JP2019081631A - 糸巻取機及び糸掛け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】供給装置及び糸掛け装置の設計の自由度を向上させつつ、糸掛けの安定性を向上させることができる糸巻取機及び糸掛け方法を提供する。【解決手段】紡績機1は、ボビンBと接触して回転するドラム23、ボビンBの両端部を保持する1対のボビンホルダ21、及び1対のボビンホルダ21が開閉可能且つ1対のボビンホルダ21がドラム23に対して移動可能な状態で1対のボビンホルダ21を回転可能に支持するクレードル24を有する巻取装置20と、クレードル24を操作する操作装置12と、1対のボビンホルダ21が供給位置に位置した状態で1対のボビンホルダ21にボビンBを供給する供給装置14と、1対のボビンホルダ21が糸掛け位置に位置した状態でボビンBに糸Yを掛ける糸掛け装置17と、を備える。糸掛け位置は、供給位置よりも、ドラム23に近い位置である。【選択図】図1
Description
本発明は、糸巻取機及び糸掛け方法に関する。
紡績機等の糸巻取機においては、例えば、玉揚台車によって満巻のパッケージが巻取装置から排出された後に、玉揚台車が有する供給装置によって、巻取装置が有する1対のボビンホルダにボビンが供給されると共に、玉揚台車が有する糸掛け装置によってボビンに糸が掛けられる場合がある。特許文献1に記載の糸巻取機においては、次のように、ボビンの供給及び糸掛けが実施される。すなわち、ボビンの一方の端部に糸が配置された状態で、開かれた1対のボビンホルダの間にボビン及び糸が移動させられ、開かれた1対のボビンホルダの間にボビン及び糸が配置された状態で、1対のボビンホルダが閉じられる。
上述したような糸巻取機では、1対のボビンホルダに対して供給装置及び糸掛け装置が同時にアクセスする場合、空間的な制約から、供給装置及び糸掛け装置の設計が制限されるおそれがある。また、その場合、開かれた1対のボビンホルダにおいて、ボビンの一方の端部と一方のボビンホルダとの間だけでなく、ボビンの他方の端部と他方のボビンホルダとの間にも隙間を設ける必要が生じるため、糸掛けのために糸を配置する隙間が狭くなり、その結果、糸掛けが不安定になるおそれがある。
本発明は、供給装置及び糸掛け装置の設計の自由度を向上させつつ、糸掛けの安定性を向上させることができる糸巻取機及び糸掛け方法を提供することを目的とする。
本発明の糸巻取機は、ボビンと接触して回転するドラム、ボビンの両端部を保持する1対のボビンホルダ、及び1対のボビンホルダが開閉可能且つ1対のボビンホルダがドラムに対して移動可能な状態で1対のボビンホルダを回転可能に支持するクレードルを有する巻取装置と、1対のボビンホルダがドラムに対して移動するようにクレードルを操作する操作装置と、1対のボビンホルダが供給位置に位置した状態で1対のボビンホルダにボビンを供給する供給装置と、1対のボビンホルダが糸掛け位置に位置した状態でボビンに糸を掛ける糸掛け装置と、を備え、糸掛け位置は、供給位置よりも、ドラムに近い位置である。
この糸巻取機では、ボビンが供給される際の1対のボビンホルダの位置と、糸が掛けられる際の1対のボビンホルダの位置とが互いに異なる。したがって、例えば上記2つの位置が同じ位置である場合に比べ、供給装置及び糸掛け装置の設計が制限され難く、糸掛けのために糸を配置するための隙間も確保し易い。よって、この糸巻取機によれば、供給装置及び糸掛け装置の設計の自由度を向上させつつ、糸掛けの安定性を向上させることができる。
本発明の糸巻取機では、操作装置は、1対のボビンホルダが開閉するようにクレードルを操作してもよい。これにより、ドラムに対する1対のボビンホルダの移動と、1対のボビンホルダの開閉とを同一の装置で実施することができる。
本発明の糸巻取機は、少なくとも操作装置、供給装置及び糸掛け装置のそれぞれの動作を制御する制御部を更に備え、制御部は、1対のボビンホルダが供給位置に位置した状態で1対のボビンホルダを開いて供給装置が1対のボビンホルダにボビンを供給し、且つ、1対のボビンホルダが供給位置に位置した状態で1対のボビンホルダを閉じて1対のボビンホルダがボビンの両端部を保持し、且つ、1対のボビンホルダがボビンの両端部を保持した状態で1対のボビンホルダが供給位置から糸掛け位置に移動し、且つ、1対のボビンホルダが糸掛け位置に位置した状態で1対のボビンホルダを開閉させて糸掛け装置がボビンに糸を掛けるように、操作装置、供給装置及び糸掛け装置のそれぞれの動作を制御してもよい。これにより、ボビンの供給及び糸掛けを確実に実施することができる。
本発明の糸巻取機では、1対のボビンホルダが開いた状態での1対のボビンホルダの間の距離は、1対のボビンホルダが閉じた状態での1対のボビンホルダの間の距離よりも大きくてもよい。これにより、ボビンの供給及び糸掛けを確実に実施することができる。
本発明の糸巻取機では、糸掛け位置は、1対のボビンホルダに保持されたボビンがドラムと接触する位置であってもよい。これにより、糸掛け位置が安定するため、糸掛けをより確実に実施することができる。
本発明の糸巻取機は、1対のボビンホルダが糸掛け位置に位置した状態でドラムに対してボビンを押さえる押さえ装置を更に備え、操作装置は、押さえ装置がドラムに対してボビンを押さえた状態で、ボビンの両端部の一方と1対のボビンホルダの一方との間に隙間が設けられるようにクレードルを操作してもよい。これにより、糸掛けのために糸を配置する隙間が広くなるため、糸掛けをより確実に実施することができる。
本発明の糸巻取機では、ドラムの回転軸線に平行な方向において、供給装置がボビンを把持する位置は、押さえ装置がボビンを押さえる位置と糸掛け装置が糸を掛ける位置との間に設定されていてもよい。これにより、供給装置がボビンを確実に把持して1対のボビンホルダに供給することができる。
