JP2019089691A - ガラス容器 - Google Patents

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Kenichi Miyamoto
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Abstract

【課題】化学的耐久性に優れたガラス容器を提供する。【解決手段】内表面に形成された酸化物被膜がSiO2を主とする酸化物被膜である。【選択図】なし

Description

本発明は、例えばアンプル、管瓶などの例えば医薬品、食品又は化粧品製品等を収納するガラス容器に関する。
医薬品、食品、化粧品等を収納する管瓶、バイアル、アンプル、シリンジ等のガラス容器はガラス管を加熱下に成形加工して製造される場合が多い。その典型的な成形加工法として、縦型成形方法がある。この方法は、一定の径を有し、両端が開放されたガラス管を垂直に立て、口部となる下端部を加熱して軟化させ所望の形状に加工して成形し、次いで、該ガラス管を所望の長さに切断後、ガラス容器の底部を形成して目的とするガラス容器を製造するものである。切断された残部のガラス管はガラス容器を1個製造した分だけ短くなり、前記作業を繰り返すことによって、ガラス容器を大量生産することができる。この方法は機械を用いて自動的に行われ、通常は縦型成型機が用いられる。
しかしながら、このようにして製造されるガラス容器に、例えば液状の医薬品等を収納すると、ガラス容器の内側のガラス表面からガラスの構成成分が溶出して、医薬品等が汚染され、例えば、ガラス構成成分中のアルカリ金属がpH値を上昇させるなど、また場合によってはガラス表面から溶出したガラス構成成分が内容液と反応して沈殿物が発生することで、内容液の品質が損なわれるという問題があった。
これらの問題を解決するために、成形加工時の加熱条件をできるだけ低く抑えることでガラスの加工劣化を少なくする方法を採用したり、ガラス容器を製造後、ガラス内表面をコーティングする方法(例えば、特許文献1参照)を採用したり、ガラス内表面に硫酸アンモニウムを用いたサルファー処理を施す方法を採用したりしていた。
しかし、これらのガラス表面のコーティング処理、サルファー処理あるいは低温加熱によるガラス管の加工は工程が煩雑化したり、ガラス容器の製造原価が高くなる原因となっていた。また、従来から行われている方法では、化学的耐久性に優れたガラス容器を得ることはできなかった。
また、特許文献2には、ガラス管を加熱下に成形加工してガラス容器を得るガラス容器の製造工程と、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程からなるガラス容器の製造方法が記載されている。特許文献2には、除歪操作を行う前にガラス容器の内面を洗浄液で洗浄したところ、内面のガラス表面からのアルカリ成分の溶出が極めて少ないガラス容器を製造しうることを見出したと記載されている。従って、特許文献2には、洗浄工程は、ガラス容器の内面からのアルカリ成分の溶出を抑制するために重要な工程であることは記載されている。しかし、単に、ガラス容器の内面を洗浄するといっても、洗浄手段は多岐にわたり、しかも、ガラスの表面特性を考慮した洗浄プロセスでなければ、十分な洗浄効果を挙げることはできない。この点で特許文献2には、洗浄プロセスに関する充分な検討がなされたことが記載されていない。また、除歪工程は、ガラス管からガラス容器を得るときの熱履歴による歪みを除去するために必要であることは記載されている。しかし、除歪工程はガラス容器を一定時間加熱する以上、単に歪みを除去するだけでなく、後記するように、化学的耐久性に優れたガラス容器を得るうえで極めて重要な工程であるが、特許文献2には、その点について全く記載されていない。
特開平5−132065号公報 特許第6159304号公報
医薬品用や食品用や化粧品用のガラス容器の製造においては、製造されたガラス容器に、例えば、薬液等を充填した後の加熱滅菌工程や、保管中に液との反応によりガラス表面からアルカリ成分等の溶離性分が溶出しないかあるいは極くわずかしか溶出しないガラス容器の提供が望まれる。
本発明は、このような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、化学的耐久性に優れたガラス容器を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、垂直に立てたガラス管の下端を例えばガスバーナー等で加熱して軟化させ、所望の形状に成形加工するときに加熱によってガラス質が変質し、加熱されたガラスからガラスの揮発成分(例えば、NaO、KO)が発生し、ガラス管の開放された下端と上端の間の空間部を煙突効果によって上昇する際に、これらの揮発成分がガラス管内面に付着することでアルカリ成分を形成し、この付着したアルカリ成分がガラス容器製造後にガラス表面から溶出するとの知見を得た。
