JP2019081711A - アミノシラン類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の溶媒を用いてクロロシラン類と第2級アミンとを反応させるアミノシラン類の合成方法において、アミノシラン類の収率を向上させる。【解決手段】反応溶媒総量に対する原料クロロシラン類の割合を0.2〜0.8mol/Lの範囲とする。【選択図】なし

Description

本発明は、アミノシラン類の製造方法に関する。特に、従来よりも反応収率が向上したアミノシラン類の製造方法に関する。
アミノシラン類はケイ素含有膜、例えば窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜、炭窒化ケイ素膜及び酸窒化ケイ素膜を含む誘電体膜の堆積に使用可能な前駆体として知られている。例えば、有機アミノシラン前駆体は原子層堆積(ALD)、化学気相成長(CVD)、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、低圧化学気相成長(LPCVD)及び常圧CVDなど様々な堆積プロセスで用いることができるが、これらのプロセスで用いるアミノシラン材料は高純度のものが求められる。特に近年の成膜温度の低温化に伴い、これらのアミノシラン材料の需要が増加している。
高純度アミノシラン類を得る方法は、例えば、非特許文献1や特許文献1〜2に開示されている。溶媒としてはジエチルエーテルなどのエーテル類(非特許文献1)や、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶媒などを用いた例(特許文献1)が知られている。また、有機溶媒の不存在下でアミンとクロロシラン類を反応させる方法(特許文献2)等も知られている。
これらの反応では副生する塩化水素は、反応に用いる第2級アミンとの塩酸塩として、または予め反応系に加えた第3級アミンの塩酸塩として固定化される。続いて、これらアミン塩酸塩を濾過によって取り除くことによりアミノシランを取得している。しかしながら、これらの製法においては、使用する有機溶媒に対する前記アミン塩酸塩の溶解度が低いためスラリー流動性が悪化し、攪拌性が低下して均一な反応ができなくなるといった問題があった。また、前記アミン塩酸塩を含むスラリー反応液の濾過性が悪く、アミン塩酸塩粒子に多くのアミノシランが付着したままになって反応液からアミン塩酸塩を濾別するのが困難なため、収率が低下するといった問題があった。
上記問題を解決すべく特許文献3では、アミノシランの溶解性が高い炭化水素系溶媒と、副生するアミン塩酸塩の溶解度が高くハロゲン化物を溶かしにくい非プロトン性溶媒の混合溶媒を反応溶媒として用い、反応後に分液することでアミノシランとアミン塩酸塩を分離する方法が紹介されている。
特開2012-136472号公報 特開2004-217659号公報 国際公開第2016/152226 A1号パンフレット
阿部芳首ら著, The Chemical Society of Japan, 2001, No.10, 559-565
しかしながら、特許文献3の方法では塩酸塩の濾過の負荷を低減できる代わりに、低い反応収率しか得られていない。本発明は、このような事情の下で考え出されたものであって、反応液からアミン塩酸塩の結晶を濾別する必要を無くすために複数の溶媒を用いて副生するアミン塩酸塩とクロロシラン類を分離するアミノシラン類製造方法において、反応収率を向上させることを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、反応溶液中のクロロシラン濃度を特定の範囲にすることで反応収率が向上することを見出した。
本発明によれば、複数の溶媒を用いてクロロシラン類と第2級アミンとを反応させるアミノシラン類の合成において、反応溶媒総量に対する原料クロロシラン類の割合が0.2〜0.8mol/Lであるアミノシラン類の製造方法を提供できる。
本発明のアミノシラン類の製造方法において、さらに、第3級アミンを添加し、前記第3級アミンの添加量が、好ましくは、前記クロロシラン類に対して1.0〜15mol%である。
本発明のアミノシラン類の製造方法において、好ましくは、さらに添加する第3級アミンがトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンおよびトリオクチルアミンからなる群より選択される少なくとも一種である。
