JP2019166762A - 印刷装置及びその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッドを支持するホルダに昇方向への力が加わることによって生じたガタを印刷開始前に解消することにより、印刷開始時の印刷品質の悪化を防ぐ。【解決手段】所定の方向に延在するガイド62に沿って昇降可能なホルダ61c・61dと、ホルダ61c・61dによって支持され記録媒体Sへの印刷を行うヘッド36c・36dと、カム65を介してヘッド36c・36dを昇降させる昇降部68と、昇降部68を制御する制御部69と、を備える印刷装置1である。制御部69は、ホルダ61c・61dにガイド62に沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であってヘッド36c・36dによる印刷が開始される前までに、ヘッド36c・36dの昇方向への移動とヘッド36c・36dの降方向への移動とからなる往復移動を昇降部68に複数回実施させる。【選択図】図3
Description
本発明は、印刷装置及びその駆動方法に関する。
従来より、複数の印刷ヘッドから、色の異なるインクを各々記録媒体に吐出して画像を記録するドラム式の印刷装置が提案されている。かかるドラム式の印刷装置において、記録媒体は、張力が印加された状態で円柱状のプラテンドラムに巻き掛けられ、プラテンドラムの表面によって支持されている。また、各印刷ヘッドは、プラテンドラムの表面に対して垂直な方向に移動するように構成されている。近年においては、ドラム式の印刷装置において、カムを用いて印刷ヘッドを昇降させる昇降機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたようなカムを用いた昇降機構において、ヘッドクリーニングやヘッド交換などによりヘッドを支持するホルダに昇方向の力が加わった直後に印刷を行うと、印刷再開時から所定の期間だけ印刷品質が悪化することを本発明の発明者は見出した。
印刷品質が悪化する原因は定かではないが、ホルダに昇方向の力が加わることで、ホルダとヘッドの間や、ホルダと昇降機構(カム、カム軸、ガイド等)の間に組み付け上の位置ずれ(ガタ)が生じ、昇方向への力が解除されて元の位置関係に戻った後もそのガタが解消されないことでヘッドの位置がずれてしまい、印刷品質の悪化につながっているものと推察される。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ヘッドを支持するホルダに昇方向への力が加わることによって生じたガタを印刷開始前に解消することにより、印刷開始時の印刷品質の悪化を防ぐことを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置は、所定の方向に延在するガイドに沿って昇降可能なホルダと、ホルダによって支持され記録媒体への印刷を行うヘッドと、カムを介してヘッドを昇降させる昇降部と、昇降部を制御する制御部と、を備えるものであって、制御部は、ホルダにガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であってヘッドによる印刷が開始される前までに、ヘッドの昇方向への移動とヘッドの降方向への移動とからなる往復移動を昇降部に複数回(例えば20回以上)実施させるものである。
また、本発明に係る駆動方法は、所定の方向に延在するガイドに沿って昇降可能なホルダと、ホルダによって支持され記録媒体への印刷を行うヘッドと、カムを介してヘッドを昇降させる昇降部と、昇降部を制御する制御部と、を備える印刷装置の駆動方法であって、ホルダにガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であってヘッドによる印刷が開始される前までに、制御部が、ヘッドの昇方向への移動とヘッドの降方向への移動とからなる往復移動を昇降部に複数回(例えば20回以上)実施させるものである。ここでいう「作業」としては、ヘッドをホルダから取外す作業、ヘッドをワイパーでクリーニングする作業、ヘッドをキャップ部材でキャップする作業、等を挙げることができる。
かかる構成及び方法を採用すると、ホルダにガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であってヘッドによる印刷が開始される前までに、ヘッドの昇方向への移動とヘッドの降方向への移動とからなる往復移動を昇降部に複数回実施させることができる。従って、ホルダに昇方向への力が加わることによって生じたガタを印刷開始前に解消することができる。この結果、印刷開始時の印刷品質の悪化を防ぐことが可能となる。
本発明に係る印刷装置において、ホルダにガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施されること又は実施されたことを示す作業情報を制御部に通知する通知部を備えることができる。かかる場合において、制御部は、通知部から作業情報が通知された場合に、ホルダにガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であってヘッドによる印刷が開始される前までに、往復移動を複数回実施させることができる。
かかる構成を採用すると、ホルダにガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施されること(又は実施されたこと)を示す作業情報が通知された場合に、ヘッドの往復移動を昇降部に複数回実施させることができる。
