JP2020056084A - 高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法 - Google Patents

高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ベル・アーマー方式の高炉内に原料を装入する際、炉内に堆積し時間と共に変化する鉱石堆積傾斜角の動的挙動を精度よく推定することができる高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法を提供する。【解決手段】本発明は、ベル・アーマー方式の原料装入装置4に配備された下ベル7から鉱石最終バッチの鉱石2を高炉1に装入する際、下ベル7の開条件を用いて鉱石2の質量流速F[kg/s]を求め、その質量流速F[kg/s]を時間積分して所定時間までの鉱石2の積算質量Σmi[kg]を求め、その積算質量Σmi[kg]を鉱石嵩密度ρ[kg/m3]で除して所定時間までの鉱石2の積算体積ΣVi[m3]を求め、炉壁部の鉱石2の堆積層高さh[m]を測定し、その積算体積ΣVi[m3]と堆積層高さh[m]を用いて鉱石2の堆積層水平方向距離d[m]を求め、その堆積層水平方向距離d[m]と堆積層高さh[m]を用いて鉱石堆積傾斜角θOII[°]の時間変化を推定する。【選択図】図6

Description

本発明は、ベル・アーマー方式の高炉において原料を装入する技術に関するものであって、その高炉内に堆積し、時間と共に変化する鉱石の傾斜角(堆積状態の動的挙動)を推定する技術に関する。
従来より、図1に示すように、固気向流型の巨大な反応容器(シャフト炉)である高炉では、炉頂より鉱石とコークスが交互に層状に装入され、炉下部に備えられている羽口より熱風(高温の空気+酸素)を送風することで、鉱石を昇温還元させて溶銑を製造している。このような向流移動層である高炉を安定させて操業するには、通気性を確保する、言い換えれば、充填層の圧力損失(圧損)を低位に保ち、荷下がりを安定させることが重要である。
高炉に装入する原料に関しては、還元材としてコークスなどが用いられ、鉱石原料としては焼結鉱、鉄鉱石ペレット(以下、ペレットと呼ぶ。)、塊鉱石、メタルなどが代表的に用いられている。
また、補助燃料(還元材)としては、微粉炭(PC)や重油などが挙げられ、それらを羽口から炉内に吹き込んでいる。なお、微粉炭(pulverized coal(PC))とは、石炭を50μm程度に微粉砕したものである。
コークスの役割としては、レースウェイでの燃焼に用いられる「熱源(C+O2→CO2)」、鉱石還元に必要なCOガスを生成する「還元材(C+CO2→2CO、FeOn+nCO→Fe+nCO2)」、溶鉄へ浸炭し融点を低下させる「加炭材」、通気性を確保するための「スペーサー」などが挙げられる。
なお、羽口から吹き込む補助燃料(代表的には、微粉炭(PC))でも、上記した「熱源」、「還元材」、「加炭材」の役割の代替することは可能である。しかしながら、「スペーサー」の役割については、コークスでしか担うことができない。
特に、近年における高炉の操業においては、溶銑コストの低減を行う目的として低コークス比操業、高PC比操業が志向されている。しかし、低コークス比操業を行うと、スペーサーとして機能するコークス量の低下と炉内ガス量の増加により、炉内通気性が悪化するという課題が生じる。その結果として、高炉の操業が不安定化してしまうこととなる。したがって、低コークス比操業の実現に向けては、炉内通気性を改善する、すなわち圧損を低減させることが必要となってくる。
高炉の操業では、炉内通気性を確保するため、炉内における装入物分布、すなわち高炉の半径方向での鉱石とコークスの層厚比を制御することで、高炉の半径方向におけるガスの流れを制御している。鉱石とコークスを比較すると、コークスの方が鉱石よりも粒径が大きい。また、コークス層の方が鉱石層よりも充填層の空隙率が大きい。そのため、高炉内の鉱石とコークスの層厚比(鉱石層厚/コークス層厚)が大きいほど、ガスが流れにくくなる。
このような高炉内には、鉱石層が溶融して相互に融着した領域(以下、融着帯と呼ぶ。)が存在する。この融着層は、通気抵抗が大きく、ガスが流れにくいものとなっている。そのため、炉内上昇ガスは、充填層の空隙率が鉱石層よりも大きいコークススリット側を水平方向に通過するようになる。このことより、融着帯においては圧損が高いものである。その融着帯の形状を逆V型に形成して維持することで、中心ガス流を維持して炉内圧損を低下させることができる。これにより、高炉の操業を安定させることが可能となる。
