JP5820791B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、用紙等の記録媒体にインクを吐出することによって記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンター等の記録装置は、紙、OHP用シート等の記録媒体に画像を記録するように構成されているが、記録を行う方式により、インクジェット式、ワイヤードット式、サーマル式等に分類することができる。また、インクジェット記録方式は、記録ヘッドが記録媒体上を走査しながら記録を行うシリアル型と、例えば記録装置本体に固定された記録ヘッドにより記録を行うラインヘッド型に分類することができる。
例えばラインヘッド型のインクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向に対し直交する印字領域幅全域に亘って吐出ノズルが所定の間隔で並んでいるラインヘッド型のインクジェットヘッド(記録ヘッド)を色毎に備えている。そして、記録媒体の搬送に合わせて印字位置に対応した吐出ノズルからインクを吐出することにより、記録媒体全体の印字を可能としたものである。
このようなインクジェット記録装置では、通常、記録ヘッドのインク吐出ノズルの乾燥や目詰まりを防止するために、長期間印字を行わない場合に記録ヘッドにキャップをしておく。また、インク吐出ノズル内で増粘したインクを記録ヘッドの吐出口から定期的に強制吐出させる回復処理を行うことも一般的である。
例えば、特許文献1には、記録ヘッドをキャッピングするとともに、インクの不吐出や吐出不良を防止するために記録ヘッドの吐出口から強制吐出させたインクを受ける回復キャップユニットを、待避位置と回復位置とに移動可能に設けたインクジェット記録装置が開示されている。
ここで、記録ヘッドの回復処理を行うタイミングと、記録ヘッドにキャップをするタイミングとは異なる。そのため、記録ヘッドにキャップをするキャップユニットと、ノズルからインクを強制吐出した後、ワイパーによりインク吐出面に付着したインクの拭き取りを行って記録ヘッドの回復処理を行うワイプユニットとを個別に備え、各ユニットが待避位置と記録ヘッドに対向する位置とを独立して移動可能であることが好ましい。
そこで、特許文献2には、記録ヘッドのノズル面を払拭するワイプブレードを有するブレードユニット(ワイプユニット)と、記録ヘッドのノズル面をキャッピングするヘッドキャップを有するキャップユニットとを個別に備え、ノズル面を払拭する際、キャップユニットをヘッド保持部と対向して配置し、ブレードユニットが記録ヘッドとキャップユニットの間を走査するようにしたインクジェット記録装置が開示されている。
特開平4−284257号公報 特開2008−284719号公報
上述したようなワイプユニットとキャップユニットの駆動機構としては、各ユニットにラック歯を設けるとともに、このラック歯に噛み合うピニオンギアを設け、ピニオンギアを正回転または逆回転させることによりガイドレール上を往復移動させる構成が一般的である。
ここで、ワイプユニットとキャップユニットとを上下に配置した構成では、各ユニットを駆動するためのラック歯とピニオンギア、及びガイドレールを夫々のユニットに対して別個に設ける必要があり、インクジェット記録装置の小型化、省スペース化の妨げになるという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、記録ヘッドの回復動作を行うワイプユニットと、記録ヘッドをキャッピングするキャップユニットとを備え、簡易且つコンパクトな構成で各ユニットを別個に移動可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、記録媒体を吸着保持して搬送する搬送部と、該搬送部に対向して配置され、記録媒体へインクを吐出する記録ヘッドを有する記録部と、該記録部に対向する第1の位置と、該第1の位置から水平方向に退避した第2の位置との間を往復移動可能であり、前記第1の位置において前記記録ヘッドにキャップをするキャップユニットと、該キャップユニットの上方且つ前記記録部の下方に配置され、前記第1の位置と前記第2の位置との間を往復移動可能であり、前記第1の位置において前記記録ヘッドの回復処理を行うワイプユニットと、を備えたインクジェット記録装置において、前記キャップユニットを支持する第1キャリッジと、該第1キャリッジの上方に配置され前記ワイプユニットを支持する第2キャリッジと、前記第1キャリッジ及び第2キャリッジの両端部を摺動可能に支持する一対のガイドレールと、前記第1キャリッジに設けられ、前記ガイドレールに支持される一対の第1フランジ部に形成される第1ラック歯と、該第1ラック歯に噛み合う第1ピニオンギアと、該第1ピニオンギアを正逆方向に回転させるキャップユニット移動モーターと、を有し、前記キャップユニットを前記第1の位置と第2の位置とに移動させるキャップユニット駆動機構と、前記第2キャリッジに設けられ、前記第1フランジ部に重なるように前記ガイドレールに支持される一対の第2フランジ部の少なくとも一方に形成される第2ラック歯と、該第2ラック歯に噛み合う第2ピニオンギアと、該第2ピニオンギアを正逆方向に回転させるワイプユニット移動モーターと、を有し、前記ワイプユニットを前記第1の位置と第2の位置とに移動させるワイプユニット駆動機構と、を備え、前記第1フランジ部は、前記ガイドレールの延在方向に沿う端縁が前記第2フランジ部よりも前記延在方向と直交する方向に突出しており、前記第1ラック歯は前記第1フランジ部の上面の前記第2フランジ部と重ならない位置に設けられることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、キャップユニットを支持する第1キャリッジは、第1フランジ部のガイドレールの延在方向に沿う端縁がワイプユニットを支持する第2キャリッジの第2フランジ部よりも突出しており、第1ラック歯が第2フランジ部と重ならない位置に形成される。従って、キャップユニットとワイプユニットとを共通する一対のガイドレールに沿って別個に往復移動させることができ、キャップユニット駆動機構及びワイプユニット駆動機構がコンパクトな構成となる。
