JP2019133786A - 圧縮装置、集電体電極シートの製造方法、集電体電極シート、および電池 - Google Patents

圧縮装置、集電体電極シートの製造方法、集電体電極シート、および電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電極の縁にそりが生じにくくする。【解決手段】圧縮装置40は、シート状の電極材料(電極シート10)を圧縮加工する集電体電極シート製造用の圧縮装置であって、各々の回転軸43a、43bが略水平であり、略同一高さに並べられた一対の圧縮ロール41a、41bと、一対の圧縮ロール41a、41bの間に電極シート10をそれぞれ下方から上方に向かって搬送する搬送手段を備え、2つの圧縮ロール41a、41bの回転軸43a、43bは、電極シート10のシート面に対して平行で、かつ、電極シート10の搬送方向Dtに対して直交しておらず、互いに逆方向に傾いている。【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮装置、その圧縮装置を用いた集電体電極シートの製造方法、その圧縮装置を用いて製造された集電体電極シート、およびその集電体電極シートから作製される電池に関する。
近年、環境問題を踏まえ、電気自動車やハイブリッド自動車への関心が高まり、その駆動源である二次電池の高エネルギー密度化、高容量化への技術的要求が一段と高まっている。
こうした二次電池用の電極は、アルミニウムや銅等の帯状の金属箔上に活物質を含むスラリを塗布・乾燥させた電極シートから作製される。活物質の塗布方法は、間欠塗工方式と連続塗工方式とに大別できる。
図9に、間欠塗工方式によって製造される集電体電極シートを示す。
間欠塗工方式は、帯状の金属箔9に、活物質等のスラリを塗布して形成する塗布領域11とスラリを塗布しない非塗布領域12とを、該金属箔9の長手方向Dxに所定の間隔で交互に形成する方式である。所定の間隔で配置された活物質の非形成部は、外部端子と電気的に接続するための引き出しタブを取り出す部位として利用される。
図10に示すように、本発明に関連する電極シートの製造方法では、主材である活物質、導電付与剤、結合材、溶剤を混合または混錬したスラリを、金属箔9の一方の面に間欠的に塗布(以下、間欠塗布と称する。)した後に、再度、金属箔9上の反対側の他方の面にも間欠塗布して、金属箔9の両面にスラリをそれぞれ塗布する(ステップS1)。次に、両面にスラリが塗布された金属箔9を図11の圧縮ローラ50によって加圧成型する(ステップS3)。その後、集電体として所望の外形寸法に切断し(ステップS5)、集電体電極シートに電極端子部を形成している。
ここで、リチウムイオン二次電池の正極活物質には、リチウム含有複合酸化物が用いられており、こうした金属酸化物粒子を主成分とする活物質層を加圧成型する場合、大きな圧力を必要とする。特に高エネルギー密度に設計された二次電池に用いる正極電極では、活物質層を高密度に圧縮する必要があるため、該加圧成型において、より大きな圧力をかけて成型されることが多い。
また、高エネルギー密度に設計された二次電池に用いる電極は、集電体である金属箔の厚さを薄く設計する傾向にある。
特開2012−216465号公報
しかしながら、このようにスラリを間欠塗布した集電体電極シートの圧縮加工をすると、2つの圧縮ロール51の間を通過する金属箔9のシートの厚さが、塗布領域11と非塗布領域12で異なるため、シートに皺がよりやすく、その結果、電極の縁にそりが生じやすくなる。
本発明の目的は、電極の縁にそりが生じにくくすることにある。
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
第一の側面は、圧縮装置に関する。第一の側面に係る圧縮装置は、シート状の電極材料を圧縮加工する集電体電極シート製造用の圧縮装置であって、
各々の回転軸が略水平であり、略同一高さに並べられた一対のロールと、
前記一対のロールの間に前記シート状の電極材料をそれぞれ下方から上方に向かって搬送する搬送手段を有し、
2つの前記ロールの回転軸は、前記シート状の電極材料のシート面に対して平行で、かつ、前記シート状の電極材料の搬送方向に対して直交しておらず、互いに逆方向に傾いている。
第二の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される集電体電極シートの製造方法に関する。第二の側面に係る集電体電極シートの製造方法は、
シート状の金属箔の両面に活物質が塗布された集電体電極シートを、一対のロールの間に通過させて、前記集電体電極シートの厚さ方向に圧縮する圧縮工程を含み、
前記一対のロールは、各々の回転軸が略水平であり、略同一高さに並べられ、
前記圧縮工程において、圧縮装置が、
前記一対のロールの間に前記シート状の電極材料をそれぞれ下方から上方に向かって搬送することを含み、
2つの前記ロールの回転軸は、前記シート状の電極材料のシート面に対して平行で、かつ、前記シート状の電極材料の搬送方向に対して直交しておらず、互いに逆方向に傾いている。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
本発明によれば、電極の縁にそりが生じにくくすることができる。
本発明の実施形態に係る集電体電極シートの圧縮装置の構成の概要を示す模式図である。 図1の圧縮装置の2つの圧縮ロールをβ方向から見た透視図である。 本発明の実施形態に係る圧縮装置の一対の圧縮ロールの角を変更する変更手段の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る圧縮装置の制御装置の構成を論理的に示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る圧縮装置の構造を説明するための概要図である。 本発明の実施形態に係る電極シートの製造システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る電極シートの製造システムの各装置を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る電池の構成の一例を示す概略図である。 活物質の両面塗布後の集電体電極シートを示す部分平面図である。 本発明の実施形態に係る集電体電極シートの製造方法の工程の一例を示すフローチャートである。 本発明の比較形態に係る、圧縮ロールを縦に重ねた構成を有する圧縮装置の概要を示す模式図である。 図11の圧縮装置の圧縮ローラを線II−IIについて集電体電極シートの長手方向から見た断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
