JP2019014524A - 蓋材、発酵食品用容器および発酵食品収納体 - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素の透過を許容し、かつ、容器内に収納された発酵食品を優れた視認性で視認することが可能な、発酵食品を収納する容器が備える蓋材、かかる蓋材により蓋がなされた発酵食品用容器、および、かかる発酵用容器に収納された発酵食品を備える発酵食品収納体を提供すること。【解決手段】発酵食品用容器1は、発酵食品を収納するために用いられ、蓋材2と容器本体3とを有するものである。蓋材2は、合成樹脂フィルムで構成されるものであり、1個以上の開口部を有し、前記合成樹脂フィルムを50%酢酸中に、10℃、2週間の条件で浸漬した後の前記合成樹脂フィルムの曇度が12%以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、蓋材、発酵食品用容器および発酵食品収納体に関するものである。
ヨーグルト、酢、酒、チーズ、漬物、味噌のような発酵食品は、発酵食品を収納する収納部を備える容器本体と、この容器本体を蓋する蓋材とを有する容器の収納部に収納された状態(例えば、特許文献1参照。)で、スーパーおよびコンビニエンスストア等の量販店において、陳列棚等に陳列して消費者(購買者)に販売されることがある。
ところで、これらの発酵食品(特に、ヨーグルト)では、発酵に寄与した菌(乳酸菌)が、生きた状態で容器内に収納され、発酵食品の発酵が容器内において継続している。そのため、発酵食品を収納する容器では、発酵により生じた二酸化炭素を容器外に排出することが求められる。したがって、蓋材には、二酸化炭素の通過を許容する微細な開口部が形成されている。
また、このような蓋材には、容器内の状態、すなわち、収納された発酵食品の状態を視認し得るように、透明性を備えることを求められる場合がある。しかしながら、前述の通り、容器内の発酵食品では、発酵が継続していることから、二酸化炭素が発生し、これに起因して、発酵食品が酸性を示すようになる。そのため、この発酵食品が蓋材に付着すると、その透明性が低下し、見た目が悪くなったり、さらには、発酵食品の視認が困難となることがあった。
本発明の目的は、二酸化炭素の透過を許容し、かつ、容器内に収納された発酵食品を優れた視認性で視認することが可能な、発酵食品を収納する容器が備える蓋材、かかる蓋材により蓋がなされた発酵食品用容器、および、かかる発酵用容器に収納された発酵食品を備える発酵食品収納体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)に記載の本発明により達成される。
(1) 発酵食品を収納する有底筒状をなす容器本体が備える開口を蓋する、合成樹脂フィルムで構成された蓋材であって、
前記合成樹脂フィルムは、1個以上の開口部を有しており、
前記合成樹脂フィルムを50%酢酸中に、10℃、2週間の条件で浸漬した後の前記合成樹脂フィルムの曇度が12%以下であることを特徴とする蓋材。
(1) 発酵食品を収納する有底筒状をなす容器本体が備える開口を蓋する、合成樹脂フィルムで構成された蓋材であって、
前記合成樹脂フィルムは、1個以上の開口部を有しており、
前記合成樹脂フィルムを50%酢酸中に、10℃、2週間の条件で浸漬した後の前記合成樹脂フィルムの曇度が12%以下であることを特徴とする蓋材。
(2) 前記合成樹脂フィルムは、その炭酸ガス(二酸化炭素)透過度が100cc/(m2・atm・日)以上、300,000cc/(m2・atm・日)以下である上記(1)に記載の蓋材。
(3) 前記合成樹脂フィルムの水蒸気透過度が5g/m2・日(40℃・90%RH)以上、120g/m2・日(40℃・90%RH)以下である上記(1)または(2)に記載の蓋材。
(4) 前記合成樹脂フィルムは、その厚さが15μm以上、70μm以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の蓋材。
(5) 前記開口部の長さは、30μm以上、200μm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の蓋材。
(6) 前記開口部は、視認性を有さない上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の蓋材。
(7) 前記発酵食品は、ヨーグルト、酢、酒、チーズ、漬物、味噌である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の蓋材。
(8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の蓋材と、該蓋材で前記開口に蓋がなされた前記容器本体とを有することを特徴とする発酵食品用容器。
