JP5044944B2 - 半導電性ポリアミドイミドベルト、半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法、及び画像形成装置 - Google Patents

半導電性ポリアミドイミドベルト、半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導電性ポリアミドイミドベルト等に関し、より詳しくは、画像形成装置に用いられる半導電性ポリアミドイミドベルト等に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置は、無機又は有機材料からなる光導電性感光体である像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像とする。そして、前記トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の転写材に静電的に転写することにより、所要の再生画像を得る。特に、前記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上記のような中間転写体方式を採用した画像形成装置において、高画質の転写画像を得るためには、中間転写体の電気抵抗値は所定の範囲に制御され、かつ面内バラツキ(面内抵抗値の最大値と最小値の差)が少ないことが求められる(特許文献2参照)。電気抵抗値の面内バラツキが大きいと、感光体の帯電不足や斑点状のディフェクトの発生原因となり得るからである。しかも、長期耐久試験に耐え得るよう、ある程度の機械的強度も求められる。
そして、このような事情の下、機械特性や耐熱性に優れたポリイミド樹脂に導電性フィラー(カーボンブラック等)を分散してなる中間転写ベルトが提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。また、ポリアミドイミド樹脂に導電性フィラーを分散してなる中間転写ベルトも提案されている(例えば、特許文献5,6参照)。
特開昭62−206567号公報 特開2002−148951号公報 特開平5−77252号公報 特開平10−63115号公報 特開平10−226028号公報 特開2003−261768号公報
ここで、ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトは、機械特性(強度等)に優れ、抵抗値も安定したものが得られることから長期にわたって高画質を得ることができるが、一方で、ポリイミド樹脂は溶剤に不溶であるため、フィルムに加工することが困難である。ポリイミド樹脂フィルムを得るに際しては、通常、前駆体、ポリアミック酸の状態で溶剤に溶解させ、基体上に塗布し、加熱イミド化させる方法が採用されるが、加熱イミド化は300℃以上の高温を要するため、著しく生産性に劣り、生産コストの観点からなお改善の余地を有するものとなっていた。
一方、ポリアミドイミド樹脂は溶剤に可溶であるため、加工性に優れ、優れた機械特性をも有しているが、ポリアミドイミド樹脂溶液は一般に高粘度であり、カーボンブラックを良好に分散させることが困難である上、カーボンブラックを含むポリアミドイミド樹脂溶液の貯蔵安定性(特に混合分散後の分散性経時変化を言う)に問題があった。
貯蔵安定性が悪いことは、調製後にそのまま長時間放置できず、可能な限り早く成形に使用しなければならなくなることを意味する。特に量産的に製造する場合に好適なディップ塗布法、リングフロート法によりポリアミドイミド成形体を得ようとする場合には、長期にわたって安定した分散性が要求されるため問題となる。導電性カーボンを含むポリアミドイミド溶液にフッ素系界面活性剤を添加することも提案されているが(例えば、特許文献6参照)、界面活性剤はフィルム中を移動しやすく、特に表面の抵抗値に影響を与え易いため、安定した抵抗値が要求される中間転写体用の素材としては、なお改良の余地を有するものであった。
本発明は、上記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、安定した表面抵抗値を有し、濃度ムラ、斑点状ディフェクトを生じ難い半導電性ポリアミドイミドベルト、当該半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法、及び当該半導電性ポリアミドイミドベルトを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の半導電性ポリアミドイミドベルトは、ポリアミドイミド樹脂と、高分子分散剤と、導電性微粒子とが含有されてなることを特徴としている。
また、本発明を画像形成装置と捉え、本発明の画像形成装置は、像担持体と、像担持体の表面を帯電する帯電手段と、像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を中間転写ベルトに一次転写する第一転写手段と、中間転写ベルトに転写されたトナー像を被転写体に二次転写する第二転写手段と、トナー像を被転写体に定着する定着手段とを備え、中間転写ベルトは、ポリアミドイミド樹脂と、高分子分散剤と、導電性微粒子とを含有する半導電性ポリアミドイミドベルトであることを特徴としている。
更に、本発明を半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法と捉え、本発明の半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法は、高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、更にポリアミドイミド樹脂を溶解させて塗工液とし、塗工液を加熱乾燥処理すること、又は、高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、ポリアミドイミド樹脂の前駆体であるモノマーを溶解し、更にモノマーを重合させて塗工液とし、塗工液を加熱乾燥処理することを特徴としている。
本発明によれば、導電性微粒子の分散性が改良される。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるカラー画像形成装置100を示した概略構成図である。図1に示すカラー画像形成装置100は、4つのトナーカートリッジ1、1対の定着ロール2、バックアップロール3、テンションロール4、2次転写ロール(2次転写手段)5、用紙経路6、用紙トレイ7、レーザー発生装置8、4つの感光体(像担持体)9、4つの1次転写ロール(1次転写手段)10、駆動ロール11、転写クリーナー12、4つの帯電ロール13、感光体クリーナー14、現像器15、中間転写ベルト16等を主要な構成部材として含んでなる。なお、図1に示すカラー画像形成装置100において、本実施の形態における半導電性ポリアミドイミドベルトは、トナー像の重ね合わせ手段およびトナー像の転写手段として機能する中間転写ベルト16として用いられる。
