JP2019123790A - 水性樹脂分散体、水性塗料及び塗装物 - Google Patents

水性樹脂分散体、水性塗料及び塗装物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐衝撃性に優れた塗膜が得られる水性塗料の材料として好適な、貯蔵安定性に優れる水性樹脂分散体、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる水性塗料、及び耐衝撃性に優れた塗膜を有する塗装物の提供。【解決手段】ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II)を含む重合体粒子が水性媒体に分散した水性樹脂分散体であって、前記アクリル重合体(II)の水酸基価が25〜100mgKOH/gであり、酸価が0.5〜25mgKOH/gであり、かつガラス転移温度が−10℃以下である水性樹脂分散体を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、水性樹脂分散体、該水性樹脂分散体を含む水性塗料、及び該水性塗料で塗装された塗装物に関する。
従来、塗料分野においては、環境保全、安全衛生の面から、有機溶剤系の塗料から水性塗料への変換が図られている。
しかし、水性塗料は有機溶剤系の塗料に比べて貯蔵安定性や、塗膜外観、塗膜強度、耐候性、耐水性、耐溶剤性、耐汚染性等の塗膜性能に劣るという課題があり、これらの問題を解決した水性塗料の開発が行われている。特に近年では、これらの塗膜性能に加えて、優れた耐衝撃性を兼ね備えた塗膜を形成できる、より高度な水性塗料が求められている。
これら種々の課題を解決するための水性塗料の材料として、性質の異なる樹脂を含む複合樹脂の水分散体が提案されている。例えば、特許文献1〜3には、ウレタン重合体とアクリル重合体とを含む重合体粒子の水性樹脂分散体が開示されている。これらの水性樹脂分散体を含む水性塗料より形成された塗膜は、ウレタン重合体が有する柔軟性、強靭性、耐溶剤性、耐摩耗性及び低温乾燥性等の特性と、アクリル重合体が有する耐候性、耐加水分解性及び高光沢等の特性とを併せ持つ。
特開2008−088429号公報 特表平10−507483号公報 特開平10−298491号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の水性樹脂分散体は、貯蔵安定性に劣っている。 また、特許文献1〜3に記載の水性樹脂分散体を含む水性塗料より形成された塗膜は、耐衝撃性が不十分である。
このように、特許文献1〜3に記載の水性樹脂分散体では、水性塗料の課題である貯蔵安定性と耐衝撃性の両方を解決するには至っていない。
本発明は、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる水性塗料の材料として好適な、貯蔵安定性に優れる水性樹脂分散体、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる水性塗料、及び耐衝撃性に優れた塗膜を有する塗装物を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II)を含む重合体粒子が水性媒体に分散した水性樹脂分散体であって、前記アクリル重合体(II)の水酸基価が25〜100mgKOH/gであり、酸価が0.5〜25mgKOH/gであり、かつガラス転移温度が−10℃以下である、水性樹脂分散体。
[2] 下記工程(a)及び工程(b)を経て得られる、[1]に記載の水性樹脂分散体。
工程(a):水性媒体及び前記ウレタン重合体(I)の存在下で、アクリル系単量体成分(II−1)を重合し、前記ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II−1)を含む重合体混合物(P)の分散液を得る工程。
工程(b):水性媒体及び前記重合体混合物(P)の存在下で、アクリル系単量体成分(II−2)を重合し、前記ウレタン重合体(I)、及び前記アクリル重合体(II−1)とアクリル重合体(II−2)とで構成された前記アクリル重合体(II)を含む重合体混合物(Q)の分散液を得る工程。
[3] 前記アクリル重合体(II)が、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a1)由来の構成単位をさらに含む、[1]又は[2]に記載の水性樹脂分散体。
[4] [1]〜[3]のいずれか1つに記載の水性樹脂分散体を含む、水性塗料。
[5] 硬化剤をさらに含む、[4]に記載の水性塗料。
[6] 前記ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II)以外の樹脂をさらに含む、[4]又は[5]に記載の水性塗料。
[7] [4]〜[6]のいずれか1つに記載の水性塗料より形成された塗膜を有する、塗装物。
本発明によれば、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる水性塗料の材料として好適な、貯蔵安定性に優れる水性樹脂分散体、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる水性塗料、及び耐衝撃性に優れた塗膜を有する塗装物を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下の明細書において、本発明の水性樹脂分散体を含む水性塗料より形成された塗膜を単に「塗膜」という。
また、「質量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算によって算出した値を意味する。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
[水性樹脂分散体]
本発明の水性樹脂分散体(A)は、以下に示すウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II)を含む重合体粒子が水性媒体に分散した分散体である。水性樹脂分散体(A)が、ウレタン重合体(I)を含むことで塗膜の強靭性や成膜性が向上し、アクリル重合体(II)を含むことで塗膜の吸水性が低下する。その結果、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる。該塗膜は、耐水性にも優れる傾向にある。
ウレタン重合体(I)とアクリル重合体(II)の質量比は、これらの合計を100としたときに、ウレタン重合体(I)/アクリル重合体(II)=(10〜90)/(10〜90)であることが好ましく、(20〜80)/(20〜80)であることがより好ましく、(20〜60)/(40〜80)であることがさらに好ましく、(20〜50)/(50〜80)であることが特に好ましい。ウレタン重合体(I)とアクリル重合体(II)の質量比が上記範囲内であれば、塗膜の耐衝撃性と耐水性のバランスが良好となる。
水性樹脂分散体(A)に含まれる重合体粒子の平均粒子径は、10〜1000nmであることが好ましく、30〜500nmであることがより好ましく、50〜400nmであることがさらに好ましく、70〜300nmであることが特に好ましい。重合体粒子の平均粒子径が上記範囲内であれば、塗膜の成膜性が向上する。
なお、重合体粒子の平均粒子径は、光散乱光度計により計測したキュムラント平均粒子径(D50)を意味する。
水性樹脂分散体(A)の固形分濃度は、10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。水性樹脂分散体(A)の固形分濃度が上記範囲内であれば、水性塗料とする際の粘度調整や、最終固形分を調整しやすくなる。
水性媒体としては、例えば、水、または水を主体とするアルコール性溶媒が挙げられ、好ましくは水である。
<ウレタン重合体(I)>
ウレタン重合体(I)は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる樹脂である。すなわち、ウレタン重合体(I)は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物である。
ポリオールは、1分子中に少なくとも2つの水酸基を有する有機化合物であり、各種のポリオールを用いることができる。
このようなポリオールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の低分子量ポリオール;前記低分子量ポリオールの少なくとも一種と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等とを付加重合させて得られるポリエーテルジオール;前記低分子量ポリオールの少なくとも1種と、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸とを重縮合して得られるポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリエーテルポリオール;その他、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリアクリル酸エステルポリオールなどが挙げられる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネートは、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する有機化合物であり、各種のポリイソシアネートを用いることができる。
このようなポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、得られるウレタン重合体(I)の黄変を抑制できる観点から、黄変脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが好ましい。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン重合体(I)の製造方法としては、例えば、ジオキサン等のエーテル中で、上述のポリオールとポリイソシアネートとを、ジブチル錫ジラウレート等の触媒を用いて反応させる方法が挙げられる。
ウレタン重合体(I)の質量平均分子量は、塗膜の耐水性及び塗膜強度が向上する観点から、500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。また、ウレタン重合体(I)の質量平均分子量は、50万以下であることが好ましく、10万以下であることがより好ましい。
ウレタン重合体(I)は、水性樹脂分散体(A)を製造するに際して、水性媒体に分散した状態で用いることが好ましく、水に分散した状態で用いることがより好ましい。特に、カルボキシ基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有するウレタン重合体(I)は、水への分散性が良好となることから好適である。その中でも特に、スルホン酸基を有するウレタン重合体(I)が好ましい。詳しくは後述するが、スルホン酸基を有するウレタン重合体(I)の水分散液の存在下でラジカル重合性単量体を重合してアクリル重合体(II)を製造すれば、重合安定性が向上する。
ウレタン重合体(I)の水分散液を用いる場合、該水分散液中のウレタン重合体(I)の平均粒子径は、塗膜の耐水性が向上する観点から、10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましい。また、ウレタン重合体(I)の平均粒子径は、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。
また、ウレタン重合体(I)の水分散液中のウレタン重合体(I)の含有量は、水性樹脂分散体(A)の固形分濃度が10〜80質量%であることが好ましいことから、10質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましい。一方、水性樹脂分散体(A)を含む水性塗料が良好な塗装性を発現するという観点から、ウレタン重合体(I)の水分散液中のウレタン重合体(I)の含有量は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
ウレタン重合体(I)の水分散液としては、市販のウレタン水性重合体分散液をそのまま用いることができる。ウレタン水性重合体分散液は、別名「ウレタンディスパージョン」、略称「PUD」と呼ばれるものである。市販のPUDとしては、例えば、第一工業製薬株式会社製の商品名:スーパーフレックス110、スーパーフレックス150、スーパーフレックス210、スーパーフレックス300、スーパーフレックス420、スーパーフレックス460、スーパーフレックス470、スーパーフレックス500M、スーパーフレックス620、スーパーフレックス650、スーパーフレックス740、スーパーフレックス820、スーパーフレックス840、F−8082D;住化コベストロウレタン株式会社製の商品名:バイヒドロールUH2606、バイヒドロールUH650、バイヒドロールUHXP2648、バイヒドロールUHXP2650、インプラニールDLE、インプラニールDLC−F、インプラニールDLN、インプラニールDLN−W50、インプラニールDLP−R、インプラニールDLS、インプラニールDLU、インプラニールXP2611、インプラニールLP RSC 1380、インプラニールLP RSC 1537、インプラニールLP RSC 1554、インプラニールLP RSC 3040;DIC株式会社製の商品名:ハイドランHW−301、HW−310、HW−311、HW−312B、HW−333、HW−340、HW−350、HW−375、HW−920、HW−930、HW−940、HW−950、HW−970、AP−10、AP−20、ECOS3000;三洋化成工業株式会社製の商品名:ユーコートUWS−145、パーマリンUA−150、パーマリンUA−200、パーマリンUA−300、パーマリンUA−310、ユーコートUX−320、パーマリンUA−368、パーマリンUA−385、ユーコートUX−2510;日華化学株式会社製の商品名:ネオステッカー100C、エバファノールHA−107C、エバファノールHA−50C、エバファノールHA−170、エバファノールHA−560;株式会社ADEKA製の商品名:アデカボンタイターUHX−210、アデカボンタイターUHX−280などが挙げられる。
<アクリル重合体(II)>
アクリル重合体(II)は、(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位を含む重合体である。
アクリル重合体(II)は、(メタ)アクリル系単量体以外のラジカル重合性単量体由来の構成単位を含んでいてもよい。ラジカル重合性単量体は、ラジカル性重合性基を有する単量体である。ラジカル性重合性基とは、ラジカル重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合、ラジカル重合可能な炭素−炭素不飽和三重結合、ラジカル開環重合可能な環などを含む基である。
アクリル重合体(II)は、後述する水酸基含有ラジカル重合性単量体(a1)由来の構成単位を含むことが好ましい。アクリル重合体(II)が水酸基含有ラジカル重合性単量体(a1)由来の構成単位を含むことで、塗膜の耐衝撃性がより向上する。
また、アクリル重合体(II)は、後述する酸基含有ラジカル重合性単量体(a2)由来の構成単位をさらに含むことが好ましい。アクリル重合体(II)が酸基含有ラジカル重合性単量体(a2)由来の構成単位を含むことで、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性がより向上すると共に、塗膜の耐衝撃性と耐水性のバランスが良好となる。
また、アクリル重合体(II)は、後述するその他のラジカル重合性単量体(a3)由来の構成単位をさらに含んでいてもよい。
(物性)
アクリル重合体(II)の水酸基価は、25〜100mgKOH/gであり、40〜100mgKOH/gであることが好ましく、40〜80mgKOH/gであることがより好ましい。アクリル重合体(II)の水酸基価が、20mgKOH/g以上であれば塗膜の耐衝撃性が向上し、100mgKOH/g以下であれば水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性が向上する。
なお、アクリル重合体(II)の水酸基価は、アクリル重合体(II)溶液の固形分1g中の水酸基を無水酢酸でアセチル化し、アセチル化に伴って生成した酢酸を中和するのに要した水酸化カリウムのmg数を滴定にて測定して求められる値であり、具体的には下記式(ii)より求められる。
水酸基価(mgKOH/g)=(f1×M1/M2/Mw1×[KOH]×1000) ・・・(ii)
(式(ii)中、f1は水酸基含有ラジカル重合性単量体の水酸基の数であり、M1は水酸基含有ラジカル重合性単量体の質量(g)であり、M2はアクリル重合体(II)の質量(g)であり、Mw1は水酸基含有ラジカル重合性単量体の分子量(数平均分子量)であり、[KOH]は水酸化カリウムの分子量である。)