さて、図2に示すように、ベル・アーマー式の原料装入装置を備えた高炉は、炉上部のベルカップから原料を排出し、落下してきた原料を炉壁側のアーマー(反発板)で反発させて、炉内へ装入する方式の設備である。このアーマーを押し出す距離を調整することによって、炉内の周辺部における装入物分布、すなわち高炉の半径方向における鉱石とコークスの層厚比を制御することが可能となる。
また、図3に示すように、塊コークスの一部を専用のシュートから高炉内の中心部に装入するコークス中心装入では、中心コークスの装入質量により、高炉内の中心部の装入物分布が制御されている。この制御を行うことにより、融着帯の形状を逆V型に維持している(参考文献:「ふぇらむ」,Vol.9(2004),No.10,p721〜728)。
さらに、高炉内の中間部における装入物分布については、装入したコークスと鉱石の堆積傾斜角度の差に依存している。コークスの堆積傾斜角は、鉱石の堆積傾斜角より大きい。その鉱石の堆積傾斜角を増大させることで、中心ガス流が強化されることとなり、高炉の通気性が良好になる。
高炉の操業に関する技術としては、例えば、特許文献1〜3などに開示されているものがある。
特許文献1は、高炉の操業方法に関し、特にベル型原料装入装置を備えた高炉の操業方法において、原料装入速度を一定に保って操業安定性を高めることを目的としている。
具体的には、ベル型原料装入装置を備えた高炉の操業方法であって、該装置を用いて装入される原料の1バッチ毎の装入時間を測定して該装入時間から装入中の微小単位時間当たりの装入速度を推定し、その推定結果をベル開速度および/またはベル・ストロークの調整にフィードバックして原料装入速度をコントロールし高炉操業の安定化を図ることとしている。
また、特許文献1によれば、高炉装入原料の装入時間を基にしてほぼ正確に推定することができる装入速度を一定に保つことによって、高炉内における原料の堆積状態を適正且つ安定に維持することができ、それに伴って高炉の操業安定性を著しく改善し得ることができるとされている。
特許文献2は、ベル型原料装入装置を備えた高炉の操業において、摩耗したベルライナーの取り替え時期を知り、該ベルライナーの取替えを適切に行なうことにより高炉操業の安定性を高めることを目的としている。
具体的には、高炉炉頂に設けられたベル型原料装入装置におけるベルライナーの取替時期を判定するに当たり、落下物検出センサーを炉口部の円周方向から装入物落下位置に向けて等間隔に4個以上設け、装入物の落下状態を、前記落下物検出センサーで測定することにより各装入機会毎の落下物検出センサー設置位置における原料装入所要時間を検出し、この検出した原料装入所要時間のうち1つでも基準装入所要時間より短くなった時点をもってベルライナー取替時期の到来を判定することとしている。
また、特許文献2によれば、摩耗したベルライナー取替え時期を正確に知ることができ、ベルライナーの取替えを適切に行うことにより高炉操業の安定性を高めることが出来るとされている。
特許文献3は、ベル式高炉の原料装入方法に関するものであり、大ベルの開度、開速度の1以上を自動制御して半径方向の装入原料分布の調整および細粒原料使用の増加を可能ならしめる方法を改良することを目的としている。
具体的には、ベル式高炉において、装入原料の粒度構成を高炉々内に装入する直前に測定し、測定した粒度構成の特に大塊原料の比率に基づいて当該原料の炉内装入所要時間を予測し、当該予測時間が設定した炉内装入所要時間と異なる場合に、大ベルの開度、開速度の1以上を制御して当該原料の炉内装入所要時間を設定した炉内装入所要時間に維持し、特に大塊原料として25mm以上の粒度の原料の比率に基いて当該原料の炉内装入所要時間を予測することとしている。
また、特許文献3によれば、簡素な設備で装入原料の大塊比率のみを計測して装入時間を予測し、これに基づいて大ベルの開度、開速度の1以上をフィードフォワード制御することにより、大ベル操作法において装入物分布制御を微細且つ高精度で行なうことを可能ならしめたもので、ガス流分布の所期の目的を容易に達成できる効果があるとされている。
特開昭63−186813号公報 特開昭63−238205号公報 特開平01−042508号公報
ところで、特許文献1は、装入速度を制御することにより、装入物の堆積状態を維持することが目的である。しかしながら、本願発明は、高炉の炉内に堆積し、時間と共に変化する鉱石の傾斜角を推定することを目的としており、特許文献1の目的とは異なっている。また、特許文献1は、ベル型原料装入装置を備えた高炉の操業方法であって、下ベル開条件(下ベルを開放するときの条件)を用いて、鉱石の装入速度(質量流速)を計算式で求めることが示されているものの、鉱石堆積傾斜角の時間変化を求めるまでには至っていない。つまり、特許文献1では、本願発明の目的を実現することはできない。
