JP2006131979A - ベルレス高炉へのコークス装入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉口断面積や微粉炭吹込量が変化した場合においても、炉中心部へのコークス装入効果が確実に得られ、通気性を確保できる高炉へのコークス装入方法を提供する。
【解決手段】コークスと鉱石をそれぞれ2以上に分割して装入するベルレス高炉へのコークス装入方法であって、分割されたコークス最終バッチに装入するコークスを炉中心部に装入し、炉口断面積および微粉炭吹込量に応じて、コークス最終バッチに装入するコークス量を下記式の関係を満足するように調整する。Y=3.1×10-2×S+A。ここで、Sは炉口断面積(m2)、Yはコークス最終バッチに装入するコークス量(t/ch)、Aは微粉炭吹込量により定まる定数。
【選択図】図3

Description

本発明は、高炉操業におけるコークスの装入方法に関し、詳細には、ベルレス高炉の炉口断面積および微粉炭吹込量に応じて、コークス最終バッチにより炉中心部に装入するコークスの量を調整し、炉芯の通気および通液性の確保を図る装入方法に関する。
高炉操業においては、 一般に、炉上部から還元材および熱源としてのコークス、ならびに鉄源としての焼結鉱、 ペレット、塊鉱石など(以下、これらの鉄源を総称して「鉱石」と記す)が交互に装入され、 炉下部においては羽口から熱風が送風されると同時に微粉炭やタールなどが吹き込まれる。
高炉の安定操業を維持するためには、 良好な通気性を確保し、炉内ガス流れの安定化、すなわち、安定した中心ガス流および炉壁ガス流の確保が必要である。炉内の通気性は、主として前記装入物(コークスおよび鉱石)の性状、粒度および装入量により大きく影響を受けるが、それ以外に、炉頂からの装入物の装入方法、つまり、炉内に装入する装入物の分布状況(以下、「装入物分布」とも記す) によっても大きく左右される。
この装入物分布の制御については、従来から、高炉の半径方向におけるコークス層と鉱石層の質量比(以下、「O/C 」とも記す)の制御が最もよく用いられており、 特に安定したガス流れを得るためには、ベルレス高炉またはベル高炉に関係なく、炉中心部におけるO/Cの値を小さくすることが有効である。
炉中心部におけるO/Cの値を小さくするために、コークスの装入を2バッチに分け、第2バッチのコークス(以下「炉中心部装入コークス」とも記す)を炉中心部に装入する方法が実施されている。
例えば、特許文献1には、コークスと鉱石を交互に装入して、炉内にコークス層と鉱石層とを交互に積層形成する高炉の原料装入方法において、各コークス層を形成するのに必要なコークスの大部分を炉内横断全面に装入した後、その残りの一定量のコークスを炉中心部位の層状コークス上へ別装入して、コークス層を形成する高炉の原料装入方法が開示されている。
また、特許文献2には、各チャージにおけるコークスの装入を経時的に少なくとも2系列に分け、当該チャージの総装入コークス量の92〜98.5重量%を前装入の鉱石層を全て覆うように装入し、最後の装入系列では当該チャージの総装入コークス量の8〜1.5重量%を炉中心部へ集中的に装入することにより、炉中心部のO/C比を炉中心部以外の領域のO/C比よりも小さくなるように堆積させるコークス装入方法が開示されている。
特許文献3には、微粉炭吹込みによって炉内に装入するコークス量に対する鉱石量に比(O/C)を大きくして炉内に装入するコークス総装入量を減少させるに当たり、当該チャージのコークスを前装入の鉱石層を全て覆うように装入した後、次チャージの鉱石を装入する前に旋回シュートを介して炉中心部に1チャージ当たり2.5〜3.0tからなる一定量のコークスを集中して装入し中心部鉱石層厚比を0.15以下とし、引き続きその周辺領域全面に次チャージの鉱石を装入するベルレス高炉への原料装入方法が開示されている。