まず、本発明の実施形態に係る集電体電極シートの製造方法の圧縮工程(図10のステップ3)において、本発明の実施形態に係る圧縮装置によって圧縮される電極シート10について説明する。図9は、図10のステップS1で活物質の両面塗布後の集電体電極シート10を示す部分平面図である。
電極シート10は、帯状の金属箔9の両面に、活物質等のスラリの塗布領域11と非塗布領域12とが長手方向Dxに間欠的に形成された構成である。なお、本発明の電極シート10において、活物質層は、間欠的に塗布されて形成されるものに限定されない。活物質層は、間欠塗工以外に、例えば、連続ストライプ塗工で形成されてもよい。
ここで、本実施形態に係る電極シート10から作製される電極は特に限定されないが、例えば、リチウムイオン一次電池やリチウムイオン二次電池等のリチウムイオン電池用電極(正極や負極)である。
以下、電極の構成について詳細に説明する。
はじめに、本実施形態に係るスラリの塗布領域11を形成する電極活物質層を構成する各成分について説明する。
電極活物質層は、電極活物質を含み、必要に応じてバインダー樹脂、導電助剤、増粘剤等を含む。本実施形態において、電極活物質は、例えば、リチウム金属複合酸化物を用いることができる。
本実施形態に係る電極活物質層に含まれる電極活物質は用途に応じて適宜選択される。正極を作製するときは正極活物質を使用し、負極を作製するときは負極活物質を使用する。
正極活物質としてはリチウムイオン電池の正極に使用可能な通常の正極活物質であれば特に限定されない。例えば、リチウム−ニッケル複合酸化物、リチウム−コバルト複合酸化物、リチウム−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン−アルミニウム複合酸化物等のリチウムと遷移金属との複合酸化物;TiS、FeS、MoS等の遷移金属硫化物;MnO、V、V13、TiO等の遷移金属酸化物、オリビン型リチウムリン酸化物等が挙げられる。
オリビン型リチウムリン酸化物は、例えば、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb、およびFeよりなる群のうちの少なくとも1種の元素と、リチウムと、リンと、酸素とを含んでいる。これらの化合物はその特性を向上させるために一部の元素を部分的に他の元素に置換したものであってもよい。
これらの中でも、オリビン型リチウム鉄リン酸化物、リチウム−ニッケル複合酸化物、リチウム−コバルト複合酸化物、リチウム−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物、リチウム−ニッケル−マンガン−アルミニウム複合酸化物、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン−アルミニウム複合酸化物が好ましい。これらの正極活物質は作用電位が高いことに加えて容量も大きく、大きなエネルギー密度を有する。
正極活物質は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質としては、リチウムイオン電池の負極に使用可能な通常の負極活物質であれば特に限定されない。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、樹脂炭、炭素繊維、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料;リチウム金属、リチウム合金等のリチウム系金属材料;シリコン、スズ等の金属材料;ポリアセン、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポリマー材料等が挙げられる。これらの中でも炭素材料が好ましく、特に天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛質材料が好ましい。
負極活物質は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
電極活物質の平均粒子径は、充放電時の副反応を抑えて充放電効率の低下を抑える点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、入出力特性や電極作製上の観点(電極表面の平滑性等)から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。ここで、平均粒径は、レーザ回折散乱法による粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒子径(メジアン径:D50)を意味する。
電極活物質の含有量は、電極活物質層の全体を100質量部としたとき、85質量部以上99.8質量部以下であることが好ましい。
本実施形態に係る電極活物質層に含まれるバインダー樹脂は用途に応じて適宜選択される。例えば、溶媒に溶解可能なフッ素系バインダー樹脂や、水に分散可能な水系バインダー等を使用することができる。
フッ素系バインダー樹脂としては電極成形が可能であり、十分な電気化学的安定性を有していれば特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、フッ素ゴム等が挙げられる。これらのフッ素系バインダー樹脂は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が好ましい。フッ素系バインダー樹脂は、例えば、N−メチル−ピロリドン(NMP)等の溶媒に溶解させて使用することができる。
