JP2019201718A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体の層の検出精度を向上させることが可能な仕組みを提供する。【解決手段】測定光を照射した被検体からの戻り光と、測定光から分岐した参照光とを干渉させることにより得られた干渉光に基づく干渉信号に対して、高速フーリエ変換処理(FFT処理)403を行って複素信号404を取得し、取得した複素信号404の絶対値情報と複素信号404の位相情報とを用いて、被検体の層を検出する層検出430を行う。【選択図】図4
Description
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関するものである。
光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)は、光の干渉を利用して光の進行方向に垂直に位置する対象物(被検体)までの距離を測定する計測器である。特に、眼科用の光干渉断層計は、網膜層内部の状態を3次元的に観察することが可能であり、断層画像撮影装置と呼ばれる。この断層画像撮影装置は、疾病の診断をより的確に行うのに有用であることから、近年注目を集めている。
OCTの一形態として、広帯域な光源とマイケルソン干渉計とを組み合わせたTD−OCT(Time domain OCT)がある。このTD−OCTは、被検体(例えば、被検眼)に光が入射した際に生じる後方散乱光と参照光との干渉光を計測し、参照光の光路長と後方散乱光の光路長とが一致するときに反射強度が大きくなることを利用して、被検体の深さ方向の情報を得るように構成されたものである。しかしながら、このTD−OCTでは、1回の計測により被検体の深さ方向のある1点の情報しか得られない。このため、TD−OCTでは、参照光を反射させる参照光ミラーを機械的に動かすことにより、参照光の光路長を変更しながら、被検体の深さ方向における複数点の情報を取得する必要がある。
そのため、より高速に断層画像を取得するOCTの一形態として、FD−OCT(Fourier domain OCT)が開発された。このFD−OCTでは、1回の計測により被検体の深さ方向の情報が全て得られる。このため、FD−OCTでは、被検体の深さ方向における機械的走査が不要となり、TD−OCTよりも高速に計測することができる。現在、このFD−OCTには、2種類のOCTが知られている。1つ目は、広帯域光源を用いて分光器でインターフェログラムを取得してフーリエ空間で情報を得るSD−OCT(Spectral domain OCT)である。2つ目は、光源の発信波長を高速に変化させることにより光波の干渉をフーリエ空間で行うSS−OCT(Swept Source OCT)である。このFD−OCTで得られる断層画像は、上述した干渉光に基づく干渉信号をフーリエ変換して得られる複素信号の絶対値情報である。この複素信号の絶対値情報は、輝度画像や強度画像と呼ばれている。
近年、FD−OCTで得られた断層画像を解析することにより、被検体の層境界を検出して、層の厚みを計測することが行われている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、断層画像のエッジ検出によって、被検眼の網膜層の境界を検出して、神経節細胞層(GCL)や神経線維層(NFL)、網膜色素上皮(RPE)を認識する技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の技術では、上述した複素信号の絶対値情報である輝度画像や強度画像と呼ばれる画像を用いて被検体の層を検出するため、例えば、後述する図5(b)に示すB層とC層のように絶対値の大きさがほぼ同じである場合には、これらの層を検出することが困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、被検体の層の検出精度を向上させることが可能な仕組みを提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、測定光を照射した被検体からの戻り光と、前記測定光から分岐した参照光とを干渉させることにより得られた干渉光に基づく干渉信号に対して、フーリエ変換を行って複素信号を取得する取得手段と、前記複素信号の絶対値情報と前記複素信号の位相情報とを用いて、前記被検体の層を検出する検出手段と、を有する。
また、本発明の画像処理装置における他の態様は、測定光を照射した被検体からの戻り光と、前記測定光から分岐した参照光とを干渉させることにより得られた干渉光に基づく干渉信号に対して、フーリエ変換を行って複素信号を取得する取得手段と、前記複素信号の絶対値情報と前記複素信号の複素平面における軸への射影情報とを用いて、前記被検体の層を検出する検出手段と、を有する。
また、本発明は、上述した画像処理装置による画像処理方法、及び、上述した画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを含む。
また、本発明の画像処理装置における他の態様は、測定光を照射した被検体からの戻り光と、前記測定光から分岐した参照光とを干渉させることにより得られた干渉光に基づく干渉信号に対して、フーリエ変換を行って複素信号を取得する取得手段と、前記複素信号の絶対値情報と前記複素信号の複素平面における軸への射影情報とを用いて、前記被検体の層を検出する検出手段と、を有する。
また、本発明は、上述した画像処理装置による画像処理方法、及び、上述した画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、被検体の層の検出精度を向上させることができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明を行う。
まず、本発明の第1の実施形態について説明を行う。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理システム10の概略構成の一例を示す図である。なお、本実施形態では、本発明における被検体の一例として、被検眼Eを適用した例について説明を行う。
画像処理システム10は、図1に示すように、画像処理装置100、断層画像撮影装置200、眼底画像撮影装置300、外部記憶装置400、入力装置500、及び、表示装置600を有して構成されている。図1に示す例では、画像処理装置100は、インタフェースを介して、断層画像撮影装置200、眼底画像撮影装置300、外部記憶装置400、入力装置500及び表示装置600と接続されている。
まず、図1の断層画像撮影装置200について説明する。
断層画像撮影装置200は、被検眼E(具体的に本実施形態では、被検眼Eの眼底)の断層画像を撮影する装置である。このとき、断層画像撮影装置200は、光源(不図示)からの光を測定光と参照光とに分岐した後、測定光を被検眼Eに照射し、照射した測定光の被検眼Eからの戻り光と、測定光から分岐した参照光とを干渉させた干渉光を受光するように構成されている。本実施形態では、断層画像撮影装置200としては、フーリエドメイン型のOCTであるFD−OCTを用いる形態をとり得る。この際、断層画像撮影装置200は、例えば、干渉光を受光する受光手段がラインセンサ等により構成されるSD−OCTや、波長掃引光源が用いられるSS−OCT装置で構成され得る。また、図1に示す例では、断層画像撮影装置200は、画像処理装置100と通信可能に接続される構成となっているが、例えば、画像処理装置100を断層画像撮影装置200の内部に組み込んだ構成としてもよい。なお、断層画像撮影装置200は、既知の装置を適用可能であるため、その詳細な説明は省略し、ここでは、画像処理装置100からの指示により行われる断層画像の撮影について説明を行う。
断層画像撮影装置200は、被検眼E(具体的に本実施形態では、被検眼Eの眼底)の断層画像を撮影する装置である。このとき、断層画像撮影装置200は、光源(不図示)からの光を測定光と参照光とに分岐した後、測定光を被検眼Eに照射し、照射した測定光の被検眼Eからの戻り光と、測定光から分岐した参照光とを干渉させた干渉光を受光するように構成されている。本実施形態では、断層画像撮影装置200としては、フーリエドメイン型のOCTであるFD−OCTを用いる形態をとり得る。この際、断層画像撮影装置200は、例えば、干渉光を受光する受光手段がラインセンサ等により構成されるSD−OCTや、波長掃引光源が用いられるSS−OCT装置で構成され得る。また、図1に示す例では、断層画像撮影装置200は、画像処理装置100と通信可能に接続される構成となっているが、例えば、画像処理装置100を断層画像撮影装置200の内部に組み込んだ構成としてもよい。なお、断層画像撮影装置200は、既知の装置を適用可能であるため、その詳細な説明は省略し、ここでは、画像処理装置100からの指示により行われる断層画像の撮影について説明を行う。