しかしながら、高炉は炉容積に応じて炉口径すなわち炉口断面積も変化し、一般に炉容積が大きくなるにつれて、炉口断面積も拡大する。したがって、特許文献3に開示された方法の場合、炉中心部の鉱石層厚を増加させないようにするためには、炉口断面積の拡大に応じて中心部に装入するコークス量も増加させなければならない。また、微粉炭吹込量が多くなるほど鉱石の装入量が増加するため、炉中心部に装入するコークス量も増加させる必要がある。したがって、炉口断面積や微粉炭吹込量にかかわらず中心部に装入するコークス量を2.5〜3.0t/chとする特許文献3に開示された方法では、種々の炉口断面積または微粉炭吹込量に応じた高炉の装入方法に対応をすることはできない。
さらに、特許文献4には、ベルレス高炉において、コークスの総装入量の15〜20重量%を炉中心部に装入するコークス装入方法が開示されている。しかし、ここで開示された方法は、炉口断面積や微粉炭吹込量の相違によらず、全コークス量の15〜20%のコークスを炉中心部に装入する方法である。したがって、微粉炭吹込量の増加にともない、総コークス量が減少し、鉱石量が増加する条件下においては、中心部におけるO/Cの値が増加することとなり、特許文献4に開示された一定の比率で中心部にコークスを装入する方法を用いても、炉芯部の通気性および通液性の改善は望めない。
そして、特許文献5には、最初にコークスのA(%)を炉中心部に集中的に装入し、次に残余の(100−A)(%)のコークスを高炉半径全体に装入し、次いで鉱石中に別のコークスをB(%)混入した混合物を装入し、かつ、かつ上記A、Bが以下の関係を満足する高炉の原料装入方法が開示されている。
0.286B−0.286<A<0.340B+5.20
特許文献5に開示された方法は、中心部への装入コークス量および鉱石中へのコークス混合量を規定したものであり、この方法においても、炉口断面積および微粉炭吹込量の相違による中心部装入コークス量の調整については配慮されていない。
上述のとおり、高炉の炉口断面積や微粉炭吹込量が種々に変化した場合においても、炉芯部における通気性および通液性を確保するための適正な中心部装入コークス量の調整ができるコークス装入方法については、なお、解決されねばならない問題が残されている。
特開昭62−290809号公報(特許請求の範囲および2頁右上欄〜左下欄) 特公昭64−9373号公報(特許請求の範囲および5欄18〜32行) 特許第3498969号公報(特許請求の範囲および段落[0011]) 特開平3−232912号公報(特許請求の範囲および2頁右上欄) 特開平4−21706号公報(特許請求の範囲および2頁右下欄〜3頁左上欄)
前述したとおり、高炉炉芯部の通気性および通液性を確保するための、従来のコークス装入方法は、高炉炉容積や微粉炭吹込量が変化した場合には、炉中心部におけるO/Cの値を適切に制御することができず、通気性および通液性の確保が保証できなかった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、その課題は、高炉の炉口断面積や微粉炭吹込量が変化した場合においても、炉中心部へのコークス装入の効果が安定的に、かつ確実に得られる高炉へのコークス装入方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決するために、後述する高炉の冷間模型を用いた試験および検討を重ね、ベルレス高炉内に、コークスおよび鉱石を2以上のバッチ(炉内装入後には2以上の層を形成)に分けて装入する装入方法について、下記の(a)〜(c)に示す知見を得て、本発明を完成させた。
(a)コークスの最終バッチを高炉中心部に装入する場合には、炉口直径(したがって、炉口断面積)の増加に応じて、炉中心部に装入するコークス量を増加させることにより、炉中心部におけるO/Cの値の上昇を抑え、O/Cの値を適正値に保つことができる。
