JP2019070200A - 蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、蒸着マスク準備体、及び有機半導体素子の製造方法 - Google Patents

蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、蒸着マスク準備体、及び有機半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高精細化と軽量化の双方を満たしつつも、樹脂マスクに形成された開口部の形状パターンが正常である否かの確認等を正確に行うことができる蒸着マスクを提供すること、及びこの蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体を提供すること、並びに、この蒸着マスクを備えるフレーム付き蒸着マスクを提供すること、さらには、このフレーム付き蒸着マスクを用いた有機半導体素子の製造方法を提供すること。【解決手段】スリット15が形成された金属マスク10と当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部25が形成された樹脂マスク20とが積層されてなる蒸着マスク100であって、波長550nmの光線透過率が40%以下の樹脂マスクを用いることで上記課題を解決している。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、蒸着マスク準備体、及び有機半導体素子の製造方法に関する。
有機EL素子を用いた製品の大型化或いは基板サイズの大型化にともない、蒸着マスクに対しても大型化の要請が高まりつつある。そして、金属から構成される蒸着マスクの製造に用いられる金属板も大型化している。しかしながら、現在の金属加工技術では、大型の金属板に開口部を精度よく形成することは困難であり、開口部の高精細化への対応はできない。また、金属のみからなる蒸着マスクとした場合には、大型化に伴いその質量も増大し、フレームを含めた総質量も増大することから取り扱いに支障をきたすこととなる。
このような状況下、特許文献1には、スリットが設けられた金属マスクと、金属マスクの表面に位置し蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクとが積層されてなる蒸着マスクが提案されている。特許文献1に提案がされている蒸着マスクによれば、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができ、また、高精細な蒸着パターンの形成を行うことができるとされている。
特許第5288072号公報
本発明は、高精細化と軽量化の双方を満たしつつも、樹脂マスクに形成された開口部の形状パターンが正常である否かの検査を正確に行うことができる蒸着マスクを提供すること、及びこの蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体を提供すること、並びに、この蒸着マスクを備えるフレーム付き蒸着マスクを提供すること、さらには、このフレーム付き蒸着マスクを用いた有機半導体素子の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクを含み、前記樹脂マスクの樹脂部分の波長550nmの光線透過率が40%以下である。
また、上記課題を解決するための本発明の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクを含み、前記樹脂マスクの樹脂部分の波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が40%以下である。
また一実施形態の蒸着マスクは、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層されてなる蒸着マスクであって、前記樹脂マスクは、波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が40%以下であることを特徴とする。
また、一実施形態の発明は、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層されてなる蒸着マスクにおいて、前記樹脂マスクは、波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴とする。
上記の発明においては、前記樹脂マスクが、色材成分を含有していることが好ましい。また、前記樹脂マスクの厚みが、3μm以上10μm未満であることが好ましい。
また、上記課題を解決するための本発明は、フレーム付き蒸着マスクであって、フレームに上記の蒸着マスクが固定されている。
また一実施形態のフレーム付き蒸着マスクは、フレーム上に、蒸着マスクが固定されてなるフレーム付き蒸着マスクであって、前記蒸着マスクは、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層されてなり、前記樹脂マスクは、波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が40%以下であることを特徴とする。
また、一実施形態のフレーム付き蒸着マスクは、フレーム上に、蒸着マスクが固定されてなるフレーム付き蒸着マスクであって、前記蒸着マスクは、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層されてなり、前記樹脂マスクは、波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクを含む蒸着マスクの製造に用いられる蒸着マスク準備体であって、前記樹脂マスクを得るための樹脂板を有し、前記樹脂板の波長550nmの光線透過率が40%以下である。
また、上記課題を解決するための本発明は、蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクを含む蒸着マスクの製造に用いられる蒸着マスク準備体であって、前記樹脂マスクを得るための樹脂板を有し、前記樹脂板の波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が40%以下である。
また、一実施形態の蒸着マスク準備体は、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層されてなる蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体であって、樹脂板の一方の面上にスリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、前記樹脂板は、波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が40%以下であることを特徴とする。
また、一実施形態蒸着マスク準備体は、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層されてなる蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体において、樹脂板の一方の面上にスリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、前記樹脂板は、波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、有機半導体素子の製造方法であって、上記のフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含む。
また、一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、フレームに蒸着マスクが固定されたフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、前記蒸着パターンを形成する工程で、前記フレームに固定される前記蒸着マスクは、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層され、さらに、当該樹脂マスクは、波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が40%以下であることを特徴とする。また、一実施形態の発明は、有機半導体素子の製造方法であって、フレームに蒸着マスクが固定されたフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、前記蒸着パターンを形成する工程で、前記フレームに固定される前記蒸着マスクは、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層され、さらに、当該樹脂マスクは、波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴とする。
本発明の蒸着マスクや、フレーム付き蒸着マスクによれば、高精細化と軽量化の双方を満たしつつも、樹脂マスクに形成された開口部の形状パターンが正常である否かの検査を正確に行うことができる。また、本発明の蒸着マスク準備体によれば、上記特徴の蒸着マスクを簡便に製造することができる。また、本発明の有機半導体素子の製造方法によれば、有機半導体素子を精度よく製造することができる。
