JP2019164876A - 磁気記録用強磁性粉末および磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁変換特性および走行耐久性に優れる磁気記録媒体の作製のために使用可能な板状の六方晶ストロンチウムフェライト粉末を提供すること。【解決手段】活性化体積が800nm3以上1500nm3以下であり、平均板状比が2.0以上5.0以下であり、鉄原子100原子%に対して、希土類原子含有率が0.5原子%以上5.0原子%以下であり、アルミニウム原子含有率が10.0原子%超20.0原子%以下であり、かつ希土類原子表層部偏在性およびアルミニウム原子表層部偏在性を有する板状六方晶ストロンチウムフェライト粉末である磁気記録用強磁性粉末。この磁気記録用強磁性粉末を磁性層に含む磁気記録媒体。【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録用強磁性粉末および磁気記録媒体に関する。
六方晶フェライト粉末は、磁気記録用強磁性粉末として広く用いられている。六方晶フェライト粉末については、近年、その特性を更に改良するための各種提案がなされている(例えば特許文献1参照)。
特開2017−178761号公報
特許文献1には、楕円体状粉末、即ち板状ではない六方晶フェライト粉末が開示されている(特許文献1の請求項1および段落0013参照)。また、特許文献1の実施例には、六方晶フェライト粉末としてバリウムフェライト粉末とストロンチウムフェライト粉末が開示されている。
六方晶フェライト粉末の形状について、特許文献1の段落0032では、特許文献1に開示されている六方晶フェライト粉末が楕円体状粉末であることが、熱揺らぎの低減に寄与すると推察されている。他方、磁気記録媒体形成時の強磁性粉末の配向状態制御の容易性の観点等からは、板状粉末が好ましい場合がある。
また、六方晶フェライト粉末の種類としては、上記のバリウムフェライト粉末、ストロンチウムフェライト粉末等が挙げられる。一般に、六方晶ストロンチウムフェライト粉末は、六方晶バリウムフェライト粉末と比べて、磁気記録媒体に記録された情報を再生する際の再生出力を高めるうえで有利な強磁性粉末と考えられている。その理由としては、六方晶ストロンチウムフェライト粉末が、六方晶バリウムフェライト粉末と比べて質量磁化σsが高い傾向があることが挙げられる。
以上に鑑みて本発明者らは、板状の六方晶ストロンチウムフェライト粉末を磁気記録用強磁性粉末として適用することを検討した。しかし検討の結果、板状の六方晶ストロンチウムフェライト粉末を含む磁気記録媒体において、優れた電磁変換特性と優れた走行耐久性を共に実現することは容易ではないことが明らかとなった。
そこで本発明の目的は、電磁変換特性および走行耐久性に優れる磁気記録媒体の作製のために使用可能な板状の六方晶ストロンチウムフェライト粉末を提供することにある。
本発明の一態様は、
活性化体積が800nm3以上1500nm3以下であり、
平均板状比が2.0以上5.0以下であり、
鉄原子100原子%に対して、希土類原子含有率が0.5原子%以上5.0原子%以下であり、アルミニウム原子含有率が10.0原子%超20.0原子%以下であり、かつ
希土類原子表層部偏在性およびアルミニウム原子表層部偏在性を有する板状六方晶ストロンチウムフェライト粉末である磁気記録用強磁性粉末(以下、単に「強磁性粉末」とも記載する。)、
に関する。
本発明および本明細書において、「粉末」とは、複数の粒子の集合を意味する。例えば、六方晶ストロンチウムフェライト粉末とは、複数の六方晶ストロンチウムフェライト粒子の集合を意味する。また、複数の粒子の集合とは、集合を構成する粒子が直接接触している態様に限定されず、後述する結合剤、添加剤等が、粒子同士の間に介在している態様も包含される。
本発明および本明細書において、「活性化体積」とは、磁化反転の単位であって、粒子の磁気的な大きさを示す指標である。本発明および本明細書に記載の活性化体積および後述の異方性定数Kuは、振動試料型磁束計を用いて保磁力Hc測定部の磁場スイープ速度3分と30分とで測定し(測定温度:23℃±1℃)、以下のHcと活性化体積Vとの関係式から求められる値である。なお異方性定数Kuの単位に関して、公益社団法人日本磁気学会ホームページの推奨単位に関する投稿(投稿日:2014年3月17日)に提示されている磁気関連諸量のSI単位への換算表から当業者に周知の通り、1erg/cc=1.0×10-1J/m3である。
Hc=2Ku/Ms{1−[(kT/KuV)ln(At/0.693)]1/2
[上記式中、Ku:異方性定数(単位:J/m3)、Ms:飽和磁化(単位:kA/m)、k:ボルツマン定数、T:絶対温度(単位:K)、V:活性化体積(単位:cm3)、A:スピン歳差周波数(単位:s-1)、t:磁界反転時間(単位:s)]
本発明および本明細書における「希土類原子」は、スカンジウム原子(Sc)、イットリウム原子(Y)、およびランタノイド原子からなる群から選択される。ランタノイド原子は、ランタン原子(La)、セリウム原子(Ce)、プラセオジム原子(Pr)、ネオジム原子(Nd)、プロメチウム原子(Pm)、サマリウム原子(Sm)、ユウロピウム原子(Eu)、ガドリニウム原子(Gd)、テルビウム原子(Tb)、ジスプロシウム原子(Dy)、ホルミウム原子(Ho)、エルビウム原子(Er)、ツリウム原子(Tm)、イッテルビウム原子(Yb)、およびルテチウム原子(Lu)からなる群から選択される。
本発明および本明細書における「希土類原子表層部偏在性」とは、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を酸により部分溶解して得られた溶解液中の鉄原子100原子%に対する希土類原子含有率(以下、「希土類原子表層部含有率」または希土類原子に関して単に「表層部含有率」と記載する。)が、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を酸により全溶解して得られた溶解液中の鉄原子100原子%に対する希土類原子含有率(以下、「希土類原子バルク含有率」または希土類原子に関して単に「バルク含有率」と記載する。)と、
希土類原子表層部含有率/希土類原子バルク含有率>1.0
の比率を満たすことを意味する。上記の強磁性粉末の希土類原子含有率とは、希土類原子バルク含有率と同義である。これに対し、酸を用いる部分溶解は六方晶ストロンチウムフェライト粉末を構成する粒子の表層部を溶解するため、部分溶解により得られる溶解液中の希土類原子含有率とは、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を構成する粒子の表層部における希土類原子含有率である。希土類原子表層部含有率が、「希土類原子表層部含有率/希土類原子バルク含有率>1.0」の比率を満たすことは、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を構成する粒子において、希土類原子が表層部に偏在(即ち内部より多く存在)していることを意味する。本発明および本明細書における表層部とは、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を構成する粒子の表面から内部に向かう一部領域を意味する。
本発明および本明細書における「アルミニウム原子表層部偏在性」とは、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を酸により部分溶解して得られた溶解液中の鉄原子100原子%に対するアルミニウム原子含有率(以下、「アルミニウム原子表層部含有率」またはアルミニウム原子に関して単に「表層部含有率」と記載する。)が、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を酸により全溶解して得られた溶解液中の鉄原子100原子%に対するアルミニウム原子含有率(以下、「アルミニウム原子バルク含有率」またはアルミニウム原子に関して単に「バルク含有率」と記載する。)と、
アルミニウム原子表層部含有率/アルミニウム原子バルク含有率>1.0
の比率を満たすことを意味する。上記の強磁性粉末のアルミニウム原子含有率とは、アルミニウム原子バルク含有率と同義である。これに対し、酸を用いる部分溶解は六方晶ストロンチウムフェライト粉末を構成する粒子の表層部を溶解するため、部分溶解により得られる溶解液中のアルミニウム原子含有率とは、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を構成する粒子の表層部におけるアルミニウム原子含有率である。アルミニウム原子表層部含有率が、「アルミニウム原子表層部含有率/アルミニウム原子バルク含有率>1.0」の比率を満たすことは、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を構成する粒子において、アルミニウム原子が表層部に偏在(即ち内部より多く存在)していることを意味する。
粉末として存在している強磁性粉末については、部分溶解および全溶解する試料粉末は、同一ロットの粉末から採取する。一方、磁気記録媒体の磁性層に含まれている強磁性粉末については、磁性層から取り出した強磁性粉末の一部を部分溶解に付し、他の一部を全溶解に付す。磁性層からの強磁性粉末の取り出しは、例えば、特開2015−91747号公報の段落0032に記載の方法によって行うことができる。