さらに本発明者は、上記縦型成形方法によりガラス管からガラス容器を得た後、熱履歴による歪みを除去するための除歪操作を行う前に、ガラス容器の内面を洗浄液で洗浄したところ、内面のガラス表面からのアルカリ成分の溶出が極めて少ないガラス容器を製造しうることを見出した。
しかし、ガラス容器の内面を洗浄するといっても、洗浄手段は多岐にわたり、ガラスの表面特性を考慮した洗浄プロセスでなければ、十分な洗浄効果を挙げることはできない。
本発明はガラス容器に関するものであるから、まず、ガラスについて説明する。ガラスという言葉は、一般にガラス状態にある物質をいうが、普通は珪酸塩ガラスを指していることが多い。網目状高分子であって、網目形成体となる酸化珪素(SiO)の網目状構造の中に網目修飾体あるいは網目修飾イオンといわれるアルカリ金属(Na、K、Li)やアルカリ土類金属(Ca、Mg、Ba)などが部分的に入って安定な構造をとる。結晶化ガラスを除いて、規則性は網目のごく狭い距離にしか及んでいない。網目形成体(イオン)はSi以外にB、P、Ge、As、Vなどがあり、これらの酸化物と酸化珪素がいっしょになった硼珪酸系ガラスなどがある。また、網目形成と網目修飾の両方の役割をする中間酸化物のイオンとして、Al、Ti、Zrなどがある。ガラスの種類は多く、700以上ある。その中で、一般的に使われているガラスは、以下の5つに分類することができる。石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、硼珪酸ガラス、鉛ガラス、フッ化物ガラスである。
石英ガラスはシリカガラスとも言われる。シリカ(SiO)の網目状構造だけで、網目修飾イオンはない。軟化点は1500℃以上、膨張係数は5.5×10−7/Kで小さく、急熱急冷に耐え、耐食性も大きい。そのため、光ファイバー用ガラス繊維、電子素子用基板などに使用されている。
ソーダ石灰ガラスはソーダガラスとも言われる。一般の窓ガラス、瓶ガラス、容器ガラスとして使用される最も普通のガラスである。
硼珪酸ガラスは硼酸と珪酸が共重合した網目をもち、珪酸だけの場合に比べてアルカリ金属が少なくてもガラス化が容易となる。硼珪酸低アルカリガラスは膨張係数が3×10−6/Kで小さく、モース硬さは約7で比較的硬く、耐食性が大きいため、理化学器具用、医学器具用、薬品容器用などに好適である。本発明のガラス容器の素材としては、硼珪酸ガラスが好ましい。
鉛ガラスは鉛を含有し、屈折率が大きい。フリントガラスともいう。光学ガラスやクリスタルガラスとして用いられる。
フッ化物ガラスは酸素の代わりにフッ素を陰イオンとするガラスである。酸化物に比べて赤外線の吸収が少ないガラスができる可能性があり、赤外線透過材料として研究されている。電気的、磁気的な性質をもつ特殊なガラスが数多く存在する。
このようにガラスの種類は多く、上記のような多岐にわたる用途が存在し、一般的には化学的に安定であると考えられている。しかしながら、ガラスの表面は本来親水性であって、化学的活性に富み、また水素結合などの分子間吸引力によって水分や汚れを吸着する力が強い。また、電気的不良導体であるため、汚れを吸着する力が強い。例えば、ガラスを大気中に放置するとガラスの表面が外部雰囲気と反応し、表面層の組成変化を伴う変質が生じる。その結果、ガラスの透明性が損なわれることになる。この現象は、ガラスの“やけ”として古くから知られている。従って、ガラスの素地に悪影響を与えないで所望の清浄度のガラス容器を洗浄によって得ることは容易でないと言える。
洗浄液としては、代表的には、酸又はアルカリを用いることができる。以下の表2は、表1に示すガラス組成(重量%)を有する、ソーダ石灰ガラスと硼珪酸ガラスと石英ガラスの酸とアルカリによる重量減少(95℃、24時間(mg/cm))を示す。
表2に示すように、5%水酸化ナトリウムに対する重量減少が最も多いのは、硼珪酸ガラスである。これは、主成分であるシリカが珪酸ナトリウムになって溶出するためである。アルカリへの溶出速度は時間に正比例し、pHが1上がるごとに約2倍となり、温度が10℃上がるごとに約2倍となる。従って、100℃では、室温の約250倍の溶出速度になる。