水系バインダーとしては電極成形が可能であり、十分な電気化学的安定性を有していれば特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、スチレン・ブタジエン系ゴム、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。これらの水系バインダーは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、スチレン・ブタジエン系ゴムが好ましい。
なお、本実施形態において、水系バインダーとは、水に分散し、エマルジョン水溶液を形成できるものをいう。
水系バインダーを使用する場合は、さらに増粘剤を使用することができる。増粘剤としては特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;ポリカルボン酸;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸塩;ポリビニルアルコール;等の水溶性ポリマー等が挙げられる。
バインダー樹脂の含有量は、電極活物質層の全体を100質量部としたとき、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。バインダー樹脂の含有量が上記範囲内であると、電極スラリの塗工性、バインダーの結着性および電池特性のバランスがより一層優れる。
また、バインダー樹脂の含有量が上記上限値以下であると、電極活物質の割合が大きくなり、電極質量当たりの容量が大きくなるため好ましい。バインダー樹脂の含有量が上記下限値以上であると、電極剥離が抑制されるため好ましい。
本実施形態に係る電極活物質層に含まれる導電助剤としては電極の導電性を向上させるものであれば特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人工黒鉛、炭素繊維等が挙げられる。これらの導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
導電助剤の含有量は、電極活物質層の全体を100質量部としたとき、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。導電助剤の含有量が上記範囲内であると、電極スラリの塗工性、バインダーの結着性および電池特性のバランスがより一層優れる。
また、導電助剤の含有量が上記上限値以下であると、電極活物質の割合が大きくなり、電極質量当たりの容量が大きくなるため好ましい。導電助剤の含有量が上記下限値以上であると、電極の導電性がより良好になるため好ましい。
本実施形態に係る電極活物質層は、電極活物質層の全体を100質量部としたとき、電極活物質の含有量は好ましくは85質量部以上99.8質量部以下である。また、バインダー樹脂の含有量は好ましくは0.1質量部以上10.0質量部以下である。また、導電助剤の含有量は好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下である。
電極活物質層を構成する各成分の含有量が上記範囲内であると、リチウムイオン電池用電極の取扱い性と、得られるリチウムイオン電池の電池特性のバランスが特に優れる。
電極活物質層の密度は特に限定されないが、電極活物質層が正極活物質層の場合は、例えば、2.0g/cm以上4.0g/cm以下であることが好ましく、2.4g/cm以上3.8g/cm以下であることがより好ましく、2.8g/cm以上3.6g/cm以下であることがさらに好ましい。また、電極活物質層が負極活物質層の場合は、例えば、1.2g/cm以上2.0g/cm以下であることが好ましく、1.3g/cm以上1.9g/cm以下であることがより好ましく、1.4g/cm以上1.8g/cm以下であることがさらに好ましい。
電極活物質層の密度を上記範囲内とすると、高放電レートでの使用時における放電容量が向上するため好ましい。
電極活物質層の厚みは特に限定されるものではなく、所望の特性に応じて適宜設定することができる。例えば、エネルギー密度の観点からは厚く設定することができ、また出力特性の観点からは薄く設定することができる。電極活物質層の厚み(片面の厚み)は、例えば、10μm以上250μm以下の範囲で適宜設定でき、20μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上150μm以下がより好ましい。
本実施形態に係る集電体層(金属箔9)としては特に限定されないが、正極集電体層としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金等を用いることができる。その形状としては、例えば、箔、平板状、メッシュ状等が挙げられる。特にアルミニウム箔を好適に用いることができる。
また、負極集電体層としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金を用いることができる。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。特に銅箔を好適に用いることができる。
正極集電体層の厚みは特に限定されないが、例えば1μm以上30μm以下である。また、負極集電体層の厚みは特に限定されないが、例えば1μm以上20μm以下である。
はじめに、電極スラリを調製する。
電極スラリは、電極活物質と、必要に応じてバインダー樹脂と、導電助剤と、増粘剤と、を混合することにより調製することができる。電極活物質、バインダー樹脂、および導電助剤の配合比率は電極活物質層中の電極活物質、バインダー樹脂、および導電助剤の含有比率と同じため、ここでは説明を省略する。
電極スラリは、電極活物質と、必要に応じてバインダー樹脂と、導電助剤と、増粘剤と、を溶媒に分散または溶解させたものである。
各成分の混合手順は特に限定されないが、例えば、電極活物質と導電助剤とを乾式混合した後に、バインダー樹脂および溶媒を添加して湿式混合することにより電極スラリを調製することができる。
