JP2019182351A - グラスランの組付構造 - Google Patents
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そのため、グラスランを係止する凹部を形成することができず、グラスランを安定した状態で保持することができないといった問題がある。
また、曲げ角度もプレス成形性から制約がありあまり小さくすることができないため、グラスランの車内側側壁部の車内側に意匠リップを設けた場合、グラスランの組付け時にドアアウタパネルとドアインナパネルが合わせられた先端突出部の外方となる車内側面に弾接すべき意匠リップが、先端突出部の内方となる車外側面に巻き込まれるおそれがある。
また、意匠リップが、先端突出部の車内側面に十分な弾接力で弾接しないと風騒音を防止することができない。
車外側壁(31),車内側壁(32)と両側壁(31,32)を接続する連結壁(33)を有する断面略コ字状の薄板パネル(30)が固定され、その薄板パネル(30)に、
車外側側壁部(51)と、車内側側壁部(52)と、前記車外側側壁部(51)と前記車内側側壁部(52)を連結する底壁部(53)からなり昇降するドアガラス(100)を溝部(M)に案内する断面略コ字状の本体部(54)と、前記車外側側壁部(51)から突出してドアガラス(100)の車外側面に摺接する車外側シールリップ部(55)と、前記車内側側壁部(52)から突出してドアガラス(100)の車内側面に摺接する車内側シールリップ部(56)を有するグラスラン(50)が組付けられるグラスランの組付構造であって、
前記厚板パネル(20)のドアアウタパネル(21)は、前記薄板パネル(30)の車内側壁(32)と略平行な厚肉側壁部(21a)を有し、前記厚板パネル(20)と前記薄板パネル(30)の固定は、前記厚板パネル(20)の厚肉側壁部(21a)に対して前記薄板パネル(30)の車内側壁(32)が車外側に離間するように、前記厚肉側壁部(21a)と前記車内側壁(32)との間に前記車内側壁(32)の先端(32a)が突出するように仕切り材(41)を介して行い、
前記グラスラン(50)の車内側側壁部(52)の車内側に、前記厚板パネル(20)の厚肉側壁部(21a)と前記車内側壁(32)の先端(32a)との隙間(S)に入り込み前記車内側壁(32)の先端(32a)の車外側面及び車内側面に当接して前記車内側壁(32)の先端(32a)を挟み込む挟持部(61,62),(68,62)を設けたことを特徴とする。
前記挟持部(61,62),(68,62)は、前記台座部(60)の頂部付近から
突設した二股状リップ部(62,63)のうち前記隙間(S)側に延びて前記車内側壁(32)の先端(32a)の車内側面に当接する第一リップ(62)と、前記車内側壁(32)の先端(32a)の車外側面に当接する前記台座部(60)の接触部(61)からなり、
前記二股状リップ部(62,63)の第二リップ(63)は、前記厚板パネル(20)の先端突出部(23)の車外側面に当接することを特徴とする。
前記薄板パネル(30)の車外側壁(31)と連結壁(33)の接続部に車外係止段部(35)を形成し、前記グラスラン(50)の車外側側壁部(51)と底壁部(53)の接続部から前記車外係止段部(35)に係止する係止突起部(65)を突設したことを特徴とする。
すなわち、グラスランが組付けられる板厚が薄いパネルを、厚板パネルの車外側に固定し、その固定を、厚板パネルの厚肉側壁部に対して薄板パネルの車内側壁が車外側に離間しかつ車内側壁の先端が突出するように仕切り材を厚肉側壁部と車内側壁との間に介して行い、形成された隙間に入り込み車内側壁の先端の車外側面及び車内側面に当接して車内側壁の先端を挟み込む挟持部を、グラスランの車内側側壁部の車内側に設けたので、グラスランは強固に組付けられる。
また二股状リップ部の第二リップは、薄板パネルの車内側壁の先端よりも車外側に突出する厚板パネルの先端突出部の車外側面に当接するので、グラスランは一層安定した状態で組付けられる。
本発明の実施形態に係るグラスランは、図1で示したような、フロントドア1に組付けられるものであり、図2に示すような、断面形状をしている。
図2において、「外」とは、車外側,「中」とは車内側を示す、「前」,「後」とは、ドア1が閉じられた場合における車の前側,後側を示す。
薄板パネル30の車内側壁32は、連結壁33との接続部から延び、車外側に略直角に折曲して内方に車内係止段部34を形成し、さらに略直角に折曲して厚板パネル20のドアアウタパネル21に形成された厚肉側壁部21aと略平行に延びている。そして、この段差によって凹部36が形成されている。
また薄板パネル30の車外側壁31と連結壁33の接続部の内方には車外係止段部35が形成されている。
また薄板パネル30の車外側壁31の端部は折り返されて車外側壁31と略平行に車の後側に向けて延びる最外側壁37が形成されている。この最外側壁37により意匠面が構成され外観上見栄えをよくしている。