本発明のインクジェット記録装置の一例である、プリンター100の内部構成を示す側面断面図 図1に示すプリンター100の第1ベルト搬送部5及び記録部9を上方からみた平面図 プリンター100の記録部9を斜め上方から見た斜視図 記録部9のラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17a〜17cの側面図 記録ヘッド17a〜17cをインク吐出面F側から見た平面図 プリンター100のインクタンク20から記録ヘッド17a〜17cまでのインク流路を模式的に示す図 キャップユニット30の移動機構を用紙搬送方向下流側から見た斜視図 ワイプユニット19の移動機構を用紙搬送方向下流側から見た斜視図 キャップユニット30及びワイプユニット19の移動機構を用紙搬送方向上流側から見た斜視図 キャップユニット30を支持する第1キャリッジ61aを往復移動させるための移動機構をガイドレール60aの内側から見た斜視図 図10における第1ピニオンギア75a付近の部分断面図 ワイプユニット19を支持する第2キャリッジ71を往復移動させるための移動機構をガイドレール60aの内側から見た斜視図 図12における第2ピニオンギア81付近の部分断面図 ガイドレール60aに対する第1キャリッジ61a、第2キャリッジ71の支持構造を示す断面図 ガイドレール60a、60bに支持されたワイプユニット19及び第2キャリッジ71を上方から見た平面図 ワイプユニット19及び第2キャリッジ71を摺動コロ90aの位置で切断した部分断面図 図16における摺動コロ90a付近の断面拡大図 ワイプユニット19及び第2キャリッジ71を摺動コロ90cの位置で切断した部分断面図 図18における摺動コロ90c付近の断面拡大図 キャップユニット30及びワイプユニット19が記録部9に対向する位置(第1の位置)から退避した位置(第2の位置)に配置された状態を示す側面断面図 ワイプユニット19に搭載されるワイピング機構の外観斜視図 ワイピング機構を構成するワイパーキャリッジ31の外観斜視図 ワイピング機構30を構成する支持フレーム40の外観斜視図 記録部9の下面に対向配置されている第1ベルト搬送部5を下降させた状態を示す斜視図 図24の状態からキャップユニット30を記録部9に対向する位置(第1の位置)に配置した状態を示す斜視図 図25の状態からワイプユニット19を記録部9に対向する位置(第1の位置)に配置した状態を示す斜視図 昇降機構50により支持フレーム40及びキャリッジ31が上昇し、ワイパー35a〜35cがインク吐出面Fに圧接された状態を示す側面図 図27の状態からキャリッジ31が拭き取り方向(矢印C方向)に移動した状態を示す側面図 図28の状態から昇降機構50により支持フレーム40及びキャリッジ31が下降し、ワイパー35a〜35cがインク吐出面Fから離間した状態を示す側面図 図29の状態からキャリッジ31が拭き取り方向と反対方向(矢印C′方向)に移動した状態を示す側面図 図25の状態からキャップユニット30が第1ベルト搬送部5によって押し上げられた状態を示す斜視図
以下、図面を参照しながら本発明に係るインクジェット記録装置について説明する。図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例であるインクジェット式プリンター100の内部構成を示す側面断面図である。
図1に示すように、プリンター100は、プリンター本体1の内部下方に用紙収容部である給紙カセット2aが配置されている。給紙カセット2aの内部には、記録媒体の一例である印刷前のカットペーパーなどの用紙Pが所定枚数(例えば500枚程度)積載して収容されている。給紙カセット2aの用紙搬送方向下流側、すなわち図1における給紙カセット2aの右側の上方には給紙装置3aが配置されている。この給紙装置3aにより、用紙Pは図1において給紙カセット2aの右上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット2aはプリンター本体1の正面側から水平に引き出して用紙Pを補充することが可能である。
プリンター本体1の右側面外部には手差し給紙トレイ2bが備えられている。手差し給紙トレイ2bには給紙カセット2a内の用紙Pとは異なるサイズの用紙や、厚紙、OHPシート、封筒、ハガキ、送り状のように屈曲した搬送経路を通過するのが困難な記録媒体、1枚ずつ手で送り込みたい記録媒体などが載置される。手差し給紙トレイ2bの用紙搬送方向下流側、すなわち図1における手差し給紙トレイ2bの左側には給紙装置3bが配置されている。この給紙装置3bにより、手差し給紙トレイ2b上の用紙は図1において左方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。
また、プリンター100はその内部に第1用紙搬送路4aを備えている。第1用紙搬送路4aは、給紙カセット2aに関して言えばその給紙方向である右上方に位置し、手差し給紙トレイ2bに関して言えばその左方に位置する。給紙カセット2aから送り出された用紙Pは第1用紙搬送路4aによりプリンター本体1の側面に沿って垂直上方に搬送され、手差し給紙トレイ2bから送り出された用紙は略水平左方に向けて搬送される。
用紙搬送方向に対し第1用紙搬送路4aの下流端にはレジストローラー対13が備えられている。さらにレジストローラー対13の下流側直近には第1ベルト搬送部5及び記録部9が配置されている。給紙カセット2a(または手差し給紙トレイ2b)から送り出された用紙Pは第1用紙搬送路4aを通ってレジストローラー対13に到達する。レジストローラー対13は用紙Pの斜め送りを矯正しつつ記録部9が実行するインク吐出動作とのタイミングを計り、第1ベルト搬送部5に向かって用紙Pを送り出す。なお、第1用紙搬送路4aには用紙Pを搬送するための搬送ローラー対が適所に設けられている。
また、記録部9は、記録ヘッドの乾燥や目詰まりによるインクの吐出不良を防止するために、長期間停止後の印字開始時は全ての記録ヘッドのインク吐出ノズル(図示せず)から、また印字動作の合間にはインク吐出量が規定値以下のインク吐出ノズルから、ノズル内の粘度が高くなったインクを吐出するパージを実行して、次の印字動作に備える。
用紙搬送方向に対し第1ベルト搬送部5の下流側(図1の左側)には第2ベルト搬送部12が配置されている。記録部9にてインク画像が記録された用紙Pは第2ベルト搬送部12へと送られ、第2ベルト搬送部12を通過する間に用紙P表面に吐出されたインクが乾燥される。
