JP2020038451A - 加工シミュレーション装置及び工作機械 - Google Patents

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隼樹 酒井
Hayaki Sakai
隼樹 酒井
雄二 佐々木
Yuji Sasaki
雄二 佐々木
孝幸 東
Takayuki Azuma
孝幸 東
浩史 渡邉
Hiroshi Watanabe
浩史 渡邉
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【課題】外周面をすくい面とする環状の切れ刃を有する環状工具を用いて切削加工した後の工作物の形状を的確にシミュレートできる加工シミュレーション装置及び工作機械を提供すること。【解決手段】外周面をすくい面とする環状の切れ刃を有する環状工具、工作物、及び、切削加工に関する条件を入力する入力部210と、工具モデルを形成する工具モデル形成部221と、工作物モデルを形成する工作物モデル形成部222と、工具モデル及び工作物モデルを記憶する記憶部230と、工具モデル及び工作物モデルの位置及び姿勢を演算するモデル演算部と、モデル演算部の演算結果に基づいて環状工具が工作物を切削する位置となる切削点を演算することにより、切削加工後の工作物の形状をシミュレートする切削点演算部244とを備える加工シミュレーション装置。【選択図】図4

Description

本発明は、加工シミュレーション装置及び工作機械に関する。
特許文献1には、外周面をすくい面とする環状の切れ刃を有する切削工具(環状工具)を回転させながら、工作物に対する切削加工を行う技術が記載されている。この切削工具を用いた切削加工では、切削工具を回転させながら切削加工を行うことにより、切れ刃に発生する切削熱を外周面全周に分散し、工具寿命の向上を図っている。
特開2016−26894号公報
上記した特許文献1に記載の技術において、切削加工は、工作物に対する切削工具の送り方向に対し、切削工具の軸線を非平行に配置した状態で、切削工具を回転させながら行われる。この場合、加工精度に影響を与えると予測される要因が多く存在し、切削加工における条件の最適化を容易に行うことが困難である。そこで、上記の態様で切削加工を行う際にあたり、任意で設定した条件下で切削加工を行った後の工作物の形状のシミュレーションを行うことにより、条件の最適化を図りたいとの要請がある。
本発明は、外周面をすくい面とする環状の切れ刃を有する環状工具を用いて切削加工した後の工作物の形状を的確にシミュレートできる加工シミュレーション装置及び工作機械を提供することを目的とする。
本発明の加工シミュレーション装置は、外周面をすくい面とする環状の切れ刃を有する環状工具を、送り方向に対して非平行な軸線周りに回転させながら切削加工した工作物の形状をシミュレートする。前記加工シミュレーション装置は、前記環状工具、前記工作物、及び、切削加工に関する条件を入力する入力部と、前記環状工具に関する条件に基づき、前記環状工具の形状を近似した工具モデルを形成する工具モデル形成部と、前記工作物に関する条件に基づき、前記工作物の形状を近似した工作物モデルを形成する工作物モデル形成部と、前記工具モデル及び前記工作物モデルを記憶する記憶部と、前記切削加工に関する条件に基づき、前記工具モデル及び前記工作物モデルの位置及び姿勢を演算するモデル演算部と、前記モデル演算部の演算結果に基づいて前記環状工具が前記工作物を切削する位置となる切削点を演算することにより、切削加工後の前記工作物の形状をシミュレートする切削点演算部とを備える。前記入力部は、前記環状工具による前記工作物の切削加工時に、前記環状工具の回転に伴って前記切れ刃を前記環状工具の送り方向とは異なる方向へ変位させる要因となる変位設定値を入力可能であり、前記モデル演算部は、前記変位設定値に基づき、前記環状工具の回転に伴って変位する前記工具モデルの位置及び姿勢を逐次更新し、前記切削点演算部は、位置及び姿勢が更新された前記工具モデルに用いて、前記切削点を逐次演算する。
また、本発明の工作機械は、上記した本発明の加工シミュレーション装置と、前記環状工具を軸線周りに回転可能に支持する工具主軸と、前記工作物を支持する工作物保持装置と、前記条件を入力可能な操作盤と、前記操作盤に入力された前記条件に基づき、前記環状工具及び前記工作物の位置及び姿勢を制御する制御装置とを備える。
本発明の加工シミュレーション装置及び工作機械によれば、モデル演算部は、入力部に入力した条件に基づいて工具モデル及び工作物モデルの位置及び姿勢を演算し、切削点演算部は、モデル演算部の演算結果に基づいて切削点を演算することにより、切削加工後の工作物の形状をシミュレートする。
また、加工シミュレーション装置において、入力部には、環状工具の回転に伴って切れ刃を環状工具の送り方向とは異なる方向へ変位させる要因となる変位設定値を入力可能であり、モデル演算部は、変位設定値に基づき、環状工具の回転に伴って変位する工具モデルの位置及び姿勢を逐次更新する。そして、切削点演算部は、位置及び姿勢が更新された前記工具モデルを用いて、切削点を逐次演算する。これにより、加工シミュレーション装置は、加工シミュレーションの結果として得られる工作物モデルの形状を、実際に切削加工を行った後の工作物の形状に近づけることができる。
その結果、加工シミュレーション装置は、環状工具を用いた切削加工を行うにあたり、切削加工した後の工作物の形状を的確にシミュレートできる。そして、加工シミュレーション装置を使用する使用者は、加工シミュレーション結果に基づき、実際に切削加工を行う際に設定する条件の最適化を容易に行うことができる。