アクリル重合体(II)の酸価は、0.5〜25mgKOH/gであり、1〜20mgKOH/gであることが好ましく、5〜20mgKOH/gであることがより好ましい。アクリル重合体(II)の酸価が上記範囲内であれば、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性が向上する。特に、アクリル重合体(II)の酸価が0.5mgKOH/g以上であれば、塗膜の耐衝撃性が向上する。
なお、アクリル重合体(II)の酸価は、アクリル重合体(II)溶液の固形分1gを中和するのに要した水酸化カリウムのmg数を滴定にて測定して求められる値であり、具体的には下記式(iii)より求められる。
酸価(mgKOH/g)=(f2×M3/M2/Mw2×[KOH]×1000) ・・・(iii)
(式(iii)中、f2は酸基含有ラジカル重合性単量体の酸性基の数であり、M3は酸基含有ラジカル重合性単量体の質量(g)であり、M2はアクリル重合体(II)の質量(g)であり、Mw2は酸基含有ラジカル重合性単量体の分子量(数平均分子量)であり、[KOH]は水酸化カリウムの分子量である。ここで、酸性基とは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基のことである。)
アクリル重合体(II)のガラス転移温度は、−10℃以下である。アクリル重合体(II)のガラス転移温度が−10℃以下であれば、塗膜の柔軟性及び成膜性が向上し、耐水性及び耐衝撃性が向上する。塗膜の耐衝撃性がより向上する観点から、アクリル重合体(II)のガラス転移温度は、−20℃以下であることが好ましい。また、塗膜の耐水性がより向上する観点から、アクリル重合体(II)のガラス転移温度は、−80℃以上であることが好ましく、−70℃以上であることがより好ましく、−60℃以上であることがさらに好ましい。
なお、アクリル重合体(II)のガラス転移温度は、下記式(i)で表されるFoxの計算式により求められる値をいう。
1/(273+Tg)=Σ(W/(273+Tg)) ・・・(i)
(式(i)中、Wは単量体iの質量分率を示し、Tgは単量体iの単独重合体のTg(℃)を示す。ここで、各単量体の単独重合体のガラス転移温度は、ポリマーハンドブック第4版(POLYMER HANDBOOK Fourth Edition),John Wiley & Sons, Inc.(1999)に記載されている値を使用することができる。)
(水酸基含有ラジカル重合性単量体(a1))
水酸基ラジカル重合性単量体(a1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性がより向上する観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(酸基含有ラジカル重合性単量体(a2))
酸基含有ラジカル重合性単量体(a2)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシ基含有ラジカル重合性単量体;2−メタクロイロキシエチルアシッドフォスフェート等のリン酸基含有ラジカル重合性単量体;スチレンスルホン酸塩等のスルホン酸塩含有ラジカル重合性単量体などが挙げられる。これらの中でも、重合安定性及び水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性がより向上する観点から、カルボキシ基含有ラジカル重合性単量体が好ましく、その中でも特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(その他のラジカル重合性単量体(a3))
その他のラジカル重合性単量体(a3)としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ) アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ) アクリレート等の多官能性(メタ) アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有ラジカル重合性単量体;メトキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート等のアルキル基末端型ポリアルキレンオキシド基含有ラジカル重合性単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のオキシラン基含有ラジカル重合性単量体;ダイアセトンアクリルアミド等のカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート等の光安定化作用を有する(メタ)アクリレート;2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性成分を有する(メタ)アクリレート;2−アミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ラジカル重合性単量体;ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等の金属含有ラジカル重合性単量体;(メタ)アクリロニトリル、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等のその他の(メタ)アクリル系単量体;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン等のラジカル重合性単量体などが挙げられる。これらの中でも、塗膜の耐衝撃性がより向上する観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレートが好ましく、その中でも特にn−ブチルアクリレートが好ましい。また、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性と塗膜の耐水性のバランスが良好となる観点から、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどのメタクリレートが好ましく、その中でも特にi−ブチルメタクリレートが好ましい。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<水性樹脂分散体(A)の製造方法>
本発明の水性樹脂分散体(A)は、例えば、下記工程(a)及び工程(b)を経て得られるものであることが好ましい。
工程(a):水性媒体及びウレタン重合体(I)の存在下で、アクリル系単量体成分(II−1)を重合し、ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II−1)を含む重合体混合物(P)の分散液を得る工程。
工程(b):水性媒体及び重合体混合物(P)の存在下で、アクリル系単量体成分(II−2)を重合し、ウレタン重合体(I)、及びアクリル重合体(II−1)とアクリル重合体(II−2)とで構成されたアクリル重合体(II)を含む重合体混合物(Q)の分散液を得る工程。
上記工程(a)及び工程(b)を経て得られる水性樹脂分散体(A)は、ウレタン重合体(I)、及びアクリル重合体(II−1)とアクリル重合体(II−2)とで構成されたアクリル重合体(II)を含む重合体粒子(重合体混合物(Q))が水性媒体に分散した分散体である。
アクリル重合体(II)を構成するアクリル重合体(II−1)とアクリル重合体(II−2)の質量比は、これらの合計を100としたときに、アクリル重合体(II−1)/アクリル重合体(II−2)=(40〜95)/(5〜60)であることが好ましく、(50〜95)/(5〜50)であることがより好ましく、(60〜95)/(5〜40)であることがさらに好ましく、(70〜95)/(5〜30)であることが特に好ましい。アクリル重合体(II−1)とアクリル重合体(II−2)の質量比が上記範囲内であれば、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性がより向上する。加えて、塗膜の耐衝撃性と耐水性のバランスが良好となる。
なお、上記方法により得られる水性樹脂分散体(A)においては、ウレタン重合体(I)の存在下にアクリル系単量体成分(II−1)がどのように重合しているか、特定することは困難である。例えば、アクリル系単量体成分(II−1)はウレタン重合体(I)に含侵した状態で重合するものと、ウレタン重合体(I)に含侵せずに重合するものとがある。すなわち、アクリル重合体(II−1)としては、ウレタン重合体(I)に含侵しているものと、ウレタン重合体(I)に含侵していないものとが存在する。さらに、ウレタン重合体(I)に含侵したアクリル重合体(II−1)と、含侵していないアクリル重合体(II−1)の分子量や構成単位の割合等を特定することも困難である。
