JP2020002077A - 第三級アルキルシランの製造方法及び第三級アルキルアルコキシシランの製造方法 - Google Patents
第三級アルキルシランの製造方法及び第三級アルキルアルコキシシランの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 シラン化合物と、銅塩触媒及びシラン化合物に対し0.3モル当量を越えるアルカリ金属塩の存在下で、第三級アルキルグリニャール試薬とを反応させることを特徴とする第三級アルキルシランの製造方法、及び前記製造方法により得られた第三級アルキルシランと、アルコール、及び/又はアルカリ金属アルコキシドとの反応による、第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
【選択図】 なし
Description
<1>
銅塩触媒存在下、一般式(1)
AnSiX1 4−n (1)
(式中、Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。nは0〜2の整数を表す。X1はハロゲン原子を表す。)で示されるシラン化合物と、一般式(2)
R1MgX2 (2)
(式中、R1は炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。X2はハロゲン原子を表す。)で示される第三級アルキルグリニャール試薬とを反応させ、一般式(3)
R1AnSiX1 3−n (3)
(式中、R1、A、X1、及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される第三級アルキルシランの製造方法において、シラン化合物1モル当量に対して0.3モル当量を越えるアルカリ金属塩の存在下に反応させることを特徴とする第三級アルキルシランの製造方法。
<2>
アルカリ金属塩が、ハロゲン化アルカリ金属である、<1>に記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<3>
アルカリ金属塩が、塩化リチウム、臭化リチウム、及び臭化ナトリウムよりなる群より選ばれる少なくとも一つである、<1>又は<2>に記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<4>
銅塩触媒が、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、及び臭化銅(II)よりなる群より選ばれる少なくとも一つである、<1>〜<3>のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<5>
第三級アルキルグリニャール試薬が、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムクロリド、又は(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムブロミドのいずれかである、<1>〜<4>のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<6>
第三級アルキルシランが、tert−ブチルトリクロロシラン、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、又はトリクロロ(1,1−ジメチルブチル)シランのいずれかである、<1>〜<5>のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
<7>
<1>〜<6>のいずれかに記載の製造方法により得られた第三級アルキルシランと、下記一般式(4a)
R2−OH (4a)
(式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるアルコール及び/又は下記一般式(4b)
R2−O−M (4b)
(式中、R2は上記と同じ意味を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるアルカリ金属アルコキシドとの反応による、下記一般式(5)
R1AnSi(OR2)3−n (5)
(式中、R1は炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは0〜2の整数を表す。)で示される第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<8>
アルコールが、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである、<7>に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<9>
アルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムイソプロピルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一つである、<7>に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<10>
第三級アルキルアルコキシシランが、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、又は(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシランのいずれかである、<7>〜<9>のいずれかに記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法
<11>
一般式(5)
R1AnSi(OR2)3−n (5)
(式中、R1は炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは0〜2の整数を表す。)で示される第三級アルキルアルコキシシランの製造方法において、下記一般式(1)
AnSiX1 4−n (1)
(式中、A及びnは上記と同じ意味を表す。X1はハロゲン原子を表す。)で示されるシラン化合物と、銅塩触媒存在下、下記一般式(2)
R1MgX2 (2)
(式中、R1は上記と同じ意味を表す。X2はハロゲン原子を表す。)で示される第三級アルキルグリニャール試薬を、シラン化合物1モル当量に対して0.3モル当量を超えるアルカリ金属塩の存在下に反応させ、次いで下記一般式(4a)
R2−OH (4a)
(式中、R2は上記と同じ意味を表す。)
で示されるアルコール、及び/又は一般式(4b)
R2−O−M (4b)
(式中、R2は上記と同じ意味を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるアルカリ金属アルコキシドと反応させることを特徴とする、第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<12>
アルコールが、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである、<11>に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<13>
アルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムイソプロピルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一つである、<11>に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
<14>
第三級アルキルアルコキシシランが、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、又は(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシランのいずれかである、<11>〜<13>のいずれかに記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
に関する。
工程1では、銅塩触媒及びアルカリ金属塩存在下、第三級アルキルグリニャール試薬(2)とシラン化合物(1)とを反応させることにより、第三級アルキルシラン(3)を得る。
ル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1−アダマンチル)マグネシウムブロミドが好ましく、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムブロミドが更に好ましい。
トキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)メチルジエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)メチルジエトキシシラン、tert−ブチルメチルビス(プロピルオキシ)シラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)エチルジメトキシシランが更に好ましい。
磁気撹拌機を備えた50mLの試験管型シュレンク管をアルゴンガスで置換し、銅塩触媒、アルカリ金属塩、NMR内部標準としての1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン857mg(4.50mmol)、脱水テトラヒドロフラン(THF)9mL(実施例17では脱水ジエチルエーテル9mL)及びテトラクロロシラン1.53g(9.00mmol)を収めた。これを設定反応温度に恒温し、撹拌しながら所定量のtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン1mol/L溶液を40分かけて滴下し、その後反応温度で2時間反応させた。徐々に室温に戻してさらに16時間撹拌し、反応終了とした。反応混合物を少量抜き取り、重クロロホルムで希釈して1H−NMR分析を行い、生成したtert−ブチルトリクロロシラン及び内部標準のシグナルの積分比から1H−NMR収率を求めた。また、反応終了時の沈殿生成量を目視で確認した。
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム384mg(9.06mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は少量の固体分を含む無色透明な溶液であった。固体分をメンブランフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、1.13gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の88重量%であり、12重量%が固体分として析出していた。
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム191mg(4.51mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は少量の固体分を含む無色透明な溶液であった。固体分をメンブランフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.891gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の82重量%であり、18重量%が固体分として析出していた。
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム118mg(2.78mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は少量の固体分を含む淡黄色透明の溶液であった。固体分を加圧下ガラスフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.810gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の79重量%であり、21重量%が固体分として析出していた。
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム76mg(1.86mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は多くの固体分を含む灰色な懸濁液であった。固体分をメンブランフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.675gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の69重量%であり、31重量%が固体分として析出していた。
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化リチウム38.0mg(0.896mmol)、塩化第一銅45mg(0.455mmol)、及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は多量の固体分を含むスラリー状の粘性の高い液体であった。固体分をメンブランフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させ除いた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.518gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び塩化銅)は全無機塩量の55重量%であり、45重量%が固体分として析出していた。
磁気撹拌機を備えた50mLシュレンク管をアルゴンで置換し、容器内に塩化第一銅45mg(0.455mmol)及びテトラクロロシラン1.53g(9.01mmol)を収め、容器を0℃に冷却した。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、9.0mL、9.0mmol)を20分間かけて滴下し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に戻し、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物に脱水テトラヒドロフランを少量加えて全量を正確に18mLとした(テトラクロロシランの原料仕込み濃度:0.50mol/L)。この反応混合物は多量の固体分を含むスラリー状の粘性の高い液体であった。固体分をガラスフィルターでろ過して除き、溶液を別容器に移し、これを真空下で200℃に加熱して溶媒、残存テトラクロロシラン、及びtert−ブチルトリクロロシランを蒸発させた。容器に残った固体分を秤量したところ、0.428gであった。このことから、溶液中に溶解していた無機塩(塩化マグネシウム及び塩化銅)は全無機塩量の47重量%であり、53重量%が固体分として析出していることがわかった。
