JP2019080278A - 画像処理装置、画像処理方法および印刷装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および印刷装置 Download PDF

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祐也 中村
達雄 古田
Tatsuo Furuta
達雄 古田
松村 哲也
Tetsuya Matsumura
哲也 松村
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Abstract

【課題】画質劣化を防止する。【解決手段】印刷に用いられる印刷データを生成する画像処理装置であって、画像データに基づいて、画素毎のドットの有無およびサイズを規定したハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理部と、前記ハーフトーンデータが規定するドットを置換するドット置換部と、前記ドットの置換後のハーフトーンデータに基づいて前記印刷データを生成する印刷データ生成部と、を備え、前記ドット置換部は、前記ハーフトーンデータにおける所定サイズよりも小さいサイズのドットが所定方向に連続する特定ドット連続部を構成するドットのうち、記録順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として、より大きいサイズのドットへの置換を実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法および印刷装置に関する。
液滴(ドット)を吐出して媒体上に着弾させることで印刷を行う方法が知られている。このような印刷において、印刷される画像の輪郭部分(エッジ部分)で生じる液滴のにじみを防止するために、エッジ部分を構成するドットのサイズを小さくしたり、ドットを間引いたりするエッジ処理を行うことで、にじみを防止して印刷結果を鮮明にする方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2011‐167896号公報
先行して吐出されるドット(先行ドット)に続いて吐出されるドット(後続ドット)の軌道は、先行ドットが生じさせた気流や気圧の変化の影響を受ける。このような影響の度合いは、比較的小さいサイズのドットが連続して吐出される場合とそうでない場合とで異なる。そのため、比較的小さいサイズのドットが連続して吐出される場合とそうでない場合とでは、後続ドットの軌道に違いが生じ、結果、媒体に着弾するドット同士の距離に違いが生じることがある。このようなドット同士の距離の違いは画質劣化の原因となり得る。また、このような画質劣化は、上述のエッジ処理が実行された場合に生じたり、エッジ処理が実行されなくても結果的に生じたりする。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、画質劣化の防止に有効な画像処理装置、画像処理方法および印刷装置を提供する。
本発明の態様の1つは、印刷に用いられる印刷データを生成する画像処理装置であって、画像データに基づいて、画素毎のドットの有無およびサイズを規定したハーフトーン(以下、HT)データを生成するHT処理部と、前記HTデータが規定するドットを置換するドット置換部と、前記ドットの置換後のHTデータに基づいて前記印刷データを生成する印刷データ生成部と、を備え、前記ドット置換部は、前記HTデータにおける所定サイズよりも小さいサイズのドットが所定方向に連続する特定ドット連続部を構成するドットのうち、記録順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として、より大きいサイズのドットへの置換を実行する。
当該構成によれば、画像処理装置は、HTデータにおいて比較的小さいサイズのドットが所定方向に連続する特定ドット連続部を抽出し、この特定ドット連続部を構成するドットのうち、記録順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として、サイズを大きくする。これにより、比較的小さいサイズのドットが連続して記録された場合に生じ易かった前記画質劣化を防止することができる。
本発明の態様の1つは、前記HT処理部は、画像のエッジ部分を構成するドットのサイズを小さくするエッジ処理を施した前記HTデータを生成し、前記ドット置換部は、前記エッジ処理によって発生した前記特定ドット連続部について前記置換を実行するとしてもよい。
当該構成によれば、エッジ処理を実行したことによって却って生じ易くなる前記画質劣化を、的確に回避することができる。
本発明の態様の1つは、ドットを吐出する印刷ヘッドを主走査方向へ走査させて印刷媒体への印刷を実行する印刷装置が用いる前記印刷データを生成する画像処理装置であって、前記ドット置換部は、前記HTデータにおける前記小さいサイズのドットが前記主走査方向に対応して連続する前記特定ドット連続部を構成するドットのうち、前記印刷ヘッドによる吐出順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として前記置換を実行するとしてもよい。
当該構成によれば、先行ドットによる気流や気圧の変化で後続ドットの軌道が影響を受けやすいシリアル方式の印刷装置に印刷を実行させるに際し、比較的小さいサイズのドットが主走査方向に連続して記録された場合に生じ易かった前記画質劣化を防止することができる。
本発明の技術的思想は、画像処理装置という物以外によっても実現される。例えば、画像処理装置と同様の処理を実行する印刷装置を発明として捉えることができる。また、画像処理装置や印刷装置が実行する処理工程を備えた方法(画像処理方法、印刷方法)や、これら方法をコンピューターに実行させるプログラムや、プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体も、夫々に発明として成り立つ。
