JP2019115552A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】尿等の体液が繰り返し***された場合におけるゲルブロッキングが起こりづらく、吸収速度の低下が良好に抑制された、薄型の吸収性物品を提供する。【解決手段】吸収体20は、上層基体不織布210と下層基体不織布211の間に高吸収性ポリマーを配置した高吸収性シートであり、吸収体20は、平面視において、下層基体不織布211の身体側表面が起毛した起毛領域20Aと、下層基体不織布211の身体側表面が起毛していない非起毛領域20Bと、に区分され、起毛領域20Aは、長手方向に連続する略帯状であり、起毛領域20Aは複数設けられ、起毛領域20A同士が幅方向で離間しており、高吸収性ポリマーは、非起毛領域20Bにのみ配置されており、起毛領域20Aの幅方向の寸法が10mm以上20mm以下である、吸収性物品を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、尿等の体液が繰り返し***された場合におけるゲルブロッキングが起こりづらく、吸収速度の低下が良好に抑制された、薄型の吸収性物品に関する。
一般に吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、で構成されており、これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収される。吸収性物品には、想定される使用状況における体液の排出量に応じて、様々な吸収量のものが存在する。これらのうち、比較的少量の尿を吸収するものとして、軽失禁パッドが知られている。ここで、軽失禁パッドを着用するに際し、着用者がジーンズ等のパンツスタイルである場合には、軽失禁パッドが外観上目立つ場合がある。
ここで、これら吸収性物品を構成する吸収体について、フラッフパルプと高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer、SAPとも称される)を併用することが一般的であったが、主に薄型化を目的として、基体となる不織布と高吸収性ポリマーからなり、フラッフパルプを含有しない、いわゆる高吸収性シート(SAPシートとも称される)を吸収体として用いることもあり、高吸収性シートを備える吸収性物品についても、検討されている。
このような吸収性物品として、例えば、特許文献1には、透液性又は難透液性の第1シートと、透液性の第2シートと、第1及び第2シート間に介在され、かつ、少なくとも両シートのうちのいずれか一方の内面に固定された吸液性コアを含む吸液域とを有し、吸液性コアは高吸収性ポリマー粒子を含み、吸液域は、横方向における中央部に位置する中央凹部と、中央凹部の横方向の両側に位置し、中央凹部よりも肉厚の両側部とを有し、両側部の高吸収性ポリマー粒子の単位面積当たりの質量が中央凹部のそれよりも高いことを特徴とする高吸収性シートを備える吸収性物品が開示されている。
特開2013−146459号公報
特許文献1に記載の吸収性物品では、吸収体として、フラッフパルプを含有しない高吸収性シートを採用しているため、薄型化を実現できており、着用感や吸収速度についての検討はなされているものの、当該高吸収性シートでは、高吸収性ポリマーが高密度に存在することにより、繰り返し使用する場合においては、いわゆるゲルブロッキングにより吸収速度が遅くなり、吸収性が低下する場合があった。したがって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、尿等の体液が繰り返し***された場合におけるゲルブロッキングが起こりづらく、吸収速度の低下が良好に抑制された、薄型の吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った、その結果、高吸収性シートを構成する基体不織布の一部を起毛させ、所定の位置に高吸収性ポリマーを配置することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、上層基体不織布と下層基体不織布の間に高吸収性ポリマーを配置した高吸収性シートであり、前記吸収体は、平面視において、前記下層基体不織布の身体側表面が起毛した起毛領域と、前記下層基体不織布の身体側表面が起毛していない非起毛領域と、に区分され、前記起毛領域は、長手方向に連続する略帯状であり、前記起毛領域は複数設けられ、前記起毛領域同士が幅方向で離間しており、前記高吸収性ポリマーは、前記非起毛領域にのみ配置されており、前記起毛領域の幅方向の寸法が10mm以上20mm以下である、吸収性物品である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の吸収性物品であって、複数の前記起毛領域のうちの一つが、前記吸収体の幅方向の略中心部に設けられており、幅方向の略中心部に設けられた前記起毛領域の幅方向の寸法が、他の前記起毛領域の幅方向の寸法よりも大きいことを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の吸収性物品であって、前記上層基体不織布と前記下層基体不織布に、幅方向に沿って、複数のヒートシールが形成されており、前記ヒートシールは、それぞれ長手方向に略等間隔に離間して形成されており、前記ヒートシールが形成された部位において、前記上層基体不織布と前記下層基体不織布が前記ヒートシールにより接合していることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記下層基体不織布がエアスルー不織布であり、前記下層基体不織布の、坪量が20g/m以上300g/m以下であり、厚みは2mm以上10mm以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記吸収性物品が、前記吸収体と前記バックシートとの間に、フラッフパルプ及び高吸収性ポリマーを備える第二吸収体を有することを特徴とするものである。
