JP2019119769A - 水不溶性成形体の製造方法及び水不溶性成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料であるポリアニオン性多糖類本来の特性が保持されているとともに、安全性が高く、医療用材料、食品用材料、及び化粧品用材料等として有用な、水による膨潤率が低い水不溶性成形体を簡便に製造する方法を提供する。【解決手段】ポリアニオン性多糖類の水溶性塩からなる原料成形体を、前記原料成形体の形状を維持したまま水不溶して水不溶性成形体を得る水不溶性成形体の製造方法である。原料成形体を、酸無水物を含有する第1の処理液及び第2の処理液に順次接触させて複数回水不溶化処理し、膨潤率160%以下の水不溶性成形体を得る工程を有し、第1の処理液に比して第2の処理液の疎水性が高い。【選択図】なし

Description

本発明は、水不溶性成形体の製造方法、及び水不溶性成形体に関する。
ヒアルロン酸やアルギン酸等のポリアニオン性多糖類は、適度な粘性、粘着性、保湿性、及び生体適合性を示すことが知られている。このため、これらのポリアニオン性多糖類及びその塩は、医療用材料、食品用材料、及び化粧品用材料等の原材料として幅広く用いられている。
なかでもヒアルロン酸は、保水性などの特徴的な物性に優れているとともに、安全性及び生体適合性が高いことから、食品、化粧品、及び医薬品等の様々な用途に利用されている。例えば医療分野では、ヒアルロン酸は関節潤滑剤や癒着防止材の原料などに利用されている。但し、原料となるヒアルロン酸ナトリウムは水溶性が高いため、用途によっては何らかの水不溶化処理を施す必要がある。
これまで、カルボキシ基を利用した架橋反応によりヒアルロン酸ナトリウムを水不溶化させる方法について種々検討されている。例えば、特許文献1には、カルボジイミドを用いた架橋反応により、ヒアルロン酸やカルボキシメチルセルロース等のポリアニオン性多糖類の非水溶性誘導体を製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、粉末状ヒアルロン酸と無水酢酸とを濃硫酸の存在下で反応させてアセチル化することが記載されている。さらに、特許文献3には、アルコールを含む酸性の液を用いてヒアルロン酸ゲルを製造する方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は化学架橋剤を用いる方法であるため、医薬品等の人体に付与される用途等の安全性を考慮する場合には適用が困難な場合が多い。また、特許文献2には、得られたヒアルロン酸のアセチル化物の水不溶性の程度については一切記載されていない。さらに、特許文献3に記載の方法で得られるヒアルロン酸ゲルは多量の水分を含むため、持ち上げることも難しい。このため、成形体の形状を維持したまま不溶化することは困難である。
一方、化学架橋剤を用いることなく、ポリアニオン性多糖類本来の特性が保持された水不溶性成形体を簡便に製造すべく、ヒアルロン酸等の水溶性塩からなる原料成形体を酸無水物で処理して水不溶化する方法が提案されている(特許文献4)。
特表2003−518167号公報 特開平8−53501号公報 特開平5−58881号公報 国際公開第2015/029892号
特許文献4で提案された方法によれば、実質的に取り扱い可能な水不溶性成形体を比較的簡便に製造することが可能であった。しかしながら、得られる水不溶性成形体の水による膨潤率を低く抑えることは困難であった。水による膨潤率が比較的高い水不溶性成形体は、強度や形状保持日数など、要求される物性が用途によっては不十分となる場合がある。このため、ポリアニオン性多糖類本来の特性が保持された、膨潤率の低い水不溶性成形体を簡便に製造する方法が要望されていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、原料であるポリアニオン性多糖類本来の特性が保持されているとともに、安全性が高く、医療用材料、食品用材料、及び化粧品用材料等として有用な、水による膨潤率が低い水不溶性成形体を簡便に製造する方法を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、原料であるポリアニオン性多糖類本来の特性が保持されているとともに、安全性が高く、医療用材料、食品用材料、及び化粧品用材料等として有用な、水による膨潤率が低い水不溶性成形体を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、以下に示す水不溶性成形体の製造方法が提供される。