装置構成を簡易的に示す図。 印刷ヘッドと印刷媒体とを簡易的に示す図。 画像処理を示すフローチャート。 図4Aはノズルの駆動波形とドットとの関係性の一例を簡易的に示す図、図4Bはノズルの駆動波形とドットとの関係性の他の例を簡易的に示す図。 ドット置換処理を示すフローチャート。 HTDについてドット置換処理の各過程と対応する各状態を例示する図。 HTDと印刷ヘッドの移動方向との対応関係を例示する図。 図8Aは従来の印刷結果を例示する図、図8Bは本実施形態による印刷結果を例示する図。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。
1.装置構成の概略説明:
図1は、本実施形態にかかる装置構成を簡易的に示している。画像処理装置10は、例えば、制御部11、表示部17、操作受付部18、通信インターフェイス(IF)19等を備える。画像処理装置10は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)や、PCと同程度の処理能力を有する情報処理装置によって実現される。また、本実施形態にかかる制御部11を実現可能なハードウェアを画像処理装置と呼んでもよい。
制御部11は、CPU11a、ROM11b、RAM11c等を有する1つ又は複数のICや、その他のメモリーやハードディスクドライブといった記憶媒体等を適宜含んで構成される。制御部11では、CPU11aが、ROM11b等に保存されたプログラムに従った演算処理を、RAM11c等をワークエリアとして用いて実行することにより、画像処理装置10の挙動を制御する。制御部11はプログラムAを搭載しており、プログラムAに従って、画像データ取得部12、色変換部13、HT処理部14、ドット置換部15、印刷データ生成部16等といった各機能を実現する。プログラムAを、画像処理プログラム、印刷制御プログラム、プリンタードライバー等と呼ぶことができる。
通信IF19は、所定の通信規格に準拠して制御部11が画像処理装置10の外との通信を実行するIFの総称である。表示部17は、視覚的情報を表示するための手段であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELディスプレイ等により構成される。表示部17は、ディスプレイと、当該ディスプレイを駆動するための駆動回路とを含む構成であってもよい。操作受付部18は、ユーザーによる操作を受け付けるための手段であり、例えば、物理的なボタンや、タッチパネルや、マウスや、キーボード等によって実現される。むろん、タッチパネルは、表示部17の一機能として実現されるとしてもよい。また、表示部17および操作受付部18を含めて操作パネル等と呼ぶことができる。
画像処理装置10は、通信IF19を介して印刷部20と通信可能に接続している。印刷部20は、画像処理装置10(制御部11)が生成した印刷データに基づいて印刷を実行可能な機構である。画像処理装置10と印刷部20は、それぞれ独立した装置であってもよい。画像処理装置10と印刷部20がそれぞれ独立した装置である場合、印刷部20を印刷装置と呼び、画像処理装置10を印刷制御装置と呼び、画像処理装置10と印刷部20を含む構成を印刷システム1と呼ぶことができる。
あるいは、画像処理装置10と印刷部20は、実態としてそれら全体が1つの装置に含まれていてもよい。画像処理装置10と印刷部20が1つの装置に含まれている場合、画像処理装置10と印刷部20を含む構成(1つの装置)を、印刷装置1と呼ぶことができる。印刷装置1は、少なくとも印刷機能を有する。従って、印刷装置1は、印刷機能に加え、スキャナーやファクシミリ等の複数の機能を併せ持った複合機であってもよい。
図2は、印刷部20が備える印刷ヘッド21と印刷媒体Pとを簡易的に示している。印刷部20は、知られているように、インク等の液体を吐出する印刷ヘッド21や、印刷ヘッド21を移動させるための不図示のキャリッジや、印刷媒体Pを搬送するための不図示の搬送機構を備える。印刷ヘッド21を、記録ヘッド、印字ヘッド、液体吐出(噴射)ヘッド等と呼んでもよい。印刷媒体Pは、代表的には紙であるが、液体の吐出による記録が可能な素材であれば、印刷媒体Pは紙以外の素材であってもよい。
キャリッジは、印刷ヘッド21を搭載した状態で所定の主走査方向D1に沿って印刷ヘッド21を移動させる。搬送機構は、印刷媒体Pを主走査方向D1と交差する搬送方向D2に沿って搬送する。ここでいう交差とは、基本的には直交であるが、方向D1,D2は、例えば製品としての印刷部20における種々の誤差により、厳密には直交していないこともある。
印刷ヘッド21は、液体を吐出するためのノズル23を複数備える。符号22は、ノズル23が開口するノズル面22を示しており、図2では、ノズル面22におけるノズル23の配列の一例を示している。印刷ヘッド21は、複数色のインク(例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)等の複数色のインク)を吐出する構成において、インク色毎のノズル列24を備える。ノズル列24は、搬送方向D2に沿った間隔が一定とされた複数のノズル23により構成される。図2の例では、印刷ヘッド21は4つのノズル列24を有しており、4色のインクを吐出可能な構成とされている。言うまでもなく、1色のインクに対応するノズル列24を構成するノズル23の配列の態様は、図2のように1つの直線状である必要は無く、例えば、複数列で構成されていてもよい。