用紙搬送方向に対し第2ベルト搬送部12の下流側であってプリンター本体1の左側面近傍にはデカーラー部14が備えられている。第2ベルト搬送部12にてインクが乾燥された用紙Pはデカーラー部14へと送られ、用紙幅方向に並んだ複数のローラーを用いてカールが矯正される。
用紙搬送方向に対しデカーラー部14の下流側(図1の上方)には第2用紙搬送路4bが備えられている。デカーラー部14を通過した用紙Pは両面記録を行わない場合、第2用紙搬送路4bから排出ローラー対を介してプリンター100の左側面外部に設けられた用紙排出トレイ15に排出される。なお、第2用紙搬送路4bには、第1用紙搬送路4aと同様に、用紙Pを搬送するための搬送ローラー対が適所に設けられている。
プリンター本体1の上部であって記録部9及び第2ベルト搬送部12の上方には両面記録を行うための反転搬送路16が備えられている。両面記録を行う場合には第一面への記録が終了して第2ベルト搬送部12及びデカーラー部14を通過した用紙Pが第2用紙搬送路4bを通って反転搬送路16へと送られる。反転搬送路16へ送られた用紙Pは、続いて第二面の記録のために搬送方向が切り替えられ、プリンター本体1の上部を通過して右側に向かって送られ、第1用紙搬送路4a、及びレジストローラー対13を経て第二面を上向きにした状態で再度第1ベルト搬送部5へと送られる。なお、反転搬送路16には、第1用紙搬送路4a及び第2用紙搬送路4bと同様に、用紙Pを搬送するための搬送ローラー対が適所に設けられている。
また、第2ベルト搬送部12の下方にはワイプユニット19及びキャップユニット30が配置されている。ワイプユニット19は、上述したパージを実行する際に記録部9の下方に水平移動し、記録ヘッドのインク吐出ノズルから吐出されたインクを拭き取り、拭き取られたインクを回収する。キャップユニット30は、記録ヘッドのインク吐出面をキャッピングする際に記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録ヘッドの下面に装着される。
図2は、図1に示すプリンター100の第1ベルト搬送部5及び記録部9を上方から見た平面図、図3は、記録部9を斜め上方から見た斜視図、図4は、記録部9のラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17a〜17cの側面図、図5は、記録ヘッド17a〜17cをインク吐出面F側から見た平面図である。なお、図2は記録部9を図1の奥側から見た状態を示しており、ラインヘッド11C〜11Kの並びは図1とは逆になっている。また、記録ヘッド17a〜17cは同一の形状及び構成であるため、図4及び図5では記録ヘッド17a〜17cを一つの図で示している。
記録部9は、ヘッドハウジング10と、ヘッドハウジング10に保持されたラインヘッド11C、11M、11Y、及び11Kを備えている。これらのラインヘッド11C〜11Kは、駆動ローラー6及び従動ローラー7を含む複数のローラーに張架された第1搬送ベルト8の搬送面に対して所定の間隔(例えば1mm)が形成されるような高さに支持され、図2に示すように、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向(図2の上下方向)に沿って複数(ここでは3個)の記録ヘッド17a〜17cが千鳥状に配列されている。ラインヘッド11C〜11Kは、搬送される用紙Pの幅以上の記録領域を有しており、第1搬送ベルト8上を搬送される用紙Pに対して、印字位置に対応したインク吐出ノズル18からインクを吐出できるようになっている。
図5に示すように、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fにはインク吐出ノズル18が多数配列されたノズル領域Rが設けられている。また、図2及び図3に示すように、同一のラインヘッド11C〜11Kを構成する3個の記録ヘッド17a〜17cは、各記録ヘッド17a〜17cに設けられたインク吐出ノズル18の一部が用紙搬送方向に重複するように端部をオーバーラップさせて配置されている。
各ラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17a〜17cには、それぞれインクタンク20(図6参照)に貯留されている4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のインクがラインヘッド11C〜11Kの色毎に供給される。
各記録ヘッド17a〜17cは、外部コンピューター等から受信した画像データに応じて、第1搬送ベルト8の搬送面に吸着保持されて搬送される用紙Pに向かってインク吐出ノズル18からインクを吐出する。これにより、第1搬送ベルト8上の用紙Pにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクが重ね合わされたカラー画像が形成される。
また、記録ヘッド17a〜17cの乾燥や目詰まりによるインクの吐出不良を防止するために、長期間停止後の印字開始時は全ての記録ヘッド17a〜17cのインク吐出ノズル18から、また印字動作の合間にはインク吐出量が規定値以下の記録ヘッド17a〜17cのインク吐出ノズル18から、ノズル内の粘度が高くなったインクを吐出するパージを実行して、次の印字動作に備える。
なお、記録ヘッド17a〜17cからのインクの吐出方式としては、例えば、図示しないピエゾ素子を用いてインクを押し出すピエゾ方式や、発熱体によって気泡を発生させ、圧力をかけてインクを吐出するサーマルインクジェット方式など、各種方式を適用することができる。
続いて、印字時におけるインクタンク20から記録ヘッド17a〜17cへのインクの供給、及びパージ時における記録ヘッド17a〜17cからのインクの吐出について説明する。図6は、プリンター100のインクタンク20から記録ヘッド17a〜17cまでのインク流路を模式的に示す図である。なお、各色のインクタンク20と記録ヘッド17a〜17cとの間に、それぞれ図6に示すインク流路が設けられているが、ここでは任意の1色におけるインク流路について説明する。
図6に示すように、インクタンク20と記録ヘッド17a〜17cとの間には、シリンジポンプ21が配置されている。インクタンク20とシリンジポンプ21とはチューブ部材から成る第1供給路23によって連結され、シリンジポンプ21と記録ヘッド17a〜17c内のインク吐出ノズル18とはチューブ部材から成る第2供給路25によって連結されている。
