JP2020031582A - 繰返し加熱が可能な餅様食品 - Google Patents

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【課題】従来品より優れたレトルト耐性及び煮込み耐性を発揮すると共に、油調が可能であり、更に、糖類を含む溶液中、酸性溶液中や塩を含む溶液中においても形崩れが生じ難い餅様食品を提供すること。【解決手段】餅粉と植物性蛋白質とを、重量比で、餅粉:植物性蛋白質=71:29〜90:10の割合において配合し、且つ、水分含有量を40〜48重量%の範囲内に調製することにより、餅様食品を構成した。【選択図】なし

Description

本発明は、レトルト加熱、煮込み加熱後常温で硬化せず、繰返し種々の加熱が可能で、且つ無添加の餅様食品に関するものである。
古来より、もち(餅)は日本人に好まれている食品であるが、もち(餅)は、常温で放置したり加熱後に時間が経つと硬化する、煮込んだ際には最終的に溶けて無くなる程、著しく軟化する、等の問題を有することが知られている。即ち、餅は、一度加熱すると柔らかくなり、その後、水分の減少と共に固くなる。固くなった餅を再加熱しても、再び柔らかくなることはない。このため、そのような問題点を解消すべく、従来より、もち米(餅米)やもち粉(餅粉)を主原料とする餅様食品やその製造方法が種々、提案されている。なお、餅様食品とは、餅のような食感を有する食品全般を意味するものである。
例えば、特許文献1(特開2000−93102号公報)には、澱粉質原料に、アルカリ水溶液で溶解または膨張させたカードランを追加することを特徴とするもち類または団子類の製造方法が提案されており、また、特許文献2(特開平10−215801号公報)には、ネイティブジェランガムと餅米を含むことを特徴とする、餅様の粘弾性が持続し、かつ、耐熱性のあるゲルが提案されており、更に、特許文献3(特開平10−62号公報)には、餅米と水と混練した後、圧延されていることを特徴とする餅加工食品が提案されている。これら特許文献1〜特許文献3に開示のもち類等は、全てにおいて指定添加物が使用されている。なお、指定添加物とは、食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣により定められた食品添加物である。
本発明者は、先に、0〜30℃の温度域で硬化せず、且つ加熱耐性を有する餅組成物として、餅粉と小麦蛋白質を3:7〜7:3の配合割合にて含むものを提案している(特許文献4を参照)。
特開2000−93102号公報 特開平10−215801号公報 特開平10−62号公報 特開2002−176942号公報
近年、レトルト食品やチルド食品が多様化している中において、餅様食品の利用がされていないのが現状である。本発明者等は、特許文献4に開示の餅組成物について、更なる研究を進めた。その結果、同文献の餅組成物が満たす120℃×20分間の条件におけるレトルト耐性は、現在求められているレトルト耐性としては不十分であり、また、同文献に開示の餅組成物は風味、食感の点において不十分なものであり、これらの点において、同文献の餅組成物には未だ改善の余地があることが判明した。さらに、同文献に開示の餅組成物は、油を用いた調理法(油調)には不適であり、また、喫食時の加熱条件が狭いものであることも、判明したのである。
かかる状況の下、本発明は完成されるに至ったものであり、その解決すべき課題とするところは、従来品より優れたレトルト耐性及び煮込み耐性を発揮すると共に、油調が可能であり、更には、糖類を含む溶液中において形崩れが生じ難く(以下、耐糖性に優れるという)、酸性溶液中において形崩れが生じ難く(以下、耐酸性に優れているという)、塩類を含む溶液中においても形崩れが生じ難い(以下、耐塩性に優れているという)、餅様食品を提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題を解決するために、餅粉と植物性蛋白質とが、重量比で、餅粉:植物性蛋白質=71:29〜90:10の割合において配合されてなり、且つ、水分含有量が40〜48重量%である餅様食品を、その要旨とするものである。
なお、上記した本発明に従う餅様食品の好ましい態様においては、1)指定添加物を使用せずに、加熱後、冷蔵又は常温下において硬化せず、2)繰返し加熱が可能である。