上記部分溶解とは、溶解終了時に液中に強磁性粉末の残留が目視で確認できる程度に溶解することをいう。例えば、部分溶解により、強磁性粉末を構成する粒子について、粒子全体を100質量%として10〜20質量%の領域を溶解することができる。一方、上記全溶解とは、溶解終了時に液中に強磁性粉末の残留が目視で確認されない状態まで溶解することをいう。
上記部分溶解および表層部含有率の測定は、例えば、以下の方法により行われる。ただし、下記の試料粉末の量等の溶解条件は例示であって、部分溶解および全溶解が可能な溶解条件を任意に採用できる。
試料粉末12mgおよび1mol/L塩酸10mlを入れた容器(例えばビーカー)を、設定温度70℃のホットプレート上で1時間保持する。得られた溶解液を0.1μmのメンブレンフィルタでろ過する。こうして得られたろ液の元素分析を誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)分析装置によって行う。こうして、鉄原子100原子%に対する希土類原子表層部含有率およびアルミニウム原子表層部含有率を求めることができる。元素分析により複数種の希土類原子が検出された場合には、全希土類原子の合計含有率を、希土類原子表層部含有率とする。この点は、希土類原子バルク含有率の測定においても、同様である。
一方、上記全溶解ならびに希土類原子バルク含有率およびアルミニウム原子バルク含有率の測定は、例えば、以下の方法により行われる。
試料粉末12mgおよび4mol/L塩酸10mlを入れた容器(例えばビーカー)を、設定温度80℃のホットプレート上で3時間保持する。その後は上記の部分溶解および表層部含有率の測定と同様に行い、鉄原子100原子%に対するアルミニウム原子バルク含有率および希土類原子バルク含有率を求めることができる。
本発明および本明細書において、粒子の形状に関して「板状」とは、対向する2つの板面を有する形状を言う。粒子の形状は、下記の配向処理なしで得られる粒子写真および/または下記の配向処理ありで得られる粒子写真により確認することができる。「板状六方晶ストロンチウムフェライト粉末」は、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を構成する粒子の中から無作為に抽出した500個の粒子の形状の最も多くが板状である六方晶ストロンチウムフェライト粉末であり、例えば粒子数基準で板状粒子の占める割合は50%以上であることができ、60%以上、70%以上、80%以上または90%以上であることもでき、100%であることもできる。粒子の形状の観察およびサイズ(例えば下記の板径および板厚)の測定は、透過電子顕微鏡観察法により行われる。具体的には、加速電圧100kVの透過型電子顕微鏡(例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型)を用いて直接法で撮影した粒子写真における、500個の粒子について粒子の形状およびサイズを求める。より詳しくは、粒子写真を、撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントする。粒子写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粒子(凝集のない独立した粒子、即ち一次粒子)の輪郭をトレースし、画像解析ソフト(例えば、カールツァイス製画像解析ソフトKS−400)を用いて粒子の形状の観察およびサイズの測定を行うことができる。撮影対象粉末に配向処理を施さずに撮影して得られた粒子写真を用いることにより、板面側の粒子サイズ(即ち板径)を測定することができ、撮影対象粉末に対して、水平方向(水平面に対して平行な方向)に配向処理を施した後に撮影して得られた粒子写真を用いることにより、板厚を測定することができる。この配向処理に用いる磁石の磁力やサイズ等は限定されるものではない。配向処理の一例は、実施例において後述する。
本発明および本明細書において、「平均板状比」とは、上記の無作為に抽出された500個の粒子の中の各板状粒子について測定された板径の算術平均(平均板径)と板厚の算術平均(平均板厚)を求め、「平均板径/平均板厚」として算出される値を言う。「板面」とは、板状粒子の表面において、上記の配向処理を施さずに撮影して得られた粒子写真において観察される平面とその平面と対向する平面を言うものとする。上記の配向処理を施さずに撮影して得られた粒子写真において観察される平面において粒子の長さを最も長く取ることができる径を長径として決定し、この長径の長さを「板径」とする。「板厚」とは、上記の配向処理を施した後に撮影して得られた粒子写真において観察される2つの対向する板面の間の最も長い距離とする。
また、本発明および本明細書おける各種粉末に関する平均粒子サイズ等の粒子の大きさまたは形状に関する平均値は、上記のように撮影された粒子写真を用いて、無作為に抽出した500個の粒子について求められた値の算術平均とする。後述の実施例に示す平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて得られた値である。
一態様では、上記希土類原子は、ネオジム原子、サマリウム原子、イットリウム原子およびジスプロシウム原子からなる群から選ばれる一種以上の希土類原子であることができる。
一態様では、上記強磁性粉末の活性化体積は、800〜1250nm3の範囲であることができる。
一態様では、上記強磁性粉末の異方性定数Kuは、2.2×105J/m3(2.2×106erg/cc)以上であることができる。
一態様では、上記強磁性粉末の質量磁化σsは、42A・m2/kg以上であることができる。
一態様では、上記強磁性粉末の平均板状比は、2.5以上4.6以下であることができる。
一態様では、上記強磁性粉末において、鉄原子100原子%に対して、希土類原子含有率は0.5原子%以上4.5原子%以下であることができる。
一態様では、上記強磁性粉末において、鉄原子100原子%に対して、アルミニウム原子含有率は10.0原子%超18.0原子%以下であることができる。
本発明の一態様は、非磁性支持体上に上記強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体に関する。
一態様によれば、電磁変換特性と走行耐久性に優れる磁気記録媒体の作製のために使用可能な板状の六方晶ストロンチウムフェライト粉末を提供することができる。また、一態様によれば、かかる板状の六方晶ストロンチウムフェライト粉末を磁性層に含み、優れた電磁変換特性と優れた走行耐久性を共に実現可能な磁気記録媒体を提供することができる。
[磁気記録用強磁性粉末]
本発明の一態様にかかる磁気記録用強磁性粉末は、活性化体積が800nm3以上1500nm3以下であり、平均板状比が2.0以上5.0以下であり、鉄原子100原子%に対して、希土類原子含有率が0.5原子%以上5.0原子%以下であり、アルミニウム原子含有率が10.0原子%超20.0原子%以下であり、かつ希土類原子表層部偏在性およびアルミニウム原子表層部偏在性を有する板状六方晶ストロンチウムフェライト粉末である。上記強磁性粉末は磁気記録用強磁性粉末であって、例えば塗布型磁気記録媒体の磁性層形成のために用いることができる。
以下、上記強磁性粉末について、更に詳細に説明する。なお以下の記載には、本発明者らの推察が含まれる。かかる推察に本発明は何ら限定されるものではない。
<活性化体積、平均板状比>
上記強磁性粉末の活性化体積は、800nm3以上1500nm3以下である。また、 上記強磁性粉末は板状六方晶ストロンチウムフェライト粉末であって、その平均板状比は、2.0以上5.0以下である。活性化体積および平均板状比が上記範囲である上記強磁性粉末は、優れた電磁変換特性を発揮する磁気記録媒体の作製のために好適である。また、活性化体積が1500nm3以下であることおよび平均板状比が5.0以下であることは、磁気記録媒体の記録密度向上および/または走行耐久性の向上にも寄与し得る。上記強磁性粉末の活性化体積は、磁化の安定性の観点からは850nm3以上であることが好ましい。一方、電磁変換特性および走行耐久性の更なる向上の観点から、上記強磁性粉末の活性化体積は、1400nm3以下であることが好ましく、1300nm3以下であることがより好ましく、1250nm3以下であることが更に好ましく、1200nm3以下であることが一層好ましく、1100nm3以下であることがより一層好ましい。また、上記強磁性粉末の平均板状比は、電磁変換特性の更なる向上の観点から、2.3以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましく、3.0以上であることがより好ましい。また、電磁変換特性および走行耐久性の更なる向上の観点から、上記強磁性粉末の平均板状比は4.8以下であることが好ましく、4.7以下であることがより好ましく、4.6以下であることが更に好ましく、4.5以下であることが一層好ましく、4.4以下であることがより一層好ましい。
<希土類原子の存在状態>
