している。
低速側シャフト16の他端部と貫通孔13hとの間には、シール部材20が設けられている。シール部材20は、低速側シャフト16の他端部と貫通孔13hとの間において、第2軸受19よりもモータ室12c寄りに配置されている。シール部材20は、低速側シャフト16の外周面と貫通孔13hの内周面との間をシールする。
電動モータ17は、筒状のステータ21と、ステータ21の内側に配置されるロータ22とからなる。ロータ22は、低速側シャフト16に固定されるとともに低速側シャフト16と一体的に回転する。ステータ21は、ロータ22を取り囲んでいる。ロータ22は、低速側シャフト16に止着された円筒状のロータコア22aと、ロータコア22aに設けられた複数の永久磁石(図示せず)と、を有している。ステータ21は、モータハウジング12の周壁12bの内周面に固定された筒状のステータコア21aと、ステータコア21aに捲回されたコイル21bと、を有している。そして、コイル21bに電流が流れることによって、ロータ22と低速側シャフト16とが一体的に回転する。
遠心圧縮機10は、高速側シャフト31と、低速側シャフト16の動力を高速側シャフト31に伝達する増速機30と、を備えている。ハウジング11内には、増速機30を収容する増速機室13cが形成されている。増速機室13cは、増速機ハウジング13の底壁13aの内面、周壁13bの内周面、及びプレート14によって区画されている。増速機室13c内にはオイルが貯留されている。シール部材20は、増速機室13c内に貯留されているオイルが、低速側シャフト16の外周面と貫通孔13hの内周面との間を介してモータ室12cに洩れ出すことを抑制している。
高速側シャフト31は、例えば鉄又は合金で形成された金属材料製である。高速側シャフト31は、高速側シャフト31の軸線方向が増速機ハウジング13の軸線方向に一致した状態で増速機室13cに収容されている。高速側シャフト31におけるモータハウジング12とは反対側の端部は、プレート14のシャフト挿通孔14hを通過してコンプレッサハウジング15内に突出している。高速側シャフト31の軸線は、低速側シャフト16の軸線と一致している。
遠心圧縮機10は、高速側シャフト31に取り付けられたインペラ24を備えている。ハウジング11内には、インペラ24を収容するインペラ室15bが形成されている。インペラ室15bは、コンプレッサハウジング15とプレート14とによって区画されている。プレート14は、インペラ室15bと増速機室13cとを仕切る仕切壁である。そして、高速側シャフト31が挿通されるシャフト挿通孔14hは、仕切壁であるプレート14に形成されている。
高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間には、シール部材23が設けられている。シール部材23は、例えば、メカニカルシールである。シール部材23は、高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間をシールする。そして、シール部材23によって、増速機室13c内に貯留されているオイルが高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間を介してインペラ室15bに洩れ出すことが抑制されている。
インペラ室15bと吸入口15aとは連通している。インペラ室15bは、吸入口15aから離れるにつれて徐々に拡径していく略円錐台孔形状になっている。高速側シャフト31におけるコンプレッサハウジング15内に突出している突出端部は、インペラ室15bに突出している。
インペラ24は、背面24aから先端面24bに向かうに従って徐々に縮径した筒状である。インペラ24は、インペラ24の回転軸線方向に延び、且つ、高速側シャフト31が挿通可能な挿通孔24cを有している。インペラ24は、高速側シャフト31におけるコンプレッサハウジング15内に突出している突出端部が挿通孔24cに挿通された状態で、高速側シャフト31と一体的に回転可能に高速側シャフト31に取り付けられている。これにより、高速側シャフト31が回転することによってインペラ24が回転して、吸入口15aから吸入された空気が圧縮される。よって、インペラ24は、高速側シャフト31と一体回転して空気を圧縮する。
また、遠心圧縮機10は、インペラ24によって圧縮された空気が流入するディフューザ流路25と、ディフューザ流路25を通過した空気が流入する吐出室26と、を備えている。
ディフューザ流路25は、コンプレッサハウジング15におけるプレート14と対向する面と、プレート14とによって区画されている。ディフューザ流路25は、インペラ室15bよりも高速側シャフト31の径方向外側に位置するとともにインペラ室15bに連通している。ディフューザ流路25は、インペラ24及びインペラ室15bを囲む環状に形成されている。
