JP2020002077A - 第三級アルキルシランの製造方法及び第三級アルキルアルコキシシランの製造方法 - Google Patents

第三級アルキルシランの製造方法及び第三級アルキルアルコキシシランの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機リチウム試薬に比べより安価な第三級アルキルグリニャール試薬を用い、より温和な条件下での高生産効率かつ高収率の第三級アルキルシランの製造方法を提供すること、及びその製造方法によって得た第三級アルキルシランを用い、同一反応容器中で次いだアルコキシ化反応により第三級アルキルアルコキシシランの製造方法を提供すること。
【解決手段】 シラン化合物と、銅塩触媒及びシラン化合物に対し0.3モル当量を越えるアルカリ金属塩の存在下で、第三級アルキルグリニャール試薬とを反応させることを特徴とする第三級アルキルシランの製造方法、及び前記製造方法により得られた第三級アルキルシランと、アルコール、及び/又はアルカリ金属アルコキシドとの反応による、第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、第三級アルキルシランの製造方法及び第三級アルキルアルコキシシランの製造方法に関する。
第三級アルキルシランは、有機合成反応における保護・脱離基用試剤、有機合成用還元剤、シルセスキオキサン等のシロキサン化合物原料、又は化学気相蒸着法(CVD法)による含ケイ素薄膜成膜材料として有用である。中でも、CVD法による含ケイ素薄膜成膜材料やシロキサン化合物原料としては、第三級アルキル基とアルコキシ基をケイ素原子上に併せ持つ第三級アルキルアルコキシシランが特に有用である。
第三級アルキルアルコキシシランの製造は、一般的には、ハロゲン化シランと、第三級アルキル化剤との反応により第三級アルキルハロシラン中間体を製造し、続くアルコキシ化剤との反応により該中間体のケイ素原子上のハロゲン原子をアルコキシ化する方法により行われることが多い。
上記製造において、第三級アルキル化剤として第三級アルキルリチウムを用いる方法が多く報告されているが(例えば、非特許文献1)、第三級アルキルリチウムは高価であり、又、製造時において空気等との接触により発火する等の保安上の問題がある。第三級アルキル化剤として第三級アルキルマグネシウムハライド(以下、第三級アルキルグリニャール試薬と称する)を用いる場合はこれらの問題が解消されるが、第三級アルキルグリニャール試薬単独とハロゲン化シランとの反応では、期待される第三級アルキル化反応が首尾よく生起しない。そこで、第三級アルキルグリニャール試薬を用いた第三級アルキル化反応では、触媒、特に銅塩触媒が用いられる(特許文献2、非特許文献2)。
特許文献2には、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、ジクロロジフェニルシラン等のハロゲン化シランに、シアン化銅等の銅塩触媒存在下で第三級アルキルグリニャール試薬を作用させることによる、第三級アルキルハロシランの製造方法が開示されている。しかし、特許文献2には、テトラハロゲン化シランと第三級アルキルグリニャール試薬との反応による第三級アルキルトリハロシランの合成方法に関する記述はない。
特許文献3には、塩化銅(I)触媒存在下、tert−ブチルマグネシウムクロリドを20℃でテトラクロロシランに反応させ、ガスクロマトグラフィー収率64%でtert−ブチルトリクロロシランを製造する方法が開示されている。この製造方法は、本願発明者の追試するところによると(比較例11参照)、第三級アルキル化反応により副生する大量の塩化マグネシウムの沈殿析出により撹拌が困難となり、製造装置に対する負荷が高い。又、特許文献3には、LiCuClという銅原子に対し2当量のリチウム原子を含む銅塩触媒を別途合成し、これを触媒として用いてtert−ブチルマグネシウムクロリドを20℃でテトラクロロシランに滴下し、ガスクロマトグラフィー収率48%でのtert−ブチルトリクロロシランの製造法が開示されている。しかし、該特許文献では、この銅塩錯体の調製は厳密に脱水された条件下での操作を必要とし、かつ、塩化銅(I)触媒を用いた際のtert−ブチルトリクロロシランの製造実施に比べて収率が低下することが開示されている。又、本願発明者の追試するところによると、この方法は第三級アルキル化反応により副生する大量の塩化マグネシウムの沈殿析出により撹拌が困難となる(比較例9参照)。これらのことから、特許文献3に開示された製造方法を採用し第三級アルキルアルコキシシランを製造するには、中間体である第三級アルキルハロシランの精製が必要であり、これをさらに別容器内でアルコキシ化反応させる二段階の製造工程で製造しなければならない。しかし、中間体である第三級アルキルハロシランの精製には、空気中の湿気により容易に加水分解する第三級アルキルハロシランを、大量の塩化マグネシウムの沈殿を含む混合物から、ろ過等の方法により単離せねばならず、操作が煩雑で収量が低下する懸念があった。また、第三級アルキル化反応により副生する大量のハロゲン化マグネシウムの沈殿析出により撹拌が困難となることから、製造実施濃度を充分に高めることが出来ず、生産効率が低いという問題があった。
特許文献4には、テトラクロロシランとtert−ブチルマグネシウムクロリドとの反応において、塩化銅(I)触媒存在下、低温条件下で反応させることによりtert−ブチルトリクロロシランの高収率合成が達成され、さらにアルコキシ化反応を経たtert−ブチルトリアルコキシシランの製造が開示されている。しかし、−72℃〜−40℃という強冷却温度で製造を実施しているため、実施上の製造量や装置の制約、冷却にかかるコスト等の問題がある。又、特許文献4の実施においては、副生する塩化マグネシウムの沈殿析出による撹拌効率の低下が避けられず、中間体として生ずるtert−ブチルトリクロロシランを含む溶液をろ過して塩化マグネシウムを取り除き、このろ液のアルコキシ化反応によりtert−ブチルトリエトキシシランを製造している。
これらのことから、第三級アルキルアルコキシシランを安全、安価かつ高効率に製造するためには、第三級アルキル化剤として第三級アルキルグリニャール試薬を用い、これとハロゲン化シランとの反応により中間体である第三級アルキルハロシランを製造し、これを単離することなく同一製造容器中での次いだアルコキシ化反応により第三級アルキルアルコキシシランを製造する、同一製造容器中での2段階反応が望まれていた。この際、第三級アルキル化反応は高収率・高選択性であり、かつ製造効率の低下原因になるハロゲン化マグネシウムの沈殿生成を抑制する必要がある。又、その実施温度は強冷却温度でないことが望ましい。しかし、従来の技術にはそのような製造方法はなかった。
特開平7−048387号公報 特開平3−31290号公報 特開平7−157491号公報 特開2016−138086号公報
Tacke Reinholdら、Chemische Berichte,125巻,607頁,1992年. A.Shirahata,Tetrahedron Letters,30巻,6393頁,1989年.
本発明の目的は、安価な第三級アルキルグリニャール試薬及びシラン化合物を原料として用い、より温和な条件下での第三級アルキルシランの製造、及び、続く同一製造容器内でのアルコキシ化反応による第三級アルキルアルコキシシランの製造方法を提供することにある。
これらの問題点を解決すべく鋭意検討した結果、銅塩触媒の存在下に行う第三級アルキルグリニャール試薬とシラン化合物との反応において、シラン化合物1モル当量に対し0.3モル当量を越えるアルカリ金属塩を添加することにより、強冷却が不必要となり、かつアルカリ金属塩非添加時に比べ良好な収率と反応選択性で第三級アルキルシランを製造できること、並びに撹拌効率を低下させる原因となるハロゲン化マグネシウムの沈殿発生が抑制され、次いだアルコキシ化反応が同一製造容器中で実施可能になることを見出し、本発明の完成に至った。すなわち本発明は、
<1>
銅塩触媒存在下、一般式(1)
SiX 4−n (1)
(式中、Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。nは0〜2の整数を表す。Xはハロゲン原子を表す。)で示されるシラン化合物と、一般式(2)
MgX (2)
(式中、Rは炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Xはハロゲン原子を表す。)で示される第三級アルキルグリニャール試薬とを反応させ、一般式(3)
SiX 3−n (3)
(式中、R、A、X、及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される第三級アルキルシランの製造方法において、シラン化合物1モル当量に対して0.3モル当量を越えるアルカリ金属塩の存在下に反応させることを特徴とする第三級アルキルシランの製造方法。
<2>
アルカリ金属塩が、ハロゲン化アルカリ金属である、<1>に記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<3>
アルカリ金属塩が、塩化リチウム、臭化リチウム、及び臭化ナトリウムよりなる群より選ばれる少なくとも一つである、<1>又は<2>に記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<4>
銅塩触媒が、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、及び臭化銅(II)よりなる群より選ばれる少なくとも一つである、<1>〜<3>のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<5>
第三級アルキルグリニャール試薬が、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムクロリド、又は(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムブロミドのいずれかである、<1>〜<4>のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<6>
第三級アルキルシランが、tert−ブチルトリクロロシラン、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、又はトリクロロ(1,1−ジメチルブチル)シランのいずれかである、<1>〜<5>のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<7>
<1>〜<6>のいずれかに記載の製造方法により得られた第三級アルキルシランと、下記一般式(4a)
−OH (4a)
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるアルコール及び/又は下記一般式(4b)
−O−M (4b)
(式中、Rは上記と同じ意味を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるアルカリ金属アルコキシドとの反応による、下記一般式(5)
Si(OR3−n (5)
(式中、Rは炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは0〜2の整数を表す。)で示される第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<8>
アルコールが、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである、<7>に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<9>
アルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムイソプロピルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一つである、<7>に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<10>
第三級アルキルアルコキシシランが、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、又は(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシランのいずれかである、<7>〜<9>のいずれかに記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法
<11>
一般式(5)
Si(OR3−n (5)
(式中、Rは炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは0〜2の整数を表す。)で示される第三級アルキルアルコキシシランの製造方法において、下記一般式(1)
SiX 4−n (1)
(式中、A及びnは上記と同じ意味を表す。Xはハロゲン原子を表す。)で示されるシラン化合物と、銅塩触媒存在下、下記一般式(2)
MgX (2)
(式中、Rは上記と同じ意味を表す。Xはハロゲン原子を表す。)で示される第三級アルキルグリニャール試薬を、シラン化合物1モル当量に対して0.3モル当量を超えるアルカリ金属塩の存在下に反応させ、次いで下記一般式(4a)
−OH (4a)
(式中、Rは上記と同じ意味を表す。)
で示されるアルコール、及び/又は一般式(4b)
−O−M (4b)
(式中、Rは上記と同じ意味を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるアルカリ金属アルコキシドと反応させることを特徴とする、第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<12>
アルコールが、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである、<11>に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<13>
アルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムイソプロピルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一つである、<11>に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<14>
第三級アルキルアルコキシシランが、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、又は(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシランのいずれかである、<11>〜<13>のいずれかに記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
に関する。
本発明の製造方法は、第三級アルキルリチウムに比べ安価かつ安全な第三級アルキルグリニャール試薬を用いた第三級アルキルシラン及び第三級アルキルアルコキシシランの製造方法であり、CVD材料、有機合成用試薬、又はシルセスキオキサンの前駆物質として有用な第三級アルキルシラン及び第三級アルキルアルコキシシランを、従来法と比較して高収率、安価かつ生産性高く製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、一般式(1)、(2)、(3)、(4a)、(4b)、及び(5)において用いられるR、R、A、X、X、及びMの意味について説明する。