上記強磁性粉末は、鉄原子100原子%に対して、0.5原子%以上5.0原子%以下の含有率(希土類原子バルク含有率)で希土類原子を含む。上記範囲のバルク含有率で希土類原子を含み、かつ上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に希土類原子が偏在していることが、磁気記録媒体の走行耐久性の向上、詳しくは磁気ヘッドとの摺動によって磁性層表面が削れることを抑制できることに寄与すると本発明者らは考えている。これは、上記強磁性粉末を構成する粒子の表面に希土類原子が偏在することが、粒子表面と磁性層に含まれる有機物質(例えば、結合剤および/または添加剤)との相互作用の向上に寄与し、その結果、磁性層の強度が向上するためではないかと本発明者らは推察している。また本発明者らは、上記範囲のバルク含有率で希土類原子を含み、かつ上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に希土類原子が偏在していることは、電磁変換特性の向上にも寄与し得ると考えている。これは、上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に希土類原子が偏在することが、表層部の結晶格子内の鉄(Fe)のサイトのスピンを安定化することに寄与し、これにより異方性定数Kuが高まることによるものと推察される。走行耐久性および/または電磁変換特性の更なる向上の観点からは、上記希土類原子バルク含有率は、0.5〜4.5原子%の範囲であることが好ましく、1.0〜4.5原子%の範囲であることがより好ましく、1.5〜4.5原子%の範囲であることが更に好ましい。
上記希土類原子バルク含有率は、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を全溶解して求められる希土類原子の含有率である。本発明および本明細書において、特記しない限り、原子について含有率とは、強磁性粉末を全溶解して求められるバルク含有率をいうものとする。上記強磁性粉末は、希土類原子として一種の希土類原子のみ含んでもよく、二種以上の希土類原子を含んでもよい。二種以上の希土類原子を含む場合の希土類原子バルク含有率とは、二種以上の希土類原子の合計について求められる。この点は、本発明および本明細書における他の成分についても同様である。即ち、特記しない限り、ある成分は、一種のみ用いてもよく、二種以上用いてもよい。二種以上用いられる場合の含有量または含有率とは、二種以上の合計についていうものとする。
上記強磁性粉末に含まれる希土類原子は、希土類原子のいずれか一種以上であればよい。走行耐久性の更なる向上の観点から好ましい希土類原子としては、ネオジム原子、サマリウム原子、イットリウム原子およびジスプロシウム原子を挙げることができ、ネオジム原子、サマリウム原子およびイットリウム原子がより好ましく、ネオジム原子が更に好ましい。
上記強磁性粉末は、上記範囲のバルク含有率で希土類原子を一種以上含み、かつ含まれる希土類原子は、上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に偏在している。このことが、上記強磁性粉末を磁性層に含む磁気記録媒体の走行耐久性の向上に寄与すると、本発明者らは考えている。この点に関する本発明者らの推察の詳細は、先に記載した通りである。希土類原子は上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に偏在していればよく、偏在の程度は限定されるものではない。例えば、上記強磁性粉末について、先に例示した溶解条件で部分溶解して求められた希土類原子の表層部含有率と先に例示した溶解条件で全溶解して求められた希土類原子のバルク含有率との比率、「希土類原子表層部含有率/希土類原子バルク含有率」は1.0超であり、1.5以上であることができる。また、先に例示した溶解条件で部分溶解して求められた希土類原子の表層部含有率と先に例示した溶解条件で全溶解して求められた希土類原子のバルク含有率との比率、「希土類原子表層部含有率/希土類原子バルク含有率」は、例えば、10.0以下、9.0以下、8.0以下、7.0以下、6.0以下、5.0以下、または4.0以下であることができる。ただし上記の通り希土類原子は上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に偏在していればよく、上記の「希土類原子表層部含有率/希土類原子バルク含有率」は、例示した上限または下限に限定されるものではない。
<アルミニウム原子の存在状態>
上記強磁性粉末は、鉄原子100原子%に対して、10.0原子%超20.0原子%以下の含有率(アルミニウム原子バルク含有率)でアルミニウム原子を含む。上記範囲のバルク含有率でアルミニウム原子を含み、かつ上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部にアルミニウム原子が偏在していることも、磁気記録媒体の走行耐久性の向上、詳しくは磁気ヘッドとの摺動によって磁性層表面が削れることを抑制できることに寄与すると本発明者らは考えている。これは、上記強磁性粉末を構成する粒子の表面にアルミニウム原子が偏在することも、粒子表面と磁性層に含まれる有機物質(例えば、結合剤および/または添加剤)との相互作用の向上に寄与し、その結果、磁性層の強度が向上するためではないかと本発明者らは推察している。また本発明者らは、上記範囲のバルク含有率でアルミニウム原子を含み、かつ上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部にアルミニウム原子が偏在していることは、電磁変換特性の向上にも寄与し得ると考えている。これは、上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部にアルミニウム原子が偏在することが、表層部の結晶格子内の鉄(Fe)のサイトのスピンを安定化することに寄与し、これにより異方性定数Kuが高まることによるものと推察される。走行耐久性および/または電磁変換特性の更なる向上の観点からは、上記アルミニウム原子バルク含有率は、10.0原子%超19.0原子%以下であることが好ましく、10.0原子%超18.0原子%以下であることがより好ましく、10.2原子%以上18.0原子%以下であることが更に好ましく、11.0原子%以上17.0原子%以下であることが一層好ましい。
上記強磁性粉末は、上記範囲のバルク含有率でアルミニウム原子を含み、かつ含まれるアルミニウム原子は、上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に偏在している。このことも、上記強磁性粉末を磁性層に含む磁気記録媒体の走行耐久性の向上に寄与すると、本発明者らは考えている。この点に関する本発明者らの推察の詳細は、先に記載した通りである。アルミニウム原子は上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に偏在していればよく、偏在の程度は限定されるものではない。例えば、上記強磁性粉末について、先に例示した溶解条件で部分溶解して求められたアルミニウム原子の表層部含有率と先に例示した溶解条件で全溶解して求められたアルミニウム原子のバルク含有率との比率、「アルミニウム原子表層部含有率/アルミニウム原子バルク含有率」は1.0超であり、1.5以上であることができる。また、先に例示した溶解条件で部分溶解して求められたアルミニウム原子の表層部含有率と先に例示した溶解条件で全溶解して求められたアルミニウム原子のバルク含有率との比率、「アルミニウム原子表層部含有率/アルミニウム原子バルク含有率」は、例えば、10.0以下、9.0以下、8.0以下、7.0以下、6.0以下、5.0以下、または4.0以下であることができる。ただし上記の通りアルミニウム原子は上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に偏在していればよく、上記の「アルミニウム原子表層部含有率/アルミニウム原子バルク含有率」は、例示した上限または下限に限定されるものではない。
<強磁性粉末の構成原子>
上記強磁性粉末は、六方晶フェライト粉末である。六方晶フェライトの結晶構造は、構成原子として、少なくとも鉄原子、二価金属原子および酸素原子を含む。二価金属原子とは、イオンとして二価のカチオンになり得る金属原子であり、ストロンチウム原子、バリウム原子、カルシウム原子等のアルカリ土類金属原子、鉛原子等を挙げることができる。ただし、本発明および本明細書に記載の二価金属原子には、希土類原子は含まれないものとする。二価金属原子としてストロンチウム原子を含む六方晶フェライトは、ストロンチウムフェライトである。本発明および本明細書において、六方晶ストロンチウムフェライト粉末とは、この粉末に含まれる主な二価金属原子がストロンチウム原子であるものを言い、主な二価金属原子とは、この粉末に含まれる二価金属原子の中で、原子%基準で最も多くを占める二価金属原子を言うものとする。上記強磁性粉末において、ストロンチウム原子含有率は、鉄原子100原子%に対して、例えば2.0〜15.0原子%の範囲であることができる。一態様では、上記強磁性粉末は、この粉末に含まれる二価金属原子がストロンチウム原子のみであることができる。また他の一態様では、上記強磁性粉末は、ストロンチウム原子に加えて一種以上の他の二価金属原子を含むこともできる。例えば、上記強磁性粉末は、ストロンチウム原子に加えて、バリウム原子および/またはカルシウム原子を含むことができる。ストロンチウム原子以外の他の二価金属原子としてバリウム原子および/またはカルシウム原子が含まれる場合、上記強磁性粉末におけるバリウム原子含有率およびカルシウム原子含有率は、それぞれ、例えば、鉄原子100原子%に対して、0.05〜5.0原子%の範囲であることができる。
