JP2019105570A - 磁気センサおよび電流センサ - Google Patents

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【課題】環境温度が変動しても測定精度が低下しにくい磁気センサを提供する。【解決手段】磁歪定数が正である第1磁性体を有し、平面視で矩形の第1磁気シールド15と、平面視で第1磁気シールド15に重なるように配置され、矩形の短軸方向に沿った方向Pの感度軸を有する第1磁気検知素子とを備える第1測定ユニットU1と、磁歪定数が負である第2磁性体を有し、平面視で矩形の第2磁気シールド151と、平面視で第2磁気シールド151に重なるように配置され、矩形の短軸方向に沿った方向Pの感度軸を有する第2磁気検知素子とを備える第2測定ユニットU2と、環境温度に基づいて、第1測定ユニットU1および第2測定ユニットU2のいずれかを用いるかを選択する切り替え部SWを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気センサおよび当該磁気センサを備えた電流センサに関する。
電気自動車やハイブリッドカーにおけるモータ駆動技術などの分野や、柱状トランスなどインフラ関連の分野では、比較的大きな電流が取り扱われるため、大電流を非接触で測定することが可能な電流センサが求められている。このような電流センサとしては、被測定電流からの誘導磁界を検出する磁気センサを用いたものが知られている。磁気センサ用の磁気検知素子として、例えば、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子などの磁気抵抗効果素子が挙げられる。
磁気抵抗効果素子は、検出感度が高いものの、線形性高く検出可能な磁界強度範囲が比較的狭いという特徴がある。このため、特許文献1の図3に示される電流センサのように、被測定電流と磁気抵抗効果素子との間に磁気シールドを配置して、磁気抵抗効果素子に実質的に印加される誘導磁界の強度を小さくして、被測定磁界の大きさを良好な検出特性を有する磁界強度の範囲内とする方法が用いられる場合がある。
国際公開第2011/111493号
このように磁気シールドを用いることによって、磁気抵抗効果素子などの磁気検知素子に実質的に印加される磁界の強度を低減させて、磁界強度の測定範囲を拡げることが実現されている。このような磁気シールドは、一般的に、Fe−Ni合金等の軟磁性材料をめっき、スパッタ成膜などで形成してなるシールド膜を備える。
ここで、例えば強い外部磁場が印加されたことにより、この磁気シールド自体が磁気ヒステリシスを持つと、磁気センサの出力もヒステリシスを有することになってしまう。ゼロ磁場でのヒステリシス(ゼロ磁場ヒステリシスZH)は磁気センサのオフセットをもたらすため、磁気シールドの磁気ヒステリシスによって磁気センサの検出精度が劣化してしまう。磁気シールドの磁気ヒステリシスを小さくするためには、シールド膜を厚くするか、磁気シールド形状のアスペクト比を大きくして、形状異方性を十分に付与することが有効である。
また、シールド膜を構成する材料がFe−Ni合金(パーマロイ)からなる場合には、磁歪がゼロになる組成(Fe含有量が19.8質量%)付近とすると、ヒステリシスが最小、かつ透磁率(μ)が最大となり、磁気シールドの磁場減衰効果がより高まる。したがって磁気センサのダイナミックレンジをより拡げることが可能となり好ましい。
しかし、Fe−Ni合金からなるシールド膜を電気めっきで形成する場合には、シールド膜の組成制御が非常に難しい。このため、ゼロ磁歪組成を有するシールド膜をピンポイントで実現することは極めて難しく、シールド膜の磁歪が正負のいずれかにずれてしまいやすい。このようなシールド膜を備える磁気シールドに応力が生じ、シールド膜において磁気弾性異方性に基づく磁化が磁気検知素子の感度軸方向に沿った方向に生じると、この磁化は外部磁場が印加されていない状態でも存在するため、磁気シールドの残留磁化となる。この残留磁化に基づく還流磁界が感度軸方向に沿って磁気検知素子に印加されると、磁気センサのヒステリシスを増大させ、測定精度の低下をもたらす。上記の磁気シールドに応力が発生する原因の一例として、磁気センサの環境温度が変化したときに、磁気シールドとその周囲に位置する部材(絶縁部材)との間の熱膨張率の差などに起因して、絶縁部材から磁気シールドに圧縮力や引張力が付与されることが挙げられる。すなわち、磁気センサの環境温度の変化は、磁気シールドに残留磁化を生じさせて、磁気センサの測定精度の低下をもたらしうる。
本発明は、環境温度が変動しても測定精度が低下しにくい磁気センサおよびかかる磁気センサを備える電流センサを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために提供される本発明は、一態様において、磁歪定数が正である第1磁性体を有し、短軸方向と長軸方向とを有する第1磁気シールドと、平面視で前記第1磁気シールドに重なるように配置され、前記短軸方向に沿った方向の感度軸を有する第1磁気検知素子とを備える第1測定ユニットと、磁歪定数が負である第2磁性体を有し、短軸方向と長軸方向とを有する第2磁気シールドと、平面視で前記第2磁気シールドに重なるように配置され、前記短軸方向に沿った方向の感度軸を有する第2磁気検知素子とを備える第2測定ユニットと、環境温度に基づいて、前記第1測定ユニットおよび前記第2測定ユニットのいずれを用いるかを選択する切り替え部と、を備えることを特徴とする磁気センサである。
