JP2019189801A - 化合物付着アルミニウム顔料 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期密着性に優れ、金属光沢や意匠性にも優れ、また、下地に対する隠ぺい性においても優れているメタリック塗膜を形成可能な、高い貯蔵安定性を有するアルミニウム顔料を提供することを目的とする。【解決手段】(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂とから成る(C)化合物と、フレーク状アルミニウム粉末と、を含有し、前記フレーク状アルミニウム粉末100質量部に対して0.1〜10質量部の前記(C)化合物が、前記フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している、化合物付着アルミニウム顔料。【選択図】なし

Description

本発明は、化合物付着アルミニウム顔料、当該化合物付着アルミニウム顔料を含有する塗料及びインキに関する。
従来より、メタリック塗料用、印刷インキ用、プラスチック練り込み用等に、メタリック感を重視する美粧効果を得る目的でアルミニウム顔料が使用されている。
しかしながら、何らの表面処理も施されていないアルミニウム顔料は、金属感や意匠性が高い反面、塗料や印刷インキに用いられる樹脂系によっては、塗膜を形成する際に樹脂との密着性が低く、例えばセロハンテープ剥離による密着性試験を行った場合、多量に剥離してしまうという欠点を有している。
上述したような、アルミニウム顔料の密着性の改善を図る方法として、アルミニウム顔料に所定の表面処理を施す方法が提案されている。
例えば、特許文献1、2には、アルミニウム顔料の優れた金属光沢や意匠性を維持しながら、塗料用、印刷インキ用の顔料として使用したとき、樹脂との密着性においても優れたメタリック塗膜を与えることができるアルミニウム顔料及びその製造方法が開示されている。
特開2002−226733号公報 特開2015−172162号公報
しかしながら、近年、アルミニウム顔料に対する要求はさらに増えており、例えば印刷インキの用途では、生産性の向上のため、印刷速度を速くすることが求められており、その際に印刷したインキの剥離トラブルが生じないよう、インキが完全に乾燥する前の密着性(初期密着性)の向上が課題となっている。さらに優れた意匠性や樹脂との密着性、並びに下地に対する優れた隠蔽性を有することに加えて、外気温度による影響を受け難い高い貯蔵安定性を有することも要求されるようになっている。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、初期密着性に優れ、金属光沢や意匠性にも優れ、また、下地に対する隠蔽性においても優れているメタリック塗膜を形成可能な、高い貯蔵安定性を有するアルミニウム顔料を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂とから成る化合物(C)と、フレーク状アルミニウム粉末と、を含有し、当該化合物(C)が、当該フレーク状アルミニウム粉末に付着している、化合物付着アルミニウム顔料が、優れた初期密着性や意匠性、樹脂との優れた密着性、並びに下地に対する優れた隠蔽性を示し、かつ、貯蔵安定性にも優れた効果を発揮できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物と
(B)ポリカルボジイミド樹脂と
から成る(C)化合物と、
フレーク状アルミニウム粉末と、
を含有し、
前記フレーク状アルミニウム粉末100質量部に対して0.1〜10質量部の前記(C)化合物が、前記フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している、化合物付着アルミニウム顔料。
〔2〕
前記(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物が、大豆油脂肪酸又はアマニ油脂肪酸とアクリル酸とを重合した重合カルボン酸、又は、大豆油脂肪酸又はアマニ油脂肪酸を重合した重合カルボン酸である、前記〔1〕に記載の化合物付着アルミニウム顔料。
〔3〕
前記化合物付着アルミニウム顔料を、50℃で135日間加熱処理したときに、前記加熱処理を施した前記化合物付着アルミニウム顔料と前記加熱処理を施さない前記化合物付着アルミニウム顔料との平均粒子径差Δd50が1.0μm未満である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の化合物付着アルミニウム顔料。
〔4〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の化合物付着アルミニウム顔料を含有する塗料。
〔5〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の化合物付着アルミニウム顔料を含有するインキ。
〔6〕