[1]ポリアニオン性多糖類の水溶性塩からなる原料成形体を、前記原料成形体の形状を維持したまま水不溶して水不溶性成形体を得る水不溶性成形体の製造方法であって、前記原料成形体を、酸無水物をそれぞれ含有する第1の処理液及び第2の処理液に順次接触させて複数回水不溶化処理し、膨潤率160%以下の水不溶性成形体を得る工程を有し、前記第1の処理液に比して前記第2の処理液の疎水性が高い水不溶性成形体の製造方法。
[2]前記原料成形体の形状が、膜状、塊状、繊維状、棒状、管状、粉末状、粒子状、又はスポンジ状である前記[1]に記載の水不溶性成形体の製造方法。
[3]前記ポリアニオン性多糖類が、ヒアルロン酸、カルボキシアルキルセルロース、アルギン酸、及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]又は[2]に記載の水不溶性成形体の製造方法。
[4]前記酸無水物が、無水酢酸及び無水プロピオン酸の少なくともいずれかである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の水不溶性成形体の製造方法。
[5]前記第1の処理液及び前記第2の処理液が、水及び水溶性有機溶媒の少なくともいずれかの媒体をさらに含有する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の水不溶性成形体の製造方法。
[6]前記水溶性有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及びテトラヒドロフランからなる群より選択される少なくとも一種である前記[5]に記載の水不溶性成形体の製造方法。
[7]前記第1の処理液に比して、前記第2の処理液の前記水の含有量が少ない前記[5]又は[6]に記載の水不溶性成形体の製造方法。
[8]前記第1の処理液に比して、前記第2の処理液の前記酸無水物の含有量が多い前記[1]〜[7]のいずれかに記載の水不溶性成形体の製造方法。
[9]前記原料成形体を前記第1の処理液及び第2の処理液のそれぞれとともに袋状容器内に封入し、加熱して水不溶化処理する前記[1]〜[8]のいずれかに記載の水不溶性成形体の製造方法。
[10]前記原料成形体100質量部に対する、前記第1の処理液及び第2の処理液のそれぞれの量が、5〜50質量部である前記[9]に記載の水不溶性成形体の製造方法。
また、本発明によれば、以下に示す水不溶性成形体が提供される。
[11]前記[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法によって製造された、膨潤率160%以下の水不溶性成形体。
本発明によれば、原料であるポリアニオン性多糖類本来の特性が保持されているとともに、安全性が高く、医療用材料、食品用材料、及び化粧品用材料等として有用な、水による膨潤率が低い水不溶性成形体を簡便に製造する方法を提供することができる。また、本発明によれば、原料であるポリアニオン性多糖類本来の特性が保持されているとともに、安全性が高く、医療用材料、食品用材料、及び化粧品用材料等として有用な、水による膨潤率が低い水不溶性成形体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
<水不溶性成形体及びその製造方法>
本発明の水不溶性成形体の製造方法(以下、単に「(本発明の)製造方法」とも記す)は、ポリアニオン性多糖類の水溶性塩からなる原料成形体を、原料成形体の形状を維持したまま水不溶して水不溶性成形体を得る方法であり、原料成形体を、酸無水物をそれぞれ含有する第1の処理液及び第2の処理液に順次接触させて複数回水不溶化処理し、膨潤率160%以下の水不溶性成形体を得る工程(水不溶化工程)を有する。そして、第1の処理液に比して第2の処理液の疎水性が高いことを要する。以下、本発明の水不溶性成形体及びその製造方法の詳細について説明する。
原料成形体は、ポリアニオン性多糖類の水溶性塩を用いて形成される。ポリアニオン性多糖類は、カルボキシ基やスルホン酸基等の負電荷を帯びた1以上のアニオン性基をその分子構造中に有する多糖類である。また、ポリアニオン性多糖類の水溶性塩は、ポリアニオン性多糖類中のアニオン性基の少なくとも一部が塩を形成したものである。なお、ポリアニオン性多糖類中のアニオン性基は、多糖類の分子中に導入されたものであってもよい。
