JP5044944B2 - 半導電性ポリアミドイミドベルト、半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1は、本実施の形態が適用されるカラー画像形成装置100を示した概略構成図である。図1に示すカラー画像形成装置100は、4つのトナーカートリッジ1、1対の定着ロール2、バックアップロール3、テンションロール4、2次転写ロール(2次転写手段)5、用紙経路6、用紙トレイ7、レーザー発生装置8、4つの感光体(像担持体)9、4つの1次転写ロール(1次転写手段)10、駆動ロール11、転写クリーナー12、4つの帯電ロール13、感光体クリーナー14、現像器15、中間転写ベルト16等を主要な構成部材として含んでなる。なお、図1に示すカラー画像形成装置100において、本実施の形態における半導電性ポリアミドイミドベルトは、トナー像の重ね合わせ手段およびトナー像の転写手段として機能する中間転写ベルト16として用いられる。
また、クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
なお、これらの複数を併用することが、印刷時の濃度ムラ低減の観点から好適である。
(1)イソシアネートを用いる場合、イソシアネート成分とトリカルボン酸成分とを一度に使用し、反応させてPAI樹脂を得る方法。
(2)イソシアネート成分の過剰量と酸成分を反応させて末端にイソシアネート基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、トリカルボン酸成分を追加し反応させてPAI樹脂を得る方法。
(3)トリカルボン酸成分の過剰量とイソシアネート成分を反応させて末端にカルボン酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、該酸成分とイソシアネート成分を追加し反応させてPAI樹脂を得る方法。
なお、PAI樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に管理される。
なお、本実施の形態における導電性微粒子の平均粒径としては、通常0.3μm以下、好ましくは0.1μm以下である。平均粒径が過度に大きいと、分散不良を生じ、画像欠陥を生じる場合がある。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。
更に、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
また、チャンネルブラックとしては、デグサ・ヒュルス社製の「Color Black FW200」、「Color Black FW2」、「Color Black FW2V」、「Color Black FW1」、「Color Black FW18」、「Special Black 6」、「Color Black S170」、「Color Black S160」、「Special Black 5」、「Special Black 4」、「Special Black 4A」、「Printex 150T」、「Printex U」、「Printex V」、「Printex 140U」、「Printex 140V」等が挙げられる。本実施の形態においては、単独及び複数種類のCBを併用してもよい。
ここで、酸化処理されたカーボンブラックのpH値としては、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸化処理カーボンは、表面にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基があるので、樹脂中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、半導電性ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中がおきづらくなる。
ここで、導電性の異なる2種類以上の導電粉を添加する場合には、例えば高い導電性を発現する導電粉を優先的に添加した後、導電率の低い導電粉を添加して表面抵抗率を調整すること等が可能である。
このような精製を行う方法としては、例えば、不活性ガスや真空中で500℃〜1000℃程度にする高温加熱処理、二硫化炭素やトルエン等の有機溶媒処理、水スラリーのミキシングや有機酸水溶液中のミキシング処理等で不純物を除去する方法等を採用し得る。粉体の加熱処理は製造工程上ハンドリングが難しく、エネルギーを多大に使うという難点があることから、有機溶媒処理や水を主体とした処理が精製方法として好ましい。特に、安全面の観点から水主体の処理方法が好ましい。なお、用いる水は、特に不純物が混入することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが好ましい。
(i)高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、更にポリアミドイミド樹脂を溶解させて塗工液とし、当該塗工液を加熱乾燥処理する製造方法。
(ii)高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、ポリアミドイミド樹脂の前駆体であるモノマーを溶解し、更に当該モノマーを重合させて塗工液とし、当該塗工液を加熱乾燥処理する製造方法。