六方晶フェライトの結晶構造としては、マグネトプランバイト型(「M型」とも呼ばれる。)、W型、Y型およびZ型が知られている。上記強磁性粉末は、いずれの六方晶フェライトの結晶構造を取るものであってもよい。結晶構造は、X線回折分析によって確認することができる。上記強磁性粉末は、X線回折分析によって、単一の結晶構造または二種以上の結晶構造が検出されるものであることができる。例えば一態様では、上記強磁性粉末は、X線回折分析によってM型の結晶構造のみが検出されるものであることができる。例えば、M型の六方晶フェライトは、AFe1219の組成式で表される。ここでAは二価金属原子を表し、六方晶ストロンチウムフェライト粉末がM型である場合、Aはストロンチウム原子(Sr)のみであるか、またはAとして複数の二価金属原子が含まれる場合には、上記の通り原子%基準で最も多くをストロンチウム原子(Sr)が占める。六方晶フェライト粉末の二価金属原子含有率は、通常、六方晶フェライトの結晶構造の種類により定まるものであり、特に限定されるものではない。鉄原子含有率および酸素原子含有率についても、同様である。上記強磁性粉末は、少なくとも、鉄原子、ストロンチウム原子、酸素原子、希土類原子およびアルミニウム原子を含み、これら原子以外の原子を含んでもよく、含まなくてもよい。走行耐久性の更なる向上の観点からは、上記六方晶ストロンチウムフェライト粉末は、鉄原子、ストロンチウム原子、酸素原子、希土類原子およびアルミニウム原子を含み、これら原子以外の原子の含有率が、鉄原子100原子%に対して、10.0原子%以下であることが好ましく、0〜5.0原子%の範囲であることがより好ましく、0原子%であってもよい。即ち、一態様では、上記六方晶ストロンチウムフェライト粉末は、鉄原子、ストロンチウム原子、酸素原子、希土類原子およびアルミニウム原子以外の原子を含まなくてもよい。上記の原子%で表示される含有率は、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を全溶解して求められる各原子の含有率(単位:質量%)の値を、各原子の原子量を用いて原子%表示の値に換算して求められる。また、本発明および本明細書において、ある原子について「含まない」とは、全溶解してICP分析装置により測定される含有率が0質量%であることをいう。ICP分析装置の検出限界は、通常、質量基準で0.01ppm(parts per million)以下である。上記の「含まない」とは、ICP分析装置の検出限界未満の量で含まれることを包含する意味で用いるものとする。上記六方晶ストロンチウムフェライト粉末は、一態様では、ビスマス原子(Bi)を含まない。
<各種物性>
(異方性定数Ku)
本発明者らは、上記強磁性粉末が上記範囲のバルク含有率で希土類原子を含み、かつ強磁性粉末を構成する粒子の表層部に希土類原子が偏在していることは、熱揺らぎと呼ばれる現象の発生を抑制すること(換言すれば熱的安定性を向上させること)にも寄与すると推察している。詳しくは、上記強磁性粉末を構成する粒子の表層部に希土類原子が偏在することが、表層部の結晶格子内の鉄(Fe)のサイトのスピンを安定化することに寄与し、これにより熱的安定性の向上が可能になるのではないかと本発明者らは推察している。強磁性粉末の熱揺らぎの低減(熱的安定性の向上)の指標としては、異方性定数Kuを挙げることができる。上記強磁性粉末は、好ましくは2.2×105J/m3(2.2×106erg/cc)以上のKuを有することができ、より好ましくは2.3×105J/m3(2.3×106erg/cc)以上のKuを有することができる。 また、上記強磁性粉末のKuは、例えば2.7×105J/m3(2.7×106erg/cc)以下であることができ、2.6×105J/m3(2.6×106erg/cc)以下であることもできる。ただしKuが高いほど熱的安定性が高いことを意味し好ましいため、上記例示した値に限定されるものではない。
(質量磁化σs)
磁気記録媒体に記録された情報を再生する際の再生出力を高める観点から、磁気記録媒体に含まれる強磁性粉末の質量磁化σsが高いことは望ましい。この点に関して、本発明者らの検討によれば、希土類原子を含むものの希土類原子表層部偏在性を持たない六方晶ストロンチウムフェライト粉末は、希土類原子を含まない六方晶ストロンチウムフェライト粉末と比べてσsが大きく低下する傾向が見られた。これに対し、そのようなσsの大きな低下を抑制するうえでも、希土類原子表層部偏在性を有する六方晶ストロンチウムフェライト粉末は好ましいと本発明者らは考えている。一態様では、上記強磁性粉末のσsは、42A・m2/kg以上であることができ、45A・m2/kg以上であることもできる。一方、σsは、ノイズ低減の観点からは、80A・m2/kg以下であることが好ましく、60A・m2/kg以下であることがより好ましい。σsは、振動試料型磁束計等の磁気特性を測定可能な公知の測定装置を用いて測定することができる。
<製造方法>
上記強磁性粉末は、六方晶フェライトの製造方法として公知の製造方法、例えば、ガラス結晶化法、共沈法、逆ミセル法、水熱合成法等により製造することができる。板状の六方晶フェライト粉末の製造容易性の観点からは、ガラス結晶化法が好ましい。以下に、具体的態様としてガラス結晶化法を用いる製造方法について説明する。ただし、上記強磁性粉末は、ガラス結晶化法以外の方法でも製造可能である。一例として、例えば、水熱合成法により上記強磁性粉末を製造することもできる。水熱合成法とは、六方晶ストロンチウムフェライト前駆体を含む水系溶液を加熱することにより六方晶ストロンチウムフェライト前駆体を六方晶ストロンチウムフェライト粉末に転換する方法である。中でも、活性化体積が小さい六方晶ストロンチウムフェライト粉末の製造容易性の観点からは、六方晶ストロンチウムフェライト前駆体を含む水系流体を反応流路に送液しつつ加熱および加圧することにより、加熱および加圧されている水、好ましくは亜臨界〜超臨界状態の水の高い反応性を利用し、六方晶ストロンチウムフェライト前駆体を六方晶ストロンチウムフェライトに転換する連続的水熱合成法が好ましい。
<<ガラス結晶化法を用いる製造方法>>
ガラス結晶化法は、一般に以下の工程を含む。
(1)六方晶ストロンチウムフェライト形成成分およびガラス形成成分を少なくとも含む原料混合物を溶融し、溶融物を得る工程(溶融工程);
(2)溶融物を急冷し非晶質体を得る工程(非晶質化工程);
(3)非晶質体を加熱処理し、加熱処理により析出した六方晶ストロンチウムフェライト粒子および結晶化したガラス成分を含む結晶化物を得る工程(結晶化工程);
(4)結晶化物から六方晶ストロンチウムフェライト粒子を捕集する工程(粒子捕集工程)。
以下、上記工程について、更に詳細に説明する。
(溶融工程)
六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得るためのガラス結晶化法に用いられる原料混合物は、六方晶ストロンチウムフェライト形成成分およびガラス形成成分を含むものである。ここでガラス形成成分とは、ガラス転移現象を示し非晶質化(ガラス化)し得る成分であり、通常のガラス結晶化法ではB23成分が使用される。上記強磁性粉末を得るためにガラス結晶化法を用いる場合にも、ガラス形成成分としてB23成分を含む原料混合物を使用することができる。なお、ガラス結晶化法において原料混合物に含まれる各成分は、酸化物として、または溶融等の工程中に酸化物に変わり得る各種の塩として存在する。本発明および本明細書において「B23成分」とは、B23自体および工程中にB23に変わり得るH3BO3等の各種の塩を含むものとする。他の成分についても同様である。
原料混合物に含まれる六方晶ストロンチウムフェライト形成成分としては、ストロンチウムフェライトの結晶構造の構成原子となる原子を含む酸化物等を挙げることができる。具体例としては、Fe23成分およびSrO成分が挙げられる。
更に、希土類原子およびアルミニウム原子を含む六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得るために、希土類原子酸化物成分およびAl23成分が使用される。また、バリウム原子を含む六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得るためにはBaO成分が使用され、カルシウム原子を含む六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得るためにはCaO成分が使用される。
原料混合物における各種成分の含有率は、特に限定されるものではなく、得ようとする六方晶ストロンチウムフェライト粉末の組成に応じて決定すればよい。原料混合物は、各種成分を秤量および混合して調製することができる。次いで、原料混合物を溶融し溶融物を得る。溶融温度は原料混合物の組成に応じて設定すればよく、通常、1000〜1500℃である。溶融時間は、原料混合物が十分溶融するように適宜設定すればよい。
(非晶質化工程)
次いで、得られた溶融物を急冷することにより非晶質体を得る。上記急冷は、ガラス結晶化法で非晶質体を得るために通常行われる急冷工程と同様に実施することができ、例えば高速回転させた水冷双ローラー上に溶融物を注いで圧延急冷する方法等の公知の方法で行うことができる。
(結晶化工程)