特許文献2は、ベルライナーの適正な取替時期を把握することが目的である。しかしながら、本願発明は、高炉の炉内に堆積し、時間と共に変化する鉱石の傾斜角を推定することを目的としており、特許文献2の目的とは異なっている。また、特許文献2は、高炉のベルライナーの取替時期を判定する技術であるが、下ベル開条件を用いて、鉱石の装入速度(質量流速)を計算式で求めることが示されているものの、鉱石堆積傾斜角の時間変化を求めるまでには至っていない。つまり、特許文献2では、本願発明の目的を実現することはできない。
特許文献3は、堆積が完了した後の装入物の傾斜角度しか見ておらず、装入中における装入物の傾斜角度(堆積傾斜角の動的な挙動)がどのようになっているかが不明である。すなわち、特許文献3は、本願発明の目的である、高炉の炉内に堆積し、時間と共に変化する装入物(鉱石)の傾斜角を推定することは困難であると考える。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ベル・アーマー方式の高炉において、炉内に原料を装入する際に、その炉内に堆積し、時間と共に変化する鉱石堆積傾斜角の動的挙動を精度よく推定することができる高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法は、ベル・アーマー方式の原料装入装置を用いて、高炉内に原料となる鉱石とコークスを交互に層状に装入する際に、前記高炉内に堆積する鉱石の鉱石堆積傾斜角を推定する方法において、前記原料装入装置の下部側に配備されている下ベルから、鉱石最終バッチとなる前記鉱石を装入する際に、前記鉱石最終バッチの鉱石を装入するときの下ベルを開放する条件を用いて、前記鉱石の質量流速F[kg/s]を求め、求めた前記鉱石の質量流速F[kg/s]を時間積分することで、所定時間までの前記鉱石の積算質量Σmi[kg]を求め、求めた前記鉱石の積算質量Σmi[kg]を鉱石嵩密度ρ[kg/m3]で除することで、所定時間までの前記鉱石の積算体積ΣVi[m3]を求め、前記高炉の炉壁部に落下した前記鉱石の堆積層高さh[m]を測定し、求めた所定時間までの前記鉱石の積算体積ΣVi[m3]と、測定した前記鉱石の堆積層高さh[m]を用いて、前記鉱石の堆積層における水平方向距離d[m]を求め、求めた所定時間までの前記鉱石の堆積層における水平方向距離d[m]と、測定した前記鉱石の堆積層高さh[m]を用いて、時間と共に変化する前記鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定することを特徴とする。
本発明によれば、ベル・アーマー方式の高炉において、炉内に原料を装入する際に、その炉内に堆積し、時間と共に変化する鉱石堆積傾斜角の動的挙動を精度よく推定することができる。
高炉操業の概略を模式的に示した図である。 ベル・アーマー式の高炉における原料装入の概略を模式的に示した図である。 コークス中心装入の概略を模式的に示した図である。 下ベルの開条件(下ベルの開度[mm]の時間変化)と、 鉱石堆積傾斜角θOII[°]の時間変化を示したグラフである。 下ベルの開条件(条件(1)〜(3))ごとに、鉱石の動的堆積挙動(質量流速F[kg/s]、質量Σmi[kg]、体積ΣVi[m3]、堆積層高さh[m]、堆積層水平方向距離d[m]、鉱石堆積傾斜角θOII[°](推定値))の時間変化を示したグラフである。 本発明の高炉における鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定する手順を模式的に示した図である。 本発明の高炉における鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定する手順を示したフローチャートである。 下ベルの開条件(条件(1)〜(3))ごとに、鉱石堆積傾斜角θOII[°]の推定値と実測値を比較したグラフである。 本発明で用いるパラメータの定義を示した図である。 本実施例で用いる実験装置の概略を模式的に示した図である。
以下、本発明にかかる高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
本発明にかかる高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法は、ベル・アーマー方式の原料装入装置4を用いて、高炉1内に原料となる鉱石2とコークス3を交互に層状に装入する際に、堆積状況が時々刻々と変化する鉱石2の鉱石堆積傾斜角(動的堆積挙動)を推定する方法である。特に、最後に装入する鉱石2の鉱石堆積傾斜角の動的変化を推定する。
まず、本発明が適用される高炉1について説明する。
