JP2019081862A - 抗菌フィルム及びこれを用いた包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
少なくとも抗菌成分含有層を含む1層以上からなるフィルムであって、前記抗菌成分含有層は包装時に最内層であり、且つ揮発性抗菌剤を担持させた担持体を含有し、前記フィルムの引裂強度が3N以下であることを特徴とする抗菌フィルムである。
前記揮発性抗菌剤が、オイゲノール、シトラール、シンナムアルデヒド、2−ノナノール、1−ヘキサナール、trans−2−ヘキセナールおよびこれらの誘導体からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
前記担持体の算術平均粒径が0.1μm以上30μm以下であることが好ましい。
前記抗菌成分含有層に含まれる担持体の含有量が、1重量パーセント以上10重量パーセント以下の範囲であることが好ましい。
図1において、抗菌フィルム10は抗菌成分含有層3から成り、抗菌成分含有層3は、バインダーとなる樹脂フィルム1の中に抗菌成分を含有する担持体2が混合されている。
また図示しないが、本発明において、基材フィルムにこの抗菌フィルム10を貼り合せて包装体としてもよい。またさらに印刷層やバリア層などの機能層を積層した包装体としてもよい。
担持体は上記のように抗菌剤を吸着して固定させる土台となりうる物質であればよく、担持体それ自体は、抗菌剤の効力を阻害しないものが望ましい。
は、レーザー回折・散乱法に基づく測定を行い、算術平均粒径として求めたものである。
一層の場合、揮発性抗菌剤を担持した担持体2を抗菌成分含有層3に含有させる方法としては、主に練り込み法を用いる。練り込み法とは、樹脂と前記担持体を混合し、溶解押出製膜することにより前記担持体をフィルム中に分散させる方法である。
二層以上の場合は、基材フィルム上に抗菌成分含有層を前述の練り込み法にて成形するか、塗工法にて成形することができる。塗工法とは、バインダー樹脂、揮発性抗菌剤を含む担持体、溶剤から成る塗工液を、基材フィルムに塗工し、抗菌成分含有層を成形する方法である。
本発明においては、どちらの方法を使用しても構わないが、食品包材としてパウチ化することを考えると、抗菌成分含有層をそのままヒートシール層として用いることができる練り込み法による押出製膜がより好ましい。
平均粒径5μmの担持体1.5重量部にオイゲノール3.0重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した抗菌性担持体をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径5μmの担持体1.5重量部にシトラール3.0重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した抗菌性担持体をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径5μmの担持体1.5重量部にシンナムアルデヒド3.0重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した抗菌性担持体をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径5μmの担持体1.5重量部に2−ノナノール3.0重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した抗菌性担持体をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合
し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径5μmの担持体1.5重量部に1−ヘキサナール3.0重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した抗菌性担持体をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径5μmの担持体1.5重量部にtrans−2−ヘキセナール3.0重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した抗菌性担持体をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径5μmの担持体0.5重量部にtrans−2−ヘキセナール1.0重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した担持体1重量部をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径5μmの担持体3重量部にtrans−2−ヘキセナール6重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した担持体1重量部をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径30μmの担持体1.5重量部にtrans−2−ヘキセナール3重量部を担持させ、抗菌性担持体を作製した。作製した担持体1重量部をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
ポリエチレン樹脂粉末を溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径5μmの担持体単体4.5重量部をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製した。
平均粒径50μmの担持体単体4.5重量部をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製しようとしたところ、製膜できなかった。
平均粒径5μmの担持体単体20重量部をポリエチレン樹脂粉末100重量部と混合し、溶解押出製膜により30μm厚のフィルムを作製しようとしたところ、製膜できなかった。
抗菌性評価は、黒麹カビを用いて評価した。作製した抗菌消臭フィルムサンプルで10cm角のパウチを作製した。これに菌液を塗布したPDA培地を入れ、25℃で培養した後のカビの生育状態を確認した。保管して3日後に観察したところ、カビの生育が抑制されていたものを○、されないものを×とした。
引裂性はJIS K7128 エルメンドルフ法により引裂強度を算出し、同時に行った10人のパネラーによる官能評価に基づき、引裂強度が3N以下を○、3Nを超えたものを×とした。
以上の評価を表1にまとめた。
一方、担持体が無く抗菌剤も入っていない比較例1は、抗菌性・引裂性とも悪かった。また担持体はあるが抗菌剤を入れなかった比較例2は、引裂性は良かったが抗菌性は悪かった。そして抗菌剤を入れず、担持体の平均粒径を50μmと大きくした比較例3と、担持体の量を20重量部と多くした比較例4は、どちらもフィルムとして製膜ができず評価ができない結果となった。
これらの事から、抗菌剤を担持する担持体をフィルム中に含有させた本発明のフィルムは、優れた抗菌性と引裂性が得られることがわかった。
2・・・抗菌成分を含有する担持体
3・・・抗菌成分含有層
10・・抗菌フィルム
Claims (5)
- 少なくとも抗菌成分含有層を含む1層以上からなるフィルムであって、前記抗菌成分含有層は包装時に最内層であり、且つ揮発性抗菌剤を担持させた担持体を含有し、前記フィルムの引裂強度が3N以下であることを特徴とする抗菌フィルム。
- 前記揮発性抗菌剤が、オイゲノール、シトラール、シンナムアルデヒド、2−ノナノール、1−ヘキサナール、trans−2−ヘキセナールおよびこれらの誘導体からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1記載の抗菌フィルム。
- 前記担持体の算術平均粒径が0.1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌フィルム。
- 前記抗菌成分含有層に含まれる担持体の含有量が、1重量パーセント以上10重量パーセント以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌フィルムを用いて成ることを特徴とする包装体。
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JP2017210592A JP2019081862A (ja) | 2017-10-31 | 2017-10-31 | 抗菌フィルム及びこれを用いた包装体 |
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2017
- 2017-10-31 JP JP2017210592A patent/JP2019081862A/ja active Pending
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