このとき、用いられる混合機としては、ボールミルやプラネタリーミキサー等の公知のものが使用でき、特に限定されない。
電極スラリに用いる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒や、水を用いることができる。
電極スラリを集電体層上に塗布する方法は、一般的に公知の方法を用いることができる。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ドクターブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法およびスクイーズ法等を挙げることができる。これらの中でも、電極スラリの粘性等の物性および乾燥性に合わせて、良好な塗布層の表面状態を得ることが可能となる点で、ドクターブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法が好ましい。
集電体層上に塗布した電極スラリの乾燥方法としては特に限定されないが、例えば、加熱ロールを用いて集電体層側または既に乾燥した電極活物質層側から電極スラリを間接的に加熱し、電極スラリを乾燥させる方法;赤外線、遠赤外線・近赤外線のヒーター等の電磁波を用いて電極スラリを乾燥させる方法;集電体層側または既に乾燥した電極活物質層側から熱風を当てて電極スラリを間接的に加熱し、電極スラリを乾燥させる方法等が挙げられる。
図6は、本発明の実施形態に係る電極シート10の製造システム1の構成例を示すブロック図である。
製造システム1は、スラリ塗布装置20と、圧縮装置40と、裁断装置60と、を備える。さらに、製造システム1の各装置を制御する制御装置を備えてもよい。
図7は、本発明の実施の形態に係る電極シートの製造システムの各装置を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
スラリ塗布装置20、圧縮装置40、および裁断装置60は、それぞれ少なくとも1つのコンピュータ100により実現される。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)102、メモリ104、メモリ104にロードされた各装置を実現するプログラム110、そのプログラム110を格納するストレージ105、I/O(Input Output)106、およびネットワーク接続用通信インタフェース(I/F)107を備える。CPU102と各要素は、バス109を介して互いに接続され、CPU102によりコンピュータ100全体が制御される。ただし、CPU102などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。を介して接続されるが、接続手段はバスに限定されない。
CPU102が、ストレージ105に記憶されるプログラム110をメモリ104に読み出して実行することにより、各装置の各機能を実現することができる。
スラリ塗布装置20、圧縮装置40、および裁断装置60は、それぞれコンピュータ100のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
プログラム110は、コンピュータ100で読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。記録媒体は特に限定されず、様々な形態のものが考えられる。また、プログラムは、記録媒体からコンピュータ100のメモリ104にロードされてもよいし、ネットワークを通じてコンピュータ100にダウンロードされ、メモリ104にロードされてもよい。
プログラム110を記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ100が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ100が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれる。プログラム110が、コンピュータ100上で実行されたとき、コンピュータ100に、各装置を実現させる電極シート10の製造方法を実行させる。
本発明の実施形態の電極シート10の製造方法は、図10で説明したように、塗布工程(S1)と、圧縮工程(S5)と、裁断工程(S6)と、を含む。本発明の実施形態に係る集電体電極シート10は、図10に示される製造方法によって製造される。
図1は、本発明の実施形態に係る電極シート10の圧縮装置40の概要を示す模式図である。図1(a)は、圧縮装置40の側面図である。図1(b)は、図1(a)のα方向から見た上面図である。図1(c)は、図1(a)のβ方向から見た正面図である。
図9の金属箔9の両面に活物質塗布領域11と非塗布領域12とが形成された電極シート10を、図1に示すように一対の圧縮ロール41a、41b(単に、圧縮ロール41とも呼ぶ)で圧縮する。電極シート10は、一対の圧縮ロール41の隙間を通過する際に圧縮されて、長手方向Dxに巻き取られる。
圧縮装置40は、各々の回転軸が略水平であり、略同一高さに並べられた一対の圧縮ロール41と、一対の圧縮ロール41の間にシート状の電極材料(電極シート10)をそれぞれ下方から上方に向かって搬送する搬送手段(不図示)を備える。
2つの圧縮ロール41a、41b(単に、圧縮ロール41とも呼ぶ)の回転軸43a、43b(単に、回転軸43とも呼ぶ)は、電極シート10のシート面に対して平行で、かつ、電極シート10の搬送方向Dtに対して直交しておらず、互いに逆方向に傾いている。
本発明の集電体電極シートの製造方法は、図10のステップS3の圧縮工程において、圧縮装置40が、一対の圧縮ロール41の間に電極シート10をそれぞれ下方から上方に向かって搬送する。そして、2つの圧縮ロール41の回転軸43は、電極シート10のシート面に対して平行で、かつ、電極シート10の搬送方向Dtに対して直交しておらず、互いに逆方向に傾いている。