本発明の対象は、一般式(1):
(R1)4-nSiCln (1)
[式中、nは1〜3の整数であり、R1は一価の有機基または水素原子であって、nが1または2のとき、複数のR1は同一であっても異なっていてもよい。]で表されるクロロシラン類を一般式(2):
(R2)(R3)NH (2)
[式中、R2およびR3は、同一または異なって、一価の有機基であるか、または、R2とR3とは、それらが結合する窒素原子と一緒になって環状アミンを形成してもよい。]で表される非環状または環状のアミンを反応させることにより製造する方法である。
R1で示される一価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ならびに1または複数の水素がハロゲンに置換されたアルキル基およびアリール基などが挙げられる。これらの基は炭素原子の一部が窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、硫黄原子で置換されていてもよい。
R2およびR3で示される一価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ならびに1または複数の水素がハロゲンに置換されたアルキル基およびアリール基が挙げられる。
一般式(1)で表されるクロロシラン類と、一般式(2)で表される環状もしくは非環状のアミンとの反応式として、前記クロロシラン類に対して過剰量のアミンが存在する場合の概略的な反応式を示す。
(R1)4-nSiCln +(R2)(R3)NH → (R1)4-nSi(N(R2)(R3))n + (R2)(R3)NH・HCl
本発明に用いることができるクロロシラン類には、具体的にモノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、トリエチルクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、sec−ブチルトリクロロシラン、tert−ブチルトリクロロシラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチニルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルプロピルジクロロシラン、メチル−tert−ブチルジクロロシラン、メチル−n−ヘキシルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、2−シアノエチルメチルジクロロシラン、メチル−イソプロポキシジクロロシラン、メチル−tert−ブトキシジクロロシラン、ジ−n−プロピルジクロロシラン、ジ−tert−ブチルジクロロシラン、ジシクロペンチルジクロロシラン、ジシクロヘキシルジクロロシラン、ジアリルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、イソプロピルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリシクロヘキシルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、ジメチルエトキシクロロシランなどが挙げられるが、生成物の精製容易性の観点から、ジクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランが好ましい。
本発明に用いることができる第2級アミンには、具体的にジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、メチル−n−プロピルアミン、エチル−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、エチル−n−ブチルアミン、エチル−n−ブチルアミン、n−プロピル−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、メチルイソブチルアミン、エチルイソブチルアミン、n−プロピルイソブチルアミン、イソプロピルイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジシクロヘキサシルアミン、ジ−3,3,3−トリフルオロエチルアミン、ジアリルアミン、ジ−2−メトキシエチルアミン、ジフェニルアミン、ジ−p−クロロフェニルアミン、ピロロジン、ピペリジン、モルフォリンなどが挙げられるが、生成物の精製容易性の観点から、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミンが好ましい。