このように、本発明に従う餅様食品にあっては、餅粉及び植物性蛋白質が、重量比において所定の割合において配合されたものであり、且つ、水分含有量も所定の割合に調製されたものであるところから、従来品より優れたレトルト耐性及び煮込み耐性を発揮すると共に、油調が可能であり、更には、耐糖性、耐酸性及び耐塩性にも優れたものとなっているのである。また、水分含有量を40〜48重量%の範囲内において適宜に調製することにより、本発明に係る食品の用途に応じて食感をコントロールすることが可能である。従って、本発明の餅様食品は、従来は適用することが困難とされていた惣菜レトルト食品、スイーツレトルト食品、及び通常加熱食品の惣菜やスイーツ食品にも、有利に利用可能であり、更には、鍋物素材や串揚げ等の食品素材として幅広く用いることが可能である。
ところで、本発明に従う餅様食品を製造するに際しては、先ず、餅粉及び植物性蛋白質が準備されることとなるが、本発明において用いられる餅粉としては、餅米を製粉したものであれば、餅米の産地や種類、精製度等にかかわらず、如何なるものであっても使用することが出来る。
また、本発明において用いられる植物性蛋白質にあっても、小麦や大豆等の植物を原料として、それらに含まれる蛋白質を抽出したものであれば、特に限定されることなく使用することが可能である。そのような植物性蛋白質の中でも、本発明においては、小麦やデュラムコムギ(小麦の4倍体種)、大麦、ライ麦、もち麦や押麦等から抽出される蛋白質が好ましく、より好ましくは、小麦より抽出された小麦蛋白質が用いられる。また、小麦蛋白質を使用する場合、その形態は特に限定されず、湿潤タイプのもの、粉末タイプのもの(活性グルテン)や還元グルテンの何れも使用可能である。本発明において用いられる小麦蛋白質としては、PROMAX FX75(製品名、マニルドラ社製)を例示することが出来る。
そして、本発明に従う餅様食品にあっては、上述した餅粉及び植物性蛋白質が、重量比で餅粉:植物性蛋白質=71:29〜90:10の割合において配合されてなり、且つ、水分含有量が40〜48重量%に調製されて、構成されているところに大きな技術的特徴が存しているのである。
ここで、本発明の餅様食品において、餅粉の配合量が多すぎる場合、換言すると、餅粉及び植物性蛋白質の総量100重量部に対して、餅粉の配合量が90重量部を超える場合、植物性蛋白質の配合量が少なくなることから、得られる餅様食品が十分なレトルト耐性や煮込み耐性等を発揮し得ない恐れがある。その一方、餅粉の配合量が少なすぎる場合、換言すると、餅粉及び植物性蛋白質の総量100重量部に対して、餅粉の配合量が71重量部より少ない場合、植物性蛋白質の配合量が多くなり過ぎて、得られる餅様食品の食感が硬く、餅様の食感に乏しいものとなり、また、植物性蛋白質に由来する蛋白臭が強くなって、餅の代用品として使用し難いものとなる恐れがある。なお、本発明の餅様食品を構成する餅粉及び植物性蛋白質は、原料が天然由来のものであってバラツキがあることから、±2.5重量%以内は許容範囲とすることが出来る。
また、本発明の餅様食品において、水分含有量を40重量%未満とすると、レトルト耐性や煮込み耐性においては優れたものとなるものの、餅様の食感が乏しいものとなる恐れがあり、一方で、48重量%を超える水分含有量とすると、十分なレトルト耐性や煮込み耐性等を発揮し得ない恐れがある。
このように、本発明に従う餅様食品は、餅粉及び植物性蛋白質が、各々、所定の割合にて配合され、且つ、水分含有量も所定の範囲内となるように調製されているところから、従来品と比べて優れたレトルト耐性及び煮込み耐性を発揮すると共に、耐糖性や耐酸性、耐塩性にも優れた餅様食品となっているのである。なお、本明細書において、レトルト耐性に優れている餅様食品とは、レトルト条件での加熱(120℃で30分間の加熱)の後においても、食品として十分な程度の形状を保持する(形崩れが生じない)ことを意味する。また、煮込み耐性に優れている餅様食品とは、沸騰水中に20分間、浸漬せしめた後においても、食品として十分な程度の形状を保持する(形崩れが生じない)ことを意味するものである。
