JP2019196840A - 機器温調装置 - Google Patents

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毅 義則
山中 隆
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隆 山中
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Yoshitake Kato
吉毅 加藤
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Masayuki Takeuchi
雅之 竹内
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Koji Miura
功嗣 三浦
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Yasumitsu Omi
康光 大見
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Abstract

【課題】作動流体の流れを円滑にして冷却能力を向上することの可能な機器温調装置を提供する。【解決手段】機器温調装置1は、蒸発器3、第1凝縮器41および第2凝縮器42を備える。蒸発器3は、対象機器としての電池2から吸熱して蒸発する冷媒の蒸発潜熱により電池2を冷却する。第1凝縮器41は、蒸発器3で蒸発した冷媒を、外部にある第1媒体との熱交換によって凝縮させる第1熱交換チューブ412を有する。第2凝縮器42は、第1凝縮器41から流入する冷媒を、外部にある第2媒体との熱交換により凝縮させる第2熱交換チューブ422を有し、凝縮した冷媒を蒸発器3に向けて流出する。ここで、第2凝縮器42が有する第2熱交換チューブ422は、第1凝縮器41が有する第1熱交換チューブ412より、流路断面積または相当直径が小さいものである。【選択図】図2

Description

本発明は、対象機器の温度を調整する機器温調装置に関するものである。
近年、電気自動車またはハイブリッド自動車などの電動車両に搭載される蓄電装置などの電気機器の温度を調整するための機器温調装置としてサーモサイフォンを使用した技術が検討されている。
特許文献1に記載の機器温調装置は、蓄電装置としての電池の側面に設けられた蒸発器と、その蒸発器の上方に設けられた凝縮器とが2本の配管により環状に接続され、その中に作動流体としての冷媒が封入されたものである。この機器温調装置は、電池が発熱すると、蒸発器内の液相冷媒が沸騰し、そのときの蒸発潜熱により電池が冷却される。蒸発器で生成された気相冷媒は、2本の配管のうち一方の配管で構成された気相通路を流れ、凝縮器に流入する。凝縮器では、気相冷媒が凝縮器の外部にある媒体との熱交換により凝縮する。凝縮器で生成された液相冷媒は、重力により、2本の配管のうち他方の配管で構成された液相通路を流れ、蒸発器に流入する。このような冷媒の自然循環により、対象機器である電池の冷却が行われる。
なお、本明細書において、機器温調装置とは、サーモサイフォン方式により対象機器の温度を調整する装置全般を含むものである。すなわち、機器温調装置とは、対象機器の冷却のみを行う装置、加熱のみを行う装置、および、対象機器の冷却と加熱の両方を行う装置のいずれも含むものである。
特開2015−041418号公報
上述した特許文献1に記載の機器温調装置は、1個の凝縮器しか備えていない。そのため、電池の発熱量が大きくなると、凝縮器から蒸発器に対し、電池の冷却に必要な液相冷媒が十分に供給されないことが考えられる。また、機器温調装置が複数の凝縮器を備えるものとした場合、一方の凝縮器で液相となった冷媒が他方の凝縮器で再加熱されることの無いよう、複数の凝縮器が設置される環境の温度、複数の凝縮器を配置する位置、および、複数の凝縮器の流路の大きさなどを適切に設定することが好ましい。
また、特許文献1に記載の機器温調装置は、電池の発熱により蒸発器内の液相冷媒が沸騰し、その液相冷媒の中で気相冷媒が気泡となって生成されると、その気泡の一部は液相通路に流入し、浮力により液相冷媒の流れを逆流することがある。その気泡が凝縮器に入り込み、凝縮器での液相冷媒の生成が妨げられると、凝縮器から液相通路を経由して蒸発器に液相冷媒が円滑に供給されなくなり、電池の冷却能力が低下することが懸念される。
本発明は上記点に鑑み、作動流体の流れを円滑にして冷却能力を向上することの可能な機器温調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の機器温調装置は、対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であり、蒸発器(3)、第1凝縮器(41)および第2凝縮器(42)を備える。蒸発器は、対象機器から吸熱して蒸発する作動流体の蒸発潜熱により対象機器を冷却する。第1凝縮器は、蒸発器より重力方向上側に設けられ、蒸発器で蒸発した作動流体を、外部にある第1媒体との熱交換により凝縮させる第1熱交換通路(412)を有する。第2凝縮器は、蒸発器より重力方向上側に設けられ、第1凝縮器から流入する作動流体を、外部にある第2媒体との熱交換により凝縮させる第2熱交換通路(422)を有し、凝縮した作動流体を蒸発器に向けて流出する。ここで、第2凝縮器が有する第2熱交換通路は、第1凝縮器が有する第1熱交換通路より、流路断面積または相当直径が小さいものである。
これによれば、第2熱交換通路は第1熱交換通路より熱交換効率が高く、液相の作動流体の生成量が多いものとなる。また、第2熱交換通路は、第1熱交換通路より流路抵抗が大きいものとなる。そのため、第2熱交換通路から第1熱交換通路に亘って液相の作動流体が溜まると、第1熱交換通路の液相の作動流体が自重により第2熱交換通路の液相の作動流体を蒸発器側へ押すので、第1凝縮器および第2熱凝縮器から蒸発器に向かう液相の作動流体の圧力が大きくなる。したがって、蒸発器側から液相の作動流体の逆流または気泡の逆流が抑制され、作動流体が順方向に円滑に流れる。
また、仮に、第1熱交換通路で凝縮した作動流体が第2熱交換通路で再加熱されて気泡が発生した場合、その気泡は浮力により第2熱交換通路から第1熱交換通路へ侵入することが考えられる。この場合にも、第1熱交換通路は、第2熱交換通路より流路断面積または相当直径が大きいので、第2熱交換通路から第1熱交換通路に侵入した気泡は、第1熱交換通路から上流側へ速やかに排出される。そのため、第1熱交換通路と第2熱交換通路を液相の作動流体が円滑に流れる。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却能力を向上することができる。
なお、第2凝縮器が有する第2熱交換通路は、少なくとも一部の領域において、第1凝縮器が有する第1熱交換通路よりも流路断面積または相当直径が小さいものであればよい。
請求項12にかかる発明では、第1凝縮器の外部にある第1媒体と、第2凝縮器の外部にある第2媒体は、異種の媒体である。
これによれば、第1媒体と第2媒体を、温度の異なるものに設定することが可能である。そのため、例えば対象機器の発熱量が大きいとき、第1媒体と第2媒体のうち温度の低い方の媒体を使用して液相の作動流体の生成量を増やし、対象機器を十分に冷却することが可能である。一方、対象機器の発熱量が小さいとき、第1媒体と第2媒体のうち比較的に温度の高い方の媒体を使用して対象機器を適切な温度に冷却することが可能である。したがって、この機器温調装置は、対象機器の発熱量に応じた温度調節をすることができる。
請求項14にかかる発明では、機器温調装置は、蒸発器(3)、第1凝縮器(41)、第2凝縮器(42)、第1媒体供給装置(100)および第2媒体供給装置(200)を備える。第1媒体供給装置は、第1凝縮器に対し第1媒体を供給する。第2媒体供給装置は、第2凝縮器に対し第2媒体を供給する。ここで、第2媒体供給装置は、第2媒体を第1媒体よりも低い温度に設定することが可能に構成されている。