一方、5%塩酸に溶出するのは、主にガラス中に含まれるアルカリ、アルカリ土類成分であり、シリカ成分はほとんど溶解しない。このため、水酸化ナトリウムへの溶出と違い、溶出量は少ない。酸への溶出速度は時間の平方根に比例し、アルカリによる溶解速度よりかなり温和である。pHが1下がっても、溶出速度は1.2倍程度にしかならない。酸による浸食がアルカリのそれよりも遅いことは、表2から分かる。また、塩酸と有機酸を比べると、有機酸への溶出量が少ないことが知られている。
従って、本発明においては、ガラス成分の浸食が比較的ゆるやかな有機酸を用いるのが好ましい。
また、一般に、ガラス表面には、シラノール基(SiOH)に代表される水酸基が存在し、この水酸基が物質の吸着基点として作用すると考えられる。従って、ガラス容器の内表面を洗浄液で洗浄する洗浄工程の後、引き続く除歪工程までの時間が長いとガラスの表面特性が変化することがある。すなわち、洗浄工程と除歪工程のあいだの時間は、30分以内とするのが好ましい。さらに、洗浄効果を上げるために、洗浄液の噴霧圧は、0.05MPa以上とするのが好ましい。
さらに、硼珪酸ガラスは、ガラス転移点以上の温度に長時間加熱すると、イオン結合が支配的な極性相(NaO、Bなど)と共有結合が支配的なシリカ相の2相に分かれることがある(分相)。図6(a)は、ガラス転移点以上の温度に長時間加熱する前の硼珪酸ガラスの断面の一例を示す概略図であり、ガラスの構成成分は均質である。図6(b)は、硼珪酸ガラスが分相化した状態の断面の一例を示す概略図である。図6(b)において、太い黒線で示した部分は極性相(NaO、Bなど)を示し、この極性相を除く領域がシリカ相である。2相構造に分相したガラスは化学的耐久性が低い。
そこで、本発明者は、分相を生じにくくさせる条件について検討を重ねた。その結果、化学的耐久性に優れたガラス容器を得るためには、特許文献2に記載されたガラス容器の製造方法において、洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程の加熱温度が極めて重要であることを知見した。
本発明者は、上記知見に基づいて、除歪工程の加熱温度を適正に管理することによって、分相を生じることなく、化学的に安定であるSiOを多量に含有する均質な被膜がガラス容器の内表面に形成されることを知見した。
すなわち、本発明の化学的耐久性に優れたガラス容器は、例えば、以下のようにして製造することができる。硼珪酸ガラスからなるガラス管を加熱下に成形加工してガラス容器を得るガラス容器の製造工程、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液からなる洗浄液で洗浄する洗浄工程、および洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程を含むガラス容器の製造方法において、洗浄工程におけるガラス容器の温度を30〜150℃、噴霧圧が0.05MPa以上である洗浄液による洗浄時間を10〜15秒とし、洗浄工程と除歪工程の間の時間を30分以内とし、除歪工程における最高雰囲気温度を650〜670℃とし、ガラス容器の実際の温度が690℃〜700℃である時間を1分間確保するように制御することによって、本発明の化学的耐久性に優れたガラス容器を製造することができる。
係る製造方法によって製造される化学的耐久性に優れた本発明のガラス容器は、以下の発明から構成される。
(1)内表面に形成された酸化物被膜がSiOを主とする酸化物被膜であることを特徴とする硼珪酸ガラス容器である。
(2)本発明において内表面とは、X線光電子分光分析法(XPS)における検出深さ(1〜10nm程度)をいう。ガラス容器内面表層部の成分組成が化学的耐久性を高めるうえで、決定的に重要だからである。
(3)内表面に形成される酸化物被膜中のSiOは、80〜92重量%であることが好ましい。SiO被膜が80重量%未満では、十分な化学的耐久性が得られない。より好ましくは、SiO被膜は85重量%以上である。ガラス容器が硼珪酸ガラス製である場合、SiO以外の酸化物被膜がガラス容器内表面に8重量%程度存在することは避けられないので、内表面に形成される酸化物被膜中のSiOの上限値は92重量%である。
(4)内表面に形成されるSiO以外の酸化物被膜は、NaO、KO、CaO、BaO、BおよびAlから選択される1以上の酸化物の被膜であることが好ましい。
(5)硼珪酸ガラス容器の内表面に分相が存在せず、均質であることが好ましい。本明細書において、均質とは、結晶化していないこと又は方向性がないこと(等方性を示すこと)をいう。ガラスの構造は、観測時間に依存しない静的な構造と、観測時間に依存する動的な構造に分けることができる。例えば、SiOを例にとって、SiO4/2四面体を最少単位として長周期にわたる繰り返し構造(静的構造)があれば、石英となる。均質とは、このような繰り返し構造がないことをいう。動的構造とは、粘弾性挙動及びガラス転移現象である。ガラス及びその融液は粘性と弾性を示すため、粘弾性液体として取り扱う必要がある。