(a)は、一実施形態の蒸着マスクを金属マスク側からみた正面図であり、(b)は、(a)のA−A断面図である。 実施形態(A)の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 実施形態(A)の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 実施形態(A)の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 実施形態(A)の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 実施形態(B)の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 実施形態(B)の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 (a)〜(d)は、いずれも樹脂マスクを透過する透過光の状態を模式的に示す蒸着マスクの概略断面図であり、(a)〜(c)は一実施形態の蒸着マスクであり、(d)は比較の蒸着マスクである。 フレーム付き蒸着マスクの一例を示す正面図である。 フレーム付き蒸着マスクの一例を示す正面図である。 フレームの一例を示す正面図である。 (a)〜(e)はそれぞれ、樹脂マスクのサンプル1、2、4〜6の陰影図である。
<<蒸着マスク>>
以下、本発明の一実施形態の蒸着マスク100について具体的に説明する。図1に示すように、一実施形態の蒸着マスク100は、スリット15が形成された金属マスク10と当該スリット15と重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部25が形成された樹脂マスク20とが積層された構成をとる。なお、図1(a)は、一実施形態の蒸着マスクを金属マスク10側から見た正面図であり、(b)は、(a)のA−A概略断面図である。
(樹脂マスク)
図1に示すように、樹脂マスク20には、複数の開口部25が設けられている。そして、本発明の一実施形態の蒸着マスク100は、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴としている。
蒸着対象物の被蒸着面に、一実施形態の蒸着マスク100を用いて蒸着パターンを作製するにあたっては、蒸着対象物の被蒸着面と、蒸着マスク100の樹脂マスク20側の面とを対向させ、蒸着対象物の被蒸着面と、蒸着マスクの樹脂マスク20とを密接させた状態で行われる。そして、蒸着源から放出された蒸着材を、樹脂マスク20に形成されている開口部25を通して蒸着対象物の被蒸着面に付着させることで、蒸着対象物の被蒸着面に、樹脂マスク20に形成されている開口部25に対応する蒸着パターンが作製される。なお、一実施形態の蒸着マスクを用いた蒸着方法についていかなる限定もされることはなく、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着法等の物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition)、熱CVD、プラズマCVD、光CVD法等の化学気相成長法(chemical vapor
deposition)等を挙げることができる。
つまり、上記蒸着対象物の被蒸着面への蒸着パターンの作製方法において、蒸着対象物の被蒸着面に形成される蒸着パターンは、樹脂マスク20に形成されている開口部25の開口パターンによって決定されることとなる。このことから、蒸着マスク100の樹脂マスク20には、蒸着対象物の被蒸着面に形成を所望する蒸着パターン通りに、開口部25の開口パターンが形成されていることが重要であり、蒸着マスクの使用前、すなわち、蒸着マスクの製造を行った後には、当該蒸着マスク100の樹脂マスク20に形成されている開口部25の開口パターンが、蒸着対象物の被蒸着面に形成を所望する蒸着パターン通りに形成されているか否かを検査することが必要となる。
蒸着マスク100の樹脂マスク20に形成されている開口部25の開口パターンが、蒸着対象物の被蒸着面に形成を所望する蒸着パターン通りになっているか否かを判別する検査方法の一つとして、樹脂マスク20に可視光を照射し、樹脂マスク20において当該可視光を透過した領域と、透過しない、或いは透過しにくい領域とによって形成される陰影により、樹脂マスク20に形成された開口パターンの検査を行う方法がある。具体的には、樹脂マスク20の金属マスク10と接しない面側から樹脂マスク20に可視光を照射し、その透過光を金属マスク10の樹脂マスク20と接しない面側からカメラにて撮像し、或いは、金属マスク10の樹脂マスク20と接しない面側から樹脂マスク20に可視光を照射し、その透過光を樹脂マスク20の金属マスク10と接しない面側からカメラにて撮像し、撮像された透過光による陰影により、樹脂マスク20に形成された開口パターンの検査を行う方法である。
上記の開口パターンの検査を行う場合において、開口部が形成されているマスクが、可視光を透過しない金属材料からなるマスクである場合には、当該マスクに形成された開口部の開口パターンの陰影の濃淡のコントラストは高く、開口パターンの検査を問題なく行うことができる。一方で、開口部が形成されているマスクが、可視光を透過する樹脂材料からなるマスクである場合には、当該マスクに形成された開口部の開口パターンの陰影の濃淡のコントラストは低くなり、開口パターンの検査を十分に行うことができない問題が生ずることとなる。つまり、スリット15が形成された金属マスク10と当該スリット15と重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部25が形成された樹脂マスク20とが積層された構成をとり、高精細化と軽量化の双方を満たすことができる蒸着マスクにおいては、樹脂マスクに形成がされている開口部の開口パターンの検査を正確に行うことができない問題が内在することとなる。しかしながら、高精細化と軽量化の双方を満たすことができる上記の蒸着マスクにおいて、樹脂マスク20に可視光を照射したときの可視光の透過率、具体的には、樹脂マスク20の開口部25が形成されていない領域(以下、開口部非形成領域と言う場合がある。)における可視光の透過率については、何ら考慮されていないのが現状である。撮像された透過光による陰影の濃淡のコントラストを高めるためには、樹脂マスク20の開口部25のみが可視光を透過し、樹脂マスク20の開口部非形成領域においては可視光を透過しない、或いはその透過率が低いことが望ましい。しかしながら、可視光の透過率について何ら考慮がされていない従来の樹脂マスクにおいては、樹脂マスクの開口部非形成領域においても可視光が透過してしまい、カメラで撮像される陰影の濃淡のコントラストが低くなり、陰影のエッジ部、換言すれば、樹脂マスク20に形成された開口部25の開口パターンにおけるエッジ部を正確に把握することが困難となる。エッジ部を正確に把握できない場合には、蒸着マスク100の樹脂マスク20に形成されている開口部25の開口パターンが、蒸着対象物の被蒸着面に形成を所望する蒸着パターン通りになっているか否かを検査することが困難となる。
本発明の一実施形態の蒸着マスク100は、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴とするものであり、この蒸着マスク100によれば、樹脂マスク20に可視光を照射したときに、当該可視光が樹脂マスク20の開口部非形成領域を透過することを抑制することができ、カメラで撮像される陰影の濃淡のコントラストを高め、陰影のエッジ部、換言すれば、樹脂マスク20に形成された開口部25の開口パターンにおけるエッジ部を正確に把握することが可能となる。これにより、蒸着マスク100の樹脂マスク20に形成されている開口部25の開口パターンが、蒸着対象物の被蒸着面に形成を所望する蒸着パターン通りになっているか否かを判別することができる。特に、本発明の一実施形態の蒸着マスクによれば、樹脂材料からなるマスクに開口部25が形成されることから、当該マスクにおける開口部25を高精細なものとすることができる。一般的に、開口部25の高精細化が進むにつれ、撮像される陰影の濃淡のコントラストは低くなる傾向にあるが、上記のとおり、本発明においては、波長550nmの光線透過率を40%以下に規定した樹脂マスク20としていることから、陰影の濃淡のコントラストを十分に高めることができる。したがって、開口部25を高精細化した場合、例えば、400ppiを超える高精細な開口部25が形成された樹脂マスクとした場合であっても、当該開口部25の開口パターンの検査を正確に行うことができる。
本願明細書で言う樹脂マスク20の光線透過率とは、樹脂マスク20において開口部25が形成されていない領域である開口部非形成領域を透過する光の透過率を意味する。
可視光の光線透過率は、(株)島津製作所製の分光光度計(MPC−3100)等を用いて測定することができる。