で表される炭素数4〜10の第三級アルキル基は、鎖状、単環状又は多環状のいずれであってもよい。具体的には、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基(tert−ペンチル基)、1−メチルシクロブチル基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル基、1,1−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基(テキシル基)、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロブチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−1−イル基、ビシクロ[2.2.0]ヘキサン−1−イル基、3−メチルビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1,2−ジメチルプロピル基、1−ノルボルニル基、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,1−ジエチルブチル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル基、1,1,2,2−テトラメチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−1,2−ジメチルプロピル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル基、5−メチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル基、1,1−ジメチルヘプチル基、1−エチル−1−プロピルブチル基、1,3,3−トリメチルシクロヘキシル基、1−(1−メチルエチル)−1,2,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチル−2,2−ジメチルプロピル基、1,4,4−トリメチルシクロヘキシル基、1−(1−メチルエチル)シクロヘキシル基、1−シクロヘキシル−1−メチルエチル基、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル基、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル基、3−メチル−1−ノルボルニル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ビス(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル基、1−メチル−4−(1−メチルエチル)シクロヘキシル基、1−(1−ノルボルニル)−1−メチルエチル基、デカヒドロナフタレン−4a−イル基、1−(1,1−ジメチルエチル)シクロヘキシル基、3,3−ジメチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル基、1−アダマンチル基等を例示できる。その中でも収率及び原料コストの点でtert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−アダマンチル基が好ましく、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、又は1,1−ジメチルブチル基が特に好ましい。
で表される炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、又はシクロプロピル基等を例示できる。これらの中でも原料コストの点でメチル基、エチル基、又はプロピル基が好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
Aは、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基である。該炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。該炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、シクロプロピル基等を例示できる。これらの中でも原料コストの点で、Aとしては、水素原子、メチル基、又はエチル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
で表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示でき、その中でも収率及び原料コストの点で塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
で表されるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示でき、その中でも収率及び原料コストの点で塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
Mで表されるアルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子又はセシウム原子等を例示できる。収率及び原料コストの点でリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子が好ましく、ナトリウム原子が特に好ましい。
次に本発明の第三級アルキルシラン(3)及び第三級アルキルアルコキシシラン(5)の製造方法について説明する。本発明の製造方法は下記反応式(工程1)又は下記反応式(工程1+工程2)に示す通りである。本発明では、一般式(2)で示される第三級アルキルグリニャール試薬と一般式(1)で示されるシラン化合物との反応によって一般式(3)で示される第三級アルキルシランを製造する工程1と、工程1の後に一般式(4a)で示されるアルコール及び/又は一般式(4b)で表されるアルカリ金属アルコキシドを反応させ、一般式(5)で示される第三級アルキルアルコキシシランを製造する工程2によって実施を行う。
Figure 2020002077
(式中、R、A、X、X及びnは前記と同じ意味を表す。)
Figure 2020002077
(式中、R、R、A、X、X、M及びnは前記と同じ意味を表す。)
工程1では、銅塩触媒及びアルカリ金属塩存在下、第三級アルキルグリニャール試薬(2)とシラン化合物(1)とを反応させることにより、第三級アルキルシラン(3)を得る。
該銅塩触媒としては、フッ化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、フッ化銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)等のハロゲン化銅塩類や、シアン化銅(I)、チオシアン酸銅(I)等の擬ハロゲン化銅塩類、チオフェニル銅(I)等の硫黄配位有機銅塩類、塩素酸銅、過塩素酸銅、硫酸銅、硝酸銅等のオキソ酸銅塩類等を用いることができる。又、該銅塩触媒はこれらのハロゲン化銅塩類、擬ハロゲン化銅塩類、硫黄配位有機銅塩類、オキソ酸銅塩類の銅原子上に、陰イオンと併せて中性配位子が配位した銅塩類であってもよく、このようなものとしては、ヨウ化銅(I)ジメチルスルフィド錯体、臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体等が例示できる。又、該銅塩触媒は銅原子が錯イオンを形成した銅錯体類であってもよい。該銅錯体としては、塩化リチウム銅、塩化カリウム銅、テトラクロロ銅酸テトラアルキルアンモニウム、テトラブロモ銅酸テトラアルキルアンモニウム、硫酸テトラアンミン銅、塩化ビス(エチレンジアミン)銅等を例示できる。これらのうち、銅塩触媒としては、触媒効率及び収率が良い点で、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、シアン化銅(I)、チオシアン酸銅(I)、ヨウ化銅(I)ジメチルスルフィド錯体、臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体が好ましく、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、又は臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体が更に好ましく、塩化銅(I)、臭化銅(I)、又は臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体が殊更好ましい。又、一種類の銅塩触媒を単独で用いても、二種類以上の銅塩触媒を混合して用いてもよい。
該銅塩触媒は、市販品を使用してもよいが、適当な方法により調製して用いてもよい。
該銅塩触媒の使用量は、シラン化合物(1)1モル当量に対して0.001〜0.5モル当量が好ましく、0.01〜0.4モル当量が更に好ましく、0.01〜0.2モル当量が殊更好ましい。
工程1に用いるアルカリ金属塩は、反応溶液に少量可溶でアルカリ金属原子を含んでいればよく、リチウム化合物、ナトリウム化合物、又はカリウム化合物が使用できる。析出するハロゲン化マグネシウムの沈殿抑制の効果が高く、安価で収率が良いという点で、リチウム化合物又はナトリウム化合物が好ましく、リチウム化合物が更に好ましい。又、一種類のアルカリ金属塩を単独で用いてもよく、二種類以上のアルカリ金属塩を混合して用いてもよい。
該リチウム化合物としては、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等のハロゲン化リチウム塩類、硫化リチウム等のカルコゲン化リチウム塩類、シアン化リチウム、チオシアン酸リチウム等の擬ハロゲン化リチウム塩類、塩素酸リチウム、過塩素酸リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、リン酸リチウム、二水素リン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、パラトルエンスルホン酸リチウム等のオキソ酸リチウム塩類、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、サリチル酸リチウム、安息香酸リチウム、酪酸リチウム、ドデシル硫酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム等のカルボン酸リチウム塩類、テトラフェニルホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム等のリチウム錯塩類、リチウムアセチルアセトナト等の有機リチウム塩類が例示できる。これらのリチウム化合物のうち、析出するハロゲン化マグネシウムの沈殿抑制の効果が高く、安価で収率が良いという点で、塩化リチウム、臭化リチウム、又はヨウ化リチウムが好ましく、塩化リチウム又は臭化リチウムが更に好ましい。
該ナトリウム化合物としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム等のハロゲン化ナトリウム塩類、硫化ナトリウム等のカルコゲン化ナトリウム塩類、シアン化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム等の擬ハロゲン化ナトリウム塩類、塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、二水素リン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム等のオキソ酸ナトリウム塩類、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酪酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩類、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム等のナトリウム錯塩類、ナトリウムアセチルアセトナト等の有機ナトリウム塩類が例示できる。これらのナトリウム化合物のうち、析出するハロゲン化マグネシウムの沈殿抑制の効果が高く、安価で収率が良いという点で、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、又はヨウ化ナトリウムが好ましく、塩化ナトリウム又は臭化ナトリウムが更に好ましい。
該カリウム化合物としては、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化カリウム塩類、硫化カリウム等のカルコゲン化カリウム塩類、シアン化カリウム、チオシアン酸カリウム等の擬ハロゲン化カリウム塩類、塩素酸カリウム、過塩素酸カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、リン酸カリウム、二水素リン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸カリウム等のオキソ酸カリウム塩類、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、サリチル酸カリウム、安息香酸カリウム、酪酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、トリフルオロ酢酸カリウム等のカルボン酸カリウム塩類、テトラフェニルホウ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム等のカリウム錯塩類、カリウムアセチルアセトナト等の有機カリウム塩類が例示できる。これらのカリウム化合物のうち、析出するハロゲン化マグネシウムの沈殿抑制の効果が高く、安価で収率が良いという点で、塩化カリウム、臭化カリウム、又はヨウ化カリウムが好ましく、塩化カリウム又は臭化カリウムが更に好ましい。
アルカリ金属塩は、市販品を使用してもよく、当業者が通常用いる汎用的な方法により調製して用いることもできる。
アルカリ金属塩の使用量は、シラン化合物(1)1モル当量に対して0.3モル当量を超える量であり、好ましくは0.31モル当量を超え10モル当量以下であり、より好ましくは0.35モル当量を超え5モル当量以下、特に好ましくは0.4モル当量を超え3モル当量以下である。
工程1に用いる第三級アルキルグリニャール試薬(2)としては、具体的には、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムヨージド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1−メチルシクロブチル)マグネシウムクロリド、(1−メチルシクロブチル)マグネシウムブロミド、(1−メチルシクロブチル)マグネシウムヨージド、(ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムヨージド、(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1,1,2−トリメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1,2−トリメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1,2−トリメチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1−メチルシクロペンチル)マグネシウムクロリド、(1−メチルシクロペンチル)マグネシウムブロミド、(1−メチルシクロペンチル)マグネシウムヨージド、(1−エチルシクロブチル)マグネシウムクロリド、(1−エチルシクロブチル)マグネシウムブロミド、(1−エチルシクロブチル)マグネシウムヨージド、(ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−1−イル)マグネシウムクロリド、(ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−1−イル)マグネシウムブロミド、(ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−1−イル)マグネシウムヨージド、(ビシクロ[2.2.0]ヘキサン−1−イル)マグネシウムクロリド、(ビシクロ[2.2.0]ヘキサン−1−イル)マグネシウムブロミド、(ビシクロ[2.2.0]ヘキサン−1−イル)マグネシウムヨージド、(3−メチルビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(3−メチルビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(3−メチルビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジメチルペンチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルペンチル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルペンチル)マグネシウムヨージド、(1,1,2−トリメチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1,2−トリメチルブチル)マグネシウムブロミド、(1,1,2−トリメチルブチル)マグネシウムヨージド、(1,1,3−トリメチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1,3