JP2019089911A - タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立可能なタイヤ用ゴム組成物を提供することおよび低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立したタイヤを提供すること。【解決手段】ゴム成分Aとゴム成分Bとを少なくとも含むゴム成分と、カーボンブラックおよび/またはシリカであるフィラーとを含み、タイヤ用ゴム組成物は、フィラーの分配率が異なる2相以上のポリマー相で構成されており、ゴム成分A、Bは、それぞれ、ポリマー相A、Bを構成しており、ポリマー相Aにフィラーの全配合量の85%以上が存在し、タイヤ用ゴム組成物の加硫物のtanδ曲線において、ポリマー相AのtanδのピークAと、ポリマー相BのtanδのピークBとが存在し、ピークAの温度がピークBの温度よりも高く、ピークAとピークBの温度差が、45℃以上である、タイヤ用ゴム組成物。当該タイヤ用ゴム組成物を用いた、タイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびタイヤに関する。
従来、低転がり抵抗性とWET性能(湿潤路面でのグリップ性能)は、二律背反の関係にあると言われてきたが、近年はそれらを高度に両立したタイヤが開発されている。
例えば、特許文献1では、ウェットグリップ性能を向上することができるゴム組成物の製造方法を提供することを目的とし、ゴム成分100質量部に対して、シリカ20〜150質量部と、架橋されたジエン系ポリマー粒子であるポリマーゲル1〜10質量部とを含むゴム組成物を得るにあたり、前記ゴム成分100質量部として、シリカと相互作用を持つ官能基が導入されたスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム及び天然ゴムからなる群から選択された少なくとも1種の変性ジエン系ゴム30〜90質量部と、非変性ジエン系ゴム70〜10質量部とを用い、前記ポリマーゲルとして、前記変性ジエン系ゴムの官能基と相互作用を持つ官能基を有するものを用いて、前記変性ジエン系ゴムの全量を前記シリカとともに前記ポリマーゲルと混合して第1混合物を得る第1工程と、得られた第1混合物に前記非変性ジエン系ゴムを混合する第2工程と、を含むゴム組成物の製造方法を提案している。
特開2016−079287号公報
しかし、低転がり抵抗性とWET性能のバランスは、路面の凹凸などの路面形状に依存する場合があり、未だ改善の余地があった。
そこで、本発明は、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立可能なタイヤ用ゴム組成物を提供すること、および、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立したタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、
ゴム成分とフィラーとを含む、タイヤ用ゴム組成物であって、
前記ゴム成分は、ゴム成分Aとゴム成分Bとを少なくとも含み、
前記フィラーは、カーボンブラックおよびシリカからなる群より選択される1種以上であり、
前記タイヤ用ゴム組成物は、フィラーの分配率が異なる2相以上のポリマー相で構成されており、
前記ゴム成分Aは、ポリマー相Aを構成しており、
前記ゴム成分Bは、ポリマー相Bを構成しており、
前記ポリマー相Aに前記フィラーの全配合量の85%以上が存在し、
前記タイヤ用ゴム組成物の加硫物のtanδ曲線において、前記ポリマー相AのtanδのピークAと、前記ポリマー相BのtanδのピークBとが存在し、
ピークAの温度がピークBの温度よりも高く、
ピークAとピークBの温度差が、45℃以上である、タイヤ用ゴム組成物である。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物によれば、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立可能である。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ピークAの温度が、−30〜30℃の範囲内にあることが好ましい。これにより、低転がり抵抗性を維持しながら、WET性能がより高まる。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Aが、前記フィラーと相互作用する変性基を有することが好ましい。これにより、低転がり抵抗性と乾燥路面でのハンドリング性(以下、単に「DRY−H」ということがある)が向上する。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Aと、前記フィラーと、熱可塑性樹脂、無機物および加硫ゴム粉砕物からなる群より選択される1種以上とを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造され、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が、前記ゴム成分Aのガラス転移温度(Tg)よりも高いことが好ましい。これにより、WET性能がより高まる。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記マスターバッチと、前記ゴム成分Bと、オイルおよび軟化剤からなる群より選択される1種以上とを混練りして得られ、前記オイルおよび軟化剤のガラス転移温度(Tg)が、前記ゴム成分BのTgよりも低いことが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ピークAの温度が、0℃以上の範囲内にあることが好ましい。これにより、WET性能がより高まる。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分AのTgと前記ゴム成分Bのガラス転移温度(Tg)との差が30℃以上であり、かつ、ゴム成分AのTgが、ゴム成分BのTgよりも高いことが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分BのTgが、−50℃以下であることが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Bの配合量が、前記ゴム成分Aの配合量以上であることが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Aが、スチレンブタジエンゴムであることが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Aと、前記フィラーとを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造され、前記フィラーの配合量が、前記タイヤ用ゴム組成物に配合するフィラーの全配合量の85%以上であることが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。
本発明に係るタイヤは、上記タイヤ用ゴム組成物を用いた、タイヤである。
本発明に係るタイヤによれば、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立することができる。
本発明によれば、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立可能なタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立したタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
本発明において、タイヤ用ゴム組成物のポリマー相Aのフィラーの分配率(%)、すなわち、フィラーの全配合量に対するポリマー相Aに存在するフィラーの割合は、以下のように求める。タイヤ用ゴム組成物の加硫物について、ミクロトームにより切削した試料の平滑面を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、任意の測定範囲2μm×2μmで撮像する。得られた画像をヒストグラムより各ポリマー相とフィラー部分に変換して得られた像に基づき、ポリマー相それぞれに含まれるフィラー面積を求め、当該画像中のフィラー総量に対するポリマー相A(フィラーが最も多く存在する相)のフィラーの割合を算出し、分配率(%)とする。ポリマー相の境界面にフィラーがある場合は、そのフィラーがより多く接しているポリマー相側に含まれるとする。算出に当たり、画像の端(辺)に接しているフィラーはカウントせず、9ピクセル以下のフィラーは、ノイズとみなしてカウントしない。