印刷部20は、印刷データに基づいて、キャリッジによる印刷ヘッド21の移動に伴う印刷ヘッド21による液体吐出(走査)と、搬送機構による印刷媒体Pの所定距離の搬送(いわゆる紙送り)とを交互に実行することにより、印刷媒体Pへの印刷を実現する。印刷ヘッド21の走査を、パスとも呼ぶ。印刷部20(あるいは印刷部20を含む構成(符号1))を、インクジェットプリンターと呼ぶことができる。印刷ヘッド21がノズル23から吐出する液体(液滴)をドットと呼ぶ。ただし本実施形態では、ドットが吐出される前段階における画像処理を説明する際にも、便宜上、ドットという表現を用いる。
2.画像処理:
図3は、制御部11がプログラムAに従って実行する画像処理をフローチャートにより示している。当該フローチャートの少なくとも一部が、本発明にかかる画像処理方法に該当する。当該画像処理は、印刷部20に印刷を実行させるための処理でもあるため、印刷制御処理と呼んでもよい。
制御部11(画像データ取得部12)は、印刷対象を表現する画像データを取得する(ステップS100)。印刷対象とは、例えば、文字、写真、CG、あるいはそれらの組み合わせ等である。例えば、ユーザーが操作受付部18を操作することにより画像データが選択される。画像データ取得部12は、当該選択された画像データを記憶元から取得する。画像データの記憶元は、例えば、画像処理装置10に内蔵された記憶媒体あるいは画像処理装置10に対して外部から接続された記憶媒体等、様々である。画像データ取得部12は、取得した画像データを次のステップS110へ受け渡す。
画像データ取得部12がステップS110へ受け渡す画像データは、例えば、画素毎にRGB(レッド、グリーン、ブルー)毎の階調値(例えば、0〜255の256階調で表現される階調値)を有するビットマップ形式のRGBデータであるとする。画像データ取得部12は、ステップS110へ画像データを受け渡す前に、必要に応じて、取得した画像データのフォーマット変換や解像度変換を実行する。
ステップS110では、制御部11(色変換部13)は、画像データに対して色変換処理を実行する。色変換処理は、画像データ(RGBデータ)を、印刷部20が印刷に使用するインクの色空間のデータ(CMYKデータ)に変換する処理である。知られているように、色変換部13は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応付けたテーブル(色変換ルックアップテーブル)を参照して色変換処理を実行可能である。色変換処理後の画像データ(CMYKデータ)は、画素毎にCMYK毎の階調値(例えば、0〜255の256階調で表現される階調値)を有するビットマップ形式のデータである。
ステップS120では、制御部11(HT処理部14)は、色変換処理後の画像データに対して、インク色(CMYK)毎にHT処理を実行する。HT処理により、例えば、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや、4階調を示す2ビットデータに変換される。HT処理は、ディザ法、γ補正、誤差拡散法などを用いて実行可能である。HT処理後の画像データをHTデータと呼ぶ。HTデータは、インク色毎のデータであり、且つ画素毎のドットの有無およびサイズを規定している。
本実施形態では、印刷部20が備える印刷ヘッド21は、一滴あたりの液量が異なる複数サイズのドットを吐出可能である。例えば、印刷ヘッド21は各ノズル23から、サイズが異なる3種類のドット(大ドット、中ドット、小ドット)を吐出可能である。異なるサイズ毎のドット一滴あたりの液量は、予め、印刷部20の設計上定められている。従ってインク色毎のHTデータは、画素毎に、ドット有りか無しか、有りであれば大ドット、中ドット、小ドットのいずれであるかを規定するデータである。
ここでエッジ処理について簡単に説明する。エッジ処理については、特許文献1を参照してもよい。インクジェットプリンターによる印刷では、ドットが印刷媒体に吸収されることで画像を印刷媒体に定着させるが、印刷媒体にインクを大量に吐出した場合には、印刷媒体がインクを吸収しきれず、インクが溢れてしまうことがある。特に、画像のエッジ部分でインクが溢れると、印刷結果の画質を劣化させるおそれがある。そこで、制御部11は、画像のエッジ部分に対応して吐出されるインクの量を減らすエッジ処理を実施することにより、エッジ部分におけるインクの溢れを抑制する。
エッジ処理は、画像処理(図3)の流れの中で、例えば、HT処理部14がステップS120において実行する。HT処理部14は、ステップS110による色変換処理後の画像データをコピーし、当該コピーした画像データに基づいて、画像内のエッジに該当するエッジ画素を特定する。エッジ画素の特定(抽出)方法は特に限定されず、公知の種々の手法を採用可能である。例えば、HT処理部14は、画像データに対してラプラシアンフィルターやソーベルフィルター等のフィルターを適用することによりエッジ画素を特定する。
HT処理部14は、上述したように、色変換処理後の画像データに対してHT処理を実行してHTデータを生成する。そして、HTデータを構成する画素のうち、上述のように特定したエッジ画素について、ドットのサイズを、より小さいサイズへ変更する。例えば、HT処理部14は、HTデータに含まれたエッジ画素に大ドットが規定されている場合、この大ドットを中ドットあるいは小ドットへ変更する。また、HT処理部14は、HTデータに含まれたエッジ画素に中ドットが規定されている場合、この中ドットを小ドットへ変更するとしてもよい。このようなエッジ処理(エッジ画素の特定およびエッジ画素についてのドットサイズ変更)もインク色毎のHTデータについて実行される。
HT処理部14は、ステップS120の処理後の画像データ、つまりHT処理およびエッジ処理を施して得られたインク色毎のHTデータをステップS130へ受け渡す。
ステップS130では、制御部11(ドット置換部15)は、ステップS120の処理後のHTデータを対象として、HTデータが規定するドットを置換するドット置換処理を実行する。ドット置換処理の詳細については後述する。