ポリアニオン性多糖類の具体例としては、カルボキシメチルセルロースやカルボキシエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース、カルボキシメチルでんぷん、カルボキシメチルアミロース、コンドロイチン硫酸(コンドロイチン−4−硫酸及びコンドロイチン−6−硫酸を含む)、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、デルマタン硫酸、及びデルマタン−6−硫酸等を挙げることができる。これらのポリアニオン性多糖類は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアニオン性多糖類の水溶性塩としては、無機塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩等を挙げることができる。無機塩の具体例としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;亜鉛、鉄等の金属塩等を挙げることができる。
原料成形体は、例えば、ポリアニオン性多糖類の水溶性塩を水に溶解させて得た水溶液を所望の形状に成形した後、乾燥等させることによって得ることができる。原料成形体の形状としては、例えば、膜状、塊状、繊維状、棒状、管状、粉末状、粒子状、及びスポンジ状等を挙げることができる。これらの形状の原料成形体を水不溶化させることによって、膜状、塊状、繊維状、棒状、管状、粉末状、粒子状、及びスポンジ状等の用途に応じた形状の水不溶性成形体を得ることができる。なお、必要に応じて、得られた水不溶性成形体をさらに成形して所望の形状に加工してもよい。
例えば、ポリアニオン性多糖類の水溶性塩の水溶液を適当な容器に流し入れた後、乾燥又は凍結乾燥することによって、膜状(シート状)又は塊状(ブロック状、スポンジ状)の原料成形体を得ることができる。また、ポリアニオン性多糖類の水溶性塩の水溶液をノズルから貧溶媒中に押し出すことによって、繊維状の原料成形体を得ることができる。ポリアニオン性多糖類の水溶性塩の水溶液を適当な管に充填した後、乾燥又は凍結乾燥することによって、棒状の原料成形体を得ることができる。また、乾燥したポリアニオン性多糖類を粉砕して粉体化することによって、粉末状又は粒子状の原料成形体を得ることができる。このように、本発明の水不溶性成形体の製造方法によれば、ポリアニオン性多糖類の水溶性塩を所望とする形状に成形した後に水不溶化処理するため、用途に応じた形状の水不溶化物(水不溶性成形体)を得ることができる。
原料成形体を処理するために用いる第1の処理液及び第2の処理液は、酸無水物をそれぞれ含有する。酸無水物の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水酪酸、無水フタル酸、及び無水マレイン酸等を挙げることができる。なかでも、無水酢酸及び無水プロピオン酸が好ましい。これらの酸無水物は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
第1の処理液及び第2の処理液(以下、纏めて、単に「処理液」とも記す)は、それぞれ、水及び水溶性有機溶媒の少なくともいずれかの媒体をさらに含むとともに、この媒体中に酸無水物が溶解又は分散していることが好ましい。このような媒体中に酸無水物が溶解又は分散した処理液を使用することで、原料成形体を十分かつ速やかに水不溶化させて水不溶性成形体を得ることができる。
水溶性有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、及びテトラヒドロフラン等を挙げることができる。なかでも、メタノール、エタノール、及びジメチルスルホキシドが好ましい。これらの水溶性有機溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