また、本発明の工作機械によれば、使用者は、加工シミュレーションの結果に基づき、最適と判断した条件を操作盤に入力することができる。よって、工作機械は、工作物に対する加工精度の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態における切削加工方法に用いる切削装置の全体構成を示す平面図である。 図1AのIB−IB線における切削装置の断面図である。 工具保持装置に保持された環状工具及び工作物の拡大図であり、環状工具の切れ刃と工作物とが接触した状態を示す。 制御装置のブロック図である。 加工シミュレーション装置のブロック図である。 入力部210の入力項目が表示装置に表示された状態を示す図である。 工具モデル及び工作物モデルをX軸方向からみた図である。 工具モデル及び工作物モデルをZ軸方向から見た図である。 工作物モデルの軸線方向から見た工作物モデルの断面形状を部分的に示した図である 切削点演算部が行う処理を説明する図である。 図8に示す処理を複数回行った後の工作物モデルの一部を示す図である。 図9に示す状態から、図8に示す処理を更に複数回行った後の工作物モデルの一部を示す図である。 加工シミュレーション装置により実行される加工シミュレーション処理を示すフローチャートである。 表示装置に表示された解析結果の一例であり、工作物モデルの真円度を解析結果として示す。 表示装置に表示された解析結果の一例であり、工作物モデルの真円度を解析結果として示す。 表示装置に表示された解析結果の一例であり、工作物回転速度と真円度との関係を表したグラフを解析結果として示す。
以下、本発明に係る加工シミュレーション装置及び工作機械を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図*を参照して、本発明の一実施形態における工作機械1の構成を説明する。
(1.工作機械1の全体構成)
図1に示すように、工作機械1は、相互に直交する3つの直進軸(X軸、Y軸及びZ軸)と、1つの回転軸(C軸)とを備えた4軸マシニングセンタである。工作機械1は、工作物保持装置10と、工作物送り装置20と、工具保持装置30と、制御装置100と、加工シミュレーション装置200とを主に備える。
工作物保持装置10は、工作物Wを回転可能に保持する。工作物保持装置10は、主軸台11と、心押台12とを備える。主軸台11は、工作物Wの軸線方向一端側(図1A右側)を回転可能に支持する。主軸台11は、ハウジングとしての主軸台本体13と、主軸台本体13に回転可能に支持される回転主軸14と、回転主軸14を回転させるための駆動力を付与する回転主軸モータ15と、を備える。心押台12は、ハウジングとしての心押台本体16と、工作物Wの軸線方向他端側(図1A左側)を回転可能に支持する心押センタ17とを備える。
工作物保持装置10は、工作物Wの軸線AwをX軸方向と平行に向けた状態で、軸線Aw方向両端を回転主軸14と心押センタ17により支持する。そして、工作物Wは、回転主軸モータ15が駆動することにより、軸線Awまわりに回転する。
工作物送り装置20は、工作物WをX軸方向へ送る。工作物送り装置20は、送り台21と、X軸駆動装置22(図3参照)とを備える。なお、図1A及び図1Bでは、X軸駆動装置22の図示が省略されている。送り台21は、ベッド2の上面をX軸方向へ移動可能に設けられる。具体的に、ベッド2の上面には、X軸方向へ延びる一対のX軸ガイドレール23が設けられ、送り台21は、X軸ガイドレール23に案内されながらX軸方向へ移動する。X軸駆動装置22は、ベッド2に対して送り台21をX軸方向(工作物Wの軸線Aw方向)へ送るねじ送り装置である。
送り台21の上面には、主軸台11及び心押台12が設置され、主軸台11及び心押台12に支持された工作物Wは、X軸駆動装置22を駆動し、送り台21をX軸方向へ移動させることにより、工作物Wの軸線Aw方向へ送られる。
工具保持装置30は、後述する環状工具50を回転可能に保持する。工具保持装置30は、コラム31と、Z軸駆動装置32(図3参照)と、サドル33と、Y軸駆動装置34(図3参照)と、工具主軸35と、工具主軸モータ36(図3参照)とを備える。なお、図1A及び図1Bでは、Z軸駆動装置32及びY軸駆動装置34の図示を省略している。
コラム31は、ベッド2の上面をZ軸方向へ移動可能に設けられる。具体的に、ベッド2の上面には、Z軸方向へ延びる一対のZ軸ガイドレール37が設けられ、コラム31は、Z軸ガイドレール37に案内されながらZ軸方向へ移動可能に設置される。Z軸駆動装置32は、ベッド2に対してコラム31をZ軸方向へ送るねじ送り装置である。
サドル33は、コラム31の側面をY軸方向へ移動可能に設けられる。具体的に、コラム31の側面には、Y軸方向(鉛直方向)へ延びる一対のY軸ガイドレール38が設けられ、サドル33は、Y軸ガイドレール38に案内されながらY軸方向へ移動可能に配置される。Y軸駆動装置34は、サドル33をY軸方向へ送るねじ送り装置である。
工具主軸35は、サドル33に対し、Z軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に支持される。工具主軸モータ36は、工具主軸35を回転させるための駆動力を付与するモータであり、サドル33の内部に収容される。工具主軸35の先端には、工作物Wの加工に用いる環状工具50が着脱可能に装着される。環状工具50は、工具保持装置30に回転可能に保持され、コラム31及びサドル33の移動に伴い、ベッド2に対してZ軸方向及びY軸方向(送り方向に直交する方向)へ平行移動する。