吐出室26は、ディフューザ流路25よりも高速側シャフト31の径方向外側に位置するとともにディフューザ流路25に連通している。吐出室26は環状である。インペラ室15bと吐出室26とはディフューザ流路25を介して連通している。インペラ24によって圧縮された空気は、ディフューザ流路25を通ることによって、更に圧縮されて吐出室26に流れ、吐出室26から吐出される。
増速機30は、低速側シャフト16の回転を増速させて高速側シャフト31に伝達する。増速機30は、所謂トラクションドライブ式(摩擦ローラ式)である。増速機30は、低速側シャフト16の他端に連結されたリング部材32を備えている。リング部材32は金属製である。リング部材32は、低速側シャフト16の回転に伴って回転する。リング部材32は、低速側シャフト16の他端に連結された円板状のベース33と、ベース33の外縁部から円筒状に延設された筒部34と、を有する有底円筒状である。ベース33は、低速側シャフト16に対して低速側シャフト16の径方向に延びている。筒部34の軸線は、低速側シャフト16の軸線と一致している。
図2に示すように、高速側シャフト31の一部は、筒部34の内側に配置されている。また、増速機30は、筒部34と高速側シャフト31との間に設けられる3つのローラ35を備えている。3つのローラ35は、例えば金属製であり、高速側シャフト31と同一金属、例えば鉄又は鉄の合金で構成されている。3つのローラ35は、高速側シャフト31の周方向に互いに所定の間隔(例えば120度ずつ)をあけて配置されている。3つのローラ35は同一形状である。3つのローラ35は、筒部34の内周面及び高速側シャフト31の外周面の双方と当接する。
図1に示すように、各ローラ35は、円柱状のローラ部35aと、ローラ部35aの軸線方向の第1端面35bから突出する円柱状の第1突起35cと、ローラ部35aの軸線方向の第2端面35dから突出する円柱状の第2突起35eと、を有している。ローラ部35aの軸心、第1突起35cの軸心、及び第2突起35eの軸心は一致している。各ローラ35のローラ部35aの軸心が延びる方向(回転軸線方向)と高速側シャフト31の軸線方向とは一致している。ローラ部35aの外径は、高速側シャフト31の外径よりも大きい。
図1及び図2に示すように、増速機30は、プレート14と協働して各ローラ35を回転可能に支持する支持部材39を備えている。支持部材39は、筒部34の内側に配置されている。支持部材39は、円板状の支持ベース40と、支持ベース40から立設された柱状の3つの立設壁41と、を有している。支持ベース40は、プレート14に対して各ローラ35の回転軸線方向に対向配置されている。3つの立設壁41は、支持ベース40におけるプレート14側の面40aからプレート14に向けてそれぞれ延びている。そして、3つの立設壁41は、筒部34の内周面と、隣り合う2つのローラ部35aの外周面とによって区画された3つの空間を埋めるようにそれぞれ配置されている。
支持部材39には、ボルト44が挿通可能なボルト挿通孔45が3つ形成されている。各ボルト挿通孔45は、3つの立設壁41それぞれをローラ35の回転軸線方向に貫通している。図1に示すように、プレート14における支持部材39側の面14aには、各ボルト挿通孔45に連通する雌ねじ孔46がそれぞれ形成されている。そして、支持部材39は、各ボルト挿通孔45に挿通された各ボルト44が各雌ねじ孔46に螺合されることによってプレート14に取り付けられている。
プレート14における支持部材39側の面14aは、3つの凹部51(図1では一つの凹部51のみ図示)を有している。3つの凹部51は、高速側シャフト31の周方向に互いに所定の間隔(例えば120度ずつ)をあけて配置されている。3つの凹部51それぞれの配置位置は、3つのローラ35それぞれの配置位置に対応している。3つの凹部51内には、円環状のローラ軸受52がそれぞれ配置されている。
支持ベース40におけるプレート14側の面40aは、3つの凹部53(図1では一つの凹部53のみ図示)を有している。3つの凹部53は、高速側シャフト31の周方向に互いに所定の間隔(例えば120度ずつ)をあけて配置されている。3つの凹部53それぞれの配置位置は、3つのローラ35それぞれの配置位置に対応している。3つの凹部53内には、円環状のローラ軸受54が配置されている。
各ローラ35の第1突起35cは、各凹部51内のローラ軸受52内に挿入され、ローラ軸受52を介してプレート14に回転可能に支持されている。各ローラ35の第2突起35eは、各凹部53内のローラ軸受54内に挿入され、ローラ軸受54を介して支持部材39に回転可能に支持されている。