本発明の吸収性物品において、吸収体は、上層基体不織布と下層基体不織布の間に高吸収性ポリマーを配置した高吸収性シートであり、吸収体は、平面視において、下層基体不織布の身体側表面が起毛した起毛領域と、下層基体不織布の身体側表面が起毛していない非起毛領域と、に区分され、起毛領域は、長手方向に連続する略帯状であり、起毛領域は複数設けられ、起毛領域同士が幅方向で離間しており、高吸収性ポリマーは、非起毛領域にのみ配置されているため、尿等の体液が繰り返し***された場合におけるゲルブロッキングが起こりづらく、吸収速度の低下が良好に抑制された、薄型の吸収性物品を提供することができる。
本発明の吸収性物品の平面図である。 図1のX−X断面図である。 基体不織布にヒートシールが形成されている態様を示す、本発明に用いる吸収体の斜視図である。
<吸収性物品>
本発明の実施形態に係る吸収性物品1としては、軽失禁パッドが例示されるが、本発明の吸収性物品1はこれに限定されるものではなく、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、尿取りパッド、その他の吸収性物品であってもよい。図1は、本発明の吸収性物品1の平面図であり、図2は、本発明の吸収性物品1の断面図(図1のX−X断面図)である。吸収性物品1は、図1に示すように、身体側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類側表面に配置された液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を備え、これにより、吸収体20は、トップシート10とバックシート30との間に挟まれた構造となっている。本明細書の説明において、吸収性物品1及び各部材の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1及び各部材の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、本明細書において、身体側表面とは、吸収体20等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、衣類側表面とは、吸収体20等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。なお、吸収性物品1の、長手方向の寸法は150mm以上300mm以下、幅方向の寸法は50mm以上150mm以下、であることが好ましい。
〔吸収体〕
図2に示すように、吸収体20は、上層基体不織布210と下層基体不織布211の間に高吸収性ポリマーを配置した高吸収性シートである。このように、吸収体20が、フラッフパルプを含有しないため、薄型の吸収性物品1を得ることができる。また、吸収体20の、長手方向の寸法は140mm以上290mm以下、幅方向の寸法は40mm以上140mm以下、厚みは3mm以上11mm以下であることが好ましい。
さらに、吸収体20は、図1及び図2に示すように、平面視において、下層基体不織布211の身体側表面が起毛した起毛領域20Aと、下層基体不織布211の身体側表面が起毛していない非起毛領域20Bと、に区分され、起毛領域20Aは、長手方向に連続する略帯状であり、起毛領域20Aは複数設けられ、起毛領域20A同士は幅方向で離間しており、高吸収性ポリマーは、非起毛領域20Bにのみ配置されている、構造を有している。ここで、従来の高吸収性シートは、高吸収性ポリマーが高吸収性シートの全体に高密度で存在していたため、尿等の体液が繰り返し***された場合には、いわゆるゲルブロッキングが起こりやすく、これにより吸収速度が遅くなり、吸収性が低下する場合があった。本発明の吸収性物品1に用いる吸収体20では、高吸収性ポリマーが非起毛領域20Bにのみ配置されていることから、吸収体20全体としての高吸収性ポリマーの密度は従来の高吸収性シートに比べて低い傾向にあり、さらに、起毛領域20Aにおいては、起毛させることにより起毛させない場合に比べて下層基体不織布211の繊維間空隙が増加するため、吸収体20の衣類側まで尿等の体液を広く拡散及び浸透させることができる。すなわち、吸収体20において、尿等の体液の拡散及び浸透を担う起毛領域20Aと、高吸収性ポリマーが配置され主な吸収を担う非起毛領域20Bと、がバランスよく構成されているため、尿等の体液が繰り返し***された場合でも、ゲルブロッキングを起こしづらく、吸収速度の低下を良好に抑制することができる。
(起毛領域)
また、長手方向に連続する略帯状の起毛領域20Aの本数は、特に限定されないが、3本以上7本以下であることが好ましい。起毛領域20Aの本数を上記の範囲にすることにより、尿等の体液が拡散及び浸透しやすくなり、尿等の体液が繰り返し***された場合でも、ゲルブロッキングが起こりづらく、吸収速度の低下を良好に抑制することができる。