そして、ステップS140では、制御部11(印刷データ生成部16)は、ドット置換処理後のHTデータに基づいて、印刷部20が印刷に用いるための印刷データを生成し、生成した印刷データを印刷部20へ出力する。つまり、印刷データ生成部16は、ドット置換処理後のHTデータを構成するマトリクス状に並んだ画素を、当該画像処理を開始した時点で既に設定されている(例えば、ユーザーによって指定されている)記録方法に従って、印刷部20へ転送すべきデータ順に並び替える。このような並び替えをラスタライズ処理とも呼び、ラスタライズ処理されたデータを印刷データと呼ぶ。記録方法とは、例えば、単方向印刷と双方向印刷のいずれであるか、オーバーラップ印刷を実施するか否か、パスとパスの間の紙送り量、等の様々な条件を組み合わせた方法であり、記録方法に応じて、いずれの画素のデータをいずれのノズル23にどのような順序で与えるかが決まる。
印刷データ生成部16は、ラスタライズ処理した印刷データに、記録方法に応じたコマンドを付加してもよい。コマンドとしては、例えば、印刷媒体Pの搬送速度を指示するデータ等がある。印刷データ生成部16は、これらの処理を経て生成した印刷データを、通信IF19を介して印刷部20へ出力(転送)する。このように出力された印刷データに基づいて印刷部20は印刷を実行する。この結果、ステップS100で取得された画像データが表現する印刷対象が、印刷媒体P上に再現される。
3.ドット置換処理:
次にドット置換処理に関する説明を行うが、その前に、本実施形態においてドット置換処理により解消を目指す画質劣化について図4Aおよび図4Bを参照して説明する。
図4A,4Bはそれぞれ、印刷ヘッド21が有する1つのノズル23(の駆動素子)に与えられる駆動波形と、駆動波形に応じて当該1つのノズル23により吐出、形成されるドットとの関係性の例を簡易的に示している。図4A,4Bでは、ドットを白い丸で表現している。また、「吐出時ドット」は、ノズル23が吐出した直後の空気中のドットを指し、「形成ドット」は、印刷媒体Pに着弾して形成されたドットを指す。図4A,4Bの説明においては、印刷ヘッド21は、主走査方向D1の一方側S1に向かって移動するパスを実行中であるとする。印刷ヘッド21の、主走査方向D1の一方側S1へ移動するパスを、例えば、往路パスと呼び、主走査方向D1の他方側(S2(図7参照))へ移動するパスを、復路パスと呼んでもよい。
知られているように、印刷ヘッド21はノズル23毎に駆動素子(例えば、圧電素子)を有しており、印刷データに基づく駆動波形(パルス)を駆動素子へ与えることにより、当該駆動素子に対応するノズル23からドットを吐出させる。図4Aの例では、印刷ヘッド21の一方側S1への移動中、1つのノズル23が、大ドット、中ドット、中ドットの順で3つのドットを形成する。一方、図4Bの例では、印刷ヘッド21の一方側S1への移動中、1つのノズル23が、大ドット、大ドット、中ドットの順で3つのドットを形成する。ドットサイズの横に括弧書きで示した数字はドットの形成順序を意味している。
図4A,4Bの例では、1つの画素に対応させてノズル23に大ドットを形成させる場合には、駆動素子へ2つのパルスが連続して与えられる。そして、当該2つのパルスに応じてノズル23から2つのドット(吐出時ドット)が連続して吐出され、これら吐出された2つのドットが飛翔途中あるいは着弾時に合体し、印刷媒体P上に吐出時ドット2つ分の大きな1つのドット(大ドット)が形成される。一方、1つの画素に対応させてノズル23に中ドットを形成させる場合には、駆動素子へ前記2つのパルスのうち一方のパルスのみを与える。その結果、1つのパルスに応じてノズル23から1つのドット(吐出時ドット)が吐出され、この吐出された1つのドットが着弾し、印刷媒体P上に吐出時ドット1つ分のドット(中ドット)が形成される。
ここで、1つのノズル23が連続してドットを吐出する場合、先行して吐出される先行ドットに続いて吐出される後続ドットの軌道は、先行ドットが生じさせた気流や気圧の変化の影響を受ける。具体的には、先行ドットが空気を押しのけたことによる気圧の低下や空気の渦の発生が、近隣の空気や物体を吸引する現象(スリップストリーム)を生む。このスリップストリームの影響により、後続ドットは、飛翔中にいくらか先行ドット側へ誘引され、着弾位置が先行ドットの着弾位置に近づく。
図4A,4Bを用いて説明したように、1つの画素に対応させてノズル23に大ドットを形成させるために駆動素子に与えるパルス数よりも、1つの画素に対応させてノズル23に中ドットを形成させるために駆動素子に与えるパルス数は少ない。そのため、先行ドットが大ドットであり、後続ドットがそれよりも小さい中ドットである場合、先行ドット(大ドット)の形成に必要な数のパルスのうちの最後のパルスの駆動素子への印加が終わってから、後続ドット(中ドット)の形成に必要なパルスの当該駆動素子への印加が始まるまでの時間が比較的短い。一方、先行ドットおよび後続ドットがいずれも大ドットよりも小さい中ドットである場合、先行ドット(中ドット)の形成に必要なパルスの駆動素子への印加が終わってから、後続ドット(中ドット)の形成に必要なパルスの当該駆動素子への印加が始まるまでの時間が比較的長い。このようなパルスとパルスとの発生間隔が長いほど、先行ドットによるスリップストリームの影響が低下し、後続ドットの着弾位置が先行ドットの着弾位置から遠ざかり易くなる。
図4A,4Bにおいては、吐出時ドットから形成ドットに向かう矢印の傾きの有無によりスリップストリームの影響の有無を示している。つまり、図4Aに示した吐出順が2番目の中ドットは、先行ドットが大ドットであるため、スリップストリームの影響を受けて着弾位置が先行ドット(大ドット)の着弾位置に近づく。しかし図4Aに示した吐出順が3番目の中ドットは、先行ドットが中ドットであるため、スリップストリームの影響を殆ど受けず、着弾位置が先行ドット(中ドット)の着弾位置から(スリップストリームの影響を受けた場合と比べて)遠くなる。図4Aには、先行ドットによるスリップストリームの影響を受けずに後続ドットが着弾したときの先行ドットと後続ドットとの距離(主走査方向D1に沿った距離)の例として距離W1を示している。