本発明の糸巻取機では、押さえ装置は、ボビンと接触する接触部、及び接触部を移動させる移動機構を有し、接触部は、移動機構に交換可能に取り付けられていてもよい。これにより、押さえ装置の接触部を、ボビンの種類に応じて適切な接触部に交換することができる。
本発明の糸巻取機は、繊維束に旋回空気流によって撚りを与えて糸を生成する空気紡績装置と、空気紡績装置から糸を引き出す引出装置と、を更に備え、糸掛け装置は、引出装置により引き出された糸をボビンに掛け、巻取装置は、糸をボビンに巻き取ってパッケージを形成してもよい。これにより、空気紡績装置による糸の生成を継続しつつ、ボビンの供給及び糸掛けを確実に実施することができる。
本発明の糸巻取機は、繊維束をドラフトして空気紡績装置に供給するドラフト装置を更に備え、ドラフト装置、空気紡績装置、引出装置及び巻取装置は、複数の糸巻取ユニットのそれぞれに設けられており、複数の糸巻取ユニットのそれぞれは、ドラフト装置を駆動するドラフト駆動部を有し、巻取装置が糸をボビンに巻き取る巻取期間におけるドラフト装置のドラフト速度は、巻取期間以外の準備期間におけるドラフト装置のドラフト速度よりも速くてもよい。これにより、準備期間にボビンに巻き取られずに廃棄される糸の量を削減することができる。
本発明の糸巻取機では、複数の糸巻取ユニットのそれぞれは、ドラムを駆動するドラム駆動部を有し、糸掛け装置がボビンに糸を掛けるとき、ドラム駆動部は、ドラムの回転を停止させていてもよい。これにより、1対のボビンホルダに保持されたボビンがドラムと接触する位置を糸掛け位置とした場合に、糸掛けをより確実に実施することができる。
本発明の糸掛け方法は、ボビンと接触して回転するドラム、ボビンの両端部を保持する1対のボビンホルダ、及び1対のボビンホルダが開閉可能且つ1対のボビンホルダがドラムに対して移動可能な状態で1対のボビンホルダを回転可能に支持するクレードルを有する巻取装置を備える糸巻取機において実施される糸掛け方法であって、1対のボビンホルダがドラムから離れた供給位置に位置した状態で1対のボビンホルダを開いて1対のボビンホルダにボビンを供給するステップと、1対のボビンホルダが供給位置に位置した状態で1対のボビンホルダを閉じて1対のボビンホルダにボビンの両端部を保持させるステップと、1対のボビンホルダがボビンの両端部を保持した状態で1対のボビンホルダを供給位置よりもドラムに近い糸掛け位置に移動させるステップと、1対のボビンホルダが糸掛け位置に位置した状態で1対のボビンホルダを開閉させてボビンに糸を掛けるステップと、を備える。
この糸掛け方法によれば、上記糸巻取機と同様に、供給装置及び糸掛け装置の設計の自由度を向上させつつ、糸掛けの安定性を向上させることができる。
本発明によれば、供給装置及び糸掛け装置の設計の自由度を向上させつつ、糸掛けの安定性を向上させることができる糸巻取機及び糸掛け方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、紡績機(糸巻取機)1は、複数の紡績ユニット(糸巻取ユニット)2と、玉揚台車10と、制御部100と、を備えている。複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。各紡績ユニット2は、スライバ(繊維束)Sをドラフトして繊維束Fを生成し、繊維束Fに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成し、糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。玉揚台車10は、複数の紡績ユニット2の配列方向に沿って移動可能である。玉揚台車10は、ある紡績ユニット2において満巻のパッケージPが形成された場合に、満巻のパッケージPを当該紡績ユニット2から排出し、空のボビンBを当該紡績ユニット2に供給する。制御部100は、紡績機1の動作を制御する。制御部100は、例えば、機台制御装置及び複数のユニットコントローラによって構成されている。機台制御装置は、複数のユニットコントローラの上位コントローラである。各ユニットコントローラは、所定数(1又は複数)の紡績ユニット2ごとに設けられており、各紡績ユニット2の動作を制御する。
以下、スライバS、繊維束F及び糸Yの走行方向における上流側を「上流側」といい、当該走行方向における下流側を「下流側」という。複数の紡績ユニット2の配列方向に垂直な水平方向における一方の側(例えば、作業通路側)を「前側」といい、当該水平方向における他方の側を「後側」という。鉛直方向における上側を「上側」といい、鉛直方向における下側を「下側」という。
各紡績ユニット2は、上流側から下流側に向かって順に、ドラフト装置3と、空気紡績装置4と、糸監視装置5と、糸貯留装置(引出装置)6と、糸継装置7と、巻取装置20と、を備えている。更に、各紡績ユニット2は、第1捕捉案内装置8と、第2捕捉案内装置9と、を備えている。一例として、ドラフト装置3から糸貯留装置6までのスライバS、繊維束F及び糸Yの走行方向は、前側から後側に向かう方向であり、水平方向に対して上側に傾斜している。糸貯留装置6から巻取装置20までの糸Yの走行方向は、下側から上側に向かう方向であり、鉛直方向に対して前側に傾斜している。各紡績ユニット2では、糸Yの走行方向が糸貯留装置6において切り替えられている。
ドラフト装置3は、スライバSをドラフトして繊維束Fを生成し、繊維束Fを空気紡績装置4に供給する。ドラフト装置3は、上流側から下流側に向かって順に、バックローラ対31と、サードローラ対32と、ミドルローラ対33と、フロントローラ対34と、を有している。ミドルローラ対33を構成する各ローラには、エプロンベルト35が架けられている。空気紡績装置4は、ドラフト装置3からの繊維束Fに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成する。糸監視装置5は、走行する糸Yの情報を監視し、監視した情報に基づいて糸欠陥の有無を検出する。糸監視装置5は、糸欠陥を検出した場合、糸欠陥検出信号を制御部100に送信する。制御部100は、糸欠陥検出信号を受信した場合、糸Yを切断するために、糸Yの供給が中断されるようにドラフト装置3及び空気紡績装置4の動作を停止させる。制御部100は、糸欠陥検出信号を受信した場合、糸Yを切断するために、例えば糸監視装置5が有するカッタを動作させてもよい。