本発明の一実施形態の蒸着マスク100において、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率を40%以下と規定しているのは、波長550nmは可視光の略中心の波長であり、波長550nmの光線透過率を40%以下とすることで、可視光を照射することで撮像される陰影の濃淡のコントラストを十分に高めることができることによる。より具体的には、入射光である透過光源のスペクトル、例えば、白色光源のスペクトルには可視光の略中心の波長である550nmの波長が含まれることから、波長550nmの光線透過率を40%以下とすることで、撮像される陰影の濃淡のコントラストを十分に高めることができる。なお、波長550nmにおける光線透過率が40%を超える場合には、可視光を照射したときの陰影の濃淡のコントラストを十分に高めることができず、陰影のエッジ部を正確に把握することができない。波長550nmの光線透過率は、上記の通り40%以下との条件を満たすものであればよいが、好ましくは、30%以下であり、より好ましくは10%以下である。下限値について特に限定はなく0%である。特に、波長550nmの光線透過率を10%以下とした場合には、陰影の濃淡のコントラストをより十分に高めることができるため、検査精度をさらに向上させることができる。
さらには、波長550nmの光線透過率が40%以下であり、波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が55%以下の樹脂マスク、特には、波長550nmの光線透過率が40%以下であり、波長380nm〜780nmの光線透過率の最大値が55%以下の樹脂マスクとすることが好ましい。また、波長450nm〜650nm、特には、波長380nm〜780nmの光線透過率の最大値が40%以下の樹脂マスクとすることがより好ましい。また、波長550nmの光線透過率が40%以下であり、可視光波長領域の光線透過率の最大値が55%以下の樹脂マスクとすることがさらに好ましく、可視光波長領域の光線透過率の最大値が40%以下の樹脂マスクとすることが特に好ましい。最も好ましくは、450nm〜650nmの光線透過率の最大値が10%以下、特には、波長380nm〜780nmの光線透過率の最大値が10%以下の樹脂マスク、或いは、可視光波長領域の光線透過率の最大値が10%以下の樹脂マスクである。ここで言う可視光波長領域とは、JIS−Z8120(2001)で規定される波長範囲を意味し、短波長限界360〜400nm、長波長限界760〜830nmである。波長550nmの光線透過率のみならず、波長380nm〜780nm、或いは可視光波長領域の光線透過率を上記好ましい範囲とすることで、広い波長において陰影の濃淡のコントラストの偏りを抑制することができ、陰影の濃淡のコントラストをさらに高めることが可能となる。
樹脂マスク20の材料について限定はなく、例えば、レーザー加工等によって高精細な開口部25の形成が可能であり、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さく、軽量な材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料の中でも、熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましく、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましく、この双方の条件を備える樹脂材料が特に好ましい。この樹脂材料を用いた樹脂マスクとすることで、開口部25の寸法精度を向上させることができ、かつ熱や経時での寸法変化率や吸湿率を小さくすることができる。上記に例示した樹脂マスクの材料の中で、特に好ましい材料はポリイミド樹脂である。
上記で例示した材料等から構成される樹脂マスク20において、当該樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率を40%以下とする手段について特に限定はなく、例えば、樹脂マスク20を以下の第1の手段〜第3の手段の構成とすることで実現可能である。なお、樹脂マスク20は、以下で説明する構成に限定されるものではなく、結果的に、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率が40%以下となっていればよい。以下で説明する各手段によれば、図8(a)〜(c)に示すように、樹脂マスク20の開口部非形成領域を可視光が透過しない、或いは、その透過を抑制することができ、陰影の濃淡のコントラストを十分に高めることができる。一方、図8(d)に示すように、従来の蒸着マスク100Xでは、樹脂マスク20Xの開口部非形成領域を可視光が透過しやすく、陰影の濃淡のコントラストを十分に高めることができない。
(第1の手段)
第1の手段は、図8(a)に示すように、上記で例示した材料等から構成される樹脂マスク20に色材成分を含有せしめて、波長550nmの光線透過率を40%以下とする手段である。換言すれば、第1の手段における樹脂マスク20は、上記で例示した材料等とともに色材成分を含有している。色材成分について特に限定はなく、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率が40%以下とすることができる材料、及び含有量を適宜選択すればよい。色材成分は、有機材料であってもよく、無機材料であってもよく、従来公知の染料や、顔料、これらの微粒子等を適宜選択して用いることができる。また、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率が40%以下とすることができるものであれば、これ以外を用いることもできる。色材成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いることもできる。また、樹脂マスク20が含有する色材成分としては、樹脂マスク20、或いは後述する樹脂板を形成するときのプロセス温度等を考慮して選定すればよい。例えば、樹脂マスクの材料としてポリイミド樹脂を用いる場合には、耐熱性の高い色材成分を用いることが好ましい。色材成分の形状についても特に限定はなく、従来公知の形状、例えば、球状、針状、鱗片状等の粒子を用いればよく、また、大きさについても、特に限定はない。なお、色材成分の大きさが1μmを超えると、色材成分を含有する樹脂マスク20としたときに、突起等の欠陥が生じやすくなる。この点を考慮すると、色材成分の大きさは、1μm以下であることが好ましい。大きさの下限値について特に限定はないが、1nm程度である。
色材成分の一例としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、二酸化チタン、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化マンガン、二酸化マンガン、酸化クロム、二酸化クロム、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、群青、アニリンブラック、活性炭等を挙げることができる。なお、色材成分の含有量が多くなるにつれ、樹脂マスクの強度が低下していく傾向にあり、蒸着マスクを用いて蒸着対象物の被蒸着面に蒸着パターンを作製する蒸着工程や、蒸着マスクを洗浄する洗浄工程等において、使用耐久性が低下しやすくなる。したがって、色材成分としては、遮光性が高くなる形状や、材料を用いて、色材成分の含有量を少なくすることが好ましい。色材成分は、波長依存性が小さい黒色のものが好ましい。上記に例示した色材成分の中でも、カーボンブラック、黒色酸化鉄、酸化チタン、二酸化チタンは特に好ましい色材成分である。色材成分の含有量は、樹脂マスクの樹脂材料の総質量に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることが特に好ましい。これは、樹脂マスク20の樹脂材料の合計質量に対する色材成分の含有量が20質量%を超えると、樹脂マスク20中における色材成分の分散性が不均一となり、色材成分を含有する樹脂マスク20において欠陥数が増大し、樹脂マスクの強度低下を引き起こすことによる。
また、第1の手段における樹脂マスク20は、上記樹脂マスクの材料、色材成分のほか、任意の成分が含まれていてもよい。例えば、分散剤など、第1の手段の樹脂マスクを形成する上で必要な成分を任意に配合することができる。後述する第2の手段の樹脂マスク20における色材層40についても同様である。
第1の手段における樹脂マスク20の厚みについて特に限定はないが、シャドウの発生の抑制効果をさらに向上せしめる場合には、樹脂マスク20の厚みは、10μm未満であることが好ましい。下限値の好ましい範囲について特に限定はないが、樹脂マスク20の厚みが3μm未満である場合には、ピンホール等の欠陥が生じやすく、また変形等のリスクが高まる。特に、樹脂マスク20の厚みを、3μm以上10μm未満、より好ましくは4μm以上8μm以下とすることで、400ppiを超える高精細パターンを形成する際のシャドウの影響をより効果的に防止することができる。また、樹脂マスク20と後述する金属マスク10とは、直接的に接合されていてもよく、粘着剤層を介して接合されていてもよいが、粘着剤層を介して樹脂マスク20と金属マスク10とが接合される場合には、樹脂マスク20と粘着剤層との合計の厚みが上記好ましい厚みの範囲内であることが好ましい。なお、シャドウとは、蒸着源から放出された蒸着材の一部が、金属マスクのスリットや、樹脂マスクの開口部の内壁面に衝突して蒸着対象物へ到達しないことにより、目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる未蒸着部分が生ずる現象のことをいう。