一方、図4Bに示した吐出順が2番目の大ドットは、先行ドットが大ドットであるため、スリップストリームの影響を受けて着弾位置が先行ドット(大ドット)の着弾位置に近づく。また、図4Bに示した吐出順が3番目の中ドットは、先行ドットが大ドットであるため、スリップストリームの影響を受けて着弾位置が先行ドット(大ドット)の着弾位置に近づく。図4Bには、先行ドットによるスリップストリームの影響を受けて後続ドットが着弾したときの先行ドットと後続ドットとの距離(主走査方向D1に沿った距離)の例として距離W2を示している。図4A,4Bの比較から明らかなように、距離W1>距離W2となる。このような距離W1,W2の相違が、印刷結果における画質差に繋がる。より具体的には、図4A,4Bに示した吐出順が3番目の中ドットが画像のエッジ部分に該当する場合、図4Aの例では、エッジ部分の当該中ドットが先行ドットから離れた位置に形成されることによりエッジのがたつき(画質劣化)として視認されてしまう。一方、図4Bの例では、エッジ部分の当該中ドットが先行ドットに近い位置(理想的な位置)に形成されることにより、がたつきの無い(少ない)綺麗なエッジとして視認される。従って、本実施形態では、図4Aに例示したような状況が発生することを回避し、図4Bに例示したような状況を作りだすために、ドット置換処理を行う。
なお図4A,4Bでは、小ドットについて説明していないが、上述したようにノズル23は小ドットを形成することも可能である。例えば、印刷ヘッド21は、大ドットを形成するための前記2つの連続するパルスに振幅差を設け、ノズル23に中ドットを形成させる場合には、駆動素子へ前記2つの連続するパルスのうち振幅が大きい方のパルスのみを与え、ノズル23に小ドットを形成させる場合には、駆動素子へ前記2つの連続するパルスのうち振幅が小さい方のパルスのみを与える等としてもよい。あるいは、印刷ヘッド21は、ノズル23に大ドットを形成させる場合には、駆動素子へ連続する3つのパルスを与え、ノズル23に中ドットを形成させる場合には、駆動素子へ連続する2つのパルスを与え、ノズル23に小ドットを形成させる場合には、駆動素子へ1つのパルスを与える等としてもよい。いずれにしても、小ドットを形成する際に駆動素子へ与える駆動信号としてのパルスの数は、大ドットを形成する際に駆動素子へ与える駆動信号としてのパルスの数よりも少ない。そのため、図4Aの説明において「中ドット」を「小ドット」に言い換えても、上述したようなスリップストリームの影響低下による画質劣化が同様に発生し易いと言える。
図5は、ステップS130のドット置換処理をフローチャートにより示している。また、図6は、ドット置換処理の対象となるHTデータ(HTD)の一部分について、ドット置換処理の各過程と対応する各状態を例示している。
ステップS132では、ドット置換部15は、HTDにおける所定サイズよりも小さいサイズのドットが所定方向に連続する特定ドット連続部DPを抽出する。所定サイズよりも小さいサイズとは、当該サイズのドットが連続して形成されたとき図4Aに示したようなスリップストリームの影響低下による画質劣化(距離W1の発生)が生じ易いサイズを意味する。本実施形態では、所定サイズよりも小さいサイズのドットは、大ドット(所定サイズ)よりも小さい中ドットおよび小ドットを指すものとする。また、所定方向は、印刷ヘッド21が図2に示したように主走査方向D1に沿って移動する構成である場合、画像データ(HTD)の縦横方向のうち主走査方向D1に対応する方向を指す。
ドット置換部15は、例えばラスターデータ単位で、以下の条件に合う画素連続部を特定ドット連続部DPとして抽出する。ラスターデータとは、HTDを構成する画素列であって、前記所定方向に沿って画素が並んでなる画素列である。
条件:前記所定サイズより小さいサイズのドットが前記所定方向に連続する画素連続部であり、かつ前記所定方向の両端側のうち記録(ドットの吐出)順が遅い側の端にエッジ画素を有する画素連続部であること。
図6の上段には、ステップS132でHTDから抽出された特定ドット連続部DPを太枠で囲って示している。図6の上段の例では、特定ドット連続部DPを3つ示している。図6においては、HTDを構成する個々の矩形がHTDの画素である。図6に示すHTDは、1つのインク色(例えばK)に対応するHTDである。画素毎に便宜上記載している1〜3の数字は、HTDが規定している画素毎のドットの有無およびサイズを示している。つまり、「0」がドット無し(ドットオフ)、「1」が小ドットオン、「2」が中ドットオン、「3」が大ドットオンを意味する。また図6では、ドット有り(ドットオン)の画素を判り易くグレー色で塗って表現している。特定ドット連続部DPを構成する画素は、全て「2」または「1」である。上述のエッジ処理の説明から判るように、このような特定ドット連続部DPの全てあるいは一部は、エッジ処理を経ることにより生じる。
図6では、HTDと主走査方向D1との対応関係も示している。図6に示すHTD(HTDの一部分)は、前記記録方法に従って、印刷ヘッド21が主走査方向D1の一方側S1に向かって移動するパス(往路パス)で記録されるデータであるとする。従って、図6においては、一方側S1が、前記所定方向の両端側のうち記録順が遅い側に該当する。よって、図6においては、特定ドット連続部DP毎の最も一方側S1の画素はエッジ画素に該当する。言い換えると、ステップS132では、ドット置換部15は、中ドットまたは小ドットを有し且つエッジ画素に該当する画素を一方側S1の端として記録順が早い側に中ドットまたは小ドットを有する画素が連続する画素連続部を、特定ドット連続部DPとして抽出する。エッジ画素に該当する画素か否かは、エッジ処理において特定済みである。
