JP2019110458A - 増幅回路及び基板 - Google Patents
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ドハティ増幅回路は、常に入力信号を増幅するキャリア増幅器と、入力信号の電力が所定以上となったときに当該入力信号を増幅するピーク増幅器とを備えており、両増幅器の飽和電力をずらすことで高い効率を得ることができるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
図6に示すように、キャリア増幅器及びピーク増幅器は、一つのパッケージ101内に収容されている。両増幅器の入力リード102及び出力リード103はパッケージ101から突出して設けられている。
入力側整合回路104は、キャリア増幅器及びピーク増幅器の入力側に設けられる。入力側整合回路104の一端部はキャリア増幅器及びピーク増幅器の入力リード102に接続され、他端部は入力信号が与えられる入力線路に接続される。
また、出力側整合回路105は、キャリア増幅器及びピーク増幅器の出力側に設けられる。出力側整合回路105の一端部はキャリア増幅器及びピーク増幅器の出力リード103に接続され、他端部は出力信号が与えられる出力線路に接続される。
入力側整合回路104及び出力側整合回路105の特性インピーダンスは、自回路の両端に接続される増幅器側のインピーダンスと、入出力側のインピーダンスとを適切に整合できるような値に設定されるが、例えば、入力線路及び出力線路のインピーダンスが50Ω、両増幅器の入出力端のインピーダンスが数Ωであるとすると、両者のインピーダンスの差が大きいため、リード102,103に接続される信号線路106,107の一端部は、その幅寸法を比較的大きく設定したり、インピーダンスを段階的に整合するために異なる幅寸法の信号線路を多段に設けたりする必要がある。
このような問題は、ドハティ増幅回路に限られず、一つの増幅器が実装された増幅回路でも同様である。
[実施形態の概要]
(1) 一実施形態である増幅回路は、入力信号が与えられる入力部と、前記入力信号を増幅する増幅器と、前記増幅器の出力信号が与えられる出力部と、前記入力部と前記増幅器との間に接続される入力整合回路と、前記増幅器と前記出力部との間に接続される出力整合回路と、を備え、前記入力整合回路及び前記出力整合回路は、信号線路、グランドパターン、及びこれらの間に介在する誘電体層によって構成され、少なくとも、前記増幅器に接続される一端部における前記誘電体層の厚さ寸法と、前記入力部及び前記出力部に接続される他端部における前記誘電体層の厚さ寸法と、が異なっていることで、前記一端部における特性インピーダンスと、前記他端部における特性インピーダンスとが異なっている。
整合回路の信号線路の幅寸法が大きくならないように抑制される結果、増幅回路の小型化が可能となる。
この場合、容易に誘電体層の厚さ寸法を線路方向に沿って変化させることができる。
この場合、増幅回路全体の幅方向の寸法を、増幅器のパッケージを基準に設定することができ、より小型化が可能となる。
この場合、リードを増幅器と両整合回路との間の位置決めに用いることができ、組立精度を向上させることができる。
この場合、増幅回路の広帯域化等、周波数特性を向上させることができる。
この場合、複数の入力整合回路及び複数の出力整合回路は、パッケージ外側に沿って並べて配置されるが、両整合回路の信号線路の幅寸法が大きくならないように抑制することができるので、パッケージが小さくスペースが十分確保できない場合であっても配置に支障を生じさせることがなく、また、増幅回路の小型化が可能となる。
前記入力部と前記増幅器との間に接続される入力整合回路と、前記増幅器と前記出力部との間に接続される出力整合回路と、を備え、前記入力整合回路及び前記出力整合回路は、信号線路、グランドパターン、及びこれらの間に介在する誘電体層によって構成され、前記増幅器に接続される一端部における前記誘電体層の厚さ寸法と、前記入力部及び前記出力部に接続される他端部における前記誘電体層の厚さ寸法とが、少なくとも異なっていることで、前記一端部における特性インピーダンスと、前記他端部における特性インピーダンスとが異なっている。
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
図1は、一実施形態に係るドハティ増幅回路の構成を示すブロック図である。