本発明において、タイヤ用ゴム組成物の加硫物のtanδ(損失正接)曲線は、動的引張粘弾性測定試験機を用いて、周波数52Hz、初期歪2%、動歪1%、3℃/分の昇温速度で−100℃から70℃におけるtanδの値を測定して得られる、縦軸にtanδ、横軸に温度をとったグラフをいう。tanδ曲線におけるピークの温度は、ピーク頂点の温度をいう。
本発明において、Tgは、示差走査熱量測定(DSC)により求める。DSC測定は、−150℃まで冷却した後に10℃/分で昇温する条件で測定する。
(タイヤ用ゴム組成物)
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、
ゴム成分とフィラーとを含む、タイヤ用ゴム組成物であって、
前記ゴム成分は、ゴム成分Aとゴム成分Bとを少なくとも含み、
前記フィラーは、カーボンブラックおよびシリカからなる群より選択される1種以上であり、
前記タイヤ用ゴム組成物は、フィラーの分配率が異なる2相以上のポリマー相で構成されており、
前記ゴム成分Aは、ポリマー相Aを構成しており、
前記ゴム成分Bは、ポリマー相Bを構成しており、
前記ポリマー相Aに前記フィラーの全配合量の85%以上が存在し、
前記タイヤ用ゴム組成物の加硫物のtanδ曲線において、前記ポリマー相AのtanδのピークAと、前記ポリマー相BのtanδのピークBとが存在し、
ピークAの温度がピークBの温度よりも高く、
ピークAとピークBの温度差が、45℃以上である、タイヤ用ゴム組成物である。
<ゴム成分>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分として、ゴム成分Aとゴム成分Bとを少なくとも含む。
ゴム成分Aは、ポリマー相Aを構成し、そのポリマー相Aにタイヤ用ゴム組成物中のフィラー全配合量の85%以上が存在する。一方、ゴム成分Bは、ポリマー相Bを構成している。ポリマー相Aのフィラーの分配率は85%以上であり、したがって、ポリマー相Bにはタイヤ用ゴム組成物中のフィラー全配合量の15%以下が存在する。また、タイヤ用ゴム組成物の加硫物のtanδ曲線において、ポリマー相AのtanδのピークAと、ポリマー相BのtanδのピークBとが存在し、ピークAの温度がピークBの温度よりも高く、ピークAとピークBの温度差が、45℃以上である。理論に拘束されることを望むものではないが、このようにポリマー相Aにフィラーが多く存在する一方、ポリマー相Bに存在するフィラーが少ないことと、ピークAとピークBの温度差が、45℃以上であることにより、ポリマー相Aとポリマー相Bとの剛性差が大きくなり(ポリマー相Aの剛性>ポリマー相Bの剛性)、ポリマー相AがWET路面上の微小な突起に対するひっかき効果を生じ、低転がり抵抗性を維持しながら湿潤路面でのグリップ力を発現して、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立することができるものと推測される。
ポリマー相Aのフィラーの分配率は、フィラー全配合量の85%以上であるが、ポリマー相Aとポリマー相Bとの剛性差を大きくし、低転がり抵抗性とWET性能とをより高度に両立する観点から、90%以上が好ましい。
ポリマー相Bのフィラーの分配率は、ポリマー相Aのフィラーの分配率から、フィラー全配合量の15%以下であるが、ポリマー相Aとポリマー相Bとの剛性差を大きくし、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立する観点から、10%以下が好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ピークAの温度が、−30〜30℃の範囲内にあることが好ましく、−5〜15℃の範囲内にあることがより好ましい。これにより、ポリマー相Aとポリマー相Bとの剛性差が大きくなり、低転がり抵抗性を維持しながら、WET性能がより高まる。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ピークAの温度が、0℃以上の範囲内にあることが好ましく、0〜15℃の範囲内にあることより好ましい。これにより、ポリマー相Aとポリマー相Bとの剛性差が大きくなり、WET性能がより高まる。
一実施形態では、ピークAとピークBの温度差は、45℃〜65℃である。
<<ゴム成分A>>
ゴム成分Aは、ゴム成分Bのポリマー相Bと異なるポリマー相Aを形成できるもの、すなわち、ポリマー相Bと非相溶の相を形成できるものであれば特に限定されず、公知のゴム成分を適宜選択して用いることができる。
ゴム成分Aとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、これらを変性したものなどが挙げられる。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分Aが、スチレンブタジエンゴムであることが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分Aが、フィラーと相互作用する変性基を有することが好ましい。これにより、ポリマー相Aにフィラーがより多く存在してポリマー相Aがポリマー相Bに比べてより硬くなり、また、ポリマー相A中にフィラーがより均一に分散して、低転がり抵抗性とDRY−Hが向上する。
フィラーと相互作用する変性基としては、変性基とフィラー(例えば、シリカ)表面との間で、例えば、共有結合、分子間力(イオン−双極子相互作用、双極子−双極子相互作用、水素結合、ファンデルワールス力などの分子間力)などを形成することが可能な官能基を意味する。フィラー(例えば、シリカ)との相互作用性の高い変性基としては、例えば、含窒素官能基、含ケイ素官能基、含酸素官能基などが好適に挙げられる。
ゴム成分に変性基を導入するための変性剤としては、上述した変性官能基を有する公知の変性剤から適宜選択して用いることができる。このような変性剤としては、例えば、特開2016−160422号公報に記載の、一般式(I)のアルコキシシラン化合物;一般式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)のヒドロカルビルオキシシラン化合物などが挙げられる。変性方法も公知の方法から適宜選択すればよく、例えば、上記特開2016−160422号公報に記載の変性方法などを採用すればよい。
変性SBRの調製方法としては、例えば、特表2010−525087号公報、特開平11−080514号公報、特表2003−535174号公報、特表2006−524725号公報、特表2010−531374号公報、特表2010−531375号公報、特表2012−513516号公報、国際公開第2016/194316号などに記載の方法が挙げられる。
変性に用いられる変性剤について説明する。
変性剤は、フィラー(例えば、シリカ)に対して相互作用性を有する官能基を含む変性剤であることが好ましく、ケイ素原子、窒素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1つの原子を有する変性剤であることがより好ましく、ケイ素原子と酸素原子、又はケイ素原子と窒素原子を一分子中に有する変性剤であることが特に好ましく、ケイ素原子と酸素原子と窒素原子を一分子中に有する変性剤であることが最も好ましい。
上記フィラー(例えば、シリカ)に対して高い親和性を有する観点から上記変性剤は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。
そして、当該アルコキシシラン化合物については、特に限定はされないものの、下記一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 2019089911
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、aは0〜2の整数であり、OR2が複数ある場合、複数のOR2はたがいに同一でも異なっていてもよく、また分子中には活性プロトンは含まれない。)
ここで、上記一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトリジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、などが挙げられる。
これらの中でも、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好適である。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記フィラー(シリカ)に対して高い親和性を有する観点から、上記変性剤は、ヒドロカルビルオキシシラン化合物であってもよい。