糸貯留装置6は、糸貯留ローラ61と、糸掛け部材62と、を有している。糸貯留ローラ61は、電動モータ(図示省略)によって回転させられる。糸掛け部材62は、糸貯留ローラ61における下流側の端部に取り付けられており、糸貯留ローラ61に対して相対的に回転可能である。ただし、糸掛け部材62には、糸貯留ローラ61に対して相対的に回転するのに抗する磁力が作用している。したがって、糸Yに所定以上の張力が生じていない状態では、糸掛け部材62が糸貯留ローラ61と一体的に回転し、糸貯留ローラ61に糸Yが巻き付けられる(貯留される)。糸Yに所定以上の張力が生じている状態では、糸掛け部材62が糸貯留ローラ61に対して相対的に回転し、糸貯留ローラ61から糸Yが解舒される。糸貯留装置6は、このように糸Yを貯留することで、糸貯留装置6の下流側において糸Yに生じる張力の変動を吸収しつつ、空気紡績装置4から糸Yを安定的に引き出す。
糸貯留装置6の上流側には、第1ガイド63が配置されている。第1ガイド63は、上流側から糸貯留装置6に走行する糸Yを案内する。第1ガイド63は、移動可能であり、糸継ぎが行われる際等に、空気紡績装置4からの糸Yを糸貯留装置6側に引き寄せる。糸貯留装置6の下流側には、第2ガイド64、第3ガイド65、及び第4ガイド66が配置されている。第2ガイド64及び第3ガイド65は、糸貯留装置6から下流側に走行する糸Yを案内する。第2ガイド64は、移動可能であり、第3ガイドに糸Yを案内することができる。第4ガイド66は、移動可能であり、糸掛け部材62に糸Yを掛けたり、糸掛け部材62から糸Yを外したりする。
糸継装置7は、糸Yが切断されたり、何らかの理由で糸Yが切れたりした場合に、空気紡績装置4からの糸YとパッケージPからの糸Yとを継ぐ糸継ぎを行う。糸継装置7は、旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置である。ただし、糸継装置7は、機械式のノッタ等であってもよい。第1捕捉案内装置8及び第2捕捉案内装置9は、それぞれ、基端部分を中心として回動可能である。第1捕捉案内装置8は、糸継ぎが行われる際に、下側に回動することで、空気紡績装置4からの糸Yを吸引空気流によって捕捉し、その後、上側に回動することで、空気紡績装置4からの糸Yを糸継装置7に案内する。第2捕捉案内装置9は、糸継ぎが行われる際に、上側に回動することで、パッケージPからの糸Yを吸引空気流によって捕捉し、その後、下側に回動することで、パッケージPからの糸Yを糸継装置7に案内する。
巻取装置20は、糸貯留装置6により引き出された糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。図1及び図2に示されるように、巻取装置20は、ドラム23と、1対のボビンホルダである第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22と、クレードル24と、を有している。巻取装置20の上流側には、第4ガイド26が配置されている。第4ガイド26は、上流側からドラム23に走行する糸Yを案内する。なお、図2では、糸Yが巻き取られていない空のボビンBが示されているが、巻取装置20の各部は、ボビンBに糸Yが巻き取られたパッケージP(図1参照)に対しても同様に作用する。
ドラム23は、ボビンBと接触してボビンBを回転させる。ボビンBに糸Yが巻き取られた状態では、ドラム23は、パッケージPと接触してパッケージPを回転させる。ドラム23は、フレーム25によって回転可能に支持されており、紡績ユニット2ごとに設けられたドラム駆動部(図示省略)によって、回転軸線L1を中心線として回転させられる。つまり、各紡績ユニット2は、ドラム23を駆動するドラム駆動部を有している。ドラム23の表面には、綾振り溝(図示省略)が形成されている。これにより、ボビンBに糸Yが巻き取られる際に糸Yが綾振りされる。なお、ドラム23の表面に綾振り溝が形成されておらず、別途設けられた綾振り装置によって、ボビンBに糸Yが巻き取られる際に糸Yが綾振りされてもよい。
第1ボビンホルダ21は、ボビンBの端部B1を保持し、第2ボビンホルダ22は、ボビンBの端部B2を保持する。つまり、1対の第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22は、ボビンBの両端部を保持する。クレードル24は、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が開閉可能且つ第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22がドラム23に対して移動可能な状態で、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22を回転可能に支持している。クレードル24は、回動軸線L2を中心線として回動可能である。クレードル24は、回動軸線L2を中心線として回動することで、ボビンBへの糸Yの巻き取りに伴うパッケージPの径の増大を吸収する。