−トリメチルブチル)マグネシウムブロミド、(1,1,3−トリメチルブチル)マグネシウムヨージド、(1,1,2,2−テトラメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1,2,2−テトラメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1,2,2−テトラメチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1−エチル−1,2−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1−エチル−1,2−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1−エチル−1,2−ジメチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1−ノルボルニル)マグネシウムクロリド、(1−ノルボルニル)マグネシウムブロミド、(1−ノルボルニル)マグネシウムヨージド、(ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(1−メチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1−メチルシクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1−メチルシクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(1−エチルシクロペンチル)マグネシウムクロリド、(1−エチルシクロペンチル)マグネシウムブロミド、(1−エチルシクロペンチル)マグネシウムヨージド、(1,3−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1,3−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1,3−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジメチルヘキシル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルヘキシル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルヘキシル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジエチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジエチルブチル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジエチルブチル)マグネシウムヨージド、(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(1,1,2,2−テトラメチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1,2,2−テトラメチルブチル)マグネシウムブロミド、(1,1,2,2−テトラメチルブチル)マグネシウムヨージド、(1,1,3,3−テトラメチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1,3,3−テトラメチルブチル)マグネシウムブロミド、(1,1,3,3−テトラメチルブチル)マグネシウムヨージド、(1−(1−メチルエチル)−1,2−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1−(1−メチルエチル)−1,2−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1−(1−メチルエチル)−1,2−ジメチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1,4−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1,4−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1,4−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(1,2−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1,2−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1,2−ジメチルシクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(5−メチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(5−メチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(5−メチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジメチルヘプチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルヘプチル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルヘプチル)マグネシウムヨージド、(1−エチル−1−プロピルブチル)マグネシウムクロリド、(1−エチル−1−プロピルブチル)マグネシウムブロミド、(1−エチル−1−プロピルブチル)マグネシウムヨージド、(1,3,3−トリメチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1,3,3−トリメチルシクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1,3,3−トリメチルシクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(1−(1−メチルエチル)−1,2,2−トリメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1−(1−メチルエチル)−1,2,2−トリメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1−(1−メチルエチル)−1,2,2−トリメチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジエチル−2,2−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジエチル−2,2−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジエチル−2,2−ジメチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1,4,4−トリメチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1,4,4−トリメチルシクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1,4,4−トリメチルシクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(1−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(1−シクロヘキシル−1−メチルエチル)マグネシウムクロリド、(1−シクロヘキシル−1−メチルエチル)マグネシウムブロミド、(1−シクロヘキシル−1−メチルエチル)マグネシウムヨージド、(4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(3−メチル−1−ノルボルニル)マグネシウムクロリド、(3−メチル−1−ノルボルニル)マグネシウムブロミド、(3−メチル−1−ノルボルニル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジメチルオクチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルオクチル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルオクチル)マグネシウムヨージド、(1,1−ジプロピルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジプロピルブチル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジプロピルブチル)マグネシウムヨージド、(1,1−ビス(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ビス(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ビス(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル)マグネシウムヨージド、(1−メチル−4−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1−メチル−4−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1−メチル−4−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(1−(1−ノルボルニル)−1−メチルエチル)マグネシウムクロリド、(1−(1−ノルボルニル)−1−メチルエチル)マグネシウムブロミド、(1−(1−ノルボルニル)−1−メチルエチル)マグネシウムヨージド、(デカヒドロナフタレン−4a−イル)マグネシウムクロリド、(デカヒドロナフタレン−4a−イル)マグネシウムブロミド、(デカヒドロナフタレン−4a−イル)マグネシウムヨージド、(1−(1,1−ジメチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムクロリド、(1−(1,1−ジメチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムブロミド、(1−(1,1−ジメチルエチル)シクロヘキシル)マグネシウムヨージド、(2,3−ジメチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムクロリド、(2,3−ジメチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムブロミド、(2,3−ジメチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)マグネシウムヨージド、(1−アダマンチル)マグネシウムクロリド、(1−アダマンチル)マグネシウムブロミド、(1−アダマンチル)マグネシウムヨージド等が例示できる。これらの第三級アルキルグリニャール試薬のうち、収率及び原料アルキルハライドの価格が安い点から、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムブロミド、(1,1,2−トリメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1,2−トリメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジエチルプロピ
ル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1−アダマンチル)マグネシウムブロミドが好ましく、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムブロミドが更に好ましい。
該第三級アルキルグリニャール試薬は、シラン化合物(1)1モル当量に対して0.8〜2.0モル当量の範囲から適宜選ばれたモル当量を用いることが好ましく、1.0〜1.5モル当量が更に好ましい。
該第三級アルキルグリニャール試薬は、市販品のエーテル系溶液を購入して使用することも出来るし、有機ハライドと金属マグネシウムとの反応によって調製したものを使用することも出来る。
工程1に用いるシラン化合物(1)は、具体的には、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリクロロメチルシラン、トリブロモメチルシラン、トリクロロエチルシラン、トリブロモエチルシラン、トリクロロプロピルシラン、トリブロモプロピルシラン、トリクロロイソプロピルシラン、トリブロモイソプロピルシラン、ブチルトリクロロシラン、トリブロモブチルシラン、トリクロロイソブチルシラン、トリブロモイソブチルシラン、sec−ブチルトリクロロシラン、sec−ブチルトリブロモシラン、tert−ブチルトリクロロシラン、tert−ブチルトリブロモシラン、ジクロロシラン、ジブロモシラン、ジクロロメチルシラン、ジブロモメチルシラン、ジクロロエチルシラン、ジブロモエチルシラン、ジクロロプロピルシラン、ジブロモプロピルシラン、ジクロロイソプロピルシラン、ジブロモイソプロピルシラン、ブチルジクロロシラン、ジブロモブチルシラン、ジクロロイソブチルシラン、ジブロモイソブチルシラン、sec−ブチルジクロロシラン、ジブロモ−sec−ブチルシラン、tert−ブチルジクロロシラン、ジブロモ−tert−ブチルシラン、ジクロロジメチルシラン、ジクロロエチルメチルシラン、ジクロロメチルプロピルシラン、ジクロロイソプロピルメチルシラン、ブチルジクロロメチルシラン、ジクロロイソブチルメチルシラン、tert−ブチルジクロロメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、ジクロロエチルプロピルシラン、ジクロロジプロピルシラン、ジクロロジイソプロピルシラン、ジブチルジクロロシラン等が挙げられる。これらのうち、価格及び収率の点から、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、トリクロロメチルシラン、トリクロロエチルシラン、トリクロロプロピルシラン、トリクロロイソプロピルシラン、ブチルトリクロロシラン、トリクロロイソブチルシラン、sec−ブチルトリクロロシラン、tert−ブチルトリクロロシラン、ジクロロシラン、ジクロロメチルシラン、ジクロロエチルシラン、ジクロロプロピルシラン、ジクロロイソプロピルシラン、ブチルジクロロシラン、ジクロロイソブチルシラン、tert−ブチルジクロロシラン、ジクロロジメチルシラン、ジクロロエチルメチルシラン、ジクロロメチルプロピルシラン、ジクロロメチルイソプロピルシラン、ブチルジクロロメチルシラン、ジクロロイソブチルメチルシラン、tert−ブチルジクロロメチルシラン、ジクロロジエチルシランが好ましく、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、トリクロロメチルシラン、tert−ブチルトリクロロシラン、ジクロロメチルシラン、ジクロロイソプロピルシラン、ジクロロイソブチルシラン、tert−ブチルジクロロシラン、ジクロロジメチルシラン、イソブチルジクロロメチルシラン、tert−ブチルジクロロメチルシランが更に好ましい。
工程1は、有機溶媒中において実施することが好ましい。該有機溶媒としては、ハロゲン化マグネシウムの沈殿発生を抑制出来れば特に限定は無く、当業者がグリニャール反応を実施するときの一般的なエーテル系溶媒、又はエーテル系溶媒と非プロトン性有機溶媒を混合して使用することが出来る。該エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等が例示できる。該エーテル系溶媒は、一種類を単独で用いることも、複数種を任意の割合で混合して用いることも出来る。該エーテル系溶媒のうち、ハロゲン化マグネシウムの沈殿発生の抑制効果、第三級アルキルシランの収率、安全性及び操作性の点から、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、CPME等が好ましく、テトラヒドロフランが更に好ましい。エーテル系溶媒と混合する非プロトン性有機溶媒としてはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の第三級アミン類等が挙げられ、その中でもトルエン、トリエチルアミン等が好ましい。非プロトン性有機溶媒の使用割合は体積分率にして0.8以下が好ましく、特に好ましくは体積分率にして0.5以下である。