水不溶化工程では、第1の処理液及び第2の処理液に原料成形体を順次接触させ、複数回(n回)かけて原料成形体を水不溶化処理する。そして、少なくとも2回目の処理には、初回(1回目)の処理に用いる第1の処理液よりも疎水性の高い第2の処理液を用いる。これにより、水による膨潤率が低い、具体的には160%以下である水不溶性成形体を製造することができる。水不溶化処理する回数(n回)の上限については特に限定されないが、多すぎると水不溶化処理に要する時間がかかりすぎるため、例えば20回以下、好ましくは15回以下、さらに好ましくは11回以下とすればよい。処理液の疎水性は、例えば、処理液中の酸無水物、水溶性有機溶媒、及び水の各濃度を適宜設定することで制御することができる。具体的には、酸無水物や水溶性有機溶剤の濃度を高めることで、処理液の疎水性を上昇させることができる。一方、水の濃度を高めることで、処理液の疎水性を低下させることができる。
第1の処理液中の酸無水物の濃度は、通常、0.1〜50体積%であり、5〜30体積%であることが好ましい。第1の処理液中の酸無水物の濃度が0.1体積%未満であると、得られる水不溶性成形体の水不溶化の程度が不十分になる、或いは水不溶化に長時間を要する傾向にある。一方、第1の処理液中の酸無水物の濃度が50体積%を超えると、効果が頭打ちになる傾向にある。
ポリアニオン性多糖類は親水性が高いため、原料成形体をより十分かつ速やかに水不溶化させる観点から、第1の処理液が媒体として水を含有することが好ましい。第1の処理液中の水の含有量は、原料成形体が溶解又は膨潤しない程度とすることが好ましい。具体的には、第1の処理液中の水の含有量は、0.01〜50体積%であることが好ましく、5〜20体積%であることがさらに好ましい。第1の処理液中の水の含有量が0.01体積%未満であると、メタノール以外の溶媒では不溶化が不十分となる場合がある。一方、第1の処理液中の水の含有量が50体積%超であると、得られる水不溶性成形体の形状維持が困難となる場合がある。
前述の通り、第2の処理液の疎水性は、第1の処理液の疎水性よりも高く設定する必要がある。このため、例えば、第2の処理液中の酸無水物の濃度を、第1の処理液中の酸無水物の濃度よりも高くする。第2の処理液中の酸無水物の濃度は、通常、20〜99体積%であり、50〜80体積%であることが好ましい。第1の処理液中の酸無水物の濃度が20体積%未満であると、得られる水不溶性成形体の水不溶化の進行程度が不十分になる、或いは膨潤度を十分に低下させることが困難になる場合がある。一方、第2の処理液中の酸無水物の濃度が80体積%を超えると、効果が頭打ちになる傾向にある。
第1の処理液で処理した後の原料成形体は、水不溶化の進行に伴い、親水性が低下している。このため、原料成形体との親和性を高める観点から、第1の処理液よりも水の濃度が低い第2の処理液を用いることが好ましい。具体的には、第2の処理液中の水の濃度は、0.01〜30体積%であることが好ましく、1〜20体積%であることがさらに好ましい。第2の処理液中の水の含有量が0.01体積%未満であると、無水酢酸の開裂が起こりにくく、反応(処理)速度が不十分となる場合がある。一方、第2の処理液中の水の濃度が30体積%超であると、原料成形体と第2の処理液との親和性が低く、反応(処理)速度が不十分となる場合がある。
水不溶化工程では、第1の処理液及び第2の処理液に原料成形体を順次接触させて、原料成形体を水不溶化処理する。原料成形体を処理液に接触させることによって、その形状を維持したまま原料成形体を水不溶化することができ、対応する形状の水不溶性成形体を得ることができる。原料成形体を処理液に接触させる方法は特に限定されないが、原料成形体の全体に処理液が接触するとともに、原料成形体の内部にまで処理液が浸透するように処理することが好ましい。具体的な処理方法としては、原料成形体を処理液中に浸漬する、原料成形体に処理液を塗布又は吹き付ける(噴霧する)等の方法を挙げることができる。
なかでも、原料成形体を第1の処理液及び第2の処理液のそれぞれとともに袋状容器内に封入し、加熱して水不溶化処理することが好ましい。原料成形体を処理液とともに袋状容器内に封入した状態で処理することで、処理液の揮散を抑制することができ、処理に要する時間を短縮することができるとともに、使用する処理液の量を減ずることができる。また、加熱して処理することで、処理時間をさらに短縮することができる。