(9) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の蓋材と、該蓋材で前記開口に蓋がなされた前記容器本体と、該容器本体に収納された前記発酵食品とを有することを特徴とする発酵食品収納体。
本発明の蓋材を備える発酵食品用容器(本発明の発酵食品用容器)によれば、蓋材を構成する合成樹脂フィルムに、1個以上の開口部が形成されている。そのため、この蓋材を、二酸化炭素等の気体の透過を許容し得るものとできる。
また、蓋材を構成する合成樹脂フィルムは、この合成樹脂フィルムを50%酢酸中に、10℃、2週間の条件で浸漬した後の曇度が12%以下のものである。そのため、発酵食品の発酵が継続することに起因して、発酵食品が酸性を示し、この発酵食品が蓋材に付着したとしても、蓋材の曇度が高くなること、すなわち、蓋材の視認性が低下することを的確に抑制または防止することができる。したがって、長期に亘って、容器内に収納された発酵食品を優れた視認性で視認することができる。
以下、本発明の蓋材、発酵食品用容器および発酵食品収納体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<発酵食品収納体>
図1は、本発明の発酵食品収納体の一例として本発明の発酵食品用容器をヨーグルトの収納に用いた場合を示す斜視図(図1(a)は、容器本体を蓋材で蓋をした状態、図1(b)は、容器本体から蓋材の一部を剥離させた状態を示す。)、図2は、図1に示す発酵食品用容器が備える蓋材(本発明の蓋材)を示す平面図である。なお、図1および図2では、説明の便宜上、発酵食品用容器が備える蓋材が有する開口部を誇張して図示しており、発酵食品用容器全体に対する開口部の大きさおよびその比率は実際とは大きく異なる。また、蓋材は、平面視で長方形をなし、その短辺に沿った方向をx方向、長辺に沿った方向をy方向として説明する。また、x方向およびy方向と直交する方向を、蓋材(合成樹脂フィルム)の厚さ方向と言う。
図1は、本発明の発酵食品収納体の一例として本発明の発酵食品用容器をヨーグルトの収納に用いた場合を示す斜視図(図1(a)は、容器本体を蓋材で蓋をした状態、図1(b)は、容器本体から蓋材の一部を剥離させた状態を示す。)、図2は、図1に示す発酵食品用容器が備える蓋材(本発明の蓋材)を示す平面図である。なお、図1および図2では、説明の便宜上、発酵食品用容器が備える蓋材が有する開口部を誇張して図示しており、発酵食品用容器全体に対する開口部の大きさおよびその比率は実際とは大きく異なる。また、蓋材は、平面視で長方形をなし、その短辺に沿った方向をx方向、長辺に沿った方向をy方向として説明する。また、x方向およびy方向と直交する方向を、蓋材(合成樹脂フィルム)の厚さ方向と言う。
図1に示すように、本発明の発酵食品用容器(以下、単に「容器」と言うこともある)1は、この容器内に密閉した状態で発酵食品を収納するために用いられるものである。本発明の発酵食品収納体(以下、単に「収納体」と言うこともある)10は、容器本体3および蓋材2を備える容器1と、この容器1内で密閉した状態で収納された発酵食品とを有している。以下、容器1内に発酵食品を未だ収納していない状態を「未収納状態」と言い、容器1で発酵食品を収納した状態を「収納状態」と言う。
容器1に収納される発酵食品は、食品が菌(乳酸菌、酵母菌等)の働きにより発酵し、この菌が発酵食品において生きているため、発酵が継続しているものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ヨーグルト、酢、酒、チーズ、漬物、味噌、納豆、麹、醤油、魚醤、キムチ、ピクルス、臭豆腐等が挙げられるが、中でも、ヨーグルト、酢、酒、チーズ、漬物、味噌等であることが好ましい。
このような発酵食品の収納に本発明の発酵食品用容器1を用いることで、発酵食品中の菌が生きた状態であったとしても、容器1が備える蓋材2を構成する合成樹脂フィルムに、1個以上の開口部が形成されているため、この蓋材2が、二酸化炭素の透過を許容するものとなる。したがって、発酵食品を収納状態とした際に、容器1において発酵が継続されることに起因して、二酸化炭素が発生したとしても、容器1が膨張するのを的確に抑制または防止することができる。
また、蓋材2を構成する合成樹脂フィルムは、本発明では、この合成樹脂フィルムを50%酢酸中に、10℃、2週間の条件で浸漬した後の曇度が12%以下のものである。そのため、上記のような発酵食品の発酵が継続することに起因して、発酵食品が酸性を示し、この発酵食品が蓋材2に付着したとしても、蓋材2の曇度が高くなること、すなわち、蓋材2の視認性が低下することを的確に抑制または防止することができる。したがって、長期に亘って、容器1内に収納された発酵食品が優れた視認性で視認される。
