以下、実施形態について図面を参照して説明する。図1は、研磨装置の一実施形態を示す図である。図1に示すように、研磨装置は、研磨面1aを有する研磨パッド1が取り付けられた研磨テーブル3と、基板の一例であるウェーハWを保持し、ウェーハWを研磨テーブル3上の研磨パッド1に押圧しながら研磨するための研磨ヘッド5と、研磨パッド1に研磨液(例えばスラリー)を供給するための研磨液供給ノズル10と、ウェーハWの研磨を制御する研磨制御部12とを備えている。
研磨テーブル3は、テーブル軸3aを介してその下方に配置されるテーブルモータ19に連結されており、このテーブルモータ19により研磨テーブル3が矢印で示す方向に回転されるようになっている。この研磨テーブル3のパッド支持面3bには研磨パッド1が貼付されている。パッド支持面3bは、研磨テーブル3の上面から構成されている。研磨パッド1の上面は、ウェーハWを研磨する研磨面1aを構成している。研磨ヘッド5は研磨ヘッドシャフト16の下端に連結されている。研磨ヘッド5は、真空吸引によりその下面にウェーハWを保持できるように構成されている。研磨ヘッドシャフト16は、図示しない上下動機構により上下動するようになっている。
ウェーハWの研磨は次のようにして行われる。研磨ヘッド5および研磨テーブル3をそれぞれ矢印で示す方向に回転させ、研磨液供給ノズル10から研磨パッド1上に研磨液(スラリー)を供給する。この状態で、研磨ヘッド5は、ウェーハWを研磨パッド1の研磨面1aに押し付ける。ウェーハWの表面は、研磨液に含まれる砥粒の機械的作用と研磨液の化学的作用により研磨される。
研磨装置は、ウェーハWの膜厚を測定する光学式膜厚測定器(膜厚測定装置)25を備えている。この光学式膜厚測定器25は、ウェーハWの膜厚に従って変化する光学信号を取得するセンサモジュール42と、光学信号から膜厚を決定する処理部32とを備えている。センサモジュール42は研磨テーブル3の内部に配置されており、処理部32は研磨制御部12に接続されている。センサモジュール42は、ウェーハWの表面に光を導き、かつウェーハWからの反射光を受けるセンサヘッド31を備えている。センサヘッド31は、記号Aで示すように研磨テーブル3と一体に回転し、研磨ヘッド5に保持されたウェーハWの光学信号を取得する。センサモジュール42は処理部32に接続されており、センサモジュール42によって取得された光学信号は処理部32に送られるようになっている。
図2は、光学式膜厚測定器25を備えた研磨装置を示す模式断面図である。研磨ヘッドシャフト16は、ベルト等の連結手段17を介して研磨ヘッドモータ18に連結されて研磨ヘッドモータ18によって回転されるようになっている。この研磨ヘッドシャフト16の回転により、研磨ヘッド5が矢印で示す方向に回転する。
上述したように、光学式膜厚測定器25は、センサヘッド31を有するセンサモジュール42と、処理部32とを備える。センサモジュール42は、光源および分光器を少なくとも含む光学装置47と、光学装置47に接続された光ファイバー48を備えている。光ファイバー48の先端はセンサヘッド31を構成し、光ファイバー48の他端は光学装置47に接続されている。光学装置47は、光を発し、光は光ファイバー48を通り、センサヘッド31からウェーハWの被研磨面に導かれる。ウェーハWからの反射光は、センサヘッド31によって受けられ、さらに光ファイバー48を通って光学装置47に伝達される。光学装置47は、反射光を波長に従って分解し、所定の波長範囲に亘って反射光の強度を測定するように構成されている。
研磨テーブル3は、その上面に形成されたセンサ孔50Aおよび排水孔50Bを有している。排水孔50Bは、後述するように、研磨テーブル3に対する研磨パッド1の位置合わせに使用されるテーブル孔として機能する。研磨パッド1は、これら孔50A,50Bに対応する位置に形成された通孔51を有している。孔50A,50Bは通孔51に連通しており、通孔51は、孔50A,50Bの直上に位置している。通孔51は研磨面1aで開口している。センサ孔50Aは液体供給路53に接続されている。この液体供給路53は、ロータリージョイント(図示せず)を介して液体供給源55に連結されている。排水孔50Bは、液体排出路54に連結されている。
光ファイバー48の先端から構成されるセンサヘッド31は、センサ孔50A内に位置しており、ウェーハWの被研磨面の近傍に位置している。センサヘッド31は、研磨ヘッド5に保持されたウェーハWの被研磨面を横切るように配置される。研磨テーブル3が回転するたびにウェーハWの複数の領域に光が照射される。
ウェーハWの研磨中は、液体供給源55からは、透明な液体として水(好ましくは純水)が液体供給路53を介してセンサ孔50Aに供給され、ウェーハWの下面とセンサヘッド31との間の空間を満たす。水は、さらに排水孔50Bに流れ込み、液体排出路54を通じて排出される。研磨液は水と共に排出され、これにより光路が確保される。液体供給路53には、研磨テーブル3の回転に同期して作動するバルブ(図示せず)が設けられている。このバルブは、通孔51の上にウェーハWが位置しないときは水の流れを止める、または水の流量を少なくするように動作する。
ウェーハWの研磨中は、センサヘッド31から光がウェーハWに照射され、センサヘッド31によってウェーハWからの反射光が受光される。光学装置47は、各波長での反射光の強度を所定の波長範囲に亘って測定し、得られた光強度データを処理部32に送る。この光強度データは、ウェーハWの膜厚を反映した光学信号であり、反射光の強度及び対応する波長から構成される。処理部32は、光強度データから波長ごとの光の強度を表わす分光波形を生成し、分光波形にフーリエ変換処理(例えば、高速フーリエ変換処理)を行って周波数スペクトルを生成し、周波数スペクトルからウェーハWの膜厚を決定する。
図3は、図2に示す研磨パッド1の通孔51を上から見た図である。研磨パッド1の通孔51は、楕円形の断面を有している。センサ孔50Aおよび排水孔50Bは互いに隣接しており、研磨テーブル3の回転方向に沿って配列されている。研磨パッド1の通孔51の幅は、センサ孔50Aの幅および排水孔50Bの幅よりも大きく、センサ孔50Aおよび排水孔50Bの開口端は、研磨パッド1の通孔51内に位置している。センサヘッド31は、センサ孔50A内に配置されている。液体供給路53を通じてセンサ孔50Aに供給された水、およびウェーハWの研磨に使用された研磨液(例えばスラリー)は、排水孔50Bを通って排出される。
研磨パッド1は、ウェーハの研磨および研磨パッド1のドレッシングを繰り返し行うにつれて、徐々に摩耗する。したがって、研磨パッド1は消耗品である。研磨パッド1の摩耗がある程度進んだ場合には、新品の研磨パッドに交換される。
図4は、新品の研磨パッド1を備えた研磨パッド積層体60を示す上面図であり、図5は、図4に示す研磨パッド積層体60の裏面図であり、図6は、図4のB−B線断面図である。研磨パッド積層体60は、新品の研磨パッド1と、研磨パッド1の裏面を構成する粘着面1bを覆う剥離シート62を備える。剥離シート62は、紙、樹脂フィルムなど、粘着面1bから容易に剥がすことができる柔軟なシート材から構成されている。研磨パッド1は、研磨テーブル3内に配置されたセンサヘッド31の位置に対応する位置に形成された通孔51を有している。剥離シート62は、研磨パッド1の通孔51と同じ位置にある通孔65を有している。研磨パッド1の通孔51は、剥離シート62の通孔65と一直線上に並んでいる。
剥離シート62は、研磨パッド1と同じ大きさおよび同じ形状を有しており、研磨パッド1の粘着面1bの全体に貼り付けられている。本実施形態では、研磨パッド1および剥離シート62は円形である。剥離シート62は、第1剥離シート62Aおよび第2剥離シート62Bに分割されている。第1剥離シート62Aおよび第2剥離シート62Bは、研磨パッド1の粘着面1bの全体を覆っており、粘着面1bから剥がすことが可能となっている。本実施形態では、第1剥離シート62Aは、三日月形状である。第1剥離シート62Aは、第2剥離シート62Bよりも小さな表面積を有する。第1剥離シート62Aと第2剥離シート62Bは互いに隣接している。一実施形態では、剥離シート62は、3つ以上の剥離シートに分割されてもよい。
剥離シート62の通孔65は、第2剥離シート62Bに形成されている。第2剥離シート62Bには、第2剥離シート62Bの剥離を補助するための3つの剥離補助突起67Bが接続されている。3つの剥離補助突起67Bのうちの1つは、第2剥離シート62Bの内側エッジに接続されており、他の2つの剥離補助突起67Bは、第2剥離シート62Bの両外側エッジにそれぞれ接続されている。ただし、剥離補助突起67Bの配置は、本実施形態に限られない。一実施形態では、3つの剥離補助突起67Bのうちのいずれか1つのみ、またはいずれか2つのみが設けられてもよい。一実施形態では、4つ以上の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bに接続されてもよい。複数の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bの内側エッジに接続されてもよいし、あるいは3つ以上の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bの外側エッジに接続されてもよい。さらに、一実施形態では、剥離補助突起67Bが設けられなくてもよい。
剥離補助突起67Bは、シートまたはテープ形状を有しており、ユーザーが指でつまむことができる程度の大きさを有している。剥離補助突起67Bは、第2剥離シート62Bと一体であってもよく、または接着剤によって第2剥離シート62Bに貼り付けられたテープ材であってもよい。本実施形態では、第1剥離シート62Aには剥離補助突起は接続されていないが、第1剥離シート62Aにも、第1剥離シート62Aの剥離を補助するための剥離補助突起が接続されてもよい。