ここで、図2を参照しながら、環状工具50について説明する。図2に示すように、環状工具50は、工具本体51と、工具軸部52とを備える。工具本体51は、工作物Wに対する切削を行う部位であり、CBNから構成される。工具本体51は、円錐台状に形成され、工具本体51の外周面53は、すくい面を形成する。また、工具本体51の大径側の端面54は、平坦な逃げ面として形成され、外周面53と端面54とがなす稜線は、連続した円形状、即ち、途中で分断されていない環状の切れ刃55として形成される。工具軸部52は、工具本体51の小径側の端面から延びる円柱状の部位であり、工具主軸35に装着される。環状工具50の軸線Atは、工具主軸35と同軸に設けられ、環状工具50は、工具主軸35の回転に伴って軸線At周りに回転する。
図3に示すように、制御装置100は、工作物回転制御部110と、工具回転制御部120と、送り制御部130と、変位制御部140とを備える。工作物回転制御部110は、回転主軸モータ15の駆動制御を行い、回転主軸14と心押センタ17とにより支持された工作物Wを回転させる。工具回転制御部120は、工具主軸モータ36の駆動制御を行い、工具主軸35に装着された環状工具50を回転させる。送り制御部130は、X軸駆動装置22の駆動制御を行い、送り台21をX軸方向へ移動させることにより、工作物保持装置10に保持された工作物WをX軸方向へ送る。変位制御部140は、Y軸駆動装置34及びZ軸駆動装置32の駆動制御を行い、工具保持装置30に装着された環状工具50をY軸方向及びZ軸方向へ平行移動させる。
なお、工作機械1には、切削加工を行うのに必要な条件を入力可能な操作盤3が設けられている。操作盤3には、環状工具50、工作物W、及び、切削加工に関する条件を入力可能である。そして、制御装置100は、操作盤3に入力された条件に基づき、環状工具50及び工作物Wの位置及び姿勢に関する制御、及び、切削加工に関する制御を行う。
加工シミュレーション装置200は、設定された条件下で切削加工を行った場合に得られる切削加工後の工作物Wの形状をシミュレートする。加工シミュレーション装置200の使用者は、加工シミュレーションを行うのに必要な条件を任意で設定し、設定した条件下で行った加工シミュレーションにより得られたシミュレーション結果に基づき、設定した条件の評価を行うことができる。そして、使用者は、設定する条件を変えながら加工シミュレーションを行い、得られた複数の加工シミュレーション結果を比較検討することにより、実際に切削加工を行う際に設定する条件の最適化を図ることができる。なお、加工シミュレーション装置200の詳細については、後述する。
(2.切削加工方法)
次に、工作機械1を用いた工作物Wの切削加工方法を説明する。図1A及び図1Bに示すように、工具保持装置30は、工作物Wに対する環状工具50の送り方向(X軸方向)に対し、環状工具50の軸線Atを非平行に配置する。そして、工作機械1は、工作物Wを軸線Aw周りに回転させながら、環状工具50を軸線Atまわりに回転させると共に、工作物WをX軸方向へ送る。
このとき、図2に示すように、工作機械1は、工具本体51の端面54と工作物Wとの間に所定の隙間(逃げ角θ)を設けた状態で、切れ刃55を工作物Wに接触させる。これにより、工作物Wが切れ刃55により切削される。
(3.加工シミュレーション装置200)
次に、図4から図13を参照して、加工シミュレーション装置200の詳細について、具体例を挙げながら説明する。図4に示すように、加工シミュレーション装置200は、入力部210と、モデル形成部220と、記憶部230と、演算部240と、解析部250と、出力部260とを主に備える。
(3−1:入力部210)
入力部210には、加工シミュレーション装置200を使用する使用者により、加工シミュレーションに必要となる条件が入力される。なお、加工シミュレーション装置200には、キーボート等の入力装置201が設けられ、使用者は、入力装置201を用いて入力部210に対する条件の入力を行う。また、加工シミュレーション装置200には、LCD等の表示装置202が設けられ、表示装置202には、入力部210に入力可能な条件、及び、入力装置201を介して入力部210に入力された内容が表示される。
入力部210は、環状工具50に関する条件を入力項目として有する工具条件入力部211と、工作物Wに関する条件を入力項目として有する工作物条件入力部212と、切削加工に関する条件を入力項目として有する加工条件入力部213とを主に備える。
例えば、図5に示すように、工具条件入力部211の入力項目には、環状工具50の「工具径」(即ち、切れ刃55の外径)及び「工具逃げ角」の寸法値が含まれる。また、円筒状の工作物Wを加工する場合には、工作物条件入力部212の入力項目として、工作物Wの「外径」、「内径」及び「テーパ角」の寸法値や、「加工部位」(例えば、外周面又は内周面)が含まれる。そして、加工条件入力部213の入力項目には、「工具回転速度」、「工作物回転速度」、「送り速度」、「切込量」、「加工位置」、「工具姿勢」及び「工具振れ」の設定値が含まれる。
(3−2:モデル形成部220)
図4に示すように、モデル形成部220は、工具モデルTmを形成する工具モデル形成部221と、工作物モデルWmを形成する工作物モデル形成部222とを備える。工具モデルTmは、環状工具50の工具本体51の形状を近似したモデルであり、工具条件入力部211に入力された寸法値に基づいて形成される。工作物モデルWmは、工作物Wの形状を近似したモデルであり、工作物条件入力部212に入力された寸法値に基づいて形成される。