クレードル24は、クレードルアーム24aを有している。クレードルアーム24aは、クレードル24のうち第2ボビンホルダ22を支持している部分に取り付けられている。クレードルアーム24aを操作することで、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の開閉、及びドラム23に対する第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の移動が可能である。具体的には、第2ボビンホルダ22が第1ボビンホルダ21から離れるようにクレードルアーム24aを操作することで、クレードル24のうち第2ボビンホルダ22を支持している部分を外側に揺動させ、ボビンBを保持する状態に付勢されている第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22を開くことができる。つまり、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が開いた状態での第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の間の距離は、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が閉じた状態での第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の間の距離よりも大きい。第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22がドラム23から離れるようにクレードルアーム24aを操作することで、回動軸線L2を中心線としてクレードル24を回動させ、ボビンB又はパッケージPがドラム23と接触する状態に付勢されている第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22をドラム23から遠ざけることができる。
図1に示されるように、玉揚台車10は、フレーム11と、操作装置12と、排出装置(図示省略)と、供給装置14と、ボビンストッカ15と、押さえ装置16と、糸掛け装置17と、を有している。フレーム11は、操作装置12、排出装置、供給装置14、ボビンストッカ15、押さえ装置16、及び糸掛け装置17を支持している。以下、図3〜図10を参照しつつ、玉揚台車10の各部の構成及び動作について説明する。なお、図3〜図10では、制御部100の図示が省略されているが、玉揚台車10の各部の動作は制御部100によって制御される。
図3に示されるように、巻取装置20によって満巻のパッケージPが形成されると、ドラフト装置3及び空気紡績装置4の動作が停止させられて糸Yの供給が中断され、ドラム駆動部が停止させられることでドラム23の回転が停止させられる。このとき、第1ガイド63及び第2ガイド64は、それぞれ、糸貯留ローラ61及び糸掛け部材62から離れた位置に移動する。続いて、操作装置12がクレードルアーム24aを保持してクレードルアーム24aを操作する。これにより、図4に示されるように、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が排出位置に移動させられる。排出位置は、満巻のパッケージPがドラム23から離れた位置である。このように、操作装置12は、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22がドラム23に対して移動するようにクレードル24を操作する。
続いて、図5に示されるように、操作装置12がクレードルアーム24aを操作することで第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が開かれ、排出位置に位置している第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22から排出装置が満巻のパッケージPを排出する。このように、操作装置12は、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が開閉するようにクレードル24を操作する。続いて、図6に示されるように、操作装置12がクレードルアーム24aを操作することで第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が供給位置に移動させられる。供給位置は、排出位置(図4及び図5参照)よりも、ドラム23に近い位置である。
続いて、図7に示されるように、ボビンストッカ15に保管されていた空のボビンBを供給装置14が把持し、供給位置に位置し且つ開かれている第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22に供給装置14が空のボビンBを上側から供給する(図11の(a)参照)。その後、操作装置12がクレードルアーム24aを操作することで第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が閉じられ、第1ボビンホルダ21によってボビンBの端部B1が保持され、第2ボビンホルダ22によってボビンBの端部B2が保持される。続いて、図8に示されるように、操作装置12がクレードルアーム24aを操作することで、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が糸掛け位置に移動させられる。糸掛け位置は、供給位置(図6及び図7参照)よりも、ドラム23に近い位置であり、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22に保持されたボビンBがドラム23と接触する位置である。