(第2の手段)
第2の手段は、図8(b)に示すように、金属マスク10と接しない樹脂マスク20の開口部非形成領域上に色材層40を形成することで、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率を40%以下とする手段である。なお、ここで言う色材層40は、樹脂マスク20に含まれるものとする。つまり、樹脂マスク20と色材層40の積層体において波長550nmの光線透過率が40%以下となっていればよい。
色材層の材料は、上記第1の手段で説明した色材成分を適宜選択し、当該色材成分を含有する層とすればよい。色材層40の厚みについて特に限定はないが、樹脂マスク20と色材層40との合計の厚みが、上記第1の手段で説明した樹脂マスク20の厚みとなっていることが好ましい。
(第3の手段)
第3の手段は、図8(c)に示すように、樹脂マスクの厚みを厚くすることで、波長550nmの光線透過率を40%以下とする手段である。
第3の手段により、波長550nmの光線透過率を40%以下とすることができる樹脂マスク20の厚みは、樹脂マスクの材料等に応じて適宜設定することができるが、通常30μm以上である。
上記で説明したように、シャドウの発生の抑制を目的とする場合には、樹脂マスクの厚みは、10μm未満とすることが好ましい。したがって、本発明においては、上記第1の手段、或いは上記第2の手段を用いて、波長550nmの光線透過率が40%以下の樹脂マスク20とすることが好ましい。なお、第2の手段の樹脂マスク20においては、樹脂マスク20から色材層40が剥離してしまう問題や、蒸着マスク100を洗浄する洗浄工程や、第2の手段の樹脂マスク20を得るために開口部25を形成する段階において、剥離片が生ずる問題が内在する。樹脂マスク20に色材成分を含有せしめた第1の手段の樹脂マスクによれば、これらの問題が内在しておらず、第2の手段の樹脂マスク20と比較して、好ましい手段であると言える。また、第3の手段の樹脂マスクにおいては、樹脂マスク20の厚みが厚くなることで、開口部25を形成するときの時間が長くなる問題や、レーザー加工等によって、開口部25を形成するときのエネルギーの増大、シャドウが発生しやすくなる等の問題が内在する点で、第1の手段、第2の手段の樹脂マスクの方が好ましいと言える。
また、レーザー加工等を用いて、樹脂マスクに開口部25を形成したときには、樹脂マスクの材料が、開口部25内、或いは開口部25の近傍に異物として存在する場合もあるが、第1の手段における樹脂マスク20は、樹脂マスク20自体が可視光の透過を抑制する機能を有している、つまりは、樹脂マスクの材料起因による異物自体も可視光の透過を抑制する機能を有する。したがって、第1の手段の樹脂マスク20によれば、開口部25のエッジ部のみならず、樹脂マスクの材料起因による異物についても陰影により正確に把握することができる。さらには、色材成分を含有せしめる第1の手段の樹脂マスク20によれば、透過率の調整が容易であり、簡便に、波長550nmの光線透過率が40%以下の樹脂マスク20とすることができる。
また、一実施形態の蒸着マスク100の樹脂マスク20においては、上記で説明した第1の手段〜第3の手段を組合せることもできる。また、これ以外の各種の手段を組合せて、波長550nmの光線透過率が40%以下となる樹脂マスク20とすることもできる。
図8(a)〜(c)に示すように、波長550nmの光線透過率が40%以下となる樹脂マスク20によれば、可視光を透過しない、或いは、樹脂マスクの開口部非形成領域を透過する透過光を抑えることができる。図8(d)は、従来の蒸着マスクに可視光を照射した時に、開口部25、及び開口部非形成領域を透過する透過光の状態を模式的に示す蒸着マスクの概略断面図である。比較として、図8(a)〜(c)においても、開口部25、及び開口部非形成領域を透過する透過光の状態を模式的に示している。
波長550nmの光線透過率を40%以下とした樹脂マスクの優位性を確認すべく、下表1に示す樹脂マスクのサンプル1〜10を準備し、陰影の濃淡の確認を行った。図12に陰影像を示す。なお、図12(a)はサンプル1に、図12(b)はサンプル2に、図12(c)はサンプル4に、図12(d)はサンプル5に、図12(e)はサンプル6に対応している。サンプル8は、図12(c)で示される陰影像と同等のコントラストとなった。サンプル3、7、9、10は、図12(c)で示される陰影像よりもコントラストが僅かに低いものとなった。波長550nm、450〜650nm及び380〜780nmの光線透過率の測定は、(株)島津製作所製の分光光度計(MPC−3100)を使用し、陰影撮像装置としては、外観欠陥検査装置(タカノ(株)製、画像処理装置:MP72000)を使用し、白色光源による透過光を観察した。また、開口部を平面視したときの形状は50μm角(50μm×50μm)とした。表中の評価結果は、以下の基準に基づいて行った。また、サンプル9、10については、色材成分として、カーボンブラックにかえて赤色酸化鉄を用い、各波長における透過率が下表1に示す透過率となるように調整を行った。
(サンプルの評価基準)
1・・・陰影により開口部を認識することができない。
2・・・開口部の陰影の濃淡のコントラストが低く、開口部の欠陥検査を十分に行うことができない。
3・・・開口部の陰影の濃淡のコントラストが、開口部の欠陥検査を行うことができる程度まで出ているが、開口部の欠陥を見逃す可能性が僅かにある。
4・・・開口部の陰影の濃淡のコントラストが高く、開口部の欠陥を見逃す可能性が殆どない。
5・・・開口部の陰影の濃淡のコントラストが極めて高く、開口部の欠陥検査精度が極めて高い。
図示する形態では、開口部25の開口形状は、矩形状を呈しているが、開口形状について特に限定はなく、開口部25の開口形状は、ひし形、多角形状であってもよく、円や、楕円等の曲率を有する形状であってもよい。なお、矩形や、多角形状の開口形状は、円や楕円等の曲率を有する開口形状と比較して発光面積を大きくとれる点で、好ましい開口部25の開口形状であるといえる。
開口部25の断面形状についても特に限定はなく、開口部25を形成する樹脂マスクの向かいあう端面同士が略平行であってもよいが、図1(b)に示すように、開口部25はその断面形状が、蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。換言すれば、金属マスク10側に向かって広がりをもつテーパー面を有していることが好ましい。テーパー角については、樹脂マスク20の厚み等を考慮して適宜設定することができるが、樹脂マスクの開口部における下底先端と、同じく樹脂マスクの開口部における上底先端を結んだ直線と、樹脂マスク底面とのなす角度、換言すれば、樹脂マスク20の開口部25を構成する内壁面の厚み方向断面において、開口部25の内壁面と樹脂マスク20の金属マスク10と接しない側の面(図示する形態では、樹脂マスクの下面)とのなす角度は、5°〜85°の範囲内であることが好ましく、15°〜75°の範囲内であることがより好ましく、25°〜65°の範囲内であることがさらに好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。また、図示する形態では、開口部25を形成する端面は直線形状を呈しているが、これに限定されることはなく、外に凸の湾曲形状となっている、つまり開口部25の全体の形状がお椀形状となっていてもよい。
(金属マスク)
図1(b)に示すように、樹脂マスク20の一方の上には、金属マスク10が積層されている。金属マスク10は、金属から構成され、縦方向或いは横方向に延びるスリット15が配置されている。スリット15は開口と同義である。スリットの配置例について特に限定はなく、縦方向、及び横方向に延びるスリットが、縦方向、及び横方向に複数列配置されていてもよく、縦方向に延びるスリットが、横方向に複数列配置されていてもよく、横方向に延びるスリットが縦方向に複数列配置されていてもよい。また、縦方向、或いは横方向に1列のみ配置されていてもよい。なお、ここで言う「縦方向」、「横方向」とは、図面の上下方向、左右方向をさし、長手方向、幅方向のいずれの方向であってもよい。例えば、蒸着マスク、樹脂マスク、金属マスクの長手方向を「縦方向」としてもよく、幅方向を「縦方向」としてもよい。また、本願明細書では、蒸着マスクを平面視したときの形状が矩形状である場合を例に挙げて説明しているが、これ以外の形状、例えば、円形状、ひし形形状等としてもよい。この場合、対角線の長手方向や、径方向、或いは、任意の方向を「長手方向」とし、この「長手方向」に直交する方向を、「幅方向(短手方向と言う場合もある)」とすればよい。
金属マスク10の材料について特に限定はなく、蒸着マスクの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ステンレス鋼、鉄ニッケル合金、アルミニウム合金などの金属材料を挙げることができる。中でも、鉄ニッケル合金であるインバー材は熱による変形が少ないので好適に用いることができる。
