JP6710934B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用トレッド、タイヤ用サイドウォールなどに用いられるタイヤ用ゴム組成物に関するものであり、特に、低転がり抵抗性、耐摩耗性及び加工性のバランスに優れるタイヤを提供することを可能とするタイヤ用ゴム組成物に関するものである。
近年、空気入りタイヤに対する要求性能として、地球環境問題への関心の高まりに伴い燃費性能が優れることが求められている。燃費性能を向上するためには転がり抵抗の低減が必要である。このため空気入りタイヤを構成するゴム組成物の発熱の抑制により、タイヤにしたときの転がり抵抗を小さくすることが行われている。ゴム組成物の発熱性の指標としては一般に動的粘弾性測定による60℃のtanδが用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が抑制されたものとなる。
ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、シリカを配合することが広く知られている(例えば非特許文献1参照。)。一方、ゴム組成物へのウェットグリップ性能を付与することを目的に芳香族石油樹脂、脂肪族石油樹脂、脂肪族/芳香族石油樹脂、脂環族石油樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などが用いられている(例えば特許文献1参照。)。
特開2007−321046号公報
竹中克彦,高分子,64巻,511頁(2015年)
しかし、非特許文献1に提案のシリカ配合ではゴム中でシリカが凝集しやすいため、通常シランカップリング剤がシリカと共に配合される。しかしながら、シランカップリング剤を配合すると、ゴム組成物のムーニー粘度が高くなり押出しなどの加工性が悪化するなどの課題が発生した。また、特許文献1に提案の方法においては、石油樹脂の添加により、転がり抵抗が増加するという課題を有するものであった。
そこで、本発明は、転がり抵抗性、耐摩耗性及び加工性をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、少なくともジエン系ゴムと、特定のシリル化石油樹脂とを配合することで転がり抵抗性、耐摩耗性、加工性を改善することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、少なくともジエン系ゴム成分と、下記一般式(1)で表されるアルコキシシラン基を含む置換基を有するシリル化石油樹脂とを含有することを特徴とするタイヤ用ゴム組成物に関するものである。
(R1−O)Si−R2− (1)
(ここで、R1及びR2は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。)
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、少なくともジエン系ゴムと、上記一般式(1)で表されるアルコキシシラン基を含む置換基を有するシリル化石油樹脂とを含有するものである。
該シリル化石油樹脂は、上記一般式(1)で表されるアルコキシシラン基を含む置換基を有することにより水酸基との反応性に優れるものとなる。ここで、R1及びR2は、それぞれ独立して炭素数1〜5の炭化水素基を示し、一般式(1)で表されるアルコキシシラン基としては、例えば3−トリメトキシシリルプロピル基、3−トリエトキシシリルプロピル基、2−トリエトキシシリルエチル基、トリエトキシシリルメチル基、4−トリエトキシシリルブチル基、5−トリエトキシシリルオクチル基などが挙げられる。中でも特に水酸基と優れた反応性を示すシリル化石油樹脂となることから、3−トリエトキシシリルプロピル基、3−トリメトキシシリルプロピル基であることが好ましい。
そして、該アルコキシシラン基を含む置換基としては、その置換基の一部にアルコキシシラン基を有するものであってもよく、例えば、下記一般式(2)で示されるアルコキシシランを有するスルフィド基を挙げることができる。
(R1−O)Si−R2−Sx1− (2)
(ここで、R1及びR2は、上記一般式(1)と同様であり、X1は1〜6の整数を示す。)
そして、その際のR1及びR2は、上記一般式(1)と同様にそれぞれ独立して炭素数1〜5の炭化水素基を示す。また、X1は1〜6の整数を示す。上記一般式(2)で表されるアルコキシシラン含有スルフィド基としては、X1が2〜6の整数である場合は、例えば3−トリメトキシシリルプロピルポリスルフィド基、3−トリエトキシシリルプロピルポリスルフィド基、2−トリエトキシシリルエチルポリスルフィド基、トリエトキシシリルメチルポリスルフィド基、4−トリエトキシシリルブチルポリスルフィド基、5−トリエトキシシリルオクチルポリスルフィド基などが挙げられ、中でも特に水酸基と優れた反応性を示すシリル化石油樹脂となることから、3−トリエトキシシリルプロピルポリスルフィド基、3−トリメトキシシリルプロピルポリスルフィド基であることが好ましい。また、X1が1である場合は、例えば3−トリメトキシシリルプロピルスルフィド基、3−トリエトキシシリルプロピルスルフィド基、2−トリエトキシシリルエチルスルフィド基、トリエトキシシリルメチルスルフィド基、4−トリエトキシシリルブチルスルフィド基、5−トリエトキシシリルオクチルスルフィド基などが挙げられ、中でも特に水酸基と優れた反応性を示すシリル化石油樹脂となることから、3−トリエトキシシリルプロピルスルフィド基、3−トリメトキシシリルプロピルスルフィド基であることが好ましい。
上記一般式(1)で表されるアルコキシシラン基を含む置換基を有するシリル化石油樹脂の製造方法としては、該シリル化石油樹脂を製造することが可能であれば如何なる方法であってもよく、例えば上記一般式(2)で表されるX1が1〜6のアルコキシシラン含有スルフィド基を有するシリル化石油樹脂の製造方法としては、下記一般式(3)で表されるシランカップリング剤で石油樹脂を変性する方法が挙げられる。
