JP2019080041A - グラファイトヒートシンク及びその製造方法 - Google Patents

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涼 桑原
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Naomi Nishiki
直巳 西木
将人 森
Masahito Mori
将人 森
剛史 西川
Takashi Nishikawa
剛史 西川
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Abstract

【課題】軽量で機械的強度の強いグラファイトヒートシンクを提供する。【解決手段】グラファイトヒートシンクは、グラファイトフィンと、グラファイトフィンの表面の一部に圧入固定された金属と、を備える。【選択図】図2B

Description

本発明は、電子装置等の熱源から放出される熱を管理することができるグラファイトヒートシンク及びその製造方法に関する。
高い処理速度および高周波数で作動する能力があり、小型で、より複雑な電力条件を有する電子装置として、マイクロプロセッサーや電子および電気部品ならびに装置の集積回路等、さらに高出力光学装置等がある。これらの電子装置の開発は益々高度になっており、極端に高い温度が発生することがある。しかしながら、マイクロプロセッサー、集積回路、その他の高性能な電子部品は、特定範囲の閾温度下でのみ効率的に動作するのが一般的である。電子部品の動作中に発生する過剰の熱は、その固有性能に有害であるのみならず、その熱によってシステム全体の性能や信頼性が損なわれ、システムの故障を引き起こす場合もある。電子システムの稼働によって予期される極端な温度を含む環境条件の幅が益々広くなることも、過剰熱による悪影響を助長するものである。
小型電子装置から熱を放散させる必要性が高まるに従い、電子装置の設計においては管理が益々重要な要素になっている。電子装置の性能信頼性および期待される寿命の両方が、電子装置の部品温度に逆比例する。例えば、典型的なシリコン半導体等のデバイスの動作温度を下げることにより、デバイスの処理速度、信頼性および期待される寿命を増加させることができる。従って、最大限の部品寿命や信頼性を得るために最も重要なことは、デバイスの動作温度を、設計者により設定される限度内に制御することである。
こういった熱管理に優れた材料として注目されているのが、グラファイトに代表されるカーボン材である。グラファイトは、一般的な高熱伝導材料であるアルミニウムや銅と同等の熱伝導率を備え、なおかつ銅よりも優れた熱輸送特性を備えていることから、LSIチップのヒートスプレッダ、半導体パワーモジュールのヒートシンクなどに用いられる放熱フィン用の材料として注目されている。
従来のカーボン材を用いたヒートシンクでは、例えば、特許文献1に示すように、脆いカーボン粒子を圧縮固形化した上に金属フィルムによるコーティングを施すことで、グラファイトの剥離を防ぎ、かつ機械的強度を向上させたヒートシンクが提案されている。
特表2009−505850号公報
しかしながら、特許文献1のヒートシンクでは、グラファイト粒子を圧縮固形化した材料から作製されていることから、面方向に緻密なグラファイト構造が形成されていないため、熱輸送性能が低い。また、グラファイト粒子は接着剤で固定せざるを得ず、機械的強度が弱い。さらに、用いるコーティング剤は金属製のため、ヒートシンク全体が重くなっ
てしまう。加えて、金属コーティング、接着接合と、その工程が複雑であり、製造コストが高くなってしまう。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、軽量で機械的強度の強いグラファイトヒートシンクを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るグラファイトヒートシンクは、グラファイトフィンと、
前記グラファイトフィンの表面の一部に圧入固定された金属と、
を備える。
また、本発明に係るグラファイトヒートシンクの製造方法は、複数枚積層された高分子フィルムに圧力を印加すると共に加熱してグラファイト化させたグラファイトプレートを成形してグラファイトフィンを得る工程と、
金属を、前記得られたグラファイトフィンの表面の一部に圧入して固定する工程と、
を含む。
本発明に係るグラファイトヒートシンクにより、軽量で機械的強度が強いグラファイトヒートシンクを提供することができる。