第1供給路23には流入側弁27が設けられており、第2供給路25には流出側弁29が設けられている。流入側弁27を開閉することにより第1供給路23内のインクの移動が許容または規制され、流出側弁29を開閉することにより第2供給路25内のインクの移動が許容または規制される。
シリンジポンプ21は、シリンダー21aとピストン21bとを備えている。シリンダー21aは、第1供給路23及び第2供給路25と接続されており、第1供給路23を通じてインクタンク20内のインク22がシリンダー21aに流入するようになっている。また、シリンダー21aから第2供給路25を通じてインクが排出され、排出されたインクは記録ヘッド17a〜17cに供給され、インク吐出ノズル18からインク吐出面Fのノズル領域Rに吐出されるようになっている。
ピストン21bは、駆動装置(図示せず)によって上下に移動可能となっている。ピストン21bの外周には、Oリング等のパッキン(不図示)が装着されており、シリンダー21aからのインクの漏れを防ぐと共に、ピストン21bがシリンダー21aの内周面に沿って滑らかに摺動できるようになっている。
通常時(印字時)は、図6に示すように、流入側弁27及び流出側弁29は共に開放状態であり、ピストン21bを予め設定された位置で停止させておくことにより、シリンダー21a内には略一定量のインクが充填されている。そして、シリンダー21aと記録ヘッド17a〜17cとの間の表面張力(メニスカス)によって、インク22がシリンダー21aから記録ヘッド17a〜17cへと供給される。
図7及び図8は、それぞれキャップユニット30及びワイプユニット19の移動機構を示す斜視図、図9は、キャップユニット30及びワイプユニット19の移動機構を用紙搬送方向上流側(図7及び図8の背面側)から見た斜視図である。なお、説明の便宜のため、図7及び図8ではキャップユニット30及びワイプユニット19を別個に図示している。また、記録部9は記録ヘッド17a〜17bを取り外した状態のヘッドハウジング10を図示している。
図7に示すように、記録部9の下方には、用紙搬送方向(矢印A方向)と平行な両端部に沿って2本のガイドレール60a、60bが固定されている。ガイドレール60a、60bには一対の第1キャリッジ61a、61bが摺動可能に支持されており、第1キャリッジ61a、61bの下端部にはキャップユニット30の側端縁が支持されている。第1キャリッジ61a、61bの内面にはガイド溝62が形成されており、キャップユニット30はガイド溝62に沿って上下方向(矢印BB′方向)に移動可能となっている。
ガイドレール60aの外側にはモーターハウジング63とギアボックス65とが設けられており、モーターハウジング63内にはワイプユニット19及びキャップユニット30を往復移動させるキャップユニット駆動モーター67及びワイプユニット駆動モーター68(図9参照)が配置されている。
図8に示すように、ガイドレール60a、60bには第1キャリッジ61a、61b(図7参照)の上部に、断面コ字状の第2キャリッジ71が摺動可能に支持されており、ワイプユニット19は第2キャリッジ71に固定されている。ワイプユニット19には複数のワイパー35a〜35c(図21参照)が固定された略矩形状のワイパーキャリッジ31が搭載されており、ワイパーキャリッジ31はワイパー移動モーター47に沿って水平方向(矢印CC′方向)に移動可能となっている。
図10は、キャップユニット30を支持する第1キャリッジ61aを往復移動させるための移動機構をガイドレール60aの内側から見た斜視図であり、図11は、図10における第1ピニオンギア75a付近の部分断面図(図10のDD′矢視断面図)である。
図10に示すように、モーターハウジング63内のキャップユニット駆動モーター67の駆動力は、ギアボックス65内の第1ギア列73を介して第1ピニオンギア75aに伝達される。第1キャリッジ61aは、第1フランジ部69によってガイドレール60aの第1レール部72aに摺動可能に支持されている。第1ピニオンギア75aは、第1フランジ部69の上面に形成された第1ラック歯70に噛み合っている。
なお、ガイドレール60b側には第1キャリッジ61b(図8参照)の第1フランジ部69の上面に形成された第1ラック歯70に噛み合う第1ピニオンギア75b(図示せず)が配置されている。
駆動力伝達方向に対し第1ギア列73の下流端には、第1ピニオンギア75aに駆動力を入力する駆動入力ギア73aが配置されている。駆動入力ギア73aの回転軸はシャフト66としてガイドレール60bまで延在しており、シャフト66のガイドレール60b側の端部にも駆動入力ギア73a(図示せず)が固定されている。ガイドレール60b側の第1ピニオンギア75bがシャフト66に固定された駆動入力ギア73a(図示せず)に噛み合うことで、第1ピニオンギア75a、75bは同時に同方向へ回転する。
キャップユニット駆動モーター67を正逆回転させることで、第1ピニオンギア75a、75bも正逆回転し、キャップユニット30(図7参照)は第1キャリッジ61a、61bと共にガイドレール60a、60bの第1レール部72aに沿って矢印AA′方向に往復移動する。
図12は、ワイプユニット19を支持する第2キャリッジ71を往復移動させるための移動機構をガイドレール60aの内側から見た斜視図であり、図13は、図12における第2ピニオンギア81付近の部分断面図(図12のEE′矢視断面図)である。
図12に示すように、モーターハウジング63内のワイプユニット駆動モーター68の駆動力は、ギアボックス65内の第2ギア列80を介して第2ピニオンギア81に伝達される。第2キャリッジ71は、第2フランジ部82によってガイドレール60aの第2レール部72bに摺動可能に支持されている。
駆動力伝達方向に対し第2ギア列80の下流端には、第2ピニオンギア81に駆動力を入力する駆動入力ギア80aが配置されている。駆動入力ギア80aは第2ピニオンギア81に噛み合い、第2ピニオンギア81は第2キャリッジ71のガイドレール60a側の第2フランジ部82の上面に形成された第2ラック歯83に噛み合っている。
ワイプユニット駆動モーター68を正逆回転させることで、第2ピニオンギア81も正逆回転し、ワイプユニット30は第2キャリッジ71と共にガイドレール60a、60bに沿って矢印AA′方向に往復移動する。