(R1−O)Si−R2−Sx2−R2−Si−(O−R1) (3)
(ここで、R1及びR2は、上記一般式(1)と同様であり、X2は2〜6の整数を示す。)
該シリル化石油樹脂を構成する石油樹脂としては、一般的に石油樹脂として知られている範疇に属するものであれば特に限定はなく、例えば脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂、DCPD樹脂を挙げることができる。
脂肪族共重合系石油樹脂とは、その原料として石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が15〜70℃の範囲にあるC5留分、例えばメチルブテン、ペンテン、イソプレン、ピペリレン、シクロペンテン、シクロペンタジエンなどを、単独重合又は共重合して得られた樹脂である。
芳香族系石油樹脂とは、その原料油として石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が140〜280℃の範囲にあるC9留分、例えばスチレン、そのアルキル誘導体であるα−メチルスチレンやβ−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン及びそのアルキル誘導体、ジシクロペンタジエン及びその誘導体などを、単独重合又は共重合して得られた樹脂である。
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂とは、その原料として前述のC5留分とC9留分とを共重合して得られた樹脂である。
また、DCPD樹脂とは、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、これらの2〜5量体などを、単独重合、共重合して得られた樹脂である。
該シリル化石油樹脂を構成する石油樹脂の軟化点、分子量は特に制限はなく、液状又は固体状であってもよく、その際にシリル化石油樹脂を構成する石油樹脂は液状又は固体状であってもよい。
該シリル化石油樹脂の製造方法としては、該シリル化石油樹脂を製造することが可能である限りにおいて如何なる方法を用いてもよく、その中でも特に効率よく該シリル化石油樹脂を製造することが可能となることから、例えば上記一般式(3)で表されるシランカップリング剤により石油樹脂を変性する方法により製造することが好ましい。
ここで、該シランカップリング剤としては、特にビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(略称TESPD)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(略称TESPT)が好ましい。具体的には、商品名「カブラス2」、「カブラス4」(以上、ダイソー社製)、「Si75」、「Si69」(デグサ社製)、「A−1289」(GEシリコーン社製)、「KBE−846」(信越化学社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または混合して使用することもできる。
該シリル化石油樹脂を製造する際には、効率よく製造することが可能となることから石油樹脂に対して、該シランカップリング剤を0.1〜25重量%の割合で用いることが好ましく、特に0.1〜20重量%であることが好ましい。その際の反応は特に制限はなく、例えば無触媒またはラジカル開始剤の存在下、100〜250℃の温度範囲で0.1〜10時間の範囲で行うことが好ましい。また、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの脂肪族または芳香族炭化水素系溶剤などの不活性な溶剤の存在下で実施しても構わない。未反応物として残存するシランカップリング剤は、加熱下で不活性ガスを吹き込み除去することが出来る。また、シリル化後にテトラヒドロフランなどに溶解させた後、アルコールに滴下して再沈精製することで未反応のシランカップリング剤をアルコールに溶解除去することもできる。さらに、溶媒を用いる場合は反応後に溶媒を除去するための蒸留設備を設置していてもよい。
また、例えば上記一般式(2)で表されるX1が1のアルコキシシラン含有スルフィド基を有するシリル化石油樹脂の製造方法としては、下記一般式(4)で表されるシランカップリング剤で石油樹脂を変性する方法が挙げられる。
(R1−O)3Si−R2−S−H (4)
(ここで、R1及びR2は上記一般式(1)と同様である。)
該シリル化石油樹脂を構成する石油樹脂としては、上記したものと同様である。そして、上記一般式(4)で表されるシランカップリング剤としては、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン、3−メルカプトジメトキシエチルシラン、3−メルカプトジエトキシエチルシラン、3−3−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメチルシラン、メルカプトメチレンメチルジエトキシシラン、メルカプトメチレントリエトキシシラン、2−メルカプトエチルメトキシジメチルシラン、2−メルカプトエチルエトキシジメチルシラン、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、11−メルカプトウンデシルジメトキシメチルシラン、11−メルカプトウンデシルメトキシジメチルシラン、11−メルカプトウンデシルトリエトキシシラン、11−メルカプトウンデシルジエトキシメチルシランなどが挙げられ、特に3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。具体的には、商品名「Z−6062」、「Z−6911」(以上、東レ・ダウコーニング社製)、「A−189」、「A−1891」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、「KBE−803」(信越化学社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または混合して使用することもできる。