なお、本発明の餅様食品においては、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、各種の添加剤を配合することが可能である。例えば、従来より食品に使用されている補助剤、呈味剤、還元剤や色素等を挙げることが出来る。
本発明に従う餅様食品は、例えば、以下の手順に従って製造することが出来る。先ず、餅粉、植物性蛋白質及び水について、各々を所定量となるように秤量し、その秤量した粉体を混合し、加水しながら混練する。なお、水の量は、最終的に得られる餅様食品における固さに応じて配合される。その後、餅粉等の混合物(混練物)を成形し、食品の用途に応じてレトルト加熱処理、温水加熱処理等の加熱処理を施すことにより、目的とする餅様食品が得られるのである。
ここで、餅粉、植物性蛋白質及び水の混合物(混練物)の加熱処理は、かかる混合物(混練物)中の植物性蛋白質を変性するための重要な工程ではあるが、例えば、レトルト商品(餅様食品のみをレトルトパックしたもの、及び餅様食品を具材として含むぜんざい等の食品をレトルトパックしたものの両者を含む)のように、商品の製造過程に加熱工程が含まれている場合には、必ずしも上記の如き加熱処理は必要ではない。従って、本明細書及び特許請求の範囲における餅様食品とは、餅粉等の混練物に加熱処理を施したものは勿論のこと、餅粉等の混練物そのものをも包含するものである。なお、上記したレトルト商品は、その製造過程において十分な加熱処理が実施されているところから、常温での保存が可能である。
また、上記した、沸騰水中に餅粉等の混合物(混練物)を浸漬せしめることによる加熱処理において、その処理時間(沸騰水中に浸漬せしめる時間)は、混練物の大きさ等によって適宜に決定されるが、一般には、1分〜20分程度の時間が採用される。尚、餅粉等の混練物に対する加熱処理の手法としては、沸騰水中への浸漬のみに限定されるものではなく、餅様食品に対する加熱処理として従来より公知の手法であれば、特に問題なく採用することが出来る。
さらに、本発明において、植物性蛋白質として、例えば凍結状態にあるウェットタイプのものを用いる場合には、餅粉等と混合(混練)する前に、所定温度(10〜15℃程度)に温調しながら撹拌機で撹拌し、その撹拌された植物性蛋白質を、餅粉及び水に混合することが好ましい。
加えて、本発明において、食感向上のために澱粉や糖類を用いる場合、それら澱粉等は、餅粉、植物性蛋白質及び水と共に混合(混練)されるのが一般的であるが、還元剤及び呈味剤を用いる場合には、先ず、植物性蛋白質を撹拌する際に還元剤を添加し、植物性蛋白質の粘度を低下させ、次いで呈味剤を添加して混練し、更にその後、餅粉及び水、必要に応じて澱粉等を添加し、混練が実施されることとなる。
以上、詳述したように、本発明に従う餅様食品にあっては、餅粉及び植物性蛋白質が、重量比において所定の割合において配合されたものであり、且つ、水分含有量も所定の割合に調製されたものであるところから、従来品より優れたレトルト耐性及び煮込み耐性を発揮すると共に、油調が可能であり、更には、優れた耐糖性、耐酸性及び耐塩性をも発揮することとなる。即ち、本発明の餅様食品は、従来品と比較して、より厳しい加熱条件下においても形崩れが発生し難いものとなっているところから、例えば、従来は適用することが困難とされていたぜんざい、汁粉、雑煮、おかゆ等のレトルト食品への利用の他、鍋物素材や、餅ピザ、串揚げ等の材料としても、その適用が期待されるものとなっているのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下に説明する本発明品及び比較品を製造するに際しては、餅粉として吉村穀粉社製の市販品を、小麦蛋白質としてマニルドラ社製の市販品(製品名:PROMAX FX75)を、各々、用いた。
−本発明品1a〜1cの製造−
餅粉の80重量部に、小麦蛋白質の20重量部を混合し、更に66〜93重量部の水を添加して、混練した。その後、得られた混練物を一口大の大きさに成形し、かかる成形体を沸騰水中に3分間、浸漬せしめて、加熱処理を実施することにより、水分含有量が40重量%である餅様食品(本発明品1a)、水分含有量が44重量%である餅様食品(本発明品1b)、及び水分含有量が48重量%である餅様食品(本発明品1c)を製造した。
−本発明品2a〜2cの製造−