フレーク状アルミニウム粉末と(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物とを混練する工程と、前記混練工程で得た混練物を有機溶媒中に分散させ、そこに(B)ポリカルボジイミド樹脂を添加する工程とを含んでなる、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の化合物付着アルミニウム顔料を製造する方法。
本発明によれば、初期密着性に優れ、金属光沢や意匠性にも優れ、また、下地に対する隠蔽性においても優れたメタリック塗膜を形成可能な、高い貯蔵安定性を有する化合物付着アルミニウム顔料が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
〔化合物付着アルミニウム顔料〕
本実施形態の化合物付着アルミニウム顔料は、
(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物と
(B)ポリカルボジイミド樹脂と
から成る(C)化合物と、
フレーク状アルミニウム粉末と、
を含有し、
前記フレーク状アルミニウム粉末100質量部に対して0.1〜10質量部の前記(C)化合物が、前記フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している。
本実施形態の化合物付着アルミニウム顔料は、上述のとおり、(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂とから成る(C)化合物と、フレーク状アルミニウム粉末と、を含有する。そして、(C)化合物は、フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している。
フレーク状アルミニウム粉末に付着した(C)化合物は、単にフレーク状アルミニウム粉末と化合物が混ざっていることのみを意味するのではなく、「フレーク状アルミニウム粉末」と「化合物」との間に相互作用が有る状態のことを意味する。
相互作用としては、例えば、化学結合、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力等が挙げられる。
(フレーク状アルミニウム粉末)
本実施形態の化合物付着アルミニウム顔料に用いるフレーク状アルミニウム粉末としては、表面光沢性、白度、光輝性等メタリック用顔料に要求される表面性状、粒径、形状を有するものが適している。
形状としては、粒状、板状、塊状、鱗片状等の種々の形状がありうるが、塗膜に優れたメタリック感や輝度を与えるためには、鱗片状であることが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末は、0.001〜1μmの範囲の厚さを有し、1〜100μmの範囲の長さ又は幅を有するものが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末のアスペクト比は、10〜20000の範囲にあることが好ましい。
ここで、アスペクト比とは、フレーク状アルミニウム粉末の平均長径をフレーク状アルミニウム粉末の平均厚さで割った値である。
また、フレーク状アルミニウム粉末の純度は特に限定するものではないが、塗料用として用いられているものは純度99.5%以上であることが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末は、公知の方法、例えば国際公開第99/54074号に記載された製造方法で得ることができるが、通常ペースト状態で市販されており、これを用いることもできる。
((A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物)
(A)で規定する化合物(本願では、「(A)化合物」とも称する)は、二個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、本質的に酸である。
前記(A)化合物としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
前記(A)化合物としては、二個以上のカルボキシル基を有する化合物である限り、1分子中のカルボキシル基数の上限は特に限定することなく使用することができる。
上記(A)化合物としては、二個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸が好ましく、少なくとも二個以上のカルボキシル基と一個以上の二重結合とを有するカルボン酸又はその重合体、又は二塩基酸がより好ましい。
上記重合体としては、不飽和カルボン酸の重合体が好ましく、特に熱重合カルボン酸が好ましい。
熱重合カルボン酸とは、二重結合を有するカルボン酸の一種類以上を熱重合して得られた二個以上のカルボキシル基と一個以上の二重結合とを有するカルボン酸である。