このドハティ増幅回路1は、移動体通信システムにおける基地局装置などの無線通信装置に搭載され、無線周波数の送信信号(RF信号)の増幅を行う。
ドハティ増幅回路1は、入力端子2に与えられるRF信号(入力信号)を増幅し、出力端子3から出力する。
第1遅延線路8は、分配器6とピーク増幅器5との間に接続されている。よって、分配器6が分配する出力のうち、ピーク増幅器5へ与えられる出力は、第1遅延線路8によって、位相が90度遅延される。
第2遅延線路9は、キャリア増幅器4と合成器7との間に接続されている。よって、キャリア増幅器4の出力は、第2遅延線路9によって、位相が90度遅延される。
合成器7は、合成した出力を出力信号として出力端子3へ与える。
出力端子3は、合成器7から与えられた出力信号を出力する。
キャリア側入力整合回路11は、分配器6と、キャリア増幅器4との間に接続されており、分配器6(入力部)側と、キャリア増幅器4側とのインピーダンス整合を行う。
ピーク側入力整合回路12は、第1遅延線路8と、ピーク増幅器5との間に接続されており、第1遅延線路8(入力部)側と、ピーク増幅器5側とのインピーダンス整合を行う。
キャリア側出力整合回路13は、キャリア増幅器4と、第2遅延線路9との間に接続されており、キャリア増幅器4側と、第2遅延線路9(出力部)側とのインピーダンス整合を行う。
ピーク側出力整合回路14は、ピーク増幅器5と、合成器7との間に接続されており、ピーク増幅器5側と、合成器7(出力部)側とのインピーダンス整合を行う。
また、入力端子2、分配器6、第1遅延線路8、キャリア側入力整合回路11、及びピーク側入力整合回路12は、入力側回路基板21に実装されている。
さらに、キャリア側出力整合回路13、ピーク側出力整合回路14、第2遅延線路9、合成器7、及び出力端子3は、出力側回路基板22に実装されている。
パッケージ20、入力側回路基板21、及び出力側回路基板22は、アルミニウム合金製のベース板25上に固定される。入力側回路基板21、及び出力側回路基板22は、ベース板25上に並べて配置される。
図2に示すように、パッケージ20の入力側回路基板21側の側面には、キャリア増幅器4の入力端子に接続されたキャリア側入力リード20aと、ピーク増幅器5の入力端子に接続されたピーク側入力リード20bとが突設されている。
また、パッケージ20の出力側回路基板22側の側面には、キャリア増幅器4の出力端子に接続されたキャリア側出力リード20cと、ピーク増幅器5の出力端子に接続されたピーク側出力リード20dとが突設されている。
図3に示すように、入力側回路基板21は、複数(図例では3つ)の誘電体基板30a,30b,30cと、グランドパターン31とを含んで構成されている。
3つの誘電体基板30a,30b,30cは、それぞれほぼ同じ厚さ寸法であり、同じ誘電材料によって形成され、互いに積層され一体とされている。3つの誘電体基板30a,30b,30cのうち、一面が露出している誘電体基板30aには信号線路等が形成されている。また、同様に一面が露出している誘電体基板30cにはグランドパターン31が形成されている。
グランドパターン31は、例えば銅薄膜よりなり、接地されている。
また、誘電体基板30aと、誘電体基板30bとの間には、例えば銅薄膜よりなる中間パターン32が形成されている。この中間パターン32については後に詳述する。
図4に示すように、出力側回路基板22も、入力側回路基板21と同様、3つの誘電体基板35a,35b,35cと、銅薄膜よりなるグランドパターン36とを含んで構成されている。
3つの誘電体基板35a,35b,35cは、それぞれほぼ同じ厚さ寸法であり、同じ誘電材料によって形成され、互いに積層され一体とされている。3つの誘電体基板35a,35b,35cのうち、一面が露出している誘電体基板35aには信号線路等が形成されている。また、同様に一面が露出している誘電体基板35cにはグランドパターン36が形成されている。
また、各誘電体基板35a,35b,35cの間には、銅薄膜よりなる中間パターン37a,37bが形成されている。この中間パターン37a,37bについては後に詳述する。
キャリア側入力整合回路11は、入力側回路基板21と、入力側回路基板21の一面に設けられる信号線路51とによって構成されており、マイクロストリップ線路を構成している。