図1において、走査手段の一例であるガルバノミラー210は、被検眼Eの眼底に対して測定光の走査を行うためのものであり、OCTによる被検眼Eの眼底における撮影範囲を規定する。駆動制御部220は、ガルバノミラー210の駆動範囲及びその速度を制御することで、被検眼Eの眼底における平面方向の撮影範囲及び走査線数(平面方向の走査速度)を規定する。また、本実施形態では、駆動制御部220は、被検眼Eの同一箇所を複数回走査(スキャン)するようにガルバノミラー210を制御する形態をとり得る。ここで、図1では、ガルバノミラー210は、1つのブロックとして図示しているが、実際には、後述する図2のx方向にスキャンを行うためのXスキャン用ミラーとy方向にスキャンを行うためのYスキャン用ミラーの2枚のミラーで構成されている。これにより、ガルバノミラー210は、被検眼Eの眼底上で所望の範囲を測定光で走査できるようになっている。
フォーカスレンズ230は、被検眼Eの前眼部を介して、被検眼Eの眼底における網膜層に測定光をフォーカスするためのものである。このフォーカスレンズ230は、駆動制御部220によってその位置が制御され、フォーカスが調整できるようになっている。被検眼Eの眼底を照射した測定光は、各網膜層で反射・散乱して、断層画像撮影装置200に戻り光として戻る。なお、被検眼Eの硝子体を詳細に観察する場合には、網膜層よりも前眼部側にフォーカスレンズ230を移動させ、硝子体にフォーカスを合わせる形態をとる。
内部固視灯240は、被検眼Eの固視を促すための光を被検眼Eに導くためのものであり、図1に示すように表示部241及びレンズ242を有して構成されている。表示部241は、例えば、複数の発光ダイオード(LD)がマトリックス状に配置されたものを用いる。この際、発光ダイオードの点灯位置は、駆動制御部220の制御によって撮影したい部位に合わせて変更される。表示部241からの光は、レンズ242を介して、被検眼Eに導かれる。表示部241から出射される光は、例えば波長が520nm程度であって、駆動制御部220により所望のパターンの光である。
コヒーレンスゲートステージ250は、被検眼Eの眼軸長の相違等に対応するため、駆動制御部220によって制御される。ここで、コヒーレンスゲートとは、OCTにおける測定光と参照光との光学距離が等しい位置を表す。さらに、撮影方法としてコヒーレンスゲートの位置を制御することにより、例えば、被検眼Eの網膜層側の撮影か、或いは、被検眼Eの網膜層よりも深部側の撮影を行うことを制御することができる。
干渉信号出力部260は、測定光を照射した被検眼Eからの戻り光と参照光とを干渉させることにより得られた干渉光を受光する受光手段であって、当該干渉光に基づく干渉信号を生成してこれを画像処理装置100(具体的には、取得部110)に出力する。
続いて、図1の眼底画像撮影装置300について説明する。
眼底画像撮影装置300は、被検眼Eの眼底画像を撮影する装置である。この眼底画像撮影装置300は、例えば、眼底カメラやSLO(Scanning Laser Ophothalmoscope)等で構成され得る。なお、図1に示す例では、眼底画像撮影装置300は、断層画像撮影装置200と別装置として構成されているが、本実施形態においては、眼底画像撮影装置300と断層画像撮影装置200とが一体となった1つの装置として構成されていてもよい。
眼底画像撮影装置300は、被検眼Eの眼底画像を撮影する装置である。この眼底画像撮影装置300は、例えば、眼底カメラやSLO(Scanning Laser Ophothalmoscope)等で構成され得る。なお、図1に示す例では、眼底画像撮影装置300は、断層画像撮影装置200と別装置として構成されているが、本実施形態においては、眼底画像撮影装置300と断層画像撮影装置200とが一体となった1つの装置として構成されていてもよい。
続いて、図1の被検眼Eについて説明する。
図2は、図1に示す被検眼Eの構造及びその画像の一例を示す図である。具体的に、図2(a)は、被検眼Eの構造を模式的に記載した模式図である。この図2(a)には、被検眼Eにおける角膜C、水晶体CL、硝子体V、黄斑部(この黄斑部の中心部は中心窩を表す)M、視神経乳頭部Dが示されている。また、図2(a)では、被検眼Eの各部位の位置を特定するためのxyz座標系を図示している。この図2(a)に示すように、z方向は、被検眼Eの深さ方向を示している。
図2は、図1に示す被検眼Eの構造及びその画像の一例を示す図である。具体的に、図2(a)は、被検眼Eの構造を模式的に記載した模式図である。この図2(a)には、被検眼Eにおける角膜C、水晶体CL、硝子体V、黄斑部(この黄斑部の中心部は中心窩を表す)M、視神経乳頭部Dが示されている。また、図2(a)では、被検眼Eの各部位の位置を特定するためのxyz座標系を図示している。この図2(a)に示すように、z方向は、被検眼Eの深さ方向を示している。
本実施形態では、断層画像撮影装置200が、主に、硝子体V、黄斑部M、視神経乳頭部Dを含む網膜の後極部を撮影する場合について説明を行う。なお、本発明においては、断層画像撮影装置200が、角膜C、水晶体CLの前眼部を撮影する場合も適用可能である。
図2(b)は、断層画像撮影装置200で撮影される断層画像の一例を示す図である。ここで、本実施形態では、断層画像の生成自体は、画像処理装置100の断層画像生成部111で行われるものとする。図2(b)に示す断層画像は、図2(a)のxz平面における被検眼Eの断層画像を示しており、また、図2(a)と同様の構成については同じ符号を付している。この図2(b)には、図2(a)に示す硝子体V、黄斑部M、視神経乳頭部Dが示されている。また、図2(b)には、内境界膜(ILM)と神経線維層(NFL)との境界L1、神経線維層と神経節細胞層(GCL)との境界L2、視細胞内節外節接合部(ISOS)L3、網膜色素上皮層(RPE)L4、ブルッフ膜(BM)L5、及び、脈絡膜L6が示されている。この図2(b)に示す断層画像において、x方向はOCTの主走査方向に相当し、z方向は被検眼Eの深さ方向に相当する。
図2(c)は、眼底画像撮影装置300で撮影される眼底画像の一例を示す図である。図2(b)に示す眼底画像は、図2(a)のxy平面における被検眼Eの眼底画像を示しており、また、図2(a)と同様の構成については同じ符号を付している。この図2(c)には、図2(a)に示す黄斑部M、視神経乳頭部Dが示されている。また、図2(c)において、太い曲線は、被検眼Eの網膜における血管を示している。眼底画像において、x方向は上述したOCTの主走査方向に相当し、y方向はOCTの副走査方向に相当する。
続いて、図1の画像処理装置100について説明する。
画像処理装置100は、図1に示すように、取得部110、記憶部120、画像処理部130、指示部140、及び、表示制御部150を有して構成されている。
画像処理装置100は、図1に示すように、取得部110、記憶部120、画像処理部130、指示部140、及び、表示制御部150を有して構成されている。
取得部110は、各種の情報や各種の信号、各種の画像等を取得する構成部であり、断層画像生成部111を含み構成されている。例えば、取得部110は、断層画像撮影装置200の干渉信号出力部260から、被検眼Eの断層画像に係る干渉信号を取得し、この場合、断層画像生成部111は、この干渉信号に対して各種の処理を行って各種の断層画像を生成する。また、例えば、取得部110は、眼底画像撮影装置300から眼底画像を取得する。そして、取得部110は、断層画像生成部111で生成した断層画像と眼底画像撮影装置300から取得した眼底画像を記憶部120に格納する。
