JP2019089691A - ガラス容器 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、これらのガラス表面のコーティング処理、サルファー処理あるいは低温加熱によるガラス管の加工は工程が煩雑化したり、ガラス容器の製造原価が高くなる原因となっていた。また、従来から行われている方法では、化学的耐久性に優れたガラス容器を得ることはできなかった。
一方、5%塩酸に溶出するのは、主にガラス中に含まれるアルカリ、アルカリ土類成分であり、シリカ成分はほとんど溶解しない。このため、水酸化ナトリウムへの溶出と違い、溶出量は少ない。酸への溶出速度は時間の平方根に比例し、アルカリによる溶解速度よりかなり温和である。pHが1下がっても、溶出速度は1.2倍程度にしかならない。酸による浸食がアルカリのそれよりも遅いことは、表2から分かる。また、塩酸と有機酸を比べると、有機酸への溶出量が少ないことが知られている。
従って、本発明においては、ガラス成分の浸食が比較的ゆるやかな有機酸を用いるのが好ましい。
(1)内表面に形成された酸化物被膜がSiO2を主とする酸化物被膜であることを特徴とする硼珪酸ガラス容器である。
(2)本発明において内表面とは、X線光電子分光分析法(XPS)における検出深さ(1〜10nm程度)をいう。ガラス容器内面表層部の成分組成が化学的耐久性を高めるうえで、決定的に重要だからである。
(3)内表面に形成される酸化物被膜中のSiO2は、80〜92重量%であることが好ましい。SiO2被膜が80重量%未満では、十分な化学的耐久性が得られない。より好ましくは、SiO2被膜は85重量%以上である。ガラス容器が硼珪酸ガラス製である場合、SiO2以外の酸化物被膜がガラス容器内表面に8重量%程度存在することは避けられないので、内表面に形成される酸化物被膜中のSiO2の上限値は92重量%である。
(4)内表面に形成されるSiO2以外の酸化物被膜は、Na2O、K2O、CaO、BaO、B2O3およびAl2O3から選択される1以上の酸化物の被膜であることが好ましい。
(5)硼珪酸ガラス容器の内表面に分相が存在せず、均質であることが好ましい。本明細書において、均質とは、結晶化していないこと又は方向性がないこと(等方性を示すこと)をいう。ガラスの構造は、観測時間に依存しない静的な構造と、観測時間に依存する動的な構造に分けることができる。例えば、SiO2を例にとって、SiO4/2四面体を最少単位として長周期にわたる繰り返し構造(静的構造)があれば、石英となる。均質とは、このような繰り返し構造がないことをいう。動的構造とは、粘弾性挙動及びガラス転移現象である。ガラス及びその融液は粘性と弾性を示すため、粘弾性液体として取り扱う必要がある。
(6)硼珪酸ガラス容器は、医薬品、食品または化粧品収納用であることが好ましい。
(7)硼珪酸ガラスからなるガラス管を加熱下に成形加工してガラス容器を得るガラス容器の製造工程、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液からなる洗浄液で洗浄する洗浄工程、および洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程を含む製造方法によって製造されるガラス容器であって、洗浄工程におけるガラス容器の温度を30〜150℃、噴霧圧が0.05MPa以上である洗浄液による洗浄時間を10〜15秒とし、洗浄工程と除歪工程の間の時間を30分以内とし、除歪工程における最高雰囲気温度を650〜670℃とし、ガラス容器の実際の温度が690℃〜700℃である時間を1分間確保するように制御することによって製造される(1)ないし(6)のいずれかに記載のガラス容器である。
例えば、一定の直径を有し両端が開放されたガラス管を垂直に立て、通常は加熱手段を備えた縦型成型機に下端部を挿入し、例えば、温度約1500〜1800℃のガスバーナーで加熱して、所望の管瓶の形状に成形し、次いで成形物と残部の上方に延びているガラス管とを加熱下に切り離すと共にガラス瓶と底部を形成する。次いで、切り離されたガラス管の下端を断面がもとの真円となるように成形加工する。成形加工後のガラス容器の温度は通常約300〜400℃となる。
上記のように、ガラス管を温度約1500〜1800℃のガスバーナーで加熱して、所望の管瓶の形状に成形するときに、加熱によってガラス質が変質してガラスの揮発成分(例えばNa2O、K2O)が、ガラス管の開放された下端と上端の間の空間部を煙突効果によって上昇してガラス管内面に付着し、アルカリ質の溶離性成分を形成する。図1(a)は、ガラス管1の内面2にアルカリ質の溶離性成分3が付着した状態を示す模式図である。
洗浄によってアルカリ質の溶離性成分を除去することはできるが、洗浄の結果、図1(b)に示すように、ガラス容器4の内面5は微視的に平坦でなくなる。
アルカリ質の溶離性成分を除去した後のガラス容器を加熱することによって残存歪みを除去することができる。また、原子の拡散によって、図1(c)に示すように、ガラス容器4の内面5の平坦度も改善される。しかし、ガラス容器の加熱条件によっては、図6(b)に示すような分相状態が生成される。そこで、分相状態を生成しないために、ガラス容器の加熱条件が非常に重要である。