図1に示すように、高炉1は、固気向流型の巨大な反応容器(シャフト炉)であり、炉頂より炉内に、塊鉱石、鉄鉱石ペレット、焼結鉱等の鉱石原料とコークス3が交互に層状になるように装入され、炉下部に備えられた羽口5から熱風(高温の空気+酸素)を炉内に吹き込んで、鉱石原料の還元、溶融等の一連の反応を行わせることで、銑鉄を製造している。
本発明は、ベル・アーマー方式の原料装入装置4を備えた高炉1を対象としている。なお、本発明はベルレス方式の高炉を対象としていない。
図2に示すように、ベル・アーマー方式の原料装入装置4は、炉頂部に備えられていて、原料を貯留するベルカップ6と、ベルカップ6内に配備され、下方に向かうにつれて広がる円錐形状の下ベル7と、下ベル7の下方であって、鉛直方向に配備された板状のアーマー8と、を有している。なお、下ベル7の上方には、図示はしないが、上ベルが備えられている。下ベル7と上ベルはいずれも上下方向に移動可能となっている。
下ベル7は、下方につれて広がる円錐形状であり、ベルカップ6の下部に備えられている。アーマー8は、下ベル7の下方の炉壁部に備えられていて、落下してきた原料を反発させるものである。
つまり、ベル・アーマー方式の高炉1では、下ベル7を下方に移動させて、ベルカップ6の下部に隙間を設け、ベルカップ6内に貯留された原料を炉内に所定量落下させる。ベルカップ6から排出された原料は、ベルカップ6の下方に備えられたアーマー8(反発板)で反発されて炉内へ装入される。炉内に装入された原料は、落下した位置から炉内の中心側に向かって流れ込みながら堆積する。
なお、原料の落下位置については、アーマー8の押し出し量(距離)により調整を行うことができる。アーマー8の押し出し量とは、板状のアーマー8を高炉1の半径方向内側(高炉1の内部)に向かって出退させる量のことである。
また、図2、図3に示すように、塊コークスの一部については、コークス装入用の専用のシュート(中心装入シュート9)を用いて高炉1内の中心部へ装入している。いわゆる「コークス中心装入技術」である(参考文献:「ふぇらむ」,Vol.9(2004),No.10,p721〜728)。
ところで、高炉1では、炉内の中心部にガスを安定して流通させることにより、逆V字型の融着帯を形成させることで、炉内の通気性を確保している。
高炉1内を流通するガスについては、鉱石2よりも粒径および充填層の空隙率が大きいコークス3側を優先的に流通している。また、高炉1内のガス流れについては、鉱石層厚(Lo)とコークス層厚(Lc)との層厚比(Lo/Lc)で制御している。この層厚比(Lo/Lc)が小さいほど、ガスが流れ易くなる。
そのため、高炉1内の中心部に塊コークスを装入する(コークス中心装入を行う)ことで、ガスが高炉1内の中心部を流れ易くなる。
本実施形態においては、一般的な高炉原燃料の装入方法で実施している。
すなわち、図2に示すように、高炉1に原料を装入する方法として、一般的には、コークス2バッチ(CI,CII)、鉱石複数バッチ(OI,OII,…,On)を1サイクルとし、このサイクルを繰り返しながら原料を装入している。
高炉1の原料装入方法の一例としては、コークス1バッチ目(CI)〜コークス2バッチ目(CII)〜鉱石1バッチ目(OI)〜鉱石2バッチ目(OII)を1チャージとして、このサイクルを繰り返しながら装入する。また、コークス中心装入については、(CII)と(OI)の間と、(OI)と(OII)の間に装入する。本実施形態においては、鉱石2バッチ目(OII)を鉱石最終バッチとしている。
つまり、原料の装入サイクルについては、以下の工程(1)〜(6)に示す通りである。
(1) コークス1バッチ目(CI)
(2) コークス2バッチ目(CII)
(3) コークス中心装入(I)
(4) 鉱石1バッチ目(OI)
(5) コークス中心装入(II)
(6) 鉱石2バッチ目(OII):鉱石最終バッチ
上記の原料装入工程(1)〜(6)が、1サイクルである。
コークス3の役割としては、レースウェイでの燃焼に用いられる「熱源(C+O2→CO2)」、鉱石還元に必要なCOガスを生成する「還元材(C+CO2→2CO、FeOn+nCO→Fe+nCO2)」、溶鉄へ浸炭し融点を低下させる「加炭材」、通気性を確保するための「スペーサー」などの4つが挙げられる。
また、高炉1の羽口5からは、微粉炭(石炭を粉砕した補助燃料、pulverized coal(PC))を炉内へ吹き込んでいるため、「熱源」・「還元材」・「加炭材」の役割への代替は可能である。しかしながら、「スペーサー」としての役割については、コークス3でしか担うことができない。
すなわち、高炉1内の通気性を改善することができれば、その通気余裕を活用してコークス比を低減をさせることが可能となる。
原料装入装置4の下部側に配備されている下ベル7(ベル)から、鉱石最終バッチ(On)となる鉱石2を装入するに際しては、以下に示すことを行っている。