上記のように、ゼロ磁歪を呈する組成を有するシールド膜を備える磁気シールドを安定的に形成することは容易でないが、シールド膜の磁歪定数が正または負となるように組成を制御することは比較的容易である。そこで、正の磁歪定数を有するシールド膜(第1磁性体)を備える磁気シールドを有する第1測定ユニット(磁気シールド+磁気検知素子)と、負の磁歪定数を有するシールド膜(第2磁性体)を備える磁気シールドを有する第2測定ユニットとを用意し、これらを環境温度に応じて使い分ける切り替え部を設けることにより、環境温度の変動の影響を受けにくい磁気センサが得られる。切り替え部は、いずれの測定ユニットを動作させるか否かを切り替え対象としてもよいし、いずれの測定ユニットからの出力を磁気センサの出力とするか否かを切り替え対象としてもよい。
上記の磁気センサにおいて、前記切り替え部は、前記環境温度が0℃以上80℃以下の間で切り替えを行ってもよい。この場合には、前記環境温度が0℃以下では前記第1測定ユニットの出力を前記磁気センサからの出力とし、前記環境温度が80℃以上では前記第2測定ユニットの出力を前記磁気センサからの出力とすればよい。
上記の磁気センサにおいて、前記第1磁性体の磁歪定数は0超2×10−6以下であって、前記第2磁性体の磁歪定数は−2×10−6以上0未満であることが好ましい。このような構成は、前記第1磁性体について、Fe含有量が19.8質量%超22.0質量%以下のFe−Ni合金からなるものとし、前記第2磁性体について、Fe含有量が18.0質量%以上19.8質量%未満のFe−Ni合金からなるものとすることにより、容易に実現されうる。これらの前記第1磁性体および前記第2磁性体は電気めっき膜からなるものであってもよい。
上記の磁気センサにおいて、前記第1磁気検知素子および前記第2磁気検知素子はいずれも、前記矩形の短軸方向に沿った方向の感度軸を有する複数の磁気抵抗効果素子から構成されていてもよい。
上記の磁気センサにおいて、磁気平衡用コイルをさらに備え、前記磁気平衡用コイルに流れる電流に基づき前記被測定磁界の強度を測定するものであってもよい。この場合において、前記磁気平衡用コイルはスパイラルコイルであって、前記磁気抵抗効果素子と前記磁気シールドとの間に位置してもよい。
本発明は、他の一態様として、上記の磁気センサを備え、前記磁気センサは被測定電流の誘導磁界を前記被測定磁界とする電流センサを提供する。
本発明によれば、環境温度が変動しても測定精度が低下しにくい磁気センサが提供される。また、かかる磁気センサを用いてなる電流センサも提供される。
本発明の一実施形態に係る磁気センサの構造を概念的に示す平面図である。 (a)図1のV1−V1線による断面図、(b)図1のV2−V2線による断面図である。 低温の場合および高温の場合に第1磁性体および第2磁性体に生じる磁気弾性異方性に基づく磁化の方向を説明する図である。 本発明の他の一実施形態に係る磁気センサの構造を概念的に示す平面図である。 (a)図4のV3−V3線による断面図、(b)図4のV4−V4線による断面図である。 環境温度(測定温度)と、ゼロ磁場ヒステリシスZHとの関係を示すグラフである。
図1は、本発明の一実施形態に係る磁気センサの構造を概念的に示す平面図である。図2(a)は図1のV1−V1線での断面図である。図2(b)は図1のV2−V2線での断面図である。
本発明の一実施形態に係る磁気センサ1は、図1および図2に示されるように、4つの磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)からなる第1磁気検知素子および第1磁気シールド15を備える第1測定ユニットU1と、4つの磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)からなる第2磁気検知素子および第2磁気シールド151を備える第2測定ユニットU2とを備える。第1測定ユニットU1において、第1磁気シールド15は第1磁気検知素子に印加される被測定磁界(一例として電流線を流れる被測定電流Ioの誘導磁界である)の強度を減衰させることができる。第2測定ユニットU2において、第2磁気シールド151は第2磁気検知素子に印加される被測定磁界(一例として電流線を流れる被測定電流Ioの誘導磁界である)の強度を減衰させることができる。
第1測定ユニットU1の第1磁気検知素子が有する4つの磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)のそれぞれは、ミアンダ形状(X1−X2方向に延在する複数の長尺パターンが折り返すようにつながって構成される形状)を有する巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を備える。各磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)の感度軸方向Pは図1において矢印にて表され、磁気抵抗効果素子11および磁気抵抗効果素子14の感度軸方向PはY1−Y2方向Y2側を向き、磁気抵抗効果素子12および磁気抵抗効果素子13の感度軸方向PはY1−Y2方向Y1側を向くように設定されている。