処理液の量は、原料成形体が十分に水不溶化する最低限の量とすればよい。具体的には、原料成形体100質量部に対する、第1の処理液及び第2の処理液のそれぞれの量は、5〜50質量部とすることが好ましい。処理液の量が多すぎると、製造費や廃液処理費が増大し、コスト面で不利になる場合がある。原料成形体及び処理液を封入した袋状容器をヒートプレスや熱ローラーなどで挟むとともに、加熱することで、処理液の揮散を抑制しながら原料成形体を水不溶化処理することができる。
水不溶化処理の際には、原料成形体を処理液に接触させた状態で加熱することが好ましい。加熱温度は、処理液の沸点を大きく超えない温度であればよい。ポリアニオン性多糖類の分解変性や、処理液及び副生成物等の揮散を抑制する観点からは、0〜90℃で水不溶化処理することが好ましく、20〜80℃に加熱して水不溶化処理することがさらに好ましい。また、50〜75℃に加熱して水不溶化処理することが、反応(処理)速度が向上するために好ましい。加熱時間は、得ようとする水不溶性成形体の膨潤度に応じて適宜設定すればよい。具体的には、1〜60分とすることが好ましく、1〜30分とすることがさらに好ましく、3〜10分とすることが特に好ましい。加熱時間を長くしすぎると、エネルギー面で無駄が生ずる場合がある。
水不溶化工程の終了後、必要に応じて水や水溶性有機溶媒等を用いて洗浄すれば、膨潤率160%以下である本発明の水不溶性成形体を得ることができる。なお、第2の処理液による処理の回数を増加させたり、第1の処理液に比してより疎水性の高い第2の処理液を用いたりすることで、得られる水不溶性成形体の膨潤率を160%以下に制御することができる。本発明の水不溶性成形体の膨潤率の下限については特に限定されないが、110%程度とすることができる。本明細書における「膨潤率」とは、「水分保持前(膨潤前)の水不溶性成形体の質量」に対する、「水分保持後(膨潤後)の水不溶性成形体の質量」の割合(質量%)を意味する。
なお、本明細書における「水不溶性」とは、水に容易に溶解しない性質を意味する。より具体的には、ポリアニオン性多糖類からなる本発明の水不溶性成形体は、水により膨潤状態とした後に乾燥する操作を2回繰り返して得た乾燥体の質量が、この操作前の乾燥質量の80%以上である。
ポリアニオン性多糖類のナトリウム塩を用いて形成した原料成形体を、無水酢酸のアルコール溶液で処理した場合に想定される反応を以下に示す。なお、想定した反応が水不溶化の一つの要因とはなりうるが、他の水不溶化要因との組み合わせ、あるいは全く別の要因により水不溶化している可能性もある。すなわち、本発明は想定される以下の反応によって何ら限定されるものではない。
Figure 2019119769
反応式(1)中、R1はポリアニオン性多糖類の主鎖を示し、R2はアルコールの主鎖を示す。無水酢酸はアルコール存在下で開裂する際に、ポリアニオン性多糖類のナトリウムを奪い、カルボキシ基がナトリウム塩型から酸型となる。この点については、水不溶性成形体中のNa含量の測定、又は水不溶性成形体のアルカリ溶液による滴定によって確認することができる。
反応系に水が存在する場合には、上記反応式(1)で示される反応の他に、下記式(2)で示される反応が同時に進行し、カルボキシ基がナトリウム塩型から酸型となると予想される。
Figure 2019119769
原料成形体を第1の処理液で処理して得られたものは、分子中のすべてのアニオン性基が酸型には変換されていないと推測される。第2の処理液で引き続き処理することで、残存する分子中のアニオン性基がさらに酸型へと変換され、水不溶化が進行すると考えられる。
ポリアニオン性多糖類の水溶性塩を用いて形成した原料成形体を塩酸等の無機酸や酢酸等の有機酸に浸漬しても、十分に水不溶化した成形体を得ることは極めて困難である。また、処理液中の酸無水物を、この酸無水物に対応する酸に置き換えても水不溶性成形体を得ることはできない。このことから、ポリアニオン性多糖類のアニオン基が酸型に変化する以外の要因も加わり、水不溶性成形体が得られると予想される。ここで、多糖類等の高分子化合物は分子量の異なる様々な分子鎖の混合物であることを考慮すると、ポリアニオン性多糖類の水溶性塩からなる原料成形体を水不溶化処理して製造される本発明の水不溶性成形体は複雑な、反応機構によって得られるものであり、しかも、その反応機構は上述の通り必ずしも明らかではない。このため、本発明の水不溶性成形体を、その構造等で直接特定することはおよそ実際的であるとは言えない。