画像処理部130は、取得部110で取得した断層画像や眼底画像に対して各種の画像処理を行う構成部であり、位置合わせ部131、検出部132、算出部133及び指定部134を含み構成されている。位置合わせ部131は、複数枚の断層画像間の位置合わせや断層画像と眼底画像との位置合わせを行う。検出部132は、被検眼Eの層(層境界も含む)等を検出する構成部である。例えば、検出部132は、被検眼Eの眼底における各網膜層の検出や、硝子体Vの境界やその領域等を検出する。算出部133は、例えば、硝子体Vの境界と網膜上層とで規定される領域に関する特徴を数値化する算出等を行う。指定部134は、算出部133で算出を行う領域の指定を行う。
指示部140は、例えば入力装置500から入力された情報に基づいて、駆動制御部220に対して指示を行う。
表示制御部150は、表示装置600に、各種の画像や各種の情報等を表示させる制御を行う。
続いて、図1の外部記憶装置400、入力装置500及び表示装置600について説明する。外部記憶装置400は、被検眼Eに関する情報(患者の氏名、年齢、性別等)と、撮影により得られた画像のデータや、撮影パラメータ、画像解析パラメータ、操作者によって設定されたパラメータをそれぞれ関連付けて保持している。入力装置500は、例えば、マウス、キーボード、タッチ操作画面等で構成されており、操作者は、入力装置500を介して、画像処理装置100、断層画像撮影装置200及び眼底画像撮影装置300へ指示を行えるようになっている。また、入力装置500に入力された各種の情報等は、表示装置600に表示可能に構成されている。表示装置600は、表示制御部150の制御に基づいて各種の画像や各種の情報等を表示するとともに、入力装置500に入力された各種の情報等を表示する。
次に、本実施形態に係る画像処理システム10による画像処理方法の処理手順について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理システム10による画像処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図4は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置100による画像処理の一例を示すブロック図である。
<ステップS101>
まず、ステップS101において、取得部110は、被検眼Eを同定する情報として、例えば外部の入力装置500から被検者識別番号を取得する。そして、取得部110は、取得した被検者識別番号に基づいて、外部記憶装置400が保持している当該被検眼Eに関する情報を取得して、これを記憶部120に記憶する。
まず、ステップS101において、取得部110は、被検眼Eを同定する情報として、例えば外部の入力装置500から被検者識別番号を取得する。そして、取得部110は、取得した被検者識別番号に基づいて、外部記憶装置400が保持している当該被検眼Eに関する情報を取得して、これを記憶部120に記憶する。
<ステップS102>
続いて、ステップS102において、断層画像撮影装置200(更には、眼底画像撮影装置300)は、例えば操作者が入力装置500を介して撮影の開始を指示すると、被検眼Eのスキャン(走査)を開始して撮影を行う。ここでは、断層画像撮影装置200(更には、眼底画像撮影装置300)は、入力装置500からの直接の撮影指示に基づいて撮影を行う例を示したが、入力装置500からの撮影指示を受けた画像処理装置100を介して撮影を行う形態であってもよい。
続いて、ステップS102において、断層画像撮影装置200(更には、眼底画像撮影装置300)は、例えば操作者が入力装置500を介して撮影の開始を指示すると、被検眼Eのスキャン(走査)を開始して撮影を行う。ここでは、断層画像撮影装置200(更には、眼底画像撮影装置300)は、入力装置500からの直接の撮影指示に基づいて撮影を行う例を示したが、入力装置500からの撮影指示を受けた画像処理装置100を介して撮影を行う形態であってもよい。
以下に、断層画像撮影装置200による撮影について説明する。
断層画像撮影装置200は、被検眼Eのスキャンを行う際に、駆動制御部220を制御し、ガルバノミラー210を動作させて被検眼Eのスキャン(走査)を行う。ガルバノミラー210は、上述したようにx方向(水平方向)にスキャンを行うためのXスキャン用ミラーとy方向(垂直方向)にスキャンを行うためのYスキャン用ミラーで構成されている。そのため、駆動制御部220の制御によって、これらのXスキャン用ミラー及びYスキャン用ミラーの向きをそれぞれ変更すると、装置座標系におけるx方向(水平方向)及びy方向(垂直方向)のそれぞれの方向に測定光を走査することができる。そして、これらのXスキャン用ミラー及びYスキャン用ミラーの向きを同時に変更することで、x方向(水平方向)とy方向(垂直方向)とを合成した方向に走査することができるため、眼底平面上の任意の方向に測定光を走査することが可能となる。
断層画像撮影装置200は、被検眼Eのスキャンを行う際に、駆動制御部220を制御し、ガルバノミラー210を動作させて被検眼Eのスキャン(走査)を行う。ガルバノミラー210は、上述したようにx方向(水平方向)にスキャンを行うためのXスキャン用ミラーとy方向(垂直方向)にスキャンを行うためのYスキャン用ミラーで構成されている。そのため、駆動制御部220の制御によって、これらのXスキャン用ミラー及びYスキャン用ミラーの向きをそれぞれ変更すると、装置座標系におけるx方向(水平方向)及びy方向(垂直方向)のそれぞれの方向に測定光を走査することができる。そして、これらのXスキャン用ミラー及びYスキャン用ミラーの向きを同時に変更することで、x方向(水平方向)とy方向(垂直方向)とを合成した方向に走査することができるため、眼底平面上の任意の方向に測定光を走査することが可能となる。
また、断層画像撮影装置200では、撮影を行うのにあたり、各種の撮影パラメータの設定・調整を行う。具体的に、断層画像撮影装置200は、例えば、内部固視灯240の位置、スキャン範囲、スキャンパターン、コヒーレンスゲート位置、フォーカスレンズ230の位置、被検眼Eの同一箇所をスキャンする回数(画像処理装置100で加算平均する数N(N>2))を少なくとも設定する。例えば、駆動制御部220は、表示部241の発光ダイオードを制御して、黄斑部Mの中心や視神経乳頭部Dの領域を撮影するように内部固視灯240の位置を制御する。また、断層画像撮影装置200は、スキャンパターンとして、例えば、3次元ボリュームを撮影するラスタスキャンや放射状スキャン、クロススキャン等のスキャンパターンを設定する。ここで、本実施形態ではCスキャンを行うものとする。なお、本実施形態では、各スキャンパターンにおいて、1つのライン上を繰り返しスキャンする形態をとり、この繰り返しスキャンする回数が、画像処理装置100で加算平均する数Nとなる。また、本実施形態においては、断層画像撮影装置200は、コヒーレンスゲート位置として、例えば、硝子体V側を設定し、フォーカスレンズ230の位置も硝子体Vに合わせた設定とする。断層画像撮影装置200は、これらの撮影パラメータの設定・調整の終了後、操作者が入力装置500を介して撮影開始を選択すると撮影を行う。そして、断層画像撮影装置200が撮影を開始すると、干渉信号出力部260は、Aスキャン毎に干渉信号を画像処理装置100の取得部110(断層画像生成部111)に出力する。
<ステップS103>
続いて、ステップS103において、断層画像生成部111は、各種の断層画像の生成を行う。断層画像生成部111は、それぞれの干渉信号に対して再構成処理を行うことで、各種の断層画像を生成する。具体的に、図4を用いて説明する。
続いて、ステップS103において、断層画像生成部111は、各種の断層画像の生成を行う。断層画像生成部111は、それぞれの干渉信号に対して再構成処理を行うことで、各種の断層画像を生成する。具体的に、図4を用いて説明する。
まず、断層画像生成部111は、干渉信号出力部260から出力された干渉信号から固定パターンノイズを除去する処理を行う。ここで、固定パターンノイズの除去は、検出した複数のAスキャン信号を平均することで固定パターンノイズを抽出し、これを入力した干渉信号から減算することで行われる。ここでは、干渉信号から固定パターンノイズを除去した信号を、図4に示す前処理信号401と称する。続いて、断層画像生成部111は、有限区間でフーリエ変換した場合にトレードオフの関係となる深さ分解能とダイナミックレンジを最適化するために、所望の窓関数処理402を行う。続いて、断層画像生成部111は、窓関数処理402を行った後の信号に対して、離散フーリエ変換を高速に計算する処理である高速フーリエ変換処理(FFT処理)403を行う。このFFT処理403を行うことにより、干渉信号出力部260から出力された干渉信号ごとに、後述する図6の複素平面で表現される複素信号404が取得される。