有機溶媒の使用量は、ハロゲン化マグネシウムの沈殿発生を抑制出来る範囲内で、有機溶媒の種類に応じて適宜決定されるが、反応混合物のシラン化合物(1)の初濃度として0.05〜5mol/Lの範囲から適宜選ばれた濃度になるのが好ましく、0.1〜2.5mol/Lの濃度が更に好ましい。
工程1では、収率及び安全性の点から不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。該不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等が好ましい。
工程1では、使用する有機溶媒の融点〜100℃の範囲から適宜選択した反応温度及び時間において、第三級アルキルシラン(3)を収率良く得ることが出来る。収率、安全性及び操作性の点から、反応温度は、−40〜60℃が好ましく、−20℃〜50℃がより好ましく、0℃〜40℃が更に好ましい。反応時間は、反応の進行を機器分析により確認することによって適宜決定すればよい。
工程1の原料である、シラン化合物(1)、銅塩触媒、アルカリ金属塩、有機溶媒、及び第三級アルキルグリニャール試薬(2)を混合させる順序は特に制限されず、収率が良い点で、シラン化合物(1)、銅塩触媒、アルカリ金属塩及び有機溶媒の混合物に第三級アルキルグリニャール試薬(2)を加える順序、又はシラン化合物(1)、銅塩触媒及び有機溶媒の混合物に第三級アルキルグリニャール試薬(2)とアルカリ金属塩の混合物を加える順序、のいずれかにより実施するのが好ましい。
工程1により製造できる第三級アルキルシラン(3)としては、tert−ブチルトリクロロシラン、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1−メチルシクロブチル)シラン、(ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル)トリクロロシラン、トリクロロ(1,1−ジメチルブチル)シラン、トリクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シラン、トリクロロ(1,1,2−トリメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1−メチルシクロペンチル)シラン、トリクロロ(1−エチルシクロブチル)シラン、(ビシクロ[2.1.1]ヘキサン−1−イル)トリクロロシラン、(ビシクロ[2.2.0]ヘキサン−1−イル)トリクロロシラン、トリクロロ(3−メチルビシクロ[1.1.1]ペンタン−1−イル)シラン、トリクロロ(1,1−ジメチルペンチル)シラン、トリクロロ(1,1,2−トリメチルブチル)シラン、トリクロロ(1,1,3−トリメチルブチル)シラン、トリクロロ(1,1,2,2−テトラメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シラン、トリクロロ(1−エチル−1,2−ジメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1−ノルボルニル)シラン、(ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)トリクロロシラン、トリクロロ(1−メチルシクロヘキシル)シラン、トリクロロ(1−エチルシクロペンチル)シラン、トリクロロ(1,3−ジメチルシクロヘキシル)シラン、トリクロロ(1,1−ジメチルヘキシル)シラン、トリクロロ(1,1−ジエチルブチル)シラン、(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)トリクロロシラン、トリクロロ(1,1,2,2−テトラメチルブチル)シラン、トリクロロ(1,1,3,3−テトラメチルブチル)シラン、トリクロロ(1−(1−メチルエチル)−1,2−ジメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1,4−ジメチルシクロヘキシル)シラン、トリクロロ(1,2−ジメチルシクロヘキシル)シラン、トリクロロ(2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)シラン、トリクロロ(5−メチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン−1−イル)シラン、トリクロロ(1,1−ジメチルヘプチル)シラン、トリクロロ(1−エチル−1−プロピルブチル)シラン、トリクロロ(1,3,3−トリメチルシクロヘキシル)シラン、トリクロロ(1−(1−メチルエチル)−1,2,2−トリメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1,1−ジエチル−2,2−ジメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1,4,4−トリメチルシクロヘキシル)シラン、トリクロロ(1−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)シラン、トリクロロ(1−シクロヘキシル−1−メチルエチル)シラン、トリクロロ(4−メチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)シラン、トリクロロ(7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル)シラン、トリクロロ(3−メチル−1−ノルボルニル)シラン、トリクロロ(1,1−ジメチルオクチル)シラン、トリクロロ(1,1−ジプロピルブチル)シラン、(1,1−ビス(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル)トリクロロシラン、トリクロロ(1−メチル−4−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)シラン、トリクロロ(1−(1−ノルボルニル)−1−メチルエチル)シラン、トリクロロ(デカヒドロナフタレン−4a−イル)シラン、トリクロロ(1−(1,1−ジメチルエチル)シクロヘキシル)シラン、トリクロロ(3,3−ジメチルビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)シラン、(1−アダマンチル)トリクロロシラン、トリブロモ−tert−ブチルシラン、トリブロモ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、tert−ブチルクロロシラン、クロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、ブロモ−tert−ブチルシラン、tert−ブチルジクロロシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、ジクロロ(1,1−ジメチルブチル)シラン、ジクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シラン、ジクロロ(1,1,2−トリメチルプロピル)シラン、ジクロロ(1−メチルシクロペンチル)シラン、ジクロロ(1,1−ジメチルペンチル)シラン、ジクロロ(1,1,2−トリメチルブチル)シラン、ジクロロ(1,1,3−トリメチルブチル)シラン、ジクロロ(1,1,2,2−テトラメチルプロピル)シラン、ジクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シラン、ジクロロ(1−(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル)シラン、ジクロロ(1−ノルボルニル)シラン、ジクロロ(1−メチルシクロヘキシル)シラン、ジクロロ(1,1−ジメチルヘキシル)シラン、(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)ジクロロシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルヘプチル)シラン、ジクロロ(1,1−ジメチルオクチル)シラン、(1−アダマンチル)ジクロロシラン、tert−ブチルジクロロメチルシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジクロロメチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルブチル)メチルシラン、ジクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)メチルシラン、ジクロロメチル(1,1,2−トリメチルプロピル)シラン、ジクロロ(1−メチルシクロペンチル)メチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルペンチル)メチルシラン、ジクロロ(1,1,2−トリメチルブチル)メチルシラン、ジクロロ(1,1,3−トリメチルブチル)メチルシラン、ジクロロ(1,1,2,2−テトラメチルプロピル)メチルシラン、ジクロロ(1,1−ジエチルプロピル)メチルシラン、ジクロロ(1−(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル)メチルシラン、ジクロロ(1−ノルボルニル)メチルシラン、ジクロロ(1−メチルシクロヘキシル)メチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルヘキシル)メチルシラン、(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)ジクロロメチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルヘプチル)メチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルオクチル)メチルシラン、(1−アダマンチル)ジクロロメチルシラン、tert−ブチルジクロロエチルシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジクロロエチルシラン、tert−ブチルジクロロプロピルシラン、tert−ブチルジクロロブチルシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジクロロブチルシラン、等を例示することが出来る。これらのうち、収率及び原料の価格の点から、tert−ブチルトリクロロシラン、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1,1−ジメチルブチル)シラン、トリクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シラン、トリクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シラン、(1−アダマンチル)トリクロロシラン、tert−ブチルトリブロモシラン、tert−ブチルクロロシラン、tert−ブチルジクロロシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、ジクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シラン、ジクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シラン、(1−アダマンチル)ジクロロシラン、tert−ブチルジクロロメチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルプロピル)メチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルブチル)メチルシラン、ジクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)メチルシラン、ジクロロ(1,1−ジエチルプロピル)メチルシラン、(1−アダマンチル)ジクロロメチルシラン、tert−ブチルジクロロエチルシラン、tert−ブチルジクロロプロピルシランが好ましく、tert−ブチルトリクロロシラン、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、トリクロロ(1,1−ジメチルブチル)シラン、tert−ブチルジクロロシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、tert−ブチルジクロロメチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルプロピル)メチルシラン、ジクロロ(1,1−ジメチルブチル)メチルシラン、が更に好ましい。
工程1において、反応終了後、必要に応じてろ過、抽出、濃縮、昇華、蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の方法を単独で、又は適宜組み合わせて実施することにより、第三級アルキルシラン(3)を精製することができる。又、得られた第三級アルキルシラン(3)を精製することなく、そのまま第三級アルキルシラン(3)を含む工程1の粗生成物を、工程2の原料として用いることもできる。工程1では、アルカリ金属塩の添加により、グリニャール反応により副生するハロゲン化マグネシウム固体の沈殿析出が強く抑制されており、かつ第三級アルキルシラン(3)の収率が高く不純物含量が少ないため、工程2を同一反応容器で連続して行うことができる。
次に、工程2による本発明の第三級アルキルアルコキシシラン(5)の製造方法について説明する。
本発明における工程2は、工程1で製造した第三級アルキルシラン(3)を、アルコール(4a)及び/又はアルカリ金属アルコキシド(4b)を用いアルコキシ化することにより、第三級アルキルアルコキシシラン(5)を製造する工程である。
工程2で用いる第三級アルキルシラン(3)は、工程1で製造したものであり、精製されたもの、又は第三級アルキルシラン(3)を含む工程1の粗生成物のいずれでもよい。経済性及び収率の点から、工程1の粗生成物をそのまま用いることが好ましい。
工程2で用いる一般式(4a)で示されるアルコールは、炭素数1〜4の脂肪族アルコールが好ましく、該脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、ブチルアルコール(ブタノール)、イソブチルアルコール(1−メチル−1−プロパノール)、sec−ブチルアルコール(1−メチルプロパノール)、tert−ブチルアルコール(1,1−ジメチルエタノール)等が挙げられる。これらのうち、収率及び価格の点から、メタノール、エタノール、プロピルアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールが更に好ましい。該アルコールは、市販品をそのまま、又は適宜精製して用いることが出来る。
又、工程2で用いる一般式(4b)で示されるアルカリ金属アルコキシドとしては、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムイソプロピルオキシド、リチウムブチルオキシド、リチウム(2−メチル−1−プロピルオキシド)、リチウム(1−メチル−1−プロピルオキシド)、リチウム(1,1−ジメチルエチルオキシド)、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロピルオキシド、ナトリウムブチルオキシド、ナトリウム(2−メチル−1−プロピルオキシド)、ナトリウム(1−メチル−1−プロピルオキシド)、ナトリウム(1,1−ジメチルエチルオキシド)、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロピルオキシド、カリウムブチルオキシド、カリウム(2−メチル−1−プロピルオキシド)、カリウム(1−メチル−1−プロピルオキシド)、カリウム(1,1−ジメチルエチルオキシド)、セシウムメトキシド、セシウムエトキシド、セシウムイソプロピルオキシド、セシウムブチルオキシド、セシウム(2−メチル−1−プロピルオキシド)、セシウム(1−メチル−1−プロピルオキシド)、セシウム(1,1−ジメチルエチルオキシド)等が挙げられる。これらのうち、収率及び価格の点から、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムブチルオキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドが好ましく、より好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシドである。