また、起毛領域20Aの幅方向の寸法は、10mm以上20mm以下であり、15mm以上20mm以下であることが好ましく、起毛領域20Aの長手方向の寸法は、140mm以上290mm以下であることが好ましい。起毛領域20Aの幅方向及び長手方向の寸法を、上記の範囲にすることにより、尿等の体液が繰り返し***された場合でも、ゲルブロッキングが起こりづらく、吸収速度の低下を良好に抑制することができる。さらに、この場合において、複数の起毛領域20Aのうちの一つが、吸収体20の幅方向の略中心部に設けられており、幅方向の略中心部に設けられた起毛領域20Aの幅方向の寸法が、他の起毛領域20Aの幅方向の寸法よりも大きいことが好ましい。一般的に、吸収体20の幅方向の略中心部が排尿領域になるため、起毛領域20Aの一つを吸収体20の幅方向の略中心部に設け、かつ、幅方向の略中心部に設けられた起毛領域20Aの幅方向の寸法を、他の起毛領域20Aの幅方向の寸法よりも大きくすることにより、尿等の体液の拡散及び浸透をより効果的に向上させ、ゲルブロッキングをより起こしづらくすることができる。なお、この態様においては、バランスの観点から、起毛領域20Aの本数は奇数であることが好ましい。
また、隣接する起毛領域20A同士の幅方向の離間距離(隣接する起毛領域20Aの間に位置する非起毛領域20Bの幅方向の寸法)は、10mm以上40mm以下であることが好ましく、20mm以上30mm以下であることがより好ましい。隣接する起毛領域20A同士の幅方向の離間距離(隣接する起毛領域20Aの間に位置する非起毛領域20Bの幅方向の寸法)を上記の範囲にすることにより、尿等の体液の、起毛領域20Aによる拡散及び浸透と、非起毛領域20Bの高吸収性ポリマーによる吸収と、のバランスが向上し、尿等の体液が繰り返し***された場合におけるゲルブロッキング発生による吸収速度の低下を防止することができる。
(基体不織布)
吸収体20において、基体不織布として、上層基体不織布210と下層基体不織布211を用いている。これら基体不織布としては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の不織布や、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布を積層した複合不織布を挙げることができる。これらの不織布のうち、嵩高さの得やすいエアスルー不織布を用いることが好ましい。特に、下層基体不織布211は、起毛領域20Aにおいて起毛させるため、嵩高なエアスルー不織布を用いることが好ましい。起毛領域20Aにおいて、下層基体不織布211の身体側表面を起毛させる方法としては、回転ノコ刃、ニードルパンチが挙げられ、インラインでの生産性やコストの観点から回転ノコ刃により毛羽立たせる方法を用いることが好ましい。
上層基体不織布210の厚みは、1mm以上5mm以下であることが好ましく、上層基体不織布210の坪量は、20g/m以上50g/m以下であることが好ましい。また、下層基体不織布211の厚みは、起毛されている部分もあるため、上層基体不織布210よりも厚くなりやすく、2mm以上10mm以下であることが好ましく、下層基体不織布211の坪量は、20g/m以上300g/m以下であることが好ましい。
(高吸収性ポリマー)
高吸収性ポリマーとしては、尿を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。また、非起毛領域20Bにおける高吸収性ポリマーの坪量は、吸収性能を確保するために、10g/m以上400g/m以下とすることが好ましく、30g/m以上350g/m以下とすることがより好ましい。
また、粉体としての流動性が悪い微粉末を避けることにより、吸収に関する基本性能を高め、かつ、高吸収性シートが硬くなることにより発生するごつごつとした触感を低減する観点から、高吸収性ポリマーの中位粒子径は、50μm以上600μm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることがより好ましい。
高吸収性ポリマーは、ホットメルト接着剤により、非起毛領域20Bにおいて、上層基体不織布210と下層基体不織布211の間で固定されてもよい。この場合、高吸収性ポリマーの吸収性を阻害せず、かつ、着用時の肌触りを損なわないように、ホットメルト接着剤の含有量は10g/m以下であることが好ましい。ホットメルト接着剤としては、融点が100℃以上180℃以下の、スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン系共重合体など合成ゴム系、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系のホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤の塗布方法としては、ノズルから溶融状態のホットメルト接着剤を非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法など公知の方法が利用できる。
ここで、高吸収性ポリマーをホットメルト接着剤で固定すると高密度になりやすいため、ゲルブロッキングを起こりづらくし、吸収速度の低下を防止するために、高吸収性ポリマーをホットメルト接着剤で固定しないことが好ましい。高吸収性ポリマーをホットメルト接着剤で固定しない場合、着用者が吸収性物品1を着用して行動する際に、高吸収性ポリマーが長手方向に流動し、高吸収性ポリマーが偏在しやすくなる。そのため、高吸収性ポリマーをホットメルト接着剤で固定しない場合には、図3に示すように、上層基体不織布210と下層基体不織布211に、幅方向に沿って、複数のヒートシール212が形成され、ヒートシール212が形成された部位において、上層基体不織布210と下層基体不織布211がヒートシール212により接合していることが好ましい。このような態様でヒートシール212が形成されていることにより、高吸収性ポリマーの長手方向への流動性を低下させることができ、高吸収性ポリマーの偏在を抑制し、吸収体20の吸収性を安定させることができる。また、ヒートシール212は、それぞれ長手方向に略等間隔に離間して形成されることが好ましく、また、ヒートシール212の本数は、3本以上10本以下であることが好ましく、各ヒートシール212同士の間隔は5mm以上100mm以下であることが好ましい。