図14は、ガイドレール60aに対する第1キャリッジ61a、第2キャリッジ71の支持構造を示す断面図である。図14に示すように、第1キャリッジ61aの第1フランジ部69は、ガイドレール60aの延在方向(図14の紙面と垂直な方向)に沿う端縁69aが、第2キャリッジ71の第2フランジ部82よりも外側(ガイドレール60aの延在方向と直交する方向、図14ではガイドレール60a側)に突出しており、第1ラック歯70は第2フランジ部82と重ならない位置(突出部分)に形成されている。第1ピニオンギア75aは、第2レール部72bに形成された開口72baを通過して第1ラック歯70と噛み合っている。
なお、ここでは図示しないが、ガイドレール60b側の第1キャリッジ61b(図7参照)においても図14と同様の支持構造である。即ち、第1キャリッジ61bの第1フランジ部69は、ガイドレール60bの延在方向に沿う端縁69aが第2フランジ部82よりも外側(ガイドレール60bの延在方向と直交する方向)に突出しており、第1ラック歯70は第2フランジ部82と重ならない位置に形成されている。
この構成によれば、第1ピニオンギア75a、75b、及び第2ピニオンギア81により、第1キャリッジ61a、61b及び第2キャリッジ71を共通する一対のガイドレール60a、60bに沿って別個に往復移動させることができる。従って、キャップユニット30及びワイプユニット19の駆動機構がコンパクトな構成となる。
ここで、第2キャリッジ71のガイドレール60b側の第2フランジ部82には第2ラック歯83が形成されておらず、第2キャリッジ71はガイドレール60a側の第2ピニオンギア81と第2ラック歯83の噛み合いのみによって矢印AA′方向に往復移動される。これにより、ガイドレール60b側へ駆動力を伝達するためのシャフト等を配置する必要がなくなる。
なお、キャップユニット30を支持する第1キャリッジ61a、61bは、キャップユニット30を上下に移動可能に支持するために別部材とする必要がある。そのため、各第1キャリッジ61a、61bに形成した第1ラック歯70に噛み合う2つの第1ピニオンギア75a、75b、及び第1ピニオンギア75bに駆動力を伝達するシャフト66が必要となる。
ところで、上述したように第2キャリッジ71をガイドレール60a側の第2ピニオンギア81と第2ラック歯83の噛み合いのみによって往復移動させる場合、第2キャリッジ71のガイドレール60b側において、第2フランジ部82と第2レール部72b(図14参照)とが円滑に摺動せず、第2キャリッジ71が変形したり、第2キャリッジ71に支持されたワイプユニット19が傾いたりするおそれがある。
そこで、本実施形態では、図15に示すように、ガイドレール60a、60bに沿う第2キャリッジ71の側面に摺動コロ90a〜90dを設けることにより、ガイドレール60a、60bと第2キャリッジ71との摺動負荷を低減している。
図16は、ワイプユニット19及び第2キャリッジ71を摺動コロ90aの位置で切断した部分断面図(図15のFF′矢視断面図)であり、図17は、図16における摺動コロ90a付近の断面拡大図である。以下、図16及び図17を用いて摺動コロ90aの構成について説明するが、摺動コロ90bについても全く同様の構成である。
摺動コロ90aは、第2キャリッジ71の側面に付設された中心軸91に回転可能に外挿されている。中心軸91は第2キャリッジ71の移動方向(矢印AA′方向)と直交する方向(矢印CC′方向)に移動可能に支持されており、2本のバネ93によって矢印C′方向に付勢されている。これにより、摺動コロ90aはガイドレール60bの第2レール部72bの先端を折り曲げて形成された当接部95に押圧されている。
図18は、ワイプユニット19及び第2キャリッジ71を摺動コロ90cの位置で切断した部分断面図(図15のGG′矢視断面図)であり、図19は、図18における摺動コロ90c付近の断面拡大図である。以下、図18及び図19を用いて摺動コロ90cの構成について説明するが、摺動コロ90dについても全く同様の構成である。
摺動コロ90cは、第2キャリッジ71の側面に付設された中心軸91に回転可能に外挿されている。摺動コロ90cは、摺動コロ90a(図17参照)を矢印C′方向に付勢する2本のバネ93(図17参照)の反作用によって矢印C方向に付勢され、ガイドレール60aの第2レール部72bの先端を折り曲げて形成された当接部95に押圧されている。
上記の構成によれば、第2キャリッジ71は摺動コロ90a〜90dを介してガイドレール60a、60bに所定の押圧力で圧接されている。従って、第2キャリッジ71をガイドレール60a、60bに沿って往復移動させたとき、摺動コロ90a〜90dの回転によって第2キャリッジ71が円滑に摺動するため、ガイドレール60a側の第2ピニオンギア81と第2ラック歯83の噛み合いのみによって往復移動させたときの第2キャリッジ71の変形や、第2キャリッジ71に支持されたワイプユニット19の傾きを抑制することができる。
図20は、キャップユニット30及びワイプユニット19が記録部9に対向する位置から退避した状態を示す側面断面図である。図20に示すように、ワイプユニット19は、ワイパー35a〜35d(図22参照)が固定されたワイパーキャリッジ31を昇降させるワイパー昇降モーター45と、ワイパーキャリッジ31を水平方向(図8のCC′方向)に移動させるワイパー移動モーター47とを備えている。ワイパー昇降モーター45及びワイパー移動モーター47は、ワイプユニット19の記録部9から遠い側の端部(図20の左端)から下方に突出して配置されている。
そして、図20のように、キャップユニット30とワイプユニット19が上下に重なった位置にあるとき、キャップユニット30はワイパー昇降モーター45及びワイパー移動モーター47の側方、且つワイプユニット19の下方に形成された空間に配置される。
上記の構成によれば、ワイパー昇降モーター45及びワイパー移動モーター47をワイプユニット19の下方に突出して配置することで、ワイプユニット19の他の部分の厚みをワイパーキャリッジ31の昇降に必要な最小限の厚みとすることができる。そして、キャップユニット30を、ワイパー昇降モーター45及びワイパー移動モーター47の側方のスペースに配置することで、キャップユニット30とワイプユニット19が重なったときのトータルの厚みを極力小さくすることができる。