次に、図1に示すカラー画像形成装置100の構成について順次説明する。まず、感光体9の周囲には、反時計回りに帯電ロール13、現像器15、中間転写ベルト16を介して配置された1次転写ロール10、感光体クリーナー14が配置され、これら1組の部材が、1つの色に対応した現像ユニットを形成している。また、この現像ユニット毎に、現像器15に現像剤を補充するトナーカートリッジ1がそれぞれ設けられており、各現像ユニットの感光体9に対して、帯電ロール13と現像器15との間の感光体9表面に画像情報に応じたレーザー光を照射することができるレーザー発生装置8が設けられている。
4つの色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に対応した4つの現像ユニットは、画像形成装置100内においてほぼ水平方向に直列に配置されており、4つの現像ユニットの感光体9と1次転写ロール10とのニップ部を挿通するように中間転写ベルト16が設けられている。中間転写ベルト16は、その内周側に以下の順序で反時計回りに設けられた、バックアップロール3、テンションロール4、および駆動ロール11により張架されている。なお、4つの1次転写ロール10は、テンションロール4と駆動ロール11との間に位置する。また、中間転写ベルト16を介して駆動ロール11の反対側には中間転写ベルト16の外周面をクリーニングする転写クリーナー12が駆動ロール11に対して圧接するように設けられている。
また、中間転写ベルト16を介してバックアップロール3の反対側には用紙トレイ7から用紙経路6を経由して搬送される記録用紙の表面に、中間転写ベルト16の外周面に形成されたトナー像を転写するための2次転写ロール5が、バックアップロール3に対して圧接するように設けられている。バックアップロール3と駆動ロール11との間の中間転写ベルト16の外周面には、この外周面を除電するための除電ロール(図示せず)が設けられている。
更に、カラー画像形成装置100の底部には記録用紙をストックする用紙トレイ7が設けられ、用紙トレイ7から用紙経路6を経由して2次転写部を構成するバックアップロール3と2次転写ロール5との圧接部を通過するように供給することができる。この圧接部を通過した記録用紙はさらに1対の定着ロール2の圧接部を挿通するように不図示の搬送手段により搬送可能であり、最終的にカラー画像形成装置100外へと排出することができる。
次に、図1のカラー画像形成装置100を用いた画像形成方法について説明する。トナー像の形成は各現像ユニット毎に行なわれ、帯電ロール13により反時計方向に回転する感光体9表面を一様に帯電した後に、レーザー発生装置8(露光装置)により帯電された感光体9表面に潜像を形成し、次に、この潜像を現像器15から供給される現像剤により現像してトナー像を形成し、1次転写ロール10と感光体9との圧接部に運ばれたトナー像を矢印X方向に回転する中間転写ベルト16の外周面に転写する。なお、トナー像を転写した後の感光体9は、その表面に付着したトナーやゴミ等が感光体クリーナー14によりクリーニングされ、次のトナー像の形成に備える。
各色の現像ユニット毎に現像されたトナー像は、画像情報に対応するように中間転写ベルト16の外周面上に順次重ね合わされた状態で、2次転写部に運ばれ2次転写ロール5により、用紙トレイ7から用紙経路6を経由して搬送されてきた記録用紙表面に転写される。トナー像が転写された記録用紙は、更に定着部を構成する1対の定着ロール2の圧接部を通過する際に加圧加熱されることにより定着され、記録媒体表面に画像が形成された後、カラー画像形成装置100外へと排出される。
2次転写部を通過した中間転写ベルト16は、矢印X方向に更に進み、図示しない除電ロールにより外周面が除電された後、さらに、転写クリーナー12により外周面がクリーニングされた後に次のトナー像の転写に備える。
感光体9(像担持体)としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることができるが、画像の安定性から有機系のものが好ましい。前記像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像担持体を用いることも可能である。
帯電ロール13(帯電手段)としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、電子写真感光体に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
レーザー発生装置8(露光手段)としては、特に制限はなく、感光体9の表面に、例えば、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
現像器15(現像手段)としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触或いは非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
1次転写ロール10(第一転写手段)としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、前記転写帯電器の他、剥離帯電器等を併用することもできる。
2次転写ロール5(第二転写手段)としては、接触型転写帯電器、スコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等が挙げられる。これらの中でも、前記第一転写手段と同様に接触型転写帯電器が好ましい。転写ロール等の接触型転写帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状態を良好な状態に維持させることができる。また、中間転写ベルト16を案内するローラの位置で転写ロール等の接触型転写帯電器を押圧すると、中間転写ベルト16から被転写体(用紙)に対してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行うことが可能になる。
定着ロール2(定着手段)としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
また、クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
更に、光除電手段を設置することも好適である。光除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LED等が挙げられ、光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光等が挙げられる。該光除電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるよう出力設定される。
次に、本実施の形態における中間転写ベルト16について説明する。本実施の形態における中間転写ベルト16は、ポリアミドイミド樹脂(以下、「PAI樹脂」と略記することがある。)と、高分子分散剤と、導電性微粒子とを含むものである。
本実施の形態において、PAI樹脂の原料としては、一般に酸無水物基を有する3価のカルボン酸成分(トリカルボン酸成分)と、イソシアネート又はジアミンを使用することができる。前記3価のカルボン酸成分としては、屈曲性、貯蔵安定性およびコストの点でトリメリット酸無水物が好ましい。また、該トリメリット酸無水物と、その他のイソシアネート基又はアミノ基と反応する酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体を併用することができる。好ましい構造としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0005044944