このとき、厚板パネル20の厚肉側壁部21aに対して薄板パネル30の車内側壁32が車外側に離間するように、厚肉側壁部21aと車内側壁32との間にはビス40のワッシャーと同様に円環状で、ビス40が貫通する仕切り材41が設けられている。仕切り材41は、薄板パネル30の車内側壁32に形切された凹部36に受け入れられるように納められている。仕切り材41の径は、薄板パネル30の車内側壁32の先端32aが突出するような大きさで、仕切り材41の厚みは、薄板パネル30の車内側壁32側の段差の距離よりも大きい。
これによって、厚板パネル20の厚肉側壁部21aと、薄板パネル30の車内側壁32の先端32aとの間には、仕切り材41の厚み分の隙間Sが形成される。
二股状リップ部62,63は、断面略舌形状の第一リップ62と第二リップ63からなり、第一リップ62は、厚板パネル20の厚肉側壁部21aと車内側壁32の先端32aとの隙間S側に延びて隙間S内に入り込み、車内側壁32の先端32aの車内側面に当接し、第二リップ63は、厚板パネル20の先端突出部23の車外側面に当接している。第一リップ62は第二リップ63に比較して長さは短く先端にかけて車内側から車外側に向けて湾曲して、薄板パネル30の車内側壁32の先端32aの車内側面に押し付けられている。
また、第二リップ63は、第一リップ62とは逆に車外側から車内側に向けて反るようにされ、その先端の車外側面が厚板パネル20の先端突出部23の車外側面に弾接している。
このように、車内側壁32の先端32aは車内側面からの第一リップ62と車外側面からの接触部61によって強固に挟み込まれ、第一リップ62と接触部61は挟持部として機能する。
また、グラスラン50の車外側側壁部51と底壁部53の接続部からは係止突起部65が突設され、薄板パネル30の車外側コーナー部に形成された車外係止段部35に係止するようになっている。
また、グラスラン50の車内側側壁部52の車内側で係止リップ部64側に寄った部分には、断面略山型で台座部60よりは低い突条部67が設けられている。
グラスラン50の組付け時にこの突条部67は、薄板パネル30の車内側壁32において、厚肉側壁部21aと略平行に延びる部位の連結壁33側に当接して支持する。
まず、厚板パネル20にビス40で固定された薄板パネル30に対して、グラスラン50を車内側に向けて傾けた状態で、矢印Xのように、ドアガラス100に略平行に車の前側から後側に向けて押し込む。このとき、グラスラン50の係止リップ部64がビス40の頭40aの曲面部に当接し、かつグラスラン50の車外側側壁部51の車外側面を薄板パネル30の車外側壁31の端部に当てた状態で薄板パネル30内に押し込む(図3(a))。
そして、グラスラン50を矢印Xのようにさらに押し込むと、係止リップ部64がビス40の頭40aの曲面部に沿って移動し、薄板パネル30の車外側端31の端部は、車外側シールリップ部55の付け根部に形成された係止部55aに当接する(図3(b))。
さらにグラスラン50を矢印Xのように押し込むと、グラスラン50は係止部55aを中心にして車外側に向けて回転し、係止リップ部64はビス40の頭40aから離れ、グラスラン50の係止突起部65が、薄板パネル30の車外側コーナー部に形成された車外係止段部35に係止される(図3(c))。
そして、グラスラン50の車内側側壁部52を矢印Yのようにさらに押し込むと、グラスラン50の二股リップ62,63の第二リップ63が厚板パネル20の先端突出部23の車外側面に強く当接し、二股リップの付け根部66を回転中心としてドアガラス100の車内側面に近づく方向である、Z1方向に回転する。
このZ1方向の回転運動に伴い、第一リップ62が薄板パネル30の先端突出部32aから車両前方方向に遠ざかるZ2方向に、シーソーの如く回転する事により、第一リップ62の先端部が薄板パネル30の先端突出部32aより前側かつ車内側に、配置することができる(図3(e))。台座部60に形成された平担状の接触部61が車内側壁32の先端32aの車外側面に当接すると、その位置よりは押し込みできなくなる。ここで、グラスラン50に対して矢印Y方向の力を加えることをやめると、第二リップ63の反発力により、第一リップ62がZ2方向とは逆方向であるZ3方向、である、ガラス100内側方向に回転する事になり、グラスラン50の二股状リップ部62,63の第一リップ62が、薄板パネル30の車内側壁32の先端32aと先端突出部23の間で車内側壁32の先端32aに接近し、グラスラン50の第一リップ62が、薄板パネル30の車内側壁32の先端32aと厚板パネル20の先端突出部23との隙間S内に入り込み、車内側壁32の先端32aの車内側面に当接する(図3(f))。
従来は、例えばアルミ製などのように板厚が厚いパネルの場合は、微少な凹凸,段差部などの複雑な曲げ加工をすることができずグラスランを安定した状態で組付けることが困難であったが、本実施形態によれば改善することができた。
さらに、仕切り材41を介在させることにより、アルミ製の厚板パネルが20に対して、SUS製の薄板パネル30を、直接接触させることなく、固定することができるので、電位差によるパネル腐食が発生する可能性が低いという、別の効果もある。
また、グラスラン50の車内側側壁部52と底壁部53の接続部から車内係止段部34係止する係止リップ部64を突設するとともに、薄板パネル30の車外側壁31と連結壁33の接続部に車外係止段部35を形成し、グラスラン50の車外側側壁部51と底壁部53の接続部から車外係止段部35に係止する係止突起部65を突設したので、薄板パネル30に対するグラスラン50の組付けを一層安定したものにすることができる。