磁気撹拌機、ジムロート冷却管及び三方コックを備えた50mLの三口フラスコをアルゴンで置換し、容器内に塩化第一銅32mg(0.323mmol)、テトラクロロシラン1.89g(11.1mmol)、内部標準としてのドデカン77mgを収めた。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、11.1mL、11.1mmol)を60分間かけて滴下し、さらに3時間加熱還流させた。反応混合物は副生した塩化マグネシウムの沈殿物で固化し、磁気撹拌機による撹拌が不能になった。反応溶液を少量取り、内部標準をもとにガスクロマトグラフィーで収率を求めたところ、tert−ブチルトリクロロシランの収率は53%であった。
磁気撹拌機、ジムロート冷却管及び三方コックを備えた50mLの三口フラスコをアルゴンで置換し、容器内に塩化第一銅31mg(0.313mmol)、テトラクロロシラン1.88g(11.1mmol)、塩化リチウム471mg(11.1mmol)内部標準としてのドデカン77mgを収めた。ここにシリンジよりtert−ブチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L、11.1mL、11.1mmol)を60分間かけて滴下し、さらに3時間加熱還流させた。反応混合物は少量の副生した塩化マグネシウムの沈殿物を生じたが、磁気撹拌機による撹拌は問題なく行うことができた。反応溶液を少量取り、内部標準をもとにガスクロマトグラフィーで収率を求めたところ、tert−ブチルトリクロロシランの収率は70%であった。
(実施例24)tert−ブチルトリメトキシシランの合成
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコに削り状マグネシウム2.36g(97.0mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン6mLを収め、ジブロモエタン20μLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから2−クロロ−2−メチルブタン10.0g(93.8mmol)の脱水テトラヒドロフラン94mLを1時間かけて滴下し、その後3時間加熱還流させ、1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を調製した。
<トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mL三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン10.2g(60.2mmol)、臭化第一銅ジメチルスルフィド錯体768mg(3.73mmol)、塩化リチウム3.17g(74.8mmol)及び脱水テトラヒドロフラン100mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。先に調製した1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから1.5時間かけて滴下した。これを2時間撹拌後、室温に放冷し、さらに17時間撹拌した。脱水ヘキサンで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、減圧蒸留(沸点97℃/13kPa)することにより、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シランを無色液体として8.68g(収率57%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。この収率は、シアン化銅を銅塩触媒とした低温における合成例(N.Hurkesら,Chemistry−A European Journal,20巻,9330頁,2014年)に記載された同一化合物の合成収率(14%)に比べ、著しく向上していた。
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコに削り状マグネシウム2.77g(114mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン5mLを収め、ジブロモエタン0.1mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1,1−ジメチルプロピルクロリド10.1g(94.7mmol)の脱水テトラヒドロフラン35mLを40分かけて滴下し、その後2時間加熱還流させ、1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を調製した。
<(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン14.3g(84.4mmol)、臭化第一銅675mg(4.71mmol)、塩化リチウム3.98g(93.8mmol)及び脱水テトラヒドロフラン120mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。先に調製した1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから60分かけて滴下した。これを2時間撹拌後、室温に放冷し、さらに17時間撹拌した。減圧下で未反応のテトラクロロシランを留去した。この反応混合物中に、滴下ロートから脱水メタノール10.6g(330mmol)及びトリエチルアミン30.2g(299mmol)の混合液を20分かけて滴下した。滴下終了後、2時間室温で撹拌した。この混合物にヘキサン100mLを加え、ろ過助材を敷いたガラスフィルターでろ過し、ろ液を分液ロートに移した。蒸留水50mLで5回洗浄した。有機層を分離後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗生成物をクーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度:85℃/7.6kPa)することにより、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシランを無色透明液体として7.86g(収率48%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mLの三口フラスコに削り状マグネシウム3.27g(134mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン5mLを収め、ジブロモエタン0.15mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1,1−ジメチルプロピルクロリド13.6g(128mmol)の脱水テトラヒドロフラン40mLを90分かけて滴下し、その後2時間加熱還流させ、1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を調製した。