本発明に係る印刷装置において、通知部は、ユーザーが所定の操作を行った場合に作業情報を制御部に通知することができる。
かかる構成を採用すると、ユーザーが所定の操作を行った場合に、ホルダにガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施されること(又は実施されたこと)を示す作業情報を制御部に通知することができる。
以下、本発明の実施形態に係る印刷装置1について、図を参照して説明する。なお、本発明は、かかる実施形態によって制約されるものではない。
図1は、本実施形態に係る印刷装置1のレイアウトを示す平面図である。また、図2は、図1に示す印刷装置1の全体構成を説明するための正面図である。印刷装置1では、装置の前側に繰出部2、プロセス部3及び巻取部4が左右方向に配列されるとともに、プロセス部3の後側にメンテナンス部5が配置され、プロセス部3のプロセスユニット3Uが一体的にメンテナンス部5に対して移動自在となっている。なお、これらの図面及び後に説明する図面では、印刷装置1の左右方向X、前後方向Y及び鉛直方向Zに対応した三次元の座標系を採用している。
図2に示すように、印刷装置1では、繰出部2及び巻取部4は各々繰出軸20及び巻取軸40を有している。そして、繰出部2及び巻取部4にシートSの両端がロール状に巻き付けられ、それらの間に張架されている。こうして張架された経路Pcに沿ってシートSが繰出部2からプロセス部3に搬送されてプロセスユニット3Uによる印刷処理を受けた後、巻取部4へと搬送される。記録媒体に相当するシートSの種類は、紙系とフィルム系に大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)等がある。なお、以下の説明では、シートSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その逆側の面を裏面と称する。
繰出部2は、シートSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたシートSを巻き掛ける従動ローラー21と、を有する。繰出軸20は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き付けて支持する。そして、繰出軸20が図2の紙面において時計回りに回転することで、繰出軸20に巻き付けられたシートSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。ちなみに、シートSは、繰出軸20に着脱自在な図示していない芯管を介して繰出軸20に巻き付けられている。従って、繰出軸20のシートSが使い切られた際には、ロール状のシートSが巻き付けられた新たな芯管を繰出軸20に装着して、繰出軸20のシートSを取り換えることができるようになっている。なお、図2中の符号Seは、従動ローラー21と前駆動ローラー31の間でシートSの幅方向への端を検出するエッジセンサーである。
プロセス部3は、繰出部2から繰り出されたシートSをプラテンドラム30の表面30aで支持しつつ、プラテンドラム30の表面30aに沿って配置されたプロセスユニット3Uにより処理を適宜行って、シートSに画像を印刷するものである。プロセス部3では、プラテンドラム30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSがプラテンドラム30に支持されて、画像の印刷を受ける。
前駆動ローラー31は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部2から繰り出されたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、前駆動ローラー31は図2の紙面において時計回りに回転することで、繰出部2から繰り出されたシートSを搬送経路の下流側へと搬送する。なお、前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。ニップローラー31nは、前駆動ローラー31側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、前駆動ローラー31との間でシートSを挟み込む。これによって、前駆動ローラー31とシートSの間の摩擦力が確保され、前駆動ローラー31によるシートSの搬送を確実に行うことができる。
プラテンドラム30は、図示していない支持機構によりY方向に延びる回動軸301周りに回動自在に支持された円筒形状のドラムであり、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSを裏面側から巻き掛ける。プラテンドラム30は、シートSとの間の摩擦力を受けてシートSの搬送方向Dsに従動回転しつつ、その表面30aでシートSを裏面側から支持するものである。ちなみに、プロセス部3では、プラテンドラム30への巻き掛け部の両側でシートSを折り返す従動ローラー33、34が設けられている。これらのうち従動ローラー33は、前駆動ローラー31とプラテンドラム30の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。一方、従動ローラー34は、プラテンドラム30と後駆動ローラー32の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。このように、プラテンドラム30に対して搬送方向Dsの上・下流側各々でシートSを折り返すことで、プラテンドラム30へのシートSの巻き掛け部を長く確保することができる。