次に、研磨パッド1の研磨テーブル3への貼り付け作業について、図7のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1では、ユーザーは、第1剥離シート62Aを研磨パッド1の粘着面(裏面)1bから剥がす。
ステップ2では、第2剥離シート62Bが研磨パッド1の粘着面1bを覆ったままの状態で、研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。第1剥離シート62Aは研磨パッド1から剥がされているが、この段階では、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(すなわち第1剥離シート62Aで覆われていた部分)は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに接着されていない。したがって、研磨パッド積層体60は研磨テーブル3上で自由に移動させることが可能である。
ステップ3では、研磨パッド1の通孔51を、研磨テーブル3内のセンサヘッド31に位置合わせする。
ステップ4では、研磨パッド1の通孔51がセンサヘッド31に位置合わせされた状態で、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(すなわち第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに強く押し付け、これによって研磨パッド1の粘着面1bの一部を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
ステップ5では、ユーザーは、剥離補助突起67Bを指でつまみ、第2剥離シート62Bを研磨パッド1の粘着面1bから剥がす。剥離補助突起67Bは第2剥離シート62Bのエッジに接続されているので、このエッジを起点として第2剥離シート62Bを容易に剥がすことができる。
ステップ6では、研磨パッド1の粘着面1bの残りの部分を、研磨テーブル3のパッド支持面3bに強く押し付け、これによって研磨パッド1の粘着面1bの全体が研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付けられる。
本実施形態によれば、表面積の小さい第1剥離シート62Aが剥がされた状態で、研磨パッド1の研磨テーブル3に対する位置の調整が行われる。研磨パッド積層体60は研磨テーブル3上で比較的自由に動かせることができるので、研磨パッド1の通孔51を、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に精密に位置合わせすることができる。特に、本実施形態によれば、通孔51の位置合わせ作業時には通孔51の周りの粘着層1bは第2剥離シート62Bで覆われたままであるので、通孔51の位置の微調整が容易である。さらに、研磨パッド1の通孔51とセンサヘッド31との位置合わせが完了した後、直ちに、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3に押し付けることで、研磨パッド1の研磨テーブル3に対する相対位置を固定することができる。
研磨パッド1の通孔51をセンサヘッド31に位置合わせする作業を容易にするため、および位置合わせの精度を向上させるために、一実施形態では、図8Aおよび図8Bに示す位置決め構造体75が使用される。図8Aは、研磨パッド1の研磨テーブル3に対する位置決めに使用される位置決め構造体75の側面図であり、図8Bは、図8Aに示す位置決め構造体75の底面図である。位置決め構造体75は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに形成されているテーブル孔としての排水孔50B(図2参照)に挿入可能に構成された第1位置決め突起77と、第1位置決め突起77に固定された第2位置決め突起78を備えている。第2位置決め突起78は、第1位置決め突起77の上側に位置している。
位置決め構造体75は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに着脱可能に取り付けられる。位置決め構造体75は、研磨テーブル3に対する研磨パッド1の位置決めをするための研磨パッド位置決め治具の少なくとも一部を構成する。
図9は、第1位置決め突起77が研磨テーブル3の排水孔50Bに挿入された状態の位置決め構造体75を示す断面図である。第1位置決め突起77は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに形成されたテーブル孔としての排水孔50Bに挿入可能な断面を有している。第1位置決め突起77の長さは、排水孔50Bよりも短く、第1位置決め突起77の全体が排水孔50B内に挿入可能となっている。本実施形態では、第1位置決め突起77は、ピン形状を有している。ただし、第1位置決め突起77の形状および長さは、本実施形態に限定されず、パッド支持面3bに形成されたテーブル孔の形状および長さに基づいて決定される。
本実施形態では、第1位置決め突起77の断面は、第2位置決め突起78の断面よりも小さい。テーブル孔の断面が大きい場合は、第1位置決め突起77の断面は、第2位置決め突起78の断面と同じ形状および同じ大きさを有してもよい。さらに、一実施形態では、第1位置決め突起77の断面は、第2位置決め突起78の断面よりも大きくてもよい。
第1位置決め突起77が排水孔50B内に配置されているとき、第2位置決め突起78は研磨テーブル3のパッド支持面3bから上方に突出している。第2位置決め突起78は、研磨パッド1の通孔51の断面形状に対応する断面形状を有している。本実施形態では、研磨パッド1の通孔51の断面は楕円形であるので、第2位置決め突起78の断面は、研磨パッド1の通孔51の断面よりもわずかに小さい楕円形である。第2位置決め突起78の中心軸線CLに沿った該第2位置決め突起78の長さHは、研磨パッド1の厚さ以上である。
研磨パッド1は、研磨パッド位置決め治具としての位置決め構造体75を用いて、次のように研磨テーブル3に貼り付けられる。まず、図10に示すように、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。次に、図11Aおよび図11B、並びに図9に示すように、位置決め構造体75の第1位置決め突起77を、研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65を通して研磨テーブル3の排水孔50Bに挿入し、さらに、第2位置決め突起78を研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65に挿入する。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
次に、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。その後、位置決め構造体75を研磨テーブル3および研磨パッド1から取り外す。さらに、第2剥離シート62Bを研磨パッド1から剥がし、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
本実施形態によれば、位置決め構造体75の第2位置決め突起78を研磨パッド1の通孔51に挿入することで、研磨テーブル3に対する研磨パッド1の位置決めが完了する。よって、研磨パッド1の貼り付け作業が容易となる。
一実施形態では、研磨パッド1を研磨テーブル3上に置く前に、位置決め構造体75を研磨テーブル3に取り付けてもよい。具体的には、まず、位置決め構造体75の第1位置決め突起77を、研磨テーブル3の排水孔50Bに挿入する。次に、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。このとき、第2位置決め突起78を研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65に挿入する。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。次に、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。その後、位置決め構造体75を研磨テーブル3および研磨パッド1から取り外す。さらに、第2剥離シート62Bを研磨パッド1から剥がし、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
図12は、研磨パッド位置決め治具の他の実施形態を示す斜視図であり、図13は、図12に示す研磨パッド位置決め治具の正面図であり、図14は、図13のC−C線断面図である。本実施形態では、研磨パッド位置決め治具80は、位置決め構造体75の第2位置決め突起78を支持する支持構造体83を備えている。支持構造体83は、第1位置決め突起77が研磨テーブル3の排水孔50Bに挿入されているときに、位置決め構造体75の全体が倒れることを防止するための構造体である。第1位置決め突起77の全体および第2位置決め突起78の下部は、支持構造体83の底面83aから下方に突出している。