以下、本実施形態では、容器1に収納する発酵食品として、ヨーグルトBが容器1で収納されている場合を、一例に説明する(図1参照。)。
<<発酵食品用容器1>>
容器1は、ヨーグルトBを収納する収納部31を有する容器本体3と、この容器本体3の開口32を蓋する蓋材2とを備えている。
容器1は、ヨーグルトBを収納する収納部31を有する容器本体3と、この容器本体3の開口32を蓋する蓋材2とを備えている。
(容器本体3)
容器本体3は、図1に示すように、その平面視形状が長方形状をなす有底筒状体であり、有底筒状をなすことで形成される凹部が収納部31を構成し、この収納部31にヨーグルトBが収納される。また、収納部31上端における開口32の縁部には、蓋材2が熱シール(ヒートシール)により接合されるフランジ部33を有している。
容器本体3は、図1に示すように、その平面視形状が長方形状をなす有底筒状体であり、有底筒状をなすことで形成される凹部が収納部31を構成し、この収納部31にヨーグルトBが収納される。また、収納部31上端における開口32の縁部には、蓋材2が熱シール(ヒートシール)により接合されるフランジ部33を有している。
この容器本体3の材質としては、特に限定されないが、通常、板紙を基材としてその両面にポリエチレンのような熱可塑性樹脂層が形成された積層体が挙げられる他、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂材料で構成されるものが用いられる。
(蓋材2)
蓋材(本発明の蓋材)2は、図1、2に示すように、その平面視形状が長方形状をなすシート体であり、その縁部が、容器本体3が備えるフランジ部33に、熱シールにより接合(融着)される。
蓋材(本発明の蓋材)2は、図1、2に示すように、その平面視形状が長方形状をなすシート体であり、その縁部が、容器本体3が備えるフランジ部33に、熱シールにより接合(融着)される。
これにより、容器本体3の開口32が封止され、その結果、収納部31に収納されたヨーグルトBが容器1内に密閉された状態となる。
このような蓋材2は、合成樹脂フィルムで構成され、本発明では、合成樹脂フィルムを50%酢酸中に、10℃、2週間の条件で浸漬した後の曇度(JIS K7316に規定)が12%以下のものであれば、特に限定されず、その構成材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのようなポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートおよびポリ乳酸等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることで、曇度を12%以下のものとすることができる。具体的には、特に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とナイロン(NY)との積層体であることが好ましい。これにより、確実に曇度を12%以下のものとすることができる。
また、この蓋材2は、延伸加工、防曇加工や印刷が施されていてもよく、銀、銅のような無機系抗菌剤や、キチン、キトサン、アリルイソチオシアネートのような有機系抗菌剤が塗布されたものであってもよいし、これらがフィルム中に練り込まれているものであってもよい。
なお、熱シールに適さない蓋材2を用いる場合には、蓋材2の下面の少なくとも縁部にシーラント層をラミネートあるいはコーティングすることでフランジ部33に接合することができる。例えば、アクリル樹脂をコーティングしたセロハンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)ポリスチレンとEVAをラミネートしたフィルムが挙げられ、これらを蓋材2として用いることができる。
このような容器1によるヨーグルトBの収納は、製造工場において、ヨーグルトBの製造(発酵)の後に行われ、得られた収納体10の状態で、トラック等で輸送した後に、量販店で陳列したり、宅配等により販売される。
本発明では、この蓋材2は、前述の通り、このものを構成する合成樹脂フィルムを50%酢酸中に、10℃、2週間の条件で浸漬した後の合成樹脂フィルムの曇度が12%以下となっているものである。そのため、ヨーグルトBの発酵が容器1中において継続することに起因して、ヨーグルトBが酸性を示し、ヨーグルトBが蓋材2に付着したとしても、蓋材2の曇度が高くなること、すなわち、蓋材2の視認性が低下することを的確に抑制または防止することができる。したがって、長期に亘って、容器1内に収納されたヨーグルトBが優れた視認性で視認されるため、製造者や消費者は、ヨーグルトBの保存状態(乳清の発生の有無等)を確認することができる。