図7は、HTDと印刷ヘッド21の移動方向との対応関係を例示している。前記記録方法に従えば、例えば、制御部11は、印刷部20にバンド印刷により1ページ分の画像を印刷させる。バンド印刷は、バンドBDと呼ばれる帯状の画像領域を1回のパスで印刷する記録方法である。バンドBDは、複数のラスターデータが搬送方向D2に並んだ画像領域(ラスターデータの束)である。バンド印刷では、バンドBDを構成する各ラスターデータを1回のパスで1つのノズル23によって印刷する。従って、制御部11は、印刷ヘッド21の1回のパスで印刷可能な数のラスターデータ、つまり1つのインク色に対応するノズル列24において搬送方向D2に並ぶノズル数に対応するラスターデータの束を、1つのバンドBDと定義する。
制御部11は、HTDを構成するバンドBD毎に印刷ヘッド21の移動方向を対応付ける(バンドBD毎に、往路パス、復路パスのいずれで印刷するか決定される)。図7の例では、1ページ分のHTDを構成する各バンドBDに対して、ページ先頭側から順に、主走査方向D1の一方側S1、他方側S2、一方側S1…というように、交互に移動方向を対応付けている。ラスターデータは、いずれか1つのバンドBDに属している。従って、バンドBD毎に印刷ヘッド21の移動方向を対応付けたことにより、HTDを構成するラスターデータ夫々に印刷ヘッド21の移動方向を決定したことになる。
ステップS132では、ドット置換部15は、このように決定されたラスターデータ毎の印刷ヘッド21の移動方向に応じて、ラスターデータから特定ドット連続部DPの抽出を試みる。つまり、印刷ヘッド21の移動方向が一方側S1のラスターデータにおいては、中ドットまたは小ドットを有し且つエッジ画素に該当する画素を一方側S1の端として反対側(他方側S2)に中ドットまたは小ドットを有する画素が連続する画素連続部を、特定ドット連続部DPとして抽出する。逆に、印刷ヘッド21の移動方向が他方側S2のラスターデータにおいては、中ドットまたは小ドットを有し且つエッジ画素に該当する画素を他方側S2の端として反対側(一方側S1)に中ドットまたは小ドットを有する画素が連続する画素連続部を、特定ドット連続部DPとして抽出する。
ステップS134では、ドット置換部15は、ステップS132で抽出した特定ドット連続部DPから置換対象ドットを選択する。置換対象ドットは、特定ドット連続部DPを構成するドットのうち記録順が遅い側の端のドットを除くドットである。図6の例のように、印刷ヘッド21が主走査方向D1の一方側S1に向かって移動するパス(往路パス)で記録されるHTD(HTDの一部分)から抽出した特定ドット連続部DPにおいては、特定ドット連続部DP毎の最も一方側S1の画素を除く画素が、置換対象ドットに該当する。図6の中段(および下段)では、理解容易とするために、特定ドット連続部DP毎の最も一方側S1の画素に×印を付している。つまり、図6の中段(および下段)では、特定ドット連続部DPのうち×印が付されていない画素が置換対象ドットに該当する。
ドット置換部15は、ステップS134では、特定ドット連続部DPを構成するドットのうち記録順が遅い側の端のドットを除くドット全てを置換対象ドットとして選択してもよいし、このような端のドットを除くドットの一部を置換対象ドットとして選択してもよい。ただし、ドット置換部15は、当該端のドットを除くドットの一部を置換対象ドットとして選択する場合は、当該端のドットに対して記録順が早い側に隣接するドットは少なくとも置換対象ドットとして選択する。
ステップS136では、ドット置換部15は、ステップS134で選択した置換対象ドットを、より大きいサイズのドットへ置換する。置換対象ドットは中ドットまたは小ドットであるから、本実施形態では、ドット置換部15は、ステップS134で選択した置換対象ドットを「3」、つまり大ドットへ置換する。図6の下段では、選択された置換対象ドットが大ドットへ置換された状態を示している。以上でステップS130のドット置換処理が終了する。従って、図6の下段に例示したようなHTDがステップS140へ受け渡され、印刷データ生成部16による処理対象となる。むろん、ドット置換処理もインク色毎のHTデータそれぞれについて実行する。
図8Aは、ドット置換処理を実行しない場合の、つまり従来の印刷結果を例示している。一方、図8Bは、ドット置換処理を実行した場合の、つまり本実施形態による印刷結果を例示している。図8Aに示した印刷結果は、図6の上段に示したHTDに基づいて印刷媒体Pの一部に印刷した結果であり、図8Bに示した印刷結果は、図6の下段に示したHTDに基づいて印刷媒体Pの一部に印刷した結果であると解して差し支えない。図8A,8Bでは、印刷媒体Pに形成されたドットを丸で示しており、これらのドットは全て同じインク色(例えばK)のドットである。
図8A,8Bでは、ラスターデータ毎の特定ドット連続部DPにおける記録順が遅い側の端のドットに便宜上、ハッチングを施して示している。当該ハッチングを施したドットは、エッジ画素に対応するドットでもある。また、図8Bでは、ラスターデータ毎の特定ドット連続部DPにおける記録順が遅い側の端のドットを除いたドット、つまりステップS134で置換対象ドットに選ばれてステップS136で大ドットに置換されたドットに、便宜上、グレー色を塗って示している。
図8Aによれば、エッジ画素のドットは、先行ドットが所定サイズ(大ドット)より小さいサイズであるため、スリップストリームの影響を殆ど受けず、スリップストリームの影響を受ける場合よりも先行ドットから離れた位置に形成されている。その結果、エッジ画素のドットと先行ドットとの間には、主走査方向D1に隙間Zが生じ、この隙間Zに起因してユーザーはエッジのがたつき(画質劣化)を視認し易くなる。一方、図8Bによれば、置換対象ドットが大ドットへ置換されたことにより、置換対象ドット(先行ドット)の後に吐出されたエッジ画素のドット(後続ドット)は、スリップストリームの影響を受けて先行ドットに近い位置(理想的な位置)に形成されている。その結果、図8Aに示したような隙間Zが生じず、がたつきの無い(少ない)綺麗なエッジが視認される。