これによれば、第1熱交換通路で凝縮した作動流体が、第2熱交換通路で再加熱されることが防がれる。そのため、第2熱交換通路で気泡の生成が抑制されるので、その気泡の浮力による液相の作動流体の流れの悪化が防がれる。また、気泡が液相の作動流体を押し上げ、第1または第2熱交換通路の上面で液相の作動流体を吹き上げることが抑制されると共に、そこで気泡が破裂して異音を発生することが抑制される。さらに、第2熱交換通路で気泡の生成が抑制されるので、第1熱交換通路および第2熱交換通路で液相の作動流体の生成が円滑に行われ、第1熱交換通路および第2熱交換通路から蒸発器に液相冷媒が円滑に供給される。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却能力を向上することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかる機器温調装置の構成図である。 第1実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第2実施形態にかかる機器温調装置の構成図である。 第3実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第4実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第5実施形態にかかる機器温調装置の構成図である。 第5実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第6実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第7実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第8実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第9実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第10実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。 第11実施形態にかかる機器温調装置の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。なお、図面において、同一の構成が複数個所に記載されている場合、その一部にのみ符号を付すものとする。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の機器温調装置は、電気自動車またはハイブリッド自動車などの電動車両に搭載される蓄電装置または電子回路などの電気機器を冷却し、それらの対象機器の温度を調整するものである。なお、各図面において、上下を示す矢印は、機器温調装置が車両に搭載され、その車両が水平面に停車しているとしたときの重力方向上下を示すものである。
まず、本実施形態の機器温調装置1が温度調整する対象機器について説明する。
図1に示すように、本実施形態の機器温調装置1が温度調整する対象機器は、組電池2(以下、「電池」という)である。なお、対象機器としては、電池2と図示していない電力変換装置などから構成される電池パックとしてもよい。
電池2は、電気自動車、およびハイブリッド自動車など、走行用電動モータによって走行可能な車両の電源として用いられる。電池2は、直方体形状の複数の電池セル21を積層配置した積層体で構成されている。電池2を構成する複数の電池セル21は、電気的に直列に接続されている。電池セル21は、例えば、リチウムイオン電池または鉛蓄電池などの充放電可能な二次電池で構成されている。なお、電池セル21は、直方体形状に限らず、円筒形状等の他の形状を有していてもよい。また、電池2は、電気的に並列に接続された電池セル21を含んで構成されていてもよい。
電池2は、車両が備える図示していない電力変換装置およびモータジェネレータに接続されている。電力変換装置は、例えば、電池2から供給された直流電流を交流電流に変換し、変換した交流電流を走行用電動モータ等の各種電気負荷に対して放電する装置である。また、モータジェネレータは、車両の回生制動時に、車両の走行エネルギを電気エネルギに逆変換し、逆変換した電気エネルギを回生電力としてインバータ等を介して電池2に供給する装置である。
電池2は、車両の走行中に電力供給等を行うときに自己発熱し、電池2が過度に高温になることがある。電池2が過度に高温になると、電池セル21の劣化が促進されることから、自己発熱が少なくなるように出力、および入力に制限を設ける必要がある。そのため、電池セル21の出力、入力を確保するためには、所定の温度以下に維持するための冷却手段が必要となる。
また、電池2を含む蓄電装置は、車両の床下やトランクルームの下側に配置されることが多い。そのため、車両の走行中に限らず、夏季における駐車中等にも電池2の温度が徐々に上昇し、電池2が過度に高温になることがある。電池2が高温環境下で放置されると、電池2の劣化が進行し、その寿命が大幅に低下するので、車両の駐車中等にも電池2の温度を所定の温度以下に維持することが望まれている。
さらに、電池2は、各電池セル21を電気的に直列接続した構造を含んでいるので、各電池セル21のうち、最も劣化が進行した電池セル21に応じて電池全体の入出力特性が決まる。そのため、各電池セル21の温度にばらつきがあると、各電池セル21の劣化の進行度合いが偏ったものとなり、電池全体の入出力特性が低下してしまう。そのため、電池2を長期間、所望の性能を発揮させるためには、各電池セル21の温度ばらつきを低減させる均温化が重要となる。
一般に、電池2を冷却する冷却手段として、送風機による空冷式の冷却手段、冷却水による冷却手段、または、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを利用した冷却手段が採用されている。
しかし、送風機による空冷式の冷却手段は、車室内または車室外の空気を電池2に送風するだけなので、電池2を充分に冷却するだけの冷却能力が得られないことがある。また、空冷式および冷却水による冷却手段は、空気または冷却水の流れの上流側の電池セル21の冷却温度と、下流側の電池セル21の冷却温度とにばらつきが生じることがある。
また、冷凍サイクルの冷熱を利用した冷却手段は、電池2の冷却能力が高いものの、車両の駐車中に、電力消費量の多いコンプレッサ等を駆動させることが必要となる。このことは、電力消費量の増大および騒音の増大などを招くことになる。
そこで、本実施形態の機器温調装置1では、作動流体としての冷媒をコンプレッサにより強制循環させるのではなく、冷媒の自然循環によって電池2の温度を調整するサーモサイフォン方式を採用している。
次に、機器温調装置1の構成について説明する。
図1に示すように、機器温調装置1は、蒸発器3、第1凝縮器41、第2凝縮器42、気相通路5および液相通路6などを備え、それらの構成部材が互いに接続されることにより、ループ型のサーモサイフォンを構成している。機器温調装置1は、その内部を真空排気した状態で、所定量の冷媒が封入されている。冷媒として、例えばR134a、R1234yf、二酸化炭素または水など、種々のものを採用することが可能である。なお、図1の一点鎖線S1、S2に示すように、冷媒の量は、電池2の冷却開始前の状態で、液相冷媒の液上面が、気相通路5の途中と液相通路6の途中にあることが好ましい。なお、図1の破線の矢印の方向に冷媒が循環すると、それに応じて液相冷媒の液上面は変位する。
蒸発器3は、密閉されたケースであり、扁平状に形成され、電池2の下面に対向する位置に設けられている。蒸発器3は、例えばアルミニウムまたは銅などの熱伝導率に優れた材料により形成されることが好ましい。なお、蒸発器3は、複数の電池セル21と熱伝達可能に設けられていればよく、例えば電池2の側面または上面に対向する位置に設けられてもよい。また、蒸発器3の形状および大きさは、車両に搭載される空間に合わせて任意に設定可能である。
蒸発器3は、内側に流体室30を有している。電池2の冷却開始前の状態で、流体室30には、液相冷媒が充満していることが好ましい。なお、実際には、液相冷媒と気相冷媒とを含んでいてもよい。電池2が蓄電または放電などにより自己発熱すると、電池2から蒸発器3に伝熱し、流体室30の液相冷媒がその熱を吸収して蒸発する。その際、流体室30の全体で液相冷媒の蒸発が生じ、その蒸発潜熱により、複数の電池セル21がほぼ均一に冷却される。したがって、蒸発器3は、複数の電池セル21同士の温度ばらつきを低減して複数の電池セル21を均温化し、且つ、冷却することが可能である。