該アルカリ金属アルコキシドは、市販品をそのまま用いることも出来るし、アルカリ金属とアルコールとの反応等によって調製したものを使用することも出来る。
工程2におけるアルコール(4a)の当量は、第三級アルキルシラン(3)のケイ素原子上のハロゲン原子数1モル当量に対して0.8〜100モル当量が好ましく、より好ましくは0.9〜10モル当量、更に好ましくは1.0〜2.0モル当量である。
又、工程2におけるアルカリ金属アルコキシド(4b)の当量は、第三級アルキルシラン(3)のケイ素原子上のハロゲン原子数1モル当量に対して、0.8〜10モル当量が好ましく、より好ましくは0.9〜2.0モル当量、更に好ましくは1.0〜1.5モル当量である。
工程2は、有機溶媒中で実施することが好ましく、該有機溶媒として、工程1を実施した際のエーテル系溶媒、又はエーテル系溶媒と非プロトン性有機溶媒を混合して使用することが出来る。又、原料として用いるアルコール(4a)を第三級アルキルシラン(3)のケイ素原子上のハロゲン原子数のモル当量以上用いることにより、有機溶媒としてもよい。
又、工程2でアルコール(4a)を用いてアルコキシ化反応を行う場合は、反応を促進するために、塩化水素捕捉剤を同伴させて実施してもよい。該塩化水素捕捉剤としては、金属リチウム、金属ナトリウム等のアルカリ金属、金属マグネシウム、金属カルシウム等のアルカリ土類金属、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、キノリン、アニリン等のアミン化合物が挙げられ、好ましくはトリエチルアミン又はピリジンである。該塩化水素捕捉剤のモル当量は、第三級アルキルシラン(3)のケイ素原子上のハロゲン原子数1モル当量に対して0.8〜100モル当量が好ましく、より好ましくは0.9〜10モル当量、更に好ましくは1.0〜2.0モル当量である。
工程2で、アルコール(4a)とアルカリ金属アルコキシド(4b)の両方を使用する場合には、上記の当量に基づいて各々の使用量を適宜調整すればよい。
工程2は、収率及び安全性の点から不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。該不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノンから選ばれる雰囲気下で実施することが好ましい。
工程2における反応温度は、収率、安全性、及び操作性の点から、−80〜200℃が好ましく、−20℃〜50℃がより好ましく、室温が更に好ましい。反応時間は、反応の進行を機器分析により確認することによって適宜決定すればよい。
工程2により製造可能な第三級アルキルシラン(5)としては、tert−ブチルトリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルペンチル)トリメトキシシラン、(1−ノルボルニル)トリメトキシシラン、(1−アダマンチル)トリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルペンチル)トリエトキシシラン、(1−ノルボルニル)トリエトキシシラン、(1−アダマンチル)トリエトキシシラン、tert−ブチルトリス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)トリス(プロピルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)トリス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)トリス(プロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)トリス(プロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)トリス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルトリス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)トリス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)トリス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)トリス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)トリス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)トリス(イソプロピルオキシ)シラン、tert−ブチルトリス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)トリス(ブチルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)トリス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)トリス(ブチルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)トリス(ブチルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)トリス(ブチルオキシ)シラン、tert−ブチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)ジメトキシシラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)ジメトキシシラン、(1,1−ジメチルペンチル)ジメトキシシラン、(1−ノルボルニル)ジメトキシシラン、(1−アダマンチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)ジエトキシシラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)ジエトキシシラン、(1,1−ジメチルペンチル)ジエトキシシラン、(1−ノルボルニル)ジエトキシシラン、(1−アダマンチル)ジエトキシシラン、tert−ブチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)ビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)ビス(プロピルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)ビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)ビス(プロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)ビス(プロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)ビス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)ビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)ビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)ビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)ビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)ビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)ビス(イソプロピルオキシ)シラン、tert−ブチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)ビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)ビス(ブチルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)ビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)ビス(ブチルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)ビス(ブチルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)ビス(ブチルオキシ)シラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルジメトキシシラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)メチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルペンチル)メチルジメトキシシラン、(1−ノルボルニル)メチルジメトキシシラン、(1−アダマンチル)メチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルジエトキシシラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)メチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルペンチル)メチルジエトキシシラン、(1−ノルボルニル)メチルジエトキシシラン、(1−アダマンチル)メチルジエトキシシラン、tert−ブチルメチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)メチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)メチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)メチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)メチルビス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルメチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)メチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)メチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)メチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)メチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、tert−ブチルメチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)メチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)メチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)メチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)メチルビス(ブチルオキシ)シラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)エチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)エチルジメトキシシラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)エチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルペンチル)エチルジメトキシシラン、(1−ノルボルニル)エチルジメトキシシラン、(1−アダマンチル)エチルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)エチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)エチルジエトキシシラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)エチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルペンチル)エチルジエトキシシラン、(1−ノルボルニル)エチルジエトキシシラン、(1−アダマンチル)エチルジエトキシシラン、tert−ブチルエチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)エチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)エチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)エチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)エチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)エチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)エチルビス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルエチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)エチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)エチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)エチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)エチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)エチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)エチルビス(イソプロピルオキシ)シラン、tert−ブチルエチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)エチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)エチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1−エチル−1−メチルプロピル)エチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルペンチル)エチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)エチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)エチルビス(ブチルオキシ)シラン、等が挙げられる。これらのうち、収率が良く原料価格が安い点で、tert−ブチルトリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、(1−アダマンチル)トリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシラン、(1−アダマンチル)トリエトキシシラン、tert−ブチルトリス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)トリス(プロピルオキシ)シラン、(1−ノルボルニル)トリス(プロピルオキシ)シラン、(1−アダマンチル)トリス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルトリス(イソプロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリス(イソプロピルオキシ)シラン、tert−ブチルトリス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリス(ブチルオキシ)シラン、tert−ブチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)ジメトキシシラン、(1−アダマンチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)ジエトキシシラン、(1−アダマンチル)ジエトキシシラン、tert−ブチルビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)ビス(プロピルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルブチル)ビス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルビス(ブチルオキシ)シラン、(1,1−ジメチルプロピル)ビス(ブチルオキシ)シラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルジエトキシシラン、tert−ブチルメチルビス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)エチルジメトキシシランが好ましく、tert−ブチルトリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、(1−アダマンチル)トリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシラン、(1−アダマンチル)トリエトキシシラン、tert−ブチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)ジメトキシシラン、tert−ブチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)ジエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)ジエトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジエ
トキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルジエトキシシラン、tert−ブチルメチルビス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)エチルジメトキシシランが更に好ましい。
工程2において、反応終了後、目的物を含む反応系から必要に応じてろ過、抽出、濃縮、昇華、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の方法を単独で、又は適宜組み合わせて用いることにより、第三級アルキルアルコキシシラン(5)を精製することができる。
実施例及び比較例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。なお、分析にあたっては下記機器を使用した。
H NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)、13C NMR(炭素13核磁気共鳴スペクトル)及び29Si NMR(ケイ素29核磁気共鳴スペクトル)測定はBruker−Avance社のDPX−400核磁気共鳴分光計を用い、溶媒には重クロロホルムを用いた。IR(赤外吸収)スペクトルは(株)堀場製作所のFT−720分光光度計を用い、SensIRtechnologies社のDuraSamplIRII(反射型)を用いて測定を行った。質量スペクトル及びガスクロマトグラフィー測定は、(株)島津製作所のGCMS−QP2010型ガスクロマトグラフィー型質量分析装置を使用し、キャピラリーカラムにはアジレント・テクノロジー(株)のDB−5MSを使用した。ガスクロマトグラフィー収率計算には、島津製作所のガスクロマトグラフGC−14Aを用い、キャピラリーカラムにはアジレント・テクノロジー(株)のDB−5MSを使用した。磁気撹拌機は矢沢科学KF−82を用いた。
(実施例1〜17,比較例1〜7)
磁気撹拌機を備えた50mLの試験管型シュレンク管をアルゴンガスで置換し、銅塩触媒、アルカリ金属塩、NMR内部標準としての1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン857mg(4.50mmol)、脱水テトラヒドロフラン(THF)9mL(実施例17では脱水ジエチルエーテル9mL)及びテトラクロロシラン1.53g(9.00mmol)を収めた。これを設定反応温度に恒温し、撹拌しながら所定量のtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン1mol/L溶液を40分かけて滴下し、その後反応温度で2時間反応させた。徐々に室温に戻してさらに16時間撹拌し、反応終了とした。反応混合物を少量抜き取り、重クロロホルムで希釈してH−NMR分析を行い、生成したtert−ブチルトリクロロシラン及び内部標準のシグナルの積分比からH−NMR収率を求めた。また、反応終了時の沈殿生成量を目視で確認した。
Figure 2020002077
Figure 2020002077
比較例1は銅塩触媒及びアルカリ金属塩のいずれも不在下条件であり、tert−ブチルトリクロロシランは全く生成しなかった。比較例2は銅塩触媒不在下、アルカリ金属塩のみを加えた条件であり、これもtert−ブチルトリクロロシランは全く生成しなかった。比較例3〜6はハロゲン化銅を銅塩触媒として、アルカリ金属塩不在下条件で実施したものであり、tert−ブチルトリクロロシランのNMR収率は32−44%程度にとどまり、反応溶液に多くの残存原料及び副生成物を含んでいた。また、溶液中には大量の無機塩沈殿が析出し、撹拌効率が低下した。比較例7は臭化第一銅ジメチルスルフィド錯体を銅塩触媒として用い、アルカリ金属塩不在下の条件であり、tert−ブチルトリクロロシランのNMR収率は9%と低いものであった。また、溶液中には大量の無機塩沈殿が析出し、撹拌効率が低下した。
(実施例18)
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム384mg(9.06mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は少量の固体分を含む無色透明な溶液であった。固体分をメンブランフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、1.13gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の88重量%であり、12重量%が固体分として析出していた。
実施例18はアルカリ金属塩存在条件(シラン化合物1モル当量に対しアルカリ金属塩1モル当量)で実施したものであり、製造効率を低下させる無機塩の沈殿析出は少量であった。
(実施例19)
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム191mg(4.51mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は少量の固体分を含む無色透明な溶液であった。固体分をメンブランフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.891gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の82重量%であり、18重量%が固体分として析出していた。
実施例19はアルカリ金属塩存在条件(シラン化合物1モル当量に対しアルカリ金属塩0.5モル当量)で実施したものであり、製造効率を低下させる無機塩の沈殿析出は少量であった。
(実施例20)
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム118mg(2.78mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は少量の固体分を含む淡黄色透明の溶液であった。固体分を加圧下ガラスフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.810gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の79重量%であり、21重量%が固体分として析出していた。
実施例20はアルカリ金属塩存在条件(シラン化合物1モル当量に対しアルカリ金属塩0.31モル当量)で実施したものであり、製造効率を低下させる無機塩の沈殿析出は少量であり、アルカリ金属塩未添加時の沈殿析出量に比べ半分以下となった。
(比較例8)
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム76mg(1.86mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は多くの固体分を含む灰色な懸濁液であった。固体分をメンブランフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.675gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の69重量%であり、31重量%が固体分として析出していた。
比較例8はアルカリ金属塩存在条件(シラン化合物1モル当量に対しアルカリ金属塩0.2モル当量)で実施したものであり、製造効率を低下させる無機塩の沈殿析出は多量であり、アルカリ金属塩未添加時の沈殿析出量に比べ半分以上であった。
(比較例9)
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム38.0mg(0.896mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は多量の固体分を含むスラリー状の粘性の高い液体であった。固体分をメンブランフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.518gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の55重量%であり、45重量%が固体分として析出していた。
比較例9はアルカリ金属塩存在条件(シラン化合物1モル当量に対しアルカリ金属塩0.1モル当量)で実施したものであり、製造効率を低下させる無機塩の沈殿析出は多量であり、アルカリ金属塩未添加時の沈殿析出量に比べ半分以上であった。
(比較例10)
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化第一銅45mg(0.455mmol)及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は多量の固体分を含むスラリー状の粘性の高い液体であった。固体分をガラスフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.428gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム及び塩化銅)は全無機塩量の47重量%であり、53重量%が固体分として析出していることがわかった。
比較例10はアルカリ金属塩不在化条件で実施したものであり、製造効率を低下させる無機塩の沈殿析出は極めて多かった。
(比較例11)
磁気撹拌機、ジムロート冷却管及び三方コックを備えた50mLの三口フラスコをアルゴンで置換し、容器内に塩化第一銅32mg(0.323mmol)、テトラクロロシラン1.89g(11.1mmol)、内部標準としてのドデカン77mgを収めた。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、11.1mL、11.1mmol)を60分間かけて滴下し、さらに3時間加熱還流させた。反応混合物は副生した塩化マグネシウムの沈殿物で固化し、磁気撹拌機による撹拌が不能になった。反応溶液を少量取り、内部標準をもとにガスクロマトグラフィーで収率を求めたところ、tert−ブチルトリクロロシランの収率は53%であった。
比較例11は特許文献3(特開平7−157491号公報)記載実施例15の追試であり、反応混合物は塩化マグネシウムの沈殿により磁気撹拌機による撹拌が不能となった。また、ガスクロマトグラフィー収率は53%にとどまった。
(実施例21)
磁気撹拌機、ジムロート冷却管及び三方コックを備えた50mLの三口フラスコをアルゴンで置換し、容器内に塩化第一銅31mg(0.313mmol)、テトラクロロシラン1.88g(11.1mmol)、塩化リチウム471mg(11.1mmol)内部標準としてのドデカン77mgを収めた。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、11.1mL、11.1mmol)を60分間かけて滴下し、さらに3時間加熱還流させた。反応混合物は少量の副生した塩化マグネシウムの沈殿物を生じたが、磁気撹拌機による撹拌は問題なく行うことができた。反応溶液を少量取り、内部標準をもとにガスクロマトグラフィーで収率を求めたところ、tert−ブチルトリクロロシランの収率は70%であった。
実施例21は特許文献3(特開平7−157491号公報)記載実施例15の条件に加え、さらに当発明にかかるアルカリ金属塩(シラン化合物1モル当量に対してアルカリ金属塩1.0モル当量)を加えた実施であり、反応混合物はアルカリ金属塩の添加により塩化マグネシウムの沈殿生成が抑制され、円滑に撹拌を行うことができた。また、ガスクロマトグラフィー収率は向上した。
(実施例22)tert−ブチルトリクロロシランの合成
Figure 2020002077
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mLの三口フラスコをアルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン19.2g(113mmol)、塩化第一銅557mg(5.63mmol)、塩化リチウム6.10g(144mmol)及び脱水テトラヒドロフラン100mLを収め、tert−ブチルマグネシウムクロリド1.67mol/Lテトラヒドロフラン溶液85.0mL(144mmol)を、滴下ロートから2時間かけて室温で滴下した。その後室温でさらに12時間反応させた。減圧下、溶媒の半量を留去し、脱水ヘキサン300mLで希釈後に焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管でろ過した。これを濃縮後に常圧蒸留(沸点97℃)することにより、tert−ブチルトリクロロシランをワックス状固体として、12.5g(収率58%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが市販品と完全に一致することにより行った。
(実施例23)tert−ブチルトリメトキシシランの合成
Figure 2020002077
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた500mLの三口フラスコをアルゴンで置換した。フラスコ中に、脱水テトラヒドロフラン168mL、臭化第一銅1.21g(8.40mmol)、塩化リチウム7.12g(169mmol)及びテトラクロロシラン28.5g(168mmol)を収めた。反応容器を0℃に冷却し、tert−ブチルマグネシウムクロリドの1mol/Lテトラヒドロフラン溶液168mL(168mmol)を2時間かけて滴下し、その後2時間撹拌した。これを室温に戻してさらに16時間反応させた。この反応混合物中に、滴下ロートから脱水メタノール29.9g(934mmol)及びトリエチルアミン53.4g(528mmol)の混合液を30分かけて滴下した。滴下終了後、3時間加熱還流し、室温に戻した。これにヘキサン150mLを加え、析出物をろ別して、ろ液を分液ロートに移した。蒸留水100mLで5回洗浄し、有機層を分離後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた液体を減圧蒸留(沸点:72℃/8.7kPa)することにより、tert−ブチルトリメトキシシランを無色透明液体として21.9g(収率73%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z:178(M,1),121(100);H NMR(400MHz,CDCl):δ0.98(s,9H),3.62(s,9H);赤外スペクトル(neat,cm−1):2935,2860,2841,1473,1390,1362,1190,1086,835,791,721.