上記不飽和カルボン酸の重合体の出発原料の例としては、カルボキシル基と二重結合とを有する化合物であるオレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、3−オクテン酸、10−ウンデセン酸や、脂肪酸混合物である大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、トール油脂肪酸等が挙げられる。前記出発原料は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記不飽和カルボン酸の重合体の好ましい例としては、トール油脂肪酸を重合した重合カルボン酸、大豆油又はアマニ油脂肪酸を重合した重合カルボン酸、大豆油脂肪酸又はアマニ油脂肪酸とアクリル酸とを重合した重合カルボン酸が挙げられる。特に好ましい例としては、大豆油脂肪酸又はアマニ油脂肪酸とアクリル酸とを重合した重合カルボン酸、大豆油脂肪酸又はアマニ油脂肪酸を重合した重合カルボン酸が挙げられる。
上記重合カルボン酸の市販品(商品名)としては、ユニダイム27、エンポール1008、プリポール1017、バーサダイム216、ダイアシッド1550、ハリダイマー300、ハリダイマー200等が挙げられる。
また、二塩基酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジアルコキシカルボニルイソドコサジエン二酸、イソドコサジエン二酸、イソドコサン二酸、イソエイコサジエン二酸、ブチルオクタン二酸、ジメチルエイコサン二酸、エチルオクタデカン二酸、エイコサ二酸、エイコサジエン二酸、アセトンジカルボン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、デカン二酸、ノナン二酸、オクタン二酸、ヘプタン二酸、ヘキサン二酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の二塩基酸であることが好ましい。
((B)ポリカルボジイミド樹脂)
(B)で規定するポリカルボジイミド樹脂(本願では、「(B)ポリカルボジイミド樹脂」とも称する)は、一分子内に−N=C=N−の構造を2つ以上有する化合物であり、ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素反応により作製される公知のものを使用できる(米国特許第2941956号、特公昭47−3279号公報、J.Org.Chem.,28,2069〜2075(1963)、Chemical Review 1981、Vol.81,No.4,619〜621参照)。
(B)ポリカルボジイミド樹脂は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の化合物付着アルミニウム顔料においては、上述したフレーク状アルミニウム粉末100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で、前記(A)化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂とから成る(C)化合物を含有する。そして、(C)化合物は、フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している。
(C)化合物の含有量は、密着性等(特に密着性)の観点から0.1質量部以上とし、光沢や意匠性等(特に光沢や意匠性)の観点から10質量部以下とする。より優れた貯蔵安定性の観点からフレーク状アルミニウム粉末100質量部に対して0.5〜6質量部であることが好ましい。
〔化合物付着アルミニウム顔料の製造方法〕
本実施形態の化合物付着アルミニウム金属顔料は、フレーク状アルミニウム粉末と(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物とを混練し、その後に前記混練工程で得た混練物を有機溶媒中に分散させ、そこに(B)ポリカルボジイミド樹脂を加え、フレーク状アルミニウム粉末表面に付着させた前記(A)化合物と反応させることにより製造できる。
混練時間は特に限定されないが、15分から3時間の範囲内で行うのが好ましく、15分から2時間以内とすることがより好ましい。15分未満では(A)化合物の付着が十分ではないために、得られた化合物付着アルミニウム顔料の密着性が低下する場合があり、また、3時間を超えても化合物付着アルミニウム顔料の密着性に変化がないために、生産性が低下する場合がある。また、混練時間を必要以上に長くすると化合物付着アルミニウム顔料事態の変性が発生し意匠性が低下する場合がある。
混練工程での温度も特に限定されないが、5℃から80℃の範囲内とすることが好ましい。5℃未満では(A)化合物が十分に付着しない場合があり、また、80℃を超えても(A)化合物の付着性に変化がないためにエネルギーのロスにつながる場合がある。
有機溶剤としては、フレーク状アルミニウム粉末に対して不活性であればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類が挙げられる。