(6)硼珪酸ガラス容器は、医薬品、食品または化粧品収納用であることが好ましい。
(7)硼珪酸ガラスからなるガラス管を加熱下に成形加工してガラス容器を得るガラス容器の製造工程、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液からなる洗浄液で洗浄する洗浄工程、および洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程を含む製造方法によって製造されるガラス容器であって、洗浄工程におけるガラス容器の温度を30〜150℃、噴霧圧が0.05MPa以上である洗浄液による洗浄時間を10〜15秒とし、洗浄工程と除歪工程の間の時間を30分以内とし、除歪工程における最高雰囲気温度を650〜670℃とし、ガラス容器の実際の温度が690℃〜700℃である時間を1分間確保するように制御することによって製造される(1)ないし(6)のいずれかに記載のガラス容器である。
本発明のガラス容器は、ガラス表面からのアルカリ成分の溶出量が極めて少なくて化学的耐久性に優れているので、内容物である薬剤等の変質が抑制されて、所定の品質を保持することができる。
図1(a)はガラス容器の内面にアルカリ質の溶離性成分が付着した状態を示す模式図、図1(b)は内面に付着したアルカリ質の溶離性成分を除去した後のガラス容器を示す模式図、図1(c)は図1(b)に示す内面を有するガラス容器を加熱した後の状態を示す模式図である。 図2は、本発明のガラス容器を製造する方法の一例を小工程毎に示す模式図である。 図3は、本発明のガラス容器を製造する方法に好適に用いられる製造装置の一例を示す模式図である。 図4は、洗浄機でバイアルを洗浄する様子を示す概略構成図である。 図5(a)は本発明のガラス容器の一実施形態の概略断面図、図5(b)は比較例のガラス容器の概略断面図である。 図6(a)はガラス転移点以上の温度に長時間加熱する前の硼珪酸ガラスの断面の一例を示す概略図、図6(b)は硼珪酸ガラスが分相化した状態の断面の一例を示す概略図である。
本発明のガラス容器の材料として使用されるガラス管は、特に制限はないが、例えば硼珪酸ガラスからなるガラス管が好ましい。ガラス管の断面は通常は真円状であるが、楕円形状等その他の形状でもよい。ガラス管の直径は特に制限はないが、通常は10〜100mm程度である。ガラス管の長さも特に制限はないが、通常1〜5m程度でよい。ガラス管は無色透明でもよいし、例えば褐色等に着色されていてもよい。
このようなガラス管を用いてガラス容器を製造する方法は従来充分に確立されているので、本発明におけるガラス容器もそれに従って製造することができる。
例えば、一定の直径を有し両端が開放されたガラス管を垂直に立て、通常は加熱手段を備えた縦型成型機に下端部を挿入し、例えば、温度約1500〜1800℃のガスバーナーで加熱して、所望の管瓶の形状に成形し、次いで成形物と残部の上方に延びているガラス管とを加熱下に切り離すと共にガラス瓶と底部を形成する。次いで、切り離されたガラス管の下端を断面がもとの真円となるように成形加工する。成形加工後のガラス容器の温度は通常約300〜400℃となる。
この操作を繰り返すことによって、ガラス容器を量産することができる。この際、通常、上記したように、加熱によってガラス質が変質してガラスの揮発成分(例えばNaO、KO)が、ガラス管の開放された下端と上端の間の空間部を煙突効果によって上昇してガラス管内面に付着し、アルカリ質の溶離性成分を形成すると考えられる。
本発明は、上記ガラス容器の製造工程の後、次に詳述するガラス容器の洗浄工程を経ることによって、ガラス管内面に付着したアルカリ質の溶離性成分を除去又は低減し、さらに、洗浄工程後のガラス容器を30分以内に除歪工程に付し、適切な加熱温度に制御した除歪処理をガラス容器に施すことによって、表面が均質化されたガラス容器を提供することができる。
本発明におけるガラス容器は、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液などの洗浄液を用いて洗浄することが好ましい。
成形加工後の上記約300〜400℃のガラス容器を、必要により、例えば大気温度下に放冷し、好ましくは150℃以下のガラス容器を洗浄液で洗浄する。ガラス容器の温度が高い程、ガラス容器内面に付着した溶離性成分の除去又は低減効果は高いと考えられるが、高温のガラス容器に洗浄液を接触させるとガラス容器が破損するおそれがある。また、洗浄時のガラス容器の下限温度は、洗浄効率を考慮して、好ましくは30℃以上とされる。また、洗浄時間は、10秒未満では洗浄が不十分であり、15秒を超えると生産性が低下するので、約10〜15秒が好ましい。