後駆動ローラー32は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、プラテンドラム30から従動ローラー34を経由して搬送されてきたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、後駆動ローラー32は図2の紙面において時計回りに回転することで、シートSを巻取部4へと搬送する。なお、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。このニップローラー32nは、後駆動ローラー32側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、後駆動ローラー32との間にシートSを挟み込む。これによって、後駆動ローラー32とシートSの間の摩擦力が確保され、後駆動ローラー32によるシートSの搬送を確実に行うことができる。
このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSは、プラテンドラム30の表面30aによって支持される。そして、プロセス部3では、プラテンドラム30に支持されるシートSの表面に対してカラー画像を印刷するために、プロセスユニット3Uが設けられている。プロセスユニット3Uは、前後一対に設けられた前面プレート35a及び背面プレート35b(図3参照)を有している。各プレート35a、35bは、プラテンドラム30の表面30aに沿った円弧形状を有しており、図示していない連結部材により相互に連結されてユニットフレームを構成している。そして、このユニットフレームに対し、以下に説明するようにプロセスユニット3Uの構成要素(印刷ヘッド36a〜36e、UVランプ37a、37b、ヘッド移動機構)が装着されている。
イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックに対応する4個の印刷ヘッド36a〜36dが、この色順で搬送方向Dsに並ぶ。より詳しくは、これら4個の印刷ヘッド36a〜36dは、プラテンドラム30の回動軸301から放射状に配置されている。また、印刷ヘッド36a〜36dのうち搬送方向Dsの上流側に配置される2個の印刷ヘッド36a、36bは1つのヘッド移動機構により移動されてプラテンドラム30に巻き掛けられるシートSに対して位置決めされる。また、下流側に配置される2つの印刷ヘッド36c、36dも別のヘッド移動機構により移動されてプラテンドラム30に巻き掛けられるシートSに対して位置決めされる。そして、これらの2つのヘッド移動機構で4個の印刷ヘッド36a〜36dを移動して位置決めすることで印刷ヘッド36a〜36dのノズル面のノズル先端(インクの吐出口)とシートSとの距離、いわゆるペーパーギャップを適正な値に設定することが可能となっている。このように、ペーパーギャップが調整された状態でプラテンドラム30の外周部に巻き掛けられるシートSに対して各印刷ヘッド36a〜36dがインクを吐出することで、シートSの表面にカラー画像を形成される。ヘッド移動機構の構成及び動作については、後に詳述する。
印刷ヘッド36a〜36dで使用するインクや記録液等の液体としては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、プロセスユニット3Uでは、インクを硬化させてシートSに定着させるために、UVランプ37a、37bが設けられている。なお、このインク硬化は、仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行される。複数の印刷ヘッド36a〜36dの各間には、仮硬化用のUVランプ37aが配置されている。つまり、UVランプ37aは比較的弱い紫外線を照射することで、インクの形状が崩れない程度にインクを硬化(仮硬化)させるものであり、インクを完全に硬化させるものではない。一方、複数の印刷ヘッド36a〜36dに対して搬送方向Dsの下流側には、本硬化用のUVランプ37bが設けられている。つまり、UVランプ37bは、UVランプ37aより強い紫外線を照射することで、インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。こうして仮硬化・本硬化を実行することで、複数の印刷ヘッド36a〜36dが形成したカラー画像をシートS表面に定着させることができる。
さらに、UVランプ37bに対して搬送方向Dsの下流側には、印刷ヘッド36eが設けられている。印刷ヘッド36eは、プラテンドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、透明のUVインクをインクジェット方式でシートSの表面に吐出する。つまり、4色分の印刷ヘッド36a〜36dによって形成されたカラー画像に対して、透明インクがさらに吐出される。なお、印刷ヘッド36eについては、既に述べたヘッド移動機構とは別のヘッド移動機構により単独で移動され位置決めされてペーパーギャップが適正な値に設定される。