第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が糸掛け位置に移動させられる一方で、ドラフト装置3及び空気紡績装置4の動作が開始させられて糸Yの供給が開始(再開)される。このとき、下側に回動した第1捕捉案内装置8が、空気紡績装置4からの糸Yを吸引空気流によって捕捉し、その後、第1捕捉案内装置8が、上側に回動することで、空気紡績装置4からの糸Yを糸継装置7に案内する。続いて、第1ガイド63が糸貯留ローラ61に近付くように移動することで、空気紡績装置4からの糸Yが糸貯留装置6側に引き寄せられる。更に、第2ガイド64が糸掛け部材62に近付くように移動することで、空気紡績装置4からの糸Yが糸掛け部材62に掛けられる。これにより、空気紡績装置4からの糸Yが糸貯留ローラ61に巻き付けられる。
続いて、図9に示されるように、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が糸掛け位置に位置した状態で、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22に保持されたボビンBを押さえ装置16がドラム23に対して押さえる。押さえ装置16は、ボビンBと接触する接触部16a、及び接触部16aを移動させる移動機構16bを有しており、接触部16aは、移動機構16bに交換可能に取り付けられている。接触部16aは、ボビンBの種類(ボビンBが円筒状であるか又は円錐台筒状であるか、ボビンBが円錐台筒状である場合には円錐の角度)に応じて交換される。押さえ装置16がドラム23に対してボビンBを押さえる一方で、第4ガイド66が糸掛け部材62から糸Yを外すように移動することで、糸掛け部材62から糸Yが外される。これにより、糸貯留ローラ61から糸Yが解舒され、糸Yの供給開始時の不安定な糸Yが第1捕捉案内装置8によって吸引されて廃棄される。続いて、糸掛け装置17が、糸継装置7の近傍に移動して第1捕捉案内装置8から糸Yを引き継ぐ。具体的には、糸掛け装置17は、糸貯留装置6によって引き出された糸Yを吸引空気流によって捕捉する。
続いて、図10に示されるように、押さえ装置16がドラム23に対してボビンBを押さえた状態で、操作装置12がクレードルアーム24aを操作することでボビンBの端部B2と第2ボビンホルダ22との間に隙間が設けられる(図11の(b)参照)。その一方で、第4ガイド66が元の待機位置に移動することで、空気紡績装置4からの糸Yが糸掛け部材62に掛けられる。これにより、空気紡績装置4からの糸Yが糸貯留ローラ61に巻き付けられる。続いて、ボビンBの端部B2と第2ボビンホルダ22との間に設けられた隙間に糸掛け装置17が糸Yを案内する。続いて、当該隙間に糸Yが配置された状態で、操作装置12がクレードルアーム24aを操作することで第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が閉じられ、ボビンBに糸Yが掛けられる。第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が閉じられると、糸掛け装置17が、糸掛け装置17とボビンBとの間において糸Yを切断する。このように、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が糸掛け位置に位置した状態で、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が開閉されて、糸掛け装置17が、糸貯留装置6に引き出された糸Yを下側からボビンBに掛ける。糸掛け装置17がボビンBに糸Yを掛けるとき、ドラム駆動部は、ドラム23の回転を停止させている。
ボビンBに糸Yが掛けられると、操作装置12、押さえ装置16及び糸掛け装置17が玉揚台車10における待機位置に戻り、ドラム駆動部が動作させられることでドラム23の回転が開始されて、巻取装置20によるパッケージPの形成(ボビンBへの糸Yの巻き取り)が開始される。より具体的には、パッケージPの形成の開始時には、玉揚台車10に設けられた規制ガイド(図示省略)によって、糸Yが綾振り溝によって綾振りされないように規制され、ボビンBの端部B2の内側にバンチ巻きが形成される。バンチ巻きが形成された後、規制ガイドによる糸Yの規制が解除され、パッケージPの形成が継続される。紡績機1では、各紡績ユニット2が、ドラフト装置3を駆動するドラフト駆動部(図示省略)を有しており、ドラフト装置3が、各紡績ユニット2の状況に応じたドラフト速度で動作する。巻取装置20が糸YをボビンBに巻き取る巻取期間(巻取装置20が糸Yを空のボビンBに巻き取り始めてから満巻のパッケージPを形成するまでの期間)におけるドラフト速度は、巻取期間以外の準備期間(ある巻取期間とその次の巻取期間との間の期間)におけるドラフト速度よりも速い。なお、ドラフト速度は、例えば平均のドラフト速度であり、空気紡績装置4による紡績速度に対応する。
図11の(a)及び(b)に示されるように、ドラム23の回転軸線L1に平行な方向において、供給装置14がボビンBを把持する位置は、押さえ装置16がボビンBを押さえる位置と糸掛け装置17が糸Yを掛ける位置(ボビンBの端部B2の位置)との間に設定されている。なお、図11の(b)に示されるように、押さえ装置16がドラム23に対してボビンBを押さえた状態で、ボビンBの端部B2と第2ボビンホルダ22との間に隙間が設けられる際には、ボビンBの端部B1と第1ボビンホルダ21との間に隙間が設けられない。
以上説明したように、紡績機1では、ボビンBが供給される際の第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の位置と、糸Yが掛けられる際の第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の位置とが互いに異なる。したがって、例えば上記2つの位置が同じ位置である場合に比べ、供給装置14及び糸掛け装置17の設計が制限され難く、糸掛けのために糸Yを配置するための隙間も確保し易い。よって、紡績機1によれば、供給装置14及び糸掛け装置17の設計の自由度を向上させつつ、糸掛けの安定性を向上させることができる。