該シリル化石油樹脂を製造する際には、効率よく製造することが可能となることから石油樹脂に対して、シランカップリング剤を0.1〜25重量%の割合で用いることが好ましく、特に0.1〜20重量%であることが好ましい。その際の反応は特に制限はなく、例えば無触媒またはラジカル開始剤の存在下、20〜250℃の温度範囲で0.1〜50時間の範囲で行うことが好ましい。また、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレンなどの脂肪族または芳香族炭化水素系溶剤などの不活性な溶剤の存在下で実施しても構わない。未反応物として残存するシランカップリング剤は、加熱下で不活性ガスを吹き込み除去することが出来る。また、変性後にテトラヒドロフランなどに溶解させた後、アルコールに滴下して再沈精製することで未反応のシランカップリング剤をアルコールに溶解除去することもできる。さらに、溶媒を用いる場合は反応後に溶媒を除去するための蒸留設備を設置していてもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物におけるジエン系ゴム成分、シリル化石油樹脂の配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、シリル化石油樹脂組成物1〜15重量部を含有配合するゴム組成物とすることが好ましく、特に3〜10重量部を含有するゴム組成物とすることが好ましい
さらに、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、さらに通常樹脂組成物やゴム組成物に配合される添加剤として、例えばフェノール系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ラクトン系抗酸化剤、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤、顔料、炭酸カルシウム、ガラスビーズなどを配合しても良い。
本発明におけるジエン系ゴム成分としては、炭素・炭素二重結合を有しているジエン系ゴム成分である限り制限はなく、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、例えばポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用しても混合して使用しても良い。なかでも、耐摩耗性、ウェットグリップ性、低燃費性を高度に両立できるという理由からSBRが好ましい。SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、さらにシリカを含有配合してなることが好ましく、その際のシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカであることが好ましい。
これらのシリカの含有量としては、上記ジエン系ゴム成分100重量部に対して5〜200重量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、10〜150重量部の範囲とすることが望ましく、より更に好ましくは、20〜120重量部の範囲とすることが望ましい。特に、本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、上記ジエン系ゴム成分100重量部に対してシリカ60重量部以上の高含有率であっても、低転がり抵抗性、耐摩耗性及び加工性のバランスに優れるタイヤを提供するという本発明の効果を発揮できるものである。そして、シリカの含有量としては、低ヒステリシスと作業性の向上という面からは、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、5重量部以上200重量部以下であることが好ましい。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物には、補強性に優れたものとなることから、上記した石油樹脂を変性するシランカップリング剤とは別にシランカップリング剤を用いることが好ましく、その際のシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。その際のシランカップリング剤の含有量としては、シリカ100重量部に対し、1〜20重量部が好ましく、更に発熱抑制性に優れるものとなることから、6〜12重量部の範囲が望ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物においては、上記シリカ以外にも補強性充填剤として、例えばカーボンブラックなどを併用することができ、該カーボンブラックとしては、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。また、該カーボンブラックの含有量としては、発熱抑制性に優れるものとなることから、ジエン系ゴム成分100重量部に対し、10〜60重量部であることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分、シリル化石油樹脂の他に、さらに硫黄を始めとする架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤などの配合剤を加えても良い。これらの配合剤としては市販品を好適に使用することができる。
