JP2019206668A - 樹脂組成物および成形体、ならびに樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物および成形体、ならびに樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特に耐衝撃性に優れた成形体を付与しうる樹脂組成物を提供すること。【解決手段】融点(Tm)が150〜350℃であるエンジニアリングプラスチック(A)60〜95質量部と、熱可塑性エラストマー(B)5〜40質量部とを含み(ただし、(A)と(B)の合計は100質量部とする)、前記熱可塑性エラストマー(B)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)と、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)と、フェノール樹脂系架橋剤(B−III)とを含む組成物の架橋物である、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物および成形体、ならびに樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などのエンジニアリングプラスチックは、優れた耐熱性および耐薬品性を有する。そのため、これらのエンジニアリングプラスチックとガラス繊維などの強化材とを含む成形材料は、自動車部品やエレクトロニクス関連部品などの様々な分野において使用されている。
一方で、エンジニアリングプラスチックの成形体は、耐衝撃性、特にアイゾット衝撃強度が低いという問題があった。
エンジニアリングプラスチックの成形体の耐衝撃性を高める方法として、エンジニアリングプラスチックに、エチレン・プロピレン共重合ゴムを配合することが考えられる。ここで、極性が高いエンジニアリングプラスチックと、極性が低いエチレン・プロピレン共重合ゴムとは、元来、親和性がないため、単にこれらを混合しただけでは、得られる成形体の耐衝撃性を高めることができないだけでなく、層剥離(二相構造の界面での剥離)を生じやすい。そこで、エチレン・プロピレン共重合ゴムにマレイン酸などの酸性基を有するビニル単量体を導入した変性エチレン・プロピレン共重合ゴムを、エンジニアリングプラスチックに配合することが提案されている(例えば特許文献1および2参照)。
特開昭55−44108号公報 特開平2−160813号公報
しかしながら、特許文献1や2の組成物は、十分な耐衝撃性を有するものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、特に耐衝撃性に優れた成形体を付与しうる樹脂組成物および成形体、ならびに樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
[1] 示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が150〜350℃であるエンジニアリングプラスチック(A)60〜95質量部と、熱可塑性エラストマー(B)5〜40質量部とを含み(ただし、(A)と(B)の合計は100質量部とする)、前記熱可塑性エラストマー(B)は、エチレンに由来する構造単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位と、炭素−炭素二重結合を1分子内に1個以上有する非共役ポリエンに由来する構造単位とを含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)と、エチレンに由来する構造単位と、不飽和カルボン酸に由来する構造単位とを含むエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)と、フェノール樹脂系架橋剤(B−III)とを含む組成物の架橋物である、樹脂組成物。
[2] 前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)は、エチレン・メタクリル酸共重合体である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)における、前記不飽和カルボン酸に由来する構造単位の含有率は、5〜20質量%である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記エンジニアリングプラスチック(A)は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリアミノビスマレイミドおよびポリビスアミドトリアゾールからなる群より選ばれる1種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記エンジニアリングプラスチック(A)は、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が150〜340℃のポリアミドである、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 前記ポリアミドは、前記融点(Tm)が150〜290℃の脂肪族ポリアミドである、[5]に記載の樹脂組成物。
[7] 前記脂肪族ポリアミドは、(i)ジカルボン酸に由来する構造単位と、ジアミンに由来する構造単位とを含み、かつ前記ジカルボン酸に由来する構造単位は、前記ジカルボン酸に由来する構造単位の合計100モル%に対して80モル%以上の炭素原子数6〜12の脂肪族ジカルボン酸に由来する構造単位を含み、前記ジアミンに由来する構造単位は、前記ジアミンに由来する構造単位の合計100モル%に対して80モル%以上の炭素原子数4〜12の脂肪族ジアミンに由来する構造単位を含む脂肪族ポリアミドであるか、または(ii)炭素原子数6〜12のラクタムまたはアミノカルボン酸に由来する構造単位を含む脂肪族ポリアミドである、[6]に記載の樹脂組成物。
[8] 前記熱可塑性エラストマー(B)は、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)、および前記フェノール樹脂系架橋剤(B−III)の合計を100質量部としたとき、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)を30〜80質量部と、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)を15〜60質量部と、前記フェノール樹脂系架橋剤(B−III)を1〜10質量部とを含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物から得られる、成形体。
[10] エチレンに由来する構造単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位と、炭素−炭素二重結合を1分子内に1個以上有する非共役ポリエンに由来する構造単位とを含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)と、エチレンに由来する構造単位と、不飽和カルボン酸に由来する構造単位とを含むエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)と、フェノール樹脂系架橋剤(B−III)とを含む組成物を動的架橋させて、熱可塑性エラストマー(B)を得る工程と、前記熱可塑性エラストマー(B)と、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が150〜350℃であるエンジニアリングプラスチック(A)60〜95質量部とを混合する工程と(ただし、(A)と(B)の合計は100質量部とする)を含む、樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、特に耐衝撃性に優れた成形体を付与しうる樹脂組成物および成形体、ならびに樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
1.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、エンジニアリングプラスチック(A)と、熱可塑性エラストマー(B)とを含む。
1−1.エンジニアリングプラスチック(A)
エンジニアリングプラスチック(A)は、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が150〜350℃のエンジニアリングプラスチックである。
エンジニアリングプラスチック(A)の融点(Tm)は、以下の条件で測定することができる。DSC(示差走査型熱量測定法)を用いて、エンジニアリングプラスチック(A)の試料を加熱して一旦320℃で5分間保持し、次いで10℃/分の速度で23℃まで降温し、その後10℃/分の速度で昇温する。このときの融解に基づく吸熱ピークの温度を融点(Tm)とする。