実施の形態1に係るグラファイトヒートシンクの構成を示す概略図である。 図1のグラファイトフィンとフィンベースとの接合構造の模式図である。 図2Aの接合構造の細部を示す拡大図である。 実施の形態1と比較例における熱伝導性評価試験のTEGの模式図である。 グラファイトフィンの両側の少なくとも一方に隙間を設けた場合のグラファイトフィンとフィンベースとの接合構造における圧入前の拡大模式図である。 図4Aのグラファイトフィンをフィンベースに圧入後の接合構造を示す拡大模式図である。 フィン用溝の側面形状がくさび型形状である場合のグラファイトフィンとフィンベースとの接合構造における圧入前の拡大模式図である。 図5Aのグラファイトフィンをフィンベースに圧入後の接合構造を示す拡大模式図である。
第1の態様に係るグラファイトヒートシンクは、グラファイトフィンと、
前記グラファイトフィンの表面の一部に圧入固定された金属と、
を備える。
上記構成によって、グラファイトフィンと金属との接触性を高めることができ、且つ、軽量で高強度のグラファイトヒートシンクを得ることができる。
第2の態様に係るグラファイトヒートシンクは、上記第1の態様において、前記金属の圧入量は、圧入方向に沿った前記グラファイトフィンの厚みの15%以上、35%以下であってもよい。
第3の態様に係るグラファイトヒートシンクは、上記第1又は第2の態様において、前記金属と連続する金属製のフィンベースをさらに備えてもよい。
第4の態様に係るグラファイトヒートシンクの製造方法は、複数枚積層された高分子フィルムに圧力を印加すると共に加熱してグラファイト化させたグラファイトプレートを成形してグラファイトフィンを得る工程と、
金属を、前記得られたグラファイトフィンの表面の一部に圧入して固定する工程と、を含む。
第5の態様に係るグラファイトヒートシンクの製造方法は、上記第4の態様において、前記高分子フィルムは、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリピロメリットイミド、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンベンゾイミタゾール、ポリフェニレンベンゾビスイミタゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
第6の態様に係るグラファイトヒートシンクの製造方法は、上記第4又は第5の態様において、前記金属の圧入量は、圧入方向に沿った前記グラファイトフィンの厚みの15%以上、35%以下であってもよい。
第7の態様に係るグラファイトヒートシンクの製造方法は、上記第4から第6のいずれかの態様において、前記金属を、前記グラファイトフィンの表面の一部に圧入して固定する工程は、
前記金属と連続するフィンベースにフィン用溝を設ける工程と、
前記グラファイトフィンを前記フィン用溝に立てて、前記フィンベースに圧入する工程と、
を含んでもよい。
第8の態様に係るグラファイトヒートシンクの製造方法は、上記第7の態様において、前記グラファイトフィンを前記フィン用溝に立てて、前記フィンベースに圧入する工程において、前記グラファイトフィンと前記フィン用溝との隙間は、前記フィン用溝の幅を100%として、1%〜5%の範囲であってもよい。
以下、実施の形態に係るグラファイトヒートシンク及びその製造方法について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
<グラファイトヒートシンク>
以下、実施の形態1に係るグラファイトヒートシンク101について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態1に係るグラファイトヒートシンク101の構成を示す概略図である。図2Aは、図1におけるグラファイトフィン102とフィンベース103の接合構造100を模式的に示した図である。図2Bは、図2Aの接合構造100の細部の拡大図である。なお、図面において、便宜上、グラファイトフィン102のフィンベース103への圧入方向を−z軸方向として示している。また、フィンベース103の延在方向をx軸方向としている。
このグラファイトヒートシンク101は、グラファイトフィン102と、該グラファイトフィン102の表面の一部に圧入固定された金属103と、を備える。
以下に、このグラファイトヒートシンク101を構成する構成部材について説明する。
<グラファイトフィン>
グラファイトフィン102には、例えば、高配向性グラファイトの加圧積層品を用いることができる。このグラファイトフィン102は、例えば、柱状、板状、箔状等であってもよい。
<フィンベース:金属>
グラファイトフィン102の表面の一部に圧入固定される金属103として、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス、ダイキャストなど、元素単体および合金が使用できる。金属103のうち圧入固定される金属圧入部104は、図2Bの拡大図に示すように、グラファイトフィン102内へ突出する形状であればよい。その形状は、例えば、突状、爪状、柱状、板状、等のいずれであってもよい。