洗浄工程における洗浄液の温度は限定されないが、約30〜100℃の洗浄液を用いることが好ましく、約40〜70℃の洗浄液を用いることがより好ましい。この範囲内であれば、本発明の目的とする化学的耐久性に優れたガラス容器を得ることができる。
洗浄液としては、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液が好ましく用いられ、ガラス容器内表面に付着したアルカリ質の溶離性成分の溶解性が高い点で、酸の水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液がより好ましい。
酸の水溶液に用いられる酸は有機酸と無機酸に大別される。有機酸の例としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、フタル酸およびクエン酸等を挙げることができ、また、無機酸の例としては、塩酸、硫酸および硝酸等を挙げることができる。これらの酸は、1種または2種以上を併用してもよい。上記した理由により、有機酸が好ましく、洗浄効果および取扱い性の面からクエン酸、シュウ酸が好ましく用いられる。有機酸は、残滓が生じても除歪工程で二酸化炭素と水に燃焼分解するため、ガラス表面が非常に清浄に保たれる点で好ましく、中でもクエン酸が好ましく用いられる。
酸の濃度が高いほど、アルカリ成分の溶解性が高い傾向にあるが、廃液の処理を含めた取扱い性の点から、通常、酸の濃度は約0.005〜1.0モル/L、好ましくは約0.01〜0.1モル/Lとされる。
上記洗浄液の中で界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液に用いられる界面活性剤は、特に限定されるものではないが、好ましい界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤は、ポリエチレングリコール型と多価アルコール型に大別され、ポリエチレングリコール型としては、高級アルコール、脂肪酸、油脂、ポリプロピレングリコールもしくはアルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物や、多価アルコール脂肪酸エステル、高級アルキルアミンもしくは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物等が挙げられ、多価アルコール型としては、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトールもしくはショ糖の脂肪酸エステルや多価アルコールのアルキルエーテル等が挙げられる。界面活性剤の濃度は本発明の目的と効果を妨げない範囲で適宜選択すればよい。
上記洗浄液を用いてガラス容器の内表面を洗浄液で洗浄するには、通常、ガラス容器を適宜の治具に挿入又は吊り下げなどした状態で、ガラス容器の口部から底部に向けて、例えばノズルから洗浄液を、通常、圧力をかけ吹き上げ噴霧することにより行う。ノズルの洗浄液噴霧口を、例えば、洗浄液と同時に圧搾空気を吐出し得るようにして、洗浄液の噴霧圧を高めるのが好ましい(ジェット噴霧洗浄とも称される)。具体的には、洗浄液の噴霧圧は、0.05MPa以上であるのが好ましい。噴霧圧が高すぎても洗浄効果が飽和するので、噴霧圧の上限は0.5MPa程度である。
洗浄液として水以外の洗浄液を用いる場合は、洗浄液による洗浄後、清浄な水によるすすぎの工程、及び、例えば空気の吹き込みによる十分な水切りの工程を経て、洗浄工程が終了する。水以外の洗浄液としては、含水メタノール、含水エタノール、含水テトラヒドロフラン等が挙げられる。
また、上記ガラス容器の製造工程では、微量ではあるがガラス容器の外表面に上記ガラスの揮発成分が付着することもあり得るので、洗浄液による洗浄をガラス容器の内表面の他に、ガラス容器の外表面に行ってもよい。
なお、上記洗浄液によるガラス容器の内表面の洗浄は、超音波洗浄によってもよい。超音波洗浄の場合、通常、上記の洗浄液を用いて、内表面だけでなくガラス容器全体を洗浄し、すすぎ洗浄を行う。超音波洗浄を採用するか否かは、後述する縦型成型機、洗浄機および除歪炉などの生産ライン全体のレイアウトを考慮して決定される。