そのようなエンジニアリングプラスチック(A)は、エーテル基やアミド基、カルボニル基、スルホニル基、チオエーテル基、またはそれらの一以上を組み合わせた基などの極性基を有するエンジニアリングプラスチックであることが好ましい。そのようなエンジニアリングプラスチック(A)は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリアミノビスマレイミドおよびポリビスアミドトリアゾールからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
(ポリアミド)
ポリアミドは、アミド結合(−NH−C(=O)−)を有する構造単位を含む重合体であり、ジカルボン酸とジアミンとを共縮重合させるか、またはラクタムを開環重合(またはアミノカルボン酸を重縮合)させるか、それらを組み合わせることによって得られる。すなわち、ポリアミドは、(i)ジカルボン酸に由来する構造単位とジアミンに由来する構造単位とを含むか;(ii)ラクタムの開環物またはアミノカルボン酸に由来する構造単位を含むか;(i)と(ii)の両方を含みうる。
〔ジカルボン酸に由来する構造単位/ジアミンに由来する構造単位〕
ジカルボン酸に由来する構造単位を得るためのジカルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルでありうる。
脂肪族ジカルボン酸は、炭素原子数6〜12、より好ましくは6〜10の脂肪族ジカルボン酸である。脂肪族ジカルボン酸またはそのエステルの例には、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸などが含まれる。脂肪族ジカルボン酸またはそのエステルは、一種類であってもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
芳香族ジカルボン酸の例には、テレフタル酸、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが含まれる。これらは単独でも2種類以上組み合わせても構わない。芳香族ジカルボン酸またはそのエステルは、一種類であってもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
ジアミンに由来する構造単位を得るためのジアミンは、脂肪族ジアミンまたは芳香族ジアミンでありうる。
脂肪族ジアミンは、好ましくは炭素原子数4〜12、より好ましくは6〜10の脂肪族ジアミンである。脂肪族ジアミンの例には、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの直鎖状の脂肪族ジアミン;2−メチルペンタメチレンジアミン(2−メチル−1,5−ジアミノペンタンとも記される)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミンなどの分岐状の脂肪族ジアミンが含まれる。脂肪族ジアミンは、一種類であってもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
芳香族ジアミンの例には、メタキシリレンジアミンなどが含まれる。
〔ラクタムの開環物に由来する構造単位〕
ラクタムの開環物に由来する構造単位を得るためのラクタムは、炭素原子数6〜12、好ましくは6〜10のラクタムでありうる。そのようなラクタムの例には、ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ω−ラウロラクタム、ε−エナントラクタムなどが含まれ、好ましくはε−カプロラクタムである。ラクタムは、一種類だけ用いてもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
〔アミノカルボン酸に由来する構造単位〕
アミノカルボン酸に由来する構造単位を得るためのアミノカルボン酸は、炭素原子数6〜12、好ましくは6〜10のアミノカルボン酸である。アミノカルボン酸は、前述のラクタムの開環物であってよい。そのようなアミノカルボン酸の例には、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などが含まれる。アミノカルボン酸は、一種類だけ用いてもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。
これらの中でも、ポリアミドが好ましく、融点(Tm)が150〜340℃のポリアミドがより好ましく、融点(Tm)が150〜290℃の脂肪族ポリアミドがさらに好ましい。
融点(Tm)が150〜290℃の脂肪族ポリアミドは、(i)炭素原子数6〜12の脂肪族ジカルボン酸に由来する構造単位と、炭素原子数4〜12の脂肪族ジアミンに由来する構造単位とを含む脂肪族ポリアミド、あるいは(ii)炭素原子数6〜12のラクタムまたはアミノカルボン酸に由来する構造単位を含む脂肪族ポリアミドであることが好ましい。
(i)の脂肪族ポリアミドにおける脂肪族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有比率は、脂肪族ポリアミドを構成するジカルボン酸に由来する構造単位の全モル数に対して80モル%以上であることが好ましい。脂肪族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有比率が80モル%以上であると、脂肪族ポリアミドの結晶化度が高まりやすく、成形体に十分な耐熱性や機械的強度(曲げ強度など)を付与しうる。脂肪族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有比率は、ジカルボン酸に由来する構造単位の全モル数に対して85〜100モル%であることがより好ましく、90〜100モル%であることがさらに好ましい。
(i)の脂肪族ポリアミドにおける脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有比率は、脂肪族ポリアミドを構成するジアミンに由来する構造単位の全モル数に対して80モル%以上であることが好ましい。脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有比率が80モル%以上であると、脂肪族ポリアミドの結晶化度が高まりやすく、成形体に十分な耐熱性や機械的強度(曲げ強度など)を付与しうる。脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有比率は、ジアミンに由来する構造単位の全モル数に対して85〜100モル%であることがより好ましく、90〜100モル%であることがさらに好ましい。
ポリアミドの例には、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミド(ポリアミド66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリデカンアミド(ポリアミド6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T/5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンアジパミド(5T/56)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)およびこれらの共重合体が含まれる。これらの中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6I、ポリアミド66/6I/6が好ましく、耐衝撃性と流動性をより向上させる観点から、ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミドがより好ましく、ポリアミド6がさらに好ましい。
ポリアミドは、コンパウンドや成形時の熱安定性の観点から、少なくとも一部の分子鎖の末端基が末端封止剤により封止されていることが好ましい。特に、溶融安定性、耐熱性、耐加水分解性の観点から、ポリアミドの末端アミノ基量は、0.1〜300mmol/kgであることが好ましく、5〜300mmol/kgであることがより好ましく、5〜200mmol/kgであることがさらに好ましい。
末端封止剤は、ポリアミドの分子末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの観点から、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましく、取扱いの容易さなどの観点から、モノカルボン酸がより好ましい。
末端封止剤として用いられるモノカルボン酸は、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はない。モノカルボン酸の例には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸が挙げられる。
末端封止剤として用いられるモノアミンは、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はない。モノアミンの例には、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジンなどの芳香族モノアミンが含まれる。