このように印刷ヘッド36a〜36e、UVランプ37a、37b及びヘッド移動機構がユニットフレームに装着されてプロセスユニット3Uが構成されている。そして、通常動作、つまり印刷処理を行う際には、図1に実線で示すように繰出部2及び巻取部4の間に位置決めされる。一方、プロセスユニット3Uのメンテナンス動作、例えば印刷ヘッド36a〜36eに対するワイピング処理、キャッピング処理等を行う際には、図1に一点鎖線で示すように、プロセスユニット3Uは図示していないスライド駆動機構によりメンテナンス部5に移動される。
図2に戻ってプロセス部3及び巻取部4の構成説明を続ける。プロセス部3では、印刷ヘッド36eに対して搬送方向Dsの下流側には、UVランプ38が設けられている。UVランプ38は強い紫外線を照射することで、印刷ヘッド36eが吐出した透明インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。これによって、透明インクをシートSの表面に定着させることができる。UVランプ38の構成は、UVランプ37aの構成と実質的に同様であるので、詳細な説明を省略することとする。
プロセス部3によりカラー画像の形成されたシートSは、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。巻取部4は、シートSの端を巻き付けた巻取軸40の他に、巻取軸40と後駆動ローラー32の間でシートSを裏面側から巻き掛ける従動ローラー41を有する。巻取軸40は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き取って支持する。つまり、巻取軸40が図2の紙面において時計回りに回転すると、後駆動ローラー32から搬送されてきたシートSが従動ローラー41を経由して巻取軸40に巻き取られる。ちなみに、シートSは、巻取軸40に着脱自在な図示していない芯管を介して巻取軸40に巻き取られる。従って、巻取軸40に巻き取られたシートSが満杯になった際には、芯管ごとシートSを取り外すことが可能となっている。
次に、プロセスユニット3Uに装備されるヘッド移動機構の構成について、図3〜図5等を参照しつつ詳述する。
図3は、2個の印刷ヘッド及びこれら印刷ヘッドを移動して位置決めするヘッド移動機構の構成を前側から見た場合の斜視図である。また、図4は、図3に示すヘッド移動機構の一部を後側から見た場合の拡大斜視図であり、図5は、図3に示すヘッド移動機構を後側から見た図である。なお、これらの図面では、印刷ヘッド36c、36dを駆動するヘッド移動機構6のみを示しており、その他の構成の図示を省略している。そして、以下においては、これらの図を参照しつつヘッド移動機構6の構成及び動作について説明するが、印刷ヘッド36a、36bを移動させるヘッド移動機構も同様であるため、その構成及び動作の説明は省略する。
ヘッド移動機構6は、印刷ヘッド36cにより印刷を行う位置(マゼンタインクの着弾位置)でのプラテンドラム30の接線に対して垂直な方向(つまりプラテンドラム30の回動軸301から上記着弾位置を通過する放射方向)を第1方向D1とし、印刷ヘッド36cを第1方向D1に移動させて位置決めする。また、これと同時に、印刷ヘッド36dにより印刷を行う位置(ブラックインクの着弾位置)でのプラテンドラム30の接線に対して垂直な方向(つまりプラテンドラム30の回動軸301から上記着弾位置を通過する放射方向)を第2方向D2とし、印刷ヘッド36dを第2方向D2に移動させて位置決めする。このように、本実施形態では、両印刷ヘッド36c、36dの移動方向D1、D2は互いに角度θ(図5参照)だけ傾斜しており、ヘッド移動機構6は当該角度関係を維持しながら両印刷ヘッド36c、36dを移動させて位置決めする機能を有している。
ヘッド移動機構6は、印刷ヘッド36cを保持するためのホルダ61cを有している。ホルダ61cは、前ホルダ部材611、後ホルダ部材612及び両ホルダ部材611、612を連結する連結プレート613を有しており、後ホルダ部材612に設けられる開口部614を介して印刷ヘッド36cを(−Y)方向からホルダ61cに対して挿脱自在となっている。
前ホルダ部材611の前面及び後ホルダ部材612の後面にはリニアガイド62が第1方向D1に延設されており、これら2つのリニアガイド62により前面プレート35a及び背面プレート35bに対してホルダ61cが第1方向D1に移動自在に構成されている。より詳しくは、図3に示すように、前ホルダ部材611の前面に対し、第1方向D1に延びる直線状のレール621が固定されるとともにレール621に沿って2つのスライダー622、622が第1方向D1にスライド自在に取り付けられている。そして、これら2つのスライダー622、622が前面プレート35aの後面に固定されている。また、後ホルダ部材612の後面に対しても、前ホルダ部材611と同様に構成されたリニアガイド62が取り付けられ、リニアガイド62のスライダー622、622が背面プレート35bの前面に固定されている。こうして、ホルダ61cに前後2個のリニアガイド62、62を設けたことで、印刷ヘッド36cを保持したままホルダ61cが第1方向D1に移動自在となっている。