ここで、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基を示し、Xは−CH−、−CO−、−SO−、または−O−を示す。
また、これらのほかに必要に応じて、テトラカルボン酸二無水物(ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−スルホニルジフタル酸二無水物、m−ターフェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等)、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等)などを併用することができる。
イソシアネートとしては、3,3'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等を使用することができる。また、ジアミンとしては、前記イソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基が置換した化合物を使用することができる。
なお、これらの複数を併用することが、印刷時の濃度ムラ低減の観点から好適である。
上記原料を用いてPAI樹脂を形成する(重合反応を行う)際に用いる溶媒としては、溶解性等の点より極性溶媒(有機極性溶媒)が好適に挙げられる。該極性溶媒として具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、γ―ブチロラクトン等が挙げられるが、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらは単数または複数併用することができる。
イソシアネート又はジアミンと、トリカルボン酸成分との配合割合としては、酸成分のカルボキシル基及び酸無水物基の総数に対するイソシアネート基又はアミノ基の総数比として、通常0.6〜1.4であり、好ましくは0.7〜1.3であり、より好ましくは0.8〜1.2である。0.6未満又は1.4を超えると、樹脂の分子量を高くすることが困難となる傾向がある。
PAI樹脂を形成する方法としては、例えば次の製造法を挙げることができる。
(1)イソシアネートを用いる場合、イソシアネート成分とトリカルボン酸成分とを一度に使用し、反応させてPAI樹脂を得る方法。
(2)イソシアネート成分の過剰量と酸成分を反応させて末端にイソシアネート基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、トリカルボン酸成分を追加し反応させてPAI樹脂を得る方法。
(3)トリカルボン酸成分の過剰量とイソシアネート成分を反応させて末端にカルボン酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、該酸成分とイソシアネート成分を追加し反応させてPAI樹脂を得る方法。
アミンを用いる場合も上記に示したイソシアネートを用いた場合と同様の製造法で得ることができるが、その他にアミンと、酸成分として三塩基酸無水物モノクロライドを低温で数時間反応させることにより得ることもできる。
このようにして得られたPAI樹脂の数平均分子量は、10,000〜45,000とすることが好ましい。数平均分子量が10,000未満であると、成膜性が悪くなり耐屈曲性が低下する傾向がある。45,000を超えると、導電性微粒子の分散性、管状フィルムとしての成型性、厚み精度等において劣る傾向がある。
なお、PAI樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングして、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に管理される。
本実施の形態において、高分子分散剤としては、導電性微粒子をPAI樹脂中により良好に分散させる観点から、分子構造中に窒素原子を有する高分子分散剤が好適である。このような高分子分散剤としてより具体的には、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリドン)等を挙げることができ、中でも、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルピペリドン)が分散性に優れ、好ましい。なお、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。
このような高分子分散剤の配合量としては、導電性微粒子10質量部に対し、通常0.01〜3.0質量部、好ましくは0.05〜2重量部である。高分子分散剤の配合量が過度に大きいと、抵抗値の湿度依存が大きくなる場合があり、一方、過度に小さいと、導電性微粒子の分散性が低下する場合がある。
本実施の形態において、導電性微粒子は、上記PAI樹脂に半導電性を付与するものである。このような導電性微粒子の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば金属、金属酸化物、導電性高分子、カーボンブラック(以下、「CB」と略記することがある)等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。2種以上を組み合わせて用いる場合には、単に混合しても良いし、固溶体や融着の形にしても良い。
なお、本実施の形態における導電性微粒子の平均粒径としては、通常0.3μm以下、好ましくは0.1μm以下である。平均粒径が過度に大きいと、分散不良を生じ、画像欠陥を生じる場合がある。
また、上記金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレス等、またはこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等が挙げられる。
更に、導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
中でも、PAI樹脂に対する分散性に優れ、より安定した貯蔵安定性(例えば3日以上の放置でも安定した分散状態を保つ)が得られ、しかも、付与される電気抵抗にムラがない等の理由から、CBが好ましく用いられる。
本実施の形態において、CBとしては市販品を用いることができる。より具体的には、特に限定されるものではないが、例えば、ファーネスブラックとしては、デグサ・ヒュルス社製の「Special Black550」、「Special Black350」、「Special Black250」、「Special Black100」、「Printex 35」、「Printex 25」、三菱化学社製の「MA7」、「MA77」、「MA8」、「MA11」、「MA100」、「MA100R」、「MA220」、「MA230」、キャボット社製、「MONARCH 1300」、「MONARCH 1100」、「MONARCH 1000」、「MONARCH 900」、「MONARCH 880」、「MONARCH 800」、「MONARCH 700」、「MOGUL L」、「REGAL 400R」、「VULCAN XC−72R」等が挙げられる。