位置決め構造体75の姿勢を安定させるために、支持構造体83の底面83aは、第2位置決め突起78の中心軸線CL(図14参照)に対して垂直である。本実施形態では、支持構造体83は十字形状を有している。ただし、支持構造体83の底面83aが第2位置決め突起78の中心軸線CLに対して垂直であれば、支持構造体83の全体は平板、円盤などの他の形状を有してもよい。本実施形態では、支持構造体83の上部に取っ手86が付いている。
図14に示すように、支持構造体83は、その底面83aと垂直に延びる縦穴83bを有している。第2位置決め突起78の上部は縦穴83b内に収容されている。第2位置決め突起78は、第2位置決め突起78の中心軸線CLに沿って移動可能に支持構造体83に支持されている。研磨パッド位置決め治具80は、第2位置決め突起78と支持構造体83との間に配置されたばね88を備えている。このばね88は、縦穴83b内に配置されており、位置決め構造体75を、第2位置決め突起78の中心軸線CLの延びる方向に付勢するように構成されている。ばね88が位置決め構造体75を、第2位置決め突起78の中心軸線CLの延びる方向に付勢することができるのであれば、ばね88の構造および位置は、本実施形態に限定されない。本実施形態では、第2位置決め突起78の中心軸線CLの延びる方向は、第1位置決め突起77の長手方向と平行である。
図12に示す研磨パッド位置決め治具80は、次のように用いられる。まず、図15に示すように、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。次に、図16Aおよび図16Bに示すように、研磨パッド位置決め治具80を研磨パッド1上に置く。このとき、図17に示すように、第1位置決め突起77を、研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65を通して研磨テーブル3の排水孔50Bに挿入し、さらに、第2位置決め突起78を研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65に挿入する。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
次に、研磨パッド位置決め治具80の支持構造体83で研磨パッド1を研磨テーブル3に対して押し付けながら、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。研磨パッド位置決め治具80を研磨パッド1の上面(研磨面)1aに押し付けるとき、支持構造体83はばね88の力に抗って移動し、支持構造体83の底面83aが研磨パッド1の上面(研磨面)1aに接触する。したがって、第1位置決め突起77が排水孔50Bに挿入されたまま、研磨パッド位置決め治具80の支持構造体83は、研磨パッド1を研磨テーブル3に押し付けることができる。
研磨パッド1の粘着面1bの露出部分を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付けた後、研磨パッド位置決め治具80を研磨テーブル3および研磨パッド1から取り外す。さらに、第2剥離シート62Bを研磨パッド1から剥がし、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
図18Aおよび図18Bは、研磨パッド位置決め治具80のさらに他の実施形態を示す斜視図である。この研磨パッド位置決め治具80は、位置決め構造体75が着脱可能に取り付けられる板状の支持構造体83を備えている。図18Aに示すように、この支持構造体83の一方側のエッジにはスリット83cが形成されている。このスリット83cは、位置決め構造体75の第2位置決め突起78が係合可能な形状を有している。第2位置決め突起78をスリット83c内にスライドさせることで、図18Bに示すように、位置決め構造体75が支持構造体83に取り付けられる。支持構造体83の反対側のエッジには紐90が接続されている。
図18Aおよび図18Bに示す研磨パッド位置決め治具80は、次のように用いられる。まず、図19Aおよび図19Bに示すように、研磨パッド位置決め治具80の第1位置決め突起77を、研磨テーブル3の排水孔50Bに挿入しつつ、支持構造体83の底面83aを研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。次に、図20に示すように、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を、研磨テーブル3のパッド支持面3bおよび支持構造体83上に置く。このとき、図21に示すように、第2位置決め突起78を、研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65に挿入する。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
次に、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。紐90を図20に示す矢印の方向に引っ張って、支持構造体83を研磨テーブル3から引き抜き、図22に示すように、位置決め構造体75を研磨テーブル3上に残す。次に、位置決め構造体75を研磨テーブル3および研磨パッド1から取り外す。さらに、第2剥離シート62Bを研磨パッド1から剥がし、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
一実施形態では、次のようにして図18Aおよび図18Bに示す研磨パッド位置決め治具80を用いてもよい。まず、図23に示すように、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を、研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。次に、図24に示すように、研磨パッド位置決め治具80を研磨パッド1上に置く。このとき、図25に示すように、第1位置決め突起77を、研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65を通して研磨テーブル3の排水孔50Bに挿入し、さらに、第2位置決め突起78を研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65に挿入する。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
次に、研磨パッド位置決め治具80の支持構造体83で研磨パッド1を研磨テーブル3に対して押し付けながら、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。その後、研磨パッド位置決め治具80を研磨テーブル3から取り外す。さらに、第2剥離シート62Bを研磨パッド1から剥がし、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
図26Aは、研磨パッド積層体60の他の実施形態を示す上面図であり、図26Bは、図26Aに示す研磨パッド積層体60の裏面図である。特に説明しない構成は、図4乃至図6を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、剥離シート62は、第1剥離シート62Aと、第2剥離シート62Bと、第3剥離シート62Cに分割されている。第1剥離シート62Aは、研磨パッド1の中央に位置し、かつ、研磨パッド1の一方側から反対側まで延びている。第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cは、第1剥離シート62Aを挟むように配置されている。第1剥離シート62Aは帯状であり、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cは、半月状である。第1剥離シート62Aの表面積は、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cの表面積よりも小さい。本実施形態では、研磨パッド1の通孔51は、第1剥離シート62Aで覆われている。第1剥離シート62A、第2剥離シート62B、および第3剥離シート62Cを含む剥離シート62には、通孔51に連通する通孔は形成されていない。一実施形態では、通孔51に連通する通孔が剥離シート62に形成されてもよい。
第2剥離シート62Bには、3つの剥離補助突起67Bが接続されている。3つの剥離補助突起67Bのうちの1つは、第2剥離シート62Bの内側エッジに接続されており、他の2つの剥離補助突起67Bは、第2剥離シート62Bの両外側エッジにそれぞれ接続されている。ただし、剥離補助突起67Bの配置は、本実施形態に限られない。一実施形態では、3つの剥離補助突起67Bのうちのいずれか1つのみ、またはいずれか2つのみが設けられてもよい。一実施形態では、4つ以上の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bに接続されてもよい。複数の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bの内側エッジに接続されてもよいし、あるいは3つ以上の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bの外側エッジに接続されてもよい。さらに、一実施形態では、剥離補助突起67Bが設けられなくてもよい。