図6Aに示すように、X軸方向から見た工具モデルTmは、切れ刃55の形状を近似した円で表される。なお、図6Aに示す工具モデルTmの軸線Atは、Y軸方向から見た場合に、X軸に対して傾斜しており、工具モデルTmの上端は、工具モデルTmの下端よりも工具モデルTmの相対送り方向側(図6A上側)に位置している。その結果、工具モデルTmは、X軸方向から見た形状が楕円形で表される。
また、図6Bに示すように、工作物Wの軸線Aw方向から見た工具モデルTmの断面形状は、端面54(図2参照)の形状を近似した線分で表される。そして、線分で表される工具モデルTmの両端は、切れ刃55の位置を表す。
なお、図6Bには、工具条件入力部211に含まれる入力項目の1つである「工具逃げ角」の寸法値として「0」が入力された場合の工具モデルTmが図示されており、工具モデルTmが直線状で表される。これに対し、「工具逃げ角」の寸法値として「0」が入力された場合に、工具モデルTmは、「工具逃げ角」に入力された設定値に基づき、工具逃げ角を有する端面54の断面形状で表される。
(3−3:記憶部230)
記憶部230は、工具モデル記憶部231と、工作物モデル記憶部232と、条件記憶部233と、演算結果蓄積部234とを備える。工具モデル記憶部231は、工具モデル形成部221が形成した工具モデルTmを記憶する。工作物モデル記憶部232は、工作物モデル形成部222が形成した工作物モデルWmを記憶する。また、工作物モデル記憶部232は、加工シミュレーションの実行中において、切削加工の進行に伴って変化する工作物モデルWmが逐次更新される。
条件記憶部233は、工具条件入力部211、工作物条件入力部212及び加工条件入力部213に条件として入力された寸法値及び設定値を記憶する。演算結果蓄積部234は、加工シミュレーションが終了した後、工作物モデル記憶部232に記憶された切削加工後の工作物モデルWmを、加工シミュレーション結果として記憶する。これに加え、演算結果蓄積部234は、条件記憶部233に記憶された寸法値及び設定値を、加工シミュレーション結果と紐づけて記憶する。
(3−4:演算部240)
演算部240は、工具モデル演算部241及び工作物モデル演算部242を有するモデル演算部243と、切削点演算部244とを備える。工具モデル演算部241は、加工条件入力部213に入力された設定値に基づき、切削加工時における工具モデルTmの位置及び姿勢を演算する。
(3−4−1:工具モデル演算部241)
具体的に、工具モデル演算部241は、加工条件入力部213に含まれる入力項目の1つである「加工位置」及び「工具姿勢」の設定値に基づき、切削加工時における工具モデルTmの基準位置を演算する。
ここで、「加工位置」は、工作物Wの軸線Aw方向から見た環状工具50の周方向における基準となる位置であって、工作物Wの軸線Awに対して最も近い位置にある切れ刃55の位置のことである。図6Bに示す工具モデルTmの両端部のうち、工作物Wの軸線Awに近い位置にある端部55mは、環状に設けられた切れ刃55の中で最も工作物Wの軸線Awに対して近い位置にある部位を示しており、この端部55mの基準位置が、「加工位置」の設定値に基づいて設定される。
具体的に、「加工位置」は、X軸に平行な線であって、工作物Wの軸線Awを通る線の線上に端部55mがある状態を基準としたときの端部55mの周方向におけるずれ量を設定値として入力する項目である。
具体的に、「加工位置」に設定値として「0」を入力すると、端部55mは、工作物Wの軸線Awを通るX軸に平行な線の線上に配置される。これに対し、「加工位置」の設定値として正の値を入力すると、端部55mは、設定値が「0」である状態から、工作物Wの軸線Aw周りに時計回り方向へずらした位置に配置される。また、「加工位置」の設定値として負の値を入力すると、端部55mは、設定値が「0」である状態から、工作物Wの軸線Aw周りに反時計回り方向へずらした位置に配置される。
なお、工作物Wの軸線Awと端部55mとの距離は、加工条件入力部213の入力項目の1つである「切込量」の設定値と、工作物条件入力部212に入力された寸法値及び「加工部位」とに基づいて決定される。
また、「工具姿勢」は、環状工具50の軸線Atの向きのことである。具体的に、「B軸」は、Y軸方向(図6Aに示す左側から右側)から見たときのX軸に対する環状工具50の軸線Atの傾き量を入力する項目である。例えば、「B軸」の入力項目に対し、設定値として正の値を入力すると、環状工具50の軸線Atは、Y軸方向から見て時計回り方向に傾く。一方、「B軸」の設定値として負の値を入力すると、環状工具50の軸線Atは、Y軸方向から見て反時計回り方向に傾く。なお、図6A及び図6Bに示す例では、「B軸」の設定値として負の値が入力されている。
また、「工具姿勢」の「C軸」は、Z軸方向(図6Aに示す下側から上側)から見たときのX軸に対する環状工具50の軸線Atの傾きを入力する項目である。例えば、「C軸」の入力項目に対し、設定値として正の値を入力すると、環状工具50の軸線Atは、Z軸方向から見て時計回り方向に傾き、「C軸」の設定値として負の値を入力すると、環状工具50の軸線Atは、Z軸方向から見て反時計回り方向に傾く。なお、図6A及び図6Bに示す例では、「C軸」の入力項目に「0」が入力されている。