また、一実施形態の蒸着マスク100を用いて、蒸着対象物の被蒸着面へ蒸着を行うにあたり、蒸着対象物の後方に磁石等を配置して、蒸着対象物の前方の蒸着マスク100を磁力によって引きつけることが必要な場合には、金属マスク10を磁性体で形成することが好ましい。磁性体の金属マスク10としては、鉄ニッケル合金、純鉄、炭素鋼、タングステン(W)鋼、クロム(Cr)鋼、コバルト(Co)鋼、コバルト・タングステン・クロム・炭素を含む鉄の合金であるKS鋼、鉄・ニッケル・アルミニウムを主成分とするMK鋼、MK鋼にコバルト・チタンを加えたNKS鋼、Cu−Ni−Co鋼、アルミニウム(Al)−鉄(Fe)合金等を挙げることができる。また、金属マスク10を形成する材料そのものが磁性体でない場合には、当該材料に上記磁性体の粉末を分散させることにより金属マスク10に磁性を付与してもよい。
金属マスク10の厚みについても特に限定はないが、シャドウの発生をより効果的に防止するためには、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、35μm以下であることが特に好ましい。なお、5μmより薄くした場合、破断や変形のリスクが高まるとともにハンドリングが困難となる傾向にある。
また、図1(a)に示す形態では、スリット15を平面視したときの開口形状は、矩形状を呈しているが、開口形状について特に限定はなく、スリット15の開口形状は、台形状、円形状等いかなる形状であってもよい。樹脂マスク20の開口部25の形状についても同様である。
金属マスク10に形成されるスリット15の断面形状についても特に限定されることはないが、図1(b)に示すように蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。より具体的には、金属マスク10のスリット15における下底先端と、同じく金属マスク10のスリット15における上底先端を結んだ直線と金属マスク10の底面とのなす角度、換言すれば、金属マスク10のスリット15を構成する内壁面の厚み方向断面において、スリット15の内壁面と金属マスク10の樹脂マスク20と接する側の面(図示する形態では、金属マスクの下面)とのなす角度は、5°〜85°の範囲内であることが好ましく、15°〜80°の範囲内であることがより好ましく、25°〜65°の範囲内であることがさらに好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。
樹脂マスク上に金属マスク10を積層する方法について特に限定はなく、樹脂マスク20と金属マスク10とを各種粘着剤を用いて貼り合わせてもよく、自己粘着性を有する樹脂マスクを用いてもよい。樹脂マスク20と金属マスク10の大きさは同一であってもよく、異なる大きさであってもよい。なお、この後に任意で行われるフレームへの固定を考慮して、樹脂マスク20の大きさを金属マスク10よりも小さくし、金属マスク10の外周部分が露出された状態としておくと、金属マスク10とフレームとの溶接が容易となり好ましい。
以下、好ましい蒸着マスクの形態について実施形態(A)、及び実施形態(B)を例に挙げ説明する。なお、本発明の蒸着マスク100は、以下で説明する形態に限定されるものではなく、スリット15が形成された金属マスク10と当該スリット15と重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部25が形成された樹脂マスク20とが積層されているとの条件を満たすものであれば、いかなる形態であってもよい。例えば、金属マスク10に形成されているスリット15は、ストライプ状(図示しない)であってもよい。また、1画面全体と重ならない位置に、金属マスク10のスリット15が設けられていてもよい。いずれの形態であっても、波長550nmの光線透過率が40%以下となる樹脂マスク20とすることで、樹脂マスク20の開口部25が、蒸着対象物の被蒸着面に形成を所望する蒸着パターン通りになっているか否かを検査するときに、陰影の濃淡のコントラストを高めることができ、開口部25の開口パターンのエッジ部を正確に把握することができる。
<実施形態(A)の蒸着マスク>
図2に示すように、実施形態(A)の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するための蒸着マスクであって、樹脂マスク20の一方の面上に、複数のスリット15が設けられた金属マスク10が積層されてなり、樹脂マスク20には、複数画面を構成するために必要な開口部25が設けられ、各スリット15が、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられていることを特徴とする。実施形態(A)の蒸着マスク100においても、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率は40%以下となっている。
実施形態(A)の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するために用いられる蒸着マスクであり、1つの蒸着マスク100で、複数の製品に対応する蒸着パターンを同時に形成することができる。実施形態(A)の蒸着マスクで言う「開口部」とは、実施形態(A)の蒸着マスク100を用いて作製しようとするパターンを意味し、例えば、当該蒸着マスクを有機ELディスプレイにおける有機層の形成に用いる場合には、開口部25の形状は当該有機層の形状となる。また、「1画面」とは、1つの製品に対応する開口部25の集合体からなり、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる開口部25の集合体が「1画面」となる。そして、実施形態(A)の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成すべく、樹脂マスク20には、上記「1画面」が、所定の間隔をあけて複数画面分配置されている。すなわち、樹脂マスク20には、複数画面を構成するために必要な開口部25が設けられている。
実施形態(A)の蒸着マスクは、樹脂マスクの一方の面上に、複数のスリット15が設けられた金属マスク10が設けられ、各スリットは、それぞれ少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられている点を特徴とする。換言すれば、1画面を構成するのに必要な開口部25間において、横方向に隣接する開口部25間に、スリット15の縦方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分や、縦方向に隣接する開口部間25に、スリット15の横方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在していないことを特徴とする。以下、スリット15の縦方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分や、スリット15の横方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分のことを総称して、単に金属線部分と言う場合がある。
実施形態(A)の蒸着マスク100によれば、1画面を構成するのに必要な開口部25の大きさや、1画面を構成する開口部25間のピッチを狭くした場合、例えば、400ppiを超える画面の形成を行うべく、開口部25の大きさや、開口部25間のピッチを極めて微小とした場合であっても、金属線部分による干渉を防止することができ、高精細な画像の形成が可能となる。なお、1画面が、複数のスリットによって分割されている場合、換言すれば、1画面を構成する開口部25間に金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在している場合には、1画面を構成する開口部25間のピッチが狭くなっていくことにともない、開口部25間に存在する金属線部分が蒸着対象物へ蒸着パターンを形成する際の支障となり高精細な蒸着パターンの形成が困難となる。換言すれば、1画面を構成する開口部25間に金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在している場合には、フレーム付き蒸着マスクとしたときに当該金属線部分が、シャドウの発生を引き起こし高精細な画面の形成が困難となる。
次に、図2〜図6を参照して、1画面を構成する開口部25の一例について説明する。なお、図示する形態において破線で閉じられた領域が1画面となっている。図示する形態では、説明の便宜上少数の開口部25の集合体を1画面としているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、1つの開口部25を1画素としたときに、1画面に数百万画素の開口部25が存在していてもよい。
図2に示す形態では、縦方向、横方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。図3に示す形態では、横方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。また、図4に示す形態では、縦方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。そして、図2〜図4では、1画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。