なお、ワイプユニット19の記録部9から遠い側の端部が下方に突出するため、図20の状態から、ワイプユニット19のみを記録部9に対向する位置に移動させることはできない。しかし、後述するように、ワイプユニット19を記録部9に対向する位置に移動させるときは、キャップユニット30を先に移動させておき、キャップユニット30及びワイプユニット19を記録部9に対向する位置から退避させるときは、ワイプユニット19を先に退避させることで、キャップユニット30とワイプユニット19の干渉を回避することができる。
図21は、ワイプユニット19に搭載されるワイピング機構の外観斜視図、図22は、ワイピング機構を構成するワイパーキャリッジ31の外観斜視図、図23は、ワイピング機構30を構成する支持フレーム40の外観斜視図である。ワイピング機構は、複数のワイパー35a〜35cが固定された略矩形状のワイパーキャリッジ31と、ワイパーキャリッジ31を支持する支持フレーム40とで構成されている。支持フレーム40の上面の対向する端縁にはレール部41a、41bが形成されており、ワイパーキャリッジ31の四隅に設けられたコロ36がレール部41a、41bに当接することで、ワイパーキャリッジ31は支持フレーム40に対し矢印CC′方向に摺動可能に支持される。
図22に示すように、ワイパーキャリッジ31は、支持フレーム40のレール部41a、41bに摺動可能に係合する第1ステー32a、32bと、第1ステー32a、32bの間に橋渡し状に固定された第2ステー33a、33b、33cとで枠体状に形成されている。
第1ステー32aには、支持フレーム40に保持された駆動伝達ギア43(図21参照)に噛み合うワイパー移動用ラック歯38が形成されている。ワイパー移動モーター47(図20参照)により駆動伝達ギア43が正逆方向に回転すると、ワイパーキャリッジ31は支持フレーム40に沿って水平方向(図21の矢印CC′方向)に往復移動する。
ワイパー35a〜35cは、各記録ヘッド17a〜17cのインク吐出ノズル18から吐出されたインクを拭き取るための部材である。ワイパー35a〜35cは、インク吐出ノズル18のノズル面が露出するノズル領域R(図5参照)の外側の拭き取り開始位置に略垂直方向から圧接され、ワイパーキャリッジ31の移動によりノズル領域Rを含むインク吐出面Fを所定方向(図21の矢印C方向)に拭き取る。
第2ステー33aには4枚のワイパー35aが略等間隔で固定されており、同様に、第2ステー33bには4枚のワイパー35bが、第2ステー33cには4枚のワイパー35cが略等間隔で固定されている。ワイパー35a、35cは、それぞれ各ラインヘッド11C〜11Kを構成する左右の記録ヘッド17a、17c(図3参照)に対応する位置に配置されている。また、ワイパー35bは、各ラインヘッド11C〜11Kを構成する中央の記録ヘッド17b(図3参照)に対応する位置に配置されており、ワイパー35a、35cに対しワイパーキャリッジ31の移動方向(矢印CC′方向)と直交する方向に所定距離だけずらして固定されている。
第2ステー33a、33cの上面の4箇所にはギャップコロ37が設けられている。ギャップコロ37は、ワイパー35a〜35cによる記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fの拭き取り動作を行うために支持フレーム40を記録部9側に上昇させたとき、記録部9のヘッドハウジング10に当接することでワイパー35a〜35cとインク吐出面Fとの接触状態を一定に保持する。支持フレーム40の下方には、リフト部材50aをシャフト50bの両端に固定した一対の昇降機構50(図27参照)が配置されており、ワイパー昇降モーター45(図20参照)によってシャフト50bを回転させることでリフト部材50aを起立または倒伏させて、支持フレーム40及びワイパーキャリッジ31を昇降させる。
図23に示すように、支持フレーム40の上面には、ワイパー35a〜35cによってインク吐出面Fから拭き取られた廃インクを回収するためのインク回収トレイ44が配置されている。インク回収トレイ44の略中央部には、第1〜第3ステー32a〜32cの延在方向に沿って溝部44aが形成されており、溝部を挟んで両側のトレイ面44b、44cは、溝部44aに向かって下り勾配となっている。溝部内にはインク排出孔44dが設けられており、溝部44aの底面はインク排出孔44dに向かって下り勾配となっている。
ワイパー35a〜35cによってインク吐出面Fから拭き取られ、トレイ面44b、44cに落下した廃インクは溝部44aに集められ、さらに溝部44a内をインク排出孔44dに向かって流れる。その後、インク排出孔44dに連結されたインク回収路(図示せず)を通って廃インク回収タンク(図示せず)に回収される。
次に、本発明のプリンター100における記録ヘッド17a〜17cの回復動作について説明する。記録ヘッド17a〜17cの回復動作を行う場合、先ず、図24に示すように、記録部9の下面に対向配置されている第1ベルト搬送部5を下降させる。そして、キャップユニット駆動モーター67を所定方向に回転駆動することにより、図25に示すように、第2ベルト搬送部12の下方に配置されたキャップユニット30を記録部9と第1ベルト搬送部5との間に水平移動させて記録部9に対向する位置(第1の位置)に配置する。
次いで、ワイプユニット駆動モーター68を所定方向に回転駆動することにより、図26に示すように、ワイプユニット19を記録部9とキャップユニット30との間に水平移動させて記録部9に対向する位置(第1の位置)に配置する。この状態では、ワイプユニット19に搭載されたワイピング機構(支持フレーム40及びワイパーキャリッジ31)は記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fから離間している。
そして、ワイピング動作に先立って、記録ヘッド17a〜17cにより印字が行われていない状態において、流入側弁27(図6参照)を閉じ、シリンジポンプ21(図6参照)を加圧することにより、シリンダー21a内のインク22が第2供給路25を通って記録ヘッド17a〜17cに供給される。供給されたインク22はインク吐出ノズル18から強制的に吐出(パージ)される。このパージ動作により、インク吐出ノズル18内の増粘インク、異物や気泡が排出され、記録ヘッド17a〜17cを回復することができる。