また、工具モデル演算部241は、加工条件入力部213に含まれる入力項目の1つである「工具振れ」の設定値に基づき、端部55mの基準位置に対する変位量を演算する。なお、「工具振れ」は、切削加工時に発生すると予測される環状工具50の振れ量のことであり、「工具振れ」の設定値には、環状工具50の振れ量の予測値が入力される。
ここで、工具振れは、環状工具50を軸線At周りに回転させながら行う切削加工において、切れ刃55を環状工具50の送り方向とは異なる方向へ変位させる要因となる。そして、「工具振れ」の発生要因としては、例えば、環状工具50を工具主軸35に装着する際に、工具主軸35の軸線に対して環状工具50の軸線Atが傾いた状態で固定されることが考えられる。つまり、この状態で環状工具50を工具主軸35によって回転させると、切れ刃55による工作物Wの切削位置(以下「切削点Cp」と称す)がX軸方向に振れるため、その振れによる影響が加工後の工作物Wの形状に反映される。
この点に関して、加工条件入力部213には、「工具振れ」の入力項目の1つとして、「アキシャル」が設けられている。この「アキシャル」は、X軸に対する環状工具50の軸線Atの振れ量を入力する項目である。そして、使用者は、「アキシャル」の入力項目に、X軸方向への振れの予測値を設定値として入力する。これにより、工具モデル演算部241は、加工シミュレーションの進行に伴い、「加工位置」の設定値に基づいて決定される基準位置に対して環状工具50の軸線Atに直交する方向へ端部55mを変位させることができる。その結果、加工シミュレーション装置200は、切削加工後の工作物Wの形状をシミュレートするにあたり、工具主軸35に対する環状工具50の装着姿勢に起因する振れの影響を加工シミュレーションの結果に反映させることができる。
また、「工具振れ」の他の発生要因としては、切削加工時において切れ刃55に加わる切削抵抗が考えられる。つまり、切れ刃55に切削抵抗が加わると、環状工具50は、環状工具50の軸線Atに直交する方向へ振れる。これにより、切削点Cpが軸線Atに直交する方向へ振れるため、その振れによる影響が加工後の工作物Wの形状に反映される。
この点に関して、加工条件入力部213には、「工具振れ」の入力項目の1つとして、「ラジアル」が設けられている。この「ラジアル」は、環状工具50の軸線At方向への振れ量を入力する項目である。そして、使用者は、「ラジアル」の入力項目に、環状工具50の軸線At方向への振れ量の予測値を設定値として入力する。これにより、加工シミュレーションの進行に伴い、切削点Cpは、「加工位置」の設定値に基づいて決定される基準位置に対して環状工具50の軸線At方向へ変位する。その結果、加工シミュレーション装置200は、切削加工後の工作物Wの形状をシミュレートするにあたり、切削抵抗に起因する振れの影響を加工シミュレーションの結果に反映させることができる。
ここで、「回転振れ」の入力値について、使用者は、環状工具50を工具主軸35に装着した状態で、環状工具50の回転振れを実際に測定し、その測定結果を「工具振れ」の予測値として入力してもよい。これにより、使用者は、加工シミュレーション装置200による加工シミュレーションの結果として得られる切削加工後の工作物Wの形状を、実際の切削加工後の工作物Wの形状に近づけることができる。
このように、工具モデル演算部241は、加工条件入力部213に入力された「切込量」や「加工位置」、「工具姿勢」の設定値に基づき、工具モデルTmの位置及び姿勢を演算する。さらに、工具モデル演算部241は、加工条件入力部213に入力された「工具回転速度」や「送り速度」、「工具振れ」の設定値に基づき、加工シミュレーションの実行中に逐次変化する工具モデルTmの位置及び姿勢を演算し、更新する。
また、「工具振れ」が入力項目として含まれている。この「工具振れ」に入力される設定値は、環状工具50の回転に伴い、環状工具50の軸線At方向、及び、軸線Atに直交する方向へ変位させる要因となる変位設定値である。そして、工具モデル演算部241は、変位設定値に基づき、工具モデルTmの位置及び姿勢を逐次更新する。よって、加工シミュレーション装置200は、加工シミュレーションの実行中における工具モデルTmの動作を、実際の切削加工時における環状工具50の動作に近づけることができる。
(3−4−2:工作物モデル演算部242)
工作物モデル演算部242は、加工条件入力部213に含まれる入力項目の1つである「工作物回転速度」の設定値に基づき、加工シミュレーションの実行中に逐次変化する工作物モデルWmの姿勢を演算し、更新する。
ここで、図7に示すように、工作物モデルWmは、工作物Wの軸線Awに直交する断面形状が複数の外形点Opで表される。なお、図面を簡略化するため、図7では、一部分を除き、複数の外形点Opで表される工作物Wの断面形状を線で図示している。複数の外形点Opの各々には、それら複数の外形点Opのうちの1つを基準外形点Oprとする角度情報が紐付けされる。
工作物モデル演算部242は、加工シミュレーションの実行中において、加工条件入力部213に入力された「工作物回転速度」の設定値に基づき、各々の外形点Opを工作物モデルWmの軸線Aw周りに回転移動させる移動量を決定する。また、複数の外形点Opの各々は、工作物モデルWmの軸線Awと半径線Lで結ばれている。なお、図7では、図面を簡略化するため、半径線Lの一部のみを図示している。
(3−4−3:切削点演算部244)