上記で説明したように、スリット15は、1画面のみと重なる位置に設けられていてもよく、図5(a)、(b)に示すように、2以上の画面全体と重なる位置に設けられていてもよい。図5(a)では、図2に示す樹脂マスク10において、横方向に連続する2画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。図5(b)では、縦方向に連続する3画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。
次に、図2に示す形態を例に挙げて、1画面を構成する開口部25間のピッチ、画面間のピッチについて説明する。1画面を構成する開口部25間のピッチや、開口部25の大きさについて特に限定はなく、蒸着作製するパターンに応じて適宜設定することができる。例えば、400ppiの高精細な蒸着パターンの形成を行う場合には、1画面を構成する開口部25において隣接する開口部25の横方向のピッチ(P1)、縦方向のピッチ(P2)は60μm程度となる。また、開口部の大きさは、500μm2〜1000μm2程度となる。また、1つの開口部25は、1画素に対応していることに限定されることはなく、例えば、画素配列によっては、複数画素を纏めて1つの開口部25とすることもできる。
画面間の横方向ピッチ(P3)、縦方向ピッチ(P4)についても特に限定はないが、図2に示すように、1つのスリット15が、1画面全体と重なる位置に設けられる場合には、各画面間に金属線部分が存在することとなる。したがって、各画面間の縦方向ピッチ(P4)、横方向のピッチ(P3)が、1画面内に設けられている開口部25の縦方向ピッチ(P2)、横方向ピッチ(P1)よりも小さい場合、或いは略同等である場合には、各画面間に存在している金属線部分が断線しやすくなる。したがって、この点を考慮すると、画面間のピッチ(P3、P4)は、1画面を構成する開口部25間のピッチ(P1、P2)よりも広いことが好ましい。画面間のピッチ(P3、P4)の一例としては、1mm〜100mm程度である。なお、画面間のピッチとは、1の画面と、当該1の画面と隣接する他の画面とにおいて、隣接している開口部間のピッチを意味する。このことは、後述する実施形態(B)の蒸着マスクにおける開口部25のピッチ、画面間のピッチについても同様である。
なお、図5に示すように、1つのスリット15が、2つ以上の画面全体と重なる位置に設けられる場合には、1つのスリット15内に設けられている複数の画面間には、スリットの内壁面を構成する金属線部分が存在しないこととなる。したがって、この場合、1つのスリット15と重なる位置に設けられている2つ以上の画面間のピッチは、1画面を構成する開口部25間のピッチと略同等であってもよい。
<実施形態(B)の蒸着マスク>
次に実施形態(B)の蒸着マスクについて説明する。図6に示すように、実施形態(B)の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応した開口部25が複数設けられた樹脂マスク20の一方の面上に、1つのスリット(1つの貫通孔16)が設けられた金属マスク10が積層されてなり、当該複数の開口部25の全てが、金属マスク10に設けられた1つの貫通孔と重なる位置に設けられている点を特徴とする。
実施形態(B)で言う開口部25とは、蒸着対象物に蒸着パターンを形成するために必要な開口部を意味し、蒸着対象物に蒸着パターンを形成するために必要ではない開口部は、1つの貫通孔16と重ならない位置に設けられていてもよい。なお、図6は、実施形態(B)の蒸着マスクの一例を示す蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。
実施形態(B)の蒸着マスク100は、複数の開口部25を有する樹脂マスク20上に、1つの貫通孔16を有する金属マスク10が設けられており、かつ、複数の開口部25の全ては、当該1つの貫通孔16と重なる位置に設けられている。この構成を有する実施形態(B)の蒸着マスク100では、開口部25間に、金属マスクの厚みと同じ厚み、或いは、金属マスクの厚みより厚い金属線部分が存在していないことから、上記実施形態(A)の蒸着マスクで説明したように、金属線部分による干渉を受けることなく樹脂マスク20に設けられている開口部25の寸法通りに高精細な蒸着パターンを形成することが可能となる。
また、実施形態(B)の蒸着マスクによれば、金属マスク10の厚みを厚くしていった場合であっても、シャドウの影響を殆ど受けることがないことから、金属マスク10の厚みを、耐久性や、ハンドリング性を十分に満足させることができるまで厚くすることができ、高精細な蒸着パターンの形成を可能としつつも、耐久性や、ハンドリング性を向上させることができる。
実施形態(B)の蒸着マスクにおける樹脂マスク20は、樹脂から構成され、図6に示すように、1つの貫通孔16と重なる位置に蒸着作製するパターンに対応した開口部25が複数設けられている。開口部25は、蒸着作製するパターンに対応しており、蒸着源から放出された蒸着材が開口部25を通過することで、蒸着対象物には、開口部25に対応する蒸着パターンが形成される。なお、図示する形態では、開口部が縦横に複数列配置された例を挙げて説明をしているが、縦方向、或いは横方向にのみ配置されていてもよい。実施形態(B)の蒸着マスク100においても、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率は40%以下となっている。
実施形態(B)の蒸着マスク100における「1画面」とは、1つの製品に対応する開口部25の集合体を意味し、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる開口部25の集合体が「1画面」となる。実施形態(B)の蒸着マスクは、「1画面」のみからなるものであってもよく、当該「1画面」が複数画面分配置されたものであってもよいが、「1画面」が複数画面分配置される場合には、画面単位毎に所定の間隔をあけて開口部25が設けられていることが好ましい(実施形態(A)の蒸着マスクの図5参照)。「1画面」の形態について特に限定はなく、例えば、1つの開口部25を1画素としたときに、数百万個の開口部25によって1画面を構成することもできる。
(金属マスク)
実施形態(B)の蒸着マスク100における金属マスク10は、金属から構成され1つの貫通孔16を有している。そして、本発明では、当該1つの貫通孔16は、金属マスク10の正面からみたときに、全ての開口部25と重なる位置、換言すれば、樹脂マスク20に配置された全ての開口部25がみえる位置に配置されている。
金属マスク10を構成する金属部分、すなわち貫通孔16以外の部分は、図6に示すように蒸着マスク100の外縁に沿って設けられていてもよく、図7に示すように金属マスク10の大きさを樹脂マスク20よりも小さくし、樹脂マスク20の外周部分を露出させてもよい。また、金属マスク10の大きさを樹脂マスク20よりも大きくして、金属部分の一部を、樹脂マスクの横方向外方、或いは縦方向外方に突出させてもよい。なお、いずれの場合であっても、貫通孔16の大きさは、樹脂マスク20の大きさよりも小さく構成されている。
図6に示される金属マスク10の貫通孔の壁面をなす金属部分の横方向の幅(W1)や、縦方向の幅(W2)について特に限定はないが、W1、W2の幅が狭くなっていくに従い、耐久性や、ハンドリング性が低下していく傾向にある。したがって、W1、W2は、耐久性や、ハンドリング性を十分に満足させることができる幅とすることが好ましい。金属マスク10の厚みに応じて適切な幅を適宜設定することができるが、好ましい幅の一例としては、実施形態(A)の金属マスクと同様、W1、W2ともに1mm〜100mm程度である。
また、上記で説明した各実施形態の蒸着マスクにおいて、樹脂マスク20には、開口部25が規則的に形成されているが、蒸着マスク100の金属マスク10側から見たときに、各開口部25を横方向、或いは縦方向に互い違いに配置してもよい(図示しない)。つまり、横方向に隣り合う開口部25を縦方向にずらして配置してもよい。このように配置することにより、樹脂マスク20が熱膨張した場合にあっても、各所において生じる膨張を開口部25によって吸収することができ、膨張が累積して大きな変形が生じることを防止することができる。
また、上記で説明した各実施形態の蒸着マスクにおいて、樹脂マスク20には、樹脂マスク20の縦方向、或いは横方向にのびる溝(図示しない)が形成されていてもよい。蒸着時に熱が加わった場合、樹脂マスク20が熱膨張し、これにより開口部25の寸法や位置に変化が生じる可能性があるが、溝を形成することで樹脂マスクの膨張を吸収することができ、樹脂マスクの各所で生じる熱膨張が累積することにより樹脂マスク20が全体として所定の方向に膨張して開口部25の寸法や位置が変化することを防止することができる。溝の形成位置について限定はなく、1画面を構成する開口部25間や、開口部25と重なる位置に設けられていてもよいが、画面間に設けられていることが好ましい。また、溝は、樹脂マスクの一方の面、例えば、金属マスクと接する側の面のみに設けられていてもよく、金属マスクと接しない側の面のみに設けられていてもよい。或いは、樹脂マスク20の両面に設けられていてもよい。
また、隣接する画面間に縦方向に延びる溝としてもよく、隣接する画面間に横方向に延びる溝を形成してもよい。さらには、これらを組み合わせた態様で溝を形成することも可能である。