また、ヘッド移動機構6においては、印刷ヘッド36dを保持するためのホルダ61dが、ホルダ61cから搬送方向Dsの下流側に所定距離だけ離間して設けられている。ホルダ61dは、ホルダ61cと同様に、前ホルダ部材611、後ホルダ部材612及び連結プレート613を有しており、後ホルダ部材612に設けられる開口部614を介して印刷ヘッド36dをホルダ61dに対して挿脱自在となっている。また、前ホルダ部材611の前面及び後ホルダ部材612の後面には、リニアガイド62が第2方向D2に延設されており、これら2つのリニアガイド62により前面プレート35a及び背面プレート35bに対してホルダ61dが第2方向D2に移動自在に構成されている。なお、ホルダ61dに設けられるリニアガイド62の構成は、レール621の延設方向が異なる点を除き、ホルダ61cに設けられるリニアガイド62と同一である。そのため、ここでは同一符号を付して詳しい説明を省略する。
ホルダ61cを構成する前ホルダ部材611には、左側カムフォロア63cの一方端部(左側端部)が固定され、他方端部(右側端部)がホルダ61dに向けて右側、つまり(−X)方向側に延設され、両前ホルダ部材611の略中間位置まで延設されている。左側カムフォロア63cの他方端部では、図4に示すように、後側部分が若干切り欠かれて薄肉部に仕上げられるとともに、その薄肉部の後側方向、つまり(−Y)方向には、第1軸受64cが左側カムフォロア63cに回動自在に取り付けられている。第1軸受64cは、後述するカム65に接触するものであり、その回動軸は、カム65の回動軸であるカム軸66と平行とされている。また、左側カムフォロア63cの第1軸受64cのさらに他方端部寄りには、第2軸受64dが回動自在に取り付けられている。第2軸受64dは、後述する右側カムフォロア63dの平面部63eが接触するものであり、その回動軸は、カム65の回動軸であるカム軸66(図5参照)と平行とされている。
ホルダ61dを構成する前ホルダ部材611には、右側カムフォロア63dの一方端部(右側端部)が固定され、他方端部(左側端部)がホルダ61cに向けて左側、つまり(+X)方向側に延設され、両前ホルダ部材611の略中間位置まで延設されている。右側カムフォロア63dは、左側カムフォロア63cに取り付けられた第2軸受64dを介して左側カムフォロア63cに連動するように構成されるとともに、左側カムフォロア63cに対して左右方向に変位可能に構成されている。右側カムフォロア63dの他方端部には、第2軸受64dに接触する平面部63eが設けられている。平面部63eは、右側カムフォロア63dの左側カムフォロア63cへの連動と、右側カムフォロア63dの左側カムフォロア63cに対する変位と、を実現させるものである。
ホルダ61c、61dの間には、カム65が回動自在に配置されている。カム65は、左側カムフォロア63cに取り付けられた第1軸受64cに接触する一方、第2軸受64dには接触しないように配置されている。カム65の外周面が第1軸受64cの外周面に当接することにより、左側カムフォロア63cの他方端部が支持される。また、左側カムフォロア63cに取り付けられた第2軸受64dの外周面が右側カムフォロア63dの平面部63eに当接することにより、右側カムフォロア63dの他方端部が支持される。すなわち、カム65によって、間接的に両カムフォロア63c、63dの他方端部が支持されることとなる。
カム65は、カムフォロア63c、63dの厚みよりも若干厚く仕上げられており、前後方向Yに延設されたカム軸66(図5参照)に取り付けられている。カム軸66は動力伝達部67を介してモーター等のアクチュエータ68と連結されており、アクチュエータ68で発生した駆動力が動力伝達部67によりカム軸66に伝達される。これによって、カム軸66が軸心周りに回動してカム65も回動する。カム65の回動により、カム65に接触する第1軸受64cが回動するとともに左側カムフォロア63cがカム軸66に対して変位し、これにより印刷ヘッド36cが第1方向D1に移動する一方、第2軸受64dを介して左側カムフォロア63cに連動する右側カムフォロア63dがカム軸66及び左側カムフォロア63cに対して変位し、これにより印刷ヘッド36dが第2方向D2に移動する。
カム65の外周面は、次の動作説明で詳述するように、カム軸66から外周面までの距離が連続的に変化して印刷ノズルを印字位置に位置決めする印字調整領域651(図6参照)と、印字調整領域651に続いてカム軸66から外周面までの距離が連続的に変化して印刷ノズルをキャッピング位置に位置決めするキャッピング調整領域652(図6参照)と、を有している。本実施形態では、カム軸66から外周面までの距離は、後述するように印字調整領域651では印刷処理に対応した態様で変化する一方、キャッピング調整領域652ではキャッピング処理に対応した態様で変化しており、それらの態様は相互に相違している。なお、キャッピング調整領域652には、印刷ノズルをワイピング位置に位置決めするワイピング調整領域や、フラッシング処理を行うフラッシング調整領域が含まれる。
動力伝達部67は、図7及び図8に示すように、アクチュエータ68に接続されたウォームギア67aと、ウォームギア67aに設けられた溝に噛み合う歯を有するホイールギア67bと、を有している。ホイールギア67bの回動軸はカム軸66であり、ホイールギア67bとカム65はカム軸66を中心に一体的に回動するようになっている。アクチュエータ68の回動力がウォームギア67a及びホイールギア67bを介してカム軸66に伝達され、これによりカム軸66が軸心周りに回動してカム65が回動するようになっている。