金属103の圧入量106は、圧入方向(−z軸方向)に沿ったグラファイトフィン102の厚みの15%以上、35%以下が好ましく、20%以上、30%以下が特に好ましい。圧入量106が15%未満の場合、グラファイト表面が滑るため保持することができず、落下試験および振動試験などの衝撃によりグラファイトフィン102が滑り出てしまうため、接触が確保できず、放熱性能が低下する。一方、圧入量106が35%を超えると、グラファイトフィン102のグラファイト構造が破壊され面方向(x軸方向)の強度を保持できなくなる。したがって、圧入量106は、圧入方向(−z軸方向)に沿ったグラファイトフィン102の厚みの15%以上、35%以下の範囲が適正である。
また、この金属103は、さらにグラファイトフィン102を支持するフィンベース103を構成していてもよい。この金属及びフィンベース103を介して放熱させることができる。フィンベース103は、グラファイトフィン102を挟持するフィン用溝を設けてもよい。その際、フィンベース103のフィン用溝の近傍にかしめ溝105を形成してもよい。
<グラファイトヒートシンクの製造方法>
次に、このグラファイトヒートシンク101の製造方法について説明する。
(1)まず、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリピロメリットイミド、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンベンゾイミタゾール、ポリフェニレンベンゾビスイミタゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンからなるグループの少なくとも1種の高分子フィルムを複数枚積層して印加圧力を制御しながら加熱焼成することでグラファイト化させたグラファイトプレートを成形してグラファイトフィン102を作製する。
(2)次に、グラファイトフィン102を、溝を切った金属製のフィンベース103上に立てて、フィンベース103の一部をグラファイトフィン102の表面の一部に圧入して固定してグラファイトヒートシンク101を形成する。なお、フィンベース103に用いる金属としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス、ダイキャストなど、元素単体および合金が使用できる。
以上によって、図1に示すグラファイトヒートシンク101が得られる。
さらに、上記(2)のグラファイトフィン102を、金属製のフィンベース103に立て、フィンベース103の一部をグラファイトフィン102の表面の一部に圧入して固定する工程について説明する。
図2Aは、グラファイトフィン102とフィンベース103の接合構造100の模式図である。図2Bは、図2Aの接合構造100の細部の拡大図であって、フィンベース103の一部をグラファイトフィン102の表面の一部に圧入して固定している金属圧入部104を模式的に示した図である。この金属圧入部104の接合構造100を形成する方法の一つとして、溝を切ったフィンベース103の近傍を45°の角度で加圧することにより、フィンベース103の金属をグラファイトフィン102の側に盛り上げ、そのままフィンベース103の一部の金属をグラファイトフィン102内部に圧入させ固定する方法がある。その際、フィンベース103のフィン用溝の近傍にかしめ溝105を形成する。
上記金属圧入部104の接合構造100を形成するもう一つの方法としては、グラファイトの熱膨張率変動が非常に小さいことと、金属の熱膨張との差を利用し、高温環境でフィンベース103の溝を膨張させた部分にグラファイトフィン102を差込み、常温に戻した際には金属の収縮によりグラファイトフィン102を固定できるという方法である。
この方法では、かしめ溝105を形成する必要はない。ただし、この方法では、フィンベース103の熱膨張係数に依存し、例えば、金属がアルミであるアルミベースの場合、500℃でも数μmしか膨張しない。そのため、500℃を超える高温環境および、その環境でグラファイトフィン102を立てる工程が必要であるため、金属圧入部の接合構造を形成する工程としては、前者の工程が好ましい。
更に、フィンベース103のフィン用溝とグラファイトフィン102の位置関係について、検討した結果、フィン用溝114とグラファイトフィン102の両側との間のうち少なくともどちらか一方の間に隙間112があることが好ましいことがわかった。
図4A及び図4Bは、グラファイトフィン102の両側の少なくとも一方に隙間112を設けた場合のグラファイトフィン102とフィンベース103の接合構造における圧入前及び圧入後の拡大模式図である。図4Aは、圧入前、図4Bは、圧入後の状態を示している。フィン用溝114に合わせてグラファイトフィン102を立てると、そのフィン用溝114とグラファイトフィン102との間に隙間112が形成される(図4A)。その後、フィンベース103を局所的に加圧し、かしめ溝105を形成することでグラファイトフィン102に食い込むように金属圧入部104ができる(図4B)。そこで構造的な対称性を考慮すると、グラファイトフィン102の両側に均等な隙間112を持つことが特に好ましい。