また、チャンネルブラックとしては、デグサ・ヒュルス社製の「Color Black FW200」、「Color Black FW2」、「Color Black FW2V」、「Color Black FW1」、「Color Black FW18」、「Special Black 6」、「Color Black S170」、「Color Black S160」、「Special Black 5」、「Special Black 4」、「Special Black 4A」、「Printex 150T」、「Printex U」、「Printex V」、「Printex 140U」、「Printex 140V」等が挙げられる。本実施の形態においては、単独及び複数種類のCBを併用してもよい。
本実施の形態において使用されるCBとしては、本実施の形態における表面抵抗率の常用対数値の差をより低くできる点で、酸化処理されたCBであることが好ましい。
ここで、酸化処理されたカーボンブラックのpH値としては、pH5.0以下であることが好ましく、pH4.5以下であることがより好ましく、pH4.0以下であることが更に好ましい。pH5.0以下の酸化処理カーボンは、表面にカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラクトン基などの酸素含有官能基があるので、樹脂中への分散性がよく、良好な分散安定性が得られ、半導電性ベルトの抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中がおきづらくなる。
本実施の形態においてCBを2種以上用いる場合、それらは実質的に、互いに導電性の異なるものが好ましい。そのようなCBについては、例えば酸化処理の度合い、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性が異なるものを用いることができる。2種類以上の導電粉を含有させることによって混合や分散を高めることができるという効果がある。
ここで、導電性の異なる2種類以上の導電粉を添加する場合には、例えば高い導電性を発現する導電粉を優先的に添加した後、導電率の低い導電粉を添加して表面抵抗率を調整すること等が可能である。
また、使用するCBを精製することができる。精製とは、製造工程で混入した不純物、例えば残余の酸化剤、処理剤や副生成物等の不純物、その他の無機不純物や有機不純物を除去することである。
このような精製を行う方法としては、例えば、不活性ガスや真空中で500℃〜1000℃程度にする高温加熱処理、二硫化炭素やトルエン等の有機溶媒処理、水スラリーのミキシングや有機酸水溶液中のミキシング処理等で不純物を除去する方法等を採用し得る。粉体の加熱処理は製造工程上ハンドリングが難しく、エネルギーを多大に使うという難点があることから、有機溶媒処理や水を主体とした処理が精製方法として好ましい。特に、安全面の観点から水主体の処理方法が好ましい。なお、用いる水は、特に不純物が混入することを防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することが好ましい。
また、本実施の形態において、PAI樹脂に安定して半導電性を付与する観点から、各種ポリマーをグラフトしたCBも好ましく用いられる。特に、カーボンブラック表面の官能基と反応し得る反応性基を有し、カーボンブラック表面との親和性が良好なセグメントと、その他のセグメントとを有する共重合体をグラフトしたカーボンブラックが好ましい。このようなグラフト化カーボンブラックについては、特開平10−120935号公報に詳細が記載されている。また、カーボンブラックを均一に混合・分散する観点より、親水性ポリマーをグラフトしたカーボンブラックが好ましい。当該親水性ポリマーとしては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリドン)等が挙げられる。また、当該カーボンブラックとしては、親水性ポリマーをカーボンブラックにグラフトする際、カーボンブラック表面との親和性が良好なセグメントを介在させたもの(ブロック共重合体等)でもよい。
上記CBの配合量としては、樹脂固形分に対して通常10質量%〜30質量%、好ましくは18質量%〜30質量%である。このような配合量とすることは、半導電性ベルトの表面抵抗率の面内バラツキを抑制し、安定した性能を得る上でも重要である。中でも、CBを18質量%〜30質量%含有させることにより、その効果を最大限発揮させることができ、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性を顕著に向上させ得る。なお、CBの配合量が10質量%未満であると、電気抵抗の均一性が低下し、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性が大きくなる場合がある。一方、30質量%を超えると、所望の抵抗値が得られ難くなる場合がある。
中間転写ベルト16の製造方法としては、例えば、以下のような方法を採用することができる。
(i)高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、更にポリアミドイミド樹脂を溶解させて塗工液とし、当該塗工液を加熱乾燥処理する製造方法。
(ii)高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、ポリアミドイミド樹脂の前駆体であるモノマーを溶解し、更に当該モノマーを重合させて塗工液とし、当該塗工液を加熱乾燥処理する製造方法。
中でも、上記(ii)の方法を採用すると、導電性微粒子分散時の溶液粘度を抑制することができ、分散することが容易となって好適である。
一般に、CBは二次凝集を起こしやすく、凝集により導通経路が生じ、ベルト内での電気抵抗値のばらつきにつながる。そのようなベルトを電子写真記録装置の中間転写ベルトとして用いた場合、印刷シートに転写したトナー像に転写ムラ(濃度ムラや斑点ディフェクト)が生じるなどの問題が生じる。このように電気抵抗値のバラツキが中間転写に影響するのは、半導電性ベルトの帯電抑制能の不均一化や、導電抑制能の不均一化により、局所的な剥離放電や導電が生じやすくなるためと考えられる。
また、CBの分散が十分でない場合、特に半導電性ポリアミドイミドベルトを生産性の高い、ディップ塗布、リングフロート塗布などの塗布液安定性の求められる製造方法においては安定した成膜が困難となる場合がある。また、一方で、塗布液を使い切るかたちで使用するスパイラルコートなどは、導電粉を分散したポリアミドイミド塗布液の粘性が一般に非ニュートニアンであるため、レベリングしにくく、スパイラル模様が画像に出てしまうという問題があり、高画質なものを得ることが困難であった。
本実施の形態においては、上記(i),(ii)に示す塗工液が用いられるため、塗工液の液寿命が長く、しかも、CBが十分に分散しているため、濃度ムラや斑点ディフェクトの生ずる虞が低減された高品質のベルトを得ることができる。
ここで、中間転写ベルト16を製造する際に用いられる溶媒としては、特に限定されず、上記PAI樹脂の重合溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