図8に示すように、切削点演算部244は、モデル演算部243が演算した工具モデルTm及び工作物モデルWmの位置及び姿勢に基づき、切削点Cpの位置を演算する。具体的に、切削点演算部244は、工具モデルTmの端部55mが一の半径線Lの線上に配置されたときの端部55mの位置を切削点Cpとする。そして、切削点演算部244は、当該一の半径線Lの線上にある外形点Opを切削点Cpに移動させる処理を行う。この処理により移動した外形点Opにより、切削加工後の工作物Wの形状が表される。
図9及び図10に示すように、加工シミュレーションの実行中において工具モデル演算部241は、工具モデルTm及びWmの位置及び姿勢の更新を反復して行い、工作物W及び環状工具50が各々の軸線Aw、At周りに回転した状態をシミュレートする。そして、切削点演算部244は、端部55mが半径線Lの線上に配置される毎に、外形点Opを切削点Cpの位置へ移動させる。このように、演算部240は、外形点Opの移動と、工具モデルTm及びWmの位置及び姿勢の更新とを逐次行い、移動した外形点Opによって工後の工作物Wの形状を徐々に形成していく。
また、加工シミュレーションの実行中において、モデル演算部243は、加工条件入力部213に入力された「送り速度」の設定値に基づき、工具モデルTmを工作物モデルWmに対してZ軸方向へ相対送りする。これに伴い、加工シミュレーション装置200は、工作物モデルWmの軸線Aw方向における位置が異なる複数の工作物モデルWmの断面形状(図6B参照)の各々について、切削加工後の工作物モデルWmの形状をシミュレートする。その結果、加工シミュレーション装置200は、工作物Wの軸線Aw方向全体に亘り、切削加工後の工作物Wの形状をシミュレートすることができる。
そして、加工シミュレーションが終了すると、切削点演算部244は、工作物モデル記憶部232に記憶された最終的な工作物モデルWmの形状に関するデータを、条件記憶部233に記憶された寸法値及び設定値と紐づけ、加工シミュレーション結果として演算結果蓄積部234に記憶する。
(4.加工シミュレーション処理)
次に、図11に示すフローチャートを参照しながら、加工シミュレーション装置200により実行されるシミュレーション処理について説明する。
図11に示すように、工具モデル形成部221は、工具条件入力部211に入力された設定値に基づいて工具モデルTm及び形成し、工作物モデル形成部222は、工作物条件入力部212に入力された設定値に基づいて工作物モデルWmを形成する(S1)。続いて、工具モデル形成部221は、形成した工具モデルTmを工具モデル記憶部231に記憶し、工作物モデル形成部222は、形成した工作物モデルWmを工作物モデル記憶部232に記憶する(S2)。
次に、工具モデル演算部241は、加工条件入力部213に入力された設定値に基づいて工具モデルTmの位置及び姿勢を演算し、工作物モデル演算部242は、加工条件入力部213に入力された設定値に基づいて工作物モデルWmの姿勢を演算する(S3)。そして、切削点演算部244は、演算された工具モデルTm及び工作物モデルWmの位置及び姿勢に基づき、切削点Cpの位置を演算により求める(S4)。そして、切削点演算部244は、求めた切削点Cpが半径線Lの線上にあるか否かを判定する(S5)。
その結果、切削点Cpが半径線Lの線上にあれば(S5:Yes)、切削点演算部244は、切削点Cpと同一の半径線Lの線上にある外形点Opを切削点Cpの位置へ移動させる、工作物モデルWmの形状を更新すると共に、更新した工作物モデルWmを工作物モデル記憶部232に記憶する(S6)。一方、切削点Cpが半径線Lの線上になければ(S5:No)、切削点演算部244は、S6の処理をスキップする。
S5及びS6の処理後、工具モデル演算部241は、加工条件入力部213に入力された設定値に基づいて工具モデルTmの位置及び姿勢を更新し、工作物モデル演算部242は、加工条件入力部213に入力された設定値に基づいて工作物モデルWmの姿勢を更新する(S7)。このS7の処理により、工具モデルTm及び工作物モデルWmは、各々の軸線At、Aw周りに回転移動し、工具モデルTmは、工作物モデルWmに対してX軸方向へ平行移動(相対送り)される。
S7の処理後、切削点演算部244は、加工シミュレーションが終了したか否かを判定する(S8)。例えば、切削点演算部244は、工作物モデルWmに対する相対送りが終了した場合に、加工シミュレーションが終了したと判断する。そして、加工シミュレーションが終了していなければ(S8:No)、切削点演算部244は、S4の処理に戻り、切削点Cpを演算する。一方、切削点演算部244は、加工シミュレーションが終了した場合(S8:Yes)、条件記憶部233及び工作物モデル記憶部232に記憶された内容をシミュレーション結果として演算結果蓄積部234に記憶し(S9)、本処理を終了する。
(5:解析部250及び出力部260)
次に、解析部250及び出力部260について説明する。解析部250は、演算結果蓄積部234に記憶された加工シミュレーション結果を用いて解析を行い、出力部260は、解析部250が解析した内容を表示装置202に出力する。
なお、入力部210には、解析内容入力部214が設けられている。解析部250は、使用者が解析内容入力部214に入力した解析内容に応じた解析を行う。例えば、解析部250による解析内容としては、工作物Wの真円度や表面粗さ等が例示される。また、出力部260は、解析部250による解析結果を表示装置202に表示する際に、使用者が解析内容入力部214に入力した指示に基づいた態様で解析結果を表示する。例えば、1つの加工シミュレーション結果に用いた解析結果の表示態様として、工作物モデルWmの断面形状の表示、加工面の表面粗さの3D表示、振れに起因して加工面に形成される模様の表示等が例示される。これにより、使用者は、実際に切削加工を行う際に設定する条件の最適化を容易に行うことができる。