上記急冷後、得られた非晶質体を加熱処理する。この加熱処理により、六方晶ストロンチウムフェライト粒子および結晶化したガラス成分を析出させることができる。析出させる六方晶ストロンチウムフェライト粒子の粒子サイズおよび板状比(板径/板厚)は、加熱条件により制御可能である。結晶化のための加熱温度(結晶化温度)を高くすることは、析出する六方晶ストロンチウムフェライト粒子の粒子サイズおよび板状比の増大を招くため、結果的に六方晶ストロンチウムフェライト粉末の活性化体積および平均板状比の増大を招く。また、結晶化温度を高くすることは、希土類原子およびアルミニウム原子が粒子の表層部から粒子内部に拡散して粒子内部での希土類原子およびアルミニウム原子の存在状態が均一化されることにつながると考えられる。以上の点を考慮し、希土類原子表層部偏在性およびアルミニウム原子表層部偏在性を有し、かつ上記範囲の活性化体積および平均板状比を有する板状六方晶ストロンチウムフェライト粉末の製造容易性の観点からは、一態様では、結晶化温度は、600℃〜700℃の範囲とすることが好ましい。また、結晶化のための加熱時間(上記結晶化温度での保持時間)は、一態様では、例えば0.1〜24時間であり、好ましくは0.15〜8時間である。また、結晶化温度に到達するまでの昇温速度は、一態様では、1.0〜10.0℃/分が好ましく、より好ましくは1.5〜7.0℃/分であり、2.0〜5.0℃/分であることが更に好ましい。
(粒子捕集工程)
非晶質体に加熱処理を施して得られた結晶化物中には、六方晶ストロンチウムフェライト粒子および結晶化したガラス成分が含まれている。そこで、結晶化物に酸処理を施すと、六方晶ストロンチウムフェライト粒子を取り囲んでいた、結晶化したガラス成分が溶解除去されるため、六方晶ストロンチウムフェライト粒子を採取することができる。上記酸処理の前には、酸処理の効率を高めるために粉砕処理を行うことが好ましい。粗粉砕は乾式、湿式のいずれの方法で行ってもよい。粉砕処理条件は、公知の方法にしたがって設定することができる。粒子捕集のための酸処理は、加熱下酸処理等のガラス結晶化法で一般的に行われる方法により行うことができる。その後、必要に応じて水洗、乾燥等の後処理を施すことにより、六方晶ストロンチウムフェライト粒子を得ることができる。
以上、本発明の一態様にかかる強磁性粉末の製造方法の具体的態様を説明した。ただし本発明の一態様にかかる強磁性粉末は、上記具体的態様により製造されるものに限定されるものではない。
[磁気記録媒体]
本発明の一態様は、非磁性支持体上に、上記磁気記録用強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体に関する。
以下に、上記磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
<磁性層>
(強磁性粉末)
上記磁気記録媒体の磁性層に含まれる強磁性粉末の詳細は、先に記載した通りである。磁性層における強磁性粉末の含有率(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。磁性層の強磁性粉末以外の成分は少なくとも結合剤であり、任意に一種以上の添加剤が含まれ得る。磁性層において強磁性粉末の充填率が高いことは、記録密度向上の観点から好ましい。
(結合剤、硬化剤)
磁性層は、上記強磁性粉末とともに結合剤を含む。結合剤としては、一種以上の樹脂が用いられる。樹脂はホモポリマーであってもコポリマー(共重合体)であってもよい。磁性層に含まれる結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等を共重合したアクリル樹脂、ニトロセルロース等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルキラール樹脂等から選択したものを単独で用いることができ、または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものは、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂および塩化ビニル樹脂である。これらの樹脂は、後述する非磁性層および/またはバックコート層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報の段落0029〜0031を参照できる。結合剤として使用される樹脂の平均分子量は、重量平均分子量として、例えば10000以上200000以下であることができる。本発明および本明細書における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された値をポリスチレン換算して求められる値である。測定条件としては、下記条件を挙げることができる。後述の実施例に示す重量平均分子量は、下記測定条件によって測定された値をポリスチレン換算して求めた値である。
GPC装置:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:TSK gel Multipore HXL−M(東ソー社製、7.8mmID(Inner Diameter)×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
また、結合剤として使用可能な樹脂とともに硬化剤を使用することもできる。硬化剤は、一態様では加熱により硬化反応(架橋反応)が進行する化合物である熱硬化性化合物であることができ、他の一態様では光照射により硬化反応(架橋反応)が進行する光硬化性化合物であることができる。硬化剤は、磁性層形成工程の中で硬化反応が進行することにより、少なくとも一部は、結合剤等の他の成分と反応(架橋)した状態で磁性層に含まれ得る。この点は、他の層を形成するために用いられる組成物が硬化剤を含む場合に、この組成物を用いて形成される層についても同様である。好ましい硬化剤は、熱硬化性化合物であり、ポリイソシアネートが好適である。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報の段落0124〜0125を参照できる。磁性層形成用組成物の硬化剤の含有量は、結合剤100.0質量部に対して例えば0〜80.0質量部であることができ、50.0〜80.0質量部であることが好ましい。
(添加剤)
磁性層には、強磁性粉末および結合剤が含まれ、必要に応じて一種以上の添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、一例として、上記の硬化剤が挙げられる。また、磁性層に含まれる添加剤としては、非磁性粉末(例えば無機粉末、カーボンブラック等)、潤滑剤、分散剤、分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を挙げることができる。例えば、潤滑剤については、特開2016−126817号公報の段落0030〜0033、0035および0036を参照できる。後述する非磁性層に潤滑剤が含まれていてもよい。非磁性層に含まれ得る潤滑剤については、特開2016−126817号公報の段落0030、0031および0034〜0036を参照できる。分散剤については、特開2012−133837号公報の段落0061および0071を参照できる。分散剤を非磁性層形成用組成物に添加してもよい。非磁性層形成用組成物に添加し得る分散剤については、特開2012−133837号公報の段落0061を参照できる。また、磁性層に含まれ得る非磁性粉末としては、研磨剤として機能することができる非磁性粉末、磁性層表面に適度に突出する突起を形成する突起形成剤として機能することができる非磁性粉末(例えば非磁性コロイド粒子等)等が挙げられる。添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して、または公知の方法で製造して、任意の量で使用することができる。
<非磁性層>
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。上記磁気記録媒体は、非磁性支持体上に直接磁性層を有していてもよく、非磁性支持体と磁性層との間に非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有していてもよい。非磁性層に使用される非磁性粉末は、無機粉末でも有機粉末でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機粉末としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の粉末が挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。非磁性粉末の詳細については、例えば特開2010−24113号公報の段落0036〜0039を参照できる。非磁性層における非磁性粉末の含有率(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、非磁性層形成用組成物に用いる溶媒、非磁性層形成用組成物の調製のための分散方法等については、磁性層および/または非磁性層に関する公知技術を適用できる。また、非磁性層にはカーボンブラックおよび/または有機粉末を添加することも可能である。それらについては、例えば特開2010−24113号公報の段落0040〜0042を参照できる。
<非磁性支持体>
非磁性支持体(以下、単に「支持体」とも記載する。)としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリアミドが好ましい。これらの支持体には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理等を行ってもよい。
<バックコート層>
上記磁気記録媒体は、非磁性支持体の磁性層を有する表面側とは反対の表面側に、非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有することもできる。バックコート層には、非磁性粉末として、カーボンブラックおよび/または無機粉末が含有されていることが好ましい。バックコート層形成のための結合剤および各種添加剤については、磁性層、非磁性層およびバックコート層に関する公知技術を適用できる。