本発明におけるガラス容器の除歪工程は、洗浄工程で洗浄したガラス容器を、雰囲気温度が650〜670℃となるように制御されている除歪炉に送給して、ガラス容器の実際の温度が690℃から700℃である時間を1分間確保するように加熱昇温した後に冷却することにより行われる。洗浄後の約30〜80℃のガラス容器を除歪炉内で加熱昇温した後に約300℃まで冷却することからなる除歪処理の全時間、すなわち、除歪炉内での在炉時間(除歪時間)は、3分〜40分とされる。このような除歪処理により、ガラス管からガラス容器に成形加工した際の熱履歴に基づくガラス容器に残存する歪みが除去されると同時に、ガラス表面に分相を生じることなく、化学的に安定であるSiOを多量に含有する均質な被膜をガラス容器の内表面に形成することができる。
本発明のガラス容器は内表面の構造に特徴があり、特徴ある構造の内表面を備えたガラス容器を得るためのプロセスを分かりやすく説明すれば、次のとおりである。
(1)ガラス管内面へのアルカリ質の溶離性成分の付着
上記のように、ガラス管を温度約1500〜1800℃のガスバーナーで加熱して、所望の管瓶の形状に成形するときに、加熱によってガラス質が変質してガラスの揮発成分(例えばNaO、KO)が、ガラス管の開放された下端と上端の間の空間部を煙突効果によって上昇してガラス管内面に付着し、アルカリ質の溶離性成分を形成する。図1(a)は、ガラス管1の内面2にアルカリ質の溶離性成分3が付着した状態を示す模式図である。
(2)洗浄によるアルカリ質の溶離性成分の除去
洗浄によってアルカリ質の溶離性成分を除去することはできるが、洗浄の結果、図1(b)に示すように、ガラス容器4の内面5は微視的に平坦でなくなる。
(3)成形加工時の熱履歴に基づく残存歪みの除去
アルカリ質の溶離性成分を除去した後のガラス容器を加熱することによって残存歪みを除去することができる。また、原子の拡散によって、図1(c)に示すように、ガラス容器4の内面5の平坦度も改善される。しかし、ガラス容器の加熱条件によっては、図6(b)に示すような分相状態が生成される。そこで、分相状態を生成しないために、ガラス容器の加熱条件が非常に重要である。
(4)均質な内表面の形成
硼珪酸ガラスは、ガラス転移点以上の温度に長時間加熱すると、分相化することがある。また、加熱温度が高すぎると、ガラス容器に変形やシワが発生する。そこで、加熱条件の選択が極めて重要である。
そこで、650〜670℃の最高雰囲気温度となるように制御されている除歪炉において、ガラス容器の実際の温度が690〜700℃である時間を1分間確保するように制御することによって、本発明のガラス容器を製造することができる。690〜700℃である時間が1分間であれば、分相が発生することなく、均質で、ガラス表面が変形したり、シワが発生することなく、熱履歴に基づく残存歪みが除去されて、内外表面がほぼ平滑なガラス容器を製造することができる。なお、除歪炉で加熱されるガラス容器自体の温度は650〜700℃で、60〜120秒保持されることが、変形やシワの発生を防止し、平滑な表面を得る上で好ましい。
ガラス容器自体の温度が長時間(10分以上)にわたって700℃を超えると、ガラス表面が変形したり、シワが発生することがある。一方、除歪炉の最高雰囲気温度が650℃未満で制御されると、ガラス容器自体の温度が600℃を下回りやすく、ガラス化が不十分となることがある。
本発明によって、アルカリ成分等の溶出量が極めて少ないガラス容器が提供される。
製造されたガラス容器に収納される医薬品、食品、化粧品はどのような形状でもよい。例えば、固状、液状、気体状のいずれでもよく、医薬品を例にとると、錠剤、液剤、顆粒剤、散剤、粉剤、軟膏剤、スプレー剤、パウダー剤、ジェル剤等どのような形状、性状でもよい。食品や化粧品についても同様にどのような形状、性状でもよい。
本発明のガラス容器は化学的耐久性に優れており、ガラス表面からのアルカリ成分の溶出量が極めて少ないので、収納される内容液の導電率は極めて低く、例えば、精製水用容器、滅菌精製水用容器または注射用水用容器として好適である。第16改正日本薬局方の第731頁には、容器入精製水、容器入滅菌精製水または容器入注射用水の導電率に関して、内容量が10mL以下の容器の場合、その導電率(25℃)は25μS/cm以下と規定され、内容量が10mLを超える容器の場合、その導電率(25℃)は5μS/cm以下と規定されているが、本発明のガラス容器によれば、上記規定を満足することが可能である。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、様々な変更や修正が可能であることは言うまでもない。
外径16mm、長さ1m60cmの硼珪酸ガラス製のガラス管を使用し、以下の方法により、容量2mLのバイアルを得た。まず、図2の(1)に示すようにガラス管11の端部を上にして管瓶の縦型成型機12に挿入し、下端部をガスバーナーで加熱してガラスを軟化させ、瓶の開口部分の形状となるように成形加工した。以下、より詳しく図2にもとづいて工程順に説明する。