図2は、略同一高さに並べられた2つの圧縮ロール41a、41bを図1のβ方向から見た透視図である。2つの圧縮ロール41a、41bは、その回転軸43aおよび43bが、互いに逆方向に傾いていて、2つの回転軸43aおよび43bのなす角θは、つまり、一方の圧縮ロール41aの回転軸43aに対する他方の圧縮ロール41bの回転軸43bの傾きの角度は、例えば、1°以上から3°以下である。
図2の例では、2つの圧縮ロール41は、互いにθ/2ずつ傾いて全体として2つの回転軸43aおよび43bのなす角がθとなっているが、これに限定されない。各圧縮ロール41の傾きの角度の割合は、例えば、θ×3/5とθ×2/5等、異なっていてもよい。
搬送手段は、特に限定されないが、一対のバックアップローラ等であり、一方の電極シートロールに巻かれている電極シート10を他方のロールに巻き取りながら牽引する。
このように構成された圧縮装置40によれば、略同一高さに並べられた2つの圧縮ロール41a、41bの間を活物質が間欠塗工された電極シート10が下方から上方に向かって搬送される際に発生する電極シート10の金属箔9の曲がりを補正することができる。その理由は、2つの圧縮ロール41の回転軸43が、電極シート10の搬送方向Dtに対して直交しておらず、互いに行方向に傾いていることにより、圧縮ロール41の柔軟性により回転軸方向の端と中央部における電極シート10にかかる圧力差を吸収し、電極シート10の歪みや、金属箔9に形成される塗布領域11の圧縮後の厚さを回転軸方向においても均一にできる。
なお、電極シート10を下方から上方に向かって搬送する理由は、電極シート10に塗布されている活物質が電極シート10から剥がれ落ちた場合に、その活物質を除去しやすいからである。
また、図11に示した比較形態に係る圧縮装置のように、2つの圧縮ロール51を高さ方向に上下に並べた場合に比較して、図1の2つの圧縮ロール41a、41bを略同一高さに並べた圧縮装置40の方が、装置の高さを略半分にすることができる。よって、圧縮ロール41のメンテナンスを行う際に、高所作業を行わずに済み、安全性および作業効率が向上する。
また、図12は、図11の圧縮ローラ50を線II−IIについて電極シートの長手方向から見た断面図である。各ロール51は、円柱形状から、研磨により端部53の中央部が突出するように湾曲した樽型形状のロール本体52を作製されている。ロールの樽型形状により、塗布領域11と非塗布領域12が金属箔9の両面に形成された電極シート10が2つのロール51間を通過するとき、ロールの回転軸方向の端部と中央部で電極シート10の厚さ方向にかかる圧力の差を吸収できる。
しかし、このロールの樽型形状は、ロールの使用するにつれ摩耗によりすり減るため、頻回にロール表面の研磨が必要であった。その上、ロールは上下に積まれているため、上側のロールの研磨作業を行うためには、一旦、ロールを下に下ろして研磨作業を行い、再びロールを上に上げて設置する必要があった。
さらに、図11の圧縮ローラ50は、2つのロール51が高さ方向に重ねて設置されているため、上側のロールの荷重が下側のロールにかかることで下側のロールの摩耗が多くなってしまう。
本実施形態の圧縮装置40によれば、2つの圧縮ロール41は横に並べて配置されているので、2つのロールは高さが同じとなり、上側のロールを下ろす作業も不要であり、他方のロールの荷重が一方のロールにかかることもない。
(第2の実施形態)
本実施形態の圧縮装置40は、各圧縮ロールの回転軸の傾きの角度を変更する変更手段をさらに有する点以外は、上記実施形態と同じである。
変更手段は、回転軸の傾きの角度θの相対値を変えることができる。
変更手段は、少なくとも一方の圧縮ロール41の傾きの角度を変更することで、回転軸の傾きの角度の相対値を変更する。
具体的には、図3に示すように、変更手段は、バランサ72と、スクリュー74と、ベンド76と、プレス78と、を含む。
バランサ72は、各圧縮ロール41の両側の軸部42の下方から各圧縮ロール41を支持する機構(不図示)に対して、2つの圧縮ロール41を略同じ高さに並べるように、そのバランスを調整する。
スクリュー74は、ベンド76およびプレス78と協働して、各圧縮ロール41の回転軸43の傾きを調整する。スクリュー74は、一方の圧縮ロール41aを中心軸の中心方向に向かって押圧する。スクリュー74は、例えば、ネジ機構を有し、ネジの回転を調整することで、一方の圧縮ロール41aの軸部42を外側に当接する位置(中心軸からの距離)を調整する。
ベンド76は、2つの圧縮ロール41の間に設けられ、2つの圧縮ロール41の軸部42の内側にそれぞれ当接し、2つの圧縮ロール41の間隔を調整する。2つの圧縮ロール41の間は、塗布領域11が間欠塗布された金属箔9のシートが通過する際に、シートをその厚さ方向に圧縮するように距離が調整される。
プレス78は、他方の圧縮ロール41bを中心軸の中心方向に向かって押圧する。プレス78は、例えば、油圧シリンダであり、他方の圧縮ロール41bの軸部42を外側に当接する位置(中心軸からの距離)を調整する。
変更手段は、バランサ72、スクリュー74、ベンド76、およびプレス78のそれぞれの調整を行う機能を実現する変更部113(図4)を含む。変更部113は、コンピュータ100(図7)によって実現される制御装置112に含まれる。
制御装置112は、コンピュータ100のCPU102が、プログラム110をストレージ105からメモリ104に読み出して実行することにより、バランサ72、スクリュー74、ベンド76、およびプレス78のそれぞれを制御する変更部113の機能を実現する。
プログラム110は、コンピュータ100に、回転軸の傾きの角度θの相対値を変える手順を実行させるように記述されている。
図4は、制御装置112の構成を論理的に示す機能ブロック図である。
さらに、制御装置112は、変更部113が変更する角度を、累積時間に応じて設定する設定部114を含む。
設定部114は、変更部113が変更する角度を、累積時間が所定値を超えると小さく設定する。この構成は、圧縮ロール41の使用期間が長くなるにつれ、圧縮ロール41が摩耗するためである。よって累積時間が所定値を超えると、設定角度を小さく変更することで、圧縮ロール41の摩耗による2つの圧縮ロール41の回転軸同士の位置のずれを調整することができる。角度の変更は、自動的に行われてもよいし、作業員に変更後の数値を提示(例えば、ディスプレイに表示)し、作業員による確認操作又は調整操作を受け付けた後、変更されてもよい。