例えば、図12A及び図12Bには、真円度の解析結果が図示されている。図12Aに示す真円度の解析結果と図12Bに示す真円度の解析結果とは、加工条件入力部213に異なる設定値を入力して行ったシミュレーション結果に基づく。図12Bに示す解析結果は、図12Aに示す解析結果と比べて、真円度が小さい(真円に近い)ことを示す。つまり、図12Bに示す加工シミュレーション結果で用いた設定値で行う切削加工は、図12Aに示す加工シミュレーション結果で用いた設定値で行う切削加工よりも、切削加工後における工作物Wの真円度を小さくできることを示す。
また、演算結果蓄積部234は、複数の加工シミュレーション結果を蓄積することができるので、出力部260は、複数の加工シミュレーション結果を並べて表示することができる。つまり、使用者は、設定値を変えながら複数回の加工シミュレーションを行った場合に、演算結果蓄積部234に蓄積された各々のシミュレーション結果どうしを比較することができる。
例えば、図13には、加工条件入力部213における「工作物回転速度」及び「送り速度」の設定値を変えつつ、「工具回転速度」等の他の設定値を一定にして行った複数のシミュレーション結果を用いた真円度の解析結果を示す。具体的に、図13は、工作物回転速度と真円度との関係を示すグラフが表示装置202に表示された状態を図示している。図13に示すグラフは、「工作物回転速度」の設定値がbである場合に、「工作物回転速度」の設定値がa又はcである場合と比べて、真円度が小さくなることが示されている。また、図13に示すグラフは、「送り速度」の設定値がZである場合に、「送り速度」の設定値がX又はYである場合と比べて、真円度が小さくなる傾向にあることが示す。
このように、使用者は、設定する条件を変えながら加工シミュレーションを行い、得られた複数の加工シミュレーション結果を比較検討することにより、実際に切削加工を行う際に設定する条件の最適化を図ることができる
以上説明したように、加工シミュレーション装置200は、環状工具50、工作物W、及び、切削加工に関する条件を入力する入力部210を備える。そして、入力部210の加工条件入力部213に入力可能な条件には、「工具振れ」が入力項目として含まれている。この「工具振れ」に入力される設定値は、環状工具50の回転に伴い、環状工具50の軸線At方向、及び、軸線Atに直交する方向へ変位させる要因となる変位設定値である。
加工シミュレーション装置200は、工具条件入力部211に入力された環状工具50に関する条件に基づき、環状工具50の形状を近似した工具モデルTmを形成する工具モデル形成部221を備える。また、加工シミュレーション装置200は、工作物条件入力部212に入力された工作物Wに関する条件に基づき、工作物Wの形状を近似した工作物モデルWmを形成する工作物モデル形成部222を備える。さらに、加工シミュレーション装置200は、モデル形成部220が形成した工具モデルTm及び工作物モデルWmを記憶する記憶部230を備える。
加工シミュレーション装置200は、モデル演算部243を備え、モデル演算部243は、加工条件入力部213に入力された切削加工に関する条件に基づき、工具モデルTm及び工作物モデルWmの位置及び姿勢を演算する。また、加工シミュレーション装置200は、切削点演算部244を備え、切削点演算部244は、モデル演算部243の演算結果に基づいて環状工具50が工作物Wを切削する位置となる切削点Cpを演算することにより、切削加工後の工作物Wの形状をシミュレートする。
さらに、モデル演算部243は、変位設定値に基づき、環状工具50の回転に伴って変位する工具モデルTmの位置及び姿勢を逐次更新する。そして、切削点演算部244は、モデル演算部243によって位置及び姿勢が更新された工具モデルTmを用いて、切削点Cpを逐次演算する。これにより、加工シミュレーション装置200は、加工シミュレーションの結果として得られる工作物モデルWmの形状を、実際に切削加工を行った後の工作物Wの形状に近づけることができる。
その結果、加工シミュレーション装置200は、環状工具50を用いた切削加工を行うにあたり、切削加工した後の工作物Wの形状を的確にシミュレートできる。そして、加工シミュレーション装置200を使用する使用者は、加工シミュレーション結果に基づき、実際に切削加工を行う際に設定する条件の最適化を容易に行うことができる。
また、加工条件入力部213には、環状工具50の振れ量として、環状工具50の軸線At方向への振れ量を含む。これにより、加工シミュレーション装置200は、環状工具50の振れの影響を加工シミュレーションの結果に反映させることができる。さらに、加工条件入力部213には、環状工具50の振れ量として、環状工具50の軸線Atに直交する方向への振れ量を含む。これにより、加工シミュレーション装置200は、振れの影響を加工シミュレーションの結果に反映させることができる。
このように、入力部210には、加工条件入力部213に入力可能な変位設定値として、環状工具50の振れ量を含むので、加工シミュレーション装置200は、加工シミュレーションの実行中における工具モデルTmの動作を、実際の切削加工時における環状工具50の動作に近づけることができる。
また、加工シミュレーション装置200は、切削点演算部244による工作物モデルWmの加工シミュレーション結果を用いて、入力部210に入力した条件で切削加工された工作物Wの形状に関する解析を行う解析部250を備える。これにより、使用者は、実際に切削加工を行う際に設定する条件の最適化を容易に行うことができる。