<(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mL三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン21.7g(128mmol)、臭化第一銅916mg(6.39mmol)、塩化リチウム5.45g(129mmol)及び脱水テトラヒドロフラン30mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。ここに、先に調製した1,1−ジメチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから90分かけて滴下した。これを2時間撹拌後、室温に放冷し、さらに4時間撹拌した。減圧下で未反応のテトラクロロシランを留去し、脱水テトラヒドロフラン30mLを追加した。この反応混合物中に、滴下ロートから脱水エタノール23.6g(512mmol)及びトリエチルアミン38.8g(384mmol)、テトラヒドロフラン10mLの混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、15時間室温で撹拌した。この混合物に蒸留水200mL及びヘキサン200mLを加え、ろ過助材を敷いたガラスフィルターでろ過し、ろ液を分液ロートに移した。蒸留水100mLで2回洗浄した。有機層を分離後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を減圧蒸留(沸点:115℃/8.7kPa)することにより、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシランを無色透明液体として15.6g(テトラクロロシランからの収率52%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコに削り状マグネシウム2.92g(120mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン8mLを収め、ジブロモエタン25μLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1−エチル−1−メチルプロピルクロリド12.0g(99.5mmol)の脱水テトラヒドロフラン40mLを40分かけて滴下し、その後2時間加熱還流させ、1−エチル−1−メチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を調製した。
<トリクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mL三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン10.2g(60.2mmol)、臭化第一銅650mg(4.53mmol)、塩化リチウム2.56g(60.5mmol)及び脱水テトラヒドロフラン80mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。先に調製した1−エチル−1−メチルプロピルマグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから2時間かけて滴下した。これを室温に放冷し、さらに20時間撹拌した。反応混合物を1時間加熱還流させ、反応終了とした。減圧下で溶媒を留去し、脱水ヘキサンで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、減圧蒸留(沸点84℃/3.7kPa)することにより、トリクロロ(1−エチル−1−メチルプロピル)シランを無色液体として4.92g(収率37%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコに削り状マグネシウム3.66g(151mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン8mLを収め、ジブロモエタン0.1mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1−エチル−1−メチルプロピルクロリド12.0g(99.5mmol)の脱水テトラヒドロフラン52mLを1時間かけて滴下し、その後2時間加熱還流させ、(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液を調製した。
<(1−エチル−1−メチルプロピル)トリエトキシシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mLの三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン9.31g(54.8mmol)、臭化第一銅390mg(2.72mmol)、塩化リチウム4.22g(99.6mmol)及び脱水テトラヒドロフラン50mLを収め、フラスコを−20℃に冷却した。先に調製した(1−エチル−1−メチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下した。これを2時間撹拌後、室温に放冷し、さらに4日間撹拌した。減圧下で未反応のテトラクロロシランを留去し、脱水テトラヒドロフラン100mLを追加した。この反応混合物中に、滴下ロートから脱水エタノール26.8g(581mmol)及びトリエチルアミン38.6g(382mmol)の混合液を40分間かけて滴下した。滴下終了後、24時間室温で撹拌した。この混合物に蒸留水500mL及びヘキサン200mLを加え、ろ過助材を敷いたガラスフィルターでろ過し、ろ液を分液ロートに移した。有機層を分離後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をクーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度:95℃/15mmHg)することにより、(1−エチル−1−メチルプロピル)トリエトキシシランを無色透明液体として5.90g(収率43%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコに削り状マグネシウム1.46g(60.0mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン5mLを収め、1,2−ジブロモエタン0.1mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから3−クロロ−3−エチルペンタン4.00g(29.7mmol)と1,2−ジブロモエタン1.97gの脱水テトラヒドロフラン15mL溶液を、反応容器を60℃に加熱しながら30分かけて滴下し、その後1時間加熱還流させ、(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液を調製した。
<トリクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン2.54g(14.9mmol)、臭化第一銅213mg(1.49mmol)、塩化リチウム722mg(29.7mmol)及び脱水テトラヒドロフラン100mLを収め、フラスコを−20℃に冷却した。ここに、先に調製した(1,1−ジエチルプロピル)マグネシウムクロリド溶液を30分かけて滴下した。これを−20℃で2時間撹拌後に室温に戻し、さらに17時間撹拌した。反応混合物から減圧下で溶媒を除き、脱水ヘキサンで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、クーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度115℃/4kPa)することにより、トリクロロ(1,1−ジエチルプロピル)シランを無色液体として1.66g(収率47%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた200mLの三口フラスコに削り状マグネシウム1.70g(69.9mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水テトラヒドロフラン8mLを収め、ジブロモエタン0.1mLを加えてマグネシウムを活性化した後、滴下ロートから1−クロロ−1−メチルシクロヘキサン8.01g(60.4mmol)の脱水テトラヒドロフラン20mLを1時間かけて滴下し、その後5時間加熱還流させ、(1−メチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド溶液を調製した。
<(1−メチルシクロヘキシル)トリクロロシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた300mLの三口フラスコをアルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン10.2g(60.3mmol)、臭化第一銅440mg(3.07mmol)、塩化リチウム2.57g(60.6mmol)及び脱水テトラヒドロフラン100mLを収め、フラスコを−20℃に冷却した。先に調製した(1−メチルシクロヘキシル)マグネシウムクロリド溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下し、2時間撹拌した。これを室温に放冷し、さらに17時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、脱水ヘキサンで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、減圧蒸留(沸点95℃/2.0kPa)することにより、トリクロロ(1−メチルシクロヘキシル)シランを無色液体として3.96g(収率28%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
ジムロート冷却管及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコに削り状マグネシウム9.10g(374mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水ジエチルエーテル25mL、ジブロモエタン0.1mL、1−ブロモアダマンタン5.37g(25.0mmol)を加え、10時間加熱還流させ、1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液を調製した。
<1−アダマンチルトリクロロシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコを用意し、アルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン2.12g(12.5mmol)、臭化第一銅90mg(6.30mmol)、塩化リチウム536mg(12.6mmol)及び脱水テトラヒドロフラン25mLを収め、フラスコを−20℃に冷却した。先に調製した1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液を30分かけて滴下し、2時間撹拌した。これを室温に放冷し、さらに17時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、脱水ヘキサン80mLで希釈後に、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。ろ液を濃縮後、クーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度120℃/120Pa)することにより、1−アダマンチルトリクロロシランを無色固体として1.08g(収率32%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
ジムロート冷却管及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコに削り状マグネシウム9.10g(374mmol)を収め、アルゴンで置換した。このフラスコ中に脱水ジエチルエーテル25mL、ジブロモエタン0.1mL、1−ブロモアダマンタン5.37g(25.0mmol)を仕込み、9時間加熱還流させ、1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液を調製した。
<(1−アダマンチル)トリエトキシシランの製造>
別に、磁気撹拌機、ジムロート冷却管、滴下ロート及び三方コックを備えた100mLの三口フラスコをアルゴンで置換した。フラスコ中にテトラクロロシラン2.55g(15.0mmol)、臭化第一銅183mg(1.28mmol)、塩化リチウム1.06g(25.1mmol)及び脱水テトラヒドロフラン25mLを収め、フラスコを塩氷浴で−20℃に冷却した。先に調製した1−アダマンチルマグネシウムブロミド溶液を30分かけて滴下し、2時間撹拌した。これを室温に放冷し、さらに5時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、ここに脱水テトラヒドロフラン50mLを加えた。滴下ロートからエタノール2.15g(46.7mmol)及びトリエチルアミン4.73g(46.7mmol)の混合溶液を20分かけて滴下した。この混合物に、脱水ヘキサン80mL及び水50mLを加え、焼結ガラスフィルターを備えたシュレンク管を用いて析出物をろ別した。有機相を水20mLで4回洗浄し、ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮後、クーゲルロール蒸留装置を用いて減圧蒸留(蒸留温度120℃/120Pa)することにより、1−アダマンチルトリエトキシシランを無色液体として1.21g(収率27%)得た。化合物の同定は、各種分光学的データが予想される構造と矛盾しないことにより行った。
Claims (14)
- 銅塩触媒存在下、一般式(1)
AnSiX1 4−n (1)