高速側シャフト31には、高速側シャフト31の軸線方向に離間して対向配置された一対のフランジ部31fが設けられている。3つのローラ35のローラ部35aは、一対のフランジ部31fによって挟持されている。これにより、高速側シャフト31の軸線方向における高速側シャフト31と3つのローラ35のローラ部35aとの位置ずれが抑制されている。
図2に示すように、3つのローラ35、リング部材32、及び高速側シャフト31は、3つのローラ35と高速側シャフト31及び筒部34とが互いに押し付けあっている状態でユニット化されている。そして、高速側シャフト31は、3つのローラ35によって回転可能に支持されている。
3つのローラ35のローラ部35aの外周面と筒部34の内周面との当接箇所であるリング側当接箇所Paには押し付け荷重が付与されている。また、3つのローラ35の外周面と高速側シャフト31の外周面との当接箇所であるシャフト側当接箇所Pbには、押し付け荷重が付与されている。リング側当接箇所Pa及びシャフト側当接箇所Pbは、高速側シャフト31の軸線方向に延びている。
そして、電動モータ17が駆動して、低速側シャフト16及びリング部材32が回転すると、リング部材32の回転力が、各リング側当接箇所Paを介して3つのローラ35に伝達されて3つのローラ35が回転し、3つのローラ35の回転力が、各シャフト側当接箇所Pbを介して高速側シャフト31に伝達される。その結果、高速側シャフト31が回転する。このとき、リング部材32は、低速側シャフト16と同一速度で回転し、3つのローラ35は低速側シャフト16よりも高速で回転する。そして、3つのローラ35の外径よりも外径が小さい高速側シャフト31は、3つのローラ35よりも高速で回転する。これにより、増速機30によって、高速側シャフト31が低速側シャフト16よりも高速で回転する。
図1に示すように、遠心圧縮機10は、増速機30に供給されるオイルが貯留されるオイルパン55を備えている。オイルパン55は、モータハウジング12の底壁12aの内部に形成されている。オイルパン55は、モータハウジング12の底壁12aにおける外周側の部位に位置している。
遠心圧縮機10は、オイルパン55に貯留されたオイルを増速機室13cに供給するオイル供給通路56と、オイル供給通路56に設けられるとともにオイルパン55に貯留されたオイルを吸い上げて吐出するオイルポンプ57と、を備えている。オイルポンプ57は、モータハウジング12の底壁12aの内部に設けられている。オイルポンプ57は、例えば、トロコイドポンプである。オイルポンプ57は、低速側シャフト16の一端部に連結されている。そして、オイルポンプ57は、低速側シャフト16の回転に伴って駆動する。
オイル供給通路56は、オイルパン55とオイルポンプ57とを接続する第1接続通路56aと、オイルポンプ57と増速機室13cとを接続する第2接続通路56bと、を有している。第1接続通路56aは、モータハウジング12の内部に形成されている。第1接続通路56aの一端は、オイルパン55内に突出している。第1接続通路56aの他端はオイルポンプ57の吸入口57aに接続されている。第2接続通路56bは、モータハウジング12及び増速機ハウジング13を貫通している。第2接続通路56bの一端は、オイルポンプ57の吐出口57bに接続されている。第2接続通路56bの他端は、増速機室13c内における重力方向の上側の部分に開口している。
遠心圧縮機10は、増速機室13c内のオイルをオイルパン55に還流するオイル還流通路58と、オイル還流通路58を流れるオイルを冷却するオイルクーラ59と、を備えている。オイルクーラ59は、モータハウジング12の周壁12bの外周面に取り付けられる有底筒状のカバー部材59aを有している。そして、カバー部材59aの内面とモータハウジング12の周壁12bの外周面とによって空間59bが区画されている。また、オイルクーラ59は、空間59b内に配置される冷却配管59cを有している。冷却配管59cの両端部は、モータハウジング12に支持されている。冷却配管59cは、オイル還流通路58の一部を形成する。
また、カバー部材59aには、導入配管59d及び排出配管59eが設けられている。空間59bには、導入配管59dから低温流体が導入される。空間59bに導入された低温流体は、排出配管59eから排出されて図示しない冷却装置によって冷却された後、再び導入配管59dを介して空間59bに導入される。低温流体は、例えば、水である。