入力端子5aに接続される配線5は磁気抵抗効果素子11の一端に接続され、磁気抵抗効果素子11の他端と磁気抵抗効果素子12の一端とが直列に接続されて、磁気抵抗効果素子12の他端が配線6を介してグランド端子6aに接続される。入力端子5aに接続される配線5は途中で分岐して磁気抵抗効果素子13の一端にも接続され、磁気抵抗効果素子13の他端と磁気抵抗効果素子14の一端とが直列に接続されて、磁気抵抗効果素子14の他端が配線6を介してグランド端子6aに接続される。第1の中点電位測定用端子7aは磁気抵抗効果素子11の他端と磁気抵抗効果素子12の一端との間に配線7により接続され、第2の中点電位測定用端子8aは磁気抵抗効果素子13の他端と磁気抵抗効果素子14の一端との間に配線8により接続される。このようにして構成されるブリッジ回路において、第1の中点電位測定用端子7aの電位と第2の中点電位測定用端子8aの電位とを対比することにより、電流線を流れる被測定電流Ioの誘導磁界(被測定磁界)の強度および向きを測定することができる。
図2は、磁気抵抗効果素子11のミアンダ形状を構成する複数の長尺パターンの長軸方向(X1−X2方向)に沿った方向を法線とする面で磁気センサ1を切断して得られる断面図である。この断面内方向の1つであるY1−Y2方向が磁気抵抗効果素子11の感度軸方向P(Y1−Y2方向Y2側の向き)である。磁気抵抗効果素子11は、基板29上に形成され、絶縁材料(アルミナ、窒化ケイ素などが具体例として挙げられる。)からなる絶縁層IMによって覆われている。
第2測定ユニットU2の第2磁気検知素子が有する4つの磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)のそれぞれは、第1測定ユニットU1の第1磁気検知素子の各磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)と構造が共通するため、説明を省略する。また、第2磁気検知素子の磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)が作るブリッジ回路も第1測定ユニットU1のブリッジ回路と共通する。入力端子51aは入力端子5aに対応し、配線51は配線5に対応する。グランド端子61aはグランド端子6aに対応し、配線61は配線6に対応する。第1の中点電位測定用端子71aは第1の中点電位測定用端子7aに対応し、配線71は配線7に対応する。第2の中点電位測定用端子81aは第2の中点電位測定用端子8aに対応し、配線81は配線8に対応する。
第2測定ユニットU2の第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)の配置は、第1測定ユニットU1の第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)の配置をZ1−Z2方向に沿った回転軸周りに180度回転させた構成を有する。そして、この配置に対応して、配線61、配線71および配線81ならびにグランド端子61a、第1の中点電位測定用端子71aおよび第2の中点電位測定用端子81aが配置されている。したがって、第1磁気シールド15が与える影響および第2磁気シールド151が与える影響を除けば、第1測定ユニットU1と第2測定ユニットU2とは等しい測定結果が得られるように構成されている。
第1測定ユニットU1の入力端子5aは第1接続線CWによって、第2測定ユニットU2の入力端子51aは第2接続線CW1によって、切り替え部SWに接続される。切り替え部SWでは、切り替え配線SCが第1接続線CWまたは第2接続線CW1に接続可能とされている。
切り替え部SWにおいて切り替え配線SCが第1接続線CWと接続されている場合には、図2(a)に示されるように、第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)に配線5を介して駆動電圧が印加されて、第1測定ユニットU1が動作する。切り替え部SWにおいて切り替え配線SCが第2接続線CW1と接続されている場合には、図2(b)に示されるように、第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)に配線51を介して駆動電圧が印加されて、第2測定ユニットU2が動作する。
このような構成において、次に説明するように、第1磁気シールド15と第2磁気シールド151との特性を相違させることにより、第1測定ユニットU1を環境温度が低くなってもゼロ磁場ヒステリシスZHが生じにくいものとし、第2測定ユニットU2を環境温度が高くなってもゼロ磁場ヒステリシスZHが生じにくいものとすることができる。