そして、解析部250は、工作物Wの真円度に関する解析を行う。よって、使用者は、工作物Wの真円度の向上を図る場合において、条件の最適化を容易に行うことができる。同様に、解析部250は、工作物Wの表面粗さに関する解析を行う。よって、使用者は、工作物Wの表面粗さの向上を図る場合において、条件の最適化を容易に行うことができる。
さらに、使用者は、加工シミュレーションの結果に基づき、最適と判断した条件を操作盤3に入力することができる。よって、工作機械1は、工作物Wに対する加工精度の向上を図ることができる。
(6.その他)
以上、上記実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、工作物Wが円筒状である場合を例に挙げて説明したが、円筒状以外の工作物Wを切削加工する場合であっても、加工シミュレーション装置200を用いた加工シミュレーションを行うことが可能である。つまり、加工シミュレーション装置200は、工作物Wが円柱やカム等の回転体である場合や、工作物Wが非回転体である場合であっても、加工シミュレーションを行うことが可能である。
上記実施形態では、入力部210に入力可能な変位設定値が、環状工具50の振れ量でる場合について説明したが、入力部210には、環状工具50の振れ量以外の変位設定値が入力可能な項目として含まれていてもよい。例えば、工具条件入力部211は、切れ刃55の欠損に関する設定値が、入力可能な変位設定値として含んでいてもよい。この場合、加工シミュレーション装置200は、切れ刃55の欠損の影響を、加工シミュレーションの結果に反映させることができる。
1:工作機械、 3:操作盤、 10:工作物保持装置、 35:工具主軸、 50:環状工具、 53:外周面、 55:切れ刃、 100:制御装置、 200:加工シミュレーション装置、 210:入力部、 221:工具モデル形成部、 222:工作物モデル形成部、 230:記憶部、 243:モデル演算部、 244:切削点演算部、 250:解析部、 At:環状工具の軸線、 Aw:工作物の軸線、 Cp:切削点、 Tm:工具モデル、 W:工作物、 Wm:工作物モデル

Claims (9)

  1. 外周面をすくい面とする環状の切れ刃を有する環状工具、送り方向に対して非平行な軸線周りに回転させながら切削加工した工作物の形状をシミュレートする加工シミュレーション装置であって、
    前記環状工具、前記工作物、及び、切削加工に関する条件を入力する入力部と、
    前記環状工具に関する条件に基づき、前記環状工具の形状を近似した工具モデルを形成する工具モデル形成部と、
    前記工作物に関する条件に基づき、前記工作物の形状を近似した工作物モデルを形成する工作物モデル形成部と、
    前記工具モデル及び前記工作物モデルを記憶する記憶部と、
    前記切削加工に関する条件に基づき、前記工具モデル及び前記工作物モデルの位置及び姿勢を演算するモデル演算部と、
    前記モデル演算部の演算結果に基づいて前記環状工具が前記工作物を切削する位置となる切削点を演算することにより、切削加工後の前記工作物の形状をシミュレートする切削点演算部と、
    を備え、
    前記入力部は、前記環状工具による前記工作物の切削加工時に、前記環状工具の回転に伴って前記切れ刃を前記環状工具の送り方向とは異なる方向へ変位させる要因となる変位設定値を入力可能であり、
    前記モデル演算部は、前記変位設定値に基づき、前記環状工具の回転に伴って変位する前記工具モデルの位置及び姿勢を逐次更新し、
    前記切削点演算部は、位置及び姿勢が更新された前記工具モデルを用いて、前記切削点を逐次演算する、加工シミュレーション装置。
  2. 前記変位設定値は、前記環状工具の振れ量を含む、請求項1に記載の加工シミュレーション装置。
  3. 前記変位設定値は、前記環状工具の軸線方向への振れ量を含む、請求項2に記載の加工シミュレーション装置。
  4. 前記変位設定値は、前記環状工具の軸線に直交する方向への振れ量を含む、請求項2又は3に記載の加工シミュレーション装置。
  5. 前記変位設定値は、前記切れ刃に形成された欠損に関する設定値を含む、請求項1−4の何れか一項に記載の加工シミュレーション装置。
  6. 前記加工シミュレーション装置は、前記切削点演算部による前記工作物モデルの加工シミュレーション結果を用いて、前記入力部に入力した前記条件で切削加工された前記工作物の形状に関する解析を行う解析部を備える、請求項1−5の何れか一項に記載の加工シミュレーション装置。
  7. 前記工作物は、回転体であり、
    前記解析部は、前記工作物の真円度に関する解析を行う、請求項6に記載の加工シミュレーション装置。
  8. 前記解析部は、前記工作物の表面粗さに関する解析を行う、請求項6に記載の加工シミュレーション装置。
  9. 請求項1−8の何れか一項に記載の加工シミュレーション装置と、
    前記環状工具を軸線周りに回転可能に支持する工具主軸と、
    前記工作物を保持する工作物保持装置と、
    前記条件を入力可能な操作盤と、
    前記操作盤に入力された前記条件に基づき、前記環状工具及び前記工作物の位置及び姿勢を制御する制御装置と、
    を備える、工作機械。
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