オイル還流通路58は、増速機室13cとオイルクーラ59とを接続する第3接続通路58aと、オイルクーラ59とオイルパン55とを接続する第4接続通路58bと、を有している。第3接続通路58aは、増速機ハウジング13を貫通してモータハウジング12の周壁12bの内部まで延びている。第3接続通路58aの一端は、増速機室13c内における重力方向の下側の部分に開口している。第3接続通路58aの他端は、冷却配管59cの一端に接続されている。第4接続通路58bは、モータハウジング12の内部に形成されている。第4接続通路58bの一端は、冷却配管59cの他端に接続されている。第4接続通路58bの他端は、オイルパン55内に開口している。
電動モータ17が駆動されると、低速側シャフト16の回転によりオイルポンプ57が駆動されて、オイルパン55内に貯留されているオイルが第1接続通路56a及び吸入口57aを介してオイルポンプ57内に吸入され、吐出口57bを介して第2接続通路56bに吐出される。オイルポンプ57は、低速側シャフト16の回転数の増加に伴い、吐出口57bから吐出されるオイルの量が比例的に増加するように駆動される。そして、第2接続通路56bに吐出されたオイルは、第2接続通路56bを流れて増速機室13c内に流出し、例えば、ローラ部35aの外周面に供給される。これにより、ローラ部35aと高速側シャフト31との摺動部分の潤滑が良好なものとなる。
ローラ部35aと高速側シャフト31との摺動部分の潤滑に寄与したオイルは、増速機室13c内に貯留される。増速機室13c内に貯留されているオイルは、第3接続通路58aに流入して、第3接続通路58a、冷却配管59c、及び第4接続通路58bを通過する。ここで、冷却配管59cを通過するオイルは、オイルクーラ59の空間59bに導入される低温流体との熱交換が行われることにより冷却される。そして、オイルクーラ59によって冷却されたオイルが、オイルパン55に貯留される。
遠心圧縮機10は、オイルパン55と外部とを連通する圧抜き通路60を備えている。圧抜き通路60は、接続通路60a、バッファ室60b、及び排出孔60cを有している。バッファ室60bは、モータハウジング12の底壁12aの内部に形成されている。接続通路60aは、モータハウジング12の底壁12aの内部に形成されている。接続通路60aは、オイルパン55とバッファ室60bとを連通している。接続通路60aの一端は、オイルパン55内における重力方向の上側の部分に開口している。接続通路60aの他端は、バッファ室60b内における重力方向の下側の部分に開口している。排出孔60cは、モータハウジング12の底壁12aに形成されている。排出孔60cの一端は、バッファ室60b内における重力方向の上側の部分に開口している。排出孔60cの他端は、モータハウジング12の底壁12aの外面に開口して外部に連通している。
遠心圧縮機10は、バイパス通路61を備えている。バイパス通路61は、増速機ハウジング13及びモータハウジング12を貫通している。バイパス通路61の一端は、増速機室13cにおける重力方向の上側の部分に開口している。バイパス通路61の他端は、バッファ室60bにおける重力方向の上側の部分に開口している。よって、バイパス通路61は、一端が増速機室13cに連通するとともに他端がバッファ室60b及び排出孔60cを介して外部に連通している。
図3に示すように、遠心圧縮機10は、オイル供給通路56とバイパス通路61とを連通する連通路62を備えている。連通路62は、モータハウジング12の内部に形成されている。連通路62の一端は、第2接続通路56bに連通している。連通路62の他端は、バイパス通路61に連通している。よって、連通路62は、一端がオイル供給通路56におけるオイルポンプ57よりも吐出側の部位に連通するとともに、他端がバイパス通路61に連通している。
遠心圧縮機10は、バイパス通路61を開閉する弁体63と、弁体63を付勢する付勢ばね64と、を備えている。弁体63は、バイパス通路61に対して出没可能に連通路62内を摺動する。よって、弁体63は、連通路62内に摺動可能に配置されている。弁体63は、オイルポンプ57から吐出されてオイル供給通路56を流れるオイルの動圧を受ける受圧面63aを有している。よって、受圧面63aは、オイル供給通路56の第2接続通路56bに臨んでいる。
モータハウジング12の内部には、バイパス通路61に連通するばね収容凹部65が形成されている。ばね収容凹部65は、バイパス通路61を介して連通路62に対向している。付勢ばね64の一端は、弁体63における受圧面63aとは反対側の面63bに支持されている。付勢ばね64の他端は、ばね収容凹部65の底面65aに支持されている。付勢ばね64は、弁体63をオイル供給通路56の第2接続通路56bに向けて押圧するように付勢している。したがって、付勢ばね64は、オイル供給通路56の第2接続通路56bを遮断するよう弁体63をオイル供給通路56側に付勢している。