紡績機1では、糸掛け位置は、供給位置よりも、ドラム23に近い位置である。これにより、糸掛け後、短時間で、巻取装置20による巻取速度を通常の巻取速度に到達させることができる。紡績機1では、糸掛け前から空気紡績装置4による糸Yの生成が継続されるため、糸掛け後、巻取装置20による巻取速度が通常の巻取速度に到達するまでに時間を要すると、糸貯留装置6に糸Yを貯留しきれなくなるおそれがある。したがって、糸掛け前から糸Yの生成が継続される紡績機1では、糸掛け位置を供給位置よりもドラム23に近い位置に設定することにより、パッケージPの巻取りを確実に開始することができる。
紡績機1では、操作装置12が、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が開閉するようにクレードル24を操作する。これにより、ドラム23に対する第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の移動と、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の開閉とを同一の装置で実施することができる。
紡績機1では、上述した玉揚台車10の各部の動作が制御部100によって制御される。これにより、ボビンBの供給及び糸掛けを確実に実施することができる。
紡績機1では、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が開いた状態での第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の間の距離が、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が閉じた状態での第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の間の距離よりも大きくてもよい。これにより、ボビンBの供給及び糸掛けを確実に実施することができる。
紡績機1では、糸掛け位置が、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22に保持されたボビンBがドラム23と接触する位置である。これにより、糸掛け位置が安定するため、糸掛けをより確実に実施することができる。
紡績機1では、押さえ装置16がドラム23に対してボビンBを押さえた状態で、ボビンBの端部B2と第2ボビンホルダ22との間に隙間が設けられるように操作装置12がクレードル24を操作する。これにより、糸掛けのために糸Yを配置する隙間が広くなるため、糸掛けをより確実に実施することができる。
紡績機1では、ドラム23の回転軸線L1に平行な方向において、供給装置14がボビンBを把持する位置が、押さえ装置16がボビンBを押さえる位置と糸掛け装置17が糸Yを掛ける位置との間に設定されている。これにより、供給装置14によりボビンBを確実に把持して第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22に供給することができる。
紡績機1では、押さえ装置16において、接触部16aが、移動機構16bに交換可能に取り付けられている。これにより、押さえ装置16の接触部16aを、ボビンBの種類に応じて適切な接触部16aに交換することができる。
紡績機1では、糸掛け装置17が、糸貯留装置6により引き出された糸YをボビンBに掛け、巻取装置20が、糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。これにより、空気紡績装置4による糸Yの生成を継続しつつ、ボビンBの供給及び糸掛けを確実に実施することができる。
紡績機1では、各紡績ユニット2が、ドラフト装置3を駆動するドラフト駆動部を有しており、巻取装置20が糸YをボビンBに巻き取る巻取期間におけるドラフト装置3のドラフト速度が、巻取期間以外の準備期間におけるドラフト装置3のドラフト速度よりも速い。これにより、準備期間にボビンBに巻き取られずに廃棄される糸Yの量を削減することができる。
紡績機1では、各紡績ユニット2が、ドラム23を駆動するドラム駆動部を有しており、糸掛け装置17がボビンBに糸Yを掛けるとき、ドラム駆動部が、ドラム23の回転を停止させている。これにより、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22に保持されたボビンBがドラム23と接触する位置を糸掛け位置とした場合に、糸掛けをより確実に実施することができる。
紡績機1において実施される糸掛け方法は、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が供給位置に位置した状態で第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22を開いて第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22にボビンBを供給するステップと、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が供給位置に位置した状態で第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22を閉じて第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22にボビンBの両端部を保持させるステップと、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22がボビンBの両端部を保持した状態で第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22を糸掛け位置に移動させるステップと、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が糸掛け位置に位置した状態で第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22を開閉させてボビンBに糸Yを掛けるステップと、を備える。この糸掛け方法によれば、上述したように、供給装置14及び糸掛け装置17の設計の自由度を向上させつつ、糸掛けの安定性を向上させることができる。