また、重合体混合物(P)の存在下に、アクリル系単量体成分(II−2)がどのように重合しているか、特定することも困難である。例えば、アクリル重合体(II−2)としては、アクリル重合体(II−1)に結合したものと、アクリル重合体(II−1)に結合していないものとが存在する。さらに、アクリル重合体(II−1)に結合したアクリル重合体(II−2)と、結合していないアクリル重合体(II−2)の分子量や構成単位の割合等を特定することも困難である。
(工程(a))
工程(a)は、水性媒体及びウレタン重合体(I)の存在下で、アクリル系単量体成分(II−1)を重合し、ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II−1)を含む重合体混合物(P)の分散液を得る工程である。
アクリル重合体(II−1)は、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性、塗膜の耐衝撃性及び耐水性のバランスが良好となる観点から、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a1)由来の構成単位を含むことが好ましい。
また、アクリル重合体(II−1)は、塗膜の耐衝撃性がより向上する観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のその他のラジカル重合性単量体(a3)由来の構成単位を含むことが好ましい。これらの中でも、少なくともn−ブチルアクリレート由来の構成単位を含むことがより好ましい。
すなわち、アクリル系単量体成分(II−1)は、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a1)、及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のその他のラジカル重合性単量体(a3)を含むことが好ましく、ラジカル重合性単量体(a1)及びn−ブチルアクリレートを含むことがより好ましい。
工程(a)において、アクリル系単量体成分(II−1)の重合は、通常、後述する重合開始剤を加えて行われる。その際、予めウレタン重合体(I)とアクリル系単量体成分(II−1)とを撹拌して、アクリル系単量体成分(II−1)をウレタン重合体(I)に含浸させておくことが好ましい。
この含浸工程は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではないが、ウレタン重合体(I)へのアクリル系単量体成分(II−1)の含浸性、及びウレタン重合体(I)の安定性が向上する観点から、25〜95℃の温度条件で、1分間〜24時間撹拌することが好ましい。また、25〜90℃で5分間〜10時間撹拌することがより好ましく、25〜80℃で10分間〜5時間撹拌することがさらに好ましく、25〜70℃で30分間〜3時間撹拌することが特に好ましい。
上述のような含浸工程を実施することにより、まずアクリル系単量体成分(II−1)がウレタン重合体(I)内に含浸する。その後、重合が開始されることで、ウレタン重合体(I)の内部でアクリル系単量体成分(II−1)が重合し、ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II−1)を含む重合体粒子(重合体混合物(P))が水性媒体に分散した分散液が得られる。
重合開始剤を加える際のウレタン重合体(I)とアクリル系単量体成分(II−1)の温度は、例えば用いる重合開始剤の10時間半減期温度を考慮して決定すればよいが、通常は、10〜90℃であることが好ましく、20〜80℃であることがより好ましい。レドックス開始剤と組み合わせる場合は、上記範囲よりさらに低い温度で行ってもよい。
工程(a)では、重合開始剤と後述する還元剤とを組み合わせて用いてもよい。また、アクリル重合体(II−1)の分子量を調整する目的で後述する分子量調整剤を用いてもよいし、後述する界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤を用いれば、アクリル系単量体成分(II−1)の重合安定性が向上し、重合時の凝集物を低減できる。さらに、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
アクリル重合体(II−1)のガラス転移温度は、0℃以下であることが好ましく、−10℃以下であることがより好ましく、−20℃以下であることがさら好ましい。また、アクリル重合体(II−1)のガラス転移温度は、−80℃以上であることが好ましく、−70℃以上であることがより好ましく、−60℃以上であることがさらに好ましい。アクリル重合体(II−1)のガラス転移温度が、0℃以下であれば塗膜の耐衝撃性がより向上し、−80℃以上であれば塗膜の耐水性が向上する。
なお、アクリル重合体(II−1)のガラス転移温度は、前記式(i)で表されるFoxの計算式により求められる。
アクリル重合体(II−1)の水酸基価は、30〜120mgKOH/gであることが好ましく、50〜100mgKOH/gであることがより好ましく、50〜80mgKOH/gであることがさらに好ましい。アクリル重合体(II−1)の水酸基価が上記範囲内であれば、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性、塗膜の耐衝撃性及び耐水性のバランスが良好となる。
なお、アクリル重合体(II−1)の水酸基価は、前記式(ii)より求められる。
(工程(b))
工程(b)は、水性媒体及び重合体混合物(P)の存在下で、アクリル系単量体成分(II−2)を重合し、ウレタン重合体(I)、アクリル重合体(II−1)及びアクリル重合体(II−2)を含む重合体混合物(Q)の分散液を得る工程である。
アクリル重合体(II−2)は、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性、塗膜の耐衝撃性及び耐水性のバランスが良好となる観点から、酸基含有ラジカル重合性単量体(a2)由来の構成単位を含むことが好ましい。
また、アクリル重合体(II−2)は、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性と塗膜の耐水性のバランスが良好となる観点から、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート等のその他のラジカル重合性単量体(a3)由来の構成単位を含むことが好ましい。これらの中でも、少なくともi−ブチルメタクリレート由来の構成単位を含むことがより好ましい。
すなわち、アクリル系単量体成分(II−2)は、酸基含有ラジカル重合性単量体(a2)、及びメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート等のその他のラジカル重合性単量体(a3)を含むことが好ましく、酸基含有ラジカル重合性単量体(a2)及びi−ブチルメタクリレートを含むことがより好ましい。
工程(b)において、重合体混合物(P)の分散液にアクリル系単量体成分(II−2)を加える方法としては、本発明の効果を損なわない限り限定されず、例えば、アクリル系単量体成分(II−2)のみを連続的に滴下する手法、界面活性剤を含む水性媒体にアクリル系単量体成分(II−2)を乳化分散させたプレ乳化液を滴下する手法、アクリル系単量体成分(II−2)のみを一括で投入する手法などが挙げられる。これらの中でも、重合安定性が向上することから、界面活性剤を含む水性媒体にアクリル系単量体成分(II−2)を乳化分散させたプレ乳化液を滴下する手法が好ましい。
工程(b)において、アクリル系単量体成分(II−2)の重合は、通常、後述する重合開始剤を加えて行われる。
なお、工程(b)では、後述する還元剤、分子量調整剤等を用いてもよい。
アクリル重合体(II−1)のガラス転移温度は、−20℃以上であることが好ましく、0℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることがさらに好ましい。また、アクリル重合体(II−2)のガラス転移温度は、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることがさらに好ましい。アクリル重合体(II−2)のガラス転移温度が−20℃以上であれば、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性、塗膜の耐衝撃性及び耐水性のバランスが良好となる。アクリル重合体(II−2)のガラス転移温度が120℃以下であれば、塗膜の耐衝撃性がより向上する。