第3剥離シート62Cには、3つの剥離補助突起67Cが接続されている。3つの剥離補助突起67Cのうちの1つは、第3剥離シート62Cの内側エッジに接続されており、他の2つの剥離補助突起67Cは、第3剥離シート62Cの両外側エッジにそれぞれ接続されている。ただし、剥離補助突起67Cの配置は、本実施形態に限られない。一実施形態では、3つの剥離補助突起67Cのうちのいずれか1つのみ、またはいずれか2つのみが設けられてもよい。一実施形態では、4つ以上の剥離補助突起67Cが第3剥離シート62Cに接続されてもよい。複数の剥離補助突起67Cが第3剥離シート62Cの内側エッジに接続されてもよいし、あるいは3つ以上の剥離補助突起67Cが第3剥離シート62Cの外側エッジに接続されてもよい。さらに、一実施形態では、剥離補助突起67Cが設けられなくてもよい。
本実施形態では、第1剥離シート62Aには剥離補助突起は接続されていないが、第1剥離シート62Aにも、第1剥離シート62Aの剥離を補助するための剥離補助突起が接続されてもよい。
研磨パッド1の貼り付けは、図7に示すフローチャートと同様に行われる。すなわち、ユーザーは、第1剥離シート62Aを研磨パッド1の粘着面1bから剥がす。第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cが研磨パッド1の粘着面1bを覆ったままの状態で、研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。第1剥離シート62Aは研磨パッド1から剥がされているが、この段階では、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに接着されていない。
本実施形態では、研磨パッド1の通孔51の周りは粘着面1bが露出しているが、粘着面1bの露出面積は小さく、かつ粘着面1bの露出部分は、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cの間に位置している。結果として、研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置いたときであっても、粘着面1bの露出部分はパッド支持面3bに接触しにくい。したがって、研磨パッド積層体60を研磨テーブル3上で自由に移動させることが可能である。
次に、研磨パッド1の通孔51を、研磨テーブル3内に配置されたセンサヘッド31に位置合わせする。上述したように、研磨パッド積層体60は研磨テーブル3上で自由に移動させることが可能であるので、研磨パッド1の通孔51をセンサヘッド31に精密に位置合わせすることができる。研磨パッド1の通孔51がセンサヘッド31に位置合わせされた状態で、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分を研磨テーブル3のパッド支持面3bに強く押し付け、これによって研磨パッド1の粘着面1bの一部を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。結果として、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。
ユーザーは、剥離補助突起67Bを指でつまみ、第2剥離シート62Bを研磨パッド1の粘着面1bから剥がす。研磨パッド1の粘着面1bの新たな露出部分は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに強く押し付けられる。さらに、ユーザーは、剥離補助突起67Cを指でつまみ、第3剥離シート62Cを研磨パッド1の粘着面1bから剥がす。そして、研磨パッド1の粘着面1bの残りの部分を、研磨テーブル3のパッド支持面3bに強く押し付け、これによって研磨パッド1の粘着面1bの全体が研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付けられる。一実施形態では、第3剥離シート62Cを研磨パッド1の粘着面1bから剥がし、その後、第2剥離シート62Bを研磨パッド1の粘着面1bから剥がしてもよい。
図27Aは、研磨パッド積層体60のさらに他の実施形態を示す上面図であり、図27Bは、図27Aに示す研磨パッド積層体60の裏面図である。特に説明しない構成は、図4乃至図6を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。剥離シート62は、第1剥離シート62Aと、第2剥離シート62Bと、第3剥離シート62Cに分割されている。本実施形態では、研磨パッド1の通孔51は、第1剥離シート62Aで覆われている。第1剥離シート62A、第2剥離シート62B、および第3剥離シート62Cを含む剥離シート62には、通孔51に連通する通孔は形成されていない。一実施形態では、通孔51に連通する通孔が剥離シート62に形成されてもよい。
第1剥離シート62Aは、矩形状を有している。第1剥離シート62Aの全体は、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cによって囲まれている。第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cは、半月状である。第1剥離シート62Aの表面積は、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cの表面積よりも小さい。
第2剥離シート62Bには、3つの剥離補助突起67Bが接続されている。3つの剥離補助突起67Bのうちの1つは、第2剥離シート62Bの内側エッジに接続されており、他の2つの剥離補助突起67Bは、第2剥離シート62Bの両外側エッジにそれぞれ接続されている。ただし、剥離補助突起67Bの配置は、本実施形態に限られない。一実施形態では、3つの剥離補助突起67Bのうちのいずれか1つのみ、またはいずれか2つのみが設けられてもよい。一実施形態では、4つ以上の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bに接続されてもよい。複数の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bの内側エッジに接続されてもよいし、あるいは3つ以上の剥離補助突起67Bが第2剥離シート62Bの外側エッジに接続されてもよい。さらに、一実施形態では、剥離補助突起67Bが設けられなくてもよい。
第3剥離シート62Cには、3つの剥離補助突起67Cが接続されている。3つの剥離補助突起67Cのうちの1つは、第3剥離シート62Cの内側エッジに接続されており、他の2つの剥離補助突起67Cは、第3剥離シート62Cの両外側エッジにそれぞれ接続されている。ただし、剥離補助突起67Cの配置は、本実施形態に限られない。一実施形態では、3つの剥離補助突起67Cのうちのいずれか1つのみ、またはいずれか2つのみが設けられてもよい。一実施形態では、4つ以上の剥離補助突起67Cが第3剥離シート62Cに接続されてもよい。複数の剥離補助突起67Cが第3剥離シート62Cの内側エッジに接続されてもよいし、あるいは3つ以上の剥離補助突起67Cが第3剥離シート62Cの外側エッジに接続されてもよい。さらに、一実施形態では、剥離補助突起67Cが設けられなくてもよい。
本実施形態では、第1剥離シート62Aには剥離補助突起は接続されていないが、第1剥離シート62Aにも、第1剥離シート62Aの剥離を補助するための剥離補助突起が接続されてもよい。
研磨パッド1の貼り付けは、図26Aおよび図26Bに示す実施形態と同じようにして行われるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態でも、研磨パッド1の通孔51の周りは粘着面1bが露出しているが、粘着面1bの露出面積は小さく、かつ粘着面1bの露出部分の全体は、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cによって囲まれている。結果として、研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置いたときに、粘着面1bの露出部分はパッド支持面3bに接触しにくい。したがって、研磨パッド積層体60は研磨テーブル3上で自由に移動させることが可能である。
図8Aおよび図8Bに示す研磨パッド位置決め治具としての位置決め構造体75、図12に示す研磨パッド位置決め治具80、および図18Aおよび図18Bに示す研磨パッド位置決め治具80は、図26Aおよび図26Bに示す研磨パッド1、および図27Aおよび図27Bに示す研磨パッド1を研磨テーブル3に貼り付ける際に使用することができる。
上述した実施形態では、研磨テーブル3内に1つのセンサヘッド31のみが設けられているが、図28に示すような、複数のセンサヘッド31が配置された研磨テーブル3を備えた研磨装置にも本発明を適用することができる。図28に示す実施形態では、2つのセンサヘッド31が配置されているが、研磨装置は3つ以上のセンサヘッド31を備えてもよく、研磨パッド1は3つ以上の通孔51を備えてもよい。
図29Aは、2つのセンサヘッド31が配置された研磨テーブル3に使用される研磨パッド積層体60の一実施形態を示す上面図であり、図29Bは、図29Aに示す研磨パッド積層体60の裏面図である。特に説明しない構成は、図4乃至図6を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図29Aに示すように、研磨パッド1は、2つのセンサヘッド31に対応して2つの通孔51を有する。これら2つの通孔51の位置は、研磨テーブル3内の2つのセンサヘッド31の位置に対応する。さらに、図29Bに示すように、剥離シート62は、研磨パッド1の通孔51と同じ位置に2つの通孔65を有する。