弁体63は、オイルポンプ57から吐出されて第2接続通路56bを流れるオイルの動圧を受圧面63aが受けると、付勢ばね64の付勢力に抗して移動し連通路62からバイパス通路61に突出する方向へ移動する。そして、連通路62からバイパス通路61に突出した状態の弁体63は、オイル供給通路56の第2接続通路56bを開通するとともにバイパス通路61を遮断する閉弁状態となる。よって、弁体63は、オイルポンプ57から吐出されて第2接続通路56bを流れるオイルの動圧を受圧面63aが受けると、付勢ばね64の付勢力に抗して閉弁方向に移動する。したがって、付勢ばね64は、オイルポンプ57から吐出されて第2接続通路56bを流れるオイルの動圧を受圧面63aが受けると、付勢ばね64の付勢力に抗して弁体63が閉弁方向に移動するばね力に設定されている。
図4に示すように、弁体63は、受圧面63aが第2接続通路56bを流れるオイルの動圧を受けなくなると、付勢ばね64の付勢力によって、バイパス通路61から連通路62に没入する方向へ移動する。そして、バイパス通路61から連通路62に没入した状態の弁体63は、オイル供給通路56の第2接続通路56bを遮断するとともにバイパス通路61を開通する開弁状態となる。よって、付勢ばね64は、オイル供給通路56を遮断するよう弁体63をオイル供給通路56側に付勢する付勢部材である。
次に、第1の本実施形態の作用について説明する。
遠心圧縮機10の運転中においては、高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間を介したインペラ室15bから増速機室13cへの空気の洩れが生じても、増速機室13c内の空気がオイル還流通路58及びオイルパン55を介して圧抜き通路60から外部へ排出されるため、増速機室13c内の圧力の上昇が抑えられる。したがって、例えば、インペラ24が低速で回転している場合や、遠心圧縮機10の運転が停止している場合のように、インペラ室15bの圧力が増速機室13cの圧力よりも低くなる条件となっても、増速機室13c内の圧力とインペラ室15b内の圧力との差が小さくなる。よって、増速機室13c内のオイルが高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間を介してインペラ室15bに洩れ出してしまうことが抑制される。
例えば、遠心圧縮機10の運転が停止している状態では、オイルポンプ57の駆動が停止しており、弁体63の受圧面63aがオイルの動圧を受けない。よって、弁体63は、付勢ばね64の付勢力によってオイル供給通路56の第2接続通路56bを遮断する方向に移動し、バイパス通路61、バッファ室60b、及び排出孔60cを介した増速機室13cと外部との連通が許容される。
図3に示すように、遠心圧縮機10の運転中においては、弁体63の受圧面63aが、オイルポンプ57から吐出されてオイル供給通路56の第2接続通路56bを流れるオイルの動圧を受けることにより、弁体63は、付勢ばね64の付勢力に抗して移動しオイル供給通路56の第2接続通路56bを開通するとともにバイパス通路61を遮断する。よって、バイパス通路61を介した増速機室13cと外部との連通が遮断される。
第1の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1−1)遠心圧縮機10の運転が停止している状態では、弁体63が、付勢ばね64の付勢力によってオイル供給通路56を遮断する方向に移動し、バイパス通路61、バッファ室60b、及び排出孔60cを介した増速機室13cと外部との連通が許容される。よって、遠心圧縮機10の運転が停止している状態において、オイル供給通路56及びオイル還流通路58がオイルで満たされていても、増速機室13c内が密閉空間となってしまうことが無い。ここで、増速機室13c内の温度上昇が起こって、増速機室13c内の空気が膨脹する場合がある。この場合であっても、増速機室13c内の空気がバイパス通路61、バッファ室60b、及び排出孔60cを介して外部へ排出されるため、増速機室13c内のオイルが空気によって押し出されてオイル還流通路58へ流出し、オイルがオイル還流通路58を介してオイルパン55内に流れ込むことを抑制できる。したがって、オイルパン55の油面の上昇を抑制できるため、オイルパン55の油面の上昇に伴うオイルの圧抜き通路60からの外部への洩れを抑制でき、増速機30に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