硼珪酸ガラスは、ガラス転移点以上の温度に長時間加熱すると、分相化することがある。また、加熱温度が高すぎると、ガラス容器に変形やシワが発生する。そこで、加熱条件の選択が極めて重要である。
(2)ローラー14とプランジャー15とを用いて肩部を成形した。
(3)1200〜2000℃のポイントバーナー16で加熱した。
(4)ローラー14とプランジャー15とで口部を成形した。
(5)全高板17を用いて瓶高さを決定した。
(6)温度1200〜2000℃のカットバーナー18を用いてカットした。
(7)ポイントバーナー16を用いて底部を均質化した。
(8)エアー19を吹き込み、1200〜2000℃のポイントバーナー16を用いてバイアル20の底部成形を完成した。
エアー19を吹き込んで十分に水を切った(図2における(11)水切り工程)。尚、図3では細部を省略しているが、バイアル20は、ネットコンベアー21によって洗浄機22および除歪炉24に搬送可能とされている。
2 内面
3 溶離性成分
4 ガラス容器
5 内面
11 ガラス管
12 縦型成型機
13 フィッシュテールバーナー
14 ローラー
15 プランジャー
16 ポイントバーナー
17 全高板
18 カットバーナー
19 エアー
20 バイアル(ガラス容器)
21 ネットコンベアー
22 洗浄機
23 バーナーヒーター
24 除歪炉
31 マニホールド
32 ノズル
33 ニードルバルブ
34 流量計
35 圧力計
36 ポンプ
37 洗浄液の貯槽
40 ガラス容器
40a 精製水
41 ゴム栓
50 ガラス容器
50a 精製水
51a ゴム栓
51b ゴム栓
Claims (8)
- 内表面に形成された酸化物被膜がSiO2を主とする酸化物被膜であることを特徴とする硼珪酸ガラス容器。
- 内表面が、X線光電子分光分析法における検出深さである請求項1記載の硼珪酸ガラス容器。
- 内表面に形成される酸化物被膜中のSiO2は、85〜92量%である請求項1または2記載の硼珪酸ガラス容器。
- 内表面に形成されるSiO2以外の酸化物被膜は、Na2O、K2O、CaO、BaO、B2O3およびAl2O3から選択される1以上の酸化物の被膜である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硼珪酸ガラス容器。
- 最表面からX線光電子分光分析法における検出深さである10nmまでの内表面は、SiO2が85〜92重量%であって、SiO2以外にNa2O、K2O、CaO、BaO、B2O3およびAl2O3から選択される1以上の酸化物が形成されて、分相化せずに均質であることを特徴とする硼珪酸ガラス容器。
- 硼珪酸ガラス容器が医薬品、食品または化粧品収納用である請求項1ないし5のいずれかに記載の硼珪酸ガラス容器。
- 硼珪酸ガラスからなるガラス管を加熱下に成形加工してガラス容器を得るガラス容器の製造工程、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液からなる洗浄液で洗浄する洗浄工程、および洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程を含む製造方法によって製造される請求項1ないし6のいずれかに記載のガラス容器。
- 硼珪酸ガラスからなるガラス管を加熱下に成形加工してガラス容器を得るガラス容器の製造工程、ガラス容器の製造工程で得たガラス容器の内表面を、水、酸の水溶液、界面活性剤水溶液または界面活性剤を添加した酸の水溶液からなる洗浄液で洗浄する洗浄工程、および洗浄工程で洗浄したガラス容器を加熱昇温した後に冷却して除歪する除歪工程を含む製造方法によって製造されるガラス容器であって、洗浄工程におけるガラス容器の温度を30〜150℃、噴霧圧が0.05MPa以上である洗浄液による洗浄時間を10〜15秒とし、洗浄工程と除歪工程の間の時間を30分以内とし、除歪工程における最高雰囲気温度を650〜670℃とし、ガラス容器の実際の温度が690℃〜700℃である時間を1分間確保するように制御することによって製造される請求項1ないし6のいずれかに記載のガラス容器。
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Cited By (2)
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WO2022250472A1 (ko) * | 2021-05-26 | 2022-12-01 | 주식회사 대웅제약 | 1-(5-(2,4-다이플루오로페닐)-1-((3-플루오로페닐)술포닐)-4-메톡시-1h-피롤-3-일)-n-메틸메탄아민의 액상 약학적 조성물을 포함하는 의약품 용기 |
JP7478009B2 (ja) | 2020-03-30 | 2024-05-02 | リンテック株式会社 | 粘着シート、及び粘着シートの製造方法 |
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- 2018-07-31 JP JP2018144381A patent/JP2019089691A/ja active Pending
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