さらに、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、通常樹脂組成物、ゴム組成物に配合される添加剤、例えばフェノール系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ラクトン系抗酸化剤、紫外線吸収剤、顔料、炭酸カルシウム、ガラスビーズなどを配合しても良い。
本発明により、転がり抵抗性が改良でき、耐摩耗性、加工性も良好となるゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供することが可能となる。
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において用いた原料、分析、試験法は下記の通りである。
1.原料
(1)石油樹脂
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂A(東ソー株式会社製、商品名ペトロタック90)
芳香族系石油樹脂B(東ソー株式会社製、商品名ペトコールLX)
(2)シランカップリング剤
シランカップリング剤A:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(略称TESPT)(ダイソー株式会社製、商品名カブラスTM−4)
シランカップリング剤B:メルカプトプロピルトリエトキシシラン(略称MPTES)(東京化成工業株式会社製)
(3)開始剤
ジ−t−ブチルパーオキサイド((商品名)パーブチルD、日本油脂株式会社製)。
2.分析方法
(1)軟化点:JIS K−2207に従って測定。
(2)珪素含有量:高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により測定。
(3)硫黄含有量:酸素フラスコ燃焼−イオンクロマトグラフィーにより測定。
(4)重量平均分子量:ポリスチレンを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。
(5)ムーニー粘度:ムーニー粘度計(島津製作所製 (商品名)SMV−200型)を用い125℃、L型ロータにて測定した。比較例1及び4の石油樹脂が無添加の値を100として指数表示した。
(6)耐摩耗性:JIS K−6301の試験法に準じて測定した。摩耗試験はアルロン型摩耗試験機で測定した。傾角15°、分銅6ポンド、試験回数1000rpmでの摩耗減容を測定した。比較例1及び4の石油樹脂が無添加の値を100として指数表示した。この値が小さい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
(7)転がり抵抗性:粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、60℃の値を転がり抵抗性とし、比較例1及び4の石油樹脂が無添加の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
製造例1(シリル化石油樹脂の製造)
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂A(軟化点96℃、重量平均分子量(Mw)1860)1000gを攪拌機の付いたガラス製フラスコに入れて、200℃で加熱溶融させた後、シランカップリング剤A(ダイソー株式会社製、(商品名)カブラスTM−4)を58g加えて、200℃、3時間反応させシリル化石油樹脂1を得た。得られたシリル化石油樹脂1の軟化点、珪素含有量、硫黄含有量及び分子量を表1に示す。
製造例2(シリル化石油樹脂の製造)
石油樹脂を芳香族系石油樹脂B(軟化点100℃、重量平均分子量(Mw)1530)、シランカップリング剤A(ダイソー株式会社製、(商品名)カブラスTM−4)を116gに変更した以外は、製造例1と同様にしてシリル化石油樹脂2を調製した。得られたシリル化石油樹脂2の軟化点、珪素含有量、硫黄含有量、分子量を表1に示す。
製造例3(シリル化石油樹脂の製造)
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂A(軟化点96℃、重量平均分子量(Mw)1860)1000g、キシレン1000g、開始剤(商品名)パーブチルD(日本油脂株式会社製)76.5gを攪拌機の付いたガラス製フラスコに入れて、130℃で加熱溶解させた後、シランカップリング剤B(東京化成工業株式会社製)240gを加えて、135℃、8時間反応させシリル化石油樹脂3を得た。得られたシリル化石油樹脂3の軟化点、珪素含有量、硫黄含有量及び分子量を表1に示す。
製造例4(シリル化石油樹脂の製造)
石油樹脂を芳香族系石油樹脂B(軟化点100℃、重量平均分子量(Mw)1530)、シランカップリング剤B(東京化成工業株式会社製)を96gに変更した以外は、製造例3と同様にしてシリル化石油樹脂4を調製した。得られたシリル化石油樹脂4の軟化点、珪素含有量、硫黄含有量、分子量を表1に示す。
Figure 0006710934
実施例1