第1測定ユニットU1の第1磁気シールド15は第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)に印加される被測定磁界の強度を減衰させるものである。第1磁気シールド15は、図1に示されるように、平面視で(Z1−Z2方向からみて)、感度軸方向P(Y1−Y2方向)を短軸方向とし、この短軸方向に直交するX1−X2方向を長軸方向とする矩形を有する。図2(a)に示されるように、第1磁気シールド15は、軟磁性材料からなる第1磁性体15Aと、タンタル(Ta)などからなる酸化保護層PLとの積層構造を有する。第1磁気シールド15は、第1磁気検知素子(図2(a)では磁気抵抗効果素子11が示されている。)の上(Z1−Z2方向Z1側)に第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11)から離間して配置される。第1磁気シールド15と第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11)との離間距離は、これらの間に位置する絶縁層IMの厚さによって調整される。
第2測定ユニットU2の第2磁気シールド151は第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)に印加される被測定磁界の強度を減衰させるものである。第2磁気シールド151は、第1磁気シールド15と同様に、図1に示されるように、平面視で(Z1−Z2方向からみて)、感度軸方向P(Y1−Y2方向)を短軸方向とし、この短軸方向に直交するX1−X2方向を長軸方向とする矩形を有する。図2(b)に示されるように、第2磁気シールド151は、軟磁性材料からなる第2磁性体15Bと、タンタル(Ta)などからなる酸化保護層PLとの積層構造を有する。第2磁気シールド151は、第2磁気検知素子(図2(b)では磁気抵抗効果素子131が示されている。)の上(Z1−Z2方向Z1側)に第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子131)から離間して配置される。第2磁気シールド151と第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子131)との離間距離は、これらの間に位置する絶縁層IMの厚さによって調整される。
上記の実施形態では、上記第1磁気シールド15と第2磁気シールド151は、平面視で矩形であるが、これに限定されない。第1磁気シールド15は、第1磁気抵抗効果素子の感度軸方向Pに沿った短軸方向とこの短軸方向に交差する長軸方向を有する形状であればよい。第2磁気シールド151は、第2磁気抵抗効果素子の感度軸方向Pに沿った短軸方向とこの短軸方向に交差する長軸方向を有する形状であればよい。具体的な形状も、矩形に限らず長円形や楕円形のような形状でも良い。また、矩形の角部がテーパ形状であっても良いし、曲面(R)形状を有していても良い。
第1磁性体15Aおよび第2磁性体15BはいずれもFe−Ni合金からなり、電気めっきにより形成された電気めっき膜である。この電気めっきにおけるめっき液の組成を調整することにより、第1磁性体15AをFe含有量が19.8質量%超22.0質量%以下のFe−Ni合金からなるものとすることが容易に実現される。第1磁性体15Aがこのような組成を有することにより、第1磁性体15Aの磁歪定数は正の値となり、具体的には0超2×10−6以下である。同様に、めっき液の組成を調整することにより、第2磁性体15BをFe含有量が18.0質量%以上19.8質量%未満のFe−Ni合金からなるものとすることが容易に実現される。第2磁性体15Bがこのような組成を有することにより、第2磁性体15の磁歪定数は負の値となり、具体的には−2×10−6以上0未満である。
図3は、低温の場合および高温の場合に第1磁性体および第2磁性体に生じる磁気弾性異方性に基づく磁化の方向を説明する図である。磁気センサ1の環境温度が高い場合(図3(b))には、第1磁気シールド15と、その周囲に位置する絶縁層IMとの熱膨張率の差に基づいて、第1磁気シールド15に対して第1磁気シールド15全体を圧縮する外力Fが付与される。このとき、第1磁気シールド15の矩形の長軸方向(X1−X2方向)により大きな力が付与されるため、矩形の短軸方向(Y1−Y2方向側)に引張応力σが生じる。その結果、正の磁歪定数を有する第1磁性体15Aを備える第1磁気シールド15には、磁気弾性異方性に基づく磁化が矩形の短軸方向(Y1−Y2方向)に生じる。磁気弾性異方性に関する磁気異方性定数kuは、次の式で表される。
ku=−3λs・σ/2
ここで、λsは飽和磁歪であり、σは内部応力(正が引張、負が圧縮)である。
この磁気弾性異方性に基づく磁化は、外部磁場が印加されていなくても生じるため、第1磁気シールド15のY1−Y2方向の残留磁化となる。この残留磁化の方向は第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)の感度軸方向Pに沿っているため、残留磁化の還流磁界RM(図2(a)参照)が第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)に印加され、第1測定ユニットU1のゼロ磁場ヒステリシスZHを増大させる。