また、設定部114は、変更部113が変更する角度を、累積時間が所定値を超えると大きく設定する。この構成は、圧縮時に発生する熱を放熱することが困難な場合に、圧縮ロール41の使用時間が長くなると圧縮ロール41に熱による変形が生じてくることがあるためである。よって累積時間が所定値を超えると、角度を大きく変更することで、圧縮ロール41の熱変形による2つの圧縮ロール41の回転軸同士の位置のずれを調整することができる。角度の変更は、自動的に行われてもよいし、作業員に変更後の数値を提示(例えば、ディスプレイに表示)し、作業員による確認操作又は調整操作を受け付けた後、変更されてもよい。
設定部114は、コンピュータ100(図7)によって実現される制御装置112に含まれる。制御装置112は、コンピュータ100のCPU102が、プログラム110をストレージ105からメモリ104に読み出して実行することにより、変更部113が変更する角度を、累積時間に応じて設定する設定部114の機能を実現する。
プログラム110は、コンピュータ100に、変更する手順により変更される角度を、累積時間に応じて設定する手順を実行させるように記述されている。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、制御装置によってバランサ72、スクリュー74、ベンド76、およびプレス78を制御することで、回転軸の傾きの角度θの相対値を変えることができるので、現場で圧縮ロール41を研磨する等の作業が不要となり、効率がよい。
(第3の実施形態)
図5は、本実施形態の圧縮装置40の構造を説明するための概要図である。本実施形態の圧縮装置40は、さらに、電極シート10を搬送する搬送手段が回転ロール80を含む点以外は、上記実施形態と同様である。
回転ロール80は、一対の圧縮ロール41の間を通過して電極シート10が排出される側に搬送方向Dtに対して直交に設けられる。回転ロール80は、搬送方向Dtに向かってその中央部が突出する方向に湾曲可能である。回転ロール80は、円柱形状を有し、弾性および柔軟性を有する。回転ロール80を形成する弾性および柔軟性を有する部材としては、例えば、ゴム等が考えられる。
回転ロール80の中央部が突出する方向に湾曲可能な構成を有することにより、一対の圧縮ロール41の間を通過した後に電極シート10に生じる皺(図中、ハッチングで示す)を、回転ロール80の湾曲部で解消することができる。
さらに、圧縮装置40は、回転ロール80の湾曲率を調整する調整手段(不図示)をさらに備えてもよい。湾曲率の調整は、例えば、回転ロール80を回転させたまま、電極シート10に対する湾曲部分の当たり方を調整することで行う。具体的には、以下の方法が例示されるが、これらに限定されるものではない。
(1)圧縮ロール41と回転ロール80と、さらに搬送方向の下流側にあるロール(不図示)とのそれぞれの位置関係(水平方向の距離や鉛直方向の高低差)を変更する。
(2)回転ロール80の湾曲部分の突出方向の角度を電極シート10の搬送方向に対して上向き(立てる)、又は、下向き(寝かせる)に変更する。
(3)(1)と(2)の組み合わせ。
上記調整を行うことで、例えば、回転ロール80と電極シート10との接触角度(回転ロール80の中心軸に対して垂直な面上で、回転ロール80の中心軸を頂点として回転ロール80の表面上の接触範囲を示す円弧の内角の角度)や、回転ロール80の湾曲部分への電極シート10の当たり具合を調整できる。
本実施形態によれば、搬送方向Dtに向かってその中央部が突出する方向に湾曲可能な回転ロール80を備えることで、電極シート10の搬送時に生じる皺を湾曲部分により解消することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、上記実施形態の製造方法により作製された電極シート10を用いて電池を製造することができる。
本発明の電極の製造方法は、金属箔等の厚さの薄い集電体上に活物質層を形成し、乾燥後に圧縮、裁断する工程(図10)を経て電極を作製する場合に生じる集電体のバリの発生を抑制した電池等電気化学デバイスの組み立てを実施することができ、特性が良好な電池等電気化学デバイスを提供することが可能となる。
図8は、本発明の実施の形態に係る電池150の構成の一例を示す概略図である。
本実施形態に係る電池は、上記実施形態で説明した電極シート10から作製される電極を備える。以下、本実施形態に係る電池について、電池がリチウムイオン電池の積層型電池150である場合を代表例として説明する。
積層型電池150は、正極121と負極126とが、セパレータ120を介して交互に複数層積層された電池要素を備えており、これらの電池要素は電解液(図示せず)とともに可撓性フィルム140からなる容器に収納されている。電池要素には正極端子131および負極端子136が電気的に接続されており、正極端子131および負極端子136の一部または全部が可撓性フィルム140の外部に引き出されている構成になっている。
正極121には正極集電体層123の表裏に、正極活物質の塗布部(正極活物質層122)と未塗布部がそれぞれ設けられており、負極126には負極集電体層128の表裏に、負極活物質の塗布部(負極活物質層127)と未塗布部が設けられている。
正極集電体層123における正極活物質の未塗布部を正極端子131と接続するための正極タブ130とし、負極集電体層128における負極活物質の未塗布部を負極端子136と接続するための負極タブ125とする。
正極タブ130同士は正極端子131上にまとめられ、正極端子131とともに超音波溶接等で互いに接続され、負極タブ125同士は負極端子136上にまとめられ、負極端子136とともに超音波溶接等で互いに接続される。そのうえで、正極端子131の一端は可撓性フィルム140の外部に引き出され、負極端子136の一端も可撓性フィルム140の外部に引き出されている。