なお、合成樹脂フィルムの曇度は、12%以下となっていればよいが、10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましい。これにより、たとえヨーグルトBの酸性度が高くなったとしても、ヨーグルトBの賞味期限中において、蓋材2の曇度が高くなることをより的確に防止することができる。
また、図2に示すように、本実施形態では、蓋材2は、その厚さ方向に貫通する複数個の開口部(貫通孔)21を有している。これにより、容器1は、蓋材2を介して、二酸化炭素透過性等を発揮するものとなる。すなわち、二酸化炭素等の気体の透過を許容するものとなる。このように、容器1では、蓋材2すなわち合成樹脂フィルムに形成された開口部21は、二酸化炭素(炭酸ガス)等の気体が通過する通気孔(切れ込み)として機能する。
具体的には、蓋材(合成樹脂フィルム)2は、その二酸化炭素透過度が100cc/(m2・atm・日)以上、300,000cc/(m2・atm・日)以下であることが好ましく、1,000cc/(m2・atm・日)以上、30,000cc/(m2・atm・日)以下であることがより好ましい。二酸化炭素透過度を前記範囲内に設定することにより、発酵により生じた二酸化炭素(発酵ガス)をより確実に容器1外に排出させることができるため、容器1が膨張するのをより的確に抑制または防止することができる。
さらに、蓋材(合成樹脂フィルム)2は、その水蒸気透過度が5g/m2・日(40℃・90%RH)以上、120g/m2・日(40℃・90%RH)以下であることが好ましく、10g/m2・日(40℃・90%RH)以上であることがより好ましい。水蒸気透過度を前記範囲内に設定することにより、水滴として容器1(蓋材2)の外側に水分が排出されるのを的確に抑制または防止することができるとともに、収納部31に収納されるヨーグルトBに含まれる水分量を適切な範囲内に維持することができる。
なお、水蒸気透過度は、JIS Z 0208に則って測定することができる。
なお、水蒸気透過度は、JIS Z 0208に則って測定することができる。
以上のように、このような蓋材2を備える容器1によれば、二酸化炭素等の気体の透過を許容し、かつ、容器1内に収納されたヨーグルトBを優れた視認性で視認することが可能となる。
かかる構成の容器1において、開口部21は、その数には限定されないが、本実施形態では、x方向に沿って等間隔に4行配置され、y方向に沿って等間隔に5列配置されている。なお、x方向に隣接する開口部21同士の中心間距離と、y方向に隣接する開口部21同士の中心間距離とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。そして、このように行列状に配置された各開口部21を、それぞれ、図2中の左下から右上側に向かって順に、「開口部21a」、「開口部21b」・・・「開口部21s」および「開口部21t」と言うことがある。
また、各開口部21a〜21tは、図2に示すように、それぞれ、y方向に直線状に延びる長尺状をなし、長さが互いに同じであり、幅も互いに同じものである。
以上のような構成の蓋材2を備える容器1において、前記二酸化炭素透過度等が前述した範囲内となるように、蓋材2に形成される開口部21の長さL、幅Wおよび数(本実施形態では20個)等が設定される。
具体的には、開口部21の長さLは、好ましくは30μm以上、200μm以下であり、より好ましくは50μm以上、100μm以下であり、幅wは、好ましくは10μm以上、100μm以下であり、より好ましくは50μm以上、80μm以下である。前記上限値を超えると、蓋材2の種類やそれらの厚さによっては、二酸化炭素透過度等の制御が難しくなるおそれがある。また、前記下限値未満であると、多数の開口部21を形成する必要が生じ、その結果、蓋材2の種類やその厚さによっては、加工が困難となり、蓋材2ひいては容器1の量産に向かなくなるおそれがある。また、前記範囲内に設定することにより、開口部21を、視認性を有さないものとすることができる。これにより、消費者の購買意欲の低下を招くことなく、開口部21が形成される。また、細菌やホコリ等の異物の混入を的確に抑制または防止することができる。
さらに、蓋材2における、容器1に収納されるヨーグルトB100gあたりに対する長さLの各合計を、それぞれ、ΣL(100g)としたとき、前記ΣL(100g)は、100μm以上、35,000μm以下であるのが好ましく、3,000μm以上、15,000μm以下であるのがより好ましい。これにより、二酸化炭素透過度等を確実に前記範囲内に設定することができる。
また、蓋材2の厚さTは、15μm以上、70μm以下であるのが好ましく、30μm以上、60μm以下であるのがより好ましい。厚さを前記範囲内に設定することにより、開口部21から二酸化炭素等を前述した範囲内となるように確実に透過させることができる。また、前記下限値未満となるとフィルムの材質によっては、強度が十分に得られなくなるおそれがある。さらに、前記上限値を超えると、コストが高くなるおそれがある。