有機溶剤中の(A)化合物を含んだフレーク状アルミニウム粉末の質量濃度は、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは1〜35質量%である。
(A)化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂との反応速度の観点から0.1質量%以上が好ましく、また、分散性の観点から40質量%以下が好ましい。
(B)ポリカルボジイミド樹脂を添加する際の温度は、(A)化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂との反応が生ずればよく、特に限定されるものではないが、60℃以上150℃以下が好ましい。また、反応効率を高めるために窒素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で添加、反応させることが好ましい。
また、(A)化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂とを反応させる際には、必要に応じて溶剤を添加したり、又は置換したりすることもできる。
有機溶剤としては、環境負荷や乾燥性の観点からエステル系の溶剤が好ましい。
特に酢酸プロピルを用いると、乾燥温度が低い場合でも残留溶剤量が少なく、密着性や臭気の観点から好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末は、(A)化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂とからなる(C)化合物が付着することにより粒子径が大きくなる。付着前後での平均粒子径の差は、本実施形態のアルミニウム顔料の下地に対する隠蔽性の観点から1.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0μm以下である。
〔化合物付着アルミニウム顔料の使用態様〕
本実施形態の化合物付着アルミニウム顔料は塗料やインキ用の顔料として用いることができる。塗料やインキとしては、溶剤型、水性型のいずれも用いることができる。
溶剤型の塗料及びインキにおいて本実施形態の化合物付着アルミニウム顔料を使用する場合、塗料用樹脂又はインキ用樹脂としては、従来のメタリック塗料及びメタリックインキで用いられている塗料用又はインキ用樹脂を用いることができる。
当該塗料用又はインキ用樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
溶剤型塗料及びインキ用の顔料として本実施形態の化合物付着アルミニウム顔料を用いる場合、当該アルミニウム顔料の使用量は、塗料用又はインキ用樹脂100質量部に対して0.1質量部〜300質量部が好ましく、0.2〜200質量部がより好ましい。金属光沢性の観点から0.1質量部以上が好ましく、塗膜物性の観点から300質量部以下が好ましい。
溶剤型塗料及びインキの希釈剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系化合物;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族系化合物;エタノール、プタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン等のケトン類;トリクロロエチレン等の塩素化合物;エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類が挙げられる。これらの希釈剤は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上混合して使用してもよい。
希釈剤の組成は塗料用及びインキ用樹脂に対する溶解性、塗膜形成特性、塗装作業性等
を考慮して適宜決定すればよい。
さらに、塗料やインキには、塗料業界で一般に使用されている顔料、染料、湿潤剤、分散剤、色分れ防止剤、レベリング剤、スリップ剤、皮張り防止剤、ゲル化防止剤、消泡剤等の添加剤を、さらに加えてもよい。
また、塗料及びインキは、水性塗料用樹脂を用いることにより水性塗料としても使用可能である。
ただし、アルミニウム顔料を用いる場合は、水性塗料及びインキ中で水と反応する可能性がある。このような場合には、反応阻害剤を添加することが必要である。
ここで水性塗料用樹脂とは、水溶性樹脂又は水分散性樹脂であって、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上の混合物であってもよい。その種類は目的や用途により適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、塗料用では、一般にはアクリル系、アクリル−メラミン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の水性塗料用樹脂が挙げられ、中でもアクリル−メラミン系が最も汎用的に使用されている点で好ましい。