中でも、上記(ii)の方法を採用すると、導電性微粒子分散時の溶液粘度を抑制することができ、分散することが容易となって好適である。
また、CBの分散が十分でない場合、特に半導電性ポリアミドイミドベルトを生産性の高い、ディップ塗布、リングフロート塗布などの塗布液安定性の求められる製造方法においては安定した成膜が困難となる場合がある。また、一方で、塗布液を使い切るかたちで使用するスパイラルコートなどは、導電粉を分散したポリアミドイミド塗布液の粘性が一般に非ニュートニアンであるため、レベリングしにくく、スパイラル模様が画像に出てしまうという問題があり、高画質なものを得ることが困難であった。
本実施の形態においては、上記(i),(ii)に示す塗工液が用いられるため、塗工液の液寿命が長く、しかも、CBが十分に分散しているため、濃度ムラや斑点ディフェクトの生ずる虞が低減された高品質のベルトを得ることができる。
また、分散処理としては、CB10質量部に対し、高分子分散剤0.01質量部〜3.0質量部、好ましくは0.05質量部〜2.0質量部を、予め、溶媒10〜100質量部、好ましくは15〜70質量部に溶解させたのち、CBを加えて分散処理を行うことができる。
分散の一例として好ましい、ジェットミルでの分散としては、衝突圧力が150MPa以上で行なう方法が好ましい。また処理回数は特に限定しないが、1回〜10回の範囲が好ましい。
従来、円筒状金型の外周面を塗布液に浸漬する方式は生産性が高く、フィルムの均一性も優れたものが得られるが、ポリアミドイミド溶液を循環しながら使用するため、長期の分散安定性が必要とされる。一方、内周面に塗布する方式や更に遠心する方式においては、ポリアミドイミド溶液を使いきりで使用できるため、分散安定性は比較的短時間でも問題を生じにくいが、一方で、ポリアミドイミド溶液のチクソ性が高いため、レベリングしにくく、均一なフィルムが得られにくく、生産性も低い。これに対し、本実施の形態において調製されるポリアミドイミド樹脂と、高分子分散剤と、導電性微粒子とを含む組成物は、長期間の分散安定性に優れるため、生産性が高く、フィルムの均一性も優れた金型の外周面に浸漬する方式での生産が可能とる。
即ち、導電粉の分散性が良好なポリアミドイミド塗布液を用いて円筒状基材を地面に対して垂直に配置し、その外周に均一に塗工液を接触させた状態で円筒状基材と塗工液面を相対的に移動させることによって基材表面に塗工液を付着させる方法(リングフロート法)を使用することで、スパイラル模様の発生がなく、安定した成膜が可能である。
なお、シームレスベルトの製造に際しては、型の離型処理を施すことができる。
(表面抵抗率)
一般に、設計自由度の大きいベルト形状の中間転写体を用い、感光体と1st−BTR(第一次転写ローラ)とをオフセットさせて配置することで、一次転写時の感光体表面電位への影響を少なくすることができるが、特に高速印刷を行なう所謂高速機では、短時間の電場印加となりベルト抵抗の立ちあがりの差が強調されて画質上の濃度ムラになる傾向となる。そして、このときの電気抵抗は装置構成上オフセットを有するため、従来考えられていた体積抵抗ではなく表面抵抗と関係がある。
本実施の形態における中間転写ベルト16においては、ベルト表面抵抗率の立ちあがりを小さくする、つまり電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差(以下、「表面抵抗率の常用対数値差」という場合がある。)として、絶対値で1.0(LogΩ/□)以下、好ましくは、0.7(LogΩ/□)以下、より好ましくは、0.05(LogΩ/□)以下の値を有する。このような範囲とすることにより、高速機で発生する濃度ムラを抑えると共に、高速印刷以外の印刷スピードにも対応でき、装置の適用範囲の広い中間転写ベルトとなる。
尚、表面抵抗率の常用対数値差は、上述したCBの種類、及びCBの分散方法により、制御することができる。
図2に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、測定対象Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。本実施の形態においては、電圧V(V)の印加10sec後及び30msec後の電流I(A)を測定する。
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
使用電極:円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)。
測定環境:22℃/55%RH。
電圧:100V。
中間転写ベルト16は、体積抵抗率の常用対数値が8〜13(LogΩcm)であることが好ましい。前記体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)未満であると、像担持体から中間転写ベルト16に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい、ノイズの大きい画像が形成される場合がある。一方、前記体積抵抗率の常用対数値が13(LogΩcm)を超えると、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写ベルト16表面が帯電するために除電機構が必要となる場合がある。
尚、前記体積抵抗率の常用対数値は、上述してCBの種類、及びCBの添加量により制御することができる。