ベル式の高炉1の原料装入装置4では、下方につれて広がる円錐形状の下ベル7を、下方に移動させてできる隙間を通して、原料を炉内に装入している。また、コークス2バッチ(CI,CII)、鉱石複数バッチ(OI,OII,…,On)を装入の1チャージとする。本実施形態においては、鉱石2バッチ目(OII)を鉱石最終バッチとしている。
鉱石最終バッチ(OII)装入時における下ベル7を開放する条件(下ベル7の開条件)が異なれば、高炉1内の鉱石堆積傾斜角θOIIも異なってくる。また、高炉1内の中間部における装入物分布については、装入したコークス3と鉱石2との堆積傾斜角度の差に依存している。
なお、鉱石堆積傾斜角θOIIとは、図2に示すように、鉱石最終バッチ(OII)において、高炉内に装入された鉱石2の傾斜面と水平方向の面とのなす角度のことである。この鉱石堆積傾斜角θOIIを増大させると、中心ガス流が強化されることとなるので、高炉1内の通気性は良好になる。
また、鉱石最終バッチ(OII)装入時のアーマーポジション(アーマー8の押し出し距離)については、下ベル7から落下してきた鉱石2と当たらない位置に設定する。
このようなベル・アーマー式の高炉1において、鉱石2の堆積傾斜角θOIIを増大させる方法としては、例えば、特願2018−008901に開示されているように、原料装入装置4に備えられた下ベル7の開速度、あるいは、最終開度を低下させる方法などが挙げられる。
図4に示すように、高炉1内における鉱石堆積傾斜角θOIIの動的挙動(下ベル7を開けてから閉じるまでの鉱石堆積傾斜角θOIIの時間変化)については、鉱石最終バッチ(OII)を装入する際の下ベル7の開条件(例えば、下ベル7の開速度や最終開度など)によって変化するものであるので、その鉱石最終バッチ(OII)の下ベル7の開条件を変更すればよい。
そこで、本発明は、鉱石最終バッチ(OII)の下ベル7の開条件を用いて、高炉1内に堆積し、時々刻々と変化する鉱石2の鉱石堆積傾斜角θOIIを精度よく推定することとしている。
以下に、鉱石2の鉱石堆積傾斜角θOIIの時間変化を推定する手順について、詳しく説明する。
なお、本実施形態で用いるパラメータの定義については、表1、表2、図9に示す通りである。表1は、本実施形態で用いる記号の定義について示したものである。表2は、本実施形態で用いる用語の定義について示したものである。図9は、本実施形態で用いるパラメータの定義を図示したものである。
まず、鉱石最終バッチ(OII)の鉱石2を装入するときの下ベル7を開放する条件(下ベル7の開条件)を用いて、鉱石2の質量流速F[kg/s]を求める。
下ベル7の開放により、ベルカップ6から高炉1内へ装入される鉱石2の質量流速F[kg/s]については、以下の式(1)で求められる(参考文献:西尾浩明ら「鉄と鋼」,68(1982),p.2330「高炉の装入物分布形成過程に関する解析」)。
F=2π・RH・ρ・g1/2・tan1/2θ・(uB・τ/tanθ-k・Dp)3/2 ・・・(1)
ただし、F:質量流速[kg/s]、RH:下ベルの半径[m]、ρ:鉱石嵩密度[kg/m3]、g:重力加速度[m/s2]、θ:下ベルの角度[°]、uB:下ベルの開速度[m/s]、τ:下ベルの開時間[s]、k:補正係数[-]、Dp:原料粒径[m]
求めた鉱石2の質量流速F[kg/s]を時間積分することで、所定時間までの鉱石2の積算質量Σmi[kg]を求める。
すなわち、求めた鉱石2の質量流速F[kg/s]を時間[s]で積分することにより、質量Σmi[kg]を算出する。
求めた鉱石2の積算質量Σmi[kg]を鉱石嵩密度ρ[kg/m3]で除することで、所定時間までの鉱石2の積算体積ΣVi[m3]を求める。
すなわち、装入した鉱石2の質量m[kg]を鉱石嵩密度ρ[kg/m3]で除することにより、鉱石2の体積ΣVi[m3]を算出する。
ここで、高炉1の炉壁部に落下した鉱石2の堆積層高さh[m]を測定する。
炉壁部における鉱石2の堆積層高さh[m]とは、下ベル7の開放により、ベルカップ6から落下した鉱石2が炉壁部に堆積する際の高さh[m]であり、この高さhの時間変化を連続的に測定する。炉壁部の堆積層高さh[m]を測定するには、例えば、炉頂部よりマイクロ波レベル計やレーザー距離計などの測定装置を用いるとよい。
なお、本実施例(詳細は後述)で行った、炉壁部の堆積層高さh[m]の測定方法のラボ実験においては、ベル・アーマー式の高炉1の炉上部を模した実験装置10を用意し、下ベル7の開放により、ベルカップ6から炉内へ鉱石2を装入するにあたり、炉壁部に堆積する鉱石2の堆積層の状況を、側方よりビデオ撮影を行い、その映像に基づいて、炉壁部の堆積層高さh[m]を測定した。