また、分散処理としては、CB10質量部に対し、高分子分散剤0.01質量部〜3.0質量部、好ましくは0.05質量部〜2.0質量部を、予め、溶媒10〜100質量部、好ましくは15〜70質量部に溶解させたのち、CBを加えて分散処理を行うことができる。
なお、溶媒中にPAI樹脂と高分子分散剤を溶解させ、これにCBを添加した後に分散処理を行うこともできるが、PAI樹脂溶液は非常に粘性が高く、この中にダイレクトにカーボンブラックを分散するには非常に大きなシェアストレスを必要とし、分散液の分散性(CBの均一性)を上げることが困難で、均一な抵抗体が得にくい傾向となる。しかし、高分子分散剤を用いてあらかじめ溶剤中にCBを分散し、更にポリアミドイミド樹脂を合成するか、あるいはポリアミドイミド樹脂を添加することにより、安定した良好な分散性を得ることが可能となる。
分散処理を行う際には、微細メディアを用いたボールミル、ダイノーミル、コボールミルなども使用できるが、微細メディアの混入が画質に影響するため、メディアを使用しないメディアフリーの分散方法が好ましく、特に高粘度溶液を均一に分散できる点で、ジェットミルなどが好ましい。
分散の一例として好ましい、ジェットミルでの分散としては、衝突圧力が150MPa以上で行なう方法が好ましい。また処理回数は特に限定しないが、1回〜10回の範囲が好ましい。
ポリアミドイミド樹脂原料を重合させる場合には、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は5〜10時間である。
なお、CBを分散したPAI樹脂溶液は高粘度溶液になる傾向にあり、作製時に混入した気泡が抜け難い。気泡が残存したまま中間転写ベルト16を作成すると、塗布時に発生する気泡に起因するベルトの突起、へこみ、穴等の欠陥が発生する場合がある。このため、CBを分散したPAI樹脂溶液に対して、脱泡処理を行うことが望ましい。脱泡はできる限り塗布直前に行うことが好ましい。
中間転写ベルト16をシームレスベルトとして製造する場合には、例えば円筒状金型の外周面を塗布液に浸漬する方式や、塗布液を内周面に塗布する方式や、更に遠心する方式、或いは注形型に塗布液を充填する方式などの適宜な方式で、PAI樹脂溶液をリング状に展開し、その展開層を乾燥製膜してベル卜形に成形し、その成形物を加熱乾燥して型より回収する方法などの従来に準じた適宜な方法を採用し得る(特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報等)。
従来、円筒状金型の外周面を塗布液に浸漬する方式は生産性が高く、フィルムの均一性も優れたものが得られるが、ポリアミドイミド溶液を循環しながら使用するため、長期の分散安定性が必要とされる。一方、内周面に塗布する方式や更に遠心する方式においては、ポリアミドイミド溶液を使いきりで使用できるため、分散安定性は比較的短時間でも問題を生じにくいが、一方で、ポリアミドイミド溶液のチクソ性が高いため、レベリングしにくく、均一なフィルムが得られにくく、生産性も低い。これに対し、本実施の形態において調製されるポリアミドイミド樹脂と、高分子分散剤と、導電性微粒子とを含む組成物は、長期間の分散安定性に優れるため、生産性が高く、フィルムの均一性も優れた金型の外周面に浸漬する方式での生産が可能とる。
即ち、導電粉の分散性が良好なポリアミドイミド塗布液を用いて円筒状基材を地面に対して垂直に配置し、その外周に均一に塗工液を接触させた状態で円筒状基材と塗工液面を相対的に移動させることによって基材表面に塗工液を付着させる方法(リングフロート法)を使用することで、スパイラル模様の発生がなく、安定した成膜が可能である。
なお、シームレスベルトの製造に際しては、型の離型処理を施すことができる。
次に、本実施の形態における中間転写ベルト16の各種物性の好適範囲、及びその測定方法について述べる。
(表面抵抗率)
一般に、設計自由度の大きいベルト形状の中間転写体を用い、感光体と1st−BTR(第一次転写ローラ)とをオフセットさせて配置することで、一次転写時の感光体表面電位への影響を少なくすることができるが、特に高速印刷を行なう所謂高速機では、短時間の電場印加となりベルト抵抗の立ちあがりの差が強調されて画質上の濃度ムラになる傾向となる。そして、このときの電気抵抗は装置構成上オフセットを有するため、従来考えられていた体積抵抗ではなく表面抵抗と関係がある。
本実施の形態における中間転写ベルト16においては、ベルト表面抵抗率の立ちあがりを小さくする、つまり電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差(以下、「表面抵抗率の常用対数値差」という場合がある。)として、絶対値で1.0(LogΩ/□)以下、好ましくは、0.7(LogΩ/□)以下、より好ましくは、0.05(LogΩ/□)以下の値を有する。このような範囲とすることにより、高速機で発生する濃度ムラを抑えると共に、高速印刷以外の印刷スピードにも対応でき、装置の適用範囲の広い中間転写ベルトとなる。
尚、表面抵抗率の常用対数値差は、上述したCBの種類、及びCBの分散方法により、制御することができる。
また、中間転写ベルト16の、電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値としては、通常、9〜13(LogΩ/□)、好ましくは10〜12(LogΩ/□)である。電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値が13(LogΩ/□)を超えると、二次転写時に記録媒体と中間転写ベルトとが静電吸着し、記録媒体の剥離ができなくなる場合がある。一方、電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値が9(LogΩ/□)未満であると、中間転写ベルトに一次転写されたトナー像の保持力が不足し画質の粒状性や像乱れが発生する場合がある。尚、前記電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値は、上述したCBの種類や、CBの添加量を選定することにより制御することができる。
表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定することができる。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図2は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
図2に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、測定対象Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。本実施の形態においては、電圧V(V)の印加10sec後及び30msec後の電流I(A)を測定する。
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
表面抵抗率の測定条件として、より具体的には、以下の条件である。
使用電極:円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)。