そして、当該ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019089911
一般式(II)中、n1+n2+n3+n4=4(但し、n2は1〜4の整数であり、n1、n3及びn4は0〜3の整数である)であり、A1は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基(イソシアナート基又はチオイソシアナート基を示す。以下、同様。)、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、A1は、Siと結合して環状構造を形成する二価の基であってもよく、R21は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、R23は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又は、ヨウ素)であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、R22は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していてもよく、n2が2以上の場合には、互いに同一もしくは異なっていてもよく、或いは、一緒になって環を形成しており、R24は、炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
上記加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基又は上記加水分解性基を有するメルカプト基における加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
なお、本発明において、「炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基」とは、「炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基もしくは炭素数3〜20の一価の脂環式炭化水素基」をいう。二価の炭化水素基の場合も同様である。
上記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物の具体例としては、〔N,N−ビス(トリメチルシリル)−(3−アミノ−1−プロピル)〕(メチル)(ジエトキシ)シランが好適に挙げられる。
さらに、上記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 2019089911
上記一般式(III)中、p1+p2+p3=2(但し、p2は1〜2の整数であり、p1及びp3は0〜1の整数である)であり、A2は、NRa(Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である。加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。)、或いは、硫黄であり、R25は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R27は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又は、ヨウ素)であり、R26は、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又は含窒素有機基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していてもよく、p2が2の場合には、互いに同一もしくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R28は、炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
さらに、上記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(IV)又は(V)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 2019089911
上記一般式(IV)中、q1+q2=3(但し、q1は0〜2の整数であり、q2は1〜3の整数である)であり、R31は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R32及びR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R34は炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていてもよく、R35は炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
Figure 2019089911
上記一般式(V)中、r1+r2=3(但し、r1は1〜3の整数であり、r2は0〜2の整数である)であり、R36は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、R38は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていてもよい。
また、上記変性剤が、下記一般式(VI)又は(VII)で表される2つ以上の窒素原子を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019089911
上記一般式(VI)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R40はトリメチルシリル基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R41は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R42は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
Figure 2019089911
上記一般式(VII)中、TMSはトリメチルシリル基であり、R43及びR44はそれぞれ独立して炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R45は炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、複数のR45は、同一でも異なっていてもよい。
また、上記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(VIII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 2019089911
上記一般式(VIII)中、r1+r2=3(但し、r1は0〜2の整数であり、r2は1〜3の整数である)であり、TMSはトリメチルシリル基であり、R46は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R47及びR48はそれぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。複数のR47又はR48は、同一でも異なっていてもよい。
さらに、上記変性剤が、下記一般式(IX)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019089911
上記一般式(IX)中、Xはハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又は、ヨウ素)であり、R49は炭素数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R50及びR51はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、又は、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であるか、或いは、R50及びR51は結合して二価の有機基を形成しており、R52及びR53はそれぞれ独立してハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又は、ヨウ素)、ヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。R50及びR51としては、加水分解性基であることが好ましく、加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