(b)また、微粉炭吹込量の増加に応じて、炉中心部に装入するコークス量を増加させることにより、炉中心部におけるO/Cの値の上昇を抑え、O/Cの値を適正値に保つことができる。
(c)炉口断面積をS(m2)、コークス最終バッチに装入するコークス量をY(t/ch)としたとき、適正なコークス量Yは、微粉炭吹込量PCR(kg/pt)に応じて定まる切片を有し、炉口断面積Sに対する勾配が一定の一次関数により表される。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)および(2)に示すベルレス高炉へのコークス装入方法にある。
(1)コークスおよび鉱石をそれぞれ2以上に分割し、前記の分割されたコークス最終バッチに装入するコークスを炉中心部に装入するベルレス高炉へのコークス装入方法であって、炉口断面積および微粉炭吹込量に応じて、コークス最終バッチに装入するコークス量を調整するベルレス高炉へのコークス装入方法。
(2)炉口断面積をS(m2)、コークス最終バッチに装入するコークス量をY(t/ch)としたとき、微粉炭吹込量PCR(kg/pt)に応じて、下記(1)〜(3)式の関係を満足するようにコークス最終バッチに装入するコークス量を調整する前記(1)に記載のベルレス高炉へのコークス装入方法。
100kg/pt≦PCR<150kg/ptのとき、Y=3.1×10-2×S+A・・・・(1)
150kg/pt≦PCR<200kg/ptのとき、Y=3.1×10-2×S+B・・・・(2)
200kg/pt≦PCRのとき、Y=3.1×10-2×S+C・・・・(3)
ただし、上記(1)〜(3)式において、A、BおよびCは、それぞれ、−0.1≦A≦0.7、0.3≦B≦1.1および0.7≦C≦1.5を満たす定数である。なお、chは装入チャージを、また、ptは溶銑1t(トン)を表す。
本発明の方法によれば、ベルレス高炉の操業において、炉口断面積および微粉炭吹込量に応じて、炉中心部に最適量のコークスを装入することができるので、炉中心部におけるO/Cの値を最適値に保つことができ、高炉のガス比またはガス利用率を悪化させることなく、炉芯の通気性および通液性の改善を図り、安定した中心流操業を達成できる。
前記のとおり、本発明は、コークスおよび鉱石をそれぞれ2以上に分割し、前記の分割されたコークス最終バッチに装入するコークスを炉中心部に装入するベルレス高炉へのコークス装入方法であって、炉口断面積および微粉炭吹込量に応じて、コークス最終バッチに装入するコークス量を調整するベルレス高炉へのコークス装入方法である。本発明のベルレス高炉へのコークス装入方法についてさらに詳細に説明する。
(A)炉中心部O/Cにおよぼす炉口断面積および微粉炭吹込量の効果
本発明者は、前記の課題を解決するために、冷間模型試験による検討を重ね、ベルレス高炉内に、コークスおよび鉱石を2以上のバッチに分けて装入する装入方法について、下記の知見を得た。
a)コークスの最終バッチを高炉中心部に装入する場合には、炉口直径(したがって、炉口断面積)の増加に応じて、炉中心部に装入するコークス量を増加させることにより、炉中心部におけるO/Cの値の上昇を抑え、O/Cの値を適正値に保つことができる。
b)また、微粉炭吹込量の増加に応じて、炉中心部に装入するコークス量を増加させることにより、炉中心部におけるO/Cの値の上昇を抑え、O/Cの値を適正値に保つことができる。
ここで、冷間模型試験には、実炉の炉口断面積の大小に応じて再現試験ができるように、炉口直径に相当する長さ8.8〜12.0mの範囲で長辺(横辺)を変更できる高さ5.1m、奥行き1mの平板型模型装置を用い、各種の条件下において、装入および分布調査試験を行った。事前にコークス堆積層(実炉におけるコークス最終バッチ前のバッチに相当)を形成させ、模型装置の上部から分配シュートにより実炉と同じ傾動角で炉中心部にコークスを装入し、引き続いて鉱石を2バッチに分けて装入後、炉中心部のO/Cの値を測定した。