なお、アクリル重合体(II−2)のガラス転移温度は、前記式(i)で表されるFoxの計算式により求められる。
アクリル重合体(II−2)の酸価は、0.5〜200mgKOH/gであることが好ましく、5〜150mgKOH/gであることがより好ましく、10〜150mgKOH/gであることがさらに好ましい。アクリル重合体(II−2)の酸価が上記範囲内であれば、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性、塗膜の耐衝撃性及び耐水性のバランスが良好となる。
なお、アクリル重合体(II−1)の酸価は、前記式(iii)より求められる。
工程(b)で得られた重合体混合物(Q)の分散液をそのまま水性樹脂分散体(A)として用いてもよいが、分散液に後述する塩基性化合物を添加し、分散液のpHを中性領域から弱アルカリ性領域、具体的にはpH6.5〜11.0程度に調整することが好ましい。分散液のpHを調整することで、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性がより向上する。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、一般的にラジカル重合に使用されるものが使用可能であり、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物;2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]及びその塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)及びその塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}及びその塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)及びその塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]及びその塩等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物などが挙げられる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
工程(a)において用いる重合開始剤の量は、アクリル系単量体成分(II−1)100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましい。このうち、重合の進行や反応の制御を考慮に入れると、0.005〜10質量部であることがより好ましい。また、最終的な塗膜の高分子量化により耐衝撃性と耐水性のバランスがより良好となる観点から0.005〜1質量部であることがさらに好ましい。また、重合体混合物(P)及び重合体混合物(Q)を製造する際の粗粒率を低減させるという観点から、0.005〜0.5質量部であることがさらに好ましく、0.005〜0.2質量部であることが特に好ましく、0.005〜0.09質量部であることが最も好ましい。
ここで、「粗粒率」とは、重合中に生成した重合体が合一などを起こし、平均粒子径が1μmを超える粗粒子になったものの割合を意味する。粗粒率は、例えば、粒子径分布の測定や、目開きが1μmのメッシュで分取した粗粒子の質量を測定することによって、計測することができる。
工程(b)において用いる重合開始剤の量は、アクリル系単量体成分(II−2)100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましい。このうち、重合の進行や反応の制御を考慮に入れると、0.02〜5質量部であることがより好ましい。
(還元剤)
還元剤としては、例えば、10時間半減期温度が70℃以下である2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]及びその塩等の水溶性アゾ化合物、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸塩、イソアスコルビン酸、ロンガリットなどが挙げられる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤と還元剤との組合せとしては、重合の進行、また、塗膜の耐水性の点から、重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物と、還元剤として硫酸第一鉄、イソアスコルビン酸塩との組み合わせが好ましい。
(分子量調整剤)
分子量調整剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤などが挙げられる。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸カリウム、ラウリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルアリル燐酸エステル等の非反応性界面活性剤;アルキルアリルスルホコハク酸塩(例えば三洋化成工業株式会社製の商品名:エレミノール(登録商標)JS−2、花王株式会社製の商品名:ラテムル(登録商標)S−180A、S−180等)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(例えば、第一工業製薬株式会社製の商品名:アクアロン(登録商標)HS−10、HS−5、BC−10、BC−5等)、α−スルホ−ω−(1−(ノニルフェノキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)アンモニウム塩(例えば、株式会社ADEKA製の商品名:アデカリアソープ(登録商標)SE−10、SE−1025A等)、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(例えば、第一工業製薬株式会社製の商品名:アクアロン(登録商標)KH−10等)、α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)アンモニウム塩(例えば、株式会社ADEKA製の商品名:アデカリアソープ(登録商標)SR−10、SR−1025等)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム塩(例えば、花王株式会社製の商品名:ラテムル(登録商標)PD−104等)等の反応性界面活性剤などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等の非反応性界面活性剤などが挙げられる。
ノニオン性界面活性としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピルブロックポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非反応性界面活性剤;α−ヒドロ−ω−(1−アルコキシメチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)(例えば、株式会社ADEKA製の商品名:アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40等)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(例えば、第一工業製薬株式会社製の商品名:アクアロンRN−20、RN−30、RN−50等)、ポリオキシアルキルアルケニルエーテル(例えば、花王株式会社製の商品名:ラテムルPD−420、PD−430、PD−450等)等の反応性界面活性剤などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、それぞれ1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、重合安定性、水性樹脂分散体(A)の貯蔵安定性、及び塗膜の耐水性のバランスの観点からアニオン性界面活性剤を用いることが好ましく、その中でも特に反応性界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤の使用量は、アクリル重合体(II)100質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜2質量部であることがより好ましく、0.2〜1質量部であることがさらに好ましい。