円形電極は、第一電圧印加電極Aと表面抵抗率測定時の板状絶縁体に代えて第二電圧印加電極Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、測定対象Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは、測定対象Tの厚さを示す。
式(2) ρv=πd2/4t×(V/I)
中間転写ベルト16は、ヤング率が1000MPa以上であることが好ましく、1500MPa以上がより好ましい。
式(3) E=ΔS/Δa
ここで、ΔSは、負荷Fとサンプルの膜厚t、サンプル幅wより、ΔS=F/(w×t)で表され、Δaは、サンプル基準長さL、負荷印加時のサンプル伸びΔLより、Δa=ΔL/Lで表され、以下の様にして測定される。
中間転写ベルト16は、総厚みが、通常、0.05mm〜0.5mmであり、好ましくは、0.06mm〜0.30mmであり、より好ましくは、0.06mm〜0.15mmである。前記ベルトの総厚みが0.05mm未満であると、中間転写ベルト16として、必要な機械特性を満足できない場合があり、0.5mmを超えると、ロール屈曲部での変形によって、ベルト表面の応力が集中して、表面層にクラックが発生するなどの問題が生じる場合がある。
中間転写ベルト16は、バイアスローラの押圧力によって中間転写ベルト16の転写面の変形が起こり、転写面の硬度が、ライン画像が中抜けするホロキャラクターに影響するため、転写面の硬度が、表面微小硬度で30以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましい。
式(4) DH≡αP/D2
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
測定環境:22℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
3リットル四つ口フラスコにトリメリット酸無水物384.2g(2.0モル)とナフタレン−2,6−ジイソシアネート210.4g(1.0モル)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート250.4g(1.0モル)、N−メチル−2−ピロリドン2000gを仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させて数平均分子量26,000のPAI樹脂溶液を得た。このPAI樹脂溶液をN−メチル−2−ピロリドンで希釈して粘度7.0Pa・s、不揮発分21.3%のPAI樹脂溶液−(I)を得た。
3リットル四つ口フラスコにトリメリット酸無水物384.2g(2.0モル)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート500.8g(1.0モル)及びN−メチル−2−ピロリドン1650gを仕込み、窒素気流下で130℃まで昇温し、4時間反応させて数平均分子量27,000のPAI樹脂溶液を得た。このPAI樹脂溶液をN−メチル−2−ピロリドンで希釈して粘度3.7Pa・s、不揮発分26.1%のPAI樹脂溶液−(II)を得た。
PAI樹脂溶液−(I)1600部に、乾燥した62部の酸化処理CB−1(SPECIAL BLACK4。Degussa社製。比表面積:180(m2/g)、DBP吸油量:280(cc/100g)、揮発分:14.0%。以下、「酸化処理CB−1」という時に同様である。)と、同じく乾燥した62部の酸化処理カーボンブラック−2(SPECIAL BLACK250。Degussa社製。比表面積:40(m2/g)、DBP吸油量:48(cc/100g)、揮発分:2.0%。以下、「酸化処理CB−2」という時に同様である。)、ポリビニルピロリドン(BASFジャパン製、K17)10部を加え、湿式ジェトミル分散機(ジーナス製:GeanusPY)で分散処理(150MPa、5pass)し、カーボンブラック分散ポリアミドイミド溶液を得た。これをステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物、カーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な塗布用溶液を作製した。
次に、得られたカーボンブラックを分散したポリアミドイミド溶液を円筒状金型外面(外径168mm、長さ500mm、肉厚10mm)に、リングフロート法にて厚みが約0.5mmとなるように塗布し、250rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、60℃で30分間加熱した後、250℃で60分間加熱した。室温まで冷却し、脱型して所望のポリアミドイミドベルト−(1)(中間転写ベルト)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
ベルトの厚さは約80μmであった。得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
N−メチル−2ピロリドン(NMP)300部中に、乾燥した70部の酸化処理CB−1と、同じく乾燥した70部の酸化処理CB−2、ポリビニルピロリドン(BASFジャパン製、K17)10部を加え、ボールミルで6時間室温混合し、カーボンブラック分散NMP液を作製した。