正極活物質の塗布部(塗布領域11)(正極活物質層122)と未塗布部(非塗布領域12)の境界部124には、必要に応じて絶縁部材を形成することができ、当該絶縁部材は境界部124だけでなく、正極タブ130と正極活物質の双方の境界部付近に形成することができる。
負極活物質の塗布部(負極活物質層127)と未塗布部の境界部129にも同様に、必要に応じて絶縁部材を形成することができ、負極タブ125と負極活物質の双方の境界部付近に形成することができる。
通常、負極活物質層127の外形寸法は正極活物質層122の外形寸法よりも大きく、セパレータ120の外形寸法よりも小さい。
(リチウム塩を含有する非水電解液)
本実施形態に用いるリチウム塩を含有する非水電解液は、電極活物質の種類やリチウムイオン電池の用途等に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
具体的なリチウム塩の例としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、CFSOLi、CHSOLi、LiCSO、Li(CFSON、低級脂肪酸カルボン酸リチウム等を挙げることができる。
リチウム塩を溶解する溶媒としては、電解質を溶解させる液体として通常用いられるものであれば特に限定されるものではなく、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC),ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ビニレンカーボネート(VC)等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類;アセトニトリル、ニトロメタン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素溶媒;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の有機酸エステル類;リン酸トリエステルやジグライム類;トリグライム類;スルホラン、メチルスルホラン等のスルホラン類;3−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、ナフタスルトン等のスルトン類等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(容器)
本実施形態において容器には公知の部材を用いることができ、電池の軽量化の観点からは可撓性フィルム140を用いることが好ましい。可撓性フィルム140は、基材となる金属層の表裏面に樹脂層が設けられたものを用いることができる。金属層には電解液の漏出や外部からの水分の侵入を防止する等のバリア性を有するものを選択することができ、アルミニウム、ステンレス鋼等を用いることができる。金属層の少なくとも一方の面には変性ポリオレフィン等の熱融着性の樹脂層が設けられ、可撓性フィルム140の熱融着性の樹脂層同士を電池要素を介して対向させ、電池要素を収納する部分の周囲を熱融着することで外装体を形成する。熱融着性の樹脂層が形成された面と反対側の面となる外装体表面にはナイロンフィルム、ポリエステルフィルム等の樹脂層を設けることができる。
(端子)
本実施形態において、正極端子131にはアルミニウムやアルミニウム合金で構成されたもの、負極端子136には銅や銅合金あるいはそれらにニッケルメッキを施したもの等を用いることができる。それぞれの端子は容器の外部に引き出されるが、それぞれの端子における外装体の周囲を熱溶着する部分に位置する箇所には熱融着性の樹脂をあらかじめ設けることができる。
(絶縁部材)
活物質の塗布部と未塗布部の境界部124、129に絶縁部材を形成する場合には、ポリイミド、ガラス繊維、ポリエステル、ポリプロピレンあるいはこれらを構成中に含むものを用いることができる。これらの部材に熱を加えて境界部124、129に溶着させるか、または、ゲル状の樹脂を境界部124、129に塗布、乾燥させることで絶縁部材を形成することができる。
(セパレータ)
本実施形態に係るセパレータ120は、耐熱性樹脂を主成分として含む樹脂層を備えることが好ましい。
ここで、上記樹脂層は主成分である耐熱性樹脂により形成されている。ここで、「主成分」とは、樹脂層中における割合が50質量%以上であることを言い、好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよいことを意味する。
本実施形態に係るセパレータ120を構成する樹脂層は、単層であっても、二種以上の層であってもよい。
上記樹脂層を形成する耐熱性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、フッ素系樹脂、ポリエーテルニトリル、変性ポリフェニレンエーテル等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、耐熱性や機械的強度、伸縮性、価格等のバランスに優れる観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミドおよび全芳香族ポリエステルから選択される一種または二種以上が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミドおよび半芳香族ポリアミドから選択される一種または二種以上がより好ましく、ポリエチレンテレフタレートおよび全芳香族ポリアミドから選択される一種または二種以上がさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
本実施形態に係るセパレータ120を構成する樹脂層は多孔性樹脂層であることが好ましい。これにより、リチウムイオン電池に異常電流が発生し、電池の温度が上昇した場合等に多孔性樹脂層の微細孔が閉塞して電流の流れを遮断することができ、電池の熱暴走を回避することができる。
上記多孔性樹脂層の空孔率は、機械的強度およびリチウムイオン伝導性のバランスの観点から、20%以上80%以下が好ましく、30%以上70%以下がより好ましく、40%以上60%以下が特に好ましい。
空孔率は、下記式から求めることができる。