上述したように、電池2は、高温になると十分な機能を得られず、また、劣化や破損を招くことがある。そして、電池2は、最も劣化した電池セル21の特性に合わせて電池全体の入出力特性が決まるものである。そこで、この蒸発器3は、蒸発潜熱を利用した冷却により、複数の電池セル21を均温化し、且つ、冷却することで、電池2に長期間、所望の性能を発揮させることが可能である。
蒸発器3には、気相通路5と液相通路6とが接続されている。蒸発器3と液相通路6とが接続する箇所を第1開口部31と称し、蒸発器3と気相通路5とが接続する箇所を第2開口部32と称することとする。蒸発器3において、第1開口部31と第2開口部32とは、離れていることが好ましい。これにより、サーモサイフォンを冷媒が循環する際、蒸発器3には、第1開口部31から第2開口部32に向かう冷媒の流れが形成される。なお、図1では、第1開口部31と第2開口部32はいずれも蒸発器3の側面に設けられているが、第1開口部31と第2開口部32の位置は側面に限らず、上面または下面であってもよい。
第1凝縮器41と第2凝縮器42とはいずれも、蒸発器3よりも重力方向上側に設けられている。第1実施形態では、第1凝縮器41の全ての領域が、第2凝縮器42よりも重力方向上側に配置されている。
蒸発器3と第1凝縮器41とを気相通路5が接続している。気相通路5は、一端が蒸発器3の第2開口部32に接続し、他端が第1凝縮器41に接続している。気相通路5は、蒸発器3で蒸発した気相冷媒を第1凝縮器41に流すことが可能である。なお、気相通路5は、主に気相冷媒が流れるものであるが、気液二相状態の冷媒、または液相冷媒が流れることもある。
第1凝縮器41は、内部の流路を流れる冷媒を、第1凝縮器41の外部にある図示していない媒体との熱交換により、凝縮させる機能を有するものである。以下の説明において、第1凝縮器41の外部にある媒体を第1媒体と称することとする。第1凝縮器41と第2凝縮器42とを接続通路43が接続している。第1凝縮器41で凝縮した液相冷媒は、接続通路43を通り、第2凝縮器42に流入する。第2凝縮器42も、内部の流路を流れる冷媒を、第2凝縮器42の外部にある図示していない媒体との熱交換により、凝縮させる機能を有するものである。以下の説明において、第2凝縮器42の外部にある媒体を第2媒体と称することとする。なお、第1から第5実施形態において、第1媒体と第2媒体とは、同種の媒体であってもよく、または、異種の媒体であってもよい。
第2凝縮器と蒸発器3とを液相通路6が接続している。液相通路6は、一端が第2凝縮器42に接続し、他端が蒸発器3の第1開口部31に接続している。液相通路6は、第1凝縮器41と第2凝縮器42で凝縮した液相冷媒を重力により蒸発器3に流すことが可能である。なお、液相通路6は、主に液相冷媒が流れるものであるが、気液二相状態の冷媒、または気相冷媒が流れることもある。
続いて、第1凝縮器41と第2凝縮器42について詳細に説明する。
図2に示すように、第1凝縮器41は、第1上タンク411、複数の第1熱交換チューブ412および第1下タンク413などを有している。第1凝縮器41は、例えばアルミニウムまたは銅などの熱伝導率に優れた材料により形成されることが好ましい。第1凝縮器41の形状および大きさは、車両に搭載される空間に合わせて任意に設定可能である。
第1熱交換チューブ412は、外部にある第1媒体との熱交換により気相冷媒を凝縮させる第1熱交換通路に相当するものである。第1熱交換チューブ412の外側には、複数のフィン414が設けられている。複数の第1熱交換チューブ412は、重力方向に沿うように延びている。これにより、複数の第1熱交換チューブ412の内側を、液相冷媒が重力方向に沿って流れる。
気相通路5から第1上タンク411に供給される気相冷媒は、第1上タンク411から複数の第1熱交換チューブ412に流入する。この気相冷媒は、複数の第1熱交換チューブ412を流れる際に、第1凝縮器41の外部にある第1媒体との熱交換により凝縮する。複数の第1熱交換チューブ412で生成された液相冷媒は、自重により、第1下タンク413に流入する。
第2凝縮器42も、第2上タンク421、複数の第2熱交換チューブ422および第2下タンク423などを有している。第2凝縮器42も、例えばアルミニウムまたは銅などの熱伝導率に優れた材料により形成されることが好ましい。第2凝縮器42の形状および大きさは、車両に搭載される空間に合わせて任意に設定可能である。
第2熱交換チューブ422は、外部にある第2媒体との熱交換により気相冷媒を凝縮させる第2熱交換通路に相当するものである。第2熱交換チューブ422の外側には、複数のフィン424が設けられている。複数の第2熱交換チューブ422は、重力方向に沿うように延びている。これにより、複数の第2熱交換チューブ422の内側を、液相冷媒が重力方向に沿って流れる。
第1凝縮器41の第1下タンク413と、第2凝縮器42の第2上タンク421とを接続通路43が接続している。第1凝縮器41を通過した液相冷媒は、接続通路43を通り、第2凝縮器42の第2上タンク421に流入する。なお、液相冷媒の流れに含まれて気相冷媒の一部も第2上タンク421に流入する。接続通路43から第2凝縮器42の第2上タンク421に供給される冷媒は、第2上タンク421から複数の第2熱交換チューブ422に流入する。この冷媒の中の気相冷媒は、複数の第2熱交換チューブ422を流れる際に、第2凝縮器42の外部にある第2媒体との熱交換により凝縮する。複数の第2熱交換チューブ422で生成された液相冷媒は、自重により、第2下タンク423に流入する。
ここで、第1凝縮器41が有する第1熱交換チューブ412の流路断面積をS1とし、第2凝縮器42が有する第2熱交換チューブ422の流路断面積をS2とする。第1凝縮器41が有する第1熱交換チューブ412の本数をN1とし、第2凝縮器42が有する第2熱交換チューブ422の本数をN2とする。第1凝縮器41が有する第1熱交換チューブ412の相当直径をD1とし、第2凝縮器42が有する第2熱交換チューブ422の相当直径をD2とする。
このとき、第1凝縮器41と第2凝縮器42とは、次の関係を有している。
S1>S2・・・(式1)
S1×N1>S2×N2・・・(式2)
D1>D2・・・(式3)
すなわち、上記の式1および式3に示したように、第2凝縮器42が有する第2熱交換チューブ422は、第1凝縮器41が有する第1熱交換チューブ412より、流路断面積または相当直径が小さい領域を有している。
また、上記の式2に示したように、複数の第1熱交換チューブ412の流路断面積を合わせた総流路断面積は、複数の第2熱交換チューブ422の流路断面積を合わせた総流路断面積より大きいものである。
第1実施形態の機器温調装置1は、上述した構成を備えることにより、次の作用効果を奏する。
(1)上記の式1および式3に示したように、第2熱交換チューブ422は、第1熱交換チューブ412より流路断面積または相当直径が小さいので、熱交換効率が高い。そのため、第2熱交換チューブ422は第1熱交換チューブ412より液相冷媒の生成量が多いものとなる。
また、上記の式2に示したように、複数の第1熱交換チューブ412の流路断面積S1を合わせた総流路断面積(S1×N1)は、複数の第2熱交換チューブ422の流路断面積S2を合わせた総流路断面積(S2×N2)より大きい。そのため、第2熱交換チューブ422は、第1熱交換チューブ412より流路抵抗が大きいものとなる。
これにより、第2熱交換チューブ422から第1熱交換チューブ412に亘って液相冷媒が溜まると、第1熱交換チューブ412の液相媒体が自重により第2熱交換チューブ422の液相媒体を蒸発器3側へ押圧する。そのため、第1凝縮器41と第2凝縮器42から蒸発器3に向かう液相冷媒の圧力が大きくなる。したがって、蒸発器3側から液相冷媒の逆流または気泡の逆流が抑制され、冷媒が順方向に円滑に流れる。よって、この機器温調装置1は、電池2の冷却能力を向上することができる。
また、仮に、第1熱交換チューブ412で凝縮した冷媒が第2熱交換チューブ422で再加熱されて気泡が発生した場合、その気泡は浮力により第2熱交換チューブ422から第1熱交換チューブ412へ侵入することが考えられる。この場合にも、第1熱交換チューブ412は第2熱交換チューブ422より流路断面積または相当直径が大きいので、第2熱交換チューブ422から第1熱交換チューブ412に侵入した気泡は、第1熱交換チューブ412から上流側へ速やかに排出される。そのため、第1熱交換チューブ412と第2熱交換チューブ422を液相冷媒が円滑に流れる。したがって、この機器温調装置1は、電池2の冷却能力を向上することができる。