本発明に用いることができる第3級アミンには、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルオクチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミンなどが挙げられる。また第3級アミンには、1分子に複数のアミノ基が含まれていてもよく、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルジアミノメタン、トリエチレンジアミンなどが挙げられる。その中でも、入手容易性の観点からトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミンが好適に用いられる。
本発明の方法により製造されるアミノシラン類には、具体的にジメチルアミノシラン、ビス(ジメチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、テトラ(ジメチルアミノ)シラン、ジエチルアミノシラン、ビス(ジエチルアミノ)シラン、トリス(ジエチルアミノ)シラン、ジイソプロピルアミノシラン、エチルメチルアミノシラン、ビス(エチルメチルアミノ)シラン、トリメチル(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)メチルシラン、トリメチル(ジエチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、トリス(ジエチルアミノ)メチルシラン、などが挙げられるが、生成物の精製容易性の観点から、ビス(ジメチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、ジイソプロピルアミノシラン、ビス(ジエチルアミノ)シラン、トリメチル(ジメチルアミノ)シランが好ましい。この他に、クロロシランと第1級アミンが反応してSi−N―Si結合を有する化合物や、あるいは(−Si−N−)3の構造を有するような六員環化合物の製造にも本特許製法は利用可能である。
本発明によるアミノシラン類の製造方法は、(a)クロロシランとアミンとを、溶媒中で反応させてアミノシラン類を合成する合成工程、および(b)上記合成工程を経た後に得られた溶液に含まれる不純物を、分液操作により除去する分液工程を含む。
本発明の製造方法において「不純物」とは、対象の生成物であるアミノシラン類以外の物質であり、特に、反応により副生されたアミン塩酸塩および未反応アミンなどをいう。
本発明によるアミノシラン類の製造方法に用いる溶媒として、対象の生成物であるアミノシラン類の溶解性が高い炭化水素系溶媒、および、副生するアミン塩酸塩の溶解度が高く、かつ、ハロゲン化物の溶解性が低い非プロトン性溶媒の2種類の溶媒を用いる。前記炭化水素系溶媒と前記非プロトン性溶媒は非相溶である。
ここで、物質Aの溶解性が高い溶媒とは、物質Aを1.0g/L以上溶解する溶媒を意味し、物質Aの溶解性が低いとは、物質Aを0.1g/L未満しか溶解しない溶媒を意味する。
すなわち、上記炭化水素系溶媒は、対象の生成物であるアミノシラン類と混和するが、副生するアミン塩酸塩を0.1g/L未満しか溶解しない。一方、上記非プロトン性溶媒は、副生するアミン塩酸塩を1.0g/L以上溶解する。
上記炭化水素系溶媒と上記非プロトン性溶媒とは相溶しないため、反応後の溶液を静置すれば、二層に分離する。副生したアミン塩酸塩を溶解する溶媒層を廃棄し、対象の生成物であるアミノシラン類を溶解する溶媒層のみを採取し、そこから、溶媒を除去すれば、対象の生成物であるアミノシラン類を高い収率で得ることができる。
本発明のアミノシラン類の製造方法によれば、選択的にアミノシラン類を溶解する良溶媒と、アミノシラン類を溶解しない貧溶媒とを用いる液−液分離によりアミノシラン類を抽出するので、従来の固−液分離のように、固体のアミノ塩酸塩から液体のアミノシラン類溶液を分離する必要がないので、高い収率で、アミノシラン類を得ることができる。