グラファイトフィン102の両側とも隙間が無い場合、フィンベース103への圧入の瞬間にグラファイトフィン102がわずかに持ち上げられるため、フィン用溝114の底面とグラファイトフィン102の断面との接触が不十分となり、十分な熱伝導性が得られない場合がある。一方、グラファイトフィン102の両側のうち少なくともどちらか一方に隙間112があれば、グラファイトフィン102の圧入のタイミングがわずかにずれる。このため、グラファイトフィン102自体は持ち上がらず、グラファイトフィン102とフィンベース103のフィン用溝114の底面との接触が保持される。
隙間112は、(フィン用溝114の底面の幅―グラファイトフィン102の厚さ)で定義され(図4A)、フィン用溝114の底面の幅に対し、隙間112が1〜5%であることが好ましい。
また、フィン用溝114の形状は、矩形に限定されない。圧入後にグラファイトフィン102の断面とフィン用溝114の底面との接触が確保され、信頼性強度が維持できればよい。従って、圧入前にグラファイトフィン102の位置が固定でき、圧入の瞬間にグラファイトフィン102にかかる力がフィンベース103方向(図の下向き:−z方向)であれば尚よい。
図5Aは、フィン用溝114の側面形状がくさび型形状である場合のグラファイトフィン102とフィンベース103との接合構造における圧入前の拡大模式図である。図5Bは、図5Aのグラファイトフィン102をフィンベース103に圧入後の接合構造を示す拡大模式図である。例えば、フィン用溝114の側面の形状としては、図5A及び図5Bのようなくさび型形状であれば、圧入の瞬間にグラファイトフィン102をフィンベース103に押し込む効果が得られるため、非常に好ましい。なお、図5A及び図5Bに示すフィン用溝114の側面形状は例示であってこれに限定されるものではない。例えば、突状、爪状、柱状、板状等であってもよい。ただし、加工面でのコストがかかるため、矩形を用いるのが一般的である。
なお、上述のように、フィンベース103の一部の金属の圧入量106は、圧入方向(−z軸方向)に沿ったグラファイトフィン102の厚みの15%以上、35%以下が好ましく、20%以上、30%以下が特に好ましい。圧入量106が15%未満の場合、グラファイト表面が滑るため保持することができず、落下試験および振動試験などの衝撃によりグラファイトフィン102が滑り出てしまうため、接触が確保できず、放熱性能が低下する。一方、圧入量106が35%を超えると、グラファイトフィン102のグラファイト構造が破壊され面方向(x軸方向)の強度を保持できなくなる。したがって、圧入量106は、圧入方向(−z軸方向)に沿ったグラファイトフィン102の厚みの15%以上、35%以下の範囲が適正である。
この構成によると、グラファイトフィン102と金属であるフィンベース103との接続について、接着剤の化学結合とは異なり、機械的に接続することが可能となるため、従来のグラファイトを用いたヒートシンクよりも高強度を実現できる。また、前述した先行文献のように金属コーティング剤、接着剤といった構成材料が不要であるため、従来のグラファイトヒートシンクに比べ約3/4に軽量化できる。また、接合がかしめ工程のみで完了するため、工程が簡素化でき、生産性が大きく向上する。
(実施例1)
以下のように、実施例1に係るグラファイトヒートシンク101を作製した。
まず、グラファイトフィン102は縦50mm、横50mm、厚み0.2mmの高配向性グラファイトの加圧積層品を使用した。出発原料としては、高分子フィルムとしてポリオキサジアゾールを複数枚積層して印加圧力を制御しながら焼成することでグラファイト化させたグラファイトプレートを使用した。また、フィンベース103には□50mm、厚み5mm、溝は深さ2mm、本数8本、ピッチ4mmのアルミニウム製ベースを用いた。また、かしめ時には、15tの加圧力でグラファイトフィン102に圧入量0.06mm(30%)でアルミニウムを圧入しグラファイトヒートシンク101を作製した。作製したグラファイトヒートシンク101は、落下試験および振動試験前後の熱伝導性試験によって性能評価を行った。
なお、上記高配向性グラファイトの加圧積層品の出発原料としては、高分子フィルムとして、上記ポリオキサジアゾールに限られない。例えば、高分子フィルムとしてポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリピロメリットイミド、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンベンゾイミタゾール、ポリフェニレンベンゾビスイミタゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンからなるグループの少なくとも1種を用いてもよい。