(実施例24)tert−ブチルトリメトキシシランの合成
Figure 2020002077
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコをアルゴンで置換した。脱水テトラヒドロフラン15mL、臭化第一銅107mg(0.746mmol)、塩化リチウム636mg(15.0mmol)及びテトラクロロシラン2.55g(15.0mmol)を収めた。反応容器を0℃に冷却し、tert−ブチルマグネシウムクロリドの1mol/Lテトラヒドロフラン溶液15mL(15.0mmol)を2時間かけて滴下し、その後2時間撹拌した。これを室温に戻してさらに2時間反応させた。この容器を0℃に冷却し、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液9.3mL(5mol/Lメタノール溶液、46.5mmol)を加え、14時間撹拌した。これにヘキサン100mLを加え、析出物をろ別して、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた液体をクーゲルロール蒸留装置で減圧蒸留(蒸留温度:80℃/10.7kPa)することにより、tert−ブチルトリメトキシシランを無色透明液体として1.16g(収率60%)得た。各種分光学的測定によるスペクトルは、実施例23で製造したものと同一であった。
(実施例25)tert−ブチルトリエトキシシランの合成
Figure 2020002077
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコをアルゴンで置換した。内部標準の1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン4.54g(23.9mmol)、脱水テトラヒドロフラン42.8g、臭化第一銅343mg(2.39mmol)、塩化リチウム2.02g(47.7mmol)及びテトラクロロシラン8.11g(47.7mmol)を収めた。反応容器を0℃に冷却し、tert−ブチルマグネシウムクロリドの2mol/Lテトラヒドロフラン溶液24mL(48.0mmol)を40分かけて滴下し、その後0℃で4時間撹拌した。2時間かけて10℃まで戻し、その後室温に戻してさらに16時間反応させた。この反応混合物中に、滴下ロートから脱水エタノール10.7g(232mmol)及びトリエチルアミン11.9g(118mmol)の混合液を20分かけて滴下した。滴下終了後、3時間加熱還流し、室温に戻した。ろ過助材を敷いたガラスフィルターで析出物をろ別して、ろ液を分液ロートに移した。ヘキサン100mLを加えて、蒸留水100mLで3回洗浄した。有機層を分離後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた液体を減圧蒸留(沸点:92℃/5.7kPa)することにより、tert−ブチルトリエトキシシランを無色透明液体として8.61g得た。この留分は11モル%の内部標準を含み、これを差し引いたtert−ブチルトリエトキシシランの収率は74%であった。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z:220(M,0.2),205([M−CH,0.5),163(100),119(48);H NMR(400MHz,CDCl):δ0.96(s,9H),1.22(t,9H,J=7.0Hz),3.85(q,6H,J=7.0Hz).赤外スペクトル(neat,cm−1):2972,2933,2891,2860,1475,1389,1362,1101,1076,953,771。
(実施例26)tert−ブチルジクロロプロピルシランの合成
Figure 2020002077
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mL三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にトリクロロプロピルシラン20.0g(113mmol)、塩化第一銅557mg(5.63mmol)、塩化リチウム6.10g(144mmol)及び脱水テトラヒドロフラン100mLを収め、tert−ブチルマグネシウムクロリド1.67mol/Lテトラヒドロフラン溶液85.0mL(144mmol)を、滴下ロートから2時間かけて滴下した。これを12時間撹拌した。脱水ヘキサン200mLで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、減圧蒸留(沸点102℃/6.0kPa)することにより、tert−ブチルジクロロプロピルシランを無色液体として15.5g(収率69%)得た。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z(%):198(M,13),141(24),113(100);H NMR(400MHz,CDCl):δ1.04(t,3H,J=7.3Hz),1.07(s,9H),1.05〜1.09(m,2H),1.56〜1.62(m,2H)。
(実施例27)トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シランの合成
Figure 2020002077
<1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液の調製>
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコに削り状マグネシウム2.36g(97.0mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン6mLを収め、ジブロモエタン20μLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから2−クロロ−2−メチルブタン10.0g(93.8mmol)の脱水テトラヒドロフラン94mLを1時間かけて滴下し、その後3時間加熱還流させ、1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を調製した。
<トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mL三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン10.2g(60.2mmol)、臭化第一銅ジメチルスルフィド錯体768mg(3.73mmol)、塩化リチウム3.17g(74.8mmol)及び脱水テトラヒドロフラン100mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。先に調製した1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから1.5時間かけて滴下した。これを2時間撹拌後、室温に放冷し、さらに17時間撹拌した。脱水ヘキサンで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、減圧蒸留(沸点97℃/13kPa)することにより、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シランを無色液体として8.68g(収率57%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。この収率は、シアン化銅を銅塩触媒とした低温における合成例(N.Hurkesら,Chemistry−A European Journal,20巻,9330頁,2014年)に記載された同一化合物の合成収率(14%)に比べ、著しく向上していた。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z:191([M−CH,0.9),133(100);H NMR(400MHz,CDCl):δ0.97(t,3H,J=7.5Hz),1.13(s,6H),1.61(q,2H,J=7.5Hz);13C NMR(101MHz,CDCl):δ7.9,20.8,29.4,29.4.赤外スペクトル(neat,cm−1):2970,2929,2871,1464,1389,1367,1053,796,658,625。
(実施例28)(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシランの合成
Figure 2020002077
<1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液の調製>
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコに削り状マグネシウム2.77g(114mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン5mLを収め、ジブロモエタン0.1mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1,1−ジメチルプロピルクロリド10.1g(94.7mmol)の脱水テトラヒドロフラン35mLを40分かけて滴下し、その後2時間加熱還流させ、1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を調製した。
<(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン14.3g(84.4mmol)、臭化第一銅675mg(4.71mmol)、塩化リチウム3.98g(93.8mmol)及び脱水テトラヒドロフラン120mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。先に調製した1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから60分かけて滴下した。これを2時間撹拌後、室温に放冷し、さらに17時間撹拌した。減圧下で未反応のテトラクロロシランを留去した。この反応混合物中に、滴下ロートから脱水メタノール10.6g(330mmol)及びトリエチルアミン30.2g(299mmol)の混合液を20分かけて滴下した。滴下終了後、2時間室温で撹拌した。この混合物にヘキサン100mLを加え、ろ過助材を敷いたガラスフィルターでろ過し、ろ液を分液ロートに移した。蒸留水50mLで5回洗浄した。有機層を分離後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗生成物をクーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度:85℃/7.6kPa)することにより、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシランを無色透明液体として7.86g(収率48%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z:192(M,0.5),(21),121([Si(OMe),100);H NMR(400MHz,CDCl):δ0.88(t,3H,J=7.5Hz),0.95(s,6H),1.36(q,2H,J=7.5Hz),3.61(s,9H);13C NMR(101MHz,CDCl):δ9.0,22.1,23.4,32.3,51.2;29Si NMR(79MHz,CDCl):δ−45.4;赤外スペクトル(neat,cm−1):2962,2943,2881,2860,1462,1383,1362,1294,1190,1086,1034,1011,943,904,833,810,793,779,715。
(実施例29)(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシランの合成
Figure 2020002077
<1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液の調製>
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mLの三口フラスコに削り状マグネシウム3.27g(134mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン5mLを収め、ジブロモエタン0.15mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1,1−ジメチルプロピルクロリド13.6g(128mmol)の脱水テトラヒドロフラン40mLを90分かけて滴下し、その後2時間加熱還流させ、1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を調製した。
<(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mL三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン21.7g(128mmol)、臭化第一銅916mg(6.39mmol)、塩化リチウム5.45g(129mmol)及び脱水テトラヒドロフラン30mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。ここに、先に調製した1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから90分かけて滴下した。これを2時間撹拌後、室温に放冷し、さらに4時間撹拌した。減圧下で未反応のテトラクロロシランを留去し、脱水テトラヒドロフラン30mLを追加した。この反応混合物中に、滴下ロートから脱水エタノール23.6g(512mmol)及びトリエチルアミン38.8g(384mmol)、テトラヒドロフラン10mLの混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、15時間室温で撹拌した。この混合物に蒸留水200mL及びヘキサン200mLを加え、ろ過助材を敷いたガラスフィルターでろ過し、ろ液を分液ロートに移した。蒸留水100mLで2回洗浄した。有機層を分離後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を減圧蒸留(沸点:115℃/8.7kPa)することにより、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシランを無色透明液体として15.6g(テトラクロロシランからの収率52%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z:165(21),163([Si(OEt),100),135(17),119(50);H NMR(400MHz,CDCl):δ0.88(t,3H,J=7.5Hz),0.93(s,6H),1.22(t,9H,J=7.0Hz),1.36(q,2H,J=7.5Hz),3.85(q,6H,J=7.0Hz);;13C NMR(101MHz,CDCl):δ8.9,18.5,21.6,23.3,32.1,58.8;29Si NMR(79MHz,CDCl):δ−48.6;赤外スペクトル(neat,cm−1):2972,2927,2883,1389,1365,1103,1078,953,771。
(実施例30)トリクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シランの合成
Figure 2020002077
<1−エチル−1−メチルプロピルマグネシウムクロリド溶液の調製>
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコに削り状マグネシウム2.92g(120mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン8mLを収め、ジブロモエタン25μLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1−エチル−1−メチルプロピルクロリド12.0g(99.5mmol)の脱水テトラヒドロフラン40mLを40分かけて滴下し、その後2時間加熱還流させ、1−エチル−1−メチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を調製した。
<トリクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mL三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン10.2g(60.2mmol)、臭化第一銅650mg(4.53mmol)、塩化リチウム2.56g(60.5mmol)及び脱水テトラヒドロフラン80mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。先に調製した1−エチル−1−メチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから2時間かけて滴下した。これを室温に放冷し、さらに20時間撹拌した。反応混合物を1時間加熱還流させ、反応終了とした。減圧下で溶媒を留去し、脱水ヘキサンで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、減圧蒸留(沸点84℃/3.7kPa)することにより、トリクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シランを無色液体として4.92g(収率37%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z:189([M−Et],5),153(34),133([SiCl,100);H NMR(400MHz,CDCl):δ0.97(t,6H,J=7.6Hz),1.12(s, 6H),1.50−1.75(m,4H);13C NMR(101MHz,CDCl):δ8.6,19.9,27.2,33.6;29Si NMR(79MHz,CDCl):δ17.4;赤外スペクトル(neat,cm−1):2970,2881,1458,1387,1063,791,750,638。
(実施例31)(1−エチル−1−メチルプロピル)トリエトキシシランの合成
Figure 2020002077
<(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液の調製>
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコに削り状マグネシウム3.66g(151mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン8mLを収め、ジブロモエタン0.1mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1−エチル−1−メチルプロピルクロリド12.0g(99.5mmol)の脱水テトラヒドロフラン52mLを1時間かけて滴下し、その後2時間加熱還流させ、(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液を調製した。