餅粉の71重量部に、小麦蛋白質の29重量部を混合し、更に66〜93重量部の水を添加して、混練した。その後は、本発明品1a〜1cの製造と同様の手法に従うことにより、水分含有量が40重量%である餅様食品(本発明品2a)、水分含有量が44重量%である餅様食品(本発明品2b)、及び水分含有量が48重量%である餅様食品(本発明品2c)を製造した。
−本発明品3a〜3cの製造−
餅粉の90重量部に、小麦蛋白質の10重量部を混合し、更に66〜93重量部の水を添加して、混練した。その後は、本発明品1a〜1cの製造と同様の手法に従うことにより、水分含有量が40重量%である餅様食品(本発明品3a)、水分含有量が44重量%である餅様食品(本発明品3b)、及び水分含有量が48重量%である餅様食品(本発明品3c)を製造した。
−比較品1の製造−
餅粉の80重量部に、小麦蛋白質の20重量部を混合し、更に94重量部の水を添加して、混練した。その後は、本発明品1a〜1cの製造と同様の手法に従うことにより、水分含有量が49重量%である餅様食品(比較品1)を製造した。
−比較品2の製造−
餅粉の80重量部に、小麦蛋白質の20重量部を混合し、更に65重量部の水を添加して、混練した。その後は、本発明品1a〜1cの製造と同様の手法に従うことにより、水分含有量が39重量%である餅様食品(比較品2)を製造した。
−比較品3の製造−
餅粉の70重量部に、小麦蛋白質の30重量部を混合し、更に80重量部の水を添加して、混練した。その後は、本発明品1a〜1cの製造と同様の手法に従うことにより、水分含有量が44重量%である餅様食品(比較品3)を製造した。なお、この比較品3における餅粉と小麦蛋白質との配合割合は、特許文献4(特開2002−176942号公報)に開示の範囲内に含まれるものである。
−もち(市販品)の準備、求肥の製造−
本発明品と比較するためのもち(餅)として、市販品の切り餅(商品名:サトウの切り餅、佐藤食品工業株式会社製)を準備した。一方、50gの餅粉と、50gの砂糖と、75gの水とを混ぜ合わせ、600Wの電子レンジ中にて3分間、加熱し、その後に一旦取り出して撹拌し、かかる撹拌後に更に2分間、同電子レンジ内にて加熱し、得られたものを練り上げることにより、求肥を製造した。
以上のようにして製造した本発明品、比較品及び求肥、並びに、準備したもち(市販品)について、以下の実験を行った。
−実験1−
本発明品1b、もち、求肥及び比較品3を試料として用いて、以下の各実験を行った。そして、各実験後の試料について評点した。その結果を、下記表1に示す。
−調理特性試験−
(1)常温硬化性試験:試料を、25℃の環境下に72時間、静置する。
(2)レトルト耐性試験:試料を、120℃で30分間、加熱する。
(3)煮込み耐性試験:試料を、沸騰水中に20分間、浸漬する。
(4)電子レンジ耐性試験:試料を、500Wの電子レンジ中にて1分間、加熱する。
(5)油調耐性試験:試料を、180℃に加熱された食用油中に3分間、浸漬する。
−理化学試験−
(1)耐糖性試験:試料を、糖度(Brix値)が50°である砂糖水溶液中に72時 間、浸漬する。
(2)耐酸性試験:試料を、pH3の酸性水溶液中に72時間、浸漬する。
(3)耐塩性試験:試料を、濃度が3重量%の食塩水溶液中に72時間、浸漬する。
Figure 2020031582
かかる表1の結果からも明らかなように、本発明に従う餅様食品(本発明品1b)にあっては、1)通常のもち(市販品)と比較すると、常温硬化性、レトルト耐性、煮込み耐性、電子レンジ耐性及び油調耐性において非常に優れており、また、耐塩性において優れており、2)餅様の食感を呈する求肥と比較すると、レトルト耐性、煮込み耐性、電子レンジ耐性、油調耐性、耐酸性及び耐塩性において非常に優れており、3)餅粉及び小麦蛋白質が特許文献4に開示の範囲内である比較品3と比較すると、レトルト耐性、電子レンジ耐性及び油調耐性において非常に優れていることが、認められる。このような結果より、本発明に従う餅様食品は、レトルト食品やチルド食品の具材として好適に用いられるものであることが、確認されたのである。
−実験2−
本発明品1bと、比較品1(水分含有量が49重量%であり、本発明の上限値を超えているもの)と、比較品2(水分含有量が39重量%であり、本発明の下限値未満のもの)と、比較品3(水分含有量は本発明の範囲内ではあるが、餅粉と小麦蛋白質の配合割合が本発明の範囲外のもの)とを試料として用いて、上記したレトルト耐性試験(120℃×30分間)を実施した。かかる試験後の各試料の外観、風味、食感及び触指について、10人のパネラーによる官能評価を行い、その評価を纏めたものを、下記表2に示す。