測定環境:22℃/55%RH。
電圧:100V。
(体積抵抗率)
中間転写ベルト16は、体積抵抗率の常用対数値が8〜13(LogΩcm)であることが好ましい。前記体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)未満であると、像担持体から中間転写ベルト16に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい、ノイズの大きい画像が形成される場合がある。一方、前記体積抵抗率の常用対数値が13(LogΩcm)を超えると、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間転写ベルト16表面が帯電するために除電機構が必要となる場合がある。
尚、前記体積抵抗率の常用対数値は、上述してCBの種類、及びCBの添加量により制御することができる。
本実施の形態において、体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定することができる。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定できる。
円形電極は、第一電圧印加電極Aと表面抵抗率測定時の板状絶縁体に代えて第二電圧印加電極Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に測定対象Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、測定対象Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは、測定対象Tの厚さを示す。
式(2) ρv=πd/4t×(V/I)
(ヤング率)
中間転写ベルト16は、ヤング率が1000MPa以上であることが好ましく、1500MPa以上がより好ましい。
ヤング率Eは、単位断面積にかかる力ΔSと単位長さでの伸びΔaを測定することにより下記式(3)より算出することができる。
式(3) E=ΔS/Δa
ここで、ΔSは、負荷Fとサンプルの膜厚t、サンプル幅wより、ΔS=F/(w×t)で表され、Δaは、サンプル基準長さL、負荷印加時のサンプル伸びΔLより、Δa=ΔL/Lで表され、以下の様にして測定される。
まず、測定対象Tを80mm×5mmに切り出した。10回のヤング率の測定を行ない、平均値を測定データとした。測定機は、アイコーエンジニアリング社製引張り試験機MODEL−1605Nを使用し、測定条件は22℃55%環境で引張り速度を20mm/minで行なった。尚、ベルト断面積算出に必要なベルト膜厚は、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eにより5回測定した平均値を使用した。
(厚み)
中間転写ベルト16は、総厚みが、通常、0.05mm〜0.5mmであり、好ましくは、0.06mm〜0.30mmであり、より好ましくは、0.06mm〜0.15mmである。前記ベルトの総厚みが0.05mm未満であると、中間転写ベルト16として、必要な機械特性を満足できない場合があり、0.5mmを超えると、ロール屈曲部での変形によって、ベルト表面の応力が集中して、表面層にクラックが発生するなどの問題が生じる場合がある。
(表面微小硬度)
中間転写ベルト16は、バイアスローラの押圧力によって中間転写ベルト16の転写面の変形が起こり、転写面の硬度が、ライン画像が中抜けするホロキャラクターに影響するため、転写面の硬度が、表面微小硬度で30以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましい。
前記表面微小硬度とは、圧子が試料にどれだけ侵入したかを測定する方法によって求めることができる。試験荷重P(mN)、圧子の試料への侵入量(押し込み深さ)D(μm)としたとき、表面微小硬度DHは下記式(4)で定義される。
式(4) DH≡αP/D
ここで、αは圧子形状による定数で、α=3.8584(使用圧子:三角錐圧子の場合)である。
尚、中間転写ベルトの表面微小硬度は、下記の方法によって求めた。中間転写ベルトを5mm角程度に切り、その小片を瞬間接着剤で硝子版に固定する。この試料の表面の表面微小硬度を超微小硬度計DUH−201S(株式会社島津製作所製)を用いて測定する。測定条件は、以下の通りである。
測定環境:22℃、55%RH
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
本実施の形態における中間転写ベルト16は、高速印刷可能なカラー画像形成装置100に好ましく使用されるものである。印刷の速度は、画像形成装置内に使用される各部材、つまり、装置内でトナー像を像担持体、中間転写ベルト、記録媒体へと転写し、印刷を行うことに係わる各部材の搬送速度が相俟って決定されるものであるが、本実施の形態における中間転写ベルト16は、これらの各部材の搬送速度が200mm/sec以上のような速度となる場合にも、濃度ムラ、斑点状ディフェクトを低減し得る。搬送速度が200mm/sec未満であっても良好に画像形成できる。
また、感光体9から中間転写ベルト16への一次転写が最終画像の品質を決定する上で重要な要素となっている。一次転写の転写効率や転写時点の像乱れがないことが要求され、転写電流値が高いことが望ましい。上記、中間転写ベルト16の搬送速度が200mm/sec以上の場合、一次転写電流値は25μA以上であることが好ましく、30μA以上であることがより好ましい。
なお、本実施の形態の半導電性ポリアミドイミドベルトは、上記のようなカラー画像形成装置の他、様々な態様の画像形成装置に用いることができ、例えば、電子写真複写機、レーザープリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の画像形成装置に用いることが可能である。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[合成例1]
3リットル四つ口フラスコにトリメリット酸無水物384.2g(2.0モル)とナフタレン−2,6−ジイソシアネート210.4g(1.0モル)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート250.4g(1.0モル)、N−メチル−2−ピロリドン2000gを仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させて数平均分子量26,000のPAI樹脂溶液を得た。このPAI樹脂溶液をN−メチル−2−ピロリドンで希釈して粘度7.0Pa・s、不揮発分21.3%のPAI樹脂溶液−(I)を得た。
[合成例2]
3リットル四つ口フラスコにトリメリット酸無水物384.2g(2.0モル)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート500.8g(1.0モル)及びN−メチル−2−ピロリドン1650gを仕込み、窒素気流下で130℃まで昇温し、4時間反応させて数平均分子量27,000のPAI樹脂溶液を得た。このPAI樹脂溶液をN−メチル−2−ピロリドンで希釈して粘度3.7Pa・s、不揮発分26.1%のPAI樹脂溶液−(II)を得た。