一方、環境温度が低い場合(図3(a))には第1磁気シールド15全体を引っ張る外力Fが付与されるため、矩形の長軸方向(X1−X2方向)に優先的に引張応力σが生じ、この方向(X1−X2方向)に磁気弾性異方性に基づく磁化が生じる。このX1−X2方向の磁化は第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)の感度軸方向Pに直交するため、第1磁気シールド15の残留磁化の還流磁界が第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)に印加されても第1測定ユニットU1のゼロ磁場ヒステリシスZHを増大させない。したがって、第1磁気シールド15を備える第1測定ユニットU1は、環境温度が低い場合に用いられることが、磁気センサ1のゼロ磁場ヒステリシスZHを低減させる観点から好ましい。
これに対し、負の磁歪定数を有する第2磁性体15Bを有する第2磁気シールド151を備える第2測定ユニットU2は、環境温度が高い場合(図3(d))に用いられることが好ましい。負の磁歪定数を有する第2磁性体15Bは圧縮応力σを受けたときにその方向に磁気弾性異方性に基づく磁化が生じる。環境温度が高温となって、第2磁気シールド151全体に対してその周囲に位置する絶縁層IMから圧縮する外力Fが付与されると、相対的に圧縮の程度が大きい矩形の長軸方向(X1−X2方向)に顕著に圧縮応力σが生じる。このため、第2磁性体15Bを備える第2磁気シールド151では、磁気弾性異方性に基づく残留磁化が矩形の長軸方向(X1−X2方向)に生じる。この磁化方向は感度軸方向Pに直交するため、第2磁気シールド151の残留磁化に基づく還流磁界が第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)に印加されても、第2測定ユニットU2のゼロ磁場ヒステリシスZHは増大しない。
一方、環境温度が低い場合(図3(c))には、第2磁気シールド151全体が絶縁層IMによって引っ張られるため、相対的に強度が高い矩形の長軸方向(X1−X2方向)の引張力Fが矩形の短軸方向(Y1−Y2方向)に対して圧縮応力σをもたらす。このため、第2磁気シールド151では、磁気弾性異方性に基づく残留磁化が感度軸方向Pに沿った方向(Y1−Y2方向)に生じる。この残留磁化に基づく還流磁界が第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)に印加されると、第2測定ユニットU2のゼロ磁場ヒステリシスZHを増大させる。したがって、環境温度が低い場合には第1測定ユニットU1を用いること(図3(a))が好ましく、環境温度が高い場合には第2測定ユニットU2用いること(図3(d))が好ましい。
切り替え部SWは、環境温度が0℃以上80℃以下の間で切り替えを行うことが好ましい。具体的には、環境温度が0℃以下では第1測定ユニットU1の出力を磁気センサ1からの出力とし、環境温度が80℃以上では第2測定ユニットU2の出力を磁気センサ1からの出力とすればよい。上記の切り替え温度域(0℃以上80℃以下)は、第1磁性体15Aの組成および第2磁性体15Bの組成に基づき設定されるべきものであって、10℃以上50℃以下とすることが好ましい場合があり、15℃以上40℃以下とすることがより好ましい場合がある。
図4は、本発明の他の一実施形態に係る磁気センサの構造を概念的に示す平面図である。図5(a)は図4のV3−V3断面図であり、第1測定ユニットU1が示されている。図5(b)は図4のV4−V4断面図であり、第2測定ユニットU2が示されている。図4および図5に示される磁気センサ1Aは、図1に示される磁気センサ1と同様に第1測定ユニットU1および第2測定ユニットU2を備え、さらに第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)と第1磁気シールド15との間、および第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)と第2磁気シールド151との間にスパイラル形状を有する磁気平衡用コイル(スパイラルコイル)16を備える。図4では、磁気平衡用コイル16の外形が太い破線にて示されている。この破線で示される領域のX−Y平面内を周回するように磁気平衡用コイル16のコイル配線が配置される。図5では、磁気平衡用コイル16における周回する複数のコイル配線の断面がY1−Y2方向に並んで示されている。磁気平衡用コイル16は、第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)と第1磁気シールド15との間、および第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141)と第2磁気シールド151との間に位置するため、第1磁気シールド15や第2磁気シールド151により減衰した状態で印加される外部磁場をキャンセルするような誘導磁界を比較的小電流により生じさせることが可能となる。このため、磁気平衡式の磁気センサを省電力で動作させることが可能である。