次いで、インク吐出面Fに吐出されたインク22を拭き取るワイピング動作を行う。具体的には、図27に示すように、ワイプユニット19に搭載されたワイパー昇降モーター45(図20参照)によってシャフト50bを所定方向に回転させると、リフト部材50aが起立して支持フレーム40及びワイパーキャリッジ31を持ち上げる。これにより、ワイパーキャリッジ31に固定されたワイパー35a〜35cを、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fの拭き取り開始位置に圧接する。
そして、図28に示すように、ワイパー移動モーター47(図20参照)によってワイパーキャリッジ31を矢印C方向に水平移動させることにより、ワイパー35a〜35cが記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fに吐出されたインクを拭き取っていく。ワイパー35a〜35cにより拭き取られた廃インクはワイプユニット19内に配置されたインク回収トレイ44(図23参照)に回収される。
ワイパー35a〜35cが記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fの下流側端部まで移動した後、ワイパー昇降モーター45によってシャフト50bを逆回転させると、リフト部材50aが倒伏して支持フレーム40及びワイパーキャリッジ31を下降させる。これにより、図29に示すように、ワイパー35a〜35cを記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fから下方に退避させる。その後、図30に示すように、ワイパーキャリッジ31を拭き取り方向と逆方向(矢印C′方向)に移動し、再びワイプユニット19を元の状態に戻す。
そして、第1の位置に配置されたワイプユニット19を水平移動させて第2ベルト搬送部12の下方(第2の位置)に配置し、同様に第1の位置に配置されたキャップユニット30を水平移動させて第2ベルト搬送部12の下方(第2の位置)に配置した後、第1ベルト搬送部5を所定の位置まで上昇させて記録ヘッド17a〜17cの回復動作を終了する。
上記の手順ように、ワイプユニット19を第1の位置に配置する前に、キャップユニット30を予め第1の位置に配置しておくことで、記録ヘッド17a〜17cの回復動作を行う際のキャップユニット30とワイプユニット19の干渉を回避することができる。
また、第1ベルト搬送部5とワイプユニット19の間には必ずキャップユニット30が配置されるため、ワイパー35a〜35cによって拭き取られた廃インクやクリーニング液等がキャップユニット30上に落下する。従って、第1ベルト搬送部5の汚染や、それに伴う用紙の裏汚れ等を防止することができる。このとき、キャップユニット30の大きさをワイプユニット19全体が重なるように設計しておけば、ワイプユニット19から第1ベルト搬送部5への廃インクやクリーニング液の落下を確実に防止することができる。
次に、本発明のプリンター100における記録ヘッド17a〜17cにキャップユニット30を装着する動作について説明する。記録ヘッド17a〜17cにキャップユニット30を装着する場合は、先ず、図24に示すように、記録部9の下面に対向配置されている第1ベルト搬送部5を下降させる。そして、図25に示すように、第2ベルト搬送部12の下方に配置されたキャップユニット30を記録部9と第1ベルト搬送部5との間に水平移動させて記録部9に対向する位置(第1の位置)に配置する。
次いで、第1ベルト搬送部5を上昇させることにより、図31に示すように、キャップユニット30が第1キャリッジ61a、61bの溝部62に沿って押し上げられる。そして、キャップユニット30が記録ヘッド17a〜17cに密着した時点で第1ベルト搬送部5の上昇を停止させることにより、キャップユニット30の装着を完了する。
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、記録部9の記録ヘッドの数も特に限定されるものではなく、例えば各ラインヘッド11C〜11Kにつき記録ヘッド17を2個、或いは4個以上配置することもできる。また、また、上記実施形態では、フルカラー画像を得るためにイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のインクを用いたインクジェット記録装置について説明を行ったが、別の色相の着色インクを備えたインクジェット記録装置や、色数が異なるインクジェット記録装置にも利用することができる。その場合、キャップユニット30及びワイプユニット19の構成も記録部9の構成に合わせて適宜変更すれば良い。
また、上記実施形態では、ワイプユニット19を支持する第2キャリッジ71がガイドレール60a側の第2ピニオンギア81と第2ラック歯83の噛み合いのみによって往復移動する構成としたが、ガイドレール60b側にも第2ピニオンギア81、及び第2ラック歯83を設けても良い。この場合、ガイドレール60b側の第2ピニオンギア81に駆動力を伝達する機構は必要となるが、ガイドレール60a、60bの両方で第2キャリッジ71を駆動させるため、摺動コロ90a〜90dを設けない構成も可能となる。
本発明は、記録ヘッドにキャップをするキャップユニットと、記録ヘッドの回復処理を行うワイプユニットとを備え、記録媒体にインクを吐出することによって記録を行うインクジェット記録装置に利用することができる。本発明の利用により、簡易且つコンパクトな構成でキャップユニットとワイプユニットを別個に移動可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
5 第1ベルト搬送部(搬送部)
9 記録部
11C〜11K ラインヘッド
17a〜17c 記録ヘッド
19 ワイプユニット
30 キャップユニット
31 ワイパーキャリッジ
35a〜35c ワイパー
45 ワイパー昇降モーター(ワイパー駆動機構)
47 ワイパー移動モーター(ワイパー駆動機構)
50 昇降機構
60a、60b ガイドレール
61a、61b 第1キャリッジ
63 モーターハウジング
65 ギアボックス
66 シャフト
67 キャップユニット移動モーター(キャップユニット駆動機構)
68 ワイプユニット移動モーター(ワイプユニット駆動機構)