また、遠心圧縮機10の運転中においては、高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間を介したインペラ室15bから増速機室13cへの空気の洩れが生じても、増速機室13c内の空気がオイル還流通路58及びオイルパン55を介して圧抜き通路60から外部へ排出されるため、増速機室13c内の圧力の上昇が抑えられる。さらに、遠心圧縮機10の運転中においては、弁体63は、オイルポンプ57から吐出されるオイルの動圧を受けることにより、付勢ばね64の付勢力に抗して移動しオイル供給通路56を開通するとともにバイパス通路61を遮断する。よって、遠心圧縮機10の運転中に増速機30によって撹拌される増速機室13c内のオイルが、バイパス通路61に流れ込んだとしても、オイルがバイパス通路61を介して外部へ洩れ出すことを抑制できる。したがって、遠心圧縮機10にバイパス通路61を設けても、増速機30に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。以上のことから、増速機室13c内の圧力の上昇を抑えつつも、増速機30に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
(1−2)遠心圧縮機10の運転中においては、弁体63が、バイパス通路61を遮断する閉弁状態となるため、遠心圧縮機10の運転中に増速機30によって撹拌される増速機室13c内のオイルが、バイパス通路61、バッファ室60b、及び接続通路60aを介してオイルパン55に逆流してしまうことを防止することができる。したがって、増速機室13c内の高温のオイルが、オイルクーラ59によって冷却されずにオイルパン55に流入してしまうことを防止することができる。
(1−3)増速機室13c内からインペラ室15b内へのオイルの洩れが抑制されるため、遠心圧縮機10によって圧縮された空気と共にオイルが燃料電池に供給されてしまうことが抑制され、燃料電池の発電効率が低下してしまうことを回避することができる。
(第2の実施形態)
以下、遠心圧縮機を具体化した第2の実施形態を図5〜図7にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図5に示すように、遠心圧縮機10は、インペラ室15bとバイパス通路61とを連通する連通路72を備えている。連通路72は、一端がインペラ室15bにおけるインペラ24の背面24aに臨む位置に連通するとともに、他端がバイパス通路61に連通している。連通路72は、プレート14を貫通するとともに他端が増速機ハウジング13の内部に位置している。
図6に示すように、遠心圧縮機10は、バイパス通路61を開閉する弁体73と、弁体73を付勢する付勢ばね74と、を備えている。弁体73は、バイパス通路61に対して出没可能に連通路72内を摺動する。よって、弁体73は、連通路72内を摺動可能に配置されている。
インペラ24によって圧縮された後に、インペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に回り込んだ空気は、連通路72に流入して弁体73に衝突する。よって、弁体73は、インペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる圧力である背圧を受ける受圧面73aを有している。インペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる圧力である背圧は、インペラ24によって圧縮された後に、インペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に回り込んだ空気の圧力である。
付勢ばね74は、プレート14における連通路72を形成する部位と弁体73の受圧面73aとの間に介在されている。付勢ばね74は、弁体73をバイパス通路61とは反対側に向けて付勢している。本実施形態において、付勢ばね74は、引張ばねであり、弁体73をバイパス通路61とは反対側に向けて引っ張っている。よって、付勢ばね74の付勢力は、付勢ばね74の引張力である。
弁体73は、インペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる圧力である背圧を受圧面73aが受けると、付勢ばね74の付勢力に抗して連通路72からバイパス通路61に突出する方向へ移動する。そして、連通路72からバイパス通路61に突出した状態の弁体73は、バイパス通路61を遮断する閉弁状態となる。よって、弁体73は、インペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる背圧を受圧面73aが受けると、付勢ばね74の付勢力に抗して移動しバイパス通路61を遮断する閉弁方向に移動する。したがって、付勢ばね74は、インペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる圧力である背圧を受圧面73aが受けると、付勢ばね74の付勢力に抗して弁体73が閉弁方向に移動するばね力に設定されている。
