JP2020008061A - ダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
クラッチディスク組立体1は、摩擦係合によりフライホイールからトルクが入力されるクラッチディスク2と、クラッチディスク2から入力されるトルク変動を減衰及び吸収するダンパ機構3(ダンパ装置)と、スプラインハブ4と、を有している。
クラッチディスク2は、図示しないプレッシャプレートによってフライホイールに押し付けられる。クラッチディスク2は、クッショニングプレート6と、クッショニングプレート6の両面にリベット7によって固定される1対の摩擦フェーシング8と、を有している。クッショニングプレート6はダンパ機構3の外周部に固定されている。
ダンパ機構3は、エンジンから伝達されるトルク変動を効果的に減衰及び吸収するために、図3に示すように、正側(駆動側の回転方向)及び負側において4段の捩り特性を有している。具体的には、捩り特性の正側及び負側において、1段目(L1)領域及び2段目(L2)領域は低捩り剛性及び低ヒステリシストルクの領域であり、3段目(H3)領域及び4段目(H4)領域は高捩り剛性及び高ヒステリシストルクの領域である。
高剛性ダンパ12は、図4に示すように、入力側回転部材20(第1回転部材の一例)と、ハブフランジ21と、複数の高剛性スプリング22と、を有している。
入力側回転部材20には、クラッチディスク2を介してエンジンからトルクが入力され、クラッチプレート24(第1プレートの一例)及びリティニングプレート25を有している。
ハブフランジ21は、略円板状の部材であり(図7参照)、スプラインハブ4の外周に配置されている。ハブフランジ21は、クラッチプレート24とリティニングプレート25との軸方向間に配置され、これらの両プレート24,25と所定の角度範囲内で相対回転可能である。図5に示すように、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、互いの内周部及び外周部に形成された複数の歯21c,4cによって噛み合っている。すなわち、ハブフランジ21とスプラインハブ4とが第2回転部材の一例である。なお、互いの歯21c,4cの間には所定の隙間G1が設定されている。すなわち、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは、歯21c,4cの隙間G1の角度分(低捩り角度領域(L1+L2)に相当)だけ相対回転が可能である。
ストッパ機構17は、図5に示すように、ハブフランジ21の外周部に形成された複数のストッパ用切欠21dと、前述のストップピン26と、から構成されている。ストッパ用切欠21dは、所定の角度範囲にわたって形成されており、径方向外方に開いている。そして、このストッパ用切欠21dをストップピン26が軸方向に貫通している。
低剛性ダンパ11は、図6及び図7に示すように、サブプレート34及びスプリングホルダ35と、ドライブプレート36と、複数の低剛性スプリング37と、を有している。
サブプレート34は、クラッチプレート24とハブフランジ21との軸方向間に配置され、ほぼ矩形であって、角部が円弧状に形成されている。サブプレート34は、図7に示すように、中央部に円形の開口を有しており、それぞれ2個の第1保持部34a及び第2保持部34bと、4個の第1係合突起34cと、第1係合突起34cより突起長さが短い4個の第2係合突起34dと、環状溝34eと、を有している。
スプリングホルダ35は、サブプレート34とハブフランジ21との軸方向間で、サブプレート34と間隔をあけて対向して配置されている。スプリングホルダ35はサブプレート34とほぼ同様の形状である。スプリングホルダ35は、中央部に円形の開口を有しており、それぞれ2個の第1保持部35a及び第2保持部35bと、4個のボス部35cと、4個の切欠35dと、を有している。各ボス部35cには切欠35eが形成されている。また、第2保持部35bの円周方向両端には、円周方向に延びる円弧状溝35fが形成されている。