(式中、Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。nは0〜2の整数を表す。X1はハロゲン原子を表す。)で示されるシラン化合物と、一般式(2)
R1MgX2 (2)
(式中、R1は炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。X2はハロゲン原子を表す。)で示される第三級アルキルグリニャール試薬とを反応させ、一般式(3)
R1AnSiX1 3−n (3)
(式中、R1、A、X1、及びnは前記と同じ意味を表す。)で示される第三級アルキルシランの製造方法において、シラン化合物1モル当量に対して0.3モル当量を越えるアルカリ金属塩の存在下に反応させることを特徴とする第三級アルキルシランの製造方法。 - アルカリ金属塩が、ハロゲン化アルカリ金属である、請求項1に記載の第三級アルキルシランの製造方法。
- アルカリ金属塩が、塩化リチウム、臭化リチウム、及び臭化ナトリウムよりなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1又は2に記載の第三級アルキルシランの製造方法。
- 銅塩触媒が、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、及び臭化銅(II)よりなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜3のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
- 第三級アルキルグリニャール試薬が、tert−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムクロリド、(1,1−ジメチルプロピル)マグネシウムブロミド、(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムクロリド、又は(1,1−ジメチルブチル)マグネシウムブロミドのいずれかである、請求項1〜4のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
- 第三級アルキルシランが、tert−ブチルトリクロロシラン、トリクロロ(1,1−ジメチルプロピル)シラン、又はトリクロロ(1,1−ジメチルブチル)シランのいずれかである、請求項1〜5のいずれかに記載の第三級アルキルシランの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られた第三級アルキルシランと、下記一般式(4a)
R2−OH (4a)
(式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるアルコール及び/又は下記一般式(4b)
R2−O−M (4b)
(式中、R2は上記と同じ意味を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるアルカリ金属アルコキシドとの反応による、下記一般式(5)
R1AnSi(OR2)3−n (5)
(式中、R1は炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは0〜2の整数を表す。)で示される第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。 - アルコールが、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項7に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
- アルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムイソプロピルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項7に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
- 第三級アルキルアルコキシシランが、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、又は(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシランのいずれかである、請求項7〜9のいずれかに記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法
- 一般式(5)
R1AnSi(OR2)3−n (5)
(式中、R1は炭素数4〜10の第三級アルキル基を表す。Aは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。複数のAは、同一又は相異なってもよい。R2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。nは0〜2の整数を表す。)で示される第三級アルキルアルコキシシランの製造方法において、銅塩触媒存在下、下記一般式(1)
AnSiX1 4−n (1)
(式中、A及びnは上記と同じ意味を表す。X1はハロゲン原子を表す。)で示されるシラン化合物と、下記一般式(2)
R1MgX2 (2)
(式中、R1は上記と同じ意味を表す。X2はハロゲン原子を表す。)で示される第三級アルキルグリニャール試薬を、シラン化合物1モル当量に対して0.3モル当量を超えるアルカリ金属塩の存在下に反応させ、次いで下記一般式(4a)
R2−OH (4a)
(式中、R2は上記と同じ意味を表す。)
で示されるアルコール、及び/又は一般式(4b)
R2−O−M (4b)
(式中、R2は上記と同じ意味を表す。Mはアルカリ金属原子を表す。)で示されるアルカリ金属アルコキシドを反応させることを特徴とする、第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。 - アルコールが、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項11に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
- アルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロピルオキシド、ナトリウムイソプロピルオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項11に記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
- 第三級アルキルアルコキシシランが、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリメトキシシラン、(1,1−ジメチルプロピル)トリエトキシシラン、(1,1−ジメチルブチル)トリメトキシシラン、又は(1,1−ジメチルブチル)トリエトキシシランのいずれかである、請求項11〜13のいずれかに記載の第三級アルキルアルコキシシランの製造方法。
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