[実施例1]
PAI樹脂溶液−(I)1600部に、乾燥した62部の酸化処理CB−1(SPECIAL BLACK4。Degussa社製。比表面積:180(m/g)、DBP吸油量:280(cc/100g)、揮発分:14.0%。以下、「酸化処理CB−1」という時に同様である。)と、同じく乾燥した62部の酸化処理カーボンブラック−2(SPECIAL BLACK250。Degussa社製。比表面積:40(m/g)、DBP吸油量:48(cc/100g)、揮発分:2.0%。以下、「酸化処理CB−2」という時に同様である。)、ポリビニルピロリドン(BASFジャパン製、K17)10部を加え、湿式ジェトミル分散機(ジーナス製:GeanusPY)で分散処理(150MPa、5pass)し、カーボンブラック分散ポリアミドイミド溶液を得た。これをステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物、カーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な塗布用溶液を作製した。
次に、得られたカーボンブラックを分散したポリアミドイミド溶液を円筒状金型外面(外径168mm、長さ500mm、肉厚10mm)に、リングフロート法にて厚みが約0.5mmとなるように塗布し、250rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する展開層とした後、250rpmで回転させながら、60℃で30分間加熱した後、250℃で60分間加熱した。室温まで冷却し、脱型して所望のポリアミドイミドベルト−(1)(中間転写ベルト)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
ベルトの厚さは約80μmであった。得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
[実施例2]
N−メチル−2ピロリドン(NMP)300部中に、乾燥した70部の酸化処理CB−1と、同じく乾燥した70部の酸化処理CB−2、ポリビニルピロリドン(BASFジャパン製、K17)10部を加え、ボールミルで6時間室温混合し、カーボンブラック分散NMP液を作製した。
次に、PAI樹脂溶液−(I)1700部に、前記カーボンブラック分散NMP液400部を加え、25℃、50rpmで10時間攪拌した。これをステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物、カーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な塗布用溶液を作製した。
この塗布液を用いて、実施例1と同様にしてポリアミドイミドベルト−(2)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
[実施例3]
N−メチル−2ピロリドン(NMP)300部中に、乾燥した70部の酸化処理CB−1と、同じく乾燥した70部の酸化処理CB−2、ポリビニルピロリドン(BASFジャパン製、K17)10部を加えボールミルで6時間室温で混合し、カーボンブラック分散NMP液を作製した。
次に、この溶液400部を3リットル四つ口フラスコに入れ、トリメリット酸無水物229.5g(1.195モル)とナフタレン−2,6−ジイソシアネート125.7g(0.598モル)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート149.6g(0.598モル)、N−メチル−2−ピロリドン1195gを仕込み、窒素気流下で120℃まで昇温し、約5時間反応させて数平均分子量26,000のPAI樹脂溶液を得た。これをステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物、カーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な塗布用溶液を作製した。
この塗布液を用いて実施例1と同様にしてポリアミドイミドベルト−(3)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
[実施例4]
酸化処理CB−1を50部、酸化処理CB−2を90部用いた以外は、実施例3と同様にしてポリアミドイミドベルト−(4)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
[実施例5]
PAI樹脂溶液−(II)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミドイミドベルト−(5)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
[実施例6]
ポリビニルピロリドン10部の代わりに、ポリ(N−ビニルフタルアミド)(Aldrich社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアミドイミドベルト−(6)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
[比較例1]
ポリビニルピロリドン10部を用いなかった以外は、実施例4と同様にしてポリアミドイミドベルト−(7)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
[比較例2]
ポリビニルピロリドン10部を用いなかった以外は、実施例5と同様にしてポリアミドイミドベルト−(8)を得た(塗布用溶液の作製後、直後にベルトを作成した)。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表1に示した。
Figure 0005044944
[実施例7〜12,比較例3,4]
実施例1〜6,比較例1,2のポリアミドイミドベルトを図1に示す構成の富士ゼロックス社製DocuCentreColor2220改造機(プロセス速度:250mm/sec、一次転写電流:35μAに改造)に組み込み、高温高湿(32℃,85%RH)及び低温低湿(5℃,15%RH)で、Cyan、Magentaの50%ハーフトーンを富士ゼロックス社製C2紙に出力し、以下の規準で濃度ムラ及び斑点ディフェクトを目視で評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0005044944
[濃度ムラ]
◎:出力されたハーフトーンに、濃度ムラが確認されない。
○:出力されたハーフトーンに、濃度ムラが僅かに確認できたが、問題のないレベルである。
×:出力されたハーフトーンに、濃度ムラがはっきりと確認できた。
[斑点ディフェクト]
◎:出力されたハーフトーンに、斑点ディフェクトが確認されない。
○:出力されたハーフトーンに、斑点ディフェクトが僅かに確認できたが、問題のないレベルである。
×:出力されたハーフトーンに、斑点ディフェクトがはっきりと確認できた。
[実施例13〜18,比較例5,6]
各原料を配合して塗布用溶液を作製後、各塗布用溶液を室温で保管し、1週間経時後にベルトを作成した以外は、実施例1〜6,比較例1,2と同様にしてポリアミドイミドベルト−(9)〜ポリアミドイミドベルト−(16)を得た。