(2)第1実施形態の機器温調装置1は、第1凝縮器41が、第2凝縮器42よりも重力方向上側に位置する領域を有する。
これによれば、第1凝縮器41で生成された液相冷媒は、その自重により、第1凝縮器41から第2凝縮器42へ流れる。そのため、第1凝縮器41から第2凝縮器42を経由して蒸発器3へ液相冷媒が円滑に流れるので、蒸発器3側から液相冷媒の逆流または気泡の逆流が抑制される。したがって、この機器温調装置1は、電池2の冷却能力を向上することができる。
(3)第1実施形態の機器温調装置1は、第1凝縮器41が有する複数の第1熱交換チューブ412と、第2凝縮器42が有する複数の第2熱交換チューブ422がいずれも、重力方向に沿うように延びている。
これによれば、第1熱交換チューブ412および第2熱交換チューブ422は、液相冷媒を自重により重力方向下側へ円滑に流すことが可能である。したがって、この機器温調装置1は、電池2の冷却能力を向上することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して第1凝縮器41または第2凝縮器42の配置を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図3に示すように、第2実施形態では、第1凝縮器41は、少なくとも一部の領域が第2凝縮器42よりも重力方向上側に位置している。図3では、第1凝縮器41が第2凝縮器42よりも重力方向上側に位置する領域を、矢印αで示している。
これによれば、第1凝縮器41で生成される液相冷媒は、その自重により、第1凝縮器41から第2凝縮器42へ流れる。そのため、第1凝縮器41から第2凝縮器42を経由して蒸発器3へ向けて液相冷媒が順方向に円滑に流れるので、蒸発器3側から液相冷媒の逆流または気泡の逆流が抑制される。したがって、この機器温調装置1は、電池2の冷却能力を向上することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して第2凝縮器42の配置を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図4に示すように、第3実施形態では、第2凝縮器42が有する複数の第2熱交換チューブ422は、重力方向に対し交差する方向に延びている。なお、第2凝縮器42が有する第2上タンク421と第2下タンク423は、重力方向に沿って延びている。
一方、第1凝縮器41が有する複数の第1熱交換チューブ412は、重力方向に沿うように延びている。これにより、複数の第1熱交換チューブ412の内側を、液相冷媒が重力方向に沿って流れる力が大きくなる。
第3実施形態では、第1凝縮器41の複数の第1熱交換チューブ412で生成された液相冷媒は、その自重により重力方向に沿って流れる力が大きくなり、第1下タンク413から接続通路43を経由して第2凝縮器42に流れる。第2凝縮器42では、複数の第2熱交換チューブ422で生成された液相冷媒が、第2上タンク421または第2下タンク423に流れた後、液相通路6を経由して蒸発器3に円滑に流れる。これにより、蒸発器3側から液相冷媒の逆流または気泡の逆流が抑制される。したがって、第3実施形態の機器温調装置1は、第1凝縮器41の複数の第1熱交換チューブ412または第2凝縮器42の複数の第2熱交換チューブ422のうち少なくとも一方が、重力方向に沿うように延びていることで、電池2の冷却能力を向上することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対して第1凝縮器41の配置を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図5に示すように、第4実施形態では、第1凝縮器41が有する複数の第1熱交換チューブ412は、重力方向に対し交差する方向に延びている。なお、第1凝縮器41が有する第1上タンク411と第1下タンク413は、重力方向に沿って延びている。
一方、第2凝縮器42が有する複数の第2熱交換チューブ422は、重力方向に沿うように延びている。これにより、複数の第2熱交換チューブ422の内側を、液相冷媒が重力方向に沿って流れる力が大きくなる。
第4実施形態でも、第1凝縮器41が有する複数の第1熱交換チューブ412で生成された液相冷媒は、第1上タンク411から第1下タンク413に流れた後、接続通路43を経由して第2凝縮器42に流れる。第2凝縮器42が有する複数の第2熱交換チューブ422で生成された液相冷媒は、その自重により重力方向に沿って流れる力が大きくなり、第2凝縮器42から液相通路6を経由して蒸発器3に円滑に流れる。これにより、蒸発器3側から液相冷媒の逆流または気泡の逆流が抑制される。したがって、第4実施形態の機器温調装置1も、第1凝縮器41の複数の第1熱交換チューブ412または第2凝縮器42の複数の第2熱交換チューブ422のうち少なくとも一方が、重力方向に沿うように延びていることで、電池2の冷却能力を向上することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対して第1凝縮器41および第2凝縮器42の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図6に示すように、第5実施形態では、第1凝縮器41と第2凝縮器42とが、一体に構成されている。具体的には、図7に示すように、第1凝縮器41の第1下タンク413と第2凝縮器42の第2上タンク421とが、連続して一体に構成されている。第1凝縮器41の第1下タンク413と第2凝縮器42の第2上タンク421との間には、板状のセパレータ44が設けられている。セパレータ44の一部には穴45が設けられている。この穴45を通じて、第1凝縮器41の第1下タンク413と第2凝縮器42の第2上タンク421との間を冷媒が流れる。
第5実施形態では、第1凝縮器41と第2凝縮器42とを一体に構成することで、その体格を小型化すると共に、第1凝縮器41と第2凝縮器42とを接続する接続通路43を廃止し、その接続通路43による加熱または放熱の懸念を払拭することができる。
また、第1下タンク413と第2上タンク421とを一体に構成することで、部品点数を少なくし、構成を簡素なものとして、製造上のコストを低減することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。以下に説明する複数の実施形態は、上述した第1から第5実施形態に対し、第1凝縮器41および第2凝縮器42のそれぞれの外部にある第1媒体および第2媒体について説明するものである。なお、以下に説明する複数の実施形態で参照する各図面では、蒸発器3とその周辺の構成の図示を省略している。
図8に示すように、第6実施形態の機器温調装置1は、第1媒体供給装置100の一例として第1送風機71を備えており、第2媒体供給装置200の一例として第2送風機72を備えている。第1送風機71は、第1媒体としての空気を第1凝縮器41に供給するものである。第2送風機72も、第2媒体としての空気を第2凝縮器42に供給するものである。
第1送風機71は、少なくとも夏季において、第1媒体として車室外空気を第1凝縮器41に供給する。車室外空気は、第1凝縮器41の外部を流れ、第1凝縮器41を流れる冷媒と熱交換する。一方、第2送風機72は、少なくとも夏季において、第2媒体として車室内空気を第2凝縮器42に供給する。車室内空気は、第2凝縮器42の外部を流れ、第2凝縮器42を流れる冷媒と熱交換する。