(実施例2)
実施例2では、アルミニウム圧入量を0.04mm(20%)とした以外は実施例1と実質的に同様の条件でグラファイトヒートシンクを作製した。
(実施例3)
実施例3では、アルミニウム圧入量を0.03mm(15%)とした以外は実施例1と実質的に同様の条件でグラファイトヒートシンクを作製した。
(実施例4)
実施例4では、アルミニウム圧入量を0.07mm(35%)とした以外は実施例1と実質的に同様の条件でグラファイトヒートシンクを作製した。
(実施例5)
実施例5では、グラファイトプレートに5μ厚のポリイミドコーティングを施し、その他の条件は実施例1と同じにしてグラファイトヒートシンクを作製した。
(比較例1)
比較例1として、高分子フィルムとしてポリエステルフィルム(実施例1以外のもの)を使用して作製した加圧積層品を用いた以外は実施例1と同様の条件でヒートシンクを作製した。
(比較例2)
比較例2として、実施例1におけるグラファイトプレートおよびフィンベースを用い、グラファイトプレートとフィンベースとを導電性グリース(信越シリコーン)にて接着したヒートシンクを作製した。
(比較例3)
比較例3として、アルミニウム圧入量を0.02mm(10%)とした以外は実施例1と実質的に同様の条件でグラファイトヒートシンクを作製した。
(比較例4)
比較例4として、アルミニウム圧入量を0.08mm(40%)とした以外は実施例1と実質的に同様の条件でグラファイトヒートシンクを作製した。
<評価方法>
(熱伝導性評価試験)
実施例および比較例で作製したサンプルは、落下試験および振動試験前後に熱伝導性評価試験を行った。図3は、熱伝導性評価TEGの模式図である。強制冷却環境による評価で、前記実施例および比較例にて記述したグラファイトヒートシンクの中央直下に測温部108(□10mm、t(厚み)5mm、銅製)、ヒータ110(□10mm、t(厚み)1mm、セラミック製)をグリス層107を0.3mm塗布して接着し、直上には□50mmサイズのファン109(型番UDQF56C11CET(Panasonic))を設置して、ヒータおよびファンを入力11Vで稼動した際のヒーターおよびヒートシンクの境界部の温度を測定して評価した。
(落下試験・振動試験)
各サンプルについて下記表1に示す条件にて、試験を実施した。
Figure 2019080041
<考察>
表2は、実施例1〜5、比較例1〜4の熱伝導性の評価結果である。
Figure 2019080041
熱伝導性評価は、従来のアルミヒートシンクにおける評価結果との比較にて判断した。
アルミヒートシンクの構造としては、ベース部およびフィン部が一体となったサンプルにて評価した。サイズはベース部が□50mm、厚さ5mm、フィン部は高さ48mm、厚み200μm、本数8本、ピッチ4mmのものを用いた。
評価基準は以下の通りとする。
(1)落下/振動試験前で温度差が5℃以上、かつ、落下/振動試験前後差0.3℃以下 ◎
(2)落下/振動試験前の温度差が5℃以上、かつ、落下/振動試験前後差0.4〜1℃ ○
(3)落下/振動試験前の温度差が5℃以上、かつ、落下/振動試験前後差1℃以上 ×
(4)落下/振動試験前の温度差が5℃以下 ××
また、強度評価の判定基準は、落下および振動試験後の熱伝導性評価を行った後に断面観察を行い、グラファイト層が衝撃および振動によって折れることに起因するクラックが発生していなければ○、発生していれば×とした。
最後に、総合評価として、熱伝導性評価および強度評価の両方が◎または○の場合のみを○、どちらか一方もしくは両方が×の場合は×とした。
実施例1,2に示す通り、フィンベース103の金属のグラファイトフィン102の表面の一部への圧入量が厚みの20%以上、30%以下の範囲においては、グラファイトフィン102の面方向(x軸方向)のグラファイト構造を破壊することがない。しかも、グラファイトフィン102とフィンベース103との接触が滑ることなく確保されているため、落下および振動試験後の温度変化が0.2℃以下になる。また、実施例3,4に示すとおり、圧入量がグラファイトフィン102の厚みの15%以上、35%以下の範囲でも、温度変化は0.6℃以下に抑えることができ、十分な放熱性能を維持していると言える。また、強度評価に関して、厚みの35%以下の圧入量であれば、アルミの圧入によりグラファイトの一部が変形するものの、グラファイトフィン102の面内のグラファイト構造は切断されない。そのため、グラファイトフィン102のグラファイト層が折れることなく、クラックは発生しない。