本発明に用いることができる炭化水素系溶媒種には、具体的にヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、シクロヘキサンあるいはこれらの混合物などが挙げられるが、入手容易性の観点からからヘキサン、ヘプタンが好ましい。
本発明に用いることができる非プロトン性溶媒種には、ニトリル系溶媒種、アミド系溶媒種、エーテル系溶媒種が挙げられる。より具体的には、ニトリル系溶媒種には、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ピバロニトリルなどが挙げられ、アミド系溶媒種には、N,N−ジメチルホルムアミドやN−メチルピロリドンなどが挙げられ、エーテル系溶媒には、ジオキサンなどが挙げられる。
これらの溶媒は、反応後蒸留操作により再生し繰り返し使用することができる。
本発明によるアミノシラン類の製造方法の工程(a)では、クロロシランと第2級アミン及び第3級アミンとを、炭化水素系溶媒のみに溶解すること;非プロトン性溶媒のみに溶解すること;および、炭化水素系溶媒と非プロトン性溶媒の二成分系溶媒に溶解することのいずれの場合でも適用可能である。
また、工程(a)では、最初に第2級アミン及び第3級アミンを有機溶媒に溶解させて、そこにクロロシラン類を加えていく方法、あるいは、クロロシラン類及び第3級アミンを有機溶媒に溶解させて、そこに第2級アミンを加えていく方法、のいずれでも本反応には適用可能である。クロロシラン類をフラスコ等の反応器に入れる際は、クロロシラン類を蒸気として入れても液として入れてもよく、蒸気としてクロロシラン類を入れる場合は窒素やアルゴンなどの不活性ガスを同伴させて入れることもできる。
クロロシラン類、クロロシラン類反応物、アミノシラン生成物の加水分解を回避するため、反応系は全て無水条件で行うことが望ましく、使用するすべての原料中の水分量を0〜5000質量ppm、好ましくは0〜400質量ppmの範囲にして反応を行う。また、反応装置は加熱乾燥および減圧、窒素やアルゴンなどの不活性ガス置換を行うことで乾燥されたものを用いることが望ましい。
工程(a)の反応溶媒総量に対する原料クロロシラン類の割合は0.2〜0.8mol/Lであり、収率向上の観点からは0.3〜0.7mol/Lであることが好ましい。
クロロシラン類と第2級アミンの反応では1モルのクロロシランに対して化学両論量以上の量の第2級アミンを添加するのが反応収率向上の観点から望まれるが、経済的な観点から、化学両論量の1〜2倍の範囲で行うのが好ましい。
第3級アミンの添加量についてはクロロシラン類に対して1.0〜15mol%、好ましくは1.0〜10mol%添加することが、収率向上の点で望ましい。
反応は発熱反応であるため、反応温度は低温で行うことが好まれるが、低すぎると収率低下のおそれがあるため、−5℃〜60℃、好ましくは0℃〜40℃の範囲で行われる。冷却方法は反応器ジャケットまたはこれと同様の手段を用いた方法で保温することが望ましい。
炭化水素系溶媒種と非プロトン性溶媒種の混合比は一意的に決まるものではないが、炭化水素系溶媒種/非プロトン性溶媒種の混合比は1/10〜9/10、好ましくは2/5〜4/5で行うことがアミン塩酸塩を効率よく除去でき、かつ、容積効率を低下させない観点で望ましい。
工程(b)では反応器内の粗生成物から副生するアミン塩酸塩を除去する。分液工程ではアミノシラン類の分解を抑えるために乾燥した不活性ガス下で、例えば窒素またはアルゴン下で行うことが望ましい。アミン塩酸塩の溶解性を向上させる観点から反応液を加温してもよい。分液温度は一意的に決まるものではないが、10℃から使用溶媒の沸点まで適用可能である。20℃〜65℃の範囲で行うのが好ましい。
本発明のアミノシラン類の製造方法によれば、炭化水素系溶媒種と非プロトン性溶媒種の複数の溶媒を用い、かつ、反応溶媒総量に対する原料クロロシラン類の割合を0.2〜0.8mol/Lとするので、従来の方法よりも、高い収率でアミノシラン類を得ることができる。
第3級アミン(トリエタノールアミン;TEA)の添加量(クロロシラン類に対するmol%)と収率との関係を示すグラフ。 クロロシラン類(ジクロロシラン;DCS)の濃度(反応溶媒総量に対するmol/L)と収率との関係を示すグラフ。
以下、実施例を具体的に説明する。また、それぞれ特記しない限りは、水分を含んだ空気に触れない環境、本実施例では窒素雰囲気下で実施した。
実施例1(ビス(ジエチルアミノ)シランの合成)