Figure 2020031582
かかる表2からも明らかなように、本発明に従う餅様食品(本発明品1b)は、レトルト耐性試験に供した後においても、外観の保形性及び風味は良好であり、餅らしい食感を有し、指で触れた感触も餅らしいものであることが、認められた。
−実験3−
本発明の餅様食品を、加工食品(以下、商品という)に応用する場合や、最終消費者が喫食する場合等を想定して、本発明品を試料として用いて以下の実験を行い、各実験後の試料(本発明品)を評価した。
(1)商品製造時の加熱
本発明の餅様食品を用いた加工食品(商品)の製造時に、当該加工食品が加熱されることを想定して、レトルト耐性、煮込み耐性及び蒸し耐性を評価した。具体的には、1)本発明品をレトルトパックに封入し、そのレトルトパックを120℃で30分間、加熱し、かかる加熱後にパック内より取り出した本発明品を評価した。その結果を、下記表3における「商品製造時の加熱」欄の「レトルト」欄に示す。また、2)本発明品を沸騰水中に20分間、浸漬し、その後に沸騰水中より取り出した本発明品を評価した。その結果を、下記表3における「商品製造時の加熱」欄の「煮込み」欄に示す。更に、3)本発明品を、蒸し器中にて20分間、加熱し、かかる加熱後に蒸し器より取り出した本発明品を評価した。その結果を、下記表3における「商品製造時の加熱」欄の「蒸し」欄に示す。
(2)餅様食品喫食時の加熱
最終消費者が本発明の餅様食品を購入し、その最終消費者が家庭において調理する際に、餅様食品が加熱される場合を想定して、電子レンジ耐性、煮込み耐性及び油調耐性を評価した。なお、以下の各実験においては、最終消費者への流通を考慮して、冷凍された本発明品を試料として用いた。具体的には、1)試料(冷凍された本発明品)を、500Wの電子レンジ中にて1分間、加熱し、かかる加熱後の試料を評価した。その結果を、下記表3における「餅様食品喫食時の加熱」欄の「電子レンジ」欄に示す。また、2)試料(冷凍された本発明品)を、沸騰水中に20分間、浸漬し、その後に沸騰水中より取り出した試料を評価した。その結果を、下記表3における「餅様食品喫食時の加熱」欄の「煮込み」欄に示す。更に、3)試料(冷凍された本発明品)を、180℃に加熱された食用油中に3分間、浸漬し、その後に油中より取り出した試料を評価した。その結果を、下記表3における「餅様食品喫食時の加熱」欄の「油調」欄に示す。
(3)喫食時の加熱なし
本発明の餅様食品を用いてなるレトルト商品を、加熱することなく喫食する場合を想定して、以下の実験を行った。即ち、本発明品を市販のぜんざいと共にレトルトパック内に封入し、120℃で30分間、レトルト処理(加熱処理)を実施した。かかる処理後のレトルトパックを所定期間、静置し、その後パックを開封して、パック内の本発明品を評価した。その結果を、下記表3における「喫食時の加熱なし」欄に示す。
さらに、上記した各実験結果に基づいて、餅粉と小麦蛋白質との組成や水分含有量に応じて、本発明品の応用が期待される商品(群)についても、下記表3に併せて示す。
Figure 2020031582
かかる表3の結果からも明らかなように、本発明に従う餅様食品にあっては、餅粉と小麦蛋白質との組成及び水分含有量を本発明の範囲内において適宜に変化させることにより、様々な加工食品への応用が期待され、また、最終消費者が多様な調理法において調理可能なものであることが、確認されるのである。

Claims (3)

  1. 餅粉と植物性蛋白質とが、重量比で、餅粉:植物性蛋白質=71:29〜90:10の割合において配合されてなり、且つ、水分含有量が40〜48重量%である餅様食品。
  2. 指定添加物を使用せずに、加熱後、冷蔵又は常温下において硬化しない、請求項1に記載の餅様食品。
  3. 繰返し加熱ができることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の餅様食品。
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