(1)ガラス管11の下端部を1200〜2000℃のフィッシュテールバーナー13で加熱した。
(2)ローラー14とプランジャー15とを用いて肩部を成形した。
(3)1200〜2000℃のポイントバーナー16で加熱した。
(4)ローラー14とプランジャー15とで口部を成形した。
(5)全高板17を用いて瓶高さを決定した。
(6)温度1200〜2000℃のカットバーナー18を用いてカットした。
(7)ポイントバーナー16を用いて底部を均質化した。
(8)エアー19を吹き込み、1200〜2000℃のポイントバーナー16を用いてバイアル20の底部成形を完成した。
このようにして得られたバイアル20を、ネットコンベアー21上に載置された治具に挿入した状態(図3)で洗浄機22に搬送し、大気温下に放冷し(図2における(9)冷却工程)、約30℃のバイアルの内表面をシリンジを使用して10mLの25℃の洗浄液(クエン酸)で10秒間吹き上げ洗浄(0.2MPa)を行い(図2における(10)洗浄工程)、さらに、精製水で10秒間吹き上げ洗浄(0.2MPa)を行った後、
エアー19を吹き込んで十分に水を切った(図2における(11)水切り工程)。尚、図3では細部を省略しているが、バイアル20は、ネットコンベアー21によって洗浄機22および除歪炉24に搬送可能とされている。
図4は、洗浄機22でバイアル20を洗浄する様子を示す概略構成図である。図4において、31はマニホールド、32はノズル、33はニードルバルブ、34は流量計、35は圧力計、36はポンプ、37は洗浄液の貯槽である。ニードルバルブ33の開度を調整することにより、洗浄液の噴霧圧を調節することができる。
クエン酸と精製水による洗浄及び水切りが終了した約25℃のバイアル20を、30分以内にバーナーヒーター23を備えた加熱炉有効長5mの除歪炉24に搬送し(図2における(12)除歪工程)、除歪炉内の最高雰囲気温度が670℃となるように制御して25分間除歪処理(雰囲気温度が670℃以上である時間は108秒で、ガラス容器の実際の温度は670〜700℃で、ガラス容器の実際の温度が690〜700℃である時間が1分間)を行ったガラス容器を得、このガラス容器を、常温まで放冷した。なお、除歪炉24は、入口側と出口側が開放されているので、除歪炉内に設けた熱電対で感知される除歪炉内の雰囲気温度を、例えば670〜700℃としても、入口側や出口側はこの温度よりも低くなる。また、除歪炉内の雰囲気温度は3箇所に設置した熱電対で測定し、そのうちの1つの熱電対で測定した温度が目標温度となるように、バーナーヒーター23をオン・オフ制御した。さらに、ガラス容器の温度はガラス容器に融着させた熱電対により測定した。
また、段落0059に記載したクエン酸と精製水による洗浄を行わなかった以外は、実施例と同じ工程を経て、比較例の硼珪酸ガラス製のガラス容器を得た。以下の表3は、X線光電子分光分析法によって測定された実施例のガラス容器と比較例のガラス容器の内表面の原子数比を示し、以下の表4は、母材である硼珪酸ガラスの成分組成(重量%)と、表3の原子数比に基づいて求められたガラス容器内表面に形成された酸化物被膜の比率(重量%)を示す。表4に示すように、本発明の実施例のガラス容器内表面に形成された酸化物被膜の88.6重量%がSiO被膜であって、酸化物被膜のほとんどを占めることが分かる。X線光電子分光分析法とは、超高真空下で試料表面に軟X線を照射することによって光電効果により試料表面から真空中に放出された光電子の運動エネルギーを観測して、試料表面の元素組成や化学状態に関する情報を得ることができる分析法である。具体的には、次式によって必要な情報を得ることができる。E=hv−Ekin−φ(Eは束縛電子の結合エネルギー、hvは軟X線のエネルギー、Ekinは光電子の運動エネルギー、φは分光器の仕事関数である)。ここで、束縛電子の結合エネルギー(E)は元素固有のものであるから、光電子のエネルギースペクトルを解析すれば、物質表面に存在する元素の同定が可能となる。さらに、ピーク面積比を用いることにより、元素を定量することができる。光電子が物質中を非弾性散乱することなく進む距離(平均自由工程)は1〜10nm程度であるため、本分析手法による検出深さは1〜10nm程度である。