なお、上記のO/Cの値は、装入鉱石量を増加させることにより、また、炉口断面積の調整は、炉口径に相当する平板模型の長辺(横辺)を拡大または縮小することにより行った。
平均O/Cおよび中心部への装入コークス量を一定とした場合における、炉中心部O/Cにおよぼす炉口断面積の影響についての冷間模型試験結果を表1に示した。
Figure 2006131979
また、表2に、炉口断面積および中心部への装入コークス量を一定とした場合における、炉中心部O/Cにおよぼす炉口断面積の影響についての冷間模型試験結果を示した。
Figure 2006131979
表1および表2において、炉中心部O/Cの値は、上記平板型模型装置を構成する透明なアクリル板の側面から装入物分布を写真撮影し、これを画像解析して炉中心部における鉱石とコークスの質量に換算し、(鉱石質量/コークス質量)の値を算出することにより求めた。
また、試験結果は、中心部のO/Cの値に基づいて、以下に述べる方法により評価した。炉中心部のO/Cの値は低いほど通気性および通液性の良好な健全な炉芯部を確保することができる。しかし、O/Cの値が低すぎても、還元ガスであるCOの利用率の低下につながり、ガス比(CO/CO2)の値が悪化(上昇)して、高炉の操業成績である還元材比の上昇を招くため、炉中心部のO/Cの値は、一定値以上であることが望ましい。
上記の炉中心部のO/Cの望ましい範囲を求めるために、実高炉の操業データに基づいて高炉の通気性およびガス比(CO/CO2)の値におよぼす炉中心部のO/Cの影響を調査した。
図1は、高炉中心部のO/Cと高炉通気抵抗指数(KR)との関係を示す図である。同図において、縦軸の高炉通気抵抗指数KRは、下記式により算出される値であり、この数値が低いほど炉内通気性は良好なことを意味する。
KR=(PB−PT)/L/(kμβρ1-β2-β) ・・・(4)
ここで、KRは高炉通気抵抗指数(1/m)、PBおよびPTはそれぞれ送風圧力および炉頂圧力(Pa)、Lは羽口と炉頂間の距離(m)、βおよびkはガス流れの形態などにより定まる定数、μはガスの粘度(Pa・s)、ρはガスの密度(kg/m3)、そしてuは炉内のガス流速(m/s)をそれぞれ表す。
図1の結果から、高炉操業において通気性が良好と判断される範囲、すなわち、高炉通気抵抗指数KRが約11500(1/m)以下であるためには、炉中心部のO/Cの値が0.10以下であることが望ましいことがわかる。
図2は、炉中心部の(O/C)値と高炉のガス比(CO/CO2)との関係を示す図である。同図において、ガス比(CO/CO2)は、炉頂ガス組成中のCO(%)をCO2(%)により除した値であり、この数値が低いほど高炉内におけるガス利用率が良好なことを意味する。
また、炉中心部のO/Cの値は、シャフト部ガスサンプラーにより測定したガス成分組成を用いて算出した値である。
図2の結果から、高炉操業においてガス比の値が良好と判断される範囲、すなわち、ガス比が1.0以下であるためには、炉中心部のO/Cの値が0.06以上であることが望ましいことがわかる。
そこで、図1および図2の結果から、炉中心部O/Cの値が0.05〜0.20の範囲を適正範囲として、表1および表2中の評価欄中に○印により表記し、さらに、中心部O/Cの値が0.06〜0.10の範囲を望ましい範囲として、表1および表2中の評価欄中に◎印により表記した。
表1および表2の結果から、下記の1)および2)の事項が判明した。
1)炉口直径(したがって、炉口断面積)の増加に応じて、炉中心部に装入するコークス量を増加させなければ、炉中心部のO/Cの値は過度に上昇する。
2)微粉炭吹込量の増加に応じて、炉中心部に装入するコークス量を増加させなければ、炉中心部のO/Cの値は過度に上昇する。
これらの事項に基づいて、前記a)およびb)に示した知見を得た。
(B)炉中心部O/Cにおよぼす炉口断面積および微粉炭吹込量の各水準別の効果