また、上記変性剤が、下記一般式(X)〜(XIII)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2019089911
Figure 2019089911
Figure 2019089911
Figure 2019089911
ここで、式X〜XIIIに含まれる記号U、Vはそれぞれ0〜2かつ、U+V=2を満たす整数である。また、式X〜XIII中のR5492は同一でも異なっていても良く、炭素数1から20の2価の脂肪族若しくは、脂環式炭化水素または、炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基である。また、式XIII中のα、βは0〜5の整数である。
また、式X〜XIIを満たす化合物の中でも、特に、N1,N1,N7−テトラメチル−4−((トリメトキシシリル)メチル)−1,7へプタン、2−((ヘキシル−ジメトキシシリル)メチル)−N1,N1,N3,N3−2−ペンタメチルプロパン−1,3−ジアミン、N1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−N3,N3−ジメチル−N1−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)プロパン−1,3−ジアミン、4−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N1,N1,N7,N7−テトラメチル−4−((トリメトキシシリル)メチル)へプタン−1,7−ジアミン、が好ましく、
式XIIIを満たす化合物の中でも、特に、N,N−ジメチル−2−(3−(ジメトキシメチルシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−(3−(トリメトキシシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N−ジメチル−2−(3−(トリメトキシシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N−ジメチル−3−(3−(トリメトキシシリル)プロポキシ)プロパン−1−アミンが好ましい。
また、一般式(II)〜(XIII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。
変性重合体をアニオン重合によって得る場合に好適な変性剤としては、具体的には、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1−ビニルベンゼン、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−シアノピリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及び1―メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
さらに、上記変性剤は、アニオン重合における重合開始剤として用いられるリチウムアミド化合物のアミド部分であることが好ましい。
このリチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド及びリチウムメチルフェネチルアミドから選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好適に例示される。例えば、リチウムヘキサメチレンイミドのアミド部分となる変性剤はヘキサメチレンイミンであり、リチウムピロリジドのアミド部分となる変性剤はピロリジンであり、リチウムピぺリジドのアミド部分となる変性剤はピペリジンである。
変性重合体を配位重合によって得る場合に好適な変性剤としては、2−シアノピリジン及び3,4−ジトリメチルシリルオキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく挙げられる。
変性重合体を乳化重合によって得る場合に好適な変性剤としては、3,4−ジトリメチルシリルオキシベンズアルデヒド及び4−ヘキサメチレンイミノアルキルスチレンから選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく挙げられる。これらの乳化重合において好ましく用いられる変性剤は、窒素原子及び/又はケイ素原子を含むモノマーとして、乳化重合時に共重合されることが好ましい。
ゴム成分AのTgは、上述したポリマー相AのtanδのピークAの温度がピークBの温度よりも高く、ピークAとピークBの温度差が、45℃以上となるものであればよく、特に限定されない。例えば、ゴム成分AのTgは、−35℃以上である。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分AのTgと後述するゴム成分BのTgとの差が30℃以上であり、かつ、ゴム成分AのTgが、ゴム成分BのTgよりも高いことが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。一実施形態では、ゴム成分AのTgとゴム成分BのTgとの差は、例えば、30〜45℃または30〜35℃である。
ゴム成分におけるゴム成分Aの割合は、特に限定されず、適宜調節すればよい。例えば、ゴム成分Aの割合は、ゴム成分100質量部に対して、10〜90質量部または10〜50質量部とすればよい。
<<ゴム成分B>>
ゴム成分Bは、ゴム成分Aのポリマー相Aと異なるポリマー相Bを形成できるものであれば特に限定されず、公知のゴム成分を適宜選択して用いることができる。
ゴム成分Bとしては、例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、これらを変性したものなどが挙げられる。
ゴム成分BのTgは、上述したポリマー相AのtanδのピークAの温度がピークBの温度よりも高く、ピークAとピークBの温度差が、45℃以上となるものであればよく、特に限定されない。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分BのTgが、−50℃以下であることが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。一実施形態では、ゴム成分BのTgは、−110℃以上、−80℃以上、−70℃以上または−65℃以上である。
ゴム成分におけるゴム成分Bの割合は、特に限定されず、適宜調節すればよい。例えば、ゴム成分Bの割合は、ゴム成分100質量部に対して、10〜90質量部とすればよい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Bの配合量が、前記ゴム成分Aの配合量以上であることが好ましく、ゴム成分Bとゴム成分Aとの配合比が50:50〜60:40であることがより好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。
<<その他のゴム成分>>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物では、少なくともゴム成分Aとゴム成分Bとを含めばよく、その他のゴム成分が含まれていてもよい。その他のゴム成分としては、例えば、ブタジエンゴム、合成イソプレンゴム、スチレンイソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが挙げられる。その他のゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<フィラー>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、フィラーを含む。フィラーは、カーボンブラックおよびシリカからなる群より選択される1種以上である。フィラーは、公知のフィラーを適宜選択して用いることができる。フィラーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フィラーの配合量としては、特に限定されず、適宜調整することができる。フィラーの配合量は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、30〜100質量部、好ましくは40〜60質量部である。
<<シリカ>>
シリカとしては、特に限定されず、公知のシリカを適宜選択して用いることができる。シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどが挙げられる。