アクチュエータ68は、制御部69(図3参照)から送られる動作指令により作動するものであり、本発明における昇降部として機能する。制御部69がアクチュエータ68を制御することにより、印刷ヘッド36c、36dの昇降量を調整することができるようになっている。制御部69は、CPUや、各種制御プログラムや各種データを格納するメモリを有しており、CPUが各種制御プログラムや各種データをメモリから読み込んで実行することにより、印刷装置1の各構成部を駆動制御するものである。
次に、上記のように構成されたヘッド移動機構6の動作について、図6を参照しつつ詳述する。
本実施形態では、印刷動作及びメンテナンス動作を行わない間、図6(a)に示すように、カム65の印字調整領域651の一方端(キャッピング調整領域652から最も離れた位置)が、鉛直方向の最上位置に位置して、左側カムフォロア63cに取り付けられた第1軸受64cと当接する。また、この状態において、左側カムフォロア63cに取り付けられた第2軸受64dに、右側カムフォロア63dの平面部63eが当接する。これによって、印刷ヘッド36c、36dは、印刷ヘッド36c、36dのノズル先端がプラテンドラム30からペーパーギャップよりも長い所定距離だけ離間した位置(ホームポジション)に位置決めされる。
そして、繰出部2及び巻取部4にシートSの両端がロール状に巻き付けられ、それらの間に張架された状態で印刷処理を実行する際には、装置全体を制御部69からの動作指令に応じてアクチュエータ68がシートSの厚みに対応した量だけ作動し、図6(b)に示すように、カム65を紙面において反時計回りに回動させ、カム65の印字調整領域651の中間位置ないし他方端を鉛直方向の最上位置に位置させる。
本実施形態では、カム65の鉛直方向の上方に第1軸受64cが位置しており、左側カムフォロア63cの重量によってカム65に押し付けられている。このため、カム65の外周面上に第1軸受64cが当接し、カム65の回動に伴って第1軸受64cが回動するとともに左側カムフォロア63cがカム軸66に対して変位する一方、第2軸受64dを介して左側カムフォロア63cに連動する右側カムフォロア63dがカム軸66及び左側カムフォロア63cに対して変位する。この結果、左側カムフォロア63cに連結されたホルダ61cが第1方向D1に下降してホルダ61cに保持される印刷ヘッド36cをシートSの厚みに応じた印字位置に位置決めする。これによって、印刷ヘッド36cのノズル先端とシートSとの間隔が所望のペーパーギャップに調整される。また、印刷ヘッド36cの位置決めと並行して、印刷ヘッド36dの位置決めが実行される。つまり、カムフォロア63dに連結されたホルダ61dが第2方向D2に下降してホルダ61dに保持される印刷ヘッド36dを印字位置に位置決めし、印刷ヘッド36dのノズル先端とシートSとの間隔を所望のペーパーギャップに調整する。本実施形態では、印字調整領域651においては、カム軸66から外周面までの距離が連続的に変化するため、カム65の回動角を制御することで各印刷ヘッド36c、36dを高精度に位置決めすることができ、所望のペーパーギャップを確実に得ることができる。
なお、印刷ヘッド36a、36bについても、印刷ヘッド36c、36dと同様にしてヘッド移動機構6と同一構成のヘッド移動機構により位置決めされる。また、残りの印刷ヘッド36eについては、別のヘッド移動機構により位置決めされる。
こうして、印刷動作の準備が完了すると、印刷動作が実行されるが、装置の稼働状況に応じてプロセスユニット3Uのメンテナンス動作を行う必要がある。このメンテナンス動作では、プロセスユニット3Uが全体的に後側、つまり(−Y)方向に移動させられ、メンテナンス部5で種々のメンテナンス処理が実行される。これらのメンテナンス処理のうち、特に印刷ヘッド36a〜36eに関連するものとして、例えばキャッピング処理がある。このキャッピング処理は、各印刷ヘッド36a〜36eのノズルの目詰まりを防止するために行うものであり、メンテナンス部5には、図6(c)、(d)に示すように、キャッピング処理を実行するキャッピング機構51が設けられている。そして、メンテナンス部5に移動されたプロセスユニット3Uに対し、次のようにしてキャッピング処理が実行される。
キャッピング機構51は、各印刷ヘッド36a〜36eに対応して固定配置されたキャップ部材52を有している。そして、プロセスユニット3Uがキャッピング機構51に移動させられると、印刷ヘッド36a〜36eがそれぞれに対応して設けられたキャップ部材52の鉛直方向の上方に位置決めされる。なお、図6では、印刷動作と同様に、印刷ヘッド36c、36dのみを図示しているが、他の印刷ヘッドも基本的に同様である。
キャップ部材52、52に対する印刷ヘッド36c、36dの位置決めが完了すると、図6(c)に示すように、制御部69からの動作指令に応じてアクチュエータ68が作動し、カム65を同図紙面において反時計回りに回動させてカム65のキャッピング調整領域652の中間領域(ワイピング調整領域)を鉛直方向の最上位置に位置させる。このカム65の回動動作に伴って第1軸受64cが回動するとともに左側カムフォロア63cがカム軸66に対して変位する一方、左側カムフォロア63cに連動する右側カムフォロア63dがカム軸66及び左側カムフォロア63cに対して変位し、この結果、カムフォロア63c、63dにより連結されたホルダ61c、61dが各々第1方向D1及び第2方向D2に移動する。この結果、印刷ヘッド36c、36dは、ノズル先端がキャップ部材52に近接するように位置決めされる。この状態で、ワイパー70(図7参照)を用いて、印刷ヘッド36c、36dのワイピング処理を行うことができる。