続いて、断層画像生成部111は、FFT処理403を行うことによって得た複素信号404に対して、絶対値411の演算を施すことにより、複素信号404の絶対値情報に係る被検眼Eの絶対値の断層画像412を生成する。この絶対値の断層画像412に対数演算を行ったものがOCTの断層画像であり、輝度画像や強度画像と呼ばれるものである。ここで、本実施形態では、断層画像生成部111は、被検眼Eの所定箇所を複数回走査することにより得られた複数の干渉信号(より詳細には、複数の前処理信号401)に基づく複数の絶対値の断層画像412を生成する。また、本実施形態においては、この複数の絶対値の断層画像412におけるそれぞれの絶対値の断層画像412は、被検体の所定箇所をそれぞれ1回走査することにより得られた、第1の1回走査断層画像である。
さらに、断層画像生成部111は、FFT処理403を行うことによって得た複素信号404に対して、まず、位相421を求める演算処理を施す。続いて、断層画像生成部111は、Aスキャンの方向(図2に示すz方向(被検眼Eの深さ方向))に対して位相421に関する2πのアンラップ処理422を施した後、上述したAスキャンの方向について変化を求める微分処理423を行う。断層画像生成部111は、この一連の処理(421〜423)を行うことにより、複素信号404の位相情報に係る被検眼Eの位相微分の断層画像424を生成する。ここで、本実施形態では、断層画像生成部111は、被検眼Eの同一箇所を複数回走査することにより得られた複数の干渉信号(より詳細には、複数の前処理信号401)に基づく複数の位相微分の断層画像424を生成する。また、本実施形態においては、この複数の位相微分の断層画像424におけるそれぞれの位相微分の断層画像424は、被検体の所定箇所をそれぞれ1回走査することにより得られた、第2の1回走査断層画像である。なお、本実施形態では、微分処理423を行う形態を例示しているが、この微分処理423に替えて、エッジ検出処理を適用する形態であってもよい。
<ステップS104>
続いて、ステップS104において、位置合わせ部131は、ステップS103で生成された複数N(N>2)のCスキャンの断層画像を用いて、絶対値の断層画像412の位置合わせを行う。本実施形態では、絶対値の断層画像412を使用するが、絶対値の断層画像412に対数演算を施した画像を使用してもよい。ここでの位置合わせ処理としては、例えば、2つの断層画像の類似度を表す評価関数を事前に定義しておき、この評価関数の値が最もよくなるように絶対値の断層画像412を変形する。評価関数としては、画素値で評価する方法が挙げられる(例えば、相関係数を用いて評価を行う方法が挙げられる)。
続いて、ステップS104において、位置合わせ部131は、ステップS103で生成された複数N(N>2)のCスキャンの断層画像を用いて、絶対値の断層画像412の位置合わせを行う。本実施形態では、絶対値の断層画像412を使用するが、絶対値の断層画像412に対数演算を施した画像を使用してもよい。ここでの位置合わせ処理としては、例えば、2つの断層画像の類似度を表す評価関数を事前に定義しておき、この評価関数の値が最もよくなるように絶対値の断層画像412を変形する。評価関数としては、画素値で評価する方法が挙げられる(例えば、相関係数を用いて評価を行う方法が挙げられる)。
Cスキャンの絶対値の断層画像412同士の類似度を評価することは、データ量が多いため、処理時間がかかる。処理時間の高速化のために、Cスキャンの絶対値の断層画像412から代表的な複数のBスキャンの絶対値の断層画像412を取り出して絶対値の断層画像412の集合を作り、絶対値の断層画像412の集合毎に類似度を計算する形態をとり得る。類似度を表す評価関数として、相関係数を用いた場合の式を以下の(1)式に示す。
なお、(1)式のf(x,z)及びg(x,z)における領域とは、位置合わせに用いるための画像領域であり、通常断層画像のサイズ以下の領域が設定され、被検眼Eの断層画像においては網膜層領域を含むように設定されることが望ましい。また、画像の変形処理としては、アフィン変換を用いて並進や回転を行ったり、拡大率を変化させたりする処理が挙げられる。
その後、位置合わせ部131は、位置合わせをした複数の絶対値の断層画像412に対して、同じ座標のピクセル同士の加算平均を行うことで、複数の絶対値の断層画像412から1枚の加算平均をした断層画像A(414)を生成して取得する。また、位置合わせ部131は、これらの処理を各ラインにおける複数の絶対値の断層画像412に対して実行する。この図4に示す位置合わせして加算平均413の処理を行うことで、ノイズを減らし、硝子体Zや網膜の信号を強調した高画質な画像を生成することができる。本実施形態においては、この断層画像A(414)は、複数の絶対値の断層画像412を加算平均することにより得られた、第1の加算平均断層画像である。また、本実施形態においては、絶対値の断層画像412及び断層画像A(414)は、第1の断層画像に属する断層画像であるものとする。
また、位置合わせ部131は、複数の絶対値の断層画像412を位置合わせした際に用いたパラメータを使用して、複数の位相微分の断層画像424の位置合わせを行う。そして、位置合わせ部131は、位置合わせをした複数の位相微分の断層画像424に対して、同じ座標のピクセル同士の加算平均(図4に示す位置毎に加算平均425)の処理を行うことで、複数の位相微分の断層画像424から1枚の加算平均をした断層画像B(426)を生成して取得する。本実施形態においては、この断層画像B(426)は、複数の位相微分の断層画像424を加算平均することにより得られた、第2の加算平均断層画像である。また、本実施形態においては、位相微分の断層画像424及び断層画像B(426)は、第2の断層画像に属する断層画像であるものとする。
なお、本実施形態では、スキャンの方法はCスキャンであるが、他の形態として、クロススキャンやマルチクロススキャンであってもよい。
<ステップS105>
続いて、ステップS105において、検出部132は、ステップS103で生成された絶対値の断層画像412及び位相微分の断層画像424に基づいて、被検眼Eの網膜の層を検出する。より、具体的に、検出部132は、ステップS104で取得された断層画像A(414)及び断層画像B(426)を用いて、被検眼Eの網膜層の層境界(層境界線)を検出して、被検眼Eの網膜の層を検出する。
続いて、ステップS105において、検出部132は、ステップS103で生成された絶対値の断層画像412及び位相微分の断層画像424に基づいて、被検眼Eの網膜の層を検出する。より、具体的に、検出部132は、ステップS104で取得された断層画像A(414)及び断層画像B(426)を用いて、被検眼Eの網膜層の層境界(層境界線)を検出して、被検眼Eの網膜の層を検出する。
このステップS205の処理について、以下に詳しく説明する。
検出部132は、まず、ステップS104で取得された断層画像A(414)にエッジ検出415の演算を施す。また、検出部132は、ステップS104で取得された断層画像B(426)に線強調フィルタ427を施す。この線強調フィルタとしては、例えば、ヘッセ行列固有値に基づく強調フィルタ等がある。
検出部132は、まず、ステップS104で取得された断層画像A(414)にエッジ検出415の演算を施す。また、検出部132は、ステップS104で取得された断層画像B(426)に線強調フィルタ427を施す。この線強調フィルタとしては、例えば、ヘッセ行列固有値に基づく強調フィルタ等がある。
その後、検出部132は、断層画像A(414)に施したエッジ検出415の演算結果と、断層画像B(426)に施した線強調フィルタ427の処理結果とを用いて、被検眼Eの網膜層の層境界の位置を総合的に判断し、被検眼Eの網膜の層検出430を行う。ここで、総合的に判断するとは、例えば、層境界が存在するべき位置に、断層画像A(414)に施したエッジ検出415の演算結果では層境界が存在しない場合に、断層画像B(426)に施した線強調フィルタ427の処理結果を用いて、欠けている層境界(層境界線)の情報を補う等である。