図12の(a)は、実施例の紡績機1における糸掛けのための隙間を説明するための巻取装置20の正面図であり、図12の(b)は、比較例の紡績機における糸掛けのための隙間を説明するための巻取装置の正面図である。図12の(a)に示されるように、実施例の紡績機1では、押さえ装置16がドラム23に対してボビンBを押さえた状態で、第2ボビンホルダ22が外側(第1ボビンホルダ21とは反対側)に開かれるため、ボビンBの端部B1と第1ボビンホルダ21との間に隙間が設けられない分、ボビンBの端部B2と第2ボビンホルダ22との間に設けられる隙間(糸掛けのための隙間)が広くなる。したがって、実施例の紡績機1では、糸掛けの安定性が向上する。一方、図12の(b)に示されるように、比較例の紡績機では、ボビンBの供給及び糸掛けが実施されるときの第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22の位置が同じであるため、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22が開かれた状態で、供給装置14がボビンBを供給する。このとき、ボビンBの端部B1と第1ボビンホルダ21との間に隙間が設けられる必要があるから、その分、ボビンBの端部B2と第2ボビンホルダ22との間に設けられる隙間(糸掛けのための隙間)が狭くなる。したがって、比較例の紡績機では、糸掛けが不安定になるおそれがある。更に、押さえ装置16の構成(図12の(a)参照)は、供給装置14の構成(図12の(b)参照)に比べ、簡易化し易い。したがって、実施例の紡績機1では、糸掛け時には供給装置14がボビンBから退避しており、押さえ装置16のみがボビンBと接触しているため、第2ボビンホルダ22の周りに空間の余裕があり、糸掛け装置17の設計の自由度が向上する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。
例えば、糸掛け位置は、供給位置よりも、ドラム23に近い位置であれば、第1ボビンホルダ21及び第2ボビンホルダ22に保持されたボビンBがドラム23と接触する位置に限定されない。供給位置は、排出位置よりもドラム23に近い位置であったが、供給位置は、排出位置よりもドラム23から遠い位置であってもよいし、供給位置は、排出位置と同じ位置であってもよい。押さえ装置16がボビンBを押さえる位置は、ボビンBの端部B1に近い位置に限定されない。ボビンBの形状は、円錐台筒状に限定されず、円筒状等であってもよい。糸掛け位置において、押さえ装置16の代わりに、供給装置14がドラム23に対してボビンBを押さえてもよい。
巻取装置20は、ドラム23が駆動回転させられて、ドラム23に接触したボビンBが従動回転させられるタイプに限定されず、ボビンBが駆動回転させられて、ボビンBに接触したドラム23が従動回転させられるタイプであってもよい。つまり、ドラム23は、ボビンBと接触して回転するドラムであればよい。
紡績ユニット2では、糸Yの走行方向が糸貯留装置6において切り替えられていたが、糸Yの走行方向が糸貯留装置6において切り替えられていなくてもよい。紡績ユニット2では、上側で供給された糸Yが下側で巻き取られるように各装置が配置されてもよい。空気紡績装置4から糸Yを引き出すために、空気紡績装置4と糸貯留装置6との間に、デリベリローラ及びニップローラが配置されてもよい。デリベリローラ及びニップローラが設けられる場合、糸貯留装置6の代わりに、吸引空気流で糸Yの弛みを吸収するスラックチューブ又は機械的なコンペンセータ等が設けられてもよい。糸監視装置5は、糸貯留装置6と巻取装置20との間に配置されてもよい。
糸継装置7、第1捕捉案内装置8及び第2捕捉案内装置9は、複数の紡績ユニット2の配列方向に沿って移動可能な糸継台車に設けてられてもよい。各紡績ユニット2又は玉揚台車10に、糸継ぎが行われる際等に、パッケージPからの糸Yを引き出す糸引出し装置が設けられてもよい。糸巻取機は、紡績機1に限定されず、オープンエンド精紡機等であってもよい。
1…紡績機(糸巻取機)、2…紡績ユニット(糸巻取ユニット)、3…ドラフト装置、4…空気紡績装置、6…糸貯留装置(引出装置)、12…操作装置、14…供給装置、16…押さえ装置、16a…接触部、16b…移動機構、17…糸掛け装置、20…巻取装置、21…第1ボビンホルダ(ボビンホルダ)、22…第2ボビンホルダ(ボビンホルダ)、23…ドラム、24…クレードル、100…制御部、L1…回転軸線、S…スライバ(繊維束)、F…繊維束、Y…糸、B…ボビン、P…パッケージ。
Claims (12)
- ボビンと接触して回転するドラム、前記ボビンの両端部を保持する1対のボビンホルダ、及び前記1対のボビンホルダが開閉可能且つ前記1対のボビンホルダが前記ドラムに対して移動可能な状態で前記1対のボビンホルダを回転可能に支持するクレードルを有する巻取装置と、
前記1対のボビンホルダが前記ドラムに対して移動するように前記クレードルを操作する操作装置と、
前記1対のボビンホルダが供給位置に位置した状態で前記1対のボビンホルダに前記ボビンを供給する供給装置と、
前記1対のボビンホルダが糸掛け位置に位置した状態で前記ボビンに糸を掛ける糸掛け装置と、を備え、