吹込み管、温度計、冷却管、モーター攪拌機をセットした1Lフラスコにジエチルアミン29.3g(0.40mol)とトリエチルアミン91.0mg(0.90mmol)、ヘプタン100mL、アセニトリル200mLを仕込み、0℃まで冷却した。0℃で保温、攪拌しながら、ジクロロシランのガスを9.1g(0.090mol)導入すると、白煙が生じると共に白色の塩を生じた。ジクロロシラン添加後、40℃で2時間保温した。その後、65℃に保った。反応液はアセトニトリル相とヘプタン相に分離するので、アセトニトリル相を分液分離させ、分離したアセトニトリル相に含まれるビス(ジエチルアミノ)シランをヘプタン100mLで再抽出すると、合計で13.4g(収率85%)のビス(ジエチルアミノ)シランを含むヘプタン溶液を得た。上記の結果を表1にまとめた。
この粗ビス(ジエチルアミノ)シラン溶液を蒸留することで、ビス(ジエチルアミノ)シラン含有液からヘプタンを除去し、濃縮した最終生成物を高純度で得た。蒸留後のGC分析では99.6面積%の純度を有していた。
実施例2(ビス(ジエチルアミノ)シランの合成)
吹込み管、温度計、冷却管、モーター攪拌機をセットした1Lフラスコにジエチルアミン57.8g(0.79mol)とトリエチルアミン182.0mg(1.80mmol)、ヘプタン100mL、アセニトリル200mLを仕込み、0℃まで冷却した。0℃で保温、攪拌しながら、ジクロロシランのガスを18.2g(0.180mol)導入すると、白煙が生じると共に白色の塩を生じた。ジクロロシラン添加後、40℃で2時間保温した。その後、65℃に加温した。反応液はアセトニトリル相とヘプタン相に分離するので、アセトニトリル相を分液分離させ、分離したアセトニトリル相に含まれるビス(ジエチルアミノ)シランをヘプタン100mLで再抽出すると、合計で26.3g(収率84%)のビス(ジエチルアミノ)シランを含むヘプタン溶液を得た。上記の結果を表1にまとめた。
この粗ビス(ジエチルアミノ)シラン溶液を蒸留することで、ビス(ジエチルアミノ)シラン含有液からヘプタンを除去し、濃縮した最終生成物を高純度で得た。
実施例3(ビス(ジエチルアミノ)シランの合成)
吹込み管、温度計、冷却管、モーター攪拌機をセットした1Lフラスコにジエチルアミン29.3g(0.40mol)、ヘプタン100mL、アセニトリル200mLを仕込み、0℃まで冷却した。0℃で保温、攪拌しながら、ジクロロシランのガスを9.1g(0.090mol)導入すると、白煙が生じると共に白色の塩を生じた。ジクロロシラン添加後、40℃で2時間保温した。その後、65℃に加温した。反応液はアセトニトリル相とヘプタン相に分離するので、アセトニトリル相を分液分離させ、分離したアセトニトリル相に含まれるビス(ジエチルアミノ)シランをヘプタン100mLで再抽出すると、合計で12.5g(収率80%)のビス(ジエチルアミノ)シランを含むヘプタン溶液を得た。
この粗ビス(ジエチルアミノ)シラン溶液を蒸留することで、ビス(ジエチルアミノ)シラン含有液からヘプタンを除去し、濃縮した最終生成物を高純度で得た。
実施例4(ビス(ジエチルアミノ)シランの合成)
吹込み管、温度計、冷却管、モーター攪拌機をセットした1Lフラスコにジエチルアミン29.3g(0.40mol)とトリエチルアミン455.4mg(0.45mmol)、ヘプタン100mL、アセニトリル200mLを仕込み、0℃まで冷却した。0℃で保温、攪拌しながら、ジクロロシランのガスを9.1g(0.090mol)導入すると、白煙が生じると共に白色の塩を生じた。ジクロロシラン添加後、40℃で2時間保温した。その後、65℃に加温した。反応液はアセトニトリル相とヘプタン相に分離するので、アセトニトリル相を分液分離させ、分離したアセトニトリル相に含まれるビス(ジエチルアミノ)シランをヘプタン100mLで再抽出すると、合計で13.3g(収率85%)のビス(ジエチルアミノ)シランを含むヘプタン溶液を得た。
この粗ビス(ジエチルアミノ)シラン溶液を蒸留することで、ビス(ジエチルアミノ)シラン含有液からヘプタンを除去し、濃縮した最終生成物を高純度で得た。
実施例5(ビス(ジエチルアミノ)シランの合成)