4.まとめ:
このように本実施形態によれば、画像処理装置または印刷装置は、画像データに基づいて、画素毎のドットの有無およびサイズを規定したHTデータを生成するHT処理部14と、HTデータが規定するドットを置換するドット置換部15と、ドットの置換後のHTデータに基づいて印刷データを生成する印刷データ生成部16とを備え、ドット置換部15は、HTデータにおける所定サイズよりも小さいサイズのドットが所定方向に連続する特定ドット連続部DPを構成するドットのうち、記録順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として、より大きいサイズのドットへの置換を実行する(ステップS130)。当該構成によれば、比較的小さいサイズのドットが連続して記録された場合に後続ドットへのスリップストリームの影響低下により生じ易かった画質劣化を効果的に防止することができる。特に、図8Aと図8Bとの比較から判るように、本発明は画像のエッジのがたつき改善に効果を奏する。
また、本実施形態によれば、HT処理部14は、画像のエッジ部分を構成するドットのサイズを小さくするエッジ処理を施したHTデータを生成し(ステップS120)、ドット置換部15は、エッジ処理によって発生した特定ドット連続部DPについて前記置換を実行する。つまり、エッジ処理によりエッジ画素を中ドットや小ドットといった比較的小さいサイズのドットへ変換したとき、却って前記スリップストリームの影響低下による画質劣化という問題が生じ易くなる。本発明は、このような課題に対し、最もエッジ側のドット(特定ドット連続部DPを構成するドットのうち記録順が遅い側の端のドット)に、記録順が早い側に隣接するドットを、より大きいサイズのドットへ置換する。これにより、エッジ処理を実行したことによって却って生じ易くなる画質劣化(エッジのがたつき)を的確に回避することができる。
なお、特定ドット連続部DPは、エッジ処理の結果生じることが多いため、ドット置換部15は、結果的に、エッジ処理によって発生した特定ドット連続部DPについて前記置換を実行することになる。ただし、特定ドット連続部DPは、HTデータの中にエッジ処理とは無関係に存在し得る。つまり、HTデータの中のエッジ処理が施されなかった部分であっても、ステップS132(図5)で特定ドット連続部DPとして抽出される可能性がある。
また、本実施形態によれば、ドットを吐出する印刷ヘッド21を主走査方向D1へ走査させて印刷媒体Pへの印刷を実行する印刷装置(符号1または20)が用いる印刷データを生成する画像処理装置10であって、ドット置換部15は、HTデータにおける所定サイズよりも小さいサイズのドットが主走査方向D1に対応して連続する特定ドット連続部DPを構成するドットのうち、印刷ヘッド21による吐出順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として前記置換を実行する。当該構成によれば、スリップストリームの影響の有無で後続ドットの軌道(そして着弾位置)が変わりやすいシリアル方式の印刷装置に印刷を実行させるに際し、比較的小さいサイズのドットが連続して記録された場合に生じ易かった前記画質劣化を防止することができる。
5.変形例:
本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば以下に説明するような種々の変形例を含み得る。上述の実施形態や各変形例の組み合わせも、当然、本明細書の開示範囲に含まれる。
変形例1:
制御部11は、HT処理(ステップS120)に際して、エッジ処理とドット置換処理とを実質的に同時に行うとしてもよい。具体的には、制御部11(HT処理部14)が、画像データ内でエッジ画素を特定したとき、エッジ画素が主走査方向D1に対応する方向に沿って複数連続している場合を想定する。このような場合、制御部11(HT処理部14、ドット置換部15)は、これら連続する複数のエッジ画素の全てについて、エッジ処理によりドットサイズを小さなサイズ(中ドットや小ドット)にするのではなく、記録順が遅い側の端のエッジ画素を除くエッジ画素についてはドットサイズを大ドットのままとする(あるいは大ドットへ置換する)。このような変形例によれば、ステップS120を終えた時点で、HT処理、エッジ処理およびドット置換処理が実質的に終了しており、その後、ステップS130を実行する必要が無い。つまり、1つの画素についてドットサイズを小さいサイズへ変更した後で大きいサイズへ変更するといった2回のサイズ変更を行う必要がなく、当該1つの画素についてドットサイズの変更を0回または1回とすることができ、制御部11の処理量を減らすことができる。
変形例2:
ドット置換処理(ステップS130)では、ドット置換部15は、特定ドット連続部DPにおける記録順が遅い側の端のドットを、ドット無し、つまり「0」へ置換するとしてもよい。このように、特定ドット連続部DPにおける記録順が遅い側の端のドットを、ドット無しに変更して形成しないようにすることで、図8Aに例示したような先行ドットから一方側S1へ隙間Zを空けて形成される後続ドットの存在自体を消すことができる。これにより、エッジのがたつきを改善することができる。
変形例3:
本実施形態においてエッジ処理は必須の処理ではない。つまり、HT処理(ステップS120)においてHT処理部14が上述したようなエッジ処理を実施しない態様も本発明は含んでいる。この場合、ステップS130では、ドット置換部15は、ステップS120の処理後のHTデータ(エッジ処理が施されていないHTデータ)を対象としてドット置換処理を実行する。エッジ処理が施されないHTデータにおいても、特定ドット連続部DPが存在し得る。つまり、ドット置換部15は、HTデータがエッジ処理されたか否かに関係なく、HTデータから特定ドット連続部DPを抽出できた場合にはこれまで説明したドット置換処理を実行可能である。なお、エッジ処理を実行しない構成であっても、制御部11は、エッジ画素を特定する処理はHT処理の前に実行しておき、エッジ画素を特定した結果を、HTデータから特定ドット連続部DPを抽出する際に利用する。