<非磁性支持体および各層の厚み>
非磁性支持体および各層の厚みについては、非磁性支持体の厚みは、例えば3.0〜80.0μmであり、好ましくは3.0〜20.0μmであり、より好ましくは3.0〜10.0μmである。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量、ヘッドギャップ長、記録信号の帯域等に応じて最適化することができる。磁性層の厚みは、一般には10〜150nmであり、高密度記録化の観点から、好ましくは20〜120nmであり、より好ましくは30〜100nmである。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する二層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成を適用できる。重層磁性層について、磁性層の厚みとは、複数の磁性層の合計厚みをいう。
非磁性層の厚みは、例えば0.05〜3.0μmであり、0.05〜2.0μmであることが好ましく、0.05〜1.5μmであることが更に好ましい。本発明および本明細書において、磁気記録媒体の非磁性層には、非磁性粉末とともに、例えば不純物として、または意図的に、少量の強磁性粉末を含む実質的に非磁性な層も包含されるものとする。ここで実質的に非磁性な層とは、この層の残留磁束密度が10mT以下であるか、保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であるか、または、残留磁束密度が10mT以下であり、かつ保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下である層をいうものとする。非磁性層は、残留磁束密度および保磁力を持たないことが好ましい。
バックコート層の厚みは、0.9μm以下であることが好ましく、0.1〜0.7μmであることがより好ましい。
磁気記録媒体の各層および非磁性支持体の厚みは、公知の膜厚測定法により求めることができる。一例として、例えば、磁気記録媒体の厚み方向の断面を、イオンビーム、ミクロトーム等の公知の手法により露出させた後、露出した断面において走査型電子顕微鏡によって断面観察を行う。断面観察において任意の1箇所において求められた厚み、または無作為に抽出した2箇所以上の複数箇所、例えば2箇所、において求められた厚みの算術平均として、各種厚みを求めることができる。または、各層の厚みは、製造条件から算出される設計厚みとして求めてもよい。
<磁気記録媒体の製造方法>
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための組成物を製造する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程を含む。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。各種成分は、どの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の成分を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。上記磁気記録媒体を製造するためには、従来の公知の製造技術を一部または全部の工程に用いることができる。例えば、混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダ等の強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については、特開平1−106338号公報および特開平1−79274号公報を参照できる。また、各層形成用の組成物を分散するために、分散ビーズとしてガラスビーズを用いることができる。また、分散ビーズとしては、高比重の分散ビーズであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、およびスチールビーズも好適である。これら分散ビーズの粒径(ビーズ径)と充填率は最適化して用いることができる。分散機は公知のものを使用することができる。各層形成用組成物を、塗布工程に付す前に公知の方法によってろ過してもよい。ろ過は、例えばフィルタろ過によって行うことができる。ろ過に用いるフィルタとしては、例えば孔径0.01〜3μmのフィルタを用いることができる。
磁気記録媒体の製造方法の詳細については、例えば特開2010−24113号公報の段落0051〜0057も参照できる。
以上説明した本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、一態様ではテープ状の磁気記録媒体(磁気テープ)であることができ、他の一態様ではディスク状の磁気記録媒体(磁気ディスク)であることができる。上記磁気記録媒体は、本発明の一態様にかかる磁気記録用強磁性粉末を磁性層に含むことにより、優れた電磁変換特性および優れた走行耐久性を示すことができる。上記磁気記録媒体は、情報の記録および/または再生を行う際、磁性層表面と磁気ヘッドとが接触し摺動する接触摺動型の磁気記録再生システムにおいて好適に使用することができる。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし本発明は、実施例に示す態様に限定されるものではない。以下に記載の「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」を示す。「eq」は、当量(equivalent)であり、SI単位に換算不可の単位である。また、下記工程および評価は、特記しない限り、23℃±1℃の大気中で行った。
1.六方晶ストロンチウムフェライト粉末の調製および評価
(1)六方晶ストロンチウムフェライト粉末の調製
[実施例1]
SrCO3を1610g、H3BO3を635g、Fe23を1097g、Al(OH)3を108g、BaCO3を23g、CaCO3を34g、およびNd23を231g秤量し、ミキサーにて混合し原料混合物を得た。
得られた原料混合物を、白金ルツボで溶融温度1390℃で溶融し、融液を攪拌しつつ白金ルツボの底に設けた出湯口を加熱し、融液を約6g/秒で棒状に出湯させた。出湯液を水冷双ローラーで圧延急冷して非晶質体を作製した。
作製した非晶質体280gを電気炉に仕込み、昇温速度3.5℃/分にて635℃(結晶化温度)まで昇温し、同温度で5時間保持して六方晶ストロンチウムフェライト粒子を析出(結晶化)させた。
次いで六方晶ストロンチウムフェライト粒子を含む上記で得られた結晶化物を乳鉢で粗粉砕し、ガラス瓶に粒径1mmのジルコニアビーズ1000gと1%濃度の酢酸を800ml加えてペイントシェーカーにて3時間分散処理を行った。その後、得られた分散液をビーズと分離させステンレスビーカーに入れた。分散液を液温100℃で3時間静置させてガラス成分の溶解処理を行った後、遠心分離器で沈澱させてデカンテーションを繰り返して洗浄し、炉内温度110℃の加熱炉内で6時間乾燥させて六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例2]
原料混合物の調製に用いるNd23量を47gとした点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例3]
原料混合物の調製に用いるNd23量を142gとした点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例4]
原料混合物の調製に用いるNd23量を282gとした点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例5]
原料混合物の調製に用いるNd23量を353gとした点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例6]
結晶化温度を630℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例7]
結晶化温度を640℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例8]
結晶化温度を645℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例9]
原料混合物の調製において、Nd23に代えてSm23を251g添加した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例10]
原料混合物の調製において、Nd23に代えてY23を163g添加した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例11]
原料混合物の調製において、Nd23に代えてDy23を265g添加した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例12]
原料混合物の調製において、SrCO3を1580g、H3BO3を601g、Fe23を1097g、Al(OH)3を161g、BaCO3を23g、CaCO3を34g、およびNd23を231g秤量してミキサーにて混合し原料混合物を得た点および結晶化温度を700℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[実施例13]