脂肪族ポリアミドの融点は、特に限定されないが、150〜290℃であることが好ましい。脂肪族ポリアミドの融点が150℃以上であると、得られる樹脂組成物の耐熱性をより高めうる。脂肪族ポリアミドの融点が290℃以下であると、溶融加工中の脂肪族ポリアミドの熱分解や劣化をより効果的に抑制しうる。脂肪族ポリアミドの融点は、200〜280℃であることがより好ましい。脂肪族ポリアミドの融点は、前述と同様の方法で測定することができる。
脂肪族ポリアミドの融点(Tm)は、例えばモノマー組成によって調整することができる。脂肪族ポリアミドの融点(Tm)を高めるためには、例えば脂肪族ポリアミドを構成するジカルボン酸やジアミン、ラクタムやアミノカルボン酸の炭素原子数を一定以下とすることが好ましい。
脂肪族ポリアミドの、ISO 1133による290℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)は、コンパウンド時の共重合体ゴム(B−I)との粘度を合わせて微分散させやすく観点から、0.1〜500g/10分であることが好ましく、0.1〜300g/10分であることがより好ましく、0.1〜100g/10分であることがさらに好ましく、1〜100g/10分であることが特に好ましい。
脂肪族ポリアミドのメルトフローレート(MFR)は、例えば脂肪族ポリアミドの分子量や、末端アミノ基量などで調整することができる。脂肪族ポリアミドのMFRを低くするためには、分子量は大きくし、末端アミノ基量は多くすることが好ましい。
(ポリアセタール)
ポリアセタールは、オキシメチレン構造単位(−OCH−)を含む重合体である。ポリアセタールは、ポリオキシメチレン(例えば、米国デュポン社製、商品名「デルリン」、旭化成工業(株)製、商品名「テナック4010」)などのポリアセタール単独重合体であってもよいし;オキシメチレン構造単位と、コモノマー構造単位とを含むポリアセタール共重合体(例えば、ポリプラスチックス(株)製、商品名「ジュラコン」)であってもよい。
ポリアセタール共重合体に含まれるコモノマー構造単位の例には、炭素原子数2〜6、好ましくは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン構造単位(例えば、オキシエチレン基(−OCHCH−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基)が含まれる。コモノマー構造単位の含有量は、ポリアセタールを構成する全構造単位に対して0.01〜20モル%、好ましくは0.03〜15モル%、さらに好ましくは0.1〜10モル%でありうる。
ポリアセタール共重合体は、二元共重合体であってもよいし、三成分以上の多元共重合体であってもよい。ポリアセタール共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体(例えば、特公平2−24307号公報,旭化成工業(株)製、商品名「テナックLA」「テナックLM」)やグラフト共重合体などであってもよい。また、ポリアセタールは、線状のみならず、分岐構造を有していてもよいし、架橋構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタールの分子末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸またはそれらの無水物によるエステル化、イソシアネート化合物によるウレタン化、またはエーテル化などにより安定化されていてもよい。
(ポリカーボネート)
ポリカーボネートは、二価フェノールとホスゲンとを界面重縮合して得られる重合体、または二価フェノールとジフェニルカーボネートなどのカーボネート前駆体とをエステル交換により重合させて得られる重合体でありうる。二価フェノールの例には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が含まれる。
(ポリエステル)
ポリエステルは、二価以上の芳香族カルボン酸と、二価以上のアルコールおよび/またはフェノールとを重縮合させて得られる重合体でありうる。なかでも、結晶性ポリエステル、特に融点200℃以上の結晶性ポリエステルが好ましい。ポリエステルの例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートが含まれる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。ポリエステルの市販品としてはノバデュラン(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)などがあり、市場から容易に入手することができる。
(ポリフェニレンエーテル)
ポリフェニレンエーテルの例には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが含まれる。
(ポリエーテルサルホン)
ポリエーテルサルホンは、例えばビスフェノ−ルAと4,4’−ジクロロジフェニルサルホンとを重縮合して得られる重合体でありうる。
ポリエーテルサルホンは、下記式(1)〜(3)のいずれかで表される構造単位を含む芳香族ポリエーテルサルホンでありうる。
(−Ar−SO−Ar−O−) (1)
(−Ar−X−Ar−O−Ar−SO−Ar−O−) (2)
(−Ar−SO−Ar−O−Ar−O−) (3)
式(1)のArおよびArは、同一または異なる炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基(例えば炭素原子数6〜12のアリーレン基)である。式(2)のAr〜Arは、同一または異なる炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基(例えば炭素数6〜12のアリーレン基)であり、Xは、炭素原子数1〜15の二価の炭素水素基である。式(3)のAr〜Arは、同一または異なる炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基(例えば炭素数6〜12のアリーレン基)である。
(ポリフェニレンサルファイド)
ポリフェニレンサルファイドは、下記式で表される構造単位を含む重合体である。
−(Ph−S)−
上記式のPhは、フェニレン基である。フェニレン基の例には、p−フェニレン、m−フェニレン、o−フェニレンが含まれる。Sは、硫黄原子である。
ポリフェニレンサルファイドは、上記式で表される構造単位以外の他のモノマーに由来する構造単位をさらに含んでもよい。他のモノマーの例には、アルキル置換フェニレン(好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基)、フェニル置換フェニレン、ハロゲン置換フェニレン、アミノ置換フェニレン、アミド置換フェニレン、p,p'−ジフェニレンスルフォン、p,p'−ビフェニレン、p,p'−ビフェニレンエーテル、p,p'−ビフェニレンカルボニルおよびナフタレンが含まれる。他のモノマーは、1種類であってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
(ポリアリレート)
ポリアリレートとしては、二価のフェノール化合物(例えばビスフェノールA)と、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸やイソフタル酸)とを重縮合させて得られる重合体でありうる。
(ポリアミドイミド)
ポリアミドイミドは、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジイソシアネートとを重縮合させて得られる重合体、または芳香族二酸無水物と芳香族ジイソシアネートとを重縮合させて得られる重合体でありうる。
芳香族ジカルボン酸の例には、イソフタル酸、テレフタル酸が含まれる。芳香族二酸無水物の例には、無水トリメリット酸が含まれる。芳香族ジイソシアネートの例には、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、オルソトリランジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネートが含まれる。
(ポリエーテルイミド)
ポリエーテルイミドは、イミド基とエーテル基とを含む構造単位を含む重合体である。ポリエーテルイミドの例には、下記式で表される構造単位を含む重合体が含まれる。
Figure 2019206668
(ポリエーテルエーテルケトン)
ポリエーテルエーテルケトンは、下記式で表される構造単位を含む重合体である。
Figure 2019206668
(フッ素樹脂)
フッ素樹脂の例には、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル、ポリフッ化アルコキシエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ四フッ化エチレンなどが含まれる。
(ポリアミノビスマレイミド)