(塩基性化合)
塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。これらの中でも、水性樹脂分散体(A)の安定性が向上する観点から、アミン系の化合物が好ましく、2−ジメチルアミノエタノールを用いることが好ましい。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の水性樹脂分散体(A)は、上述したウレタン重合体(I)及アクリル重合体(II)を含むので、貯蔵安定性に優れる。また、本発明の水性樹脂分散体(A)を用いれば、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる。
本発明の水性樹脂分散体(A)は、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる水性塗料の材料として好適である。
[水性塗料]
本発明の水性塗料は、上述した本発明の水性樹脂分散体(A)を含む。
水性塗料は、硬化剤(B)や、ウレタン重合体(I)及アクリル重合体(II)以外の樹脂(C)を含むことが好ましい。また、水性塗料は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて任意成分をさらに含んでいてもよい。
水性樹脂分散体(A)と硬化剤(B)と樹脂(C)との質量比は、これらの合計を100としたときに、固形分換算で、水性樹脂分散体(A)/硬化剤(B)/樹脂(C)=(5〜60)/(5〜90)/(5〜80)であることが好ましく、(5〜30)/(30〜90)/(5〜50)であることがより好ましい。水性樹脂分散体(A)と硬化剤(B)と樹脂(C)との質量比が上記範囲内であれば、塗膜の耐衝撃性と耐水性のバランスが良好となる。
<硬化剤(B)>
硬化剤(B)としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポリカルボジイミド化合物などが挙げられる。
アミノ樹脂は、アミノ基を含有する化合物にホルムアルデヒドを付加し縮合させた樹脂の総称であり、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂又はグアナミン樹脂などが挙げられる。
硬化剤(B)としては、塗膜物性のバランスに優れる観点から、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物が好ましい。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
メラミン樹脂としては、例えば、アルキルエーテル化したアルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましく、メトキシ基及びブトキシ基の少なくとも一方で置換されたメラミン樹脂がより好ましい。具体的には、ダイセル・オルネクス株式会社製の商品名:サイメル202、サイメル204、サイメル211、サイメル232、サイメル235、サイメル236、サイメル238、サイメル251、サイメル254、サイメル266、サイメル267、サイメル285、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370;三井化学株式会社製の商品名:ユーバン20N60、ユーバン20SE等の市販品が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族−脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイソシアネート類;ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、水素化されたTDI(HTDI)、水素化されたXDI(H6XDI)、水素化されたMDI(H12MDI)等の水素添加ジイソシアネート類;これらジイソシアネート類のアダクト体及びヌレート体などが挙げられる。
ブロックポリイソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、例えば、ブタノール等のアルコール類、メチルエチルケトオキシム等のオキシム類、ε−カプロラクタム類等のラクタム類、アセト酢酸ジエステル等のジケトン類、イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、m−クレゾール等のフェノール類などによりブロックしたものが挙げられる。
<樹脂(C)>
樹脂(C)は、ウレタン重合体(I)及アクリル重合体(II)以外の樹脂であり、例えば、アクリル系樹脂(ただし、アクリル重合体(II)を除く)、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(ただし、ウレタン重合体(I)を除く)、アクリルシリコーン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド樹脂等の他の重合体分散液樹脂及び水溶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、水酸基を含む樹脂が好ましく、水酸基を含むアクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂がより好ましい。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂(C)のガラス転移温度は、0℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。樹脂(C)のガラス転移温度が上記下限値以上であれば、塗膜の耐衝撃性と耐水性のバランスが良好となる。
なお、樹脂(C)のガラス転移温度は、前記式(i)で表されるFoxの計算式により求められる。
<任意成分>
任意成分としては、顔料、樹脂ビーズ、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、硬化触媒、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤、可塑剤、溶剤等の各種添加剤などが挙げられる。
顔料としては、例えば、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料などが挙げられ、それぞれ1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料などが挙げられる。
体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトなどが挙げられる。
光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料などが挙げられる。
溶剤としては、水性塗料に通常用いられているものを使用することができ、例えば、炭素原子数5〜14の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族アルコール;芳香族基を含有するアルコール;一般式HO−(CHCHRO)−R(Rは炭素原子数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、pは5以下の整数である。)で表される(ポリ)エチレングリコール、又は(ポリ)プロピレングリコール等のモノエーテル;一般式RCOO−(CHCHRO)−R(R、Rは炭素原子数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、qは5以下の整数である。)で表される(ポリ)エチレングリコールエーテルエステル、又は(ポリ)プロピレングリコールエーテルエステル;トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのモノ又はジイソブチレート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノールアセテート、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールアセテート等が挙げられる。