信号線路51の一端部は、キャリア側入力リード20aに接続されている。また、信号線路51の他端部は、分配器6(図1)に接続される(図示省略)。
ピーク側入力整合回路12は、入力側回路基板21と、入力側回路基板21の一面に設けられる信号線路52とによって構成されており、マイクロストリップ線路を構成している。
信号線路52の一端部は、ピーク側入力リード20bに接続されている。また、信号線路52の他端部は、第1遅延線路8(図1)に接続される(図示省略)。
信号線路53の一端部は、キャリア側出力リード20cに接続されている。また、信号線路53の他端部は、第2遅延線路9(図1)に接続される(図示省略)。
ピーク側出力整合回路14は、出力側回路基板22と、出力側回路基板22の一面に設けられる信号線路54とによって構成されており、マイクロストリップ線路を構成している。
信号線路54は、ピーク側出力リード20dに接続されている。また、信号線路54の他端部は、合成器7(図1)に接続される(図示省略)。
図3に示すように、入力側回路基板21には、誘電体基板30aと誘電体基板30bとの間に中間パターン32が形成されている。中間パターン32は、幅広部51aに対応する位置に形成されている。中間パターン32は、スルーホール33によってグランドパターン31と接続されている。よって、幅広部51aに対する実質的なグランドは中間パターン32となる。
よって、キャリア側入力整合回路11における幅広部51aと、グランドである中間パターン32との間には、誘電体基板30aのみが介在している。
キャリア側入力整合回路11は、幅広部51aにおいては、誘電体基板30aを誘電体層とするマイクロストリップ線路を構成している。
よって、キャリア側入力整合回路11における幅狭部51bと、グランドパターン31との間には、3つの誘電体基板30a,30b,30cが介在している。
キャリア側入力整合回路11は、幅狭部51bにおいては、3つの誘電体基板30a,30b,30cを誘電体層とするマイクロストリップ線路を構成している。
一端部における特性インピーダンスと、他端部における特性インピーダンスとは、分配器6側と、キャリア増幅器4側とのインピーダンス整合が適切に行われるように適切に設定される。
図4に示すように、出力側回路基板22には、誘電体基板35aと誘電体基板35bとの間に中間パターン37aが形成され、誘電体基板35bと誘電体基板35cとの間に中間パターン37bが形成されている。
よって、幅広部53aに対する実質的なグランドは中間パターン37aとなる。
また、幅狭部53bにおいて、幅広部53a側の端部から延長方向ほぼ中央までの範囲(第1範囲)における実質的なグランドは中間パターン37bとなる。
キャリア側出力整合回路13は、幅広部53aにおいては、誘電体基板35aを誘電体層とするマイクロストリップ線路を構成している。
キャリア側出力整合回路13は、第1範囲においては、誘電体基板35a,35bを誘電体層とするマイクロストリップ線路を構成している。
よって、キャリア側出力整合回路13における幅狭部53bの第2範囲と、グランドパターン36との間には、3つの誘電体基板35a,35b,35cが介在している。
キャリア側出力整合回路13は、第2範囲においては、3つの誘電体基板35a,35b,35cを誘電体層とするマイクロストリップ線路を構成している。
一端部における特性インピーダンスと、他端部における特性インピーダンスとは、キャリア増幅器4側と、第2遅延線路9側とのインピーダンス整合が適切に行われるように適切に設定される。
各整合回路11,12,13,14の信号線路51,52,53,54の幅寸法が大きくならないように抑制される結果、ドハティ増幅回路1の小型化が可能となる。
これにより、ドハティ増幅回路1全体の幅方向の寸法をパッケージ20を基準に設定することができ、より小型化が可能となる。
これに対して、本実施形態では、各整合回路11,12,13,14の信号線路の幅寸法が大きくならないように抑制することができるので、スペースを十分確保できずとも配置に支障を生じさせることがなく、また、増幅回路の小型化が可能となる。
図5は、他の実施形態に係るドハティ増幅回路1の要部を示した一部平面図である。
本実施形態は、各整合回路11,12,13,14の信号線路51,52,53,54の幅寸法が線路方向に一定である点において、上記実施形態と相違している。