本発明の製造方法では化学的架橋剤を用いる必要がないため、得られる水不溶性成形体を構成する分子中に化学的架橋剤に由来する官能基等の構造が取り込まれることがない。このため、上記の製造方法によって製造される水不溶性成形体は、原料であるポリアニオン性多糖類本来の特性が保持されているとともに、安全性が高い。したがって、本発明の水不溶性成形体は、癒着防止材等の医療用材料の他、食品用材料や化粧品用材料として好適である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<ヒアルロン酸ナトリウム膜の製造>
ヒアルロン酸ナトリウム(分子量(公称値):80万、キッコーマンバイオケミファ社製)1.0g及び水99.0gを混合し、ビーカー中で撹拌して均一な水溶液を得た。得られた水溶液をステンレス製バットに流し入れ、30℃で乾燥してヒアルロン酸ナトリウム膜を得た。
<処理液の調製>
無水酢酸及び75体積%エタノール水溶液を混合して、以下に示す組成の第1の処理液、及び第2の処理液を調製した。
・「第1の処理液」無水酢酸:75体積%エタノール水溶液=20:80(体積比)
・「第2の処理液」無水酢酸:75体積%エタノール水溶液=50:50(体積比)
<水不溶性膜の製造>
(実施例1)
ヒアルロン酸ナトリウム膜を第1の処理液100mLに浸漬し、50℃で1時間放置して水不溶化処理した後、エタノール、75体積%エタノール水溶液、及び水の順に洗浄した。次いで、第2の処理液100mLに浸漬し、50℃で1時間放置して水不溶化処理した後、エタノール、75体積%エタノール水溶液、及び水の順に洗浄した。この第2の処理液による水不溶化処理を合計4回実施して、水不溶性膜を得た。
(実施例2〜3、比較例1〜6)
第1の処理液による処理回数、及び第2の処理液による処理回数を表1に示す通りとしたこと以外は、前述の実施例1と同様にして水不溶性膜を得た。
(実施例4)
ヒアルロン酸ナトリウム膜を3cm×3cmの正方形に切り出した後、市販のポリエチレン製チャック付き袋(商品名「ユニパックC−4」、70mm×100mm、日本生産社製)に入れた。さらに、第1の処理液1mLを入れ、チャックを閉めて封入した。加熱プレス面を50℃に設定した卓上ヒートプレス機(商品名「VD−10型」、ROMANOFF社製)でチャック付き袋を挟み、5分間加熱して水不溶化処理した。チャック付き袋から取り出した内容物をエタノール、75体積%エタノール水溶液、及び水の順に洗浄した。次いで、第2の処理液1mLを使用して同様の水不溶化処理(50℃、5分間)を合計10回実施して、水不溶化膜を得た。
<評価>
(膨潤率の測定)
乾燥状態の水不溶性膜の質量を測定し「膨潤前質量」とした。次に、水不溶性膜を十分な水に浸漬し、室温で1時間静置した。十分膨潤した水不溶性膜の表面に付着した余分な水分を紙タオル等で除去し、質量を測定して「膨潤後質量」とした。「膨潤率」とは、「膨潤前質量」に対する「膨潤後質量」の割合(質量%)を意味する。測定結果を表1に示す。
Figure 2019119769
(長期溶解性試験)
実施例1〜4で製造した水不溶性膜を2cm×2cmのサイズに切断し、直径3.5cm、深さ1.5cmの容器に入れ、PBS緩衝液(pH6.8)5mLを加えた。この容器を37℃に調整した振盪機に入れ、10〜20rpmで振盪した。その結果、9ヶ月以上経過しても膜の原形が保持されていることが判明した。また、比較例1〜6で製造した水不溶性膜を上記と同様に試験した。その結果、比較例1、2、及び5で製造した水不溶性膜はいずれも2ヶ月以内に溶解し、比較例3、4、及び6で製造した水不溶性膜はいずれも4ヶ月以内に溶解した。
<水不溶性スポンジ状成形体の製造>
(実施例5)
ヒアルロン酸ナトリウム(分子量(公称値):80万、キッコーマンバイオケミファ社製)3.0g及び水97.0gを混合し、ビーカー中で撹拌して均一な水溶液を得た。得られた水溶液を15cm×10cmのポリエチレンテレフタレート製トレイに液厚が1cmとなるように分注した。このトレイを真空凍結乾燥機(商品名「RLII−103」、共和真空技術社製)の乾燥棚に入れ、−40℃で予備凍結した。凍結後に真空乾燥してスポンジ状成形体を得た。得られたスポンジ状成形体を前述の実施例3と同様の方法で水不溶化処理して、水不溶性スポンジ状成形体を得た。得られた水不溶性スポンジ状成形体について、前述の「長期溶解性試験」を行ったところ、9ヶ月以上経過しても成形体(スポンジ)の原形が保持されていた。
(化粧材への応用)