なお、本発明では、容器1によりヨーグルトBの他、各種発酵食品が収納されるが、この発酵食品の種類によっても異なるが、発酵食品が好ましくは10g〜800g/容器程度、より好ましくは50g〜400g/容器程度で収納される。
また、蓋材2への開口部21の加工は、カッターのような鋭利な刃物を用いて切ることで行うようにしてもよいし、所望の形状の切れ込みができるようにした型で打ち抜くことで行うようにしてもよい。また、その他、レーザーによる加工によっても形成可能である。
さらに、容器1が備える蓋材2は、上述した構成のものの他、以下に示す、他の構成例のようなものであっても良い。
<他の構成例>
図3は、本発明の発酵食品用容器が備える蓋材の他の構成例を示す平面図である。
図3は、本発明の発酵食品用容器が備える蓋材の他の構成例を示す平面図である。
以下、この図を参照して本発明の蓋材、発酵食品用容器および発酵食品収納体の他の構成例について説明するが、前述した構成例との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
他の構成例では、開口部の大きさが異なること以外は、前述した構成例と同様である。
他の構成例では、開口部の大きさが異なること以外は、前述した構成例と同様である。
図3に示すように、他の構成例の容器1が備える蓋材2では、各開口部21の大きさは、x軸方向において、蓋材2の中央部から遠ざかるに従って小さくなっている。これにより、中央部側に位置する開口部21b、c、f、g、j、k、n、o、r、sが大きくなっており、主として中央部において、二酸化炭素等の気体の通過を円滑に行うことができる。
なお、各開口部21は、図3に示す構成では、x方向において、その大きさが蓋材2の中央部から遠ざかるに従って小さくなっているが、これに限定されず、y方向において、大きさが蓋材2の中央部から遠ざかるに従って小さくなっていてもよい。また、各開口部21は、図3に示す構成では、x方向において、x方向の幅が蓋材2の中央部から遠ざかるに従って小さくなっており、y方向の長さが一定であるが、これに限定されず、y方向の長さも蓋材2の中央部から遠ざかるに従って小さくなっていてもよい。
以上、本発明の蓋材、発酵食品用容器および発酵食品収納体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、蓋材、発酵食品用容器および発酵食品収納体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、容器が備える蓋材は、前記実施形態では、複数の開口部が形成されているものについて説明したが、これに限らず、1つの開口部が形成されるものであってもよい。
さらに、開口部の形状としては、前記各本実施形態では直線型であるが、これに限定されず、例えば、S字型、U字型、半円形、波型のような曲線部を有する形状、V字型、X字型、L字型、H字型、T字型、W字型、コ字型のような角部を有する形状であってもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
<蓋材の耐酸性の検討>
1.合成樹脂フィルムの用意
(実施例1)
実施例1の合成樹脂フィルムとして、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とナイロン(NY)との積層体で構成されるシートを用意した。
1.合成樹脂フィルムの用意
(実施例1)
実施例1の合成樹脂フィルムとして、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とナイロン(NY)との積層体で構成されるシートを用意した。
(比較例1)
比較例1の合成樹脂フィルムとして、ポリ乳酸で構成されるシートを用意した。
比較例1の合成樹脂フィルムとして、ポリ乳酸で構成されるシートを用意した。
(比較例2)
比較例2の合成樹脂フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)との積層体のPE側の表面の防曇剤(ステアリルモノグリセライド)がコーティングされたシートを用意した。
比較例2の合成樹脂フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)との積層体のPE側の表面の防曇剤(ステアリルモノグリセライド)がコーティングされたシートを用意した。
2.合成樹脂フィルムの酢酸溶液中への保管
実施例1および比較例1、2の合成樹脂フィルム片について、それぞれ、ガラス瓶中に入れ、50%酢酸水溶液および100%酢酸に浸漬した後、蓋をし、その後、2週間10℃の条件で、冷蔵保存した。