本発明者らは、さらに、炉口断面積、微粉炭吹込量の水準を変化させ、各水準別に炉中心部のO/Cの値におよぼす炉口断面積および微粉炭吹込量の影響につき調査した。
炉中心部のO/Cの値を適正範囲または望ましい範囲に制御するための炉口断面積、微粉炭吹込量および炉中心部への装入コークス量の関係を表3に示した。
Figure 2006131979
同表の結果から、炉口断面積の水準別に、また、微粉炭吹込量の水準別に炉中心部への装入コークス量を調整することにより、炉中心部のO/Cを望ましい範囲の0.1以下に維持できることが確認された。
さらに、炉口断面積を同一として、表4には、同一炉口断面積微粉炭吹込量を100kg/ptとした場合について、また、表5には、微粉炭吹込量を150kg/ptとした場合について、そして、表6には、微粉炭吹込量を200kg/ptとした場合について、それぞれ、炉中心部のO/Cの値を適正範囲(0.05〜0.20)および望ましい範囲(0.06〜0.10)に維持するための、炉中心部への装入コークス量を示した。
Figure 2006131979
Figure 2006131979
Figure 2006131979
表3〜6に示した結果に基づいて、炉中心部O/Cを好適範囲に維持するための条件を整理した。
図3は、炉中心部O/Cを望ましい範囲に維持するための炉中心部への装入コークス量と炉口断面積および微粉炭吹込量との関係を示す図である。
炉中心部のO/Cの値を望ましい範囲(0.06〜0.10)に維持するための、炉中心部への装入コークス量Y(t/ch)と炉口断面積S(m2)および微粉炭吹込量PCR(kg/pt)との関係を表す式として、下記(1)〜(3)式を得た。
100kg/pt≦PCR<150kg/ptのとき、Y=3.1×10-2×S+A・・・・(1)
150kg/pt≦PCR<200kg/ptのとき、Y=3.1×10-2×S+B・・・・(2)
200kg/pt≦PCRのとき、Y=3.1×10-2×S+C・・・・(3)
ただし、上記(1)〜(3)式において、A、BおよびCは、それぞれ、−0.1≦A≦0.7、0.3≦B≦1.1および0.7≦C≦1.5を満たす定数である。
上記の(1)〜(3)式を用いることにより、通常のベルレス高炉について炉中心部におけるO/Cの値を望ましい範囲に制御することができる。なお、前記(1)〜(3)式において、微粉炭吹込量に応じて炉中心部装入コークス量の値に範囲が存在しているが、これは、表4〜6の結果から、同一炉口断面積および微粉炭吹込量において、炉中心部のO/Cを望ましい範囲に維持するための中心部装入コークス量の上下限の範囲に0.8t/ch程度の幅があったことによる。
下記に、本発明のコークスおよび鉱石をそれぞれ2バッチ以上に分割して装入するベルレス高炉において、コークス最終バッチのコークスを炉中心部に装入する方法について、さらに説明を加える。
まず、コークス最終バッチ前までの装入において、コークスを炉の横断面全体に装入した後、コークス最終バッチにおいては、高炉の炉口断面積および微粉炭吹込量に応じて、前記(1)〜(3)式により決定される炉中心部に装入するコークス量を炉中心部に装入する。引き続いて、鉱石を所定のバッチに分割して装入することにより、一連のコークスおよび鉱石の装入を完了する。
以降は、上記の装入を繰り返すこととなるが、実操業における高炉ガス比、高炉内通気性(高炉通気抵抗指数)、炉底温度をはじめとする炉体管理状況などに応じて、所望の炉中心部O/Cが得られるように、コークス最終バッチの炉中心部装入コークス量を微調整すればよい。
本発明のコークス装入方法による効果を確認するため、炉内容積が4800m3、炉口直径が10.8m(炉口断面積91.6m2)の高炉において試験操業を行い、操業成績の変化を調査した。試験操業は5日間の連続操業とした。微粉炭吹込量は100kg/ptで一定とし、炉中心部に装入する第2バッチのコークスの量を変化させて試験を行った。この試験操業条件の場合には、本発明における望ましい炉中心部へのコークス装入量は、2.8〜3.5t/chの範囲である。