このとき、第一リップ62の車内側面は、図2の場合、厚板パネル20の厚肉側壁部21aに当接しないようにしたが、図4に示すように当接するようにしてもよい。
樹脂素材等の軽量樹脂を使用しても良い。また、薄板パネル30が樹脂製であってもよい。
10 グラスラン
11 ウインドウフレーム
12 インナーパネル
13 インナーリーンホース
14 モール
15 フレームガーニッシュ
20 厚板パネル
21 ドアアウタパネル
21a 厚肉側壁部
22 ドアインナパネル
23 先端突出部
30 薄板パネル
31 車外側壁
32 車内側壁
32a 車内側壁の先端
33 連結壁
34 車内係止段部
35 車外係止段部
36 凹部
37 最外側壁
40 ビス
40a 頭
41 仕切材
50 グラスラン
51 車外側側壁部
52 車内側側壁部
53 底壁部
54 本体部
55 車外側シールリップ部
55a 係止部
56 車内側シールリップ部
58 意匠リップ部
60 台座部
61 接触部(挟持部を構成)
62 二股状リップ部の第一リップ(挟持部を構成)
63 二股状リップ部の第二リップ
64 係止リップ部
65 係止突起部
66 二股状リップ部の付け根部
67 突条部
68 リップ部
100 ドアガラス
M 溝部
S 隙間
L 線
X・Y 押込み方向
Z1・Z2・Z3 リップ回転方向
Claims (6)
- ドアアウタパネルとドアインナパネルからなり両パネルの先端部が合わせられ車外側に向かって突出した先端突出部を有する厚板パネルの車外側に、
車外側壁,車内側壁と両側壁を接続する連結壁を有する断面略コ字状の薄板パネルが固定され、その薄板パネルに、
車外側側壁部と、車内側側壁部と、前記車外側側壁部と前記車内側側壁部を連結する底壁部からなり昇降するドアガラスを溝部に案内する断面略コ字状の本体部と、前記車外側側壁部から突出してドアガラスの車外側面に摺接する車外側シールリップ部と、前記車内側側壁部から突出してドアガラスの車内側面に摺接する車内側シールリップ部を有するグラスランが組付けられるグラスランの組付構造であって、
前記厚板パネルのドアアウタパネルは、前記薄板パネルの車内側壁と略平行な厚肉側壁部を有し、前記厚板パネルと前記薄板パネルの固定は、前記厚板パネルの厚肉側壁部に対して前記薄板パネルの車内側壁が車外側に離間するように、前記厚肉側壁部と前記車内側壁との間に前記車内側壁の先端が突出するように仕切り材を介して行い、
前記グラスランの車内側側壁部の車内側に、前記厚板パネルの厚肉側壁部と前記車内側壁の先端との隙間に入り込み前記車内側壁の先端の車外側面及び車内側面に当接して前記車内側壁の先端を挟み込む挟持部を設けたことを特徴とするグラスランの組付構造。 - 前記グラスランの車内側側壁部の車内側面略中央には、前記薄板パネルの車内側壁の先端に向けて突出する台座部が設けられ、その台座部の頂部に前記挟持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のグラスランの組付構造。
- 前記厚板パネルのドアアウタパネルは、前記厚肉側壁部が前記薄板パネルの車内側壁の先端よりもさらに先側に延びた後、車外側に略直角に屈曲して前記厚板パネルの先端突出部の一部を構成するとともに、前記厚板パネルの先端突出部は、前記薄板パネルの車内側壁の先端よりも車外側に突出し、
前記挟持部は、前記台座部の頂部付近から突設した二股状リップ部のうち前記隙間側に延びて前記車内側壁の先端の車内側面に当接する第一リップと、前記車内側壁の先端の車外側面に当接する前記台座部の接触部からなり、
前記二股状リップ部の第二リップは、前記厚板パネルの先端突出部の車外側面に当接することを特徴とする請求項2に記載のグラスランの組付構造。 - 前記グラスランの車内側側壁部の端部には、車内側に向けて屈曲して前記厚板パネルの先端突出部の車内側面に弾接する意匠リップ部が形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のグラスランの組付構造。
- 前記薄板パネルの車内側壁は、前記連結壁との接続部から延び、車外側に略直角に折曲して車内係止段部を形成し、さらに略直角に折曲して前記厚板パネルの厚肉側壁部と略平行に延び、この段差によって形成された凹部で、前記仕切り材を受け入れるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のグラスランの組付構造。
- 前記グラスランの車内側側壁部と底壁部の接続部から前記車内係止段部に係止する係止リップ部を突設するとともに、
前記薄板パネルの車外側壁と連結壁の接続部に車外係止段部を形成し、前記グラスランの車外側側壁部と底壁部の接続部から前記車外係止段部に係止する係止突起部を突設したことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載のグラスランの組付構造。
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