一般に、少なくとも夏季における車両走行時では、空調装置によって車室内の空気は車室外の空気よりも低温に設定されている。そのため、第2媒体としての車室内の空気は、第1媒体としての車室外の空気よりも低温である。したがって、第1凝縮器41で凝縮した冷媒が、第2凝縮器42で再加熱されることを防ぐことができる。そのため、第2凝縮器42で気泡が生成されることが抑制されるので、その気泡の浮力による液相冷媒の流れの悪化が防がれる。また、気泡が液相冷媒を押し上げ、第1凝縮器41または第2凝縮器42の液上面で液相冷媒を吹き上げることが抑制されると共に、そこで気泡が破裂して異音を発生することが抑制される。さらに、第2凝縮器42で気泡が生成されることが抑制されるので、第1凝縮器41および第2凝縮器42で液相冷媒の生成が円滑に行われ、第1凝縮器41および第2凝縮器42から蒸発器3に液相冷媒が円滑に供給される。したがって、この機器温調装置1は、電池2の冷却能力を向上することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。図9に示すように、第7実施形態の機器温調装置1は、第1媒体供給装置100の一例として、第1送風機71および第1冷熱供給器101を備えている。また、機器温調装置1は、第2媒体供給装置200の一例として、第2送風機72および第2冷熱供給器201を備えている。第1冷熱供給器101および第2冷熱供給器201は、例えば冷凍サイクルを構成する低圧側熱交換器、または、冷却水の循環サイクルを構成する熱交換器などで構成されるものである。
第1媒体供給装置100は、第1送風機71により気流を発生させ、第1冷熱供給器101を通過した空気を第1媒体として第1凝縮器41に流す。これにより、第1凝縮器41を流れる冷媒が冷却される。第1媒体供給装置100は、第1冷熱供給器101の温度調節により、第1媒体としての空気の温度を調整することが可能である。
第2媒体供給装置200は、第2送風機72により気流を発生させ、第2冷熱供給器201を通過した空気を第2媒体として第2凝縮器42に流す。これにより、第2凝縮器42を流れる冷媒が冷却される。第2媒体供給装置200も、第2冷熱供給器201の温度調節により、第2媒体としての空気の温度を調整することが可能である。
第1媒体供給装置100と第2媒体供給装置200は、第1媒体としての空気の温度よりも、第2媒体としての空気の温度を低くして、第2凝縮器42を流れる冷媒をより冷却することが可能である。そのため、第7実施形態も、第1凝縮器41で凝縮した冷媒が、第2凝縮器42で再加熱されることを防ぐことができる。また、第7実施形態は、第1媒体と第2媒体を所望の温度に調整することが可能である。
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。図10に示すように、第8実施形態の機器温調装置1は、第1媒体供給装置100の一例として、第1送風機71を備えている。第1送風機71は、第1媒体としての空気を第1凝縮器41に供給するものである。その空気は、第1凝縮器41の外部を流れ、第1凝縮器41を流れる冷媒と熱交換する。
また、機器温調装置1は、第2媒体供給装置200の一例として、第2冷熱供給器201を備えている。第2冷熱供給器201は、例えば冷凍サイクルを構成する低圧側熱交換器、または、冷却水の流れる循環サイクルを構成する熱交換器などで構成されるものである。第2冷熱供給器201が冷凍サイクルを構成する低圧側熱交換器である場合、第2冷熱供給器201は第2媒体として冷凍サイクルを循環する冷媒の冷熱を第2凝縮器42に供給する。一方、第2冷熱供給器201が冷却水の循環サイクルを構成する熱交換器である場合、第2冷熱供給器201は第2媒体として冷却水の冷熱を第2凝縮器42に供給する。第2凝縮器42を流れる冷媒は、第2媒体としての冷媒または冷却水からの熱伝導により冷却される。第2冷熱供給器201は、冷凍サイクルまたは冷却水の循環サイクルの出力調整により、第2凝縮器42を流れる冷媒に供給する冷熱量を調整することが可能である。
第8実施形態では、第1媒体供給装置100と第2媒体供給装置200は、第1媒体としての空気から第1凝縮器41に供給される冷熱量より、第2媒体としての冷媒または冷却水から第2凝縮器42に供給される冷熱量を大きくすることが可能である。これにより、第1凝縮器41を流れる冷媒よりも、第2凝縮器42を流れる冷媒がより冷却される。したがって、第8実施形態においても、第1凝縮器41で凝縮した冷媒が、第2凝縮器42で再加熱されることを防ぐことができる。
また、第8実施形態では、第1媒体と第2媒体とは、異種の媒体である。これによれば、第1媒体と第2媒体を、温度の異なるものに容易に設定することが可能である。そのため、例えば車両の高速走行時など電池2の発熱量が大きいとき、第2媒体として、温度の低い冷媒または冷却水を使用して、電池2を十分に冷却することが可能である。一方、例えば車両の市内走行時など電池2の発熱量が小さいとき、第1媒体として、第2媒体よりも温度が比較的高い空気を使用して、電池2を適切な温度に冷却することが可能である。したがって、この機器温調装置1は、電池2の発熱量に応じた温度調節をすることができる。
また、第8実施形態では、第1媒体供給装置100は、送風機71である。第2媒体供給装置200は、冷凍サイクルを構成する低圧側熱交換器、または、冷却水の流れる循環サイクルを構成する熱交換器である。
これによれば、例えば車両の市内走行時など電池2の発熱量が小さいとき、第1媒体供給装置100としての送風機を使用することで、冷凍サイクルなどを駆動することに比べて、電池2の冷却に必要となる消費電力を低減することが可能である。
一方、第2媒体供給装置200は、第2媒体としての冷凍サイクルの冷媒または冷却水の温度を、第1媒体としての空気の温度よりも低い温度に設定することが可能である。例えば車両の高速走行時など電池2の発熱量が大きいとき、第2媒体供給装置200としての冷凍サイクルなどを使用することで、電池2を十分に冷却することが可能である。したがって、この機器温調装置1は、電池2の冷却に必要となる消費電力を低減すると共に、電池2の発熱量に応じた温度調節をすることができる。
(第9実施形態)
第9実施形態について説明する。図11に示すように、第9実施形態の機器温調装置1は、第1媒体供給装置100の一例として、冷却水の循環サイクル8を備えている。具体的に、冷却水の循環サイクル8は、ポンプ81、送風機82、空冷放熱器83および熱交換器84などが配管85によって環状に接続され、冷却水が循環する第1媒体循環回路111を構成したものである。
ポンプ81は、配管85に冷却水を循環させる。送風機82は、空冷放熱器83に対して気流を流す。これにより、空冷放熱器83の内部を流れる冷却水が冷却される。熱交換器84は、第1冷熱供給器101に相当するものである。熱交換器84を流れる冷却水は、第1凝縮器41を流れる冷媒と熱交換し、第2凝縮器42を流れる冷媒を冷却する。熱交換器84で吸熱した冷却水は、空冷放熱器83へ流れる。
また、機器温調装置1は、第2媒体供給装置200の一例として、冷凍サイクル9を備えている。具体的に、冷凍サイクル9は、圧縮機91、高圧側熱交換器92、膨張弁93および低圧側熱交換器94などが配管95によって環状に接続され、冷媒が循環する第2媒体循環回路211を構成したものである。上述した第1媒体循環回路111と第2媒体循環回路211とは別個独立したものである。
なお、冷凍サイクル9に使用する冷媒は、機器温調装置1に用いられる作動流体としての冷媒と同一のものであってもよく、また、異なるものであってもよい。
圧縮機91は、低圧側熱交換器94側から冷媒を吸引し圧縮する。圧縮機91は、図示していない車両の走行用エンジンまたは電動機等から動力が伝達されて駆動する。
圧縮機91から吐出した高圧の気相冷媒は高圧側熱交換器92に流入する。高圧側熱交換器92に流入した高圧の気相冷媒は、高圧側熱交換器92の流路を流れる際、図示されていない送風機による外気との熱交換により冷却されて凝縮する。
高圧側熱交換器92で凝縮された液相冷媒は、膨張弁93を通過する際に減圧され、霧状の気液二相状態となって低圧側熱交換器94に流入する。膨張弁93はオリフィスまたはノズルのような固定絞り、或いは、適宜の可変絞り等により構成される。低圧側熱交換器94は、第2冷熱供給器201に相当するものである。低圧側熱交換器94は、内部を流れる冷媒の蒸発熱により、第2凝縮器42を流れる冷媒を冷却する。低圧側熱交換器94を通過した冷媒は、図示していないアキュムレータを経由して圧縮機91に吸引される。
第2媒体供給装置200は、冷却水の循環サイクル8の出力調整または冷凍サイクル9の出力調整により、第1凝縮器41を流れる冷媒に供給する冷熱量よりも、第2凝縮器42を流れる冷媒に供給する冷熱量を大きくすることが可能である。これにより、第1凝縮器41を流れる冷媒よりも、第2凝縮器42を流れる冷媒がより冷却される。したがって、第9実施形態でも、第1凝縮器41で凝縮した冷媒が、第2凝縮器42で再加熱されることを防ぐことができる。