図4では、一例として、磁気平衡用コイル16を流れるキャンセル電流Icが反時計回りに流れている。このため、第1磁気検知素子(図5(a)では磁気抵抗効果素子11が示されている。)と第1磁気シールド15との間において、X1−X2方向X1向き(図5(a)では紙面奥から手前向き)にキャンセル電流Icは流れる。第2磁気検知素子(図5(b)では磁気抵抗効果素子111が示されている。)と第2磁気シールド151との間において、X1−X2方向X2向き(図5(a)では紙面手前から奥向き)にキャンセル電流Icは流れる。それゆえ、キャンセル電流Icの誘導磁界は、第1磁気検知素子(磁気抵抗効果素子11)と第2磁気検知素子(磁気抵抗効果素子111)とは反対向きに印加される。
そこで、磁気センサ1Aでは、第2測定ユニットU2は第1測定ユニットU1をX1−X2方向に沿った線に関する線対称の構成を有する。具体的には、磁気センサ1Aでは、第2測定ユニットU2の第2磁気検知素子を構成する磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141は、X1−X2方向X2側からX1側へと、磁気抵抗効果素子111、磁気抵抗効果素子121、磁気抵抗効果素子141、磁気抵抗効果素子131の順に並んでいる。そして、この配置に対応して、配線61、配線71および配線81、ならびにグランド端子61a、第1の中点電位測定用端子71aおよび第2の中点電位測定用端子81aが配置されている。
以上の実施形態では、第1磁気検知素子や第2磁気検知素子がGMR素子からなる場合を具体例としているが、これに限定されない。限定されない一例において、磁気抵抗効果素子は、異方性磁気抵抗効果素子(AMR素子)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)およびトンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)からなる群から選ばれる1種以上の素子からなる。
なお、磁気センサ1が備える磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14および磁気抵抗効果素子111から磁気抵抗効果素子141を構成するそれぞれのGMR素子の固定層がセルフピン構造を有する場合には、固定層の磁化は磁場中成膜によって行うことができ、成膜後に磁場中の加熱処理が必要とされない。このため、同一基板上に固定層の磁化の向きが異なるGMR素子を配置でき、一基板上に2つのフルブリッジ回路を構成することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサ1,1Aは、電流センサとして好適に使用されうる。
本発明の一実施形態に係る電流センサの具体例として、磁気比例式電流センサおよび磁気平衡式電流センサが挙げられる。
磁気比例式電流センサの具体例は、図1および図2に示される磁気センサ1を用いる場合であり、かかる電流センサでは、図2の上方(Z1−Z2方向Z1側)において、被測定電流Ioが流れる電流線がX1−X2方向に延びるように位置する(図1参照)。前述のように、第1測定ユニットU1と第2測定ユニットU2とは、180度の回転対称の関係になるようにそれぞれの磁気検知素子が配置されている。したがって、第1測定ユニットU1からの出力信号(第1の中点電位測定用端子7aおよび第2の中点電位測定用端子8aからの信号)、または第2測定ユニットU2からの出力信号(第1の中点電位測定用端子71aおよび第2の中点電位測定用端子81aからの信号)によって、被測定電流Ioの電流量および向きを測定することができる。
切り替え部SWを適宜動作させて、環境温度が低下した(具体的には0℃未満)場合には第2測定ユニットU2に代えて第1測定ユニットU1を用いて測定し、環境温度が上昇した(具体的には80℃以上)場合には第1測定ユニットU1に代えて第2測定ユニットU2を用いて測定することにより、環境温度が変化しても測定精度が低下しにくい電流センサとすることができる。0℃から80℃の範囲では、第1測定ユニットU1および第2測定ユニットU2のいずれを用いてもよい。
磁気平衡式電流センサの具体例は、図4および図5に示される磁気センサ1Aを用いる場合であり、かかる電流センサでは、図5の上方(Z1−Z2方向Z1側)において、被測定電流Ioが流れる電流線がX1−X2方向に延びるように位置する(図4参照)。このようにすることで、被測定磁界となる被測定電流Ioの誘導磁界は、第1磁気検知素子や第2磁気検知素子に対して感度軸方向P(Y1−Y2方向)に沿った方向に印加される。被測定磁界の一部はより透磁率の高い磁気シールド(第1磁気シールド15、第2磁気シールド151)を通るため、磁気検知素子(第1磁気検知素子、第2磁気検知素子)に実質的に印加される被測定磁界の強度を低減させることができる。それゆえ、磁気検知素子(第1磁気検知素子、第2磁気検知素子)に実質的に印加される被測定電流Ioによる磁界をキャンセルするような誘導磁界を発生させるべく磁気平衡用コイル16に流される電流量を少なくすることができ、電流センサの省電力化が実現される。