フィラーにおけるシリカの量は適宜調節すればよい。例えば、シリカの量は、フィラーの総質量に対して、70質量%以上、80質量%以上または90質量%以上であり、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、50質量%以下または40質量%以下である。
<<カーボンブラック>>
カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知のカーボンブラックを適宜選択して用いることができる。例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFグレードのカーボンブラックなどが挙げられる。カーボンブラックは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フィラーにおけるカーボンブラックの量は適宜調節すればよい。例えば、カーボンブラックの量は、フィラーの総質量に対して、5〜90質量%でもよい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Aと、前記フィラーとを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造されることが好ましく、この場合、前記フィラーの配合量が、前記タイヤ用ゴム組成物に配合するフィラーの全配合量の85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。上記マスターバッチは、ゴム成分Aとフィラーに加えて、後述する熱可塑性樹脂、無機物、加硫ゴム粉砕物からなる群より選択される1種以上なども合わせて混練りして得られたマスターバッチであってもよい。
<シランカップリング剤>
フィラーとして、シリカを用いる場合、シランカップリング剤を用いてもよい。シランカップリング剤としては、公知のシランカップリング剤を適宜選択して用いることができる。例えば、国際公開第2015/079703号、国際公開第2016/084370号などに記載のシランカップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドなどが挙げられるが、これらの中で補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが好適である。これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、適宜調節すればよい。例えば、シリカ100質量部に対して2〜20質量部または5〜15質量部とすればよい。
<熱可塑性樹脂>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を適宜選択して用いることができる。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、国際公開第2015/079703号、国際公開第2016/084370号などに記載のC系樹脂、C〜C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂およびアルキルフェノール系樹脂などが挙げられる。
本発明において「C5系樹脂」とは、C5系合成石油樹脂を指し、例えばAlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用い、C5留分を重合して得られる固体重合体を指す。具体的には、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン及び1−ペンテンなどを主成分とする共重合体、2−ペンテンとジシクロペンタジエンとの共重合体、1,3−ペンタジエンを主体とする重合体などが例示される。なお、熱可塑性樹脂としてC5系樹脂を用いれば、更に氷雪路面上での制動性能を向上させることもできる。
本発明において「C5〜C9系樹脂」とは、C5〜C9系合成石油樹脂を指し、例えばAlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用い、C5〜C11留分を重合して得られる固体重合体を指す。「C5〜C9系樹脂」としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデンなどを主成分とする共重合体などが挙げられる。本発明においては、このC5〜C9樹脂として、C9以上の成分の少ない樹脂が、ゴム成分との相溶性の観点から好ましい。ここで、「C9以上の成分が少ない」とは、樹脂全量中のC9以上の成分が50質量%未満、好ましくは40質量%以下であることをいうものとする。なお、熱可塑性樹脂としてC5〜C9系樹脂を用いれば、更にハンドリング特性を向上させることもできる。ここで、「C5〜C9系樹脂」としての固体重合体の重合に用いられるC5〜C11留分には、C5留分及びC9留分以外の留分が含まれるものとする。
本発明において「C9系樹脂」とは、C9系合成石油樹脂を指し、例えばAlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用い、C9留分を重合して得られる固体重合体を指す。「C9系樹脂」としては、例えば、インデン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどを主成分とする共重合体などが挙げられる。なお、熱可塑性樹脂としてC9系樹脂を用いれば、更にハンドリング性能を向上させることもできる。
前記テルペン系樹脂は、松属の木からロジンを得る際に同時に得られるテレビン油、或いはこれから分離した重合成分を配合し、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体状の樹脂であり、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂などがある。また、テルペン−芳香族化合物系樹脂としては、代表例としてテルペン−フェノール樹脂を挙げることができる。このテルペン−フェノール樹脂は、テルペン類と種々のフェノール類とを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて反応させたり、或いは更にホルマリンで縮合する方法で得ることができる。原料のテルペン類としては特に制限はなく、α−ピネンやリモネンなどのモノテルペン炭化水素が好ましく、α−ピネンを含むものがより好ましく、特にα−ピネンであることが好ましい。本発明においては、フェノール成分の比率の少ないテルペン−フェノール樹脂が好適である。ここで、「フェノール成分の比率が少ない」とは、樹脂全量中のフェノール成分が50質量%未満、好ましくは40質量%以下であることを指すものとする。なお、熱可塑性樹脂としてテルペン−芳香族化合物系樹脂、特にテルペン−フェノール樹脂を用いれば、更にハンドリング性能を向上させることもできる。
前記ロジン系樹脂としては、天然樹脂ロジンとして、生松ヤニやトール油に含まれるガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどがあり、また、変性ロジン、ロジン誘導体、変性ロジン誘導体として、例えば重合ロジン、その部分水添ロジン;グリセリンエステルロジン、その部分水添ロジンや完全水添ロジン;ペンタエリスリトールエステルロジン、その部分水添ロジンや重合ロジン;などがある。なお、熱可塑性樹脂としてロジン系樹脂を用いれば、更にハンドリング性能を向上させることもできる。
前記ジシクロペンタジエン樹脂は、例えばAlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒等を用い、ジシクロペンタジエンを重合して得られる樹脂を指す。前記ジシクロペンタジエン樹脂の市販品の具体例としては、クイントン1920(日本ゼオン製)、クイントン1105(日本ゼオン社製)、マルカレッツM−890A(丸善石油化学製)、などが挙げられる。なお、熱可塑性樹脂としてジシクロペンタジエン樹脂を用いれば、更に氷雪路面上での制動性能を向上させることもできる。
前記アルキルフェノール系樹脂としては、例えばp−tert−ブチルフェノール−アセチレン樹脂などのアルキルフェノール−アセチレン樹脂、低重合度のアルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。なお、熱可塑性樹脂としてアルキルフェノール系樹脂を用いれば、更にハンドリング性能を向上させることもできる。