これに続いて、制御部69からの動作指令に応じてアクチュエータ68がさらに作動し、図6(d)に示すように、カム65を同図紙面において反時計回りに回動させてカム65のキャッピング調整領域652の最終端を鉛直方向の最上位置に位置させる。このカム65の回動動作に伴って第1軸受64cが回動するとともに左側カムフォロア63cがカム軸66に対して変位する一方、左側カムフォロア63cに連動する右側カムフォロア63dがカム軸66及び左側カムフォロア63cに対して変位し、この結果、カムフォロア63c、63dに連結されたホルダ61c、61dが各々第1方向D1及び第2方向D2に移動する。この結果、印刷ヘッド36c、36dがそれぞれキャップ部材52、52に押し付けられてキャッピング処理が実行される。
なお、キャッピング処理が完了すると、制御部69からの動作指令に応じてアクチュエータ68が逆方向に作動して印刷ヘッド36c、36dを上昇させる。そして、メンテナンス部5での種々のメンテナンス処理が完了すると、プロセスユニット3Uは元のプロセス部3に戻される。
続いて、本実施形態に係る印刷装置1の制御部69による位置ずれ解消制御について説明する。
図3に示すように、ホルダ61cは印刷ヘッド36cを保持し、ホルダ61dは印刷ヘッド36dを保持するが、ユーザーがホルダ61c、61dから印刷ヘッド36c、36dを取り外す作業を行うと、ホルダ61c、61dには、リニアガイド62に沿った昇方向への力が加えられる。また、図7に示すように、印刷ヘッド36c、36dのノズル面をワイパー70でクリーニングする作業を行ったり、図8に示すように、印刷ヘッド36c、36dのノズル面をキャップ部材52でキャップする作業を行ったりした場合も同様に、ホルダ61c、61dには、リニアガイド62に沿った昇方向への力が加えられる。
このようにホルダ61c、61dに昇方向への力が加えられた直後に印刷を行うと、印刷再開時から所定の期間だけ印刷品質が悪化することが明らかとなっている。印刷品質が悪化する原因は定かではないが、ホルダ61c、61dに昇方向の力が加わることで、ホルダ61c、61dと印刷ヘッド36c、36dの間や、ホルダ61c、61dとヘッド移動機構6(カム65、カム軸66、リニアガイド62等)の間に組み付け上の位置ずれ(ガタ)が生じたり、カム軸66の撓みが一時的に減少したりすることにより、昇方向への力が解除されて元の位置関係に戻った後もそのガタ等が解消されないことで印刷ヘッド36c、36dの位置がずれてしまい、印刷品質の悪化につながっているものと推察される。
本実施形態における制御部69は、このような位置ずれを解消するための制御を行う。具体的には、制御部69は、ホルダ61c、61dにリニアガイド62に沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であって印刷ヘッド36c、36dによる印刷が開始される前までに、印刷ヘッド36c、36dの昇方向への移動と印刷ヘッド36c、36dの降方向への移動とからなる往復移動を、アクチュエータ68に複数回実施させる。
本実施形態に係る印刷装置1には、ホルダ61c、61dにリニアガイド62に沿った昇方向への力が加わる作業が実施されること(又は実施されたこと)を示す作業情報を制御部69に通知する通知部69a(図3参照)が設けられている。通知部69aは、図示していない操作部でユーザーが所定の操作を行った場合に、既に述べた作業情報を制御部69に通知するように構成されている。制御部69は、通知部69aから作業情報が通知された場合に、ホルダ61c、61dにリニアガイド62に沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であって印刷ヘッド36c、36dによる印刷が開始される前までに、アクチュエータ68に印刷ヘッド36c、36dの往復移動を複数回(例えば20回以上)実施させる。
なお、本実施形態においては、操作部でユーザーが所定の操作を行った場合に、通知部69aが作業情報を制御部69に通知するような構成を採用したが、操作部を設ける代わりに、ホルダ61c、61dに昇方向への力が加わる作業が実施されたことを検知するセンサを設けておき、センサが当該作業の実施を検知した場合に通知部69aが作業情報を制御部69に通知するような構成を採用してもよい。
図9は、印刷ヘッドの往復移動の回数と、印刷ヘッド等の位置ずれ量と、の相関関係を示すグラフである。位置ずれ量の「0(μm)」とは、ホルダから印刷ヘッドを取り外し、その後印刷ヘッドをホルダに戻した直後の状態を想定した場合の印刷ヘッド等の位置を表すものであり、位置ずれ量の「マイナス」の値は、印刷ヘッド等の位置が降方向に変化したことを意味する。ここでは、印刷ヘッド等の位置ずれ量を3種類の測定方法A、B、Cで測定した。測定方法Aは、原点(印刷ヘッドをリニアガイドに沿って最も昇方向側に移動させたときのカム面の位置)における位置ずれ量をデジマチックで測定する方法であり、測定方法Bは、カム軸における位置ずれ量を梃子式ダイヤルゲージで測定する方法であり、測定方法Cは、印刷ヘッドの印字位置における位置ずれ量をデジマチックで測定する方法である。