溝の深さやその幅については特に限定はないが、溝の深さが深すぎる場合や、幅が広すぎる場合には、樹脂マスク20の剛性が低下する傾向にあることから、この点を考慮して設定することが必要である。また、溝の断面形状についても特に限定されることはなくU字形状やV字形状など、加工方法などを考慮して任意に選択すればよい。実施形態(B)の蒸着マスクについても同様である。
<<蒸着マスクの製造方法>>
以下、一実施形態の蒸着マスクの製造方法について一例を挙げて説明する。一実施形態の蒸着マスク100は、樹脂板の一方の面上にスリット15が設けられた金属マスク10が積層された樹脂板付き金属マスクを準備し、次いで、樹脂板付き金属マスクに対し、金属マスク10側からスリット15を通してレーザーを照射して、樹脂板に蒸着作製するパターンに対応する開口部25を形成することで得ることができる。
樹脂板付き金属マスクの形成方法としては、樹脂板の一方の面上にスリット15が設けられた金属マスク10を積層する。樹脂板は、上記樹脂マスク20で説明した材料を用いることができる。また、上記第1の手段の樹脂マスクとする場合には、樹脂板には、色材成分が含有されており、当該樹脂板は、波長550nmの光線透過率が40%以下となっている。
スリット15が設けられた金属マスク10の形成方法としては、金属板の表面にマスキング部材、例えば、レジスト材を塗工し、所定の箇所を露光し、現像することで、最終的にスリット15が形成される位置を残したレジストパターンを形成する。マスキング部材として用いるレジスト材としては処理性が良く、所望の解像性があるものが好ましい。次いで、このレジストパターンを耐エッチングマスクとして用いてエッチング法によりエッチング加工する。エッチングが終了後、レジストパターンを洗浄除去する。これにより、スリット15が設けられた金属マスク10が得られる。スリット15を形成するためのエッチングは、金属板の片面側から行ってもよく、両面から行ってもよい。また、金属板に樹脂板が設けられた積層体を用いて、金属板にスリット15を形成する場合には、金属板の樹脂板と接しない側の表面にマスキング部材を塗工して、片面側からのエッチングによってスリット15が形成される。なお、樹脂板が、金属板のエッチング材に対し耐エッチング性を有する場合には、樹脂板の表面をマスキングする必要はないが、樹脂板が、金属板のエッチング材に対する耐性を有しない場合には、樹脂板の表面にマスキング部材を塗工しておく必要がある。また、上記では、マスキング部材としてレジスト材を中心に説明を行ったが、レジスト材を塗工する代わりにドライフィルムレジストをラミネートし、同様のパターニングを行ってもよい。
上記の方法において、樹脂板付き金属マスクを構成する樹脂板は、板状の樹脂のみならず、コーティングによって形成された樹脂層や樹脂膜であってもよい。つまり、樹脂板は、予め準備されたものであってもよく、金属板と樹脂板とを用いて樹脂板付き金属マスクを形成する場合には、金属板上に、従来公知のコーティング法等によって、最終的に樹脂マスクとなる樹脂層、或いは樹脂膜を形成することもできる。例えば、上記第1の手段の樹脂マスクとする場合には、上記で説明した樹脂マスクの材料、色材成分、必要に応じて添加される任意の成分を適当な溶媒に分散、或いは溶解した樹脂板用塗工液を調製し、これを金属板上に、従来公知の塗工手段を用いて塗工・乾燥することで、上記第1の手段の樹脂マスク20を得るための樹脂板とすることができる。
開口部25の形成方法としては、上記で準備された樹脂板付き金属マスクに対し、レーザー加工法、精密プレス加工、フォトリソ加工等を用いて、樹脂板を貫通させ、樹脂板に蒸着作製するパターンに対応する開口部25を形成することで、蒸着作製するパターンに対応する開口部25が設けられた樹脂マスク20の一方の面上にスリット15が設けられた金属マスク10が積層された一実施形態の蒸着マスク100を得る。なお、高精細な開口部25を容易に形成することができる点からは、開口部25の形成には、レーザー加工法を用いることが好ましい。
上記第2の手段の樹脂マスクとする場合には、開口部25を形成する前に、樹脂板上に色材層40を形成し、当該色材層40、及び樹脂板を貫通する開口部25を形成してもよく、樹脂板を貫通する開口部25を形成し、樹脂マスク20を得た後に、当該樹脂マスク20の開口部非形成領域上に色材層40を形成してもよい。
また、樹脂板に開口部25を形成する前の段階で、樹脂板付き金属マスクをフレームに固定してもよい。完成した蒸着マスクをフレームに固定するのではなく、フレームに固定された状態の樹脂板付き金属マスクに対し、後から開口部を設けることで、位置精度を格段に向上せしめることができる。なお、完成した蒸着マスク100をフレームに固定する場合には、開口が決定された金属マスクをフレームに対して引っ張りながら固定するために、開口位置座標精度は低下することとなる。フレーム60と、樹脂板付き蒸着マスクとの固定方法についても特に限定はなく、レーザー光等により固定するスポット溶接、接着剤、ねじ止め、或いはこれ以外の方法を用いて固定することができる。
<<フレーム付き蒸着マスク>>
次に、本発明の一実施形態のフレーム付き蒸着マスクについて説明する。図9、10に示すように、本発明の一実施形態のフレーム付き蒸着マスク200は、フレーム60上に、蒸着マスク100が固定されてなり、蒸着マスク100は、スリット15が形成された金属マスク10と当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部25が形成された樹脂マスク20とが積層されてなり、樹脂マスク20の波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴としている。この特徴を有するフレーム付き蒸着マスク200によれば、高精細化と軽量化の双方を満たしつつも、樹脂マスク20に形成された開口部の形状パターンが正常である否かの確認等を、蒸着マスク100をフレーム60に固定した後においても正確に行うことができる。
本発明の一実施形態のフレーム付き蒸着マスク200は、図9に示すように、フレーム60に、1つの蒸着マスク100が固定されたものであってもよく、図10に示すように、フレーム60に、複数の蒸着マスク100が固定されたものであってもよい。
(蒸着マスク)
フレーム付き蒸着マスク200を構成する蒸着マスク100は、上記で説明した本発明の一実施形態の蒸着マスク100をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。なお、ここで言う一実施形態の蒸着マスクには、上記で説明した好ましい形態の蒸着マスク(実施形態(A)、実施形態(B)の蒸着マスク)も含まれるものとする。
(フレーム)
フレーム60は、略矩形形状の枠部材であり、最終的に固定される蒸着マスク100の樹脂マスク20に設けられた開口部25を蒸着源側に露出させるための貫通孔を有する。フレームの材料について特に限定はないが、剛性が大きい金属材料、例えば、SUS、インバー材、セラミック材料などを用いることができる。中でも、金属フレームは、蒸着マスクの金属マスクとの溶接が容易であり、変形等の影響が小さい点で好ましい。
フレームの厚みについても特に限定はないが、剛性等の点から10mm〜30mm程度であることが好ましい。フレームの開口の内周端面と、フレームの外周端面間の幅は、当該フレームと、蒸着マスクの金属マスクとを固定することができる幅であれば特に限定はなく、例えば、10mm〜50mm程度の幅を例示することができる。
また、図11(a)〜(c)に示すように、蒸着マスク100を構成する樹脂マスク20の開口部25の露出を妨げない範囲で、貫通孔の領域に補強フレーム65等が設けられたフレーム60を用いてもよい。換言すれば、フレーム60が有する開口が、補強フレーム等によって分割された構成を有していてもよい。補強フレーム65を設けることで、当該補強フレーム65を利用して、フレーム60と蒸着マスク100とを固定することができる。具体的には、上記で説明した蒸着マスク100を縦方向、及び横方向に複数並べて固定するときに、当該補強フレームと蒸着マスクが重なる位置においても、フレーム60に蒸着マスク100を固定することができる。
フレーム60と、蒸着マスク100との固定方法についても特に限定はなく、レーザー光等により固定するスポット溶接、接着剤、ねじ止め、或いはこれ以外の方法を用いて固定することができる。
<<蒸着マスク準備体>>
次に、本発明の一実施形態の蒸着マスク準備体について説明する。本発明の一実施形態の蒸着マスク準備体(図示しない)は、スリット15が形成された金属マスク10と当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部25が形成された樹脂マスク20とが積層されてなる蒸着マスクを得るために用いられるものであって、樹脂板の一方の面上にスリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、当該樹脂板の波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴としている。
本発明の一実施形態の蒸着マスク準備体は、樹脂板に開口部25が設けられていない点以外は、上記で説明した一実施形態の蒸着マスク100と共通し、具体的な説明は省略する。一実施形態の蒸着マスク準備体の具体的な構成としては、上記蒸着マスクの製造方法で説明した樹脂板付き金属マスクを挙げることができる。