ゴム成分Aとフィラーと熱可塑性樹脂とを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造されるタイヤ用ゴム組成物の場合、熱可塑性樹脂を用いて、ポリマー相AのピークAの温度を調節することができる。より具体的には、Tgが、ゴム成分AのTgよりも高い熱可塑性樹脂を用いることで、ピークAの温度を高温側に調節することが可能となる。ピークAの温度を高温側に調節することによって、WET性能がより高まる。例えば、Tgが100℃である熱可塑性樹脂10質量部を使用した場合のピークAの温度と、Tgが145℃である熱可塑性樹脂10質量部を使用した場合のピークAの温度とを比べると(その他の条件が同じ場合)、後者のピークAの温度は、前者のピークAの温度よりも高くなる。この他、Tgが、ゴム成分AのTgよりも高い熱可塑性樹脂を用いる場合に、例えば、Tgが145℃である熱可塑性樹脂10質量部を使用した場合のピークAの温度と、Tgが145℃である熱可塑性樹脂20質量部を使用した場合のピークAの温度とを比べると(その他の条件が同じ場合)、後者のピークAの温度は、前者のピークAの温度よりも高くなる。
このように、ピークAの温度を高温側に調節する観点から、ゴム成分Aとフィラーと熱可塑性樹脂とを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造されるタイヤ用ゴム組成物の場合、熱可塑性樹脂のTgは、ゴム成分AのTgよりも高いことが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、145℃以上であることがさらに好ましい。また、このマスターバッチ練りの際の最高到達温度の観点から、熱可塑性樹脂のTgは、160℃以下で有ることが好ましい。
また、低転がり抵抗性を維持しながら、ピークAの温度を高温側に調節する観点から、ゴム成分Aとフィラーと熱可塑性樹脂とを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造されるタイヤ用ゴム組成物の場合、熱可塑性樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。
<無機物>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、無機物を含んでいてもよい。ただし、この無機物には、上記フィラーは含まれないものとする。無機物をタイヤ用ゴム組成物に配合することにより、WET性能がより高まる。無機物としては、公知の無機物を適宜選択して用いることができる。無機物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機物としては、例えば、γ−アルミナ、α−アルミナなどのアルミナ、ベーマイト、ダイアスポアなどのアルミナ一水和物、ギブサイト、バイヤライトなどの水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、タルク、アタパルジャイト、チタン白、チタン黒、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウムマグネシウム、クレー、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、各種ゼオライトなどが挙げられる。
無機物の平均粒径は、適宜調節すればよいが、例えば、0.01〜10μm、1〜2μm、または1〜1.5μmである。
無機物の配合量は、適宜調節すればよく、例えば、ゴム成分100質量部に対して、5〜30質量部である。
<加硫ゴム粉砕物>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、加硫ゴム粉砕物を含んでいてもよい。加硫ゴム粉砕物をタイヤ用ゴム組成物に配合することにより、WET性能がより高まる。加硫ゴム粉砕物としては、公知の加硫ゴム粉砕物を適宜選択して用いることができる。加硫ゴム粉砕物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫ゴム粉砕物としては、例えば、特開2016−108421号公報などに記載の粉ゴムを用いることができる。加硫ゴム粉砕物の粒径としては、例えば、10〜200μmである。
必ずしも廃棄物というわけではないが、以後、粉ゴムの材料とするものを廃ゴムと呼び表すこととする。
廃ゴムの細粒化の程度により、粉ゴムの粒径が変わってくるが、粒径が細かいものを用いるほど、基材である未加硫ゴム成分と、接触する表面積が増大するため、相互作用を強くできる。この、相互作用の増大は一方では、材料としての均一性や、さらに機械的強度のような物性の改善につながるものであるが、他方では、スコーチを悪化させ、加工性の面では好ましくない影響も与える。本発明においては特に、粉ゴムの中でも、比較的粒径が小さいものを利用するものであって、JIS Z8801−1で規定される、目開き106μmであって従来140メッシュと呼ばれてきた、ふるいを通過できる粒径のものが90質量%以上を占める粉ゴムであって、これよりさらに小さい粒径域のものを用いるものである。なお、以後、通過できるメッシュ数を以って、粒径を呼び表し、メッシュ数が大きくなれば、粒径としては小さい、または細かいことを示すものとする。
本発明において、上記のように、特に対象とするのは、比較的粉ゴムとしては小さい粒径の140メッシュ以上のものである。これは、利用が進んでいない、粒径領域のものを利用することが目的であるが、一般的な傾向として、微粒径のものを用いれば、耐亀裂性を始め、耐久性の向上といった効果が期待できる。
粒径については、上記に示した通りであるが、ゴムのようなしなやかさを持つ弾性体を細粒化する場合、特に柔軟な材料は、粉砕、切削、研磨のいずれで行うとしても、概して柔らかいほど、細粒化が難しくなる。したがって、140メッシュ以上のふるいを通過できる粒径のものが90質量%以上を占める、とした粒径分布に対する条件は、一方で、その材料となる廃ゴム、さらにその廃ゴムから得られた粉ゴムの、硬さについてもある程度の指標を与えているものといえる。すなわち、40メッシュまでにしかできない廃ゴム由来の粉ゴムと、200メッシュまでにできる廃ゴム由来の粉ゴムとは、それなりに差異がある。ただし、上記はあくまで、一旦、製品として出来上がったものであって、すでに一度、加硫架橋もなされたものの、塊である廃ゴムからの細粒化の場合の事情であって、廃ゴムのリサイクルでなく原料から重合やラテックスの変性を通して、エマルジョンのような粒子を製造する場合とは区別される。
一方で、通常のゴム組成物に配合される成分の観点から考えると、粉ゴムは一種の補強性充填剤としても考えることができる。但し、この場合は対比するものが、カーボンブラックやシリカのような、μmオーダーよりさらに細かいものであるため、粉ゴム自体は、充填材としては粒径の大きい部類のものであるといえる。しかしながら、元は、一旦は加硫架橋されていたゴム組成物であるから、カーボンブラックやシリカの様な、一般的な意味での充填剤を内部に含んでおり、かつその充填剤が基材である加硫架橋されたポリマーによって、コーティングされているという単位構造を有した材料であり、新たなポリマー、いいかえれば未架橋ポリマーとの界面において、相互作用し易いように準備された状態にある、親和性の高い充填剤であるといえる。
加硫ゴム粉砕物の配合量は、適宜調節すればよく、例えば、ゴム成分100質量部に対して、5〜30質量部である。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Aと、前記フィラーと、熱可塑性樹脂、無機物および加硫ゴム粉砕物からなる群より選択される1種以上とを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造され、前記熱可塑性樹脂のTgが、前記ゴム成分AのTgよりも高いことが好ましい。これにより、WET性能がより高まる。また、上記マスターバッチに配合する、熱可塑性樹脂、無機物および加硫ゴム粉砕物からなる群より選択される1種以上の量は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上または10〜20質量部である。
<オイル>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、オイルを含んでいてもよい。公知のオイルを適宜選択して用いることができる。オイルは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゴム成分Bと、オイルとを混練りして得られるタイヤ用ゴム組成物の場合、オイルを用いて、ポリマー相BのピークBの温度を調節することができる。より具体的には、Tgが、ゴム成分BのTgよりも低いオイルを用いることで、ピークBの温度を低温側に調節することが可能となる。ピークBの温度を低温側に調節することによって、WET性能がより高まる。