この場合、各リード20a,20b,20c,20dをパッケージ20と各整合回路11,12,13,14との間の位置決めに用いることができ、組立精度を向上させることができる。
よって、上記実施形態と同様、信号線路51,52,53,54の幅寸法が大きくならないように抑制される結果、ドハティ増幅回路1の小型化が可能となる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、上記各実施形態では、ドハティ増幅回路1の場合について説明したが、単一の増幅器を収容したパッケージを用いた増幅回路であっても適用することができる。
2 入力端子
3 出力端子
4 キャリア増幅器
5 ピーク増幅器
6 分配器
7 合成器
8 第1遅延線路
9 第2遅延線路
11 キャリア側入力整合回路
12 ピーク側入力整合回路
13 キャリア側出力整合回路
14 ピーク側出力整合回路
20 パッケージ
20a キャリア側入力リード
20b ピーク側入力リード
20c キャリア側出力リード
20d ピーク側出力リード
21 入力側回路基板
22 出力側回路基板
25 ベース板
30a,30b,30c 誘電体基板
31 グランドパターン
32 中間パターン
33 スルーホール
35a,35b,35c 誘電体基板
36 グランドパターン
37a,37b 中間パターン
38 スルーホール
51,52,53,54 信号線路
51a,52a 幅広部
51b,52b 幅狭部
53a,54a 幅広部
53b,54b 幅狭部
Claims (7)
- 入力信号が与えられる入力部と、
前記入力信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器の出力信号が与えられる出力部と、
前記入力部と前記増幅器との間に接続される入力整合回路と、
前記増幅器と前記出力部との間に接続される出力整合回路と、を備え、
前記入力整合回路及び前記出力整合回路は、信号線路、グランドパターン、及びこれらの間に介在する誘電体層によって構成され、少なくとも、前記増幅器に接続される一端部における前記誘電体層の厚さ寸法と、前記入力部及び前記出力部に接続される他端部における前記誘電体層の厚さ寸法と、が異なっていることで、前記一端部における特性インピーダンスと、前記他端部における特性インピーダンスとが異なっている
増幅回路。 - 前記誘電体層は、1又は複数の誘電体基板によって構成され、
前記誘電体層を構成する前記誘電体基板の数は、線路方向に沿って変化している
請求項1に記載の増幅回路。 - 前記増幅器を収容するパッケージから前記入力整合回路及び前記出力整合回路が延びる延長方向において、前記信号線路は、前記パッケージの幅方向両端よりも内側に設けられている
請求項1又は請求項2に記載の増幅回路。 - 前記一端部における前記信号線路の幅寸法は、前記増幅器から延びて前記信号線路が接続されるリードの幅寸法に対応している
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の増幅回路。 - 前記信号線路の幅寸法は、線路方向に一定である
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の増幅回路。 - 前記増幅器は複数であり、
複数の前記増幅器は、一つのパッケージに収容され、
前記入力整合回路及び前記出力整合回路は、複数の前記増幅器それぞれに設けられている
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の増幅回路。 - 増幅器を設けるための基板であって、
前記増幅器への入力信号が与えられる入力部と、
前記増幅器の出力信号が与えられる出力部と、
前記入力部と前記増幅器との間に接続される入力整合回路と、
前記増幅器と前記出力部との間に接続される出力整合回路と、を備え、
前記入力整合回路及び前記出力整合回路は、信号線路、グランドパターン、及びこれらの間に介在する誘電体層によって構成され、少なくとも、前記増幅器に接続される一端部における前記誘電体層の厚さ寸法と、前記入力部及び前記出力部に接続される他端部における前記誘電体層の厚さ寸法とが、異なっていることで、前記一端部における特性インピーダンスと、前記他端部における特性インピーダンスとが異なっている
基板。
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