求めた所定時間までの鉱石2の積算体積ΣVi[m3]と、測定した鉱石2の堆積層高さh[m]を用いて、鉱石2の堆積層における水平方向距離d[m]を求める。
すなわち、落下してくる鉱石2の積算体積ΣVi[m3]と、炉壁部に堆積した鉱石2の堆積層高さh[m]の値を用い、鉱石2の堆積層の高炉半径方向における距離(堆積層水平方向距離)d[m]を計算する(図9参照)。
求めた所定時間までの鉱石2の堆積層における水平方向距離d[m]と、測定した鉱石2の堆積層高さh[m]を用いて、時間と共に変化する鉱石2の堆積傾斜角θOII[°]を推定する。
すなわち、求めた堆積層水平方向距離d[m]と、炉壁部に堆積した鉱石2の堆積層高さh[m]の値を用い、高炉1内に堆積する鉱石2の鉱石堆積傾斜角θOII[°] (動的堆積挙動)を求める。
以上詳説した、堆積状況が時間と共に変化する鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定する手順を、原料装入開始(下ベル7の開放)〜堆積終了(下ベル7の閉鎖)まで繰り返し行い、連続的に鉱石堆積傾斜角θOII[°]の変化を算出することで、鉱石堆積傾斜角θOII[°]の動的変化(時間経過に伴う鉱石2の堆積傾斜角θOIIの変化)を精度良く推定することができる。
[実施例]
以下に、本発明の高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法に従って実施した実施例について、説明する。
本実施例における実施条件については、以下の通りである。
実験装置10については、ベル・アーマー方式の高炉1の炉上部を模した2次元冷間模型を使用した。つまり、2次元冷間模型実験の条件については、下ベル7とアーマー8とを有している2次元スライス冷間模型の実験装置10を用いて、鉱石2の装入・堆積実験を行った。
図10に示すように、本実施例で用いる実験装置10のサイズについては、縦(高さH):1450mm、横(幅W):580mm、奥行きl:100mmとし、透明のアクリル板で製作した。
なお、実験装置10と実機の高炉1との相似則に関しては、以下の通りである。
下ベル7の開度等の装置サイズについては、幾何学的相似則を適用した。本実施例においては、実機の高炉1に対して、1/11.2倍とした。
また、下ベル7の開速度uB等の速度については、フルード数Frを一定とした。本実施例においては、実機の高炉1に対して、1/√11.2倍とした。
また、装入する鉱石試料については、全て焼結鉱(100%)であり、その粒径は2.8〜4.0mmである。1バッチの鉱石装入量を3.5kgとした。
高炉1を模した実験装置10内に、下地である鉱石1バッチ目(OI)および中心コークスを装入した状態で、下ベル7を開放してベルカップ6から炉内へ鉱石最終バッチ(OII)を装入する実験を行った。すなわち、上記の(1)〜(5)に示す原料の装入工程(CI)〜(CII)〜(I)〜(OI)〜(II)を終えた状態にしておき、鉱石最終バッチ(OII)を装入した。
鉱石最終バッチ(OII)での鉱石2の装入・堆積時に、その堆積状況を側方よりビデオ撮影を行い、鉱石堆積傾斜角θOII[°]の変化を連続的に測定した。
鉱石最終バッチ(OII)装入時の下ベル7の開条件に関しては、以下の3パターンとした(図4中の(a)参照)。
・条件(1):通常の下ベル7の開条件(下ベル7の最終開度:58mm、下ベル7の開時間:3.6s)
・条件(2):下ベル7の開速度低下条件(下ベル7の最終開度:36mm、下ベル7の開時間:11s)
・条件(3):下ベル7の最終開度低下条件(下ベル7の最終開度:58mm、下ベル7の開時間:1.1s)
図4は、下ベル7の開条件(条件(1)〜条件(3))と、それぞれの条件に伴う鉱石堆積傾斜角θOII[°]の変化(実測値)を示している。図4中の(a)は、下ベル7の開度[mm] の時間変化を示し、傾きは開速度を示している。図4中の(b)は、鉱石堆積傾斜角θOII[°]の時間変化を示している。
なお、下ベル7の開速度は、下ベル7が開くのにかかる時間ともいえる。また、下ベル7の開時間は、下ベル7が開いている時間である。ただし、本発明では、下ベル7の開時間について、下ベル7が開くのにかかる時間を除いている。
図4に示すように、下ベル7の開条件(条件(1)〜条件(3))を変更すると、鉱石2の動的堆積挙動である鉱石堆積傾斜角θOII[°] が異なることがわかる。
条件(1)、条件(2)では、時間経過と共に鉱石堆積傾斜角θOII[°]は増大することとなるが、鉱石2の装入末期において層崩れが生じてしまい、鉱石堆積傾斜角θOII[°]が低下して堆積が完了することになってしまう。このような鉱石2の装入末期における鉱石堆積傾斜角θOII[°]の低下量については、下ベル7の開条件によって異なってくる。