図29Aに示す研磨パッド1の貼り付けは、2つの位置決め構造体75を備えた研磨パッド位置決め治具を用いて行われる。より具体的には、図29Aに示す研磨パッド1の貼り付けは、図7に示すフローチャート、または図10乃至図11Bを参照して説明した実施形態、または図15乃至図17を参照して説明した実施形態、または図19A乃至図22、または図23乃至図25を参照して説明した実施形態と同じようにして行われる。
図30は、図29Aおよび図29Bに示す研磨パッド積層体60に適した研磨パッド位置決め治具80の一実施形態を示す斜視図であり、図31は、図30に示す研磨パッド位置決め治具80の正面図であり、図32は、図31のD−D線断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図12乃至図14を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態の研磨パッド位置決め治具80は、2つの位置決め構造体75を備えている。これらの位置決め構造体75の位置は、研磨テーブル3内に設置された2つのセンサヘッド31の位置に対応する。本実施形態の研磨パッド位置決め治具80の使用方法は、図15乃至図17を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図33Aおよび図33Bは、図29Aおよび図29Bに示す研磨パッド積層体60に適した研磨パッド位置決め治具80の他の実施形態を示す斜視図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図18Aおよび図18Bを参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態の研磨パッド位置決め治具80は、支持構造体83に着脱可能に取り付けられた2つの位置決め構造体75を備えている。より具体的には、支持構造体83の一方側のエッジには、位置決め構造体75の第2位置決め突起78が係合する2つのスリット83cが形成されている。各位置決め構造体75の第2位置決め突起78をスリット83cにスライドさせることで、図33Bに示すように、2つの位置決め構造体75が支持構造体83に取り付けられる。本実施形態の研磨パッド位置決め治具80の使用方法は、図19A乃至図22を参照して説明した実施形態、または図23乃至図25を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図34は、図29Aおよび図29Bに示す研磨パッド積層体60に適した研磨パッド位置決め治具80の他の実施形態を示す斜視図であり、図35は、図34に示す研磨パッド位置決め治具80の正面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図33Aおよび図33Bを参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態の研磨パッド位置決め治具80は、2つの位置決め構造体75の第2位置決め突起78をそれぞれ支持するための2つの台座93と、これらの台座93の間を延びる棒94とを有した取っ手86を備えている。棒94の両端は2つの台座93にそれぞれ固定されている。各台座93は、その底面に垂直に延びる縦孔93aが形成されており、対応する第2位置決め突起78は縦孔93aに嵌合可能となっている。図35に示すように、取っ手86は、研磨パッド積層体60の上に置かれ、研磨パッド積層体60の通孔51を通って延びる第2位置決め突起78の上部は、台座93の縦孔93a内に挿入される。
図34に示す研磨パッド位置決め治具80は、次のようにして使用される。まず、図36Aおよび図36Bに示すように、研磨パッド位置決め治具80の第1位置決め突起77を、研磨テーブル3の排水孔50Bに挿入しつつ、支持構造体83の底面83aを研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。次に、図37に示すように、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を、研磨テーブル3のパッド支持面3bおよび支持構造体83上に置く。このとき、第2位置決め突起78を研磨パッド1の通孔51および第2剥離シート62Bの通孔65に挿入する(図21参照)。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。図38に示すように、取っ手86を位置決め構造体75に取り付ける。より具体的には、研磨パッド積層体60から上方に突き出した第2位置決め突起78を台座93の縦孔93a(図35参照)に挿入する。位置決め構造体75が倒れないように取っ手86を研磨パッド積層体60に押し付けながら、紐90を図38に示す矢印の方向に引っ張って、支持構造体83を研磨テーブル3から引き抜く。次に、取っ手86および位置決め構造体75を研磨パッド積層体60から取り外す。さらに、第2剥離シート62Bを研磨パッド1から剥がし、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
図39Aは、2つのセンサヘッド31が配置された研磨テーブル3に使用される研磨パッド積層体60の他の実施形態を示す上面図であり、図39Bは、図39Aに示す研磨パッド積層体60の裏面図である。特に説明しない構成は、図26Aおよび図26Bを参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図39Aに示すように、研磨パッド1は、2つのセンサヘッド31に対応して2つの通孔51を有する。これら2つの通孔51の位置は、研磨テーブル3内の2つのセンサヘッド31の位置に対応する。図39Bに示すように、剥離シート62は、第1剥離シート62Aと、第2剥離シート62Bと、第3剥離シート62Cに分割されている。
図40Aは、2つのセンサヘッド31が配置された研磨テーブル3に使用される研磨パッド積層体60のさらに他の実施形態を示す上面図であり、図40Bは、図40Aに示す研磨パッド積層体60の裏面図である。特に説明しない構成は、図27Aおよび図27Bを参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図40Aに示すように、研磨パッド1は、2つのセンサヘッド31に対応して2つの通孔51を有する。これら2つの通孔51の位置は、研磨テーブル3内の2つのセンサヘッド31の位置に対応する。図40Bに示すように、剥離シート62は、2つの第1剥離シート62Aと、第2剥離シート62Bと、第3剥離シート62Cに分割されている。
図30に示す研磨パッド位置決め治具80、図33Aおよび図33Bに示す研磨パッド位置決め治具80、および図34および図35に示す研磨パッド位置決め治具80は、図39Aに示す研磨パッド1、および図40Aに示す研磨パッド1を研磨テーブル3のパッド支持面3bへの貼り付けに使用することができる。
研磨パッド1の通孔51の数および位置は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31の数および位置に基づいて決定される。センサヘッド31の数および位置は、上述した実施形態に限定されない。一実施形態では、センサヘッド31は3つ以上配置されてもよい。研磨パッド1の通孔51もセンサヘッド31と同じ位置に同じ数だけ形成される。例えば、図41A,図41B,図42A,図42B,図43A,図43Bに示すように、研磨パッド1は3つの通孔51を備えてもよい。さらに、研磨パッド1の通孔51の数は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31の数よりも多くてもよい。例えば、3つの通孔51を有する研磨パッド1を、2つのセンサヘッド31が配置された研磨テーブル3に貼り付けてもよい。
図44Aは、位置決め構造体75の他の実施形態を示す斜視図であり、図44Bは、図44Aに示す位置決め構造体75の側面図であり、図44Cは、図44Aに示す位置決め構造体75の底面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図8A,図8B、および図9を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
位置決め構造体75は、第2位置決め突起78の上部に接続された第3位置決め突起100を有している。第3位置決め突起100は、円柱形状を有しており、第2位置決め突起78と同心状である。すなわち、第3位置決め突起100の中心軸線は、第2位置決め突起78の中心軸線CLに一致する。一実施形態では、第3位置決め突起100は、第2位置決め突起78と同じ断面形状を有してもよい。第2位置決め突起78の中心軸線CLに沿った第3位置決め突起100の長さは、第2位置決め突起78の長さよりも大きく、かつ第1位置決め突起77の長さよりも大きい。
第3位置決め突起100は、第2位置決め突起78の中心軸線CLに対する第1位置決め突起77の位置を示す目印102を有している。本実施形態では、目印102は、第3位置決め突起100の外周面に形成された切り欠きから構成されているが、目印102の形状は本実施形態に限定されない。例えば、目印102は、第3位置決め突起100の外周面に形成された溝であってもよい。
目印102は、第3位置決め突起100の半径方向において、第1位置決め突起77の外側に位置している。目印102は、第3位置決め突起100の全体に亘って第3位置決め突起100の長手方向に延びている。第1位置決め突起77は、第2位置決め突起78の中心軸線CLに対して偏心している。第1位置決め突起77が、研磨テーブルの排水孔50B(例えば図9参照)に挿入されたときに、ユーザーは、第1位置決め突起77の位置を目印102から知ることができる。