ポリアミノビスマレイミドは、ジアミン化合物とビスマレイミド化合物とを重合反応させて得られる重合体であり、下記式で表される構造単位を含みうる。下記式において、PおよびQは、それぞれ二価の有機基である。
Figure 2019206668
ジアミン化合物の例には、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)1,3−ジクロロ−1,1−3,3−テトラフルオロプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルファイド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノンなどが含まれる。
ビスマレイミド化合物の例には、N,N′−エチレンビスマレイミド、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、N,N′−p−フェニレンビスマレイミド、N,N′−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N′−4,4′−ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、N,N′−p,p′−ジフェニルジメチルシリルビスマレイミド、N,N′−p,p′−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N′−p,p′−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N′−ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、N,N′−m−キシレンビスマレイミド、N,N′−(3,3′−ジクロロ−p,p′−ビスフェニレン)ビスマレイミド、N,N′−(3,3′−ジフェニルオキシ)ビスマレイミドが含まれる。
これらの中でも、良好な機械的特性や耐熱性、成形性などを有することから、ポリアミドが好ましく、前述の脂肪族ポリアミドがより好ましい。
エンジニアリングプラスチック(A)の含有量は、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)の合計100質量部に対して60〜95質量部であることが好ましい。エンジニアリングプラスチック(A)の含有量が60質量部以上であると、得られる樹脂組成物の耐熱変形性を高めやすく、95質量部以下であると、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が損なわれにくい。エンジニアリングプラスチック(A)の含有量は、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)の合計100質量部に対して70〜90質量部であることがより好ましく、75〜85質量部であることがさらに好ましい。
1−2.熱可塑性エラストマー(B)
熱可塑性エラストマーは、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)と、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)と、フェノール樹脂系架橋剤(B−III)とを含む組成物の架橋物(動的架橋物)である。架橋物とは、部分架橋物または完全架橋物である。
1−2−1.エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)は、エチレンに由来する構造単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位と、非共役ポリエンに由来する構造単位とを含む共重合体である。
(エチレンに由来する構造単位)
エチレンに由来する構造単位の含有割合は、共重合体ゴム(B−I)を構成する全構造単位に対して50〜89質量%であることが好ましく、55〜83質量%であることがより好ましい。
(炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位)
炭素原子数3〜20のα−オレフィンの例には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどが含まれる。中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜8のα−オレフィンが好ましい。α−オレフィンは、一種類であってもよいし、二種類以上を組み合わせてもよい。これらのα−オレフィンは、原料コストが比較的安価で共重合性に優れると共に、共重合体ゴム(B−I)に優れた機械的性質と良好な柔軟性を付与するので好ましい。
炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位の含有割合は、共重合体ゴム(B−I)を構成する全構造単位に対して10〜49質量%であることが好ましく、15〜43質量%であることがより好ましい。
(非共役ポリエンに由来する構造単位)
非共役ポリエンは、炭素−炭素二重結合を1分子内に1個以上有する非共役ポリエンであり、その例には、脂肪族ポリエンや脂環族ポリエンが含まれる。
脂肪族ポリエンの例には、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、さらには1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなどのα,ω−ジエンが含まれる。中でも、7−メチル−1,6−オクタジエンが好ましい。
脂環族ポリエンの例には、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB);5−アリル−2−ノルボルネンなどの5−アルケニル−2−ノルボルネン;2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ−3,8−ジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエンなどが含まれる。中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。非共役ポリエン構造単位は、一種類であってもよいし、二種類以上を併用してもよい。
非共役ポリエンに由来する構造単位の含有割合は、共重合体ゴム(B−I)を構成する全構造単位に対して1〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。
共重合体ゴム(B−I)の極限粘度[η]は、0.5〜5.0dl/gであることが好ましく、1.0〜4.5dl/gであることがより好ましく、1.5〜4.0dl/gであることが特に好ましい。この極限粘度[η]は、温度135℃、デカリン中で測定した値であり、ASTM D 1601に従って測定することにより求めることができる。
共重合体ゴム(B−I)の含有量は、(B−I)成分、(B−II)成分および(B−III)成分の合計100質量部に対して30〜80質量部であることが好ましい。共重合体ゴム(B−I)の含有量が30質量部以上であると、熱可塑性エラストマー(B)の柔軟性を十分に高めうるため、得られる樹脂組成物の耐衝撃性を十分に高めつつ、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の含有量が多くなりすぎないため、成形性や機械的強度(曲げ強度など)、耐熱性が損なわれにくい。共重合体ゴム(B−I)の含有量が80質量部以下であると、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の含有量が少なくなりすぎないため、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)との相溶性やそれによる耐衝撃性の向上効果が損なわれにくい。共重合体ゴム(B−I)の含有量は、(B−I)成分、(B−II)成分および(B−III)成分の合計100質量部に対して35〜80質量部であることがより好ましく、45〜70質量部であることがさらに好ましい。
1−2−2.エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)は、エチレンに由来する構造単位と、不飽和カルボン酸に由来する構造単位とを含む共重合体である。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)のカルボキシル基は、例えばエンジニアリングプラスチック(A)が有しうる極性基(例えばポリアミドの場合、カルボキシル基やアミノ基など)と相互作用しやすいため、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)との相溶性を高め、耐衝撃性をさらに高めうる。