一方、比較例1に示すとおり、実施例1に示す材料以外の高分子フィルムを用いた場合、高分子フィルムのグラファイト化が不十分であり、かしめ時の接合強度も出ないため、落下・振動試験後には測定不能となりヒートシンクとして機能しなくなる。また、比較例2に示すとおり、グラファイトフィンとフィンベースとの接着接合によるグラファイトヒートシンクでは、落下・振動試験前では同等レベルの熱伝導性を示すものの、試験後には接着が外れ、グラファイトフィン102の一部が滑り落ちるため、熱伝導性は低下する。
また、比較例3に示すとおり,かしめ時の金属の圧入量が小さい場合、落下および振動試験後に滑りが発生するため、熱伝導性が低下する。ただし、比較例2,3では、グラファイトフィン102は接着剤やフィンベースとの密着性が弱くて滑り落ちるため、グラファイト層にはクラックは発生しない。さらに、比較例4に示すとおり、かしめ時の金属の圧入量が大きすぎる場合、落下および振動試験後にクラックが発生するため、熱伝導性および強度が低下する。
表3は、実施例1の条件において、フィンベースにフィン用溝を設けると共に、グラファイトフィンとフィン用溝との隙間について、様々な隙間を設定した場合(No.1〜12)において、その隙間を測定すると共に、その熱伝導性評価及び強度評価を行った結果を示す表である。なお、隙間112は、(フィン用溝114の底面の幅―グラファイトフィン102の厚さ)で定義される。
Figure 2019080041
表3に示すように、隙間の大きさがフィン用溝の幅の1%未満(No.11)では前述のとおり底面との接触が不安定となって初期の放熱性能が低下することがわかる。また、隙間の大きさがフィン用溝の幅の5%より大きくなれば(No.12)、形状が不安定になり、振動・衝撃試験後の放熱性能が低下することがわかる。したがって、隙間の大きさは、フィン用溝の幅の1〜5%の範囲であることが好ましい。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本発明に係るグラファイトヒートシンクは、産業機器および車載分野における発熱部の放熱用途に適用できる。
100 接合構造
101 グラファイトヒートシンク
102 グラファイトフィン
103 フィンベース(金属)
104 金属圧入部
105 かしめ溝
106 金属圧入量
107 グリス層
108 測温部(熱電対)
109 ファン
110 ヒータ
111 支え板
112 隙間
114 フィン用溝

Claims (8)

  1. グラファイトフィンと、
    前記グラファイトフィンの表面の一部に圧入固定された金属と、
    を備えた、グラファイトヒートシンク。
  2. 前記金属の圧入量は、圧入方向に沿った前記グラファイトフィンの厚みの15%以上、35%以下である、請求項1に記載のグラファイトヒートシンク。
  3. 前記金属と連続する金属製のフィンベースをさらに備える、請求項1又は2に記載のグラファイトヒートシンク。
  4. 複数枚積層された高分子フィルムに圧力を加えると共に加熱してグラファイト化させたグラファイトプレートを成形してグラファイトフィンを得る工程と、
    金属を、前記得られたグラファイトフィンの表面の一部に圧入して固定する工程と、
    を含む、グラファイトヒートシンクの製造方法。
  5. 前記高分子フィルムは、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリピロメリットイミド、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンベンゾイミタゾール、ポリフェニレンベンゾビスイミタゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載のグラファイトヒートシンクの製造方法。
  6. 前記金属の圧入量は、圧入方向に沿った前記グラファイトフィンの厚みの15%以上、35%以下である、請求項4又は5に記載のグラファイトヒートシンクの製造方法。
  7. 前記金属を、前記グラファイトフィンの表面の一部に圧入して固定する工程は、
    前記金属と連続するフィンベースにフィン用溝を設ける工程と、
    前記グラファイトフィンを前記フィン用溝に立てて、前記フィンベースに圧入する工程と、
    を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載のグラファイトヒートシンクの製造方法。
  8. 前記グラファイトフィンを前記フィン用溝に立てて、前記フィンベースに圧入する工程において、前記グラファイトフィンと前記フィン用溝との隙間は、前記フィン用溝の幅を100%として、1%〜5%の範囲である、請求項7に記載のグラファイトヒートシンクの製造方法。
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