第3位置決め突起100は、その外周面に形成された凹部105を有している。本実施形態では、凹部105として、第3位置決め突起100を貫通する横孔の一部から構成されているが、凹部105の形状は本実施形態に限定されない。例えば、凹部105を構成する横孔は、第3位置決め突起100を貫通していなくてもよい。他の例では、凹部105は、第3位置決め突起100の外周面の周方向に延びる環状の溝であってもよい。
第1位置決め突起77、第2位置決め突起78、および第3位置決め突起100を含む位置決め構造体75の全体は、ステンレス鋼などの金属から構成されている。本実施形態では、第1位置決め突起77、第2位置決め突起78、および第3位置決め突起100は、一体構造物である。
図45は、図44A乃至図44Cに示す位置決め構造体75を支持するための支持構造体83の一実施形態を示す斜視図であり、図46は図45に示す位置決め構造体75および支持構造体83を斜め下から見た図である。本実施形態の研磨パッド位置決め治具80は、単一の位置決め構造体75と、位置決め構造体75の第3位置決め突起100を支持する単一の支持構造体83を備えている。支持構造体83は、第3位置決め突起100を支持する台座111と、台座111に固定されたブリッジ112と、ブリッジ112の底面に固定された2つの脚部114を備えている。
第1位置決め突起77、第2位置決め突起78、および第3位置決め突起100を含む位置決め構造体75の全体は、台座111に支持されている。一実施形態では、台座111とブリッジ112は一体構造物であってもよい。2つの脚部114は、ブリッジ112の底面の両側に固定されている。各脚部114は、ブリッジ112の底面から下方に突出しており、ブリッジ112の底面は脚部114の底面よりも上方に位置している。脚部114は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂から構成されている。一実施形態では、ブリッジ112と脚部114は一体構造物であってもよい。さらに、一実施形態では、台座111、ブリッジ112、および脚部114は、一体構造物であってもよい。
台座111は、ブリッジ112の上面の中央部に固定されている。2つの脚部114は、互いに離れており、台座111および位置決め構造体75は、2つの脚部114の間に位置している。ブリッジ112の上面の両側にはノブ115が固定されている。これらノブ115は2つの脚部114の上方に位置している。
各脚部114は、平坦な底面114aを有している。2つの脚部114の底面114aは、同一平面内に位置している。これら底面114aは、互いに離れており、位置決め構造体75の第1位置決め突起77および第2位置決め突起78は、2つの底面114aの中間点に位置している。支持構造体83は、脚部114の底面114aに対して垂直に延びる縦孔120を有している。縦孔120は、台座111およびブリッジ112に形成されており、台座111およびブリッジ112を貫通して延びている。
位置決め構造体75の第3位置決め突起100の全体は、縦孔120の直径よりも小さい直径を有している。第3位置決め突起100は、支持構造体83の縦孔120に挿入され、この縦孔120に移動可能に支持されている。位置決め構造体75の全体は、台座111およびブリッジ112を貫通して延びている。
第1位置決め突起77、第2位置決め突起78、および第3位置決め突起100を含む位置決め構造体75の全体は、支持構造体83に対して、上下方向に移動可能である。すなわち、位置決め構造体75は、第1位置決め突起77の長手方向に移動可能に支持構造体83に支持されている。第1位置決め突起77の長手方向は、第2位置決め突起78の中心軸線CL(図44B参照)と平行である。位置決め構造体75は、脚部114の底面114aに垂直な方向(すなわち、第1位置決め突起77の長手方向)に移動可能であるが、脚部114の底面114aと平行な方向への位置決め構造体75の移動は、台座111(すなわち支持構造体83)によって制限されている。したがって、位置決め構造体75の全体は、脚部114の底面114aに垂直な方向にのみ移動することが許容されている。
支持構造体83は、位置決め構造体75の支持構造体83に対する相対位置を固定するストッパ128をさらに備えている。ストッパ128は、第3位置決め突起100の凹部105に挿入可能な係合部129を有している。ストッパ128は、台座111に支持されている。より具体的には、ストッパ128は、位置決め構造体75の第3位置決め突起100に近づく方向および離れる方向に移動可能に台座111に支持されている。
図47は、図45のE−E線断面図である。ストッパ128を第3位置決め突起100に向かって移動させると、ストッパ128の係合部129が第3位置決め突起100の凹部105内に挿入され、これによりストッパ128の係合部129が第3位置決め突起100の凹部105に係合する。位置決め構造体75の支持構造体83に対する相対位置は、ストッパ128と第3位置決め突起100との係合により固定される。
図47から分かるように、脚部114の底面114a(すなわち支持構造体83の底面)から係合部129の上面までの距離L1は、第1位置決め突起77の先端から凹部105の上面までの距離L2よりも長い。したがって、ストッパ128と第3位置決め突起100とが係合しているときの第1位置決め突起77の先端は、脚部114の底面114a(支持構造体83の底面)よりも高い位置にある。このように、ストッパ128は、第1位置決め突起77が支持構造体83の底面よりも下方に突出することを防ぎ、第1位置決め突起77が曲がってしまったり、折れてしまうことを防止することができる。
図48に示すように、ストッパ128を第3位置決め突起100から離れる方向に移動させると、ストッパ128の係合部129は第3位置決め突起100の凹部105から外れる。これによりストッパ128と第3位置決め突起100との係合が解除され、位置決め構造体75の全体は、支持構造体83に対して移動可能となる。
次に、図44乃至図48を参照して説明した研磨パッド位置決め治具80を用いて、研磨パッド1を研磨テーブル3に貼り付ける作業の一例について説明する。この例では、図39Aおよび図39Bに示す実施形態の研磨パッド積層体60が用いられるが、本実施形態に係る研磨パッド位置決め治具80は、他のタイプの研磨パッド積層体を研磨テーブル3に貼り付ける作業にも使用することができる。
以下に説明する研磨パッド積層体60は、剥離補助突起を備えていないが、図39Aおよび図39Bに示す剥離補助突起67B,67Cを第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cにそれぞれ接続してもよい。
まず、図49に示すように、第1剥離シート62Aを研磨パッド1の粘着面1bから剥がし、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cはそのまま研磨パッド1の粘着面1b上に残す。図50に示すように、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。この段階では、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(すなわち第1剥離シート62Aで覆われていた部分)は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに接着されていない。したがって、研磨パッド積層体60は研磨テーブル3上で自由に移動させることが可能である。
次に、図51Aおよび図51B、並びに図52に示すように、位置決め構造体75の第1位置決め突起77を、研磨パッド1の2つの通孔51のうちの一方を通して研磨テーブル3の排水孔(テーブル孔)50Bに挿入し、さらに、第2位置決め突起78を研磨パッド1の上記通孔51に挿入する。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
第3位置決め突起100は、研磨パッド積層体60の上方に位置している。ユーザーは、第3位置決め突起100に形成されている目印102に基づいて、第2位置決め突起78の中心軸心CL(図52参照)に対する第1位置決め突起77の相対的な位置を確認することができる。
次に、図53Aおよび図53Bに示すように、研磨テーブル3上に自立する位置決め構造体75の第3位置決め突起100を、支持構造体83の縦孔120に挿入する。ストッパ128は、第3位置決め突起100に接触しない位置にある。位置決め構造体75の第3位置決め突起100の全体は、縦孔120の直径よりも小さい直径を有しているので、研磨テーブル3に自立する位置決め構造体75の第3位置決め突起100を、支持構造体83の縦孔120に挿入することができる。位置決め構造体75は、支持構造体83によって支持され、研磨パッド積層体60の位置調整時に位置決め構造体75が傾いてしまうことを防止することができる。
図53Bに示すように、支持構造体83の2つの脚部114の間の距離L3は、第1剥離シート62A(図49参照)の幅よりも大きい。2つの脚部114は、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)から離れた位置に配置される。言い換えれば、2つの脚部114は、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bを覆う第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cの上方に配置される。このような位置に置かれた支持構造体83は、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)が研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付いてしまうことを防止することができる。ユーザーは、支持構造体83で位置決め構造体75を支持しながら、研磨パッド積層体60の位置の微調整を行うことができる。