エチレンと共重合される不飽和カルボン酸は、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸モノエステルなどでありうる。不飽和モノカルボン酸の例には、アクリル酸、メタクリル酸などが含まれ;不飽和ジカルボン酸の例には、マレイン酸、フマル酸などが含まれ;不飽和ジカルボン酸モノエステルの例には、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソブチルが含まれる。これらの中でも、アクリル酸もしくはメタクリル酸が好ましく、特にメタクリル酸が好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)における、不飽和カルボン酸に由来する構造単位の含有率(酸含有量)は、5〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。不飽和カルボン酸に由来する構造単位の含有率(酸含有量)が一定以上であると、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)のカルボキシル基が、例えばエンジニアリングプラスチック(A)が有しうる極性基などと相互作用しやすいため、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)との相溶性を高めやすく、耐衝撃性を高めやすい。一方、不飽和カルボン酸に由来する構造単位の含有率(酸含有量)が一定以下であると、樹脂組成物中のカルボキシル基の含有量が高まりすぎないので、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)とが相互作用し過ぎず、流動性を損ないにくい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の酸含有量は、FT−IR測定により測定することができる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)は、エチレンと不飽和カルボン酸との二元共重合体だけでなく、エチレンと不飽和カルボン酸と他の単量体との多元共重合体であってもよい。
他の単量体は、ビニルモノマーなどでありうる。ビニルモノマーの例には、酢酸ビニルのようなビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチルなどの不飽和カルボン酸エステルなどが含まれる。ただし、これらの他の単量体を多く含みすぎると、融点が低く、耐熱性を損なうことがある。そのため、他の単量体由来の構造単位の含有割合は、共重合体に対して20重量%以下、好ましくは10重量%以下としうる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の融点は、60〜120℃であることが好ましく、70〜120℃であることがより好ましい。融点が60℃以上であると、熱可塑性エラストマー(B)の耐熱性が損なわれにくい。融点が120℃以下であると、熱可塑性エラストマー(B)の溶融時の粘度が過剰に高くなりにくく、成形加工性を損ないにくい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の融点は、JIS K 7121:1987に準拠して測定される。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の、JIS K 7210:1999に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFR)は、成形性が損なわれない限り、特に限定されないが、0.5〜1000g/10分(dl/g)、好ましくは1〜500g/10分(dl/g)としうる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の含有量は、(B−I)成分、(B−II)成分および(B−III)成分の合計100質量部に対して15〜60質量部であることが好ましい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の含有量が15質量部以上であると、共重合体ゴム(B−I)とエンジニアリングプラスチック(A)との相溶性、ひいては熱可塑性エラストマー(B)とエンジニアリングプラスチック(A)との相溶性を十分に高めやすく、得られる樹脂組成物に十分な耐衝撃性を付与しやすい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の含有量が60質量部以下であると、得られる樹脂組成物の成形性や機械的強度(曲げ強度など)、耐熱性が損なわれにくい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の含有量は、(B−I)成分、(B−II)成分および(B−III)成分の合計100質量部に対して15〜55質量部であることがより好ましく、20〜50質量部であることがさらに好ましい。
また、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)と共重合体ゴム(B−I)の質量比((B−II)/(B−I))は、30/70〜90/10であることが好ましく、40/60〜80/20であることがより好ましく、40/60〜75/25であることがさらに好ましい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の質量比が一定以上であると、エンジニアリングプラスチック(A)と共重合体ゴム(B−I)、ひいては熱可塑性エラストマー(B)の相溶性を高めやすく、得られる樹脂組成物の耐衝撃性を十分に高めやすい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の質量比が一定以下であると、得られる樹脂組成物は、良好な耐衝撃性を有しつつ、機械的強度(曲げ強度など)が損なわれにくい。
また、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)とエンジニアリングプラスチック(A)の質量比((B−II)/(A))は、得られる樹脂組成物の耐衝撃性をより高めやすくする観点では、5/95〜15/85(質量比)であることが好ましく、得られる樹脂組成物の耐衝撃性を高める観点では、8/92〜12/88(質量比)であることがより好ましい。
1−2−3.フェノール樹脂系架橋剤(B−III)
フェノール樹脂系架橋剤(B−III)は、代表的には、アルキル置換または非置換のフェノール類を、アルカリ触媒存在下でアルデヒド(好ましくはホルムアルデヒド)と縮合して得られるレゾ−ル樹脂である。アルキル置換フェノールのアルキル基は、炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましい。すなわち、アルキル置換または非置換のフェノール類は、炭素原子数1〜10のアルキル基で置換されたジメチロールフェノール類またはフェノール類であることが好ましい。
フェノール樹脂系架橋剤(B−III)の例には、下記式(1)で表される化合物が含まれる。
Figure 2019206668
式(1)中、Rは、アルキル基などの有機基であり、好ましくは炭素原子数20未満の有機基、より好ましくは炭素原子数4〜12の有機基である。R'は、水素原子または−CH−OHである。n、mは、0〜20の整数であり、好ましくは0〜15の整数、より好ましくは0〜10の整数である。
フェノール樹脂系架橋剤(B−III)の他の例には、メチロール化アルキルフェノール樹脂、ハロゲン化アルキルフェノール樹脂が含まれる。ハロゲン化アルキルフェノール樹脂とは、分子鎖末端の水酸基が臭素などのハロゲン原子で置換されたアルキルフェノール樹脂であり、その例には、下記式(2)で表される化合物が含まれる。
Figure 2019206668
式(2)のn、mおよびRは、式(1)のn、mおよびRとそれぞれ同義である。式(2)のR'は、水素原子、−CHまたは−CH−Brである。
フェノール樹脂系架橋剤(B−III)の市販品の例には、田岡化学工業(株)のタッキロール201、タッキロール250−I、タッキロール250−III;SI Group社のSP1045、SP1055、SP1056;昭和電工(株)の ショウノールCRM;荒川化学工業(株)のタマノル531;住友ベークライト(株)社のスミライトレジンPR;群栄化学工業(株)のレジトップ(以上、全て商品名)などが含まれる。これらは、一種類で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。中でも、田岡化学工業(株)のタッキロール250−III(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)やSI Group社のSP1055(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)が好ましい。
これらの中でも、ハロゲン化アルキルフェノール樹脂が特に好ましい。ハロゲンアルキルフェノール樹脂は、共重合体ゴム(B−I)との相溶性に優れるとともに、反応性に富んでおり、架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。