切り替え部SWを適宜動作させて、環境温度が低下した(具体的には0℃未満)場合には第2測定ユニットU2に代えて第1測定ユニットU1を用いて測定し、環境温度が上昇した(具体的には80℃以上)場合には第1測定ユニットU1に代えて第2測定ユニットU2を用いて測定することにより、環境温度が変化しても測定精度が低下しにくい電流センサとすることができる。0℃から80℃の範囲では、第1測定ユニットU1および第2測定ユニットU2のいずれを用いてもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上記の実施形態の説明では、切り替え部SWは、第1測定ユニットU1および第2測定ユニットU2の一方に駆動電圧を供給することにより、第1測定ユニットU1および第2測定ユニットU2のいずれを用いるかを選択しているが、第1測定ユニットU1の出力信号および第2測定ユニットU2の出力信号のいずれを磁気センサ1、1Aの出力とするかを選択することにより、第1測定ユニットU1および第2測定ユニットU2のいずれを用いるかを選択してもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
図4および図5に示される構造と同様の構造を有する磁気平衡式の磁気センサ1Aを複数個(50個以上)作製した。磁気検知素子(第1磁気検知素子、第2磁気検知素子)を構成する磁気抵抗効果素子はいずれもGMR素子であった。磁気シールド(第1磁気シールド15、第2磁気シールド151)は、平面形状が800μm×200μmであってFe−Ni合金からなり厚さ16.5μmの軟磁性層を電気めっきにより積層し、さらにTaからなり厚さ10nmの酸化保護層をスパッタリングにより形成した。第1磁気シールド15の第1磁性体15AにおけるFe含有量は20.8質量%であって、磁歪定数は正であった。第2磁気シールド151の第2磁性体15BにおけるFe含有量は18.8質量%であって、磁歪定数は負であった。磁気シールド(第1磁気シールド15、第2磁気シールド151)とGMR素子との間の距離(Y1−Y2方向の距離)は9.0μmであった。
(比較例1)
次の点で実施例1と相違する磁気平衡式の磁気センサ1Aを複数個(50個以上)作製した。
(相違点1)第1測定ユニットU1のみを有し第2測定ユニットU2を有しない。
(相違点2)第1磁気シールド15の磁性体が、Fe含有量のねらい値が18.8質量%(負磁歪)のFe−Ni合金からなるものである。
(比較例2)
第1磁気シールド15の磁性体をFe含有量のねらい値が20.8質量%(正磁歪)のFe−Ni合金からなるものとしたこと以外は、比較例1と同様にして、複数個の磁気センサ1Aを作製した。
(比較例3)
第1磁気シールド15の磁性体をFe含有量のねらい値が19.8質量%(ゼロ磁歪)のFe−Ni合金からなるものとしたこと以外は、比較例例1と同様にして、複数個の磁気センサ1Aを作製した。
(測定例1)
環境温度(測定温度)を−40℃に設定して、実施例1に係る磁気センサ1Aについては切り替え部SWの切り替え配線SCを第1測定ユニットU1につながる第1接続線CWと接続させて、実施例1および比較例1から比較例3に係る磁気センサ1Aの測定を行った。磁気センサ1Aのそれぞれについて、印加する外部磁場の最大強度(最大印加磁場)を±18mTとして外部磁場を変化させながらヒステリシスループを測定した。このヒステリシスループから、ゼロ磁場ヒステリシスZH(単位:%/FS)を測定した。ゼロ磁場ヒステリシスZHは、フルブリッジ出力曲線における出力の最大値(正の最大磁場を印加したときの値−負の最大磁場を印加したときの値)に対するゼロ磁場における出力の大きさ(正の最大磁場の印加から印加磁場ゼロまで変化させたときの値−負の最大磁場の印加から印加磁場ゼロまで変化させたときの値)の割合(単位:%)である。
(測定例2)
環境温度(測定温度)を25℃に設定して、測定例1と同様にしてゼロ磁場ヒステリシスZH(単位:%/FS)を測定した。本測定例において、実施例1に係る磁気センサ1Aでは、第1測定ユニットU1の出力が磁気センサ1Aの出力であった。
(測定例3)
環境温度(測定温度)を125℃に設定して、実施例1に係る磁気センサ1Aについては切り替え部SWの切り替え配線SCを第2測定ユニットU2につながる第2接続線CW1と接続させて、実施例1および比較例1から比較例3に係る磁気センサ1Aの測定を行って、ゼロ磁場ヒステリシスZH(単位:%/FS)を測定した。本測定例において、実施例1に係る磁気センサ1Aでは、第2測定ユニットU2の出力が磁気センサ1Aの出力であった。
各測定例について、ゼロ磁場ヒステリシスZHの平均値およびばらつき(3σ)を表1および図6に示す。
表1および図6に示されるように、実施例1に係る磁気センサでは、ゼロ磁場ヒステリシスZHはいずれの測定温度においても絶対値が0.01%/FS以下と小さかった。
負磁歪の磁気シールドのみを備える比較例1の磁気センサでは、低温(−40℃)においてゼロ磁場ヒステリシスZHの絶対値が大きくなった。これは、負磁歪の磁気シールドに対して、感度軸方向Pに沿った矩形の短軸方向(Y1−Y2)方向に圧縮応力σが生じて、磁気弾性異方性に基づく磁化が磁気シールドに生じたことを意味している。