その後、図5(a)に示すような上記実施例において常温まで放冷することによって得た硼珪酸ガラス製のガラス容器40に0.7mLの精製水40aを注入した後、121℃で60分間、オートクレーブ処理を行った。41はゴム栓である。また、外径16mm、長さ1m60cmの硼珪酸ガラス製のガラス管から切り出すことによって得た、図5(b)に示すような円柱形状の容量2mLの比較例の硼珪酸ガラス製のガラス容器50にも0.7mLの精製水50aを注入した。51aと51bはゴム栓である。そして、これらのガラス容器内の精製水について、精製水注入後1時間経過時点、精製水注入後4時間経過時点および精製水注入後8時間経過時点において、原子吸光分光光度計を用いて、溶出Na量(ppm)を測定し、誘導結合プラズマ発光分光分析計を用いて、溶出B量(ppm)と溶出Al量(ppm)と溶出Si量(ppm)と溶出Ca量(ppm)と溶出Ba量(ppm)を測定した。その結果、以下の表5に示すような測定結果を得た。精製水をガラス容器に注入するのは、例えば、ガラス容器に医薬品(例えば、液剤、凍結乾燥製剤、粉剤)を収納したときに、ガラス容器内面がどの程度の期間で劣化するかを見積もるための加速試験の意味を有しており、精製水注入後1時間経過時点は1.6年に相当し、精製水注入後4時間経過時点は8年に相当し、精製水注入後8時間経過時点は13年に相当する。
表5に示すように、内表面にSiOを主とする酸化物被膜が形成された本発明の実施例のガラス容器は、アルカリ成分の溶出量が極めて少なく、化学的耐久性に優れていることが分かる。また、実施例のガラス容器の内表面に分相が存在せず、結晶化していないことを電子顕微鏡によって確認した。
本発明によれば、医薬品、食品または化粧品収納用容器として好適なガラス容器を提供することができる。
1 ガラス管
2 内面
3 溶離性成分
4 ガラス容器
5 内面
11 ガラス管
12 縦型成型機
13 フィッシュテールバーナー
14 ローラー
15 プランジャー
16 ポイントバーナー
17 全高板
18 カットバーナー
19 エアー
20 バイアル(ガラス容器)
21 ネットコンベアー
22 洗浄機
23 バーナーヒーター
24 除歪炉
31 マニホールド
32 ノズル
33 ニードルバルブ
34 流量計
35 圧力計
36 ポンプ
37 洗浄液の貯槽
40 ガラス容器
40a 精製水
41 ゴム栓
50 ガラス容器
50a 精製水
51a ゴム栓
51b ゴム栓

Claims (8)

  1. 内表面に形成された酸化物被膜がSiOを主とする酸化物被膜であることを特徴とする硼珪酸ガラス容器。
  2. 内表面が、X線光電子分光分析法における検出深さである請求項1記載の硼珪酸ガラス容器。
  3. 内表面に形成される酸化物被膜中のSiOは、85〜92量%である請求項1または2記載の硼珪酸ガラス容器。
  4. 内表面に形成されるSiO以外の酸化物被膜は、NaO、KO、CaO、BaO、BおよびAlから選択される1以上の酸化物の被膜である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硼珪酸ガラス容器。
  5. 最表面からX線光電子分光分析法における検出深さである10nmまでの内表面は、SiOが85〜92重量%であって、SiO以外にNaO、KO、CaO、BaO、BおよびAlから選択される1以上の酸化物が形成されて、分相化せずに均質であることを特徴とする硼珪酸ガラス容器。
  6. 硼珪酸ガラス容器が医薬品、食品または化粧品収納用である請求項1ないし5のいずれかに記載の硼珪酸ガラス容器。
  7. 硼珪酸ガラスからなるガラス管を加熱下に成形加工してガラス容器を得るガラス容器の製造工程、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液からなる洗浄液で洗浄する洗浄工程、および洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程を含む製造方法によって製造される請求項1ないし6のいずれかに記載のガラス容器。
  8. 硼珪酸ガラスからなるガラス管を加熱下に成形加工してガラス容器を得るガラス容器の製造工程、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液からなる洗浄液で洗浄する洗浄工程、および洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程を含む製造方法によって製造されるガラス容器であって、洗浄工程におけるガラス容器の温度を30〜150℃、噴霧圧が0.05MPa以上である洗浄液による洗浄時間を10〜15秒とし、洗浄工程と除歪工程の間の時間を30分以内とし、除歪工程における最高雰囲気温度を650〜670℃とし、ガラス容器の実際の温度が690℃〜700℃である時間を1分間確保するように制御することによって製造される請求項1ないし6のいずれかに記載のガラス容器。
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