(親水性シート)
また、図示しないが、吸収体20は、高吸収性シートの全体を包む親水性シートを有していてもよい。高吸収性シートの全体を親水性シートで包むことにより、高吸収性ポリマーが吸収体20の外へ漏れることを防止することができ、着用時の肌触りも向上させることができる。親水性シートとしては、ティシュ、吸収紙、スパンボンド不織布やエアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができ、入手性やコストの観点から親水性不織布又はティシュを用いることが好ましく、親水性シートの坪量は、7g/m以上45g/m以下とすることが好ましく、8g/m以上15/m以下とすることがより好ましい。なお、高吸収性シートの全体を親水性シートで包む際には、高吸収性シートと親水性シートとを、ホットメルト接着剤や熱エンボス加工により固定することが好ましい。
[トップシート]
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート30に対向して配置される。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような性質を有する、親水性不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム又はこれらを積層した複合シートから形成される。なお、トップシート10は、単層であっても、複数層積層していてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
また、上記のような性質を有する親水性不織布としては、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成繊維や、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いて、サーマルボンド法、エアスルー法、スパンレース法、スパンボンド法等の公知の加工法によって得られたものを用いることができる。
トップシート10の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。トップシート10には、肌への刺激を低減させるために、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を塗布してもよい。
[バックシート]
本発明に用いるバックシート30は、液不透過性であり、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。また、バックシート30の坪量は、加工性及び強度の点から、15g/m以上60g/m以下であることが好ましい。
なお、図示しないが、バックシート30の衣類側表面には、着用時に下着等に吸収性物品1を固着するための粘着剤層が設けられていてもよい。また、吸収性物品1が粘着剤層を有する場合、粘着剤層を保護するための剥離シートを有していてもよく、この剥離シートは、吸収性物品1の包装シートと部分的に接合されていてもよい。
[立体ギャザー]
吸収性物品1の身体側表面には、立体ギャザーが設けられていてもよい。この立体ギャザーは、トップシート10とともに体液の閉じ込め空間を形成し、体液の漏れを防止できるようになっている。立体ギャザーは、立体ギャザーシートと、立体ギャザーシートの自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
〔第二吸収体〕
本発明の吸収性物品1は、吸収体20とバックシート30との間に、フラッフパルプ及び高吸収性ポリマーを備える第二吸収体(図示しない)を有していてもよい。ここで、第二吸収体は、フラッフパルプ及び高吸収性ポリマーからなることが好ましい。また、第二吸収体の坪量は、50g/m以上700g/m以下であることが好ましい。第二吸収体に用いるフラッフパルプとしては、針葉樹パルプ(NBKP)及び広葉樹パルプ(LBKP)のいずれかを用いることができ、また、それらを混合して用いることもできる。第二吸収体は、親水性シートで包まれていることが好ましい。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、必要に応じて、立体ギャザーをあらかじめトップシート10に配置した上で、起毛領域20Aと非起毛領域20Bに区分された吸収体20を、トップシート10とバックシート30との間に挟持し、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。そして、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折りにして折り畳めばよい。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
<実施例1から5、比較例1から3>
下記の吸収体を作製し、尿等の体液が繰り返し***された場合を想定した吸収速度の測定を行った。
[実施例1]