図7に示すように、弁体73は、受圧面73aがインペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる圧力である背圧を受けなくなると、付勢ばね74の付勢力によって、バイパス通路61から連通路72に没入する方向へ移動する。そして、バイパス通路61から連通路72に没入した状態の弁体73は、バイパス通路61を開通する開弁状態となる。よって、付勢ばね74は、バイパス通路61を開通するように弁体73を連通路72側に付勢する付勢部材である。
次に、第2の実施形態の作用について説明する。
例えば、遠心圧縮機10の運転が停止している状態では、インペラ24の回転が停止しており、弁体73の受圧面73aがインペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる圧力である背圧を受けない。よって、弁体73は、付勢ばね74の付勢力によってバイパス通路61を開通する方向に移動し、バイパス通路61、バッファ室60b、及び排出孔60cを介した増速機室13cと外部との連通が許容される。
図6に示すように、遠心圧縮機10の運転中においては、弁体73の受圧面73aが、インペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる背圧を受けることにより、弁体73は、付勢ばね74の付勢力に抗して移動しバイパス通路61を遮断する。よって、バイパス通路61を介した増速機室13cと外部との連通が遮断される。
第2の実施形態では、第1の実施形態の効果(1−2)、(1−3)と同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(2−1)遠心圧縮機10の運転が停止している状態では、弁体73がインペラ室15bにおけるインペラ24の背面24a側に生じる圧力である背圧を受けない。このため、弁体73が、付勢ばね74の付勢力によってバイパス通路61を開通する方向に移動し、バイパス通路61、バッファ室60b、及び排出孔60cを介した増速機室13cと外部との連通が許容される。よって、遠心圧縮機10の運転が停止している状態において、オイル供給通路56及びオイル還流通路58がオイルで満たされていても、増速機室13c内が密閉空間となってしまうことが無い。ここで、増速機室13c内の温度上昇が起こって、増速機室13c内の空気が膨脹する場合がある。この場合であっても、増速機室13c内の空気がバイパス通路61、バッファ室60b、及び排出孔60cを介して外部へ排出されるため、増速機室13c内のオイルが空気によって押し出されてオイル還流通路58へ流出し、オイルがオイル還流通路58を介してオイルパン55内に流れ込むことを抑制できる。したがって、オイルパン55の油面の上昇を抑制できるため、オイルパン55の油面の上昇に伴うオイルの圧抜き通路60からの外部への洩れを抑制でき、増速機30に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
また、遠心圧縮機10の運転中においては、弁体73は、インペラ室15bの背面側に生じる背圧を受けることにより、付勢ばね74の付勢力に抗して移動しバイパス通路61を遮断する。よって、遠心圧縮機10の運転中に増速機30によって撹拌される増速機室13c内のオイルが、バイパス通路61に流れ込んだとしても、オイルがバイパス通路61を介して外部へ洩れ出すことを抑制できる。したがって、遠心圧縮機10にバイパス通路61を設けても、増速機30に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。以上のことから、増速機室13c内の圧力の上昇を抑えつつも、増速機30に供給されるオイルの量が少なくなってしまうことを抑制できる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 第1の実施形態において、弁体63をオイル供給通路56の第2接続通路56b側に向けて引っ張る引張ばねを付勢部材として用いてもよい。
○ 第2の実施形態において、弁体73をバイパス通路61とは反対側に向けて押圧するように付勢する付勢ばねを付勢部材として用いてもよい。
○ 上記各実施形態において、バイパス通路61の他端は、バッファ室60b及び排出孔60cを介して外部に連通していたが、これに限らず、バイパス通路61の他端が、外部に直接連通していてもよい。
○ 上記各実施形態において、モータハウジング12の内部に、圧抜き通路60の一部を構成するバッファ室60bが形成されていなくてもよい。