フェノール樹脂系架橋剤(B−III)が粉体状の架橋剤である場合、その平均粒径は、好ましくは0.1μm〜3mm、より好ましくは1μm〜1mm、特に好ましくは5μm〜0.5mmである。フレーク状の硬化剤は、ジェットミル、粉砕刃付粉砕機などの粉砕機により粉体状にしてから使用することが好ましい。
フェノール樹脂系架橋剤(B−III)の含有量は、(B−I)成分、(B−II)成分、および(B−III)成分の合計100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。フェノール樹脂系架橋剤(B−III)の含有量が1質量部以上であると、(B−I)成分を十分に架橋させやすいため、得られる熱可塑性エラストマー(B)に十分な耐衝撃性を付与しやすい。フェノール樹脂系架橋剤(B−III)の含有量は、(B−I)成分、(B−II)成分、および(B−III)成分の合計100質量部に対して1〜8質量部であることがより好ましく、2〜6質量部であることがさらに好ましい。
1−2−4.他の成分
熱可塑性エラストマー(B)を得るための組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(B−I)成分、(B−II)成分および(B−III)成分以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分の例には、フェノール樹脂系架橋剤(B−III)以外の他の架橋剤や架橋助剤、補助安定剤(酸化防止剤)などが含まれる。
他の架橋剤は、前述の組成物の動的架橋が可能な架橋剤であればよく、その例には、硫黄系架橋剤が含まれる。ただし、他の架橋剤は、有機過酸化物を含まないことが好ましい。(B−I)成分と(B−II)成分の架橋に適した温度が高いことから、有機過酸化物は架橋剤として機能しにくいからである。
架橋助剤の例には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などが含まれる。
補助安定剤の例には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物およびリン化合物が含まれる。
他の成分の合計含有量は、組成物の全質量に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量%であってもよい。
1−2−5.熱可塑性エラストマー(B)の製造方法
熱可塑性エラストマー(B)は、(B−I)成分、(B−II)成分、および(B−III)成分を含む組成物の少なくとも一部を動的架橋させること、具体的には、溶融流動状態(動的状態)で架橋させることによって得ることができる。
動的架橋は、通常、前述の組成物を溶融混練装置に供給し、所定温度に加熱して溶融混練することにより行う。溶融混練装置は、例えば二軸押出機、単軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを用いることができる。中でも、剪断力や連続生産性が良好である点から、二軸押出機が好ましい。溶融混練温度は、通常、200〜320℃である。溶融混練時間は、通常、0.5〜30分である。
この動的架橋によって、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)が架橋される。つまり、熱可塑性エラストマー(B)は、フェノール樹脂系架橋剤(B−III)で架橋された共重合体ゴム(B−I)と、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)とを含みうる。そして、熱可塑性エラストマー(B)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)を含む海相(マトリクス相)と、架橋された共重合体ゴム(B−I)を含む島相(分散相)とを有する海島構造を有する。
架橋した共重合体ゴム(B−I)を含む島相(分散相)は、ゴム弾性を発現しうる。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)を含む海相(マトリクス相)は、エンジニアリングプラスチック(A)と架橋した共重合体ゴム(B−I)を含む島相(分散相)との相溶性を高めうる。そして、島相(分散相)の平均粒径は比較的小さく、微分散している。そのような熱可塑性エラストマー(B)は、良好な柔軟性または耐衝撃性を有し、かつエンジニアリングプラスチック(A)との良好な相溶性を有しうる。それにより、得られる樹脂組成物は、層間剥離などを生じることなく、良好な耐衝撃性を有しうる。
熱可塑性エラストマー(B)の含有量は、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)の合計100質量部に対して5〜40質量部であることが好ましい。熱可塑性エラストマー(B)の含有量が5質量部以上であると、得られる樹脂組成物の耐衝撃性を高めやすく、40質量部以下であると、得られる樹脂組成物の耐熱変性性や機械的強度などが損なわれにくい。熱可塑性エラストマー(B)の含有量は、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)の合計100質量部に対して10〜30質量部であることがより好ましく、15〜25質量部であることがさらに好ましい。
1−3.その他の成分
本発明の樹脂組成物は、エンジニアリングプラスチック(A)および熱可塑性エラストマー(B)以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分の例には、相溶化剤(C)が含まれる。
(相容化剤(C))
相容化剤(C)は、特に限定されないが、エンジニアリングプラスチック(A)と、熱可塑性エラストマー(B)とをより良好に相容化させるため、極性基含有化合物、例えば水酸基、カルボニル基、エポキシ基、酸ハイドライド、酸無水物、酸アミド、カルボン酸エステル、酸アジド、スルフォン基、ニトリル基、シアノ基、イソシアン酸エステル、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、チオール基などを極性基として有する極性基含有化合物の重合体または共重合体でありうる。
極性基含有化合物の例には、エポキシ基含有エチレン系共重合体、マレイン酸変性スチレン系共重合体およびマレイン酸変性オレフィン系樹脂が含まれる。
エポキシ基含有エチレン系共重合体の例には、エチレンとグリシジルジメタクリレートとの共重合体が含まれる。また、エポキシ基含有エチレン系共重合体は、酢酸ビニル、アクリル酸メチルなどの他のモノマーとの共重合体であってもよい。エポキシ基含有エチレン系共重合体のグリシジル基の含有量は、例えば1〜20質量%であることが好ましい。
マレイン酸変性スチレン系共重合体の例には、無水マレイン酸変性SEBSが含まれる。マレイン酸変性オレフィン系樹脂の例には、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが含まれる。マレイン酸変性オレフィン系樹脂およびマレイン酸変性スチレン系共重合体のマレイン酸変性率は、例えば0.1〜20質量%であることが好ましい。
相容化剤(C)の市販品の例には、ボンドファースト2C、E、2B、7B、7L、7M、VC40(住友化学工業(株)製)、クレイトンFG1901、FG1924(クレイトンポリマージャパン(株)製)、タフテックM1911、M1913、M1943、MP10(旭化成ケミカルズ(株)製)などが含まれる。
本発明の樹脂組成物が相容化剤(C)を含む場合、相容化剤(C)の含有量は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計100質量部に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。相容化剤(C)の含有量が0.1質量%以上であると、成形性を損なうことなく、エンジニアリングプラスチック(A)と熱可塑性エラストマー(B)との相容性をさらに高めやすい。相容化剤(C)の含有量が20質量%以下であると、耐熱変形性が損なわれにくい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、ブロッキング防止剤、シール製改良剤、可塑剤(例えばステアリン酸、シリコーンオイルなど)、滑剤(ポリエチレンワックスなど)、着色剤、顔料、無機充填剤(例えばアルミナ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ウァラステナイト、クレー)、難燃剤(例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)、発泡剤(例えば有機系、無機系)などをさらに含んでいてもよい。
2.樹脂組成物の製造方法
本発明の樹脂組成物は、任意の方法で製造することができ、たとえば前述の方法で熱可塑性エラストマー(B)を得る工程と、得られた熱可塑性エラストマー(B)とエンジニアリングプラスチック(A)とを公知の方法で混合する工程とを経て製造することができる。上記混合した後、押出機を用いて混合物をさらに溶融混練してもよい。