本実施形態の特徴は、断層画像A(414)(FFT処理後の複素信号404の絶対値情報を処理して得られる画像)と、断層画像B(426)(FFT処理後の複素信号404の位相情報を処理して得られる画像)とを用いて層検出430を行う点である。
ここで、検出部132による層検出430について、以下に詳しく説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態を示し、図4に示す断層画像A(414)を用いて層検出430を行う場合を説明するための図である。より具体的に、この図5では、図4に示す断層画像A(414)にエッジ検出415を行って層検出430を行う場合を示している。また、図5(a)及び図5(b)において、横軸は、被検眼Eの深さ方向(図2のz方向)の位置を示し、縦軸は、断層画像A(414)における或るAスキャンの1ラインの絶対値の大きさを示している。また、図5(a)及び図5(b)には、被検眼EのA層,B層及びC層に相当する断層画像A(414)の絶対値データがプロットされているものとする。
図5は、本発明の第1の実施形態を示し、図4に示す断層画像A(414)を用いて層検出430を行う場合を説明するための図である。より具体的に、この図5では、図4に示す断層画像A(414)にエッジ検出415を行って層検出430を行う場合を示している。また、図5(a)及び図5(b)において、横軸は、被検眼Eの深さ方向(図2のz方向)の位置を示し、縦軸は、断層画像A(414)における或るAスキャンの1ラインの絶対値の大きさを示している。また、図5(a)及び図5(b)には、被検眼EのA層,B層及びC層に相当する断層画像A(414)の絶対値データがプロットされているものとする。
ここで、比較例に係る層検出として、断層画像A(414)にエッジ検出415の演算処理を行った結果のみを用いて層検出する場合を考える。
図5(a)には、A層の絶対値の平均値Ya、B層の絶対値の平均値Yb、C層の絶対値の平均値Ycが示されている。図5(a)のように、A層の絶対値の平均値YaとB層の絶対値の平均値Ybとの差、そして、B層の絶対値の平均値YbとC層の絶対値の平均値Ycとの差が大きければ、上述した比較例に係る層検出でも、A層とB層との境界1及びB層とC層との境界2を絶対値の大きさで判断して検出することが可能である。
しなしながら、上述した比較例に係る層検出では、図5(b)のように、C層の絶対値の平均値がYc'である場合には、B層の絶対値の平均値YbとC層の絶対値の平均値Yc'との差が小さいため、例えばノイズの標準偏差と同程度となり、B層とC層との境界2'を絶対値の大きさで判断して検出することは困難である。例えば、ライン状の測定光を測定対象(本実施形態では、被検眼Eの眼底)に照射し、ライン状の干渉光をラインセンサで検出するSS−OCT装置において、ラインセンサの隣り合う画素で検出した信号が混ざり合う等により、結果として、この図5(b)のB層及びC層のように隣り合う層のコントラストが低下してしまう可能性がある。
この点に鑑みて、本実施形態では、断層画像A(414)に加えて、FFT処理後の複素信号404の位相情報に係る断層画像B(426)を用いて層検出430を行うようにしている。これを図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態を示し、図4に示す断層画像A(414)及び断層画像B(426)を用いて層検出430を行う場合を説明するための図である。具体的に、図6には、FFT処理403を行うことにより得られる複素信号404の複素平面において、図5(b)に示す境界2'におけるB層の端点の複素信号404をB層の境界値610として示し、境界2'におけるC層の端点の複素信号404をC層の境界値620として示している。また、図6では、複素平面における実部を示す実軸601と、複素平面における虚部を示す虚軸602を図示している。
ここで、境界2'におけるB層の端点の複素信号404であるB層の境界値610において、絶対値は、原点OからB層の境界値610までの長さである絶対値Ybに相当し、また、位相は、実軸601を基準とした位相Pbに相当する。同様に、境界2'におけるC層の端点の複素信号404であるC層の境界値620において、絶対値は、原点OからC層の境界値620までの長さである絶対値Yc'に相当し、また、位相は、実軸601を基準とした位相Pc'に相当する。この場合、上述した絶対値の断層画像412及び断層画像A(414)は、複素信号404の絶対値の変化に関する情報であると考えることができる。同様に、上述した位相微分の断層画像424及び断層画像B(426)は、複素信号404の位相の変化に関する情報であると考えることができる。
この図6に示すように、B層の境界値610における絶対値YbとC層の境界値620における絶対値Yc'とがほぼ同じ値であっても、B層の境界値610における位相PbとC層の境界値620における位相Pc'とが異なる場合には、本実施形態の手法を用いることにより、図5(b)に示す境界2'を検出することが可能である。但し、隣り合う位置の2点のFFT処理後の複素信号404の位相が異なるからといって、直ちに境界として見なすことはできない。位相は、同じ層(例えばA層において)でも同じ値ではなくランダムな値であるため、位相421の演算結果を加工することなく層検出430に使用することは好適ではない。
図7及び図8は、本発明の第1の実施形態を示し、図4に示す断層画像A(414)及び断層画像B(426)を用いて層検出430を行う場合を説明するための図である。具体的に、図7は、図5(a)に示す場合の層検出430を示し、図8は、図5(b)に示す場合の層検出430を示している。
図7において、図7(a)は、図5(a)に示す断層画像A(414)の絶対値データを示し、図7(b)は、図7(a)に示す断層画像A(414)の絶対値データに対してエッジ検出415を行った後のデータを示している。また、図7(c)は、図7(a)に示す断層画像A(414)に対応する断層画像B(426)の位相の微分データである。また、図8において、図8(a)は、図5(b)に示す断層画像A(414)の絶対値データを示し、図8(b)は、図8(a)に示す断層画像A(414)の絶対値データに対してエッジ検出415を行った後のデータを示している。また、図8(c)は、図8(a)に示す断層画像A(414)に対応する断層画像B(426)の位相の微分データである。なお、この図7及び図8は、図5に説明した場合と同様に、各データを被検眼Eの深さ方向(図2のz方向)にプロットしたものである。ここで、図7及び図8において、注目すべき箇所は、A層とB層との境界1と、B層とC層との境界2または境界2'であって、それぞれの図の(b)に示す絶対値のエッジ検出415を行った後のデータと、それぞれの図の(c)に示す位相の微分データである。
絶対値のエッジ検出の場合には、図7(a)に示す断層画像A(414)の絶対値データのようにB層とC層との絶対値の差が大きければ、図7(b)に示すようにエッジ検出の結果は大きくなる。また、絶対値のエッジ検出の場合には、図8(a)に示す断層画像A(414)の絶対値データのようにB層とC層との絶対値の差が小さければ、図8(b)に示すようにエッジ検出の結果は小さくなる。一方、位相の微分の場合には、図7(c)及び図8(c)に示すように、断層画像A(414)におけるB層とC層との絶対値の差の大きさによらず、その境界でほぼ同じ値になるという特徴がある。この特徴を利用して、層検出430を行うことが本実施形態の特徴である。この図7(c)及び図8(c)に示すように、位相421の演算処理及び微分処理423を行った断層画像B(426)を用いた層検出430を行うと、上述した比較例に係る断層画像A(414)のエッジ検出415の結果のみを用いて層検出する場合と比較して、被検眼Eの層の検出精度を向上させることができ、安定した層検出が可能になる。なお、上述したように、本実施形態では、微分処理423を行う形態を例示しているが、この微分処理423に替えて、エッジ検出処理を適用する形態であってもよい。