実施例1および比較例1、2の合成樹脂フィルム片について、それぞれ、ガラス瓶中に入れ、50%酢酸水溶液および100%酢酸に浸漬した後、蓋をし、その後、2週間10℃の条件で、冷蔵保存した。
3.評価
50%酢酸水溶液および100%酢酸にそれぞれ浸漬した実施例1および比較例1、2の合成樹脂フィルム片について、それぞれ、JIS K7316に準拠して、曇度を、日本電色社製、「Haze meter NDH2000」を用いて測定した。なお、酢酸水溶液への浸漬前の実施例1、比較例1および比較例2の合成樹脂フィルム片の曇度は、それぞれ、7.3、6.6および7.0であった。
50%酢酸水溶液および100%酢酸にそれぞれ浸漬した実施例1および比較例1、2の合成樹脂フィルム片について、それぞれ、JIS K7316に準拠して、曇度を、日本電色社製、「Haze meter NDH2000」を用いて測定した。なお、酢酸水溶液への浸漬前の実施例1、比較例1および比較例2の合成樹脂フィルム片の曇度は、それぞれ、7.3、6.6および7.0であった。
また、50%酢酸水溶液および100%酢酸にそれぞれ浸漬した実施例1および比較例1、2の合成樹脂フィルム片について、それぞれ、その透明度を目視にて観察し、以下に示す評価基準に従って評価した。
・評価基準
○ :透明性が高い
△ :薄く白化している
× :著しく白化している
これらの評価結果を表1に示す。
○ :透明性が高い
△ :薄く白化している
× :著しく白化している
これらの評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例の合成樹脂フィルム片では、50%酢酸水溶液および100%酢酸に浸漬した後においても、その曇度が12%以下となっており、その白化が防止されていることが判った。
これに対して、比較例1、2の合成樹脂フィルム片では、50%酢酸水溶液および100%酢酸の浸漬により、その曇度が12%超となり、その白化が防止されているとは言えない結果となった。
10 発酵食品収納体(収納体)
1 発酵食品用容器(容器)
2 蓋材
21、21a〜21t 開口部(貫通孔)
3 容器本体
31 収納部
32 開口
33 フランジ部
B ヨーグルト
1 発酵食品用容器(容器)
2 蓋材
21、21a〜21t 開口部(貫通孔)
3 容器本体
31 収納部
32 開口
33 フランジ部
B ヨーグルト
Claims (9)
- 発酵食品を収納する有底筒状をなす容器本体が備える開口を蓋する、合成樹脂フィルムで構成された蓋材であって、
前記合成樹脂フィルムは、1個以上の開口部を有しており、
前記合成樹脂フィルムを50%酢酸中に、10℃、2週間の条件で浸漬した後の前記合成樹脂フィルムの曇度が12%以下であることを特徴とする蓋材。 - 前記合成樹脂フィルムは、その炭酸ガス(二酸化炭素)透過度が100cc/(m2・atm・日)以上、300,000cc/(m2・atm・日)以下である請求項1に記載の蓋材。
- 前記合成樹脂フィルムの水蒸気透過度が5g/m2・日(40℃・90%RH)以上、120g/m2・日(40℃・90%RH)以下である請求項1または2に記載の蓋材。
- 前記合成樹脂フィルムは、その厚さが15μm以上、70μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の蓋材。
- 前記開口部の長さは、30μm以上、200μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の蓋材。
- 前記開口部は、視認性を有さない請求項1ないし5のいずれか1項に記載の蓋材。
- 前記発酵食品は、ヨーグルト、酢、酒、チーズ、漬物、味噌である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の蓋材。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の蓋材と、該蓋材で前記開口に蓋がなされた前記容器本体とを有することを特徴とする発酵食品用容器。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の蓋材と、該蓋材で前記開口に蓋がなされた前記容器本体と、該容器本体に収納された前記発酵食品とを有することを特徴とする発酵食品収納体。
Priority Applications (1)
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2017
- 2017-07-07 JP JP2017134088A patent/JP2019014524A/ja active Pending
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