任意に用いられる架橋助剤や相溶化剤(C)は、予めいずれかの成分と混合していてもよいし、共重合体ゴム(B−I)とエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)とを動的架橋させる際、または熱可塑性エラストマー(B)とエンジニアリングプラスチック(A)とを混合する際に添加してもよい。
3.成形体とその用途
本発明の樹脂組成物を成形して得られる成形体は、種々の用途に用いることができ、例えば自動車部品、建材部品、スポーツ用品、医療器具部品、工業部品など、各種用途の成形体として有用である。
中でも、本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、良好な成形性と耐衝撃性を有することから、中空成形体(産業用チューブ)や、特定の成形方法(ブロー成形および二色成形など)で得られる成形体に好適である。
<中空成形体(産業用チューブ)>
産業用チューブは、前述の樹脂組成物を含む層を少なくとも含む。産業用チューブとは、特に産業機器に使用されるチューブを意味する。産業用チューブの例には、車両(例えば自動車)、空圧・油圧機器、塗装機器、医療機器などの産業機器に必要な流体(燃料、溶剤、薬品、ガスなど)を通すチューブが挙げられる。特に、車両配管用チューブ(例えば燃料系チューブ、吸気系チューブ、冷却系チューブ)、空圧チューブ、油圧チューブ、ペイントスプレーチューブ、医療用チューブ(例えばカテーテル)などの用途において非常に有用である。
<射出成形、ブロー成形または二色成形により得られる成形体>
射出成形、ブロー成形または二色成形により得られる成形体は、そのような物性が要求される各種用途(例えば自動車、電気製品)に広く利用可能である。射出成形、ブロー成形または二色成形により得られる成形体の例には、等速ジョイントブーツ、ダストカバーなどのブーツ部品、オイルシール、ガスケット、パッキン、ダストカバー、バルブ、ストッパ、精密シールゴム、ウェザストリップなどが挙げられる。中でも、自動車用等速ジョイントブーツが好ましい。自動車用等速ジョイントブーツの製造方法としては、例えば射出成形法、ブロー成形法(インジェクションブロー成形法、プレスブロー成形法)など、公知の方法を採用できる。
これらの中でも、本発明の成形体は、自動車関連部品である吸気・排気系部品や自動車用等速ジョイントブーツ、ダストカバー、各種ブーツ部品などの樹脂製フレキシブルブーツの材料として、好ましくは吸気・排気系部品として特に有用である。
吸気・排気系部品の例には、エアホース、エアダクト、ターボダクト、ターボホース、インテークマニホールド、またはエグゾ−ストマニホールドなどが含まれる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.樹脂組成物の材料
<エンジニアリングプラスチック(A)>
A−1:脂肪族ポリアミド(ナイロン6、東レ社製、アラミン CM1017、融点:225℃、MFR:127g/10分)
<熱可塑性エラストマー(B)>
熱可塑性エラストマー(B)として、下記の熱可塑性エラストマー(B−1)〜(B−3)を調製した。
(熱可塑性エラストマー(B−1)の調製)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)としてエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(エチレン含量65質量%、ジエン含量4.6質量%、[η]=2.4dl/g)を55質量%、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)としてエチレン・メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレルN035C(商標)、三井・デュポンポリケミカル社製、密度(JIS K 7112:1999):940kg/m、融点:86℃、酸含有量:10質量%、MFR(JIS K 7210:1999(190℃、2.16kg荷重)35g/10分)を40質量%、フェノール樹脂系架橋剤(B−III)としてフレーク状の臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂(田岡化学工業社製、商品名タッキロール250−III)を、ヘンシェルミキサーにて10秒間攪拌して粉状にしたものを5質量%、および架橋助剤として少量の酸化亜鉛二種(ハクスイテック社製)を予備混合し、これを二軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX−30)に供給し、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数300rpmで、溶融混練した。この二軸押出機から押出されたストランドを切断して、熱可塑性エラストマー(B−1)のペレットを得た。
(熱可塑性エラストマー(B−2)および(B−3)の調製)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)とエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の質量比を表1に示されるように変更した以外は熱可塑性エラストマー(B−1)と同様にして熱可塑性エラストマー(B−2)および(B−3)を得た。
Figure 2019206668
<比較樹脂(b)>
比較樹脂(b)として、下記の比較樹脂(b−1)〜(b−3)を調製した。
(比較樹脂(b−1)の調製)
十分に窒素置換したガラス製フラスコに、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを0.63mg入れ、更にメチルアミノキサンのトルエン溶液(Al;0.13ミリモル/リットル)1.57ml、およびトルエン2.43mlを添加することにより触媒溶液を得た。
次に、充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブに、ヘキサン912ml、および1−ブテン320mlを導入し、系内の温度を80℃に昇温させた。引き続き、トリイソブチルアルミニウム0.9ミリモルおよび上記で調製した触媒溶液2.0ml(Zrとして0.0005ミリモル)をエチレンで系内に圧入し、重合反応を開始させた。エチレンを連続的に供給することにより全圧を8.0kg/cm−Gに保ち、80℃で30分間重合させた。
重合物を少量のエタノールを系中に導入して重合を停止させた後、未反応のエチレンをパージした。得られた溶液を大過剰のメタノール中に投入して白色固体を析出させた。この白色固体を濾過により回収し、減圧下で一晩乾燥させて、白色固体(エチレン・1−ブテン共重合体)を得た。得られたエチレン・1−ブテン共重合体の密度は0.865g/cm3、MFR(ASTMD1238規格、190℃:2160g荷重)は0.5g/10分、1−ブテン構造単位含有率は4モル%だった。
得られたエチレン・1−ブテン共重合体100質量部に、無水マレイン酸1.0質量部と過酸化物(パーヘキシン25B、日本油脂(株)製、商標)0.04質量部とを混合した。得られた混合物を230℃に設定した1軸押出機で溶融グラフト変性することによって変性エチレン・1−ブテン共重合体(b−1)を得た。
得られた変性エチレン・1−ブテン共重合体(b−1)の無水マレイン酸グラフト変性量は0.98質量%であった。また135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]は1.90dl/gであった。
(変性エチレン・1−ブテン共重合体(b−2)の調製)
無水マレイン酸1.0質量部を0.5質量部に変更した以外は変性エチレン・1−ブテン共重合体(b−1)と同様の方法で変性エチレン・1−ブテン共重合体(b−2)を得た。
得られた変性エチレン・1−ブテン共重合体(b−2)の無水マレイン酸グラフト変性量は0.47質量%であり、135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]は1.80dl/gであった。
(混合物(b−3)の調製)
フェノール樹脂系架橋剤(B−III)および架橋助剤を添加せず、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)とエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の質量比が(B−I):(B−II)=11:9となるように混合した以外は熱可塑性エラストマー(B−1)と同様の方法で混合物(b−3)を得た。
2.樹脂組成物の調製
<実施例1〜3>
エンジニアリングプラスチック(A)として上記脂肪族ポリアミド(A−1)と、熱可塑性エラストマー(B)として表2に示される熱可塑性エラストマーとを、表2に示される組成比で予備混合し、これを二軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX−30)に供給し、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数300rpmで、溶融混練した。この二軸押出機から押出されたストランドを切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