ドライブプレート36は、サブプレート34とスプリングホルダ35との軸方向間に配置され、サブプレート34及びスプリングホルダ35と所定の角度範囲内で相対回転可能である。ドライブプレート36は、中央部に開口を有しており、それぞれ2個の第1窓孔36a及び第2窓孔36bと、ドライブプレート36の内周面に形成された複数の係合凹部36cと、を有している。
スプラインハブ4は、クラッチプレート24及びリティニングプレート25の内周側に配置されている。スプラインハブ4は、図4及び図6に示すように、軸方向に延びる筒状のボス41と、ボス41から径方向外側に延びるフランジ42と、を有している。ボス41の内周部には、トランスミッションの入力シャフト(図示せず)に係合するスプライン孔4aが形成されている。
L−Hヒス発生機構13は、捩り角度領域の全領域(L1+L2+H3+H4)においてヒステリシストルクHを発生する。
Lヒス発生機構14は、1段目領域及び2段目領域である低捩り角度領域の全領域(L1+L2)でのみヒステリシストルクhLを発生する。
L2ヒス発生機構15は、2段目の捩り角度領域(L2)でのみヒステリシストルクhL2を発生する。
Hヒス発生機構16は、3段目領域及び4段目領域である高捩り角度領域(H3+H4)でのみヒステリシストルクhHを発生する。
2段目領域(L2):H+hL+hL2(L2ヒス発生機構15)
3段目領域及び4段目領域(H3+H4):H+hH(Hヒス発生機構16)
以上のヒステリシストルク発生機構13〜16によるヒステリシストルクについて、低捩り角度領域(L1+L2)におけるL−Hヒス発生機構13によるヒステリシストルクHと、Lヒス発生機構14によるヒステリシストルクhLと、の割合は、ヒステリシストルクhLが50%以上であることが望ましい。
本実施形態のクラッチディスク組立体1の捩り特性は、角度範囲の大きさは異なるが基本的に正側と負側とで対称である。したがって、ここでは正側のみの動作を説明し、負側の動作についての説明は省略する。
伝達トルク及びトルク変動が小さい場合は、本装置は捩り特性の1段目(L1)で作動する。この1段目では、剛性の低い第1及び第2低剛性スプリング37a,37bのうち、自由長が長い第1低剛性スプリング37aのみが圧縮される。このため、サブプレート34及びスプリングホルダ35と、ドライブプレート36と、が相対回転する。一方で、第1及び第2高剛性スプリング22a,22bは剛性が高いためにほとんど圧縮されない。したがって、入力側回転部材20(クラッチプレート24及びリティニングプレート25)とハブフランジ21とは一体回転する。
伝達トルク又はトルク変動がより大きくなると、第1低剛性スプリング37aが圧縮されつつ、さらに自由長の短い第2低剛性スプリング37bも圧縮され始める。第1低剛性スプリング37aと第2低剛性スプリング37bとは並列に配置されているので、第2低剛性スプリング37bが圧縮され始めると、第1低剛性スプリング37aのみが圧縮されている場合(1段目)に比較して捩り剛性は高くなる。すなわち、捩り特性の2段目に移行する。
伝達トルク又はトルク変動がさらに大きくなると、第1及び第2低剛性スプリング37a,37bがさらに圧縮され、スプラインハブ4に対して入力側回転部材20がさらに回転する。すると、ハブフランジ21の歯21cとスプラインハブ4の歯4cとが当接し、ハブフランジ21とスプラインハブ4とは一体に回転することになる。この状態では、第1及び第2低剛性スプリング37a,37bは先の状態以上に圧縮されることはなく、高剛性スプリング22のうちの自由長の長い第1高剛性スプリング22aの圧縮が開始される。第1高剛性スプリング22aは第1及び第2低剛性スプリング37a,37bよりも剛性が高いので、2段目よりもさらに高い3段目の捩り剛性が得られる。
伝達トルク又はトルク変動がさらに大きくなると、第1高剛性スプリング22aが圧縮されつつ、さらに自由長の短い第2高剛性スプリング22bも圧縮され始める。第1高剛性スプリング22aと第2高剛性スプリング22bとは並列に配置されているので、第2高剛性スプリング22bが圧縮され始めると、第1高剛性スプリング22aのみが圧縮されている場合(3段目)に比較して捩り剛性は高くなる。すなわち、捩り特性の4段目に移行する。