図9は、本発明の第1の実施形態を示し、Bスキャンの絶対値の断層画像412と、同じBスキャンの位相微分の断層画像424の一例を示す模式図である。具体的に、図9(a)にBスキャンの絶対値の断層画像412を示し、図9(b)にBスキャンの位相微分の断層画像424を示しており、また、各画像をグレイスケールで表示している。なお、ここでは、図9(a)は、絶対値の断層画像412として説明を行うが、図4に示す断層画像A(414)を適用してもよい。同様に、ここでは、図9(b)は、位相微分の断層画像424として説明を行うが、図4に示す断層画像B(426)を適用してもよい。
図9(a)では、Bスキャンの絶対値の断層画像412において、A層、B層及びC層を図示している。また、図9(b)では、Bスキャンの位相微分の断層画像424において、A層とB層との境界線1、B層とC層との境界線2、A層の境界線0を図示している。この図9(b)に示すBスキャンの位相微分の断層画像424では、値が大きい箇所を示す白い領域(境界線0及び境界線2)と、値が小さい箇所を示す黒い領域(境界線1)と、その他の領域1に分かれる。この図9(b)に示す領域1は、値がランダムに織り交ざっている領域である。
本実施形態では、層検出430の際に、図9(b)に示すBスキャンの位相微分の断層画像424の白い領域(境界線0及び境界線2)や黒い領域(境界線1)等のほぼ一定値が分布している領域を抽出するために、線強調フィルタ427を使用する形態をとる。しかしながら、本発明においてはこの形態に限定されるものではない。本発明においては、値がランダムに織り交ざっている領域1とほぼ一定値が分布している白い領域及び黒い領域とが混在している領域の中から、白い領域及び黒い領域を取り出せる方法であるならば、どのような画像処理方法でもよい。
なお、位相の微分を用いる技術として、OCT Angiography装置(OCTA装置)があるが、このOCTA装置は、本発明に係る装置とは異なるものである。OCTA装置は、モーションコントラスト像を作成するために、同じ位置における、時間の異なる複素信号との位相の微分を演算するものである。これに対して、本発明に係る装置は、層の境界線を検出するために、同じ時間における、隣り合う位置の複素信号の位相の微分を用いるものである。
<ステップS106>
ここで、再び、図3の説明に戻る。
ステップS105の層検出処理が終了すると、続いて、ステップS106において、表示制御部150は、断層画像A(414)を表示装置600に表示する制御を行う。この際、表示制御部150は、断層画像A(414)にステップS105の層検出処理で検出した層の境界線を重ねた(重畳させた)画像を、表示する制御を行う。
ここで、再び、図3の説明に戻る。
ステップS105の層検出処理が終了すると、続いて、ステップS106において、表示制御部150は、断層画像A(414)を表示装置600に表示する制御を行う。この際、表示制御部150は、断層画像A(414)にステップS105の層検出処理で検出した層の境界線を重ねた(重畳させた)画像を、表示する制御を行う。
<ステップS107>
続いて、ステップS107において、例えば指示部140は、操作者によって入力装置500から入力された情報に基づいて、断層画像撮影装置200による断層画像の撮影を終了するか否かを判断する。この判断の結果、断層画像撮影装置200による断層画像の撮影を終了しない場合には(S107/N)、ステップS102に戻り、ステップS102以降の処理を再度行う。
続いて、ステップS107において、例えば指示部140は、操作者によって入力装置500から入力された情報に基づいて、断層画像撮影装置200による断層画像の撮影を終了するか否かを判断する。この判断の結果、断層画像撮影装置200による断層画像の撮影を終了しない場合には(S107/N)、ステップS102に戻り、ステップS102以降の処理を再度行う。
一方、ステップS107の判断の結果、断層画像撮影装置200による断層画像の撮影を終了する場合には(S107/Y)、図3に示すフローチャートの処理を終了する。
なお、本実施形態では、加算平均する数N(N>2)を設定したが、加算平均しないで層検出430を行う形態も、本発明に含めることができる。この場合、図4に示す絶対値の断層画像412及び位相微分の断層画像424を用いて層検出430を行う形態をとり得る。
さらに、本実施形態は、層の境界線の検出において断層画像A(414)を加工した画像と、断層画像B(426)を加工した画像を使用したが、断層画像B(426)を加工した画像のみを使用して層の境界線の検出を行う形態であってもよい。
第1の実施形態に係る画像処理装置100では、取得部110(より具体的に、断層画像生成部111)は、断層画像撮影装置200からの干渉信号に対して、高速フーリエ変換処理(FFT処理)403を行って複素信号404を取得する。次いで、断層画像生成部111は、複素信号404の絶対値情報に係る絶対値の断層画像412と、複素信号404の位相情報に係る位相微分の断層画像424とを生成する。そして、検出部132は、この絶対値の断層画像412及び位相微分の断層画像424を用いて、被検眼Eの層を検出する層検出430を行うようにしている。
より具体的に、断層画像生成部111は、被検眼Eの所定箇所を複数回走査することにより得られた複数の干渉信号に対して、FFT処理403を行って、複数の絶対値の断層画像412と、複数の位相微分の断層画像424とを生成するようにしている。そして、位置合わせ部131は、複数の絶対値の断層画像412を位置合わせした後に加算平均処理を行って断層画像A(414)を取得するとともに、複数の位相微分の断層画像424を位置合わせした後に加算平均処理を行って断層画像B(426)を取得するようにしている。そして、検出部132は、この断層画像A(414)及び断層画像B(426)を用いて、被検眼Eの層を検出する層検出430を行うようにしている。
かかる構成によれば、絶対値の断層画像412及び位相微分の断層画像424(或いは、断層画像A(414)及び断層画像B(426))を用いて、被検眼Eの層を検出するようにしたので、被検眼Eの層の検出精度を向上させることができる。
より具体的に、断層画像生成部111は、被検眼Eの所定箇所を複数回走査することにより得られた複数の干渉信号に対して、FFT処理403を行って、複数の絶対値の断層画像412と、複数の位相微分の断層画像424とを生成するようにしている。そして、位置合わせ部131は、複数の絶対値の断層画像412を位置合わせした後に加算平均処理を行って断層画像A(414)を取得するとともに、複数の位相微分の断層画像424を位置合わせした後に加算平均処理を行って断層画像B(426)を取得するようにしている。そして、検出部132は、この断層画像A(414)及び断層画像B(426)を用いて、被検眼Eの層を検出する層検出430を行うようにしている。
かかる構成によれば、絶対値の断層画像412及び位相微分の断層画像424(或いは、断層画像A(414)及び断層画像B(426))を用いて、被検眼Eの層を検出するようにしたので、被検眼Eの層の検出精度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第2の実施形態に係る画像処理システムの概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係る画像処理システム10の概略構成と同様である。第2の実施形態では、図4に示す第1の実施形態に係る画像処理の一部の処理を変更する形態である。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置100による画像処理の一例を示すブロック図である。この図10において、図4に示す構成要素と同様の構成要素については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。
具体的に、図10に示す第2の実施形態における画像処理では、図4に示す位相421を求める演算処理及びアンラップ処理422に替えて、複素信号404の複素平面における軸への射影428を求める演算処理を行って、射影微分の断層画像429を生成する。即ち、第2の実施形態では、断層画像生成部111は、第1の実施形態と同様の絶対値の断層画像412と、複素信号404の複素平面における軸への射影情報に係る射影微分の断層画像429を生成する。ここで、本実施形態では、断層画像生成部111は、被検眼Eの同一箇所を複数回走査することにより得られた複数の干渉信号(より詳細には、複数の前処理信号401)に基づく複数の射影微分の断層画像429を生成する。また、本実施形態においては、この複数の射影微分の断層画像429におけるそれぞれの射影微分の断層画像429は、被検体の所定箇所をそれぞれ1回走査することにより得られた、第2の1回走査断層画像である。なお、本実施形態でも、微分処理423を行う形態を例示しているが、この微分処理423に替えて、エッジ検出処理を適用する形態であってもよい。