<(1−エチル−1−メチルプロピル)トリエトキシシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mLの三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン9.31g(54.8mmol)、臭化第一銅390mg(2.72mmol)、塩化リチウム4.22g(99.6mmol)及び脱水テトラヒドロフラン50mLを収め、フラスコを−20℃に冷却した。先に調製した(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下した。これを2時間撹拌後、室温に放冷し、さらに4日間撹拌した。減圧下で未反応のテトラクロロシランを留去し、脱水テトラヒドロフラン100mLを追加した。この反応混合物中に、滴下ロートから脱水エタノール26.8g(581mmol)及びトリエチルアミン38.6g(382mmol)の混合液を40分間かけて滴下した。滴下終了後、24時間室温で撹拌した。この混合物に蒸留水500mL及びヘキサン200mLを加え、ろ過助材を敷いたガラスフィルターでろ過し、ろ液を分液ロートに移した。有機層を分離後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をクーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度:95℃/15mmHg)することにより、(1−エチル−1−メチルプロピル)トリエトキシシランを無色透明液体として5.90g(収率43%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z:165(33),163([Si(OEt),100),135(15),119(56);H NMR(400MHz,CDCl):δ0.87(t, 6H, J=7.6Hz),0.91(s,3H),1.22 (t,9H,J=7.0Hz),1.389(q,2H,J=7.6Hz),1.395(q,2H,J=7.6Hz),3.85(q,6H,J=7.0Hz);29Si NMR(79MHz,CDCl):δ −48.5;赤外スペクトル(neat,cm−1):2972,2927,2883,1458,1389,1365,1103,1078,953,769。
(実施例32)トリクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シランの合成
Figure 2020002077
<(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムクロリドの調製>
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコに削り状マグネシウム1.46g(60.0mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン5mLを収め、1,2−ジブロモエタン0.1mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから3−クロロ−3−エチルペンタン4.00g(29.7mmol)と1,2−ジブロモエタン1.97gの脱水テトラヒドロフラン15mL溶液を、反応容器を60℃に加熱しながら30分かけて滴下し、その後1時間加熱還流させ、(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液を調製した。
<トリクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン2.54g(14.9mmol)、臭化第一銅213mg(1.49mmol)、塩化リチウム722mg(29.7mmol)及び脱水テトラヒドロフラン100mLを収め、フラスコを−20℃に冷却した。ここに、先に調製した(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液を30分かけて滴下した。これを−20℃で2時間撹拌後に室温に戻し、さらに17時間撹拌した。反応混合物から減圧下で溶媒を除き、脱水ヘキサンで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、クーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度115℃/4kPa)することにより、トリクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シランを無色液体として1.66g(収率47%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z175([M−C,12),133(100);H NMR(400MHz,CDCl):δ0.97(t,9H,J=7.6Hz),1.69(q,6H,J=7.6Hz);29Si NMR(79MHz,CDCl):δ19.0;赤外スペクトル(neat,cm−1):2970,2883,2864,1458,1387,1093,808,785,744,623。
(実施例33)トリクロロ(1−メチルシクロヘキシル)シランの合成
Figure 2020002077
<(1−メチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド溶液の調製>
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコに削り状マグネシウム1.70g(69.9mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン8mLを収め、ジブロモエタン0.1mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1−クロロ−1−メチルシクロヘキサン8.01g(60.4mmol)の脱水テトラヒドロフラン20mLを1時間かけて滴下し、その後5時間加熱還流させ、(1−メチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド溶液を調製した。
<(1−メチルシクロヘキシル)トリクロロシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mLの三口フラスコをアルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン10.2g(60.3mmol)、臭化第一銅440mg(3.07mmol)、塩化リチウム2.57g(60.6mmol)及び脱水テトラヒドロフラン100mLを収め、フラスコを−20℃に冷却した。先に調製した(1−メチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下し、2時間撹拌した。これを室温に放冷し、さらに17時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、脱水ヘキサンで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、減圧蒸留(沸点95℃/2.0kPa)することにより、トリクロロ(1−メチルシクロヘキシル)シランを無色液体として3.96g(収率28%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z230(M,2),133([SiCl,100);H NMR(400MHz,CDCl):δ1.23(s,3H),1.50−1.60(m,6H),1.63−1.75(m,4H);13C NMR(101MHz,CDCl):δ16.4,20.0,25.9,29.5,29.7;29Si NMR(79MHz,CDCl):δ15.6;赤外スペクトル(neat,cm−1):2929,2854,1460,1446,1097,966,852,808,671。
(実施例34)(1−アダマンチル)トリクロロシランの合成
Figure 2020002077
<1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液の調製>
ジムロート冷却管及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコに削り状マグネシウム9.10g(374mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水ジエチルエーテル25mL、ジブロモエタン0.1mL、1−ブロモアダマンタン5.37g(25.0mmol)を加え、10時間加熱還流させ、1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液を調製した。
<1−アダマンチルトリクロロシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン2.12g(12.5mmol)、臭化第一銅90mg(6.30mmol)、塩化リチウム536mg(12.6mmol)及び脱水テトラヒドロフラン25mLを収め、フラスコを−20℃に冷却した。先に調製した1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液を30分かけて滴下し、2時間撹拌した。これを室温に放冷し、さらに17時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、脱水ヘキサン80mLで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、クーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度120℃/120Pa)することにより、1−アダマンチルトリクロロシランを無色固体として1.08g(収率32%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z268(M,1),135([M−SiCl,100);H NMR(400MHz,CDCl):δ1.73−1.85(m,6H),1.90(d,6H,J=1.46Hz),1.96−2.03(m,3H);13C NMR(101MHz,CDCl):δ27.0,30.3,34.8,36.7;29Si NMR(79MHz,CDCl):δ12.6;赤外スペクトル(固体,cm−1):2902,2850,1448,1356,1344,1103,1092,966,852。
(実施例35)(1−アダマンチル)トリエトキシシランの合成
Figure 2020002077
<1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液の調製>
ジムロート冷却管及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコに削り状マグネシウム9.10g(374mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水ジエチルエーテル25mL、ジブロモエタン0.1mL、1−ブロモアダマンタン5.37g(25.0mmol)を仕込み、9時間加熱還流させ、1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液を調製した。
<(1−アダマンチル)トリエトキシシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコをアルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン2.55g(15.0mmol)、臭化第一銅183mg(1.28mmol)、塩化リチウム1.06g(25.1mmol)及び脱水テトラヒドロフラン25mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。先に調製した1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液を30分かけて滴下し、2時間撹拌した。これを室温に放冷し、さらに5時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、ここに脱水テトラヒドロフラン50mLを加えた。滴下ロートからエタノール2.15g(46.7mmol)及びトリエチルアミン4.73g(46.7mmol)の混合溶液を20分かけて滴下した。この混合物に、脱水ヘキサン80mL及び水50mLを加え、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。有機相を水20mLで4回洗浄し、ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮後、クーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度120℃/120Pa)することにより、1−アダマンチルトリエトキシシランを無色液体として1.21g(収率27%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
質量スペクトル(EI,70eV)m/z298(M,21),283([M−Me],0.3),163([Si(OEt),100);H NMR(400MHz,CDCl):δ1.22(t,9H,J=7.0Hz),1.74−1.79(m,6H),1.80−1.83(m,6H),1.85(d,3H,J=2.7Hz),3.83(q,6H,J=7.0Hz);29Si NMR(79MHz,CDCl):δ−53.0;赤外スペクトル(neat,cm−1):2972,2927,2900,2846,1450,1389,1356,1344,1315,1294,1165,1103,1076,1029,954,881,860,809,769,710,658。

Claims (14)

  1. 銅塩触媒存在下、一般式(1)
    SiX 4−n (1)
    (式中、Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。nは0〜2の整数を表す。Xはハロゲン原子を表す。)で示されるシラン化合物と、一般式(2)
    MgX (2)
    (式中、Rは炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Xはハロゲン原子を表す。)で示される第三級アルキルグリニャール試薬とを反応させ、一般式(3)
    SiX 3−n (3)
    (式中、R、A、X、及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される第三級アルキルシランの製造方法において、シラン化合物1モル当量に対して0.3モル当量を越えるアルカリ金属塩の存在下に反応させることを特徴とする第三級アルキルシランの製造方法。
  2. アルカリ金属塩が、ハロゲン化アルカリ金属である、請求項1に記載の第三級アルキルシランの製造方法。
  3. アルカリ金属塩が、塩化リチウム、臭化リチウム、及び臭化ナトリウムよりなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1又は2に記載の第三級アルキルシランの製造方法。
  4. 銅塩触媒が、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、及び臭化銅(II)よりなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜3のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
  5. 第三級アルキルグリニャール試薬が、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムクロリド、又は(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムブロミドのいずれかである、請求項1〜4のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
  6. 第三級アルキルシランが、tert−ブチルトリクロロシラン、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、又はトリクロロ(1,1−ジメチルブチル)シランのいずれかである、請求項1〜5のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られた第三級アルキルシランと、下記一般式(4a)
    −OH (4a)
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるアルコール及び/又は下記一般式(4b)
    −O−M (4b)
    (式中、Rは上記と同じ意味を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるアルカリ金属アルコキシドとの反応による、下記一般式(5)
    Si(OR3−n (5)
    (式中、Rは炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは0〜2の整数を表す。)で示される第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
  8. アルコールが、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項7に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
  9. アルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムイソプロピルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項7に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
  10. 第三級アルキルアルコキシシランが、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、又は(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシランのいずれかである、請求項7〜9のいずれかに記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法
  11. 一般式(5)
    Si(OR3−n (5)
    (式中、Rは炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは0〜2の整数を表す。)で示される第三級アルキルアルコキシシランの製造方法において、銅塩触媒存在下、下記一般式(1)
    SiX 4−n (1)
    (式中、A及びnは上記と同じ意味を表す。Xはハロゲン原子を表す。)で示されるシラン化合物と、下記一般式(2)
    MgX (2)
    (式中、Rは上記と同じ意味を表す。Xはハロゲン原子を表す。)で示される第三級アルキルグリニャール試薬を、シラン化合物1モル当量に対して0.3モル当量を超えるアルカリ金属塩の存在下に反応させ、次いで下記一般式(4a)
    −OH (4a)
    (式中、Rは上記と同じ意味を表す。)
    で示されるアルコール、及び/又は一般式(4b)
    −O−M (4b)
    (式中、Rは上記と同じ意味を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるアルカリ金属アルコキシドを反応させることを特徴とする、第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
  12. アルコールが、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項11に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
  13. アルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムイソプロピルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項11に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
  14. 第三級アルキルアルコキシシランが、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、又は(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシランのいずれかである、請求項11〜13のいずれかに記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
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