このように、ピークBの温度を低温側に調節する観点から、ゴム成分Bと、オイルとを混練りして得られるタイヤ用ゴム組成物の場合、オイルのTgは、ゴム成分BのTgよりも低いことが好ましく、−80℃以下であることがより好ましく、−90℃以下であることがさらに好ましく、−120℃以上であることが好ましい。
このようなTgの低いオイルとしては、例えば、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイルなどのプロセスオイルなどが挙げられる。
オイルの配合量は、適宜調節すればよく、例えば、ゴム成分100質量部に対して、1〜20質量部である。または、例えば、ゴム成分Bの質量に対して、5〜20質量%である。
<軟化剤>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、軟化剤を含んでいてもよい。軟化剤としては、公知の軟化剤を適宜選択して用いることができる。軟化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記オイルと同様に、軟化剤を用いて、ポリマー相BのピークBの温度を調節することができる。より具体的には、Tgが、ゴム成分BのTgよりも低い軟化剤を用いることで、ピークBの温度を低温側に調節することが可能となる。ピークBの温度を低温側に調節することによって、WET性能がより高まる。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム成分Aと、前記フィラーと、熱可塑性樹脂、無機物および加硫ゴム粉砕物からなる群より選択される1種以上とを混練りして得られるマスターバッチと、前記ゴム成分Bと、オイルおよび軟化剤からなる群より選択される1種以上とを混練りして得られ、前記オイルおよび軟化剤のTgが、前記ゴム成分BのTgよりも低いことが好ましい。これにより、低転がり抵抗性とWET性能がより向上する。この場合、軟化剤のTgは、−80℃以下であることがより好ましく、−90℃以下であることがさらに好ましく、−120℃以上であることが好ましい。
このようなTgの低い軟化剤としては、例えば、オクチルオレエート、ジブチル・フタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチル・ベンジル・フタレート、ジ−n−オクチル・フタレートなどが挙げられる。
軟化剤の配合量は、適宜調節すればよく、例えば、ゴム成分100質量部に対して、1〜20質量部である。または、例えば、ゴム成分Bの質量に対して、5〜20質量%である。
<その他の成分>
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物には、上記成分の他、タイヤ用ゴム組成物に配合される公知の添加剤を適宜配合してもよい。このような添加剤としては、例えば、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、補強剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、加工助剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤などが挙げられる。これらは、それぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
タイヤ用ゴム組成物の調製方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択して用いることができる。例えば、バンバリーミキサーやロールなどを用いて、ゴム成分に、フィラー、熱可塑性樹脂、その他の成分などを配合して混練した後、熱入れ、押出などすることにより調製することができる。
好適なタイヤ用ゴム組成物の調製方法としては、例えば、混練の第一段階として、ゴム成分Aと、フィラーとを混練りしてマスターバッチを作製する工程と、混練の第二段階として、当該マスターバッチと、ゴム成分Bとを混練りする工程と、混練の最終段階として、前記混練の第二段階から得られた混合物に硫黄などの加硫剤などを添加して混練りする工程とを含む方法、すなわち、マスターバッチを用いる方法が挙げられる。
上記マスターバッチを用いる方法では、混練の第一段階で配合するフィラーの配合量は適宜調節すればよく、フィラーの配合量は、ポリマー相Aにフィラーの全配合量の85%以上を存在させる観点から、タイヤ用ゴム組成物に配合するフィラーの全配合量の85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。
上記マスターバッチを用いる方法では、混練の第一段階で、ゴム成分Aとフィラーに加えて、他の成分を混練してもよい。当該混練の第一段階では、ゴム成分Aと、フィラーと、熱可塑性樹脂、無機物および加硫ゴム粉砕物からなる群より選択される1種以上とを混練りしてマスターバッチを作製することが好ましく、ここで熱可塑性樹脂のTgは、ゴム成分AのTgよりも高い。
上記混練の第一段階で、混練する熱可塑性樹脂、無機物および加硫ゴム粉砕物の配合量と、熱可塑性樹脂のTgは上述したとおりである。
上記マスターバッチを用いる方法では、混練の第二段階で、混練の第一段階で得られたマスターバッチと、ゴム成分Bに加えて、他の成分を混練してもよい。当該混練の第二段階では、混練の第一段階で得られたマスターバッチと、ゴム成分Bと、オイルおよび軟化剤からなる群より選択される1種以上とを混練りすることが好ましく、ここでオイルおよび軟化剤のTgは、ゴム成分BのTgよりも低い。
あるいは、タイヤ用ゴム組成物の調製方法では、例えば、ゴム成分Aと、フィラーとを混練りしてマスターバッチAを作製する工程と、ゴム成分Bと、オイルおよび軟化剤からなる群より選択される1種以上とを混練りしてマスターバッチBを作製する工程(ここでオイルおよび軟化剤のTgは、ゴム成分BのTgよりも低い)と、当該マスターバッチAとマスターバッチBとを混練りする工程と、混練の最終段階として、前記マスターバッチAとマスターバッチBとの混練りから得られたマスターバッチに硫黄などの加硫剤などを添加して混練りする工程とを含む方法としてもよい。
上記マスターバッチAを作製する工程では、混練の第一段階として上述したように、フィラーの配合量は、ポリマー相Aにフィラーの全配合量の85%以上を存在させる観点から、タイヤ用ゴム組成物に配合するフィラーの全配合量の85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。
また、上記マスターバッチAを作製する工程では、混練の第一段階として上述したように、ゴム成分Aと、フィラーと、熱可塑性樹脂、無機物および加硫ゴム粉砕物からなる群より選択される1種以上とを混練りしてマスターバッチAを作製することが好ましく、ここで熱可塑性樹脂のTgは、ゴム成分AのTgよりも高い。
(タイヤ)
本発明に係るタイヤは、上記いずれかのタイヤ用ゴム組成物を用いた、タイヤである。これにより、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立することができる。本発明に係るタイヤ用ゴム組成物のタイヤにおける適用部位としては、特に限定されないが、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴムおよびビードフィラーなどが挙げられる。特にトレッドが好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物を用いてタイヤを得る方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。タイヤ用ゴム組成物を架橋ないし加硫する条件としては、適宜調節すればよく、例えば、温度120〜200℃、加温時間1分間〜900分間とすればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
実施例で用いた材料の詳細は以下のとおりである。
(ゴム成分)
天然ゴム(NR):Tg=−65℃
未変性SBR:Tg=−30℃
変性SBR:Tg=−30℃
(フィラー)
カーボンブラック:ISAF
シリカ:東ソー・シリカ社製の商品名Nipsil(登録商標) AQ
(オイル)
オイル1:「A/O MIX」、JXTGエネルギー社製、Tg=−40℃
オイル2:「スーパーオイルY22」、JXTGエネルギー社製、Tg=−80℃
(軟化剤)
軟化剤1:オクチルオレエート、Tg=−90℃
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂1:T−REZ RD104、東燃化学社製、Tg=100℃