次に、PAI樹脂溶液−(I)1700部に、前記カーボンブラック分散NMP液400部を加え、25℃、50rpmで10時間攪拌した。これをステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物、カーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な塗布用溶液を作製した。
この塗布液を用いて、実施例1と同様にしてポリアミドイミドベルト−(2)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
N−メチル−2ピロリドン(NMP)300部中に、乾燥した70部の酸化処理CB−1と、同じく乾燥した70部の酸化処理CB−2、ポリビニルピロリドン(BASFジャパン製、K17)10部を加えボールミルで6時間室温で混合し、カーボンブラック分散NMP液を作製した。
次に、この溶液400部を3リットル四つ口フラスコに入れ、トリメリット酸無水物229.5g(1.195モル)とナフタレン−2,6−ジイソシアネート125.7g(0.598モル)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート149.6g(0.598モル)、N−メチル−2−ピロリドン1195gを仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させて数平均分子量26,000のPAI樹脂溶液を得た。これをステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物、カーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な塗布用溶液を作製した。
この塗布液を用いて実施例1と同様にしてポリアミドイミドベルト−(3)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
酸化処理CB−1を50部、酸化処理CB−2を90部用いた以外は、実施例3と同様にしてポリアミドイミドベルト−(4)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
PAI樹脂溶液−(II)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミドイミドベルト−(5)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
ポリビニルピロリドン10部の代わりに、ポリ(N−ビニルフタルアミド)(Aldrich社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミドイミドベルト−(6)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
ポリビニルピロリドン10部を用いなかった以外は、実施例4と同様にしてポリアミドイミドベルト−(7)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
ポリビニルピロリドン10部を用いなかった以外は、実施例5と同様にしてポリアミドイミドベルト−(8)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
実施例1〜6,比較例1,2のポリアミドイミドベルトを図1に示す構成の富士ゼロックス社製DocuCentreColor2220改造機(プロセス速度:250mm/sec、一次転写電流:35μAに改造)に組み込み、高温高湿(32℃,85%RH)及び低温低湿(5℃,15%RH)で、Cyan、Magentaの50%ハーフトーンを富士ゼロックス社製C2紙に出力し、以下の規準で濃度ムラ及び斑点ディフェクトを目視で評価した。その結果を表2に示す。
◎:出力されたハーフトーンに、濃度ムラが確認されない。
○:出力されたハーフトーンに、濃度ムラが僅かに確認できたが、問題のないレベルである。
×:出力されたハーフトーンに、濃度ムラがはっきりと確認できた。
[斑点ディフェクト]
◎:出力されたハーフトーンに、斑点ディフェクトが確認されない。
○:出力されたハーフトーンに、斑点ディフェクトが僅かに確認できたが、問題のないレベルである。
×:出力されたハーフトーンに、斑点ディフェクトがはっきりと確認できた。
各原料を配合して塗布用溶液を作製後、各塗布用溶液を室温で保管し、1週間経時後にベルトを作成した以外は、実施例1〜6,比較例1,2と同様にしてポリアミドイミドベルト−(9)〜ポリアミドイミドベルト−(16)を得た。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表3に示した。
ポリアミドイミドベルト−(9)〜ポリアミドイミドベルト−(16)を用い、実施例7〜12,比較例3,4と同様にして濃度ムラ、斑点ディフェクトを評価した。結果を表4に示した。
(a)実施例と比較例との比較により、ポリアミドイミド樹脂と、高分子分散剤と、導電性微粒子とを含む本実施形態の半導電性ポリアミドイミドベルトは、高分子分散剤を含まない従来の半導電性ポリアミドイミドベルトに比し、濃度ムラや斑点ディフェクトの低減された中間転写ベルト、ひいては画像形成装置を実現させ得る。
(b)実施例1と実施例5との比較、或いは、実施例13と実施例17との比較により、PAI樹脂の分子構造としては、複数のジイソシアネート成分に由来するユニットを有する構造であることにより、濃度ムラをより低減させ得る。