吹込み管、温度計、冷却管、モーター攪拌機をセットした1Lフラスコにジエチルアミン29.3g(0.40mol)とトリエチルアミン18.2mg(0.18mmol)、ヘプタン100mL、アセニトリル200mLを仕込み、0℃まで冷却した。0℃で保温、攪拌しながら、ジクロロシランのガスを9.1g(0.090mol)導入すると、白煙が生じると共に白色の塩を生じた。ジクロロシラン添加後、40℃で2時間保温した。その後、65℃に加温した。反応液はアセトニトリル相とヘプタン相に分離するので、アセトニトリル相を分液分離させ、分離したアセトニトリル相に含まれるビス(ジエチルアミノ)シランをヘプタン100mLで再抽出すると、合計で12.7g(収率81%)のビス(ジエチルアミノ)シランを含むヘプタン溶液を得た。
この粗ビス(ジエチルアミノ)シラン溶液を蒸留することで、ビス(ジエチルアミノ)シラン含有液からヘプタンを除去し、濃縮した最終生成物を高純度で得た。
実施例6(ビス(ジエチルアミノ)シランの合成)
吹込み管、温度計、冷却管、モーター攪拌機をセットした1Lフラスコにジエチルアミン29.3g(0.40mol)とトリエチルアミン910.7mg(9.00mmol)、ヘプタン100mL、アセニトリル200mLを仕込み、0℃まで冷却した。0℃で保温、攪拌しながら、ジクロロシランのガスを9.1g(0.090mol)導入すると、白煙が生じると共に白色の塩を生じた。ジクロロシラン添加後、40℃で2時間保温した。その後、65℃に加温した。反応液はアセトニトリル相とヘプタン相に分離するので、アセトニトリル相を分液分離させ、分離したアセトニトリル相に含まれるビス(ジエチルアミノ)シランをヘプタン100mLで再抽出すると、合計で13.3g(収率85%)のビス(ジエチルアミノ)シランを含むヘプタン溶液を得た。
この粗ビス(ジエチルアミノ)シラン溶液を蒸留することで、ビス(ジエチルアミノ)シラン含有液からヘプタンを除去し、濃縮した最終生成物を高純度で得た。
比較例1(ビス(ジエチルアミノ)シランの合成)
吹込み管、温度計、冷却管、モーター攪拌機をセットした1Lフラスコにジエチルアミン14.6g(0.20mol)とトリエチルアミン45.5mg(1.80mmol)、ヘプタン100mL、アセニトリル200mLを仕込み、0℃まで冷却した。0℃で保温、攪拌しながら、ジクロロシランのガスを4.5g(0.045mol)導入すると、白煙が生じると共に白色の塩を生じた。ジクロロシラン添加後、40℃で2時間保温した。その後、65℃に加温した。反応液はアセトニトリル相とヘプタン相に分離するので、アセトニトリル相を分液分離させ、分離したアセトニトリル相に含まれるビス(ジエチルアミノ)シランをヘプタン100mLで再抽出すると、合計で6.1g(収率77%)のビス(ジエチルアミノ)シランを含むヘプタン溶液を得た。
この粗ビス(ジエチルアミノ)シラン溶液を蒸留することで、ビス(ジエチルアミノ)シラン含有液からヘプタンを除去し、濃縮した最終生成物を高純度で得た。
表1および図1から理解できるように、第3級アミンのクロロシラン類に対する添加量が1.0〜15mol%であれば、安定して高い収率でアミノシランを得ることができる。また、表1および図2から理解できるように、反応溶媒総量に対する原料クロロシラン類の割合が0.2〜0.8mol/Lの範囲であれば、安定して高い収率でアミノシランを得ることができる。
誘電体膜の堆積に使用可能な前駆体として知られるアミノシラン類を高い収率で得ることができるので、アミノシラン材料の需要増加に大きく貢献する。

Claims (3)

  1. クロロシラン類と第2級アミンとを反応させるアミノシラン類の製造方法であって、炭化水素系溶媒種および非プロトン性溶媒種を用い、前記炭化水素系溶媒種および非プロトン性溶媒種の総量に対する前記クロロシラン類の割合が0.2〜0.8mol/Lである、アミノシラン類の製造方法。
  2. さらに第3級アミンを添加し、前記第3級アミンの添加量が、前記クロロシラン類に対して1.0〜15mol%である、請求項1記載のアミノシラン類の製造方法。
  3. トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミンからなる群より選択される少なくとも一種である第3級アミンを添加する、請求項1または2に記載のアミノシラン類の製造方法。
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WO2024067469A1 (zh) * 2022-09-26 2024-04-04 江苏南大光电材料股份有限公司 一种二烷基氨基硅烷的制备方法及其用途

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