これらの中でも、炭素原子数5〜14の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族アルコールが好ましく、炭素数7〜14のアルコール系疎水性溶媒がより好ましく、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルコール系疎水性溶媒が特に好ましい。
これらは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明の水性塗料は、本発明の水性樹脂分散体(A)を含むので、耐衝撃性に優れた塗膜を形成できる。
[塗装物]
本発明の塗装物は、上述した本発明の水性塗料より形成された塗膜を有する。
塗膜は、例えば基体の表面に本発明の水性塗料を塗布し、乾燥することで得られる。
<基体>
基体としては特に制限されないが、例えば、鉄、アルミニウム等の金属基材;各種プラスチック等の有機基材;ガラスやセメントモルタル等の無機基板;天然皮革;合成皮革;繊維などが挙げられる。本発明の水性塗料は、特に、鉄、アルミニウム等の金属基材の塗装用として好適である。
<塗膜の形成方法>
本発明の水性塗料を基体の表面に塗布する方法としては、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装、ローラーコート塗装、バーコート塗装、エアナイフコート塗装、刷毛塗り塗装、ディッピング塗装等の各種塗装法が挙げられる。
水性塗料の塗布量は、乾燥後の塗膜の厚さが0.1〜100μmとなる量が好ましい。
基体の表面に塗布した水性塗料を乾燥することで塗膜が形成する。水性塗料の乾燥は、0℃〜40℃の常温付近で行ってもよく、それ以上の温度に加熱してもよい。成膜性が向上する観点から乾燥温度は40〜200℃が好ましい。
水性塗料を加熱乾燥によって成膜する場合は、「ワキ」等の塗膜欠陥の発生を防止する観点から、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒート、あるいはエアブロー等を行うことが好ましい。これらの中でも、より速く成膜できる観点から、プレヒートを行うことがより好ましい。プレヒートの温度は、40〜100℃であることが好ましく、50〜90℃であることがより好ましく、60〜80℃であることがさらに好ましい。また、プレヒートを行う時間は、30秒間〜15分間程度であることが好ましく、1〜10分間であることがより好ましく、2〜5分間であることがさらに好ましい。
加熱乾燥は、既知の手段により水性塗料を加熱すればよい。加熱手段としては、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の加熱炉を使用することができる。加熱温度は40〜200℃であることが好ましく、60〜180℃であることがより好ましく、80〜160℃であることがさらに好ましい。加熱時間は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば特に制限されるものではないが、10〜60分間程度であることが好ましく、20〜40分間程度であることがより好ましい。
<作用効果>
以上説明した本発明の塗装物は、本発明の水性塗料より形成された塗膜を有するので、優れた耐衝撃性を有する。
本発明の塗装物の具体例としては、例えば、乗用車・トラック・オートバイ・バスの内外装、建材、建物内外装、窓枠、窓ガラス、構造部材、板材、機械装置や物品の外装、橋梁、ガードレール、テント、ビニールハウス、ブラインド、屋根材、住宅設備、鋼製家具、機能性繊維などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例における「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。また、実施例及び比較例における各種測定及び評価は、以下に示す方法で行った。
[測定・評価]
<平均粒子径の測定>
水性樹脂分散体(A)に含まれる重合体粒子の平均粒子径は、光散乱光度計(大塚電子株式会社製、商品名:濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000)を用いて室温下(25℃)にて測定を行い、キュムラント解析により算出した。
<貯蔵安定性の評価>
各例で得られた水性樹脂分散体(A)をガラス瓶に封入し、40℃の雰囲気下で1ヶ月間貯蔵した。貯蔵前後における水性樹脂分散体(A)の粘度を、B型粘度計を用い、測定温度25℃、ローター回転数60rpmの条件で測定し、下記式(iv)より粘度変化率を求め、以下の評価基準に従って貯蔵安定性を評価した。
粘度変化率=貯蔵後の粘度/貯蔵前の粘度×100 ・・・(iv)
<<評価基準>>
「○」:粘度変化率が50〜150%。
「△」:粘度変化率が30%以上、50%未満、又は150%超、200%以下。
「×」:粘度変化率が30%未満、又は200%超。
<耐衝撃性の評価>
各例で得られた水性塗料を一点穴あきダル鋼板(電着及び中塗り塗装品、三木コーティング株式会社製)にバーコーター#48を用いて塗布し、150℃で20分間乾燥し、鋼板上に塗膜が形成された塗板を得た。得られた塗板を耐衝撃性の評価用塗板とした。
評価用塗板を用いて、JIS K 5600−5−3(耐おもり落下性試験)に準拠し評価した。試験の種類はデュポン式を採用し、直径1/2インチの撃ち型と受け台を用い、1000gの重りを5〜50cmの間で5cmごとに高さを変えて、塗膜の上に落とした。それぞれ衝撃面における塗膜の割れ、剥がれの有無を確認し、割れ、剥がれが生じなかった重りの高さに基づき、以下の評価基準に従って耐衝撃性を評価した。
<<評価基準>>
「◎」:高さが45cm以上。
「○」:高さが35cm以上、45cm未満。
「△」:高さが25cm以上、35cm未満。
「×」:高さが25cm未満。
[樹脂(C)]
<製造例1:樹脂(C1)の調製>
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、及び滴下ポンプを備えたフラスコに、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)26.9部と、表1に示すラジカル重合性単量体混合物1を6.6部と、連載移動剤としてα−メチルスチレンダイマー0.73部とを仕込み、フラスコの内温を144℃に昇温した。
続いて、表1に示すラジカル重合性単量体混合物2を83.4部と、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日油株式会社製、商品名:パーブチルI)1.2部とを3時間かけて滴下した。滴下中は内温を144℃に維持した。
続いて、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日油株式会社製、商品名:パーブチルI)0.05部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05部とからなる重合開始剤溶液0.1部を投入した。
続いて、表1に示すラジカル重合性単量体混合物3を10部と、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日油株式会社製、商品名:パーブチルI)0.2部とを1時間かけて滴下した。滴下中は内温を144℃に維持した。
続いて、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日油株式会社製、商品名:パーブチルI)0.05部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05部とからなる重合開始剤溶液0.1部を投入した。
続いて、内温を120℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン1.98部を0.25時間かけて滴下した。次いで、内温を80℃まで冷却し、脱イオン水93部を0.5時間かけて滴下した。その後、室温(25℃)まで冷却し、樹脂(C1)を得た。樹脂(C1)の固形分は45%であった。
Figure 2019123790
[実施例1]
<水性樹脂分散体(A1)の調製>
(工程(a))