<比較例1〜3>
熱可塑性エラストマー(B)に代えて表2に示される比較樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。
実施例1〜3および比較例1〜3で樹脂組成物の、曲げ特性(曲げ強度・曲げ弾性率)、荷重たわみ温度、衝撃強度および射出流動長を、以下の方法で評価した。
(曲げ強度・曲げ弾性率)
得られた樹脂組成物を、下記の成形条件で射出成形し、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ3.2mmの試験片を作製した。
成形機:住友重機械工業(株)製、SG50M3
成形機シリンダー温度:脂肪族ポリアミド(A−1)の融点(Tm)+15℃
金型温度:50℃
得られた試験片を、温度23℃、窒素雰囲気下で24時間放置した。次いで、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で曲げ試験機NTESCO社製 AB5、スパン51mm、曲げ速度12.7mm/分で曲げ試験を行い、曲げ強度(MPa)、曲げ弾性率(MPa)を測定した。
(荷重たわみ温度)
得られた樹脂組成物を、下記の成形条件で射出成形し、厚さ3.2mmの試験片を作製した。
成形機:(株)ソディック プラスティック、ツパールTR40S3A
成形機シリンダー温度:脂肪族ポリアミド(A−1)の融点(Tm)+15℃
金型温度:脂肪族ポリアミド(A−1)のガラス転移温度(Tg)+20℃
得られた試験片を、スパンを100mmに固定して、35℃から昇温速度120℃/hrで0.45MPaの圧力をかけた。そして、たわみ量が0.254mmになった際の温度を荷重たわみ温度とした。
(IZOD衝撃強度)
得られた樹脂組成物を、下記の成形条件で射出成形し、厚さ3.2mmのノッチ付きの試験片を作製した。
成形機:住友重機械工業(株)製、SG50M3
成形機シリンダー温度:脂肪族ポリアミド(A−1)の融点(Tm)+15℃
金型温度:50℃
得られた試験片のIZOD衝撃強度を、ASTMD256に準拠して、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。
(射出流動長)
実施例および比較例の樹脂組成物を、幅10mm、厚み0.5mmのバーフロー金型を使用して以下の条件で射出し、金型内の樹脂組成物の流動長(mm)を測定した。なお、流動長が長いほど射出流動性が良好であることを示す。
成形機:ソディック社製 プラスティック、ツパールTR40S3A
射出設定圧力:2000kg/cm
成形機シリンダー温度:脂肪族ポリアミド(A−1)の融点(Tm)+15℃
金型温度:50℃
実施例1〜3および比較例1〜3の評価結果を、表2に示す。
Figure 2019206668
表2に示されるように、共重合体ゴム(B−I)とエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)を含む組成物の動的架橋物である熱可塑性エラストマー(B)を含む実施例1〜3の樹脂組成物は、変性オレフィン重合体(b−1)または(b−2)や、共重合体ゴム(B−I)とエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)の混合物を含む比較例1〜3の樹脂組成物よりも高い衝撃強度を有することがわかる。
本発明によれば、特に耐衝撃性に優れた成形体を付与しうる樹脂組成物および成形体、ならびに樹脂組成物の製造方法を提供することができる。

Claims (10)

  1. 示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が150〜350℃であるエンジニアリングプラスチック(A)60〜95質量部と、
    熱可塑性エラストマー(B)5〜40質量部と
    を含み(ただし、(A)と(B)の合計は100質量部とする)、
    前記熱可塑性エラストマー(B)は、
    エチレンに由来する構造単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位と、炭素−炭素二重結合を1分子内に1個以上有する非共役ポリエンに由来する構造単位とを含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)と、
    エチレンに由来する構造単位と、不飽和カルボン酸に由来する構造単位とを含むエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)と、
    フェノール樹脂系架橋剤(B−III)と
    を含む組成物の架橋物である、
    樹脂組成物。
  2. 前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)は、エチレン・メタクリル酸共重合体である、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)における、前記不飽和カルボン酸に由来する構造単位の含有率は、5〜20質量%である、
    請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記エンジニアリングプラスチック(A)は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリアミノビスマレイミドおよびポリビスアミドトリアゾールからなる群より選ばれる1種以上である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記エンジニアリングプラスチック(A)は、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が150〜340℃のポリアミドである、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミドは、前記融点(Tm)が150〜290℃の脂肪族ポリアミドである、
    請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記脂肪族ポリアミドは、
    (i)ジカルボン酸に由来する構造単位と、ジアミンに由来する構造単位とを含み、かつ
    前記ジカルボン酸に由来する構造単位は、前記ジカルボン酸に由来する構造単位の合計100モル%に対して80モル%以上の炭素原子数6〜12の脂肪族ジカルボン酸に由来する構造単位を含み、
    前記ジアミンに由来する構造単位は、前記ジアミンに由来する構造単位の合計100モル%に対して80モル%以上の炭素原子数4〜12の脂肪族ジアミンに由来する構造単位を含む脂肪族ポリアミドであるか、または
    (ii)炭素原子数6〜12のラクタムまたはアミノカルボン酸に由来する構造単位を含む脂肪族ポリアミドである、
    請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 前記熱可塑性エラストマー(B)は、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)、および前記フェノール樹脂系架橋剤(B−III)の合計を100質量部としたとき、
    前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)を30〜80質量部と、
    前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)を15〜60質量部と、
    前記フェノール樹脂系架橋剤(B−III)を1〜10質量部と
    を含む、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物から得られる、成形体。
  10. エチレンに由来する構造単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位と、炭素−炭素二重結合を1分子内に1個以上有する非共役ポリエンに由来する構造単位とを含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B−I)と、
    エチレンに由来する構造単位と、不飽和カルボン酸に由来する構造単位とを含むエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B−II)と、
    フェノール樹脂系架橋剤(B−III)と
    を含む組成物を動的架橋させて、熱可塑性エラストマー(B)を得る工程と、
    前記熱可塑性エラストマー(B)と、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(Tm)が150〜350℃であるエンジニアリングプラスチック(A)60〜95質量部とを混合する工程と(ただし、(A)と(B)の合計は100質量部とする)
    を含む、
    樹脂組成物の製造方法。
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