上記一実施形態の蒸着マスク準備体によれば、当該蒸着マスク準備体の樹脂板に開口部を形成することで、高精細化と軽量化の双方を満たし、樹脂マスクに形成された開口部の形状パターンが正常である否かの確認等を正確に行うことができる蒸着マスクを得ることができる。
上記では、蒸着マスク準備体として、波長550nmの光線透過率が40%以下である樹脂板の一方の面上にスリットが設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを例に挙げて説明を行ったが、波長550nmの光線透過率が40%以下の樹脂板の一方の面に金属マスクを形成するための金属板が積層された樹脂板付き金属板を蒸着マスク準備体とすることもできる。この蒸着マスク準備体では、樹脂板付き金属板の金属板にスリットを形成し、次いで、樹脂板に、金属板に形成されたスリットと重なる開口部を形成することにより、上記で説明した一実施形態の蒸着マスクを得ることができる。
(有機半導体素子の製造方法)
次に、本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法について説明する。一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、フレームに蒸着マスクが固定されたフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、蒸着パターンを形成する工程で、フレームに固定される蒸着マスクは、スリットが形成された金属マスクと当該スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクとが積層され、さらに、当該樹脂マスクの波長550nmの光線透過率が40%以下であることを特徴としている。
フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法により蒸着パターンを形成する工程を有する一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、基板上に電極を形成する電極形成工程、有機層形成工程、対向電極形成工程、封止層形成工程等を有し、各任意の工程においてフレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法により基板上に蒸着パターンが形成される。例えば、有機ELデバイスのR,G,B各色の発光層形成工程に、フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法をそれぞれ適用する場合には、基板上に各色発光層の蒸着パターンが形成される。なお、本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、これらの工程に限定されるものではなく、蒸着法を用いる従来公知の有機半導体素子の製造における任意の工程に適用可能である。
本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、上記蒸着パターンを形成する工程において用いられるフレームに蒸着マスクが固定されたフレーム付き蒸着マスクが、上記で説明した本発明の一実施形態のフレーム付き蒸着マスク200であることを特徴とし、ここでの詳細な説明は省略する。フレーム付き蒸着マスクを用いた有機半導体素子の製造方法によれば、高精細なパターンを有する有機半導体素子を形成することができる。本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法で製造される有機半導体素子としては、例えば、有機EL素子の有機層、発光層や、カソード電極等を挙げることができる。特に、本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、高精細なパターン精度が要求される有機EL素子のR、G、B発光層の製造に好適に用いることができる。
(蒸着マスクの検査方法)
次に、一実施形態の蒸着マスクの検査方法について説明する。一実施形態の蒸着マスクの検査方法は、スリットが設けられた金属マスクと、当該スリットと重なる位置に開口部が設けられた樹脂マスクとが積層されてなる蒸着マスクに対し可視光を照射し、樹脂マスクにおいて可視光を透過する領域と、可視光を透過しない、或いは透過しにくい領域のコントラストにより樹脂マスクに設けられている開口部の外観検査を行う方法であり、可視光の照射が行われる蒸着マスクが、上記で説明した一実施形態の蒸着マスクであることを特徴としている。
一実施形態の蒸着マスクの検査方法によれば、当該検査方法に用いられる蒸着マスクが、波長550nmの光線透過率が40%の樹脂マスクを備える蒸着マスクであることから、撮像された陰影の濃淡のコントラストを高めることができ、樹脂マスクに設けられている開口部の検査精度を向上させることができる。蒸着マスクについては、上記一実施形態の蒸着マスクで説明したものをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
可視光の照射方向について特に限定はなく、蒸着マスクの金属マスク側から可視光を照射してもよく、蒸着マスクの樹脂マスク側から可視光を照射してもよい。可視光照射装置についても限定はなく、可視光を照射することができる従来公知の装置を適宜選択して用いることができる。一実施形態の蒸着マスクの検査方法で用いられる可視光について特に限定はなく、例えば、白色光等の波長550nmの成分を含む光線を挙げることができる。
以上、本発明における最良の形態として、波長550nmにおける光線透過率が40%以下の樹脂マスク20を備える蒸着マスク、及びこの蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体や、この蒸着マスクを用いた有機半導体素子の製造方法、蒸着マスクの検査方法について説明を行ったが、上記第1の手段で説明したように、色材成分を含有する樹脂マスク20、或いは、上記第2の手段で説明したように、開口部非形成領域上に設けられた色材層40を含む樹脂マスク20とした場合には、色材成分を含有しない樹脂マスクや、色材層を含まない樹脂マスクと比較して、所定の波長における光線透過率を下げることができる。光線透過率を下げることは、開口部の検査精度の向上につながり、従来の樹脂マスクと比較して、光線透過率を下げた分だけ、開口部の検査精度を向上させることができる。
したがって、他の実施形態の蒸着マスクは、樹脂マスクの波長550nmにおける光線透過率に限定されることなく、樹脂マスクが色材成分を含有しているか、或いは、樹脂マスク上に色材層が設けられていることを特徴とする。好ましくは、波長550nmにおける光線透過率を下げることができる色材成分や、色材層を含んでいる。また、上記で説明したフレーム付き蒸着マスク、有機半導体素子の製造方法、蒸着マスクの検査方法として、この特徴を有する樹脂マスクを備える蒸着マスクを用いることもできる。また、この特徴を有する樹脂マスクを備える蒸着マスク準備体とすることもできる。
100…蒸着マスク
10…金属マスク
15…スリット
16…貫通孔
20…樹脂マスク
25…開口部
40…色材層
60…フレーム
200…フレーム付き蒸着マスク

Claims (8)

  1. 蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクを含み、
    前記樹脂マスクの樹脂部分の波長550nmの光線透過率が40%以下である、蒸着マスク。
  2. 蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクを含み、
    前記樹脂マスクの樹脂部分の波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が40%以下である、蒸着マスク。
  3. 前記樹脂マスクが、色材成分を含有している、請求項1又は2に記載の蒸着マスク。
  4. 前記樹脂マスクの厚みが、3μm以上10μm未満である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の蒸着マスク。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の蒸着マスクがフレームに固定された、フレーム付き蒸着マスク。
  6. 蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクを含む蒸着マスクの製造に用いられる蒸着マスク準備体であって、
    前記樹脂マスクを得るための樹脂板を有し、
    前記樹脂板の波長550nmの光線透過率が40%以下である、蒸着マスク準備体。
  7. 蒸着作製するパターンに対応する開口部が形成された樹脂マスクを含む蒸着マスクの製造に用いられる蒸着マスク準備体であって、
    前記樹脂マスクを得るための樹脂板を備え、
    前記樹脂板の波長450nm〜650nmの光線透過率の最大値が40%以下である、蒸着マスク準備体。
  8. 有機半導体素子の製造方法であって、
    請求項5に記載のフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含む、有機半導体素子の製造方法。
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