スプラインハブ4は、クラッチプレート24とリティニングプレート25との軸方向間に配置されている。また、スプラインハブ4とリティニングプレート25との間には第1コーンスプリング54が配置されている。したがって、装置の作動中には、スプラインハブ4は軸方向に移動する。特に、各部の摩耗が大きくなると、スプラインハブ4の軸方向の移動も大きくなる。このような状況では、スプラインハブ4とクラッチプレート24との軸方向間の隙間が大きくなり、第1摩擦ワッシャ51の姿勢が大きく変動するおそれがある。
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
2 クラッチディスク
3 ダンパ機構
4 スプラインハブ
12 高剛性ダンパ
13 全領域(L−H:第2)ヒステリシストルク発生機構
16 高捩り角度領域(H:第1)ヒステリシストルク発生機構
21 ハブフランジ
24,76 クラッチプレート
25 リティニングプレート
34 サブプレート
34c 第1係合突起
51,74,78 第1摩擦ワッシャ
61,70,72 第1摩擦材
61b 緩衝部
70b 第1対向部
70c 第2対向部
Claims (11)
- 駆動源からのトルクをトランスミッション側に伝達するとともに、トルク変動を減衰するダンパ装置であって、
環状の第1プレートを有する第1回転部材と、
前記トランスミッション側の部材に連結可能なハブと、前記ハブから径方向外方に延び前記第1プレートと軸方向に対向するフランジと、を有し、前記第1回転部材と相対回転可能な第2回転部材と、
前記第1回転部材と前記第2回転部材とを回転方向に弾性的に連結する複数の弾性部材と、
前記弾性部材の径方向内方において前記第1プレートと前記フランジとの軸方向間に配置され、前記第1プレートと前記フランジとの相対回転時に第1ヒステリシストルクを発生する第1ヒステリシストルク発生機構と、
前記ハブの外周面に設けられ前記第1プレートの内周面と摩擦接触する環状の第1摩擦部材を有し、前記第1回転部材と前記第2回転部材との相対回転時に第2ヒステリシストルクを発生させる第2ヒステリシストルク発生機構と、
前記第1ヒステリシストルク発生機構に設けられ、前記第1摩擦部材の外周面と所定の隙間をあけて配置された緩衝部材と、
を備えたダンパ装置。 - 前記第1ヒステリシストルク発生機構は、前記第1プレートに摩擦接触する環状の摩擦プレートを有し、
前記緩衝部材は、前記摩擦プレートの内周面に設けられている、
請求項1に記載のダンパ装置。 - 前記緩衝部材は、軸方向に延び前記第1摩擦部材の外周面と対向する第1対向部を有している、請求項1又は2に記載のダンパ装置。
- 前記緩衝部材は、径方向に延び前記第1摩擦部材の側面と対向する第2対向部を有している、請求項3に記載のダンパ装置。
- 前記緩衝部材は、前記第1ヒステリシストルク発生機構を構成する部材よりも高い輻射率を有する、請求項1から3のいずれかに記載のダンパ装置。
- 前記摩擦プレートは、前記フランジに係合する係合部を有し、前記フランジと相対回転不能である、請求項2に記載のダンパ装置。
- 前記緩衝部材は、前記第1摩擦部材より低い弾性を有する、請求項1から6のいずれかに記載のダンパ装置。
- 前記緩衝部材は、前記摩擦プレートよりも大きい摩擦係数を有する、請求項1から7のいずれかに記載のダンパ装置。
- 前記第1摩擦部材の前記第1プレートの内周面に接触する摩擦面は、前記第1回転部材及び第2回転部材の回転軸線に対して傾斜する傾斜面である、請求項1から8のいずれかに記載のダンパ装置。
- 前記第1摩擦部材の前記第1プレートの内周面に接触する摩擦面は、径方向外方に膨らむ球面の一部である、請求項1から8のいずれかに記載のダンパ装置。
- 前記第1回転部材は、前記第2回転部材のフランジを挟んで前記第1プレートと軸方向において対向する第2プレートを有し、
前記第2ヒステリシストルク発生機構は、
前記フランジと前記第2プレートとの軸方向間に配置され、前記フランジの側面に摩擦接触する側面を有する環状の第2摩擦部材と、
前記第2摩擦部材を前記フランジ側に付勢する付勢部材と、
を有する、
請求項2に記載のダンパ装置。
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