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置及び滴下ポンプを備えたフラスコに、ウレタン重合体(I)としてポリエーテル系ウレタン重合体(住化コベストロウレタン株式会社製、商品名:インプラニールDLE、固形分50%)85.72部(固形分42.86部)と、脱イオン水189部と、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a1)として2−ヒドロキシエチルメタクリレート13.2部、及びその他のラジカル重合性単量体(a3)としてn−ブチルアクリレート72.52部からなるアクリル系単量体成分(II−1)を仕込み、フラスコを40℃に昇温した。その後、重合開始剤として、t−ブチルヒドロパーオキサイド水溶液(日油株式会社製、商品名:パーブチルH69、固形分69%)0.014部と、還元剤として硫酸第一鉄0.0002部と、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)0.00027部と、イソアスコルビン酸ナトリウム一水和物0.016部と、脱イオン水1部とを添加した。引き続き、重合発熱によるピークトップ温度を確認後、フラスコの内温を75℃に昇温し、ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II−1)を含む重合体粒子(重合体混合物(P))が水に分散した分散液を得た。
アクリル系単量体成分(II−1)の組成、アクリル重合体(II−1)のガラス転移温度、水酸基価及び酸価を表2に示す。なお、ガラス転移温度は前記式(i)より求め、水酸基価は前記式(ii)より求め、酸価は前記式(iii)より求めた。
(工程(b))
次いで、工程(a)得られた重合体混合物(P)の分散液に、酸基含有ラジカル重合性単量体(a2)としてメタクリル酸0.3部、及びその他のラジカル重合性単量体(a3)としてi−ブチルメタクリレート13.98部からなるアクリル系単量体成分(II−2)と、アニオン界面活性剤(株式会社ADEKA製、商品名:アデカリアソープ(登録商標)SR−1025、固形分25%)1.4部(固形分0.35部)と、脱イオン水6.0部とを含むプレ乳化液、及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム(株式会社ADEKA製、商品名:APS)0.05部と、脱イオン水14.0部とを含む重合開始剤水溶液を1時間かけて並列滴下した。プレ乳化液及び重合開始剤水溶液の滴下中はフラスコの内温を75℃に保持し、滴下が終了してから75℃で1.5時間保持した。その後、反応液を40℃まで冷却し、塩基性化合物として2−ジメチルアミノエタノール0.32部と、脱イオン水5.0部とを添加し、ウレタン重合体(I)、及びアクリル重合体(II−1)とアクリル重合体(II−2)とで構成されたアクリル重合体(II)を含む重合体粒子(重合体混合物(Q))が水に分散した分散液を得た。この分散液を水性樹脂分散体(A1)とした。水性樹脂分散体(A1)の固形分は35%であった。なお、アクリル重合体(II−1)とアクリル重合体(II−2)の質量比は、アクリル重合体(II−1)/アクリル重合体(II−2)=85.72/14.28であった。
アクリル系単量体成分(II−2)の組成、アクリル重合体(II−2)のガラス転移温度、水酸基価及び酸価を表2に示す。なお、ガラス転移温度は前記式(i)より求め、水酸基価は前記式(ii)より求め、酸価は前記式(iii)より求めた。
また、水性樹脂分散体(A1)に含まれる重合体粒子(重合体混合物(Q))の平均粒子径を測定した。結果を表2に示す。
さらに、水性樹脂分散体(A1)について、貯蔵安定性を評価した。結果を表2に示す。
[実施例2〜5、比較例1〜5]
<水性樹脂分散体(A2)〜(A10)の調製>
アクリル系単量体成分(II−1)及びアクリル系単量体成分(II−2)の配合組成を表2、3に示すように変更した以外は、実施例1の水性樹脂分散体(A1)の調製と同様にして、水性樹脂分散体(A2)〜(A10)を調製した。各種測定結果及び評価結果を表2、3に示す。
なお、表2、3中の各成分の配合量は固形分量であり、ウレタン重合体(I)/アクリル重合体(II)で表される質量比は、固形分換算での質量比である。
Figure 2019123790
Figure 2019123790
表2、3中の略号は以下の通りである。
・DLE:ウレタン重合体(I)の水分散液(住化コベストロウレタン株式会社製、商品名:インプラニールDLE、固形分50%)
・HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(転移温度(Tg):55℃)
・HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(Tg:−20℃)
・BA:n−ブチルアクリレート(Tg:−45℃)
・MMA:メチルメタクリレート(Tg:105℃)
・MAA:メタクリル酸(Tg:185℃)
・iBMA:i−ブチルメタクリレート(Tg:48℃)
表2の結果より、実施例1〜5で得られた水性樹脂分散体(A1)〜(A5)は、貯蔵安定性に優れていた。
一方、表3の結果より、水酸基価が100mgKOH/gより高いアクリル重合体(II)を含む水性樹脂分散体(A8)の場合(比較例3)、貯蔵安定性に劣っていた。
[実施例6]
水性樹脂分散体(A1)21.5部(固形分7.525部)と、硬化剤(B)としてメラミン樹脂(ダイセル・オルネクス株式会社製、商品名:サイメル350)22.5部と、樹脂(C1)100部(固形分45部)と、顔料分散溶液として二酸化チタン含有水性カラー(日本ピグメント株式会社製、商品名:WT−9004ホワイト)200部と、溶剤として2−エチル−1−ヘキサノール6部とを混合し、水性塗料を調製した。
得られた水性塗料を用いて評価用塗板を作製し、耐衝撃性を評価した。結果を表4に示す。
[実施例7〜10、比較例6〜10]
水性樹脂分散体(A)の種類と配合量を表4、5に示すように変更した以外は、実施例6と同様にして水性塗料を調製し、得られた水性塗料を用いて評価用塗板を作製し、耐衝撃性を評価した。結果を表4、5に示す。
なお、表4、5中の分散体(A)/硬化剤(B)/樹脂(C)で表される質量比は、固形分換算での質量比である。
Figure 2019123790
Figure 2019123790
表4の結果より、水性樹脂分散体(A1)〜(A5)のいずれかを含む実施例6〜10で得られた水性塗料は、耐衝撃性に優れた塗膜を形成できた。
一方、表5の結果より、水酸基価が25mgKOH/g未満であるアクリル重合体(II)を含む水性樹脂分散体(A6)、(A7)の場合、塗膜の耐衝撃性に劣っていた(比較例6、7)。
酸価が0.5mgKOH/g未満であるアクリル重合体(II)を含む水性樹脂分散体(A9)の場合、塗膜の耐衝撃性に劣っていた(比較例9)。
ガラス転移温度が−10℃より高いアクリル重合体(II)を含む水性樹脂分散体(A10)の場合、塗膜の耐衝撃性に劣っていた(比較例10)。
本発明の水性樹脂分散体は、耐衝撃性に優れた塗膜が得られる水性塗料の材料として好適である。

Claims (7)

  1. ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II)を含む重合体粒子が水性媒体に分散した水性樹脂分散体であって、
    前記アクリル重合体(II)の水酸基価が25〜100mgKOH/gであり、酸価が0.5〜25mgKOH/gであり、かつガラス転移温度が−10℃以下である、水性樹脂分散体。
  2. 下記工程(a)及び工程(b)を経て得られる、請求項1に記載の水性樹脂分散体。
    工程(a):水性媒体及び前記ウレタン重合体(I)の存在下で、アクリル系単量体成分(II−1)を重合し、前記ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II−1)を含む重合体混合物(P)の分散液を得る工程。
    工程(b):水性媒体及び前記重合体混合物(P)の存在下で、アクリル系単量体成分(II−2)を重合し、前記ウレタン重合体(I)、及び前記アクリル重合体(II−1)とアクリル重合体(II−2)とで構成された前記アクリル重合体(II)を含む重合体混合物(Q)の分散液を得る工程。
  3. 前記アクリル重合体(II)が、水酸基含有ラジカル重合性単量体(a1)由来の構成単位をさらに含む、請求項1又は2に記載の水性樹脂分散体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性樹脂分散体を含む、水性塗料。
  5. 硬化剤をさらに含む、請求項4に記載の水性塗料。
  6. 前記ウレタン重合体(I)及びアクリル重合体(II)以外の樹脂をさらに含む、請求項4又は5に記載の水性塗料。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の水性塗料より形成された塗膜を有する、塗装物。
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