原料混合物の調製において、SrCO3を1670g、H3BO3を631g、Fe23を1097g、Al(OH)3を108g、Nd23を231g秤量してミキサーにて混合し原料混合物を得た点および結晶化温度を630℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[比較例1]
原料混合物の調製において、Nd23を添加せず、結晶化温度を665℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[比較例2]
原料混合物の調製に用いるNd23量を471gとした点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[比較例3]
原料混合物の調製に用いるNd23量を95gとし、結晶化温度を675℃、保持時間を10時間に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[比較例4]
原料混合物の調製において、SrCO3を1608g、H3BO3を638g、Fe23を1096g、Al(OH)3を104g、BaCO3を23g、CaCO3を34g、およびNd23を231g秤量してミキサーにて混合し原料混合物を得た点および結晶化温度を660℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[比較例5]
原料混合物の調製において、SrCO3を1550g、H3BO3を555g、Fe23を1095g、Al(OH)3を236g、BaCO3を23g、CaCO3を34g、およびNd23を231g秤量してミキサーにて混合し原料混合物を得た点および結晶化温度を710℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[比較例6]
原料混合物の調製に用いるNd23量を140gとし、結晶化温度を710℃とし、同温度での保持時間を2時間に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[比較例7]
結晶化温度を625℃に変更した点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
[比較例8]
原料混合物の調製において、SrCO3を1580g、H3BO3を601g、Fe23を1097g、Al(OH)3を161g、BaCO3を23g、CaCO3を34g、およびNd23を231g秤量してミキサーにて混合し原料混合物を得た点以外は実施例1と同様にして、六方晶ストロンチウムフェライト粉末を得た。
(2)六方晶ストロンチウムフェライト粉末の評価
(X線回折分析)
実施例および比較例で得られた粉末から試料粉末を採取し、X線回折分析を行った。分析の結果、実施例および比較例で得られた粉末は、いずれもマグネトプランバイト型(M型)の六方晶フェライトの結晶構造を示した。また、X線回折分析により検出された結晶相は、マグネトプランバイト型の単一相であった。X線回折分析は、CuKα線を電圧45kVかつ強度40mAの条件で走査し、下記条件でX線回折パターンを測定することにより行った。
PANalytical X’Pert Pro回折計、PIXcel検出器
入射ビームおよび回折ビームのSollerスリット:0.017ラジアン
分散スリットの固定角:1/4度
マスク:10mm
散乱防止スリット:1/4度
測定モード:連続
1段階あたりの測定時間:3秒
測定速度:毎秒0.017度
測定ステップ:0.05度
(六方晶フェライト粉末の形状観察および平均板状比の測定)
以下では、透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を使用し、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を使用して、粒子の形状観察ならびに板径および板厚の測定を行った。
実施例および比較例の各六方晶フェライト粉末(撮影対象粉末)1mgを、純水5mlに投入し、超音波分散(28kHz、10分間)して分散液を調製した。調製した分散液5μLを、グリッドメッシュ(メッシュ状のサンプル皿)上に滴下して自然乾燥することにより、撮影対象粉末をグリッドメッシュ上にサンプリングした(配向処理なし)。この撮影対象粉末をグリッドメッシュごと透過型電子顕微鏡に導入して、透過型電子顕微鏡により撮影して粒子写真(以下、「粒子写真1」と記載する。)を得て、無作為に抽出した500個の粒子の形状観察を行った。
更に、実施例および比較例の各六方晶フェライト粉末(撮影対象粉末)1mgを、純水5mlに投入し、超音波分散(28kHz、10分間)して分散液を調製した。調製した分散液5μLを、両脇(左右)に磁石(各磁石の磁力は1.5T)を配置したグリッドメッシュ(メッシュ状のサンプル皿)上に滴下して自然乾燥することにより、グリッドメッシュ上で撮影対象粉末に水平方向に配向処理を施した。この配向処理が施された撮影対象粉末をグリッドメッシュごと透過型電子顕微鏡に導入して、透過型電子顕微鏡により撮影して粒子写真(以下、「粒子写真2」と記載する。)を得て、無作為に抽出した500個の粒子の形状観察を行った。
以上の形状観察の結果、粒子写真1および粒子写真2のいずれにおいても、無作為に抽出した500個の粒子のうち90〜100%(粒子数基準)の粒子の形状が板状であることが確認された。
上記粒子写真1を用いて各板状粒子の板径を求め、求められた板径の算術平均として平均板径を算出した。上記粒子写真2を用いて各板状粒子の板厚を求め、求められた板厚の算術平均として平均板厚を算出した。算出された平均板径および平均板厚を用いて、実施例および比較例の各六方晶フェライト粉末について、「平均板径/平均板厚」として平均板状比を算出した。
(希土類原子およびアルミニウム原子の表層部含有率、バルク含有率、および表層部含有率/バルク含有率)
実施例および比較例の各六方晶ストロンチウムフェライト粉末から試料粉末を12mg採取し、この試料粉末を先に例示した溶解条件によって部分溶解して得られたろ液の元素分析をICP分析装置によって行い、希土類原子およびアルミニウム原子の表層部含有率を求めた。
別途、実施例および比較例で得られた各六方晶ストロンチウムフェライト粉末から試料粉末を12mg採取し、この試料粉末を先に例示した溶解条件によって全溶解して得られたろ液の元素分析をICP分析装置によって行い、希土類原子およびアルミニウム原子のバルク含有率を求めた。
求められた値から、「表層部含有率/バルク含有率」を算出した。
比較例3の「表層部含有率/バルク含有率」の算出結果は、希土類原子およびアルミニウム原子に関してそれぞれ0.9であった。即ち、比較例3の六方晶ストロンチウムフェライト粉末は、希土類原子表層部偏在性およびアルミニウム原子表層部偏在性を有さない。この理由は、結晶化工程において、表層部に偏在していた希土類原子が内部に拡散したためと考えられる。
実施例1〜13で得られた六方晶ストロンチウムフェライト粉末については、上記の全溶解して得られたろ液の元素分析の結果から、ストロンチウム原子、バリウム原子およびカルシウム原子のバルク含有率(対鉄原子100原子%)を求めたところ、以下の結果であった。以下の結果から、原料混合物としてSrO成分とともにBaO成分およびCaO成分を用いた実施例1〜12で得られた粉末について、この粉末に含まれる主な二価金属原子がストロンチウム原子であること、即ち得られた粉末が六方晶ストロンチウムフェライト粉末であることが確認された。
(実施例1)ストロンチウム原子:8.1原子%、バリウム原子:1.6%、カルシウム原子:0.5原子%
(実施例2)ストロンチウム原子:8.2原子%、バリウム原子:1.4%、カルシウム原子:0.4原子%
(実施例3)ストロンチウム原子:8.0原子%、バリウム原子:1.5%、カルシウム原子:0.5原子%
(実施例4)ストロンチウム原子:8.1原子%、バリウム原子:1.5%、カルシウム原子:0.4原子%
(実施例5)ストロンチウム原子:8.2原子%、バリウム原子:1.5%、カルシウム原子:0.4原子%
(実施例6)ストロンチウム原子:8.1原子%、バリウム原子:1.5%、カルシウム原子:0.4原子%
(実施例7)ストロンチウム原子:8.3原子%、バリウム原子:1.6%、カルシウム原子:0.4原子%
(実施例8)ストロンチウム原子:8.1原子%、バリウム原子:1.4%、カルシウム原子:0.5原子%
(実施例9)ストロンチウム原子:8.3原子%、バリウム原子:1.5%、カルシウム原子: 0.6原子%
(実施例10)ストロンチウム原子:8.2原子%、バリウム原子:1.6%、カルシウム原子:0.4原子%
(実施例11)ストロンチウム原子:8.1原子%、バリウム原子:1.4%、カルシウム原子:0.5原子%
(実施例12)ストロンチウム原子:8.2原子%、バリウム原子:1.5%、カルシウム原子:0.5原子%
(実施例13)ストロンチウム原子:9.8原子%、バリウム原子:含まない、カルシウム原子:含まない
(活性化体積および異方性定数Ku)
実施例および比較例の各六方晶ストロンチウムフェライト粉末から試料粉末を採取し、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いて、先に記載の方法により活性化体積および異方性定数Kuを求めた。
(質量磁化σs)
実施例および比較例の各六方晶ストロンチウムフェライト粉末の質量磁化σsを、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いて磁場強度1194kA/m(15kOe)で測定した。
2.磁気記録媒体(磁気テープ)の作製および評価
(1)磁気記録媒体(磁気テープ)の作製