熱可塑性樹脂2:日石ネオポリマー140、JXTGエネルギー社製、Tg=145℃
(加硫ゴム粉砕物)
粉ゴム:Lehigh Technologies Inc.製、粒径10〜200μm
(無機物)
水酸化アルミニウム:昭和電工社製の商品名ハイジライト(登録商標)、粒径1〜1.3μm
炭酸カルシウム:シルバーW、白石工業社製、粒径1.5μm
(その他)
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製の商品名ノクラック 6C
加硫促進剤1:1,3−ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーD
加硫促進剤2:ビス(2−ベンゾチアゾリル)ペルスルフィド、大内新興化学工業社製の商品名ノクセラーDM−P
加硫促進剤3:N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、三新化学工業社製の商品名サンセラーNS−G
実施例で使用した装置の詳細は以下のとおりである。
AFM:ASYLUM RESEARCH社製の商品名MFP−3D
動的引張粘弾性測定試験機:上島製作所社製スペクトロメーター
変性SBRの合成
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,500g、テトラヒドロフラン25g、スチレン100g、1,3−ブタジエン390gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム375mgを添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分重合させた後、四塩化シラン100mgを加えて5分間反応を行い、続けてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン1,020mgを加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性SBRを得た。
表1に示す配合と順序で、実施例および比較例のタイヤ用ゴム組成物を調製した。
Figure 2019089911
得られたタイヤ用ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた加硫ゴムについて、以下のように、ポリマー相Aのフィラーの分配率(%)(ポリマー相A中のフィラー量×100/ポリマー相AとBのフィラーの総量)を求めた。その結果を表1に合わせて示す。
(ポリマー相Aのフィラーの分配率の測定方法)
ミクロトームにより切削した試料の平滑面をAFMを用いて、任意の測定範囲2μm×2μmで撮像した。得られた画像をヒストグラムよりポリマー相とフィラー部分に3値化像に変換して得られた3値化像に基づき、ポリマー相AとBのそれぞれに含まれるフィラー面積を求め、当該画像中のフィラー総量に対するポリマー相Aのフィラーの分配率を算出した。ポリマー相の境界面にフィラーがある場合は、そのフィラーがより多く接しているポリマー相側に含まれるとした。算出に当たり、画像の端(辺)に接しているフィラーはカウントせず、9ピクセル以下のフィラーは、ノイズとみなしてカウントしなかった。
加硫ゴムについて、動的引張粘弾性測定試験機を用いて、周波数52Hz、初期歪2%、動歪1%、3℃/分の昇温速度で−100℃から70℃におけるtanδの値を測定してtanδ曲線を得た。そのtanδ曲線から求めたピークAの温度と、ピークBの温度と、ピークAとピークBの温度差を表1に合わせて示す。
加硫ゴムについて、以下のようにWET性能と、DRY−Hと、低転がり抵抗性の評価を行った。その結果を表1に合わせて示す。
(WET性能)
上記tanδ曲線の0℃におけるtanδの値について、比較例1の値を100として、指数表示した。数値が大きいほど、WET性能に優れる。
(DRY−H)
上記tanδ曲線の30℃における貯蔵弾性率E’の値について、比較例1の値を100として、指数表示した。数値が大きいほど、DRY−Hに優れる。
(低転がり抵抗性)
上記tanδ曲線の60℃におけるtanδの値の逆数について、比較例1の値を100として、指数表示した。数値が大きいほど、低転がり抵抗性に優れる。
表1に示すように、実施例では、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立することができた。
本発明によれば、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立可能なタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、低転がり抵抗性とWET性能とを高度に両立したタイヤを提供することができる。

Claims (12)

  1. ゴム成分とフィラーとを含む、タイヤ用ゴム組成物であって、
    前記ゴム成分は、ゴム成分Aとゴム成分Bとを少なくとも含み、
    前記フィラーは、カーボンブラックおよびシリカからなる群より選択される1種以上であり、
    前記タイヤ用ゴム組成物は、フィラーの分配率が異なる2相以上のポリマー相で構成されており、
    前記ゴム成分Aは、ポリマー相Aを構成しており、
    前記ゴム成分Bは、ポリマー相Bを構成しており、
    前記ポリマー相Aに前記フィラーの全配合量の85%以上が存在し、
    前記タイヤ用ゴム組成物の加硫物のtanδ曲線において、前記ポリマー相AのtanδのピークAと、前記ポリマー相BのtanδのピークBとが存在し、
    ピークAの温度がピークBの温度よりも高く、
    ピークAとピークBの温度差が、45℃以上である、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ピークAの温度が、−30〜30℃の範囲内にある、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分Aが、前記フィラーと相互作用する変性基を有する、請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分Aと、前記フィラーと、熱可塑性樹脂、無機物および加硫ゴム粉砕物からなる群より選択される1種以上とを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造され、
    前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が、前記ゴム成分Aのガラス転移温度(Tg)よりも高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記マスターバッチと、前記ゴム成分Bと、オイルおよび軟化剤からなる群より選択される1種以上とを混練りして得られ、
    前記オイルおよび軟化剤のガラス転移温度(Tg)が、前記ゴム成分Bのガラス転移温度(Tg)よりも低い、請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記ピークAの温度が、0℃以上の範囲内にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記ゴム成分Aのガラス転移温度(Tg)と前記ゴム成分Bのガラス転移温度(Tg)との差が30℃以上であり、かつ、ゴム成分Aのガラス転移温度(Tg)が、ゴム成分Bのガラス転移温度(Tg)よりも高い、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記ゴム成分Bのガラス転移温度(Tg)が、−50℃以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 前記ゴム成分Bの配合量が、前記ゴム成分Aの配合量以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  10. 前記ゴム成分Aが、スチレンブタジエンゴムである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  11. 前記ゴム成分Aと、前記フィラーとを混練りして得られるマスターバッチを用いて製造され、
    前記フィラーの配合量が、前記タイヤ用ゴム組成物に配合するフィラーの全配合量の85%以上である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いた、タイヤ。
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