○ 上記各実施形態において、例えば、圧抜き通路60の排出孔60cに、増速機室13c内の圧力が所定の圧力に達すると開弁する圧抜き弁を設けてもよい。また、圧抜き弁は、電気信号により開閉するとともに遠心圧縮機10の運転中のみに開弁する電磁弁であってもよい。
○ 上記各実施形態において、遠心圧縮機10の適用対象及び圧縮対象の気体は任意である。例えば、遠心圧縮機10は空調装置に用いられていてもよく、圧縮対象の気体は冷媒ガスであってもよい。また、遠心圧縮機10の搭載対象は、車両に限られず任意である。
10…遠心圧縮機、11…ハウジング、13c…増速機室、14…仕切壁であるプレート、14h…シャフト挿通孔、15b…インペラ室、16…低速側シャフト、23…シール部材、24…インペラ、24a…背面、30…増速機、31…高速側シャフト、55…オイルパン、56…オイル供給通路、57…オイルポンプ、58…オイル還流通路、60…圧抜き通路、61…バイパス通路、62,72…連通路、63,73…弁体、64,74…付勢部材である付勢ばね。

Claims (2)

  1. 低速側シャフトと、
    高速側シャフトと一体回転して気体を圧縮するインペラと、
    前記低速側シャフトの動力を前記高速側シャフトに伝達する増速機と、
    前記インペラを収容するインペラ室、及び前記増速機を収容する増速機室が形成されたハウジングと、
    前記インペラ室と前記増速機室とを仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁に形成されるとともに前記高速側シャフトが挿通されるシャフト挿通孔と、
    前記高速側シャフトの外周面と前記シャフト挿通孔の内周面との間に設けられるシール部材と、
    前記増速機に供給されるオイルが貯留されるオイルパンと、
    前記オイルパンに貯留されたオイルを前記増速機室に供給するオイル供給通路と、
    前記増速機室内のオイルを前記オイルパンに還流するオイル還流通路と、
    前記オイルパンと外部とを連通する圧抜き通路と、を備えた遠心圧縮機であって、
    一端が前記増速機室に連通するとともに他端が外部に連通するバイパス通路と、
    前記オイル供給通路に設けられるとともに前記オイルパンに貯留されたオイルを吸い上げて吐出するオイルポンプと、
    一端が前記オイル供給通路における前記オイルポンプよりも吐出側の部位に連通するとともに、他端が前記バイパス通路に連通する連通路と、
    前記連通路内に摺動可能に配置される弁体と、
    前記オイル供給通路を遮断するよう前記弁体を前記オイル供給通路側に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記弁体は、前記オイルポンプから吐出される前記オイルの動圧を受けると、前記付勢部材の付勢力に抗して移動し前記オイル供給通路を開通するとともに前記バイパス通路を遮断することを特徴とする遠心圧縮機。
  2. 低速側シャフトと、
    高速側シャフトと一体回転して気体を圧縮するインペラと、
    前記低速側シャフトの動力を前記高速側シャフトに伝達する増速機と、
    前記インペラを収容するインペラ室、及び前記増速機を収容する増速機室が形成されたハウジングと、
    前記インペラ室と前記増速機室とを仕切る仕切壁と、
    前記仕切壁に形成されるとともに前記高速側シャフトが挿通されるシャフト挿通孔と、
    前記高速側シャフトの外周面と前記シャフト挿通孔の内周面との間に設けられるシール部材と、
    前記増速機に供給されるオイルが貯留されるオイルパンと、
    前記オイルパンに貯留されたオイルを前記増速機室に供給するオイル供給通路と、
    前記増速機室内のオイルを前記オイルパンに還流するオイル還流通路と、
    前記オイルパンと外部とを連通する圧抜き通路と、を備えた遠心圧縮機であって、
    一端が前記増速機室に連通するとともに他端が外部に連通するバイパス通路と、
    一端が前記インペラ室における前記インペラの背面に臨む位置に連通するとともに、他端が前記バイパス通路に連通する連通路と、
    前記連通路内に摺動可能に配置される弁体と、
    前記バイパス通路を開通するように前記弁体を前記連通路側に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記弁体は、前記インペラの背面側に生じる背圧を受けると、前記付勢部材の付勢力に抗して移動し前記バイパス通路を遮断することを特徴とする遠心圧縮機。
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