また、第9実施形態では、第1媒体としての冷却水と、第2媒体としての冷凍サイクル9の冷媒とは、異種の媒体である。これによれば、第1媒体と第2媒体の温度を異なる温度に容易に設定することが可能である。したがって、この機器温調装置1は、電池2の発熱量に応じた温度調節をすることができる。
さらに、第9実施形態では、第1媒体としての冷却水が循環する第1媒体循環回路111と、第2媒体としての冷媒が循環する第2媒体循環回路211とは別個独立した回路である。これによれば、第1媒体の温度と第2媒体の温度とが互いに影響しあうことを防ぐことが可能である。したがって、第1媒体供給装置100により第1凝縮器41を流れる冷媒に供給する冷熱量を適切に調整し、且つ、第2媒体供給装置200により第2凝縮器42を流れる冷媒に供給する冷熱量を適切に調整することが可能である。
(第10実施形態)
第10実施形態について説明する。図12に示すように、第10実施形態では、機器温調装置1が備える第1媒体供給装置100と第2媒体供給装置200は、同一の冷凍サイクル9により構成されている。この冷凍サイクル9において、第1冷熱供給器101に相当する第1低圧側熱交換器941と、第2冷熱供給器201に相当する第2低圧側熱交換器942とは、並列に接続されている。
具体的に、冷凍サイクル9は、圧縮機91、高圧側熱交換器92、第1流量調整弁961、第1膨張弁931、第1低圧側熱交換器941、第2流量調整弁962、第2膨張弁932および第2低圧側熱交換器942などが配管95によって環状に接続され、冷媒が循環する循環回路を構成したものである。
圧縮機91および高圧側熱交換器92は、第9実施形態で説明したものと実質的に同一である。
高圧側熱交換器92で凝縮された液相冷媒は、分岐した配管951、952を経由し、第1低圧側熱交換器941側と第2低圧側熱交換器942側にそれぞれ分かれて流れる。第1低圧側熱交換器941側の配管951には、冷媒の流れる流量を調整するための第1流量調整弁961が設けられている。第1流量調整弁961を通過した液相冷媒は、第1膨張弁931を通過する際に減圧され、霧状の気液二相状態となって第1低圧側熱交換器941に流入する。第1低圧側熱交換器941は、第1冷熱供給器101に相当するものである。
第1低圧側熱交換器941は、機器温調装置1の第1凝縮器41を流れる冷媒と熱交換可能に設けられている。第1低圧側熱交換器941の流路を流れる低圧冷媒は、機器温調装置1の第1凝縮器41を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。機器温調装置1の第1凝縮器41を流れる冷媒は、第1低圧側熱交換器941の流路を流れる低圧冷媒の蒸発潜熱により、冷却され、凝縮する。第1低圧側熱交換器941を通過した冷媒は、図示していないアキュムレータを経由して圧縮機91に吸引される。
一方、第2低圧側熱交換器942側の配管952にも、冷媒の流れる流量を調整するための第2流量調整弁962が設けられている。第2流量調整弁962を通過した液相冷媒は、第2膨張弁932を通過する際に減圧され、霧状の気液二相状態となって第2低圧側熱交換器942に流入する。第2低圧側熱交換器942は、第2冷熱供給器201に相当するものである。第2低圧側熱交換器942は、機器温調装置1の第2凝縮器42を流れる冷媒と熱交換可能に設けられている。第2低圧側熱交換器942の流路を流れる低圧冷媒は、機器温調装置1の第2凝縮器42を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。機器温調装置1の第2凝縮器42を流れる冷媒は、第2低圧側熱交換器942の流路を流れる低圧冷媒の蒸発潜熱により、冷却され、凝縮する。第2低圧側熱交換器942を通過した冷媒も、図示していないアキュムレータを経由して圧縮機91に吸引される。
第10実施形態では、冷凍サイクル9が備える第1流量調整弁961および第2流量調整弁962により、第1凝縮器41を流れる冷媒に供給する冷熱量と、第2凝縮器42を流れる冷媒に供給する冷熱量とを調整することが可能である。第1流量調整弁961および第2流量調整弁962の流量調整は、オンオフ時間の調整などにより行われる。このような冷凍サイクル9の出力調整により、第1凝縮器41を流れる冷媒に供給する冷熱量よりも、第2凝縮器42を流れる冷媒に供給する冷熱量を大きくすることが可能である。これにより、第1凝縮器41を流れる冷媒よりも、第2凝縮器42を流れる冷媒がより冷却される。したがって、第10実施形態でも、第1凝縮器41で凝縮した冷媒が、第2凝縮器42で再加熱されることを防ぐことができる。
また、第10実施形態では、冷凍サイクル9を構成する第1、第2低圧側熱交換器941、942をそれぞれ第1、第2冷熱供給器101、201として使用することで、第1凝縮器41と第2凝縮器42両方の冷媒凝縮能力を高めることが可能である。また、車両に搭載されている空調装置の冷凍サイクル9の第1、第2低圧側熱交換器941、942をそれぞれ第1、第2冷熱供給器101、201として使用することで、機器温調装置1の構成を簡素なものとすることができる。
(第11実施形態)
第11実施形態について説明する。図13に示すように、第11実施形態は、第8実施形態の変形例である。
第11実施形態の機器温調装置1は、第1媒体供給装置100の一例として、第1送風機71を備えている。また、機器温調装置1は、第2媒体供給装置200の一例として、冷却水の循環サイクル8と冷凍サイクル9によるいわゆる二次ループ構成を備えている。冷却水の循環サイクル8を構成する熱交換器84は、第2冷熱供給器201に相当するものである。
冷却水の循環サイクル8は、ポンプ81、熱交換器84および放熱器83などが配管85によって環状に接続されたものである。この冷却水の循環サイクル8の放熱器83は、冷凍サイクル9を構成する低圧側熱交換器94と熱交換可能に構成されている。なお、冷凍サイクル9を構成する圧縮機91、高圧側熱交換器92、膨張弁93および低圧側熱交換器94は、第9実施形態で説明したものと実質的に同一である。
第11実施形態では、第2冷熱供給器201を流れる冷却水は、冷凍サイクル9を構成する低圧側熱交換器94により冷却される。第2冷熱供給器201は、冷凍サイクル9の出力調節などにより、第2冷熱供給器201から第2凝縮器42を流れる冷媒に供給する冷熱量を調整することが可能である。第11実施形態も、第8実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、機器温調装置1は、車両の電池2を冷却するものとしたが、他の実施形態では、機器温調装置1が冷却する対象機器は、車両が備える種々の機器装置であってもよい。
例えば、上述した実施形態では、機器温調装置1は、電池2を冷却するものとしたが、他の実施形態では、機器温調装置1は電池2を加熱するものであってもよい。この場合、蒸発器3で冷媒を凝縮させ、凝縮器41、42で冷媒を蒸発させることとなる。
例えば、上述した実施形態では、蒸発器3を扁平状に形成されたケースで構成したが、他の実施形態では、蒸発器3は熱交換チューブを含む構成としてもよい。
例えば、上述した実施形態では、機器温調装置1は、2個の凝縮器を備えるものとしたが、他の実施形態では、機器温調装置1は、3個以上の凝縮器を備えるものとしてもよい。
例えば、上述した実施形態では、第1媒体供給装置100または第2媒体供給装置200として、冷却水の循環サイクル8、冷凍サイクル9または送風機71、72などを例示したが、他の実施形態では、第1媒体供給装置100または第2媒体供給装置200は、例えばペルチェ素子を備えたサーモモジュール、または、磁気で冷凍作用を生成する冷却体など、種々のものを適用してもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、機器温調装置は、対象機器の温度を調整する機器温調装置であり、蒸発器、第1凝縮器および第2凝縮器を備える。蒸発器は、対象機器から吸熱して蒸発する作動流体の蒸発潜熱により対象機器を冷却する。第1凝縮器は、蒸発器より重力方向上側に設けられ、蒸発器で蒸発した作動流体を、外部にある第1媒体との熱交換により凝縮させる第1熱交換通路を有する。第2凝縮器は、蒸発器より重力方向上側に設けられ、第1凝縮器から流入する作動流体を、外部にある第2媒体との熱交換により凝縮させる第2熱交換通路を有し、凝縮した作動流体を蒸発器に向けて流出する。ここで、第2凝縮器が有する第2熱交換通路は、第1凝縮器が有する第1熱交換通路より、流路断面積または相当直径が小さいものである。