変形例4:
印刷ヘッド21は、主走査方向D1に沿って移動するいわゆるシリアルタイプのヘッドではなく、印刷媒体Pの幅に亘る長さを有し固定された、いわゆるラインタイプのヘッドであってもよい。印刷ヘッド21がラインタイプのヘッドである場合、図2を参照すると、主走査方向D1が印刷ヘッド21の長手方向となる。この場合、印刷ヘッド21は、長手方向に沿って一定間隔で形成された複数のノズルからなるノズル列を、インク色毎に有する。そして、インク色毎の複数のノズル列は搬送方向D2に並ぶ。印刷媒体Pは、印刷ヘッド21の長手方向と交差(直交)する搬送方向D2に沿って搬送される。このようなラインタイプのヘッドを印刷に用いる場合も、ヘッド自体が移動するシリアルタイプのヘッドほどではないが、先行ドットによるスリップストリームが後続ドットの着弾位置に影響を及ぼし得る。従って、ラインタイプの印刷ヘッド21にドットを吐出させて印刷媒体Pへの印刷を実行する印刷装置(符号1または20)が用いる印刷データを生成する画像処理装置10であって、ドット置換部15は、HTデータにおける所定サイズより小さいサイズのドットが所定方向(搬送方向D2)に対応して連続する特定ドット連続部を構成するドットのうち、印刷ヘッド21による吐出順が遅い側(搬送方向D2の上流側)の端のドットを除くドットを対象として、より大きいサイズのドットへの置換を実行する構成を把握することができる。
1…印刷システム(または印刷装置)、10…画像処理装置、11…制御部、12…画像データ取得部、13…色変換部、14…HT処理部、15…ドット置換部、16…印刷データ生成、17…表示部、18…操作受付部、19…通信IF、20…印刷部、21…印刷ヘッド、23…ノズル、24…ノズル列、A…プログラム、P…印刷媒体

Claims (5)

  1. 印刷に用いられる印刷データを生成する画像処理装置であって、
    画像データに基づいて、画素毎のドットの有無およびサイズを規定したハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理部と、
    前記ハーフトーンデータが規定するドットを置換するドット置換部と、
    前記ドットの置換後のハーフトーンデータに基づいて前記印刷データを生成する印刷データ生成部と、を備え、
    前記ドット置換部は、前記ハーフトーンデータにおける所定サイズよりも小さいサイズのドットが所定方向に連続する特定ドット連続部を構成するドットのうち、記録順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として、より大きいサイズのドットへの置換を実行することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ハーフトーン処理部は、画像のエッジ部分を構成するドットのサイズを小さくするエッジ処理を施した前記ハーフトーンデータを生成し、
    前記ドット置換部は、前記エッジ処理によって発生した前記特定ドット連続部について前記置換を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. ドットを吐出する印刷ヘッドを主走査方向へ走査させて印刷媒体への印刷を実行する印刷装置が用いる前記印刷データを生成する画像処理装置であって、
    前記ドット置換部は、前記ハーフトーンデータにおける前記小さいサイズのドットが前記主走査方向に対応して連続する前記特定ドット連続部を構成するドットのうち、前記印刷ヘッドによる吐出順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として前記置換を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 印刷データに基づいて印刷を実行する印刷装置であって、
    画像データに基づいて、画素毎のドットの有無およびサイズを規定したハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理部と、
    前記ハーフトーンデータが規定するドットを置換するドット置換部と、
    前記ドットの置換後のハーフトーンデータに基づいて前記印刷データを生成する印刷データ生成部と、を備え、
    前記ドット置換部は、前記ハーフトーンデータにおける所定サイズよりも小さいサイズのドットが所定方向に連続する特定ドット連続部を構成するドットのうち、記録順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として、より大きいサイズのドットへの置換を実行することを特徴とする印刷装置。
  5. 印刷に用いられる印刷データを生成する画像処理方法であって、
    画像データに基づいて、画素毎のドットの有無およびサイズを規定したハーフトーンデータを生成するハーフトーン処理工程と、
    前記ハーフトーンデータが規定するドットを置換するドット置換工程と、
    前記ドットの置換後のハーフトーンデータに基づいて前記印刷データを生成する印刷データ生成工程と、を備え、
    前記ドット置換工程では、前記ハーフトーンデータにおける所定サイズよりも小さいサイズのドットが所定方向に連続する特定ドット連続部を構成するドットのうち、記録順が遅い側の端のドットを除くドットを対象として、より大きいサイズのドットへの置換を実行することを特徴とする画像処理方法。
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