正磁歪の磁気シールドのみを備える比較例2の磁気センサでは、高温(125℃)においてゼロ磁場ヒステリシスZHの絶対値が大きくなった。これは、正磁歪の磁気シールドに対して、感度軸方向Pに沿った矩形の短軸方向(Y1−Y2)方向に引張応力σが生じて、磁気弾性異方性に基づく磁化が磁気シールドに生じたことを意味している。
ゼロ磁歪を狙って作製した磁気シールドを備える比較例3の磁気センサでは、実施例1の磁気センサに比べて、低温(−40℃)のゼロ磁場ヒステリシスZHおよび高温(125℃)のゼロ磁場ヒステリシスZHのいずれについても、絶対値が大きくなった。しかも、ばらつきが大きくなった。
したがって、本発明に係る磁気センサは、測定精度が高く、しかも品質の安定性に優れることが確認された。
本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサは、柱状トランスなどのインフラ設備の電流センサの構成要素や、電気自動車、ハイブリッドカーなどの電流センサの構成要素として好適に使用されうる。
1,1A 磁気センサ
U1 第1測定ユニット
U2 第2測定ユニット
11,12,13,14,111,121,131,141 磁気抵抗効果素子(第1磁気検知素子、第2磁気検知素子)
5,6,7,8,51,61,71,81 配線
5a,51a 入力端子
6a,61a グランド端子
7a,71a 第1の中点電位測定用端子
8a,81a 第2の中点電位測定用端子
Io 被測定電流
IM 絶縁層
15 第1磁気シールド
151 第2磁気シールド
15A 第1磁性体
15B 第2磁性体
16 磁気平衡用コイル(スパイラルコイル)
PL 酸化保護層
29 基板
SW 切り替え部
SC 切り替え配線
CW 第1接続線
CW1 第2接続線
RM 還流磁界
F 外力(圧縮力、引張力)
σ 内部応力(圧縮応力、引張応力)
Ic キャンセル電流
P 感度軸方向

Claims (9)

  1. 磁歪定数が正である第1磁性体を有し、短軸方向と長軸方向とを有する第1磁気シールドと、平面視で前記第1磁気シールドに重なるように配置され、前記短軸方向に沿った方向の感度軸を有する第1磁気検知素子とを備える第1測定ユニットと、
    磁歪定数が負である第2磁性体を有し、短軸方向と長軸方向とを有する第2磁気シールドと、平面視で前記第2磁気シールドに重なるように配置され、前記短軸方向に沿った方向の感度軸を有する第2磁気検知素子とを備える第2測定ユニットと、
    環境温度に基づいて、前記第1測定ユニットおよび前記第2測定ユニットのいずれを用いるかを選択する切り替え部と、
    を備えることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記切り替え部は、前記環境温度が0℃以上80℃以下の間で切り替えを行い、
    前記環境温度が0℃以下では前記第1磁気検知素子の出力を前記磁気センサからの出力とし、
    前記環境温度が80℃以上では前記第2磁気検知素子の出力を前記磁気センサからの出力とする、請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記第1磁性体の磁歪定数は0超2×10−6以下であって、
    前記第2磁性体の磁歪定数は−2×10−6以上0未満である、請求項1または請求項2に記載の磁気センサ。
  4. 前記第1磁性体はFe含有量が19.8質量%超22.0質量%以下のFe−Ni合金からなり、前記第2磁性体はFe含有量が18.0質量%以上19.8質量%未満のFe−Ni合金からなる、請求項3に記載の磁気センサ。
  5. 前記第1磁性体および前記第2磁性体は電気めっき膜からなる、請求項4に記載の磁気センサ。
  6. 前記第1磁気検知素子および前記第2磁気検知素子はいずれも、前記矩形の短軸方向に沿った方向の感度軸を有する複数の磁気抵抗効果素子からなる、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  7. 磁気平衡用コイルをさらに備え、前記磁気平衡用コイルに流れる電流に基づき前記被測定磁界の強度を測定する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  8. 前記磁気平衡用コイルはスパイラルコイルであって、前記磁気抵抗効果素子と前記磁気シールドとの間に位置する、請求項7に記載の磁気センサ。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載される磁気センサを備え、前記磁気センサは被測定電流の誘導磁界を前記被測定磁界とする電流センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022172565A1 (ja) * 2021-02-09 2022-08-18 アルプスアルパイン株式会社 電流センサ

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