得られたベルトにつき、各種特性を評価した。結果を表3に示した。
Figure 0005044944
[実施例19〜24,比較例7,8]
ポリアミドイミドベルト−(9)〜ポリアミドイミドベルト−(16)を用い、実施例7〜12,比較例3,4と同様にして濃度ムラ、斑点ディフェクトを評価した。結果を表4に示した。
Figure 0005044944
表1〜4の結果から、以下の事柄を読みとることができる。
(a)実施例と比較例との比較により、ポリアミドイミド樹脂と、高分子分散剤と、導電性微粒子とを含む本実施形態の半導電性ポリアミドイミドベルトは、高分子分散剤を含まない従来の半導電性ポリアミドイミドベルトに比し、濃度ムラや斑点ディフェクトの低減された中間転写ベルト、ひいては画像形成装置を実現させ得る。
(b)実施例1と実施例5との比較、或いは、実施例13と実施例17との比較により、PAI樹脂の分子構造としては、複数のジイソシアネート成分に由来するユニットを有する構造であることにより、濃度ムラをより低減させ得る。
(c)実施例1と実施例6との比較、或いは、実施例13と実施例18との比較により、高分子分散剤の種類によらず、濃度ムラや斑点ディフェクトの低減された中間転写ベルトが実現され得る。
(d)実施例3と実施例4との比較、或いは実施例15と実施例16との比較により、カーボンブラックの配合量によらず、濃度ムラや斑点ディフェクトの低減された中間転写ベルトが実現され得る。
(e)実施例2と実施例14との比較、或いは実施例3と実施例15との比較により、高分子分散剤と導電性微粒子とを溶剤中にて混合した後、ポリアミドイミド前駆体を重合して得られる組成物の方が、予め形成したポリアミドイミド樹脂と高分子分散剤・導電性微粒子とを同時に溶解して得られる組成物よりも塗布用溶液の安定性に優れることがわかる。
本実施の形態が適用されるカラー画像形成装置を示した概略構成図である。 円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
符号の説明
1…トナーカートリッジ,2…定着ロール,3…バックアップロール,4…テンションロール,5…2次転写ロール,6…用紙経路,7…用紙トレイ,8…レーザー発生装置,9…感光体,10…1次転写ロール,11…駆動ロール,12…転写クリーナー,13…帯電ロール,14…感光体クリ−ナー,15…現像器,16…中間転写ベルト,100…カラー画像形成装置

Claims (4)

  1. ポリアミドイミド樹脂と、
    前記ポリアミドイミド樹脂の樹脂固形分に対し10質量%〜30質量%の範囲で配合された導電性微粒子と、
    前記導電性微粒子10質量部に対し0.01質量部〜3質量部の範囲で配合された分子構造中にN−ビニル基を有するポリアミド化合物からなる高分子分散剤とが含有されてなり、
    円形電極を用いJIS K6911に従って測定し、下記式(1)により算出した、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差が絶対値で0.7(LogΩ/□)以下である
    ことを特徴とする半導電性ポリアミドイミドベルト。
    式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
    (式(1)中、ρsは表面抵抗率、dは円形電極に備わる円柱状電極の外径(d:mm)であり、Dは円形電極に備わるリング状電極の内径(D:mm)であり、Vは電圧(V)、Iは電流(A)である。)
  2. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を中間転写ベルトに一次転写する第一転写手段と、
    前記中間転写ベルトに転写されたトナー像を被転写体に二次転写する第二転写手段と、
    前記トナー像を被転写体に定着する定着手段とを備え、
    前記中間転写ベルトは、
    ポリアミドイミド樹脂と、当該ポリアミドイミド樹脂の樹脂固形分に対し10質量%〜30質量%の範囲で配合された導電性微粒子と、当該導電性微粒子10質量部に対し0.01質量部〜3質量部の範囲で配合された分子構造中にN−ビニル基を有するポリアミド化合物からなる高分子分散剤とが含有されてなり、
    円形電極を用いJIS K6911に従って測定し、下記式(1)により算出した、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差が絶対値で0.7(LogΩ/□)以下である半導電性ポリアミドイミドベルトであることを特徴とする画像形成装置。
    式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
    (式(1)中、ρsは表面抵抗率、dは円形電極に備わる円柱状電極の外径(d:mm)であり、Dは円形電極に備わるリング状電極の内径(D:mm)であり、Vは電圧(V)、Iは電流(A)である。)
  3. 分子構造中にN−ビニル基を有するポリアミド化合物からなる高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、更にポリアミドイミド樹脂を溶解させて塗工液とし、当該塗工液を加熱乾燥処理することにより、円形電極を用いJIS K6911に従って測定し、下記式(1)により算出した、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差が絶対値で0.7(LogΩ/□)以下である半導電性ポリアミドイミドベルトを得ることを特徴とする半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法。
    式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
    (式(1)中、ρsは表面抵抗率、dは円形電極に備わる円柱状電極の外径(d:mm)であり、Dは円形電極に備わるリング状電極の内径(D:mm)であり、Vは電圧(V)、Iは電流(A)である。)
  4. 分子構造中にN−ビニル基を有するポリアミド化合物からなる高分子分散剤を溶解させた溶液中に導電性微粒子を分散させた後、ポリアミドイミド樹脂の前駆体であるモノマーを溶解し、更に当該モノマーを重合させて塗工液とし、当該塗工液を加熱乾燥処理することにより、円形電極を用いJIS K6911に従って測定し、下記式(1)により算出した、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値と30msec後の表面抵抗率の常用対数値との差が絶対値で0.7(LogΩ/□)以下である半導電性ポリアミドイミドベルトを得ることを特徴とする半導電性ポリアミドイミドベルトの製造方法。
    式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
    (式(1)中、ρsは表面抵抗率、dは円形電極に備わる円柱状電極の外径(d:mm)であり、Dは円形電極に備わるリング状電極の内径(D:mm)であり、Vは電圧(V)、Iは電流(A)である。)
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