次に、図54Aおよび図54B、並びに図52に示すように、別の位置決め構造体75の第1位置決め突起77を、研磨パッド1の2つの通孔51のうちの他方を通して研磨テーブル3の別の排水孔(テーブル孔)50Bに挿入し、さらに、第2位置決め突起78を研磨パッド1の上記他方の通孔51に挿入する。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
次に、図55Aおよび図55Bに示すように、研磨テーブル3上に自立する位置決め構造体75の第3位置決め突起100を、別の支持構造体83の縦孔120に挿入する。ストッパ128は、第3位置決め突起100に接触しない位置にある。先に配置された支持構造体83と同様に、支持構造体83の2つの脚部114は、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)から離れた位置に配置される。
次に、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。その後、2つの支持構造体83および2つの位置決め構造体75を研磨テーブル3および研磨パッド1から取り外す。さらに、図56に示すように、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cを研磨パッド1から剥がし、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
本実施形態によれば、各位置決め構造体75は、各支持構造体83に支持される。このような単一の位置決め構造体75と単一の支持構造体83との組み合わせは、研磨テーブル3に形成された複数の排水孔(テーブル孔)50Bの配置の多様性に柔軟である。例えば、排水孔(テーブル孔)50Bの配置が本実施形態とは異なる研磨テーブルに研磨パッドを貼り付ける場合にも、本実施形態の2つの支持構造体83および2つの位置決め構造体75の組み合わせを使用することができる。3つの通孔を持つ研磨パッドを3つの排水孔(テーブル孔)を備えた研磨テーブルに貼り付ける場合には、3組の位置決め構造体75と支持構造体83が使用される。
図57Aは、位置決め構造体75の他の実施形態を示す斜視図であり、図57Bは、図57Aに示す位置決め構造体75の側面図であり、図57Cは、図57Aに示す位置決め構造体75の底面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図44A乃至図44Cを参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
第3位置決め突起100は、その上部にフランジ130を有している。このフランジ130は、位置決め構造体75が支持構造体83から落下してしまうことを防止するために設けられている。
図58は、図57A乃至図57Cに示す位置決め構造体75を支持するための支持構造体83の一実施形態を示す斜視図であり、図59は図58に示す位置決め構造体75および支持構造体83を斜め下から見た図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図45および図46を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態の研磨パッド位置決め治具80は、2つの位置決め構造体75と、これら2つ位置決め構造体75のそれぞれの第3位置決め突起100を支持する単一の支持構造体83を備えている。支持構造体83は、2つの第3位置決め突起100を支持する台座111と、台座111に固定されたブリッジ112と、ブリッジ112の底面に固定された2つの脚部114を備えている。
第1位置決め突起77、第2位置決め突起78、および第3位置決め突起100を含む各位置決め構造体75の全体は、台座111に支持されている。2つの位置決め構造体75は、台座111の両端に位置している。台座111は、ブリッジ112の上面に固定されており、ブリッジ112の両側から突出している。2つの脚部114は、互いに離れており、台座111および位置決め構造体75は、2つの脚部114の間に位置している。台座111の上面には取っ手132が固定されている。
支持構造体83は、脚部114の底面114aに対して垂直に延びる2つの縦孔120を有している。これら縦孔120は台座111の両端に位置しており、台座111を貫通して延びている。位置決め構造体75の第3位置決め突起100は、2つの縦孔120にそれぞれ挿入され、これら縦孔120に移動可能に支持されている。各位置決め構造体75の全体は、台座111を貫通して延びている。第1位置決め突起77、第2位置決め突起78、および第3位置決め突起100を含む各位置決め構造体75は、第1位置決め突起77の長手方向に移動可能に支持構造体83に支持されている。
支持構造体83は、2つの位置決め構造体75の支持構造体83に対する相対位置を固定する2つのストッパ128をさらに備えている。これらストッパ128は、台座111に支持されている。より具体的には、各ストッパ128は、位置決め構造体75の第3位置決め突起100に近づく方向および離れる方向に移動可能に台座111に支持されている。
図60は、図58に示す支持構造体83および位置決め構造体75の断面図である。ストッパ128は、第3位置決め突起100の凹部105に挿入可能な係合部129を有している。ストッパ128を第3位置決め突起100に向かって移動させると、ストッパ128の係合部129が第3位置決め突起100の凹部105内に挿入され、これによりストッパ128の係合部129が第3位置決め突起100の凹部105に係合する。位置決め構造体75の支持構造体83に対する相対位置は、ストッパ128と第3位置決め突起100との係合により固定される。
図60から分かるように、脚部114の底面114a(すなわち支持構造体83の底面)から係合部129の上面までの距離L1は、第1位置決め突起77の先端から凹部105の上面までの距離L2よりも長い。図61に示すように、ストッパ128を第3位置決め突起100から離れる方向に移動させると、ストッパ128の係合部129は第3位置決め突起100の凹部105から外れる。これによりストッパ128と第3位置決め突起100との係合が解除され、位置決め構造体75の全体は、支持構造体83に対して移動可能となる。
第3位置決め突起100は、その上部に形成されたフランジ130を有しており、フランジ130の幅は縦孔120の直径よりも大きい。したがって、このフランジ130は、ストッパ128と第3位置決め突起100との係合が解除されたときに、位置決め構造体75が支持構造体83から落下してしまうことを防止することができる。
次に、図57乃至図61を参照して説明した研磨パッド位置決め治具80を用いて、研磨パッド1を研磨テーブル3に貼り付ける作業の一例について説明する。この例では、図39Aおよび図39Bに示す実施形態の研磨パッド積層体60が用いられるが、本実施形態に係る研磨パッド位置決め治具80は、他のタイプの研磨パッド積層体を研磨テーブル3に貼り付ける作業にも使用することができる。
以下に説明する研磨パッド積層体60は、剥離補助突起を備えていないが、図39Aおよび図39Bに示す剥離補助突起67B,67Cを第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cにそれぞれ接続してもよい。
まず、図49に示すように、第1剥離シート62Aを研磨パッド1の粘着面1bから剥がし、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cはそのまま研磨パッド1の粘着面1b上に残す。図50に示すように、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。この段階では、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(すなわち第1剥離シート62Aで覆われていた部分)は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに接着されていない。したがって、研磨パッド積層体60は研磨テーブル3上で自由に移動させることが可能である。
次に、図62に示すように、ストッパ128が第3位置決め突起100に係合した状態で、2つの位置決め構造体75および1つの支持構造体83を含む研磨パッド位置決め治具80を研磨パッド1上に置く。第1位置決め突起77の先端(下端)は、脚部114の底面114aよりも上方に位置しているので、研磨パッド位置決め治具80は、研磨パッド1上を自由に動くことができる。ユーザーは、研磨パッド1上で研磨パッド位置決め治具80の位置を調整して、2つの位置決め構造体75の第1位置決め突起77および第2位置決め突起78が、研磨パッド1の2つの通孔51の上方に位置するようにする。