一方で、条件(3)では、鉱石2の装入末期において、鉱石堆積傾斜角θOII[°]の低下が生じることなく、堆積が完了することとなる。
図5は、下ベル7の開条件(条件(1)〜条件(3))より、鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定するためのデータを示している。
図5に示すグラフのうち、堆積層高さh[m]については、ビデオ観察結果から、0.5s毎に連続的に測定することで得た。下ベル7の開条件、および、堆積層高さh[m]以外の項目(F[kg/s]、Σmi[kg]、Σvi[m3×10-3]、d[m]、θOII[°])については、計算によって求めた値である。
鉱石2の質量流速F[kg/s]については、式(1)を用いて求めた。
F=2π・RH・ρ・g1/2・tan1/2θ・(uB・τ/tanθ-k・Dp)3/2 ・・・(1)
ここで、RH=0.374m、ρ=1910kg/m3、g=9.81m/s2、θ=53°、k=4、Dp=3.4×10-3mとした。
ただし、F:質量流速[kg/s]、RH:下ベル半径[m]、ρ:鉱石嵩密度[kg/m3]、g:重力加速度[m/s2]、θ:下ベル角度[°]、uB:下ベル開速度[m/s]、τ:下ベル開時間[s]、k:補正係数[-]、Dp:原料粒径[m]
上記の式(1)を時間τ[s]で積分すれば、鉱石2の質量m[kg]となる。0.5s毎に鉱石2の質量mの総和を計算すると、Σmi[kg]となる。
更に、求めた鉱石2の質量m[kg]を鉱石嵩密度ρ=1910kg/m3で割れば、鉱石2の体積V[m3]となる。同様に、0.5s毎に鉱石2の体積Vの総和を計算すると、ΣVi[m3]となる。
ここで、ビデオ観察により、堆積層高さh[m]を測定する。
その測定した堆積層高さh[m]と、鉱石2の体積Vの総和ΣVi[m3]を用いて、式(2)より堆積層水平方向距離d[m]を0.5s毎に算出する。
ΣVi[m3]=1/2×装置の奥行きl[mm]×堆積層高さh[m]×堆積層水平方向距離d[m] ・・・(2)
その式(2)より求めた堆積層水平方向距離d[m]、および、ビデオ観察により測定した堆積層高さh[m]を用いて、鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定する。
図6に示すように、本実施形態においては、炉口半径基準で、高炉1の半径に対して、比率0.0を高炉1の炉壁部側とし、比率1.0を高炉1の中心部側としている。なお、0.0〜0.32の間を周辺部とし、0.32〜0.71の間を中間部とし、0.71〜1.0の間を中心部としている。
本実施形態においては、鉱石堆積傾斜角θOII[°]を、0.32〜0.71の間の中間部において求めることとしている。
その鉱石堆積傾斜角θOII[°]の算出方法については、下ベル7の開放により、ベルカップ6から鉱石2が落下して高炉1内に堆積した際に、堆積層水平方向距離dが0.32の位置まで達していない場合、下地である鉱石1バッチ目(OI)の層の角度が、鉱石堆積傾斜角θOII[°]となる。
また、堆積層水平方向距離dが0.32より大きく0.71の位置まで達していない場合、水平距離0.71の点と0.32における高さの点を結んだ直線(鉱石2の傾斜面)と、水平方向の線(水平面)とのなす角度が、鉱石堆積傾斜角θOII[°]となる。
例としては、図6中のt=t1の堆積層の場合、線分AB(鉱石2の傾斜面)と、水平方向の線(水平面)とのなす角度が、鉱石堆積傾斜角θOII[°]となる。また、図6中のt=t2の堆積層の場合、線分CB(鉱石2の傾斜面)と、水平方向の線(水平面)とのなす角度が、鉱石堆積傾斜角θOII[°]となる。
堆積層水平方向距離dが0.71以上の場合、0.32における高さの点と、0.71における高さの点を結んだ直線(鉱石2の傾斜面)と、水平方向の線(水平面)とのなす角度が、鉱石堆積傾斜角θOII[°]となる。
例としては、図6中の線分DE(鉱石2の傾斜面)と、水平方向の線(水平面)とのなす角度が、鉱石堆積傾斜角θOII[°]となる。また、線分FG(鉱石2の傾斜面)と、水平方向の線(水平面)とのなす角度が、鉱石堆積傾斜角θOII[°]となる。
図7は、下ベル7の開条件より、鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定する手順を示したフローチャートである。
図7に示すように、下ベル7の開条件、および、堆積層高さh[m]が分かれば、鉱石層の動的堆積挙動を示す鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定することができる。