第2の観点によれば、第1凝縮器は複数の第1熱交換通路を有し、第2凝縮器は複数の第2熱交換通路を有する。複数の第1熱交換通路の流路断面積を合わせた総流路断面積は、複数の第2熱交換通路の流路断面積を合わせた総流路断面積より大きいものである。
これによれば、第2熱交換通路から第1熱交換通路に亘って液相の作動流体が溜まると、第1熱交換通路の液相の作動流体が自重により第2熱交換通路の液相の作動流体を蒸発器側へ押すので、第1凝縮器および第2凝縮器から蒸発器に向かう液相の作動流体の流れの圧力が大きくなる。そのため、蒸発器側から液相の作動流体の逆流または気泡の逆流が抑制され、作動流体が円滑に流れる。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却能力を向上することができる。
第3の観点によれば、第1凝縮器は、第2凝縮器よりも重力方向上側に位置する領域を有する。
これによれば、第1凝縮器で生成された液相の作動流体は、その自重により、第1凝縮器から第2凝縮器へ流れる。そのため、第1凝縮器から第2凝縮器を経由して蒸発器へ向けて液相の作動流体が順方向に円滑に流れるので、蒸発器側から液相の作動流体の逆流または気泡の逆流が抑制される。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却能力を向上することができる。
第4の観点によれば、第1凝縮器が有する複数の第1熱交換通路または第2凝縮器が有する複数の第2熱交換通路のうち少なくとも一方は、重力方向に沿うように延びている。
これによれば、第1熱交換通路または第2熱交換通路のうち重力方向に沿うように延びているものは、液相の作動流体を自重により重力方向下側へ円滑に流すことが可能である。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却能力を向上することができる。
第5の観点によれば、第1凝縮器と第2凝縮器とは、一体に構成されている。
これによれば、第1凝縮器と第2凝縮器の体格を小型化することができる。また、第1凝縮器と第2凝縮器とを接続する配管などを廃止することで、その配管による加熱または放熱の懸念を払拭することができる。
第6の観点によれば、第1凝縮器は、第1上タンク、第1熱交換通路、第1下タンクを有する。第2凝縮器は、第2上タンク、第2熱交換通路、第2下タンクを有する。第1凝縮器の第1下タンクと第2凝縮器の第2上タンクとは、一体に構成されている。
これによれば、第1下タンクと第2上タンクとを一体に構成することで、部品点数を少なくし、構成を簡素なものとして、製造上のコストを低減することができる。また、第1凝縮器と第2凝縮器とを接続する配管などを廃止することができる。
第7の観点によれば、第1凝縮器の外部にある第1媒体と、第2凝縮器の外部にある第2媒体とは、異種の媒体である。
これによれば、第1媒体と第2媒体を、温度の異なるものに容易に設定することが可能である。そのため、例えば対象機器の発熱量が大きいとき、第1媒体と第2媒体のうち温度の低い方の媒体を使用して液相の作動流体の生成量を増やし、対象機器を十分に冷却することが可能である。一方、対象機器の発熱量が小さいとき、第1媒体と第2媒体のうち比較的に温度の高い方の媒体を使用して対象機器を適切な温度に冷却することが可能である。したがって、この機器温調装置は、対象機器の発熱量に応じた温度調節をすることができる。
第8の観点によれば、機器温調装置は、第1媒体供給装置および第2媒体供給装置をさらに備える。第1媒体供給装置は、第1凝縮器に対し第1媒体を供給する。第2媒体供給装置は、第2凝縮器に対し第2媒体を供給する。
これによれば、第1媒体供給装置により第1媒体から第1凝縮器を流れる作動流体に供給する冷熱量を調整し、第2媒体供給装置により第2媒体から第2凝縮器を流れる作動流体に供給する冷熱量を調整することが可能である。
第9の観点によれば、第2媒体供給装置は、第2媒体を第1媒体よりも低い温度に設定することが可能に構成されている。
これによれば、第1凝縮器で凝縮した作動流体が、第2凝縮器で再加熱されることを防ぐことができる。そのため、第2凝縮器で気泡が生成されることが抑制されるので、その気泡の浮力による液相の作動流体の流れの悪化が防がれる。また、気泡が液相の作動流体を押し上げ、第1または第2凝縮器の液上面で作動流体を吹き上げることが抑制されると共に、そこで気泡が破裂して異音を発生することが抑制される。さらに、第2凝縮器で気泡が生成されることが抑制されるので、第1凝縮器および第2凝縮器で液相の作動流体の生成が円滑に行われ、第1凝縮器および第2凝縮器から蒸発器に液相冷媒が円滑に供給される。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却能力を向上することができる。
第10の観点によれば、第1媒体供給装置は、第1媒体が循環する第1媒体循環回路を有する。第2媒体供給装置は、第2媒体が循環する第2媒体循環回路を有する。ここで、第1媒体循環回路と第2媒体循環回路とは別個独立した回路である。
これによれば、第1媒体の温度と第2媒体の温度とが互いに影響しあうことを防ぐことが可能である。したがって、第1媒体供給装置により第1媒体から第1凝縮器を流れる作動流体に供給する冷熱量を適切に調整し、且つ、第2媒体供給装置により第2媒体から第2凝縮器を流れる作動流体に供給する冷熱量を適切に調整することが可能である。
第11の観点によれば、第1媒体供給装置は送風機であり、第2媒体供給装置は冷凍サイクルを構成する低圧側熱交換器である。
これによれば、例えば対象機器の発熱量が小さいとき、第1媒体供給装置としての送風機を使用することで、冷凍サイクルを駆動することに比べて、対象機器の冷却に必要となる消費電力を低減することが可能である。
一方、第2媒体供給装置は、第2媒体である冷凍サイクルの冷媒を、第1媒体である空気よりも低い温度に設定することが可能である。例えば対象機器の発熱量が大きいとき、第2媒体供給装置である冷凍サイクルを構成する低圧側熱交換器を使用することで、対象機器を十分に冷却することが可能である。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却に必要となる消費電力を低減すると共に、対象機器の発熱量に応じた温度調節をすることができる。
第12の観点によれば、対象機器の温度を調整する機器温調装置は、蒸発器、第1凝縮器および第2凝縮器を備える。蒸発器は、対象機器から吸熱して蒸発する作動流体の蒸発潜熱により対象機器を冷却する。第1凝縮器は、蒸発器で蒸発した作動流体を、外部にある第1媒体との熱交換により凝縮させる第1熱交換通路を有する。第2凝縮器は、第1凝縮器から流入する作動流体を、外部にある第2媒体との熱交換により凝縮させる第2熱交換通路を有し、凝縮した作動流体を蒸発器に向けて流出する。ここで、第1媒体と第2媒体とは、異種の媒体である。
これによれば、第1媒体と第2媒体を、温度の異なるものに容易に設定することが可能である。そのため、例えば対象機器の発熱量が大きいとき、第1媒体と第2媒体のうち温度の低い方の媒体を使用して対象機器を十分に冷却することが可能である。一方、対象機器の発熱量が小さいとき、第1媒体と第2媒体のうち比較的に温度の高い方の媒体を使用して対象機器を適切な温度に冷却することが可能である。したがって、この機器温調装置は、対象機器の発熱量に応じた温度調節をすることができる。
第13の観点によれば、機器温調装置は、第1媒体供給装置と第2媒体供給装置とをさらに備える。第1媒体供給装置は、第1凝縮器に対し第1媒体を供給する。第2媒体供給装置は、第2凝縮器に対し第2媒体を供給する。この第2媒体供給装置は、第2媒体を第1媒体よりも低い温度に設定することが可能に構成されている。