69 第1フランジ部
70 第1ラック歯(キャップユニット駆動機構)
71 第2キャリッジ
72a 第1レール部
72b 第2レール部
73 第1ギア列(キャップユニット駆動機構)
75a、75b 第1ピニオンギア(キャップユニット駆動機構)
80 第2ギア列(ワイプユニット駆動機構)
81 第2ピニオンギア(ワイプユニット駆動機構)
82 第2フランジ部
83 第2ラック歯(ワイプユニット駆動機構)
90a〜90d 摺動コロ
93 バネ(付勢手段)
100 プリンター(インクジェット記録装置)
P 用紙(記録媒体)

Claims (4)

  1. 記録媒体を吸着保持して搬送する搬送部と、
    該搬送部に対向して配置され、記録媒体へインクを吐出する記録ヘッドを有する記録部と、
    該記録部に対向する第1の位置と、該第1の位置から水平方向に退避した第2の位置との間を往復移動可能であり、前記第1の位置において前記記録ヘッドにキャップをするキャップユニットと、
    該キャップユニットの上方且つ前記記録部の下方に配置され、前記第1の位置と前記第2の位置との間を往復移動可能であり、前記第1の位置において前記記録ヘッドの回復処理を行うワイプユニットと、
    を備えたインクジェット記録装置において、
    前記キャップユニットを支持する第1キャリッジと、
    該第1キャリッジの上方に配置され前記ワイプユニットを支持する第2キャリッジと、
    前記第1キャリッジ及び第2キャリッジの両端部を摺動可能に支持する一対のガイドレールと、
    前記第1キャリッジに設けられ、前記ガイドレールに支持される一対の第1フランジ部に形成される第1ラック歯と、該第1ラック歯に噛み合う第1ピニオンギアと、該第1ピニオンギアを正逆方向に回転させるキャップユニット移動モーターと、を有し、前記キャップユニットを前記第1の位置と第2の位置とに移動させるキャップユニット駆動機構と、
    前記第2キャリッジに設けられ、前記第1フランジ部に重なるように前記ガイドレールに支持される一対の第2フランジ部の少なくとも一方に形成される第2ラック歯と、該第2ラック歯に噛み合う第2ピニオンギアと、該第2ピニオンギアを正逆方向に回転させるワイプユニット移動モーターと、を有し、前記ワイプユニットを前記第1の位置と第2の位置とに移動させるワイプユニット駆動機構と、を備え、
    前記第1フランジ部は、前記ガイドレールの延在方向に沿う端縁が前記第2フランジ部よりも前記延在方向と直交する方向に突出しており、前記第1ラック歯は前記第1フランジ部の上面の前記第2フランジ部と重ならない位置に設けられており、
    前記第2ラック歯は前記一対の第2フランジ部の一方のみに形成されており、前記第2キャリッジは、前記ガイドレールの延在方向に沿う側面から外向きに突設される複数の摺動コロと、該摺動コロを前記ガイドレールに圧接する付勢手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録媒体を吸着保持して搬送する搬送部と、
    該搬送部に対向して配置され、記録媒体へインクを吐出する記録ヘッドを有する記録部と、
    該記録部に対向する第1の位置と、該第1の位置から水平方向に退避した第2の位置との間を往復移動可能であり、前記第1の位置において前記記録ヘッドにキャップをするキャップユニットと、
    該キャップユニットの上方且つ前記記録部の下方に配置され、前記第1の位置と前記第2の位置との間を往復移動可能であり、前記第1の位置において前記記録ヘッドの回復処理を行うワイプユニットと、
    を備えたインクジェット記録装置において、
    前記キャップユニットを支持する第1キャリッジと、
    該第1キャリッジの上方に配置され前記ワイプユニットを支持する第2キャリッジと、
    前記第1キャリッジ及び第2キャリッジの両端部を摺動可能に支持する一対のガイドレールと、
    前記第1キャリッジに設けられ、前記ガイドレールに支持される一対の第1フランジ部に形成される第1ラック歯と、該第1ラック歯に噛み合う第1ピニオンギアと、該第1ピニオンギアを正逆方向に回転させるキャップユニット移動モーターと、を有し、前記キャップユニットを前記第1の位置と第2の位置とに移動させるキャップユニット駆動機構と、
    前記第2キャリッジに設けられ、前記第1フランジ部に重なるように前記ガイドレールに支持される一対の第2フランジ部の少なくとも一方に形成される第2ラック歯と、該第2ラック歯に噛み合う第2ピニオンギアと、該第2ピニオンギアを正逆方向に回転させるワイプユニット移動モーターと、を有し、前記ワイプユニットを前記第1の位置と第2の位置とに移動させるワイプユニット駆動機構と、を備え、
    前記第1フランジ部は、前記ガイドレールの延在方向に沿う端縁が前記第2フランジ部よりも前記延在方向と直交する方向に突出しており、前記第1ラック歯は前記第1フランジ部の上面の前記第2フランジ部と重ならない位置に設けられており、
    前記ワイプユニットは、前記記録ヘッドのインク吐出面を拭き取るワイパーと、該ワイパーを水平方向及び上下方向に移動させるワイパー駆動機構と、を備え、前記ワイパー駆動機構は前記ワイプユニットの前記記録部から前記水平方向に遠い側の端部から下方に突出して配置されており、
    前記キャップユニットは、前記第2の位置にあるとき、前記ワイパー駆動機構の側方、且つ前記ワイプユニットの下方に形成された空間に配置されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記ワイプユニットにより前記記録ヘッドの回復処理を行う場合、前記キャップユニットを前記第2の位置から前記第1の位置に移動させた後、前記ワイプユニットを前記第2の位置から前記第1の位置に移動させることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記キャップユニット及び前記ワイプユニットを前記第1の位置に配置したとき、前記前記ワイプユニット全体が前記キャップユニットに上下方向に重なることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
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