ε={1−Ws/(ds・t)}×100
ここで、ε:空孔率(%)、Ws:目付(g/m2)、ds:真密度(g/cm3)、t:膜厚(μm)である。
本実施形態に係るセパレータ120の平面形状は、特に限定されず、電極や集電体の形状に合わせて適宜選択することが可能であり、例えば、矩形とすることができる。
本実施形態に係るセパレータ120の厚みは、機械的強度およびリチウムイオン伝導性のバランスの観点から、好ましくは5μm以上50μm以下である。
以上、説明したように、本実施形態によれば、上記実施形態の製造方法により作製された電極シート10を用いて電池を製造することができる。
本発明の電極シート10によれば、金属箔等の厚さの薄い集電体上に活物質層を間欠塗布により形成し、乾燥後に圧縮、裁断する工程(図10)を経て電極を作製する場合に、圧縮工程で生じる集電体電極シート10の縁のそりの発生を抑制、もしくは縁にそりの発生した電極シートの使用を未然に防止した電池等の電気化学デバイスの組み立てを実施することができ、特性が良好な電池等の電気化学デバイスを提供することが可能となる。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1 製造システム
9 金属箔
10 電極シート
11 塗布領域
12 非塗布領域
20 スラリ塗布装置
40 圧縮装置
41 圧縮ロール
42 軸部
43 回転軸
50 圧縮ローラ
51 圧縮ロール
52 ロール本体
53 端部
60 裁断装置
72 バランサ
74 スクリュー
76 ベンド
78 プレス
80 回転ロール
100 コンピュータ
102 CPU
104 メモリ
105 ストレージ
109 バス
110 プログラム
112 制御装置
113 変更部
114 設定部
120 セパレータ
121 正極
122 正極活物質層
123 正極集電体層
124 境界部
125 負極タブ
126 負極
127 負極活物質層
128 負極集電体層
129 境界部
130 正極タブ
131 正極端子
136 負極端子
140 可撓性フィルム
150 電池

Claims (14)

  1. シート状の電極材料を圧縮加工する集電体電極シート製造用の圧縮装置であって、
    各々の回転軸が略水平であり、略同一高さに並べられた一対のロールと、
    前記一対のロールの間に前記シート状の電極材料をそれぞれ下方から上方に向かって搬送する搬送手段を備え、
    2つの前記ロールの回転軸は、前記シート状の電極材料のシート面に対して平行で、かつ、前記シート状の電極材料の搬送方向に対して直交しておらず、互いに逆方向に傾いている圧縮装置。
  2. 請求項1に記載の圧縮装置において、
    一方の前記ロールの回転軸に対する他方の前記ロールの回転軸の傾きの角度は、1°以上から3°以下である、圧縮装置。
  3. 請求項1又は2に記載の圧縮装置において、
    前記回転軸の傾きの角度の相対値を変える変更手段をさらに備える圧縮装置。
  4. 請求項3に記載の圧縮装置において、
    前記変更手段が変更する前記角度を、累積時間に応じて設定する設定手段をさらに備える圧縮装置。
  5. 請求項4に記載の圧縮装置において、
    前記設定手段は、前記変更手段が変更する前記角度を、前記累積時間が所定値を超えると小さく設定する圧縮装置。
  6. 請求項4に記載の圧縮装置において、
    前記設定手段は、前記変更手段が変更する前記角度を、前記累積時間が所定値を超えると大きく設定する圧縮装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の圧縮装置において、
    前記搬送手段は、前記シート状の前記電極材料を搬送する回転ロールを含み、
    前記回転ロールは、前記一対のロールの間を通過して前記シート状の前記電極材料が排出される側に前記搬送方向に対して直交に設けられ、
    前記回転ロールは、前記搬送方向に向かってその中央部が突出する方向に湾曲可能である圧縮装置。
  8. 請求項7に記載の圧縮装置において、
    前記回転ロールの湾曲率を調整する調整手段をさらに備える圧縮装置。
  9. 請求項1から8いずれか一項に記載の圧縮装置において、
    前記シート状の前記電極材料は、シート状の金属箔の両面に活物質を含むスラリを塗布した塗布領域と、前記スラリを塗布しない非塗布領域とが、前記金属箔の長手方向に間欠的に交互に形成されたものである、圧縮装置。
  10. シート状の金属箔の両面に活物質が塗布された集電体電極シートを、一対のロールの間に通過させて、前記集電体電極シートの厚さ方向に圧縮する圧縮工程を含み、
    前記一対のロールは、各々の回転軸が略水平であり、略同一高さに並べられ、
    前記圧縮工程において、圧縮装置が、
    前記一対のロールの間に前記シート状の電極材料をそれぞれ下方から上方に向かって搬送し、
    2つの前記ロールの回転軸は、前記シート状の電極材料のシート面に対して平行で、かつ、前記シート状の電極材料の搬送方向に対して直交しておらず、互いに逆方向に傾いている、集電体電極シートの製造方法。
  11. 請求項10に記載の集電体電極シートの製造方法において、
    前記集電体電極シートは、前記金属箔の両面に前記活物質を含むスラリを塗布した塗布領域と、前記スラリを塗布しない非塗布領域とが、前記金属箔の長手方向に間欠的に交互に形成される、集電体電極シートの製造方法。
  12. 請求項1から9のいずれか一項に記載の圧縮装置を用いて圧縮加工される集電体電極シート。
  13. 請求項12に記載の集電体電極シートにおいて、
    前記集電体電極シートは、シート状の金属箔の両面に活物質を含むスラリを塗布した塗布領域と、前記スラリを塗布しない非塗布領域とが、前記金属箔の長手方向に間欠的に交互に形成された後、前記圧縮装置を用いて圧縮加工される、集電体電極シート。
  14. 請求項13に記載の集電体電極シートを用いて製造された電池。
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