水性型の塗料又はインキとして使用する場合の、本実施形態のアルミニウム顔料の使用量は、水性塗料用樹脂100質量部に対して0.1〜300質量部であることが好ましく、0.2質量部〜200質量部であることがより好ましい。金属光沢を得る観点から0.1質量部以上であることが好ましく、塗膜物性の観点から300質量部以下であることが好ましい。
また、各種添加剤として、例えば、分散剤、増粘剤、タレ防止剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、成膜助剤、界面活性剤、その他の有機溶剤、水等、当該分野に於いて通常使用され得るものであって、本発明の効果を損なわないものをいずれも使用でき、また、本発明の効果を損なわない程度の量で、添加することが好ましい。
〔塗装方法〕
本実施形態の化合物付着アルミニウム属顔料を含む塗料やインキを用いた塗装方法としては、公知の方法を適用することが可能である。
例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
また塗装後に、所望により好ましくは20以上500℃以下、より好ましくは40以上250℃以下での熱処理や、紫外線照射等を行うことも可能である。また、40以上250℃以下に熱した基材に対して塗料を塗布することも可能である。
〔用途〕
本実施形態の化合物付着アルミニウム顔料は、自動車用、一般家電用、若しくは携帯電話に代表される情報家電用の塗装、又は所定の印刷用途に用いることができる。
具体的には、例えば、それら自動車等に用いられる、鉄やマグネシウム合金などの金属、あるいはプラスチック等の、所定の材料よりなる基材を塗装し、印刷でき、高い意匠性を発揮できる。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において、各種の物性は下記の方法で測定した。
〔物性の測定方法〕
<1.平均粒子径>
(株)島津製作所製;SALD−2200(レーザー回折粒度分布測定装置)を用いて、後述する実施例及び比較例により製造した化合物付着アルミニウム顔料、及びフレーク状アルミニウム粉末含有ペースト(旭化成株式会社製、GX−4100)の平均粒子径を測定した。
<2.(C)化合物量>
フレーク状アルミニウム粉末100質量部に対する(C)化合物量は、フレーク状アルミニウム粉末成分として用いたアルミペーストの不揮発分の質量(2000g×0.74)を100質量部としたときの、(A)化合物と(B)ポリカルボジイミド樹脂の合計となる(C)化合物の質量部を算出した。
<3.初期密着性>
各実施例及び比較例で得られたメタリックインキを、PETフィルムに対して乾燥膜厚2μmになるようにバーコーターで塗装し塗膜を得た。
得られた塗膜を50℃で2時間乾燥させたものを評価用サンプルとした。
セロテープ(登録商標:ニチバン(株)製、巾18mm)を塗膜に密着させ、90度の角度で引っ張り、アルミニウム顔料粒子の剥離度合いを目視で観察し、下記のように評価した。
◎:全く剥離が見られなかった
○:ほぼ剥離は見られなかった
△:若干の剥離が見られた
×:顕著に剥離が見られた
<4.隠蔽性>
各実施例及び比較例で得られたメタリックインキを、PETフィルムに対して乾燥膜厚2μmになるようにバーコーターで塗装し塗膜を得た。
得られた塗膜を50℃で24時間乾燥させたものを評価用サンプルとした。
スガ試験機(株)製のヘイズメーターHZ−V3を用い、全光線透過率(Tt)により評価した。
値が小さいほど、隠蔽性が良好であると判断した。
<5.金属光沢性>
前記<3.隠蔽性>で評価に用いた乾燥塗膜と同様に作製した塗膜を評価に供した。
光沢計(スガ試験機(株)製、デジタル変角光沢計UGV−5D)を用いて60度光沢(入射角、反射角とも60度)を測定する。本発明の金属顔料を用いた塗板の60度光沢の測定値をG’、樹脂を被覆していない金属顔料を用いて同様に作製した塗板の60度光沢の測定値をGとし、光沢保持率Rを下式によって求めた。
R=(G’/G)×100
光沢保持率Rの値に応じて、下記のように評価した。
数値が大きいほど、金属光沢性は良好で、実用上の観点から、80以上であれば良好で、それを上回る90以上であれば優良であると判断した。

◎(優) :90以上
○(良) :90未満〜80以上
△(可) :80未満〜70以上
×(不可):70未満
<6.貯蔵安定性>
後述する実施例及び比較例により製造した化合物付着アルミニウム顔料を50℃で加熱処理した。貯蔵安定性を加熱処理前と後の平均粒子径の増加程度(凝集程度)に基づいて下記のように評価した。
Δd50数値が小さいほど良好であるとし、実用上の観点から、50℃で135日間加熱処理後に1.5μm以下を保てれば特に問題なく使用可能で、それを更に下回る1.0μm以下を保てれば良好であると判断した。
○(良) :50℃で135日間、Δd50≦1.0μm
△(可) :50℃で135日間、1.0μm<Δd50≦1.5μm
×(不可):50℃で135日間、Δd50>1.5μm
〔実施例1〕