そして、本実施形態では、位置合わせ部131は、複数の絶対値の断層画像412を位置合わせした際に用いたパラメータを使用して、複数の射影微分の断層画像429の位置合わせを行う。そして、位置合わせ部131は、位置合わせをした複数の射影微分の断層画像429に対して、同じ座標のピクセル同士の加算平均(図10に示す位置毎に加算平均425)の処理を行うことで、複数の射影微分の断層画像429から1枚の加算平均をした断層画像B(426)を生成して取得する。本実施形態においては、この断層画像B(426)は、複数の射影微分の断層画像429を加算平均することにより得られた、第2の加算平均断層画像である。また、本実施形態においては、射影微分の断層画像429及び断層画像B(426)は、第2の断層画像に属する断層画像であるものとする。
そして、本実施形態では、検出部132は、断層画像生成部111で生成された絶対値の断層画像412及び射影微分の断層画像429に基づいて、被検眼Eの網膜の層を検出する層検出430を行う。より、具体的に、検出部132は、位置合わせ部131で取得された断層画像A(414)及び断層画像B(426)を用いて、被検眼Eの網膜層の層境界(層境界線)を検出して、被検眼Eの網膜の層を検出する層検出430を行う。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、加算平均する数N(N>2)を設定したが、加算平均しないで層検出430を行う形態も、本発明に含めることができる。この場合、図10に示す絶対値の断層画像412及び射影微分の断層画像429を用いて層検出430を行う形態をとり得る。
以下に、本実施形態で使用する射影情報について、図6を用いて説明する。
図6には、図5(b)に示す境界2'におけるB層の端点の複素信号404であるB層の境界値610において、射影値として、実部値611及び虚部値612が示されている。具体的に、実部値611は、B層の境界値610を複素平面における実軸601へ射影した射影値であり、また、虚部値612は、B層の境界値610を複素平面における虚軸602へ射影した射影値である。また、図6には、図5(b)に示す境界2'におけるC層の端点の複素信号404であるC層の境界値620において、射影値として、実部値621及び虚部値622が示されている。具体的に、実部値621は、C層の境界値620を複素平面における実軸601へ射影した射影値であり、また、虚部値622は、C層の境界値620を複素平面における虚軸602へ射影した射影値である。この場合、上述した射影微分の断層画像429及び断層画像B(426)は、複素信号404を複素平面における軸へ射影した射影値の変化に関する情報であると考えることができる。
図6には、図5(b)に示す境界2'におけるB層の端点の複素信号404であるB層の境界値610において、射影値として、実部値611及び虚部値612が示されている。具体的に、実部値611は、B層の境界値610を複素平面における実軸601へ射影した射影値であり、また、虚部値612は、B層の境界値610を複素平面における虚軸602へ射影した射影値である。また、図6には、図5(b)に示す境界2'におけるC層の端点の複素信号404であるC層の境界値620において、射影値として、実部値621及び虚部値622が示されている。具体的に、実部値621は、C層の境界値620を複素平面における実軸601へ射影した射影値であり、また、虚部値622は、C層の境界値620を複素平面における虚軸602へ射影した射影値である。この場合、上述した射影微分の断層画像429及び断層画像B(426)は、複素信号404を複素平面における軸へ射影した射影値の変化に関する情報であると考えることができる。
ここで、本実施形態では、図10に示す射影428を求める演算処理において、例えば、図6に示す実軸601へ射影した値(図6の実部値611や実部値621)を求める演算処理を行う形態をとり得る。なお、本発明においてはこの形態に限定されるものではない。例えば、図10に示す射影428を求める演算処理において、図6に示す虚軸602へ射影した値(図6の虚部値612や虚部値622)を求める演算処理を行う形態も、本発明に適用可能である。さらに、例えば、図10に示す射影428を求める演算処理において、図6に示す実軸601へ射影した値及び虚軸602へ射影した値の両方を求める演算処理を行う形態も、発明に適用可能である。
第2の実施形態によれば、絶対値の断層画像412及び射影微分の断層画像429(或いは、断層画像A(414)及び断層画像B(426))を用いて、被検眼Eの層を検出するようにしたので、被検眼Eの層の検出精度を向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第3の実施形態の説明では、上述した第1及び第2の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1及び第2の実施形態と異なる事項について説明を行う。
第3の実施形態に係る画像処理システムの概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係る画像処理システム10の概略構成と同様である。
上述した第1の実施形態では、図3のステップS104の位置合わせ処理において、2つの断層画像の類似度を表す評価関数が最も良くなるように、位置合わせを行っていた。本実施形態では、図3のステップS104の位置合わせ処理において、位相微分の断層画像424から被検眼Eの層の境界線を検出して、検出した層境界線の位置が合うように位置合わせ処理をする。特徴点として、絶対値の断層画像412から層境界線を検出し、検出した層境界線で位置合わせをする方法でもよいが、加算平均していない絶対値の断層画像412はノイズが多いため、安定して層境界線を検出できない場合が多い。
この場合、本実施形態のように、位相微分の断層画像424から層境界線を検出する方法であれば、ノイズが多い場合には絶対値の断層画像412から層境界線を検出するよりも、安定して層境界線を検出できるため、より好適である。
この点に鑑みて、例えば、本実施形態では、位置合わせ部131は、複数の絶対値の断層画像412を位置合わせする場合に、絶対値の断層画像412の各々に対応する位相微分の断層画像424から被検眼Eの層境界線を検出して、検出した層境界線の位置が合うように絶対値の断層画像412の位置合わせ処理を行う。なお、ここでの説明は、上述した第1の実施形態を想定した説明を行ったが、この第3の実施形態は、上述した第2の実施形態についても適用可能である。この場合、位置合わせ部131は、複数の絶対値の断層画像412を位置合わせする場合に、絶対値の断層画像412の各々に対応する射影微分の断層画像429から被検眼Eの層境界線を検出して、検出した層境界線の位置が合うように絶対値の断層画像412の位置合わせ処理を行う。
なお、本実施形態においては、層境界線を検出する方法でなく、例えば、2次元断層画像から各網膜層や病変等の特徴を抽出して、これらの特徴点を合わせるように位置合わせ処理を行うようにしてもよい。また、本実施形態で説明した1つの方法に限らず、上述した複数の方法を組み合わせた処理を行うようにしてもよい。
(その他の実施形態)
上述した本発明の各実施形態では、被検体として被検眼Eを適用する例を説明したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。本発明においては、例えば干渉信号を取得できる対象であれば、被検眼E以外の被検体を適用する形態も含まれる。
上述した本発明の各実施形態では、被検体として被検眼Eを適用する例を説明したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。本発明においては、例えば干渉信号を取得できる対象であれば、被検眼E以外の被検体を適用する形態も含まれる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