前記糸掛け位置は、前記供給位置よりも、前記ドラムに近い位置である、糸巻取機。 - 前記操作装置は、前記1対のボビンホルダが開閉するように前記クレードルを操作する、請求項1に記載の糸巻取機。
- 少なくとも前記操作装置、前記供給装置及び前記糸掛け装置のそれぞれの動作を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、
前記1対のボビンホルダが前記供給位置に位置した状態で前記1対のボビンホルダを開いて前記供給装置が前記1対のボビンホルダに前記ボビンを供給し、且つ、
前記1対のボビンホルダが前記供給位置に位置した状態で前記1対のボビンホルダを閉じて前記1対のボビンホルダが前記ボビンの両端部を保持し、且つ、
前記1対のボビンホルダが前記ボビンの両端部を保持した状態で前記1対のボビンホルダが前記供給位置から前記糸掛け位置に移動し、且つ、
前記1対のボビンホルダが前記糸掛け位置に位置した状態で前記1対のボビンホルダを開閉させて前記糸掛け装置が前記ボビンに前記糸を掛けるように、
前記操作装置、前記供給装置及び前記糸掛け装置のそれぞれの動作を制御する、請求項1又は2に記載の糸巻取機。 - 前記1対のボビンホルダが開いた状態での前記1対のボビンホルダの間の距離は、前記1対のボビンホルダが閉じた状態での前記1対のボビンホルダの間の距離よりも大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の糸巻取機。
- 前記糸掛け位置は、前記1対のボビンホルダに保持された前記ボビンが前記ドラムと接触する位置である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の糸巻取機。
- 前記1対のボビンホルダが前記糸掛け位置に位置した状態で前記ドラムに対して前記ボビンを押さえる押さえ装置を更に備え、
前記操作装置は、前記押さえ装置が前記ドラムに対して前記ボビンを押さえた状態で、前記ボビンの両端部の一方と前記1対のボビンホルダの一方との間に隙間が設けられるように前記クレードルを操作する、請求項5に記載の糸巻取機。 - 前記ドラムの回転軸線に平行な方向において、前記供給装置が前記ボビンを把持する位置は、前記押さえ装置が前記ボビンを押さえる位置と前記糸掛け装置が前記糸を掛ける位置との間に設定されている、請求項6に記載の糸巻取機。
- 前記押さえ装置は、前記ボビンと接触する接触部、及び前記接触部を移動させる移動機構を有し、
前記接触部は、前記移動機構に交換可能に取り付けられている、請求項6又は7に記載の糸巻取機。 - 繊維束に旋回空気流によって撚りを与えて前記糸を生成する空気紡績装置と、
前記空気紡績装置から前記糸を引き出す引出装置と、を更に備え、
前記糸掛け装置は、前記引出装置により引き出された前記糸を前記ボビンに掛け、
前記巻取装置は、前記糸を前記ボビンに巻き取ってパッケージを形成する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の糸巻取機。 - 前記繊維束をドラフトして前記空気紡績装置に供給するドラフト装置を更に備え、
前記ドラフト装置、前記空気紡績装置、前記引出装置及び前記巻取装置は、複数の糸巻取ユニットのそれぞれに設けられており、
前記複数の糸巻取ユニットのそれぞれは、前記ドラフト装置を駆動するドラフト駆動部を有し、
前記巻取装置が前記糸を前記ボビンに巻き取る巻取期間における前記ドラフト装置のドラフト速度は、前記巻取期間以外の準備期間における前記ドラフト装置のドラフト速度よりも速い、請求項9に記載の糸巻取機。 - 前記複数の糸巻取ユニットのそれぞれは、前記ドラムを駆動するドラム駆動部を有し、
前記糸掛け装置が前記ボビンに前記糸を掛けるとき、前記ドラム駆動部は、前記ドラムの回転を停止させている、請求項10に記載の糸巻取機。 - ボビンと接触して回転するドラム、前記ボビンの両端部を保持する1対のボビンホルダ、及び前記1対のボビンホルダが開閉可能且つ前記1対のボビンホルダが前記ドラムに対して移動可能な状態で前記1対のボビンホルダを回転可能に支持するクレードルを有する巻取装置を備える糸巻取機において実施される糸掛け方法であって、
前記1対のボビンホルダが前記ドラムから離れた供給位置に位置した状態で前記1対のボビンホルダを開いて前記1対のボビンホルダに前記ボビンを供給するステップと、
前記1対のボビンホルダが前記供給位置に位置した状態で前記1対のボビンホルダを閉じて前記1対のボビンホルダに前記ボビンの両端部を保持させるステップと、
前記1対のボビンホルダが前記ボビンの両端部を保持した状態で前記1対のボビンホルダを前記供給位置よりも前記ドラムに近い糸掛け位置に移動させるステップと、
前記1対のボビンホルダが前記糸掛け位置に位置した状態で前記1対のボビンホルダを開閉させて前記ボビンに前記糸を掛けるステップと、を備える、糸掛け方法。
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JP2017209531A JP2019081631A (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | 糸巻取機及び糸掛け方法 |
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CN113026162A (zh) * | 2019-12-09 | 2021-06-25 | 日本Tmt机械株式会社 | 丝线处理装置 |
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2017
- 2017-10-30 JP JP2017209531A patent/JP2019081631A/ja active Pending
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