図8は、下ベル7の開条件(条件(1)〜条件(3))ごとに、ビデオ観察を基に実測した鉱石堆積傾斜角θOII[°]の時間変化と、本発明の手順に従って推定した鉱石堆積傾斜角θOII[°]の時間変化とを示したグラフである。
図8に示すように、条件(1)〜条件(3)のいずれの条件においても、鉱石堆積傾斜角θOII[°]が増加するタイミングについて、推定値が実測値とほぼ同じ動的挙動となっていることが確認できる。また、条件(1)、条件(2)において、鉱石2の装入末期に鉱石堆積傾斜角θOII[°]が低下する動的挙動についても、推定値は実測値と同じ動的挙動が再現できていることが確認できる。
ところで、(参考文献:西尾浩明、有山達郎「鉄と鋼」,第66巻(1980),13号,p.98「高炉の装入物分布に及ぼすガス流の影響」)については、高炉1のガス流速と装入物の堆積傾斜角の関係を整理したものである。この文献によれば、2次元スライス冷間模型を用いた実験結果を、実機の高炉1に適用することができることが明らかとされている。
したがって、本実施例の実験条件で実施した2次元スライス冷間模型(実験装置10)での実験結果を、実機の高炉1に適用可能であると考える。
以上、本発明によれば、鉱石堆積傾斜角θOII[°]の時間変化を、精度よく推定することができる。
最後に、本発明の推定手順をまとめることにする。
下ベル7の開条件を用いて、鉱石堆積傾斜角θOII[°]の動的挙動を推定する方法は、以下の(i)〜(vi)の通りである。
(i) 鉱石最終バッチ(OII)装入時における下ベル7の開条件より、鉱石2の質量流速F[kg/s]を算出する。
(ii) 求めた質量流速F[kg/s]を時間積分することで、落下する鉱石2の積算質量Σmi[kg]を算出する。
(iii) 求めた鉱石2の積算質量Σmi[kg]を鉱石嵩密度ρ[kg/m3]で除することで、落下する鉱石2の積算体積ΣVi[m3]を算出する。
(iv) ここで、高炉1の炉壁部において、落下してきた鉱石2により形成された鉱石層の堆積層高さh[m]を測定する。
(v) 求めた鉱石2の積算体積ΣVi[m3]を用いて、堆積層水平方向距離d[m]を計算する。
(vi) 測定した堆積層高さh[m]と、求めた堆積層水平方向距離d[m]より、所定時間での鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定する(図5、図6、図7参照)。
詳説した本発明の高炉における鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定する方法によれば、下ベル7の開条件から、鉱石堆積傾斜角θOII[°]の動的挙動(時間変化)を精度よく推定することが可能となる。この鉱石堆積傾斜角θOII[°]の推定値は、実測値とほぼ一致する(図8参照)。
すなわち、本発明によれば、ベル・アーマー方式の高炉1において、炉内に原料を装入するに際して、鉱石最終バッチ(OII)の鉱石2を装入しているとき、その鉱石2が炉内に堆積し、時間と共に変化する鉱石堆積傾斜角θOIIの動的挙動を精度よく推定することができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 高炉
2 鉱石
3 コークス
4 原料装入装置
5 羽口
6 ベルカップ
7 下ベル
8 アーマー
9 中心装入シュート
10 実験装置

Claims (1)

  1. ベル・アーマー方式の原料装入装置を用いて、高炉内に原料となる鉱石とコークスを交互に層状に装入する際に、前記高炉内に堆積する鉱石の鉱石堆積傾斜角を推定する方法において、
    前記原料装入装置の下部側に配備されている下ベルから、鉱石最終バッチとなる前記鉱石を装入する際に、
    前記鉱石最終バッチの鉱石を装入するときの下ベルを開放する条件を用いて、前記鉱石の質量流速F[kg/s]を求め、
    求めた前記鉱石の質量流速F[kg/s]を時間積分することで、所定時間までの前記鉱石の積算質量Σmi[kg]を求め、
    求めた前記鉱石の積算質量Σmi[kg]を鉱石嵩密度ρ[kg/m3]で除することで、所定時間までの前記鉱石の積算体積ΣVi[m3]を求め、
    前記高炉の炉壁部に落下した前記鉱石の堆積層高さh[m]を測定し、
    求めた所定時間までの前記鉱石の積算体積ΣVi[m3]と、測定した前記鉱石の堆積層高さh[m]を用いて、前記鉱石の堆積層における水平方向距離d[m]を求め、
    求めた所定時間までの前記鉱石の堆積層における水平方向距離d[m]と、測定した前記鉱石の堆積層高さh[m]を用いて、時間と共に変化する前記鉱石堆積傾斜角θOII[°]を推定する
    ことを特徴とする高炉における鉱石堆積傾斜角の推定方法。
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