図4は、炉中心部に装入するコークス第2バッチのコークス量と高炉通気抵抗指数(KR)との関係を示す図である。
同図の結果から、炉中心部に装入するコークス量を増加するにしたがって、高炉通気抵抗指数(KR)が低下し、炉内通気性の改善が確認された。また、炉中心部へのコークス装入量が前述した2.8以上の範囲において特に顕著な改善が見られた。
図5は、炉中心部に装入するコークス第2バッチのコークス量と高炉のガス比(CO/CO2)との関係を示す図である。
同図の結果から、炉中心部に装入するコークス量の増加にともなってガス比は悪化(増加)し、本発明における望ましい範囲の上限である3.5t/ch以下の範囲において、良好なガス比の値が維持できることが確認された。
したがって、炉中心部に装入するコークス量を本発明で規定する前記(1)〜(3)式により望ましい範囲に調整することにより、炉内のガス利用率を高い状態に維持しながら、炉芯部の通液性および通気性の改善を図り、中心ガス流を確保した安定操業を達成できることが確認された。
なお、上記の実施例においては、コークスを2バッチに分割して装入した場合について説明したが、3バッチ以上に分割して装入する場合においても、その最終バッチに対して、本発明で規定する方法により炉中心部への装入コークス量を制御することにより、同様の効果を得ることができる。
本発明の方法によれば、ベルレス高炉の操業において、炉口断面積および微粉炭吹込量に応じて、炉中心部に最適量のコークスを装入することができるので、炉中心部におけるO/Cの値を最適値に保つことができ、高炉のガス比を悪化させることなく炉芯の通気性および通液性の改善を図り、安定した中心流操業を達成できる。したがって、本発明のコークス装入方法は、炉容積および微粉炭吹込量の異なる種々のベルレス高炉において、安定操業のもとに高い操業効率を実現できる操業方法として広く適用することができる。
高炉中心部の(O/C)値と高炉通気抵抗指数(KR)との関係を示す図である。 高炉中心部の(O/C)値と高炉のガス比(CO/CO2)との関係を示す図である。 炉中心部O/Cを好適範囲に維持するための炉中心部への装入コークス量と炉口断面積および微粉炭吹込量との関係を示す図である。 炉中心部に装入するコークス第2バッチのコークス量と高炉通気抵抗指数(KR)との関係を示す図である。 炉中心部に装入するコークス第2バッチのコークス量と高炉のガス比(CO/CO2)との関係を示す図である。

Claims (2)

  1. コークスおよび鉱石をそれぞれ2以上に分割し、前記の分割されたコークス最終バッチに装入するコークスを炉中心部に装入するベルレス高炉へのコークス装入方法であって、炉口断面積および微粉炭吹込量に応じて、コークス最終バッチに装入するコークス量を調整することを特徴とするベルレス高炉へのコークス装入方法。
  2. 炉口断面積をS(m2)、コークス最終バッチに装入するコークス量をY(t/ch)としたとき、微粉炭吹込量PCR(kg/pt)に応じて、下記(1)〜(3)式の関係を満足するようにコークス最終バッチに装入するコークス量を調整することを特徴とする請求項1に記載のベルレス高炉へのコークス装入方法。
    100kg/pt≦PCR<150kg/ptのとき、Y=3.1×10-2×S+A・・・(1)
    150kg/pt≦PCR<200kg/ptのとき、Y=3.1×10-2×S+B・・・(2)
    200kg/pt≦PCRのとき、Y=3.1×10-2×S+C・・・(3)
    ただし、上記(1)〜(3)式において、A、BおよびCは、それぞれ、−0.1≦A≦0.7、0.3≦B≦1.1および0.7≦C≦1.5を満たす定数である。なお、chは装入チャージを、また、ptは溶銑1t(トン)を表す。
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