8L混練機に、市販のフレーク状アルミニウム粉末含有ペースト(旭化成株式会社製、GX−4100「平均粒子径10μm、不揮発分74質量%」)2000g、および(A)化合物として大豆油脂肪酸とアクリル酸とを熱重合した二重結合を有するカルボン酸(商品名:ダイアシッド1550)14.8gを投入した。そして、窒素ガスを導入し、系内の温度を40℃に昇温した。次いで、40℃で30分間混練した。
次いで、20L反応槽に上記回収した混練物、ミネラルスピリット6810gを投入した。そして、窒素ガスを導入しながら撹拌し、系内温度を70℃に昇温した。次いで、(B)ポリカルボジイミド樹脂としてカルボジライト(登録商標)V−09B(日清紡ケミカル社製、多価カルボジイミド、樹脂分70Wt%)10.6g、及びミネラルスピリット1790gからなる混合液を定量ポンプにより約10g/分の速度で添加し、終了後、系内の温度を70℃に保ちながら最終的に合計6時間攪拌した。
6時間の反応終了後、自然冷却し、スラリーを濾過し、化合物付着アルミペースト(アルミニウム顔料)を得た。
JIS−K−5910による、前記アルミニウム顔料の不揮発分は50質量%であった。
反応前後での平均粒子径、すなわち前記アルミニウム顔料の平均粒子径と、前記市販のフレーク状アルミニウム粉末含有ペーストの平均粒子径の差は0.6μmであった。
得られたアルミニウム顔料6gに対して、ポリウレタン樹脂(サンプレンIB−1700D(三洋化成工業製))10g、酢酸エチル4g、メチルエチルケトン4g、イソプロパノール4gを加えて、マグネチックスターラーで10分攪拌し、メタリックインキを得た。
得られたメタリックインキを用いて塗膜の初期密着性、塗膜の隠蔽性、金属光沢性を評価した。貯蔵安定性の評価結果とともにそれらの評価結果を下記表1に示す。
〔実施例2〜5〕、〔比較例1〜3〕
実施例1の組成を変更し、その他は実施例1と同様なやり方で、化合物付着アルミニウム顔料および塗料を製造し、実施例1と同様の特性評価を行った。実施例2〜5、比較例1〜3の組成、並びにそれらの評価結果を表1に示す。

実施例1〜5においては、優れた初期密着性、金属光沢、及び高い隠蔽性、並びに優れた貯蔵安定性を得ることができ、また、これらの結果に鑑みて優れた意匠性も得られることがわかった。また、本実施形態のアルミニウム原料においては、実施例1〜5に示されるとおり、反応前後の平均粒子径の差はいずれも1.5μm以下で、隠蔽性はいずれも10%以下となっており、その平均粒子径の差が1.0μm以下と更に小さくなるにつれて隠蔽性もより良好になる傾向が見られることが確認された。
本発明の化合物付着アルミニウム顔料は、自動車用、一般家電用、携帯電話に代表される情報家電用の塗料や印刷用のインキ、具体的には、これらの鉄やマグネシウム合金等の金属、あるいはプラスチック等の基材に対する塗料及びインキ用途に産業上の利用性を有している。

Claims (6)

  1. (A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物と
    (B)ポリカルボジイミド樹脂と
    から成る(C)化合物と、
    フレーク状アルミニウム粉末と、
    を含有し、
    前記フレーク状アルミニウム粉末100質量部に対して0.1〜10質量部の前記(C)化合物が、前記フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している、化合物付着アルミニウム顔料。
  2. 前記(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物が、大豆油脂肪酸又はアマニ油脂肪酸とアクリル酸とを重合した重合カルボン酸、又は、大豆油脂肪酸又はアマニ油脂肪酸を重合した重合カルボン酸である、請求項1に記載の化合物付着アルミニウム顔料。
  3. 前記化合物付着アルミニウム顔料を、50℃で135日間加熱処理したときに、前記加熱処理を施した前記化合物付着アルミニウム顔料と前記加熱処理を施さない前記化合物付着アルミニウム顔料との平均粒子径差Δd50が1.0μm未満である、請求項1又は2に記載の化合物付着アルミニウム顔料。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物付着アルミニウム顔料を含有する塗料。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物付着アルミニウム顔料を含有するインキ。
  6. フレーク状アルミニウム粉末と(A)二個以上のカルボキシル基を有する化合物とを混練する工程と、前記混練工程で得た混練物を有機溶媒中に分散させ、そこに(B)ポリカルボジイミド樹脂を添加する工程とを含んでなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の化合物付着アルミニウム顔料を製造する方法。
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