(c)実施例1と実施例6との比較、或いは、実施例13と実施例18との比較により、高分子分散剤の種類によらず、濃度ムラや斑点ディフェクトの低減された中間転写ベルトが実現され得る。
(d)実施例3と実施例4との比較、或いは実施例15と実施例16との比較により、カーボンブラックの配合量によらず、濃度ムラや斑点ディフェクトの低減された中間転写ベルトが実現され得る。
(e)実施例2と実施例14との比較、或いは実施例3と実施例15との比較により、高分子分散剤と導電性微粒子とを溶剤中にて混合した後、ポリアミドイミド前駆体を重合して得られる組成物の方が、予め形成したポリアミドイミド樹脂と高分子分散剤・導電性微粒子とを同時に溶解して得られる組成物よりも塗布用溶液の安定性に優れることがわかる。
Claims (4)
- ポリアミドイミド樹脂と、
前記ポリアミドイミド樹脂の樹脂固形分に対し10質量%〜30質量%の範囲で配合された導電性微粒子と、
前記導電性微粒子10質量部に対し0.01質量部〜3質量部の範囲で配合された分子構造中にN−ビニル基を有するポリアミド化合物からなる高分子分散剤とが含有されてなり、
円形電極を用いJIS K6911に従って測定し、下記式(1)により算出した、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差が絶対値で0.7(LogΩ/□)以下である
ことを特徴とする半導電性ポリアミドイミドベルト。
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
(式(1)中、ρsは表面抵抗率、dは円形電極に備わる円柱状電極の外径(d:mm)であり、Dは円形電極に備わるリング状電極の内径(D:mm)であり、Vは電圧(V)、Iは電流(A)である。) - 像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を中間転写ベルトに一次転写する第一転写手段と、
前記中間転写ベルトに転写されたトナー像を被転写体に二次転写する第二転写手段と、
前記トナー像を被転写体に定着する定着手段とを備え、
前記中間転写ベルトは、
ポリアミドイミド樹脂と、当該ポリアミドイミド樹脂の樹脂固形分に対し10質量%〜30質量%の範囲で配合された導電性微粒子と、当該導電性微粒子10質量部に対し0.01質量部〜3質量部の範囲で配合された分子構造中にN−ビニル基を有するポリアミド化合物からなる高分子分散剤とが含有されてなり、
円形電極を用いJIS K6911に従って測定し、下記式(1)により算出した、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差が絶対値で0.7(LogΩ/□)以下である半導電性ポリアミドイミドベルトであることを特徴とする画像形成装置。
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
(式(1)中、ρsは表面抵抗率、dは円形電極に備わる円柱状電極の外径(d:mm)であり、Dは円形電極に備わるリング状電極の内径(D:mm)であり、Vは電圧(V)、Iは電流(A)である。) - 分子構造中にN−ビニル基を有するポリアミド化合物からなる高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、更にポリアミドイミド樹脂を溶解させて塗工液とし、当該塗工液を加熱乾燥処理することにより、円形電極を用いJIS K6911に従って測定し、下記式(1)により算出した、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差が絶対値で0.7(LogΩ/□)以下である半導電性ポリアミドイミドベルトを得ることを特徴とする半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法。
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
(式(1)中、ρsは表面抵抗率、dは円形電極に備わる円柱状電極の外径(d:mm)であり、Dは円形電極に備わるリング状電極の内径(D:mm)であり、Vは電圧(V)、Iは電流(A)である。) - 分子構造中にN−ビニル基を有するポリアミド化合物からなる高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、ポリアミドイミド樹脂の前駆体であるモノマーを溶解し、更に当該モノマーを重合させて塗工液とし、当該塗工液を加熱乾燥処理することにより、円形電極を用いJIS K6911に従って測定し、下記式(1)により算出した、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差が絶対値で0.7(LogΩ/□)以下である半導電性ポリアミドイミドベルトを得ることを特徴とする半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法。
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
(式(1)中、ρsは表面抵抗率、dは円形電極に備わる円柱状電極の外径(d:mm)であり、Dは円形電極に備わるリング状電極の内径(D:mm)であり、Vは電圧(V)、Iは電流(A)である。)
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