支持構造体83の2つの脚部114の間の距離L3は、第1剥離シート62A(図49参照)の幅よりも大きい。2つの脚部114は、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)から離れた位置に配置される。言い換えれば、2つの脚部114は、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bを覆う第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cの上方に配置される。このような位置に置かれた支持構造体83は、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)が研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付いてしまうことを防止することができる。
図63に示すように、2つのストッパ128を第3位置決め突起100から離れる方向に移動させ、位置決め構造体75の第1位置決め突起77を、研磨パッド1の通孔51を通して研磨テーブル3の排水孔(テーブル孔)50Bに挿入し、さらに、第2位置決め突起78を研磨パッド1の上記通孔51に挿入する。
図64は、第1位置決め突起77が研磨テーブル3の排水孔(テーブル孔)50Bに挿入され、かつ第2位置決め突起78が研磨パッド1の通孔51に挿入された状態を示す図である。図64では、支持構造体83の図示は省略されている。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
次に、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。その後、2つの位置決め構造体75および1つの支持構造体83を含む研磨パッド位置決め治具80を研磨テーブル3および研磨パッド1から取り外す。さらに、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cを研磨パッド1から剥がし(図56参照)、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
図65は、図57A乃至図57Cに示す位置決め構造体75を支持するための支持構造体83の他の実施形態を示す斜視図であり、図66は、図65に示す位置決め構造体75および支持構造体83を斜め下から見た図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図45および図46を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態の研磨パッド位置決め治具80は、単一の位置決め構造体75と、位置決め構造体75の第3位置決め突起100を支持する単一の支持構造体83を備えている。支持構造体83は、第3位置決め突起100を支持する台座111と、台座111に固定されたブリッジ112と、ブリッジ112の底面に固定された2つの脚部114を備えている。
第1位置決め突起77、第2位置決め突起78、および第3位置決め突起100を含む位置決め構造体75の全体は、台座111に支持されている。2つの脚部114は、ブリッジ112の底面の両側に固定されている。各脚部114は、ブリッジ112の底面から下方に突出しており、ブリッジ112の底面は脚部114の底面114aよりも上方に位置している。台座111は、ブリッジ112の上面の中央部に固定されている。2つの脚部114は、互いに離れており、台座111および位置決め構造体75は、2つの脚部114の間に位置している。
各脚部114は、平坦な底面114aを有している。2つの脚部114の底面114aは、同一平面内に位置している。これら底面114aは、互いに離れており、位置決め構造体75の第1位置決め突起77および第2位置決め突起78は、2つの底面114aの中間点に位置している。支持構造体83は、脚部114の底面114aに対して垂直に延びる縦孔120を有している。縦孔120は、台座111およびブリッジ112に形成されており、台座111およびブリッジ112を貫通して延びている。
第3位置決め突起100は、その上部に形成されたフランジ130を有しており、フランジ130の幅は縦孔120の直径よりも大きい。第3位置決め突起100は、支持構造体83の縦孔120に挿入され、この縦孔120に移動可能に支持されている。位置決め構造体75の全体は、台座111およびブリッジ112を貫通して延びている。
第1位置決め突起77、第2位置決め突起78、および第3位置決め突起100を含む位置決め構造体75の全体は、支持構造体83に対して、上下方向に移動可能である。すなわち、位置決め構造体75は、第1位置決め突起77の長手方向に移動可能に支持構造体83に支持されている。
図67は、図65のF−F線断面図である。ストッパ128を第3位置決め突起100に向かって移動させると、ストッパ128の係合部129が第3位置決め突起100の凹部105内に挿入され、これによりストッパ128の係合部129が第3位置決め突起100の凹部105に係合する。位置決め構造体75の支持構造体83に対する相対位置は、ストッパ128と第3位置決め突起100との係合により固定される。
図67から分かるように、脚部114の底面114a(すなわち支持構造体83の底面)から係合部129の上面までの距離L1は、第1位置決め突起77の先端から凹部105の上面までの距離L2よりも長い。したがって、ストッパ128と第3位置決め突起100とが係合しているときの第1位置決め突起77の先端は、脚部114の底面114a(支持構造体83の底面)よりも高い位置にある。このように、ストッパ128は、第1位置決め突起77が支持構造体83の底面よりも下方に突出することを防ぎ、第1位置決め突起77が曲がってしまったり、折れてしまうことを防止することができる。
図68に示すように、ストッパ128を第3位置決め突起100から離れる方向に移動させると、ストッパ128の係合部129は第3位置決め突起100の凹部105から外れる。これによりストッパ128と第3位置決め突起100との係合が解除され、位置決め構造体75の全体は、支持構造体83に対して移動可能となる。
次に、図65乃至図68を参照して説明した研磨パッド位置決め治具80を用いて、研磨パッド1を研磨テーブル3に貼り付ける作業の一例について説明する。この例では、図39Aおよび図39Bに示す実施形態の研磨パッド積層体60が用いられるが、本実施形態に係る研磨パッド位置決め治具80は、他のタイプの研磨パッド積層体を研磨テーブル3に貼り付ける作業にも使用することができる。
以下に説明する研磨パッド積層体60は、剥離補助突起を備えていないが、図39Aおよび図39Bに示す剥離補助突起67B,67Cを第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cにそれぞれ接続してもよい。
まず、図49に示すように、第1剥離シート62Aを研磨パッド1の粘着面1bから剥がし、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cはそのまま研磨パッド1の粘着面1b上に残す。図50に示すように、第1剥離シート62Aが剥がされた研磨パッド積層体60を研磨テーブル3のパッド支持面3b上に置く。この段階では、研磨パッド1の粘着面1bの露出部分(すなわち第1剥離シート62Aで覆われていた部分)は、研磨テーブル3のパッド支持面3bに接着されていない。したがって、研磨パッド積層体60は研磨テーブル3上で自由に移動させることが可能である。
次に、図69に示すように、ストッパ128が第3位置決め突起100に係合した状態で、2つの研磨パッド位置決め治具80を研磨パッド1上に置く。各研磨パッド位置決め治具80は、1つの位置決め構造体75と1つの支持構造体83を含む。第1位置決め突起77の先端(下端)は、脚部114の底面114aよりも上方に位置しているので、研磨パッド位置決め治具80は、研磨パッド1上を自由に動くことができる。ユーザーは、研磨パッド1上で研磨パッド位置決め治具80の位置を微調整して、2つの位置決め構造体75のそれぞれの第1位置決め突起77および第2位置決め突起78が、研磨パッド1の2つの通孔51の上方に位置するようにする。
図70に示すように、2つのストッパ128を第3位置決め突起100から離れる方向に移動させ、位置決め構造体75の第1位置決め突起77を、研磨パッド1の通孔51を通して研磨テーブル3の排水孔(テーブル孔)50Bに挿入し、さらに、第2位置決め突起78を研磨パッド1の上記通孔51に挿入する(図64参照)。研磨パッド1の通孔51に挿入された第2位置決め突起78により、研磨パッド1の通孔51は、研磨テーブル3に配置されたセンサヘッド31に位置合わせられる。
次に、研磨パッド1の粘着面(裏面)1bの露出部分(すなわち、第1剥離シート62Aで覆われていた部分)を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。これにより、研磨パッド積層体60の研磨テーブル3に対する相対位置が固定される。その後、2つの位置決め構造体75および1つの支持構造体83を含む研磨パッド位置決め治具80を研磨テーブル3および研磨パッド1から取り外す。さらに、第2剥離シート62Bおよび第3剥離シート62Cを研磨パッド1から剥がし(図56参照)、研磨パッド1の粘着面1bの全体を研磨テーブル3のパッド支持面3bに貼り付ける。
位置決め構造体75の形状は、上述した実施形態に限られない。特に、第1位置決め突起77の形状および大きさは、研磨テーブル3に設けられたテーブル孔に基づいて決定される。例えば、図71に示すように、第1位置決め突起77の断面は、第2位置決め突起78の断面と同じ形状および同じ大きさを有してもよい。さらに、一実施形態では、第1位置決め突起77の断面は、第2位置決め突起78の断面よりも大きくてもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。