上層基体不織布(坪量20g/m)と下層基体不織布(坪量50g/m)としてエアスルー不織布を用意し、下層基体不織布の身体側表面の一部をノコ刃で物理的に起毛させて、起毛領域と非起毛領域に区分し、非起毛領域において、上層基体不織布と下層基体不織布の間に高吸収性ポリマー(坪量250g/m)を均等になるように配置させ、幅方向125mm、長手方向250mmの吸収体を得た。なお、起毛領域は、長手方向に連続する略帯状に形成し、起毛領域同士が幅方向で離間するように起毛領域を3本設けた。なお、各起毛領域の長手方向の寸法は220mm、幅方向の寸法は10mm、に調整した。3本の起毛領域のうち1本は、吸収体の幅方向中央部に設け、隣接する起毛領域同士の幅方向の離間距離(隣接する起毛領域の間に位置する非起毛領域の幅方向の寸法)を20mmとなるように調整した。なお、高吸収性ポリマーのホットメルト接着剤による固定は行わなかった。
[実施例2]
各起毛領域の幅方向の寸法を15mmとし、隣接する起毛領域同士の幅方向の離間距離(隣接する起毛領域の間に位置する非起毛領域の幅方向の寸法)を10mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の吸収体を得た。
[実施例3]
各起毛領域の幅方向の寸法を15mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の吸収体を得た。
[実施例4]
各起毛領域の幅方向の寸法を15mmとし、隣接する起毛領域同士の幅方向の離間距離(隣接する起毛領域の間に位置する非起毛領域の幅方向の寸法)を30mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4の吸収体を得た。
[実施例5]
各起毛領域の幅方向の寸法を20mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5の吸収体を得た。
[比較例1]
吸収体に起毛領域を設けず、上層基体不織布と下層基体不織布の間に高吸収性ポリマー(坪量250g/m)を全体的に均等になるように配置させた点以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の吸収体を得た。
[比較例2]
各起毛領域の幅方向の寸法を5mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2の吸収体を得た。
[比較例3]
吸収体に起毛領域を設けず、上層基体不織布と下層基体不織布の間に高吸収性ポリマー(坪量250g/m)を全体的に均等になるように配置させ、さらに、高吸収性ポリマーをホットメルト接着剤により固定した点以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3の吸収体を得た。
[吸収速度の評価]
このようにして得た各実施例及び各比較例の吸収体について、以下の方法により繰り返し吸収時の吸収速度の評価を行った。中央に内径30mmの穴が開いており、外径が80mmで重量が2kgである、円柱状の測定冶具を用意し、当該測定冶具を、吸収体の長手方向及び幅方向の中央部の位置に置き、上記の穴から0.9%生理食塩水を10ml投下し、生理食塩水が上層基体不織布に接触した時点から、測定治具の穴の円周内に生理食塩水が完全に吸収された時点までの時間を計測し、吸収速度とする。数値が小さいほど吸収性能に優れることを示す。この試験を連続的に3回繰り返し、各試験時の吸収速度の結果を表1に示した。
1 吸収性物品
10 トップシート
20 吸収体
20A 起毛領域
20B 非起毛領域
210 上層基体不織布
211 下層基体不織布
212 ヒートシール
30 バックシート

Claims (5)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、上層基体不織布と下層基体不織布の間に高吸収性ポリマーを配置した高吸収性シートであり、
    前記吸収体は、平面視において、前記下層基体不織布の身体側表面が起毛した起毛領域と、前記下層基体不織布の身体側表面が起毛していない非起毛領域と、に区分され、
    前記起毛領域は、長手方向に連続する略帯状であり、
    前記起毛領域は複数設けられ、前記起毛領域同士が幅方向で離間しており、
    前記高吸収性ポリマーは、前記非起毛領域にのみ配置されており、
    前記起毛領域の幅方向の寸法が10mm以上20mm以下である、吸収性物品。
  2. 複数の前記起毛領域のうちの一つが、前記吸収体の幅方向の略中心部に設けられており、幅方向の略中心部に設けられた前記起毛領域の幅方向の寸法が、他の前記起毛領域の幅方向の寸法よりも大きい、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記上層基体不織布と前記下層基体不織布に、幅方向に沿って、複数のヒートシールが形成されており、
    前記ヒートシールは、それぞれ長手方向に略等間隔に離間して形成されており、
    前記ヒートシールが形成された部位において、前記上層基体不織布と前記下層基体不織布が前記ヒートシールにより接合している、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記下層基体不織布がエアスルー不織布であり、前記基体不織布の、坪量が20g/m以上300g/m以下であり、厚みは2mm以上10mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収性物品が、前記吸収体と前記バックシートとの間に、フラッフパルプ及び高吸収性ポリマーを備える第二吸収体を有する、請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品。
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