これによれば、第1凝縮器で凝縮した作動流体が、第2凝縮器で再加熱されることを防ぐことができる。そのため、第2凝縮器で気泡が生成されることが抑制されるので、その気泡の浮力による液相の作動流体の流れの悪化が防がれる。また、気泡が液相の作動流体を押し上げ、第1または第2凝縮器の液上面で液相の作動流体を吹き上げることが抑制されると共に、そこで気泡が破裂して異音を発生することが抑制される。さらに、第2凝縮器で気泡が生成されることが抑制されるので、第1凝縮器および第2凝縮器で液相の作動流体の生成が円滑に行われ、第1凝縮器および第2凝縮器から蒸発器に液相冷媒が円滑に供給される。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却能力を向上することができる。
第14の観点によれば、対象機器の温度を調整する機器温調装置は、蒸発器、第1凝縮器、第2凝縮器、第1媒体供給装置および第2媒体供給装置を備える。蒸発器は、対象機器から吸熱して蒸発する作動流体の蒸発潜熱により対象機器を冷却する。第1凝縮器は、蒸発器で蒸発した作動流体が、外部にある第1媒体との熱交換により凝縮させる第1熱交換通路を有する。第2凝縮器は、第1凝縮器から流入する作動流体が、外部にある第2媒体との熱交換により凝縮させる第2熱交換通路を有し、凝縮した作動流体を蒸発器に向けて流出する。第1媒体供給装置は、第1凝縮器に対し第1媒体を供給する。第2媒体供給装置は、第2凝縮器に対し第2媒体を供給する。この第2媒体供給装置は、第2媒体を第1媒体よりも低い温度に設定することが可能に構成されている。
これによれば、第1熱交換通路で凝縮した作動流体が、第2熱交換通路で再加熱されることを防ぐことができる。そのため、第2熱交換通路で気泡が生成されることが抑制されるので、その気泡の浮力による液相の作動流体の流れの悪化が防がれる。また、気泡が液相の作動流体を押し上げ、第1または第2熱交換通路の上面で液相の作動流体を吹き上げることが抑制されると共に、そこで気泡が破裂して異音を発生することが抑制される。さらに、第2熱交換通路で気泡が生成されることが抑制されるので、第1熱交換通路および第2熱交換通路で液相の作動流体の生成が円滑に行われ、第1熱交換通路および第2熱交換通路から蒸発器に液相冷媒が円滑に供給される。したがって、この機器温調装置は、対象機器の冷却能力を向上することができる。
1 機器温調装置
2 電池
3 蒸発器
41 第1凝縮器
42 第2凝縮器
412 第1熱交換チューブ
422 第2熱交換チューブ

Claims (14)

  1. 対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
    前記対象機器から吸熱して蒸発する作動流体の蒸発潜熱により前記対象機器を冷却する蒸発器(3)と、
    前記蒸発器より重力方向上側に設けられ、前記蒸発器で蒸発した作動流体を、外部にある第1媒体との熱交換により凝縮させる第1熱交換通路(412)を有する第1凝縮器(41)と、
    前記蒸発器より重力方向上側に設けられ、前記第1凝縮器から流入する作動流体を、外部にある第2媒体との熱交換により凝縮させる第2熱交換通路(422)を有し、凝縮した作動流体を前記蒸発器に向けて流出する第2凝縮器(42)と、を備え、
    前記第2凝縮器が有する前記第2熱交換通路は、前記第1凝縮器が有する前記第1熱交換通路より、流路断面積または相当直径が小さいものである機器温調装置。
  2. 前記第1凝縮器は複数の前記第1熱交換通路を有し、前記第2凝縮器は複数の前記第2熱交換通路を有するものであり、
    複数の前記第1熱交換通路の流路断面積(S1)を合わせた総流路断面積(S1×N1)は、複数の前記第2熱交換通路の流路断面積(S2)を合わせた総流路断面積(S2×N2)より大きいものである請求項1に記載の機器温調装置。
  3. 前記第1凝縮器は、前記第2凝縮器よりも重力方向上側に位置する領域(α)を有する請求項1または2に記載の機器温調装置。
  4. 前記第1凝縮器が有する複数の前記第1熱交換通路または前記第2凝縮器が有する複数の前記第2熱交換通路のうち少なくとも一方は、重力方向に沿うように延びている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  5. 前記第1凝縮器と前記第2凝縮器とは、一体に構成されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  6. 前記第1凝縮器は、第1上タンク(411)、前記第1熱交換通路、第1下タンク(413)を有し、
    前記第2凝縮器は、第2上タンク(421)、前記第2熱交換通路、第2下タンク(423)を有し、
    前記第1凝縮器の前記第1下タンクと前記第2凝縮器の前記第2上タンクとは、一体に構成されている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  7. 前記第1凝縮器の外部にある前記第1媒体と、前記第2凝縮器の外部にある前記第2媒体とは、異種の媒体である請求項1ないし6のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  8. 前記第1凝縮器に対し前記第1媒体を供給する第1媒体供給装置(100)と、
    前記第2凝縮器に対し前記第2媒体を供給する第2媒体供給装置(200)と、をさらに備える請求項1ないし7のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  9. 前記第2媒体供給装置は、前記第2媒体を前記第1媒体よりも低い温度に設定することが可能に構成されている請求項8に記載の機器温調装置。
  10. 前記第1媒体供給装置は、前記第1媒体が循環する第1媒体循環回路(111)を有し、
    前記第2媒体供給装置は、前記第2媒体が循環する第2媒体循環回路(211)を有し、
    前記第1媒体循環回路と前記第2媒体循環回路とは別個独立した回路である請求項8または9に記載の機器温調装置。
  11. 前記第1媒体供給装置は、送風機(71)であり、
    前記第2媒体供給装置は、冷凍サイクル(9)を構成する低圧側熱交換器(94)である請求項8または9に記載の機器温調装置。
  12. 対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
    前記対象機器から吸熱して蒸発する作動流体の蒸発潜熱により前記対象機器を冷却する蒸発器(3)と、
    前記蒸発器で蒸発した作動流体を、外部にある第1媒体との熱交換により凝縮させる第1熱交換通路(412)を有する第1凝縮器(41)と、
    前記第1凝縮器から流入する作動流体を、外部にある第2媒体との熱交換により凝縮させる第2熱交換通路(422)を有し、凝縮した作動流体を前記蒸発器に向けて流出する第2凝縮器(42)と、を備え、
    前記第1凝縮器の外部にある前記第1媒体と、前記第2凝縮器の外部にある前記第2媒体とは、異種の媒体である、機器温調装置。
  13. 前記第1凝縮器に対し前記第1媒体を供給する第1媒体供給装置(100)と、
    前記第2凝縮器に対し前記第2媒体を供給する第2媒体供給装置(200)と、をさらに備え、
    前記第2媒体供給装置は、前記第2媒体を前記第1媒体よりも低い温度に設定することが可能に構成されている請求項12に記載の機器温調装置。
  14. 対象機器(2)の温度を調整する機器温調装置であって、
    前記対象機器から吸熱して蒸発する作動流体の蒸発潜熱により前記対象機器を冷却する蒸発器(3)と、
    前記蒸発器で蒸発した作動流体を、外部にある第1媒体との熱交換により凝縮させる第1熱交換通路(412)を有する第1凝縮器(41)と、
    前記第1凝縮器から流入する作動流体を、外部にある第2媒体との熱交換により凝縮させる第2熱交換通路(422)を有し、凝縮した作動流体を前記蒸発器に向けて流出する第2凝縮器(42)と、
    前記第1凝縮器に対し前記第1媒体を供給する第1媒体供給装置(100)と、
    前記第2凝縮器に対し前記第2媒体を供給する第2媒体供給装置(200)と、を備え、
    前記第2媒体供給装置は、前記第2媒体を前記第1媒体よりも低い温度に設定することが可能に構成されている機器温調装置。
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