10:画像処理システム、100:画像処理装置、110:取得部、111:断層画像生成部、120:記憶部、130:画像処理部、131:位置合わせ部、132:検出部、133:算出部、134:指定部、140:指示部、150:表示制御部、200:断層画像撮影装置、210:ガルバノミラー、220:駆動制御部、230:フォーカスレンズ、240:内部固視灯、241:表示部、242:レンズ、250:コヒーレンスゲートステージ、260:干渉信号出力部、300:眼底画像撮影装置、400:外部記憶装置、500:入力装置、600:表示装置、E:被検眼
Claims (21)
- 測定光を照射した被検体からの戻り光と、前記測定光から分岐した参照光とを干渉させることにより得られた干渉光に基づく干渉信号に対して、フーリエ変換を行って複素信号を取得する取得手段と、
前記複素信号の絶対値情報と前記複素信号の位相情報とを用いて、前記被検体の層を検出する検出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記絶対値情報は、前記複素信号の絶対値の変化に関する情報であり、
前記位相情報は、前記複素信号の位相の変化に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記絶対値情報に係る前記被検体の第1の断層画像と、前記位相情報に係る前記被検体の第2の断層画像とを生成する生成手段を更に有し、
前記検出手段は、前記第1の断層画像および前記第2の断層画像を用いて、前記被検体の層を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記生成手段は、前記複素信号に対して前記位相情報を求める演算処理を行った後、当該演算処理の結果に対して微分処理を行って、前記第2の断層画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記生成手段は、前記演算処理の結果に対して前記被検体の深さ方向について前記位相情報に関する2πのアンラップ処理を施した後に、前記深さ方向について前記微分処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 測定光を照射した被検体からの戻り光と、前記測定光から分岐した参照光とを干渉させることにより得られた干渉光に基づく干渉信号に対して、フーリエ変換を行って複素信号を取得する取得手段と、
前記複素信号の絶対値情報と前記複素信号の複素平面における軸への射影情報とを用いて、前記被検体の層を検出する検出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記絶対値情報は、前記複素信号の絶対値の変化に関する情報であり、
前記射影情報は、前記複素信号を前記軸へ射影した射影値の変化に関する情報であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記絶対値情報に係る前記被検体の第1の断層画像と、前記射影情報に係る前記被検体の第2の断層画像とを生成する生成手段を更に有し、
前記検出手段は、前記第1の断層画像および前記第2の断層画像を用いて、前記被検体の層を検出することを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理装置。 - 前記生成手段は、前記複素信号に対して前記射影情報を求める演算処理を行った後、当該演算処理の結果に対して微分処理を行って、前記第2の断層画像を生成することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
- 前記射影情報として、前記複素信号の前記複素平面における実軸への射影情報および前記複素信号の前記複素平面における虚軸への射影情報のうちの少なくともいずれかを用いることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記生成手段は、前記被検体の所定箇所を1回走査することにより得られた前記干渉信号に対して、前記フーリエ変換を行って、前記第1の断層画像として第1の1回走査断層画像を生成するとともに前記第2の断層画像として第2の1回走査断層画像を生成し、
前記検出手段は、前記第1の1回走査断層画像および前記第2の1回走査断層画像を用いて、前記層を検出することを特徴とする請求項3、4、5、8、9のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記生成手段は、前記被検体の所定箇所を複数回走査することにより得られた複数の前記干渉信号に対して、前記フーリエ変換を行って、前記第1の断層画像に属する複数の第1の1回走査断層画像を生成するとともに前記第2の断層画像に属する複数の第2の1回走査断層画像を生成し、
前記複数の第1の1回走査断層画像を位置合わせした後に加算平均処理を行って、前記第1の断層画像に属する第1の加算平均断層画像を取得するとともに、前記複数の第2の1回走査断層画像を位置合わせした後に加算平均処理を行って、前記第2の断層画像に属する第2の加算平均断層画像を取得する位置合わせ手段を更に有し、
前記検出手段は、前記第1の加算平均断層画像および前記第2の加算平均断層画像を用いて、前記層を検出することを特徴とする請求項3、4、5、8、9のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記位置合わせ手段は、
前記複数の第2の1回走査断層画像を位置合わせして前記第2の加算平均断層画像を取得する場合に、前記複数の第1の1回走査断層画像を位置合わせした際に用いたパラメータを使用した位置合わせを行う、
または、
前記複数の第1の1回走査断層画像を位置合わせして前記第1の加算平均断層画像を取得する場合に、前記複数の第2の1回走査断層画像を位置合わせした際に用いたパラメータを使用した位置合わせを行う、
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。 - 前記検出手段は、前記被検体の深さ方向における前記変化した位置を前記被検体の層境界として検出することを特徴とする請求項2または7に記載の画像処理装置。
- 前記検出手段は、前記絶対値情報に係る前記被検体の第1の断層画像に対してエッジ検出を行って、前記層を検出することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記絶対値情報に係る前記被検体の第1の断層画像に前記検出手段が検出した層の境界線を重ねた画像を、表示装置に表示させる表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記被検体は、被検眼であり、
前記検出手段は、前記層として網膜の層を検出することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記取得手段は、ライン状の前記測定光を前記被検体に照射し、ライン状の前記干渉光をラインセンサで検出する断層画像撮影装置で得られた前記干渉信号に対して、前記フーリエ変換を行って前記複素信号を取得することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 測定光を照射した被検体からの戻り光と、前記測定光から分岐した参照光とを干渉させることにより得られた干渉光に基づく干渉信号に対して、フーリエ変換を行って複素信号を取得する取得ステップと、
前記複素信号の絶対値情報と前記複素信号の位相情報とを用いて、前記被検体の層を検出する検出ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 測定光を照射した被検体からの戻り光と、前記測定光から分岐した参照光とを干渉させることにより得られた干渉光に基づく干渉信号に対して、フーリエ変換を行って複素信号を取得する取得ステップと、
前記複素信号の絶対値情報と前記複素信号の複素平面における軸への射影情報とを用いて、前記被検体の層を検出する検出ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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