図9から明らかなように、ホルダに昇方向への力が加えられた直後(すなわち印刷ヘッドの往復移動が「0」回の時点)においては、ホルダに印刷ヘッドが取り付けられていても、位置ずれ量はほぼ「0」μm(すなわち、ホルダから印刷ヘッドを取り外した状態と同様の状態)となる。この状態から印刷ヘッドの往復移動を繰り返すと、印刷ヘッド等の位置は急激に降方向(位置ずれ量マイナス方向)に変化するものの、位置の降方向への変化は往復移動が20回程度になると緩やかになり、それ以降、特に100回以上は位置ずれ量はそれほど変化しないことが明らかとなっている。このため、ホルダに昇方向への力が加わる作業が実施された後であって印刷ヘッドによる印刷が開始される前までに、印刷ヘッドの往復移動を「20回以上」実施させることが好ましい。なお、往復移動の回数の上限は特に限定されるものではないが、効率等を鑑みると100回未満とすることが望ましい。
以上説明した実施形態に係る印刷装置1においては、ホルダ61c、61dにリニアガイド62に沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であって印刷ヘッド36c、36dによる印刷が開始される前までに、制御部69が、印刷ヘッド36c、36dの往復移動をアクチュエータ68に複数回実施させることができる。従って、ホルダ61c、61dに昇方向への力が加わることによって生じたガタを印刷開始前に解消することができる。この結果、印刷開始時の印刷品質の悪化を防ぐことが可能となる。
また、以上説明した実施形態に係る印刷装置1においては、ユーザーが所定の操作を行った場合に、ホルダ61c、61dにリニアガイド62に沿った昇方向への力が加わる作業が実施されること(又は実施されたこと)を示す作業情報を通知部69aから制御部69に通知することができる。そして、当該作業情報の通知を受けた制御部69は、印刷ヘッド36c、36dの往復移動をアクチュエータ68に複数回実施させることができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、かかる実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、かかる実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、かかる実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1…印刷装置、36c・36d…印刷ヘッド、52…キャップ部材、61c・61d…ホルダ、62…リニアガイド、65…カム、68…アクチュエータ(昇降部)、69…制御部、69a…通知部、70…ワイパー、S…シート(記録媒体)
Claims (8)
- 所定の方向に延在するガイドに沿って昇降可能なホルダと、前記ホルダによって支持され記録媒体への印刷を行うヘッドと、カムを介して前記ヘッドを昇降させる昇降部と、前記昇降部を制御する制御部と、を備える印刷装置であって、
前記制御部は、前記ホルダに前記ガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であって前記ヘッドによる印刷が開始される前までに、前記ヘッドの昇方向への移動と前記ヘッドの降方向への移動とからなる往復移動を前記昇降部に複数回実施させる、印刷装置。 - 前記ホルダに前記ガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施されること又は実施されたことを示す作業情報を前記制御部に通知する通知部を備え、
前記制御部は、前記通知部から前記作業情報が通知された場合に、前記ホルダに前記ガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であって前記ヘッドによる印刷が開始される前までに、前記往復移動を複数回実施させる、請求項1に記載の印刷装置。 - 前記通知部は、ユーザーが所定の操作を行った場合に前記作業情報を前記制御部に通知する、請求項2に記載の印刷装置。
- 前記作業は、前記ヘッドを前記ホルダから取外す作業である、請求項1から3の何れか一項に記載の印刷装置。
- 前記作業は、前記ヘッドをワイパーでクリーニングする作業である、請求項1から3の何れか一項に記載の印刷装置。
- 前記作業は、前記ヘッドをキャップ部材でキャップする作業である、請求項1から3の何れか一項に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記往復移動を前記昇降部に20回以上実施させる、請求項1から6の何れか一項に記載の印刷装置。
- 所定の方向に延在するガイドに沿って昇降可能なホルダと、前記ホルダによって支持され記録媒体への印刷を行うヘッドと、カムを介して前記ヘッドを昇降させる昇降部と、前記昇降部を制御する制御部と、を備える印刷装置の駆動方法であって、
前記ホルダに前記ガイドに沿った昇方向への力が加わる作業が実施された後であって前記ヘッドによる印刷が開始される前までに、前記制御部が、前記ヘッドの昇方向への移動と前記ヘッドの降方向への移動とからなる往復移動を前記昇降部に複数回実施させる、印刷装置の駆動方法。
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JP7482368B2 (ja) | 2020-01-31 | 2024-05-14 | セイコーエプソン株式会社 | 記録装置 |
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