実施例5で製造した水不溶性スポンジ状成形体を繭型に切り出した後、市販の化粧水を含浸させた。繭型のスポンジ状成形体は、化粧水に溶解することはなかった。また、肌への貼り付き性が高いため、目元貼付用の化粧材として使用することができた。
(動物実験)
12cm×9cmのサイズに切り出した実施例3で製造した水不溶性膜を、10体積%グリセリン水溶液に浸漬した後、風乾して滅菌用袋に封入した。25kGyの放射線を照射して滅菌用袋ごと滅菌して癒着防止膜を得た。成犬(ビーグル犬、雌、1.5歳、体重約10kg)を全身麻酔処置後に開腹し、腹側壁表皮を3cm角に剥離した。剥離部分を覆うように癒着防止膜を配置して閉腹した。2週間後、同犬を全身麻酔処置後に開腹したところ、癒着は発生していなかった。また、犬の体内に配置(埋植)した癒着防止膜は、埋植後2週間で消失していた。これは、生体内のナトリウムイオン等によって癒着防止膜を構成するヒアルロン酸のカルボキシ基が徐々に中和され、可溶性のヒアルロン酸塩と変化して溶解し、生体内に吸収されたものと推測される。これに対して、癒着防止膜を配置することなく閉腹した犬については、剥離部分と腸に癒着が生じていることが観察された。
本発明の水不溶性成形体は、医療用材料、食品用材料、及び化粧品用材料等として有用である。

Claims (11)

  1. ポリアニオン性多糖類の水溶性塩からなる原料成形体を、前記原料成形体の形状を維持したまま水不溶して水不溶性成形体を得る水不溶性成形体の製造方法であって、
    前記原料成形体を、酸無水物をそれぞれ含有する第1の処理液及び第2の処理液に順次接触させて複数回水不溶化処理し、膨潤率160%以下の水不溶性成形体を得る工程を有し、
    前記第1の処理液に比して前記第2の処理液の疎水性が高い水不溶性成形体の製造方法。
  2. 前記原料成形体の形状が、膜状、塊状、繊維状、棒状、管状、粉末状、粒子状、又はスポンジ状である請求項1に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  3. 前記ポリアニオン性多糖類が、ヒアルロン酸、カルボキシアルキルセルロース、アルギン酸、及びカラギーナンからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  4. 前記酸無水物が、無水酢酸及び無水プロピオン酸の少なくともいずれかである請求項1〜3のいずれか一項に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  5. 前記第1の処理液及び前記第2の処理液が、水及び水溶性有機溶媒の少なくともいずれかの媒体をさらに含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  6. 前記水溶性有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及びテトラヒドロフランからなる群より選択される少なくとも一種である請求項5に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  7. 前記第1の処理液に比して、前記第2の処理液の前記水の含有量が少ない請求項5又は6に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  8. 前記第1の処理液に比して、前記第2の処理液の前記酸無水物の含有量が多い請求項1〜7のいずれか一項に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  9. 前記原料成形体を前記第1の処理液及び前記第2の処理液のそれぞれとともに袋状容器内に封入し、加熱して水不溶化処理する請求項1〜8のいずれか一項に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  10. 前記原料成形体100質量部に対する、前記第1の処理液及び前記第2の処理液のそれぞれの量が、5〜50質量部である請求項9に記載の水不溶性成形体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された、膨潤率160%以下の水不溶性成形体。
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