バンバリーミキサー(容量1.7リットル)にて、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)((株)JSR製、(商品名)SL552)80重量部とポリイソプレンゴム(IR)((株)JSR製、(商品名)IR2200)20重量部(合計ジエン系ゴム成分100重量部)を30秒間素練り後、ステアリン酸(新日本理化製)を2重量部、シリカ(東ソー・シリカ製、商品名Nipsil AQ)を45重量部、シランカップリング剤(信越シリコーン製、商品名KBE46)を3.6重量部、及び製造例1で得られたシリル化石油樹脂1を投入し、全練り時間5分後取り出した。取り出し時のコンパウンド温度を140〜150℃となるようにラム圧や回転数で調整した。得られたコンパウンドを室温にて冷却した後、更に老化防止剤(大内新興製、商品名810NA)を1重量部、亜鉛華(井上石灰工業製)を3重量部、加硫促進剤1(大内新興製、商品名ノクセラーCZ)を1.2重量部、加硫促進剤2(大内新興製、商品名ノクセラーD)を1.5重量部、加硫剤として硫黄(鶴見化学工業製)を1.5重量部を添加して約1分間混練り(取り出し時の温度を110℃以下とする)後、8インチロールを用いてシーティングして未加硫物の物性(ムーニー粘度)を測定した。結果を表3に示す。更に蒸気加熱プレスを用い、加硫温度150℃、加硫時間30分で加硫し加硫物特性(耐摩耗性、転がり抵抗性)を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006710934
Figure 0006710934
実施例2〜6
シリル化石油樹脂1の代わりに、シリル化石油樹脂2,3,4,5を表3に示す量を用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表3に示す。
比較例1
シリル化石油樹脂1を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法により未加硫物、加硫物を得た。その結果を表3に示す。
比較例2,3
シリル化石油樹脂1の代わりに、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂A、芳香族系石油樹脂Bを用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫物、加硫物を得た。その結果を表3に示す。
実施例7
溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)((株)JSR製、(商品名)SL552)の代わりに、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(E−SBR)((株)JSR製、(商品名)1502)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
実施例8
シリル化石油樹脂1の代わりに、シリル化石油樹脂3を用いた以外は、実施例7と同様の方法により未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を得た。その結果を表4に示す。
比較例4
シリル化石油樹脂1を用いなかった以外は、実施例7と同様の方法により未加硫物、加硫物を得た。その結果を表4に示す。
比較例5
シリル化石油樹脂1の代わりに、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂Aを用いた以外は、実施例7と同様の方法により未加硫物、加硫物を得た。その結果を表4に示す。
Figure 0006710934
本発明はアルコキシシランが分子レベルで複合化したシリル化石油樹脂をシリカ配合タイヤの原料とすることで転がり抵抗性、耐摩耗性、および粘度のバランスが優れたゴム組成物を提供するものであり、その産業的価値は極めて高いものである。

Claims (5)

  1. 少なくともジエン系ゴム成分と、下記一般式(1)で表されるアルコキシシラン基を含む置換基を有するシリル化石油樹脂とを含有するものであり、ジエン系ゴム成分がスチレン−ブタンジエン共重合ゴム及びポリイソプレンゴムであり、一般式(1)で表されるアルコキシシラン基を含む置換基が、下記一般式(2)で表されるアルコキシシラン含有スルフィド基である、ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
    (R1−O)Si−R2− (1)
    (ここで、R1及びR2は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。)
    R1−O) Si−R2−S x1 − (2)
    (ここで、R1及びR2は、上記一般式(1)のR1及びR2と同様であり、X1は1〜6の整数を示す。)
  2. ジエン系ゴム成分100重量部に対して、該シリル化石油樹脂1〜15重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. さらに、シリカを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 上記一般式(1)で表されるアルコキシシラン含有スルフィド基が、3−トリエトキシシリルプロピルポリスルフィド基、3−トリエトキシシリルプロピルスルフィド基、3−トリメトキシシリルプロピルポリスルフィド基、3−トリメトキシシリルプロピルスルフィド基からなる群より選ばれる一種以上のものであるシリル化石油樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 該シリル化石油樹脂が、下記一般式(3)又は(4)で表されるシランカップリング剤により石油樹脂を変性してなるシリル化石油樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    R1−O) Si−R2−S x2 −R2−Si−(O−R1) (3)
    (ここで、R1及びR2は、上記一般式(1)のR1及びR2と同様であり、X2は2〜6の整数を示す。)
    (R1−O) Si−R2−S−H (4)
    (ここで、R1及びR2は、上記一般式(1)のR1及びR2と同様である。)
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