実施例および比較例の各六方晶ストロンチウムフェライト粉末を用いて、以下の方法により磁気テープを作製した。以下において、実施例1の六方晶ストロンチウムフェライト粉末を用いて作製された磁気テープを、実施例1の磁気テープと呼ぶ。他の実施例および比較例についても同様とする。
(磁性層形成用組成物の処方)
上記実施例または比較例の六方晶ストロンチウムフェライト粉末 100.0部
ポリウレタン樹脂 12.2部
重量平均分子量:10000
スルホン酸基含有量:0.5meq/g
ダイヤモンド粒子 1.85部
平均粒子サイズ:50nm
カーボンブラック(旭カーボン社製#55) 0.5部
平均粒子サイズ:0.015μm
ステアリン酸 0.5部
ブチルステアレート 2.1部
メチルエチルケトン 180.0部
シクロヘキサノン 100.0部
(非磁性層形成用組成物の処方)
非磁性粉末 α−酸化鉄 103.0部
平均粒子サイズ:0.09μm
BET(Brunauer−Emmett−Teller)比表面積:50m2/g
pH:7
DBP(Dibutyl phthalate)吸油量:27〜38g/100g
表面処理剤:Al23(8質量%)
カーボンブラック(コロンビアンカーボン社製コンダクテックスSC−U)25.0部
塩化ビニル共重合体(カネカ社製MR104) 12.9部
ポリウレタン樹脂(東洋紡社製UR8200) 5.2部
フェニルホスホン酸 3.5部
ブチルステアレート 1.1部
ステアリン酸 2.1部
メチルエチルケトン 205.0部
シクロヘキサノン 135.0部
(バックコート層形成用組成物の処方)
非磁性粉末 α−酸化鉄:80.0部
平均粒子サイズ:0.15μm
平均針状比:7
BET比表面積:52m2/g
カーボンブラック:20.0部
平均粒子サイズ:20nm
塩化ビニル共重合体:13.0部
スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂:6.0部
フェニルホスホン酸:3.0部
シクロヘキサノン:155.0部
メチルエチルケトン:155.0部
ステアリン酸:3.0部
ブチルステアレート:3.0部
ポリイソシアネート:5.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(磁気テープの作製)
磁性層形成用組成物および非磁性層形成用組成物のそれぞれについて、各成分をニーダで混練した。ビーズ径1.0mmのジルコニアビーズを分散部の容積に対し65体積%充填する量を入れた横型サンドミルにポンプで通液し、2000rpm(revolution per minute)で120分間(実質的に分散部に滞留した時間)分散させた。磁性層形成用組成物に関しては、得られた分散液を1μmの孔径を有するフィルタを用いてろ過し、磁性層形成用組成物を得た。非磁性層形成用組成物に関しては、上記分散により得られた分散液を、ポリイソシアネートを6.5部、更にメチルエチルケトンを7.0部加えた後に、1μmの孔径を有するフィルタを用いてろ過し、非磁性層形成用組成物を得た。
バックコート層形成用組成物は、以下の方法により調製した。潤滑剤(ステアリン酸およびブチルステアレート)、ポリイソシアネートならびにシクロヘキサノン200.0部を除いた各成分をオープンニーダにより混練および希釈した後、横型ビーズミル分散機により、ビーズ径1.0mmのジルコニアビーズを用い、ビーズ充填率80体積%、ローター先端周速10m/秒で、1パスあたりの滞留時間を2分とし、12パスの分散処理を行った。その後、残りの成分を分散液に添加し、ディゾルバーで攪拌した。得られた分散液を1μmの孔径を有するフィルタを用いてろ過し、バックコート層形成用組成物を得た。
その後、厚み5.0μmのポリエチレンナフタレート製非磁性支持体の一方の表面上に、乾燥後の厚みが0.1μmになるように非磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させることにより、非磁性層を形成した。
その後、上記非磁性層上に乾燥後の厚みが70nmになるように磁性層形成用組成物を塗布して塗布層を形成した。この塗布層が未乾状態にあるうちに、磁場強度0.6Tの磁場を、塗布層の表面に対し垂直方向に印加し垂直配向処理を行った後、乾燥させることにより、磁性層を形成した。
その後、上記非磁性支持体の反対の表面上に、乾燥後の厚みが0.4μmになるようにバックコート層形成用組成物を塗布し乾燥させてバックコート層を形成した。
その後、金属ロールのみから構成されるカレンダで、カレンダロールの表面温度90℃かつ線圧300kg/cm(294kN/m)にて表面平滑化処理(カレンダ処理)を行った。その後、1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットし、表面研磨処理を施して磁気テープを得た。
(2)磁気記録媒体(磁気テープ)の評価
(電磁変換特性)
実施例および比較例の各磁気テープに対して、下記条件で磁気信号をテープ長手方向に記録し、磁気抵抗効果型(MR;Magnetoresistive)ヘッドで再生した。再生信号をシバソク製スペクトラムアナライザーで周波数分析し、300kfciの出力(シグナル)と、0〜600kfciの範囲で積分したノイズとを比較した。単位kfciとは、線記録密度の単位(SI単位系に換算不可)である。実施例および比較例の各磁気テープの電磁変換特性を、下記評価基準にしたがい評価した。
−記録再生条件−
記録:記録トラック幅5μm
記録ギャップ0.17μm
ヘッド飽和磁束密度Bs1.8T
再生:再生トラック幅0.4μm
シールド(shield;sh)間距離(sh−sh距離)0.08μm
記録波長:300kfci
−評価基準−
5: ノイズがほぼなく、シグナルが良好でエラーも見られない。
4: ノイズが小さく、シグナルが良好。
3: ノイズが見られる。シグナルは良好。
2: ノイズが大きく、シグナルが不明瞭。
1: ノイズとシグナルの区別ができないか、または記録できていない。
(走行耐久性)
実施例および比較例の各磁気テープ(100m長)を、リニアテスターにおいて走行速度3m/secで1000パス走行させ、磁性層表面と磁気ヘッドとを接触させ摺動させた。走行後、磁気テープの末端から磁気テープの長手方向に向かって20m、40m、60mおよび80mの4箇所において、磁性層表面の状態を光学顕微鏡(Nikon製EclipseLV150、観察倍率:50倍)で観察し、走行耐久性を下記評価基準にしたがい評価した。
−評価基準−
5:摺動痕は観察されない。
4:弱い摺動痕は観察されるものの、磁性層表面の削れには至っていない。
3:磁性層表面が削れているものの、磁性層表面が剥離または磁性層が欠落した箇所は観察されない。
2:磁性層表面が削れ、磁性層表面が剥離または磁性層が欠落した箇所が多数観察される。
1:磁性層表面全面が削り取られている。
以上の結果を、表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜13の磁気テープは、電磁変換特性の評価結果および走行耐久性の評価結果がいずれも4以上であり、電磁変換特性と走行耐久性に優れることが確認できる。
本発明の一態様は、高密度記録用磁気記録媒体の技術分野において有用である。

Claims (9)

  1. 活性化体積が800nm3以上1500nm3以下であり、
    平均板状比が2.0以上5.0以下であり、
    鉄原子100原子%に対して、希土類原子含有率が0.5原子%以上5.0原子%以下であり、アルミニウム原子含有率が10.0原子%超20.0原子%以下であり、かつ
    希土類原子表層部偏在性およびアルミニウム原子表層部偏在性を有する板状六方晶ストロンチウムフェライト粉末である磁気記録用強磁性粉末。
  2. 前記希土類原子は、ネオジム原子、サマリウム原子、イットリウム原子およびジスプロシウム原子からなる群から選ばれる一種以上の希土類原子である、請求項1に記載の磁気記録用強磁性粉末。
  3. 前記活性化体積は、800〜1250nm3の範囲である、請求項1または2に記載の磁気記録用強磁性粉末。
  4. 異方性定数Kuが2.2×105J/m3以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録用強磁性粉末。
  5. 質量磁化σsが41A・m2/kg以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録用強磁性粉末。
  6. 平均板状比が2.5以上4.6以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録用強磁性粉末。
  7. 鉄原子100原子%に対して、希土類原子含有率が0.5原子%以上4.5原子%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録用強磁性粉末。
  8. 鉄原子100原子%に対して、アルミニウム原子含有率が10.0原子%超18.0原子%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録用強磁性粉末。
  9. 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    前記強磁性粉末が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録用強磁性粉末である磁気記録媒体。
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