JP6394877B2 - 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、蒸着マスク準備体、フレーム付き蒸着マスク、及び有機半導体素子の製造方法 - Google Patents

蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、蒸着マスク準備体、フレーム付き蒸着マスク、及び有機半導体素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、蒸着マスク準備体、フレーム付き蒸着マスク、及び有機半導体素子の製造方法に関する。
従来、有機EL素子の製造において、有機EL素子の有機層或いはカソード電極の形成には、例えば、蒸着すべき領域に多数の微細なスリットを微小間隔で平行に配列してなる金属から構成される蒸着マスクが使用されていた。この蒸着マスクを用いる場合、蒸着すべき基板表面に蒸着マスクを載置し、裏面から磁石を用いて保持させているが、スリットの剛性は極めて小さいことから、蒸着マスクを基板表面に保持する際にスリットにゆがみが生じやすく、高精細化或いはスリット長さが大となる製品の大型化の障害となっていた。
スリットのゆがみを防止するための蒸着マスクについては、種々の検討がなされており、例えば、特許文献1には、複数の開口部を備えた第一金属マスクを兼ねるベースプレートと、前記開口部を覆う領域に多数の微細なスリットを備えた第二金属マスクと、第二金属マスクをスリットの長手方向に引っ張った状態でベースプレート上に位置させるマスク引張保持手段を備えた蒸着マスクが提案されている。すなわち、2種の金属マスクを組合せた蒸着マスクが提案されている。この蒸着マスクによれば、スリットにゆがみを生じさせることなくスリット精度を確保できるとされている。
ところで近時、有機EL素子を用いた製品の大型化或いは基板サイズの大型化にともない、蒸着マスクに対しても大型化の要請が高まりつつあり、金属から構成される蒸着マスクの製造に用いられる金属板も大型化している。しかしながら、現在の金属加工技術では、大型の金属板にスリットを精度よく形成することは困難であり、たとえ上記特許文献1に提案されている方法などによってスリット部のゆがみを防止できたとしても、スリットの高精細化への対応はできない。また、金属のみからなる蒸着マスクとした場合には、大型化に伴いその質量も増大し、フレームを含めた総質量も増大することから取り扱いに支障をきたすこととなる。
上記で提案がされている蒸着マスクにおいて、蒸着マスクの軽量化を図るためには、金属から構成される蒸着マスクの厚みを薄くすることが必要となる。しかしながら、金属から構成される蒸着マスクの厚みを薄くしていった場合には、そのぶん蒸着マスクの強度が低下していき、蒸着マスクに変形が生じる場合や、ハンドリングが困難になるといった新たな問題が生ずることとなる。
また、特許文献2には、樹脂マスクと金属マスクとが積層されてなる蒸着マスクが提案されている。
特開2003−332057号公報 特許第5288072号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができ、かつ、高精細な蒸着パターンの形成が可能な蒸着マスクやフレーム付き蒸着マスクを提供すること、及び、この蒸着マスクの製造方法を提供すること、並びに、この蒸着マスクを製造するために用いられる蒸着マスク準備体を提供すること、さらには、有機半導体素子を精度よく製造することができる有機半導体素子の製造方法を提供することを主たる課題とする。また、特許文献2に記載の発明を改良し、さらに高精細な蒸着パターンを形成することができる蒸着マスク、及び、この蒸着マスクの製造方法を提供すること、並びに、この蒸着マスクを製造するために用いられる蒸着マスク準備体を提供すること、さらには、有機半導体素子を精度よく製造することができる有機半導体素子の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、前記開口部と重なるスリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクであって、前記樹脂マスクの前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に位置し、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を有する。
また、一実施形態の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、前記開口部と重なるスリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクであって、前記樹脂マスクの一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられていることを特徴とする。
上記課題を解決するための本発明は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するための蒸着マスクであって、前記蒸着マスクは、樹脂マスクの一方の面上に、複数のスリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、前記樹脂マスクには、複数画面を構成するために必要な開口部が設けられ、前記開口部は、蒸着作製するパターンに対応しており、各前記スリットは、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられ、前記樹脂マスクの前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に位置し、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を有する。
また、一実施形態の蒸着マスクは、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するための蒸着マスクであって、前記蒸着マスクは、樹脂マスクの一方の面上に、複数のスリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、前記樹脂マスクには、複数画面を構成するために必要な開口部が設けられ、前記開口部は、蒸着作製するパターンに対応しており、各前記スリットは、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられ、前記樹脂マスクの一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられていることを特徴とする。
また、上記の発明において、前記金属層は、前記樹脂マスクの一方の面において、前記スリットと重なる位置に対応する領域に設けられ、且つ、当該金属層は、前記スリットの内壁面と接していないことが好ましい。
また、上記課題を解決するための本発明は、蒸着パターンを形成するための蒸着マスクであって、前記蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応した開口部が複数設けられた樹脂マスクの一方の面上に、金属マスクが積層されてなり、前記金属マスクは、前記蒸着作成するパターンに対応した複数の前記開口部の全てと重なる1つの貫通孔を有し、前記樹脂マスクの前記一方の面において前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に位置し、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を有する。
また、一実施形態の蒸着マスクは、蒸着パターンを形成するための蒸着マスクであって、前記蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応した開口部が複数設けられた樹脂マスクの一方の面上に、1つの貫通孔が設けられた金属マスクが積層されてなり、前記複数の開口部の全ては、前記1つの貫通孔と重なる位置に設けられ、前記樹脂マスクの一方の面において前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられていることを特徴とする。
また、上記の発明において、前記金属層は、前記樹脂マスクの一方の面において、前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域に設けられ、且つ、当該金属層は、前記1つの貫通孔の内壁面と接していないことが好ましい。
また、上記課題を解決するための本発明は、蒸着マスクの製造方法であって、樹脂板の一方の面上に、スリットが設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、前記金属マスク側から前記スリットを通して前記樹脂板の一方の面にレーザーを照射して、蒸着作製するパターンに対応する開口部を前記樹脂板に形成する樹脂マスク形成工程と、前記樹脂マスクの前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を形成する金属層形成工程と、を備える。
また、上記課題を解決するための本発明は、蒸着マスクの製造方法であって、樹脂板の一方の面上に、複数のスリットが設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、前記金属マスク側から前記スリットを通して前記樹脂板の一方の面にレーザーを照射して、複数画面を構成するために必要な開口部を前記樹脂板に形成する樹脂マスク形成工程と、前記樹脂マスクの前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を形成する金属層形成工程と、を備え、前記金属マスクとして、前記複数画面のうちの少なくとも1画面全体と重なる位置にスリットが設けられた金属マスクが用いられる。
また、一実施形態の蒸着マスクの製造方法、樹脂板の一方の面上に、複数のスリットが設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、前記金属マスク側から前記スリットを通して前記樹脂板の一方の面にレーザーを照射して、複数画面を構成するために必要な開口部を前記樹脂板に形成する樹脂マスク形成工程と、前記樹脂マスクの一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方、又は双方の面上に、金属材料を付着させて、前記樹脂マスクの一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層を形成する金属層形成工程と、を備え、前記金属マスクとして、前記複数画面のうちの少なくとも1画面全体と重なる位置にスリットが設けられた金属マスクが用いられることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、蒸着マスクの製造方法であって、樹脂板の一方の面上に、1つの貫通孔が設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、前記金属マスク側から前記1つの貫通孔を通して前記樹脂板の一方の面にレーザーを照射し、前記1つの貫通孔と重なる位置の樹脂板に複数の開口部を形成する樹脂マスク形成工程と、前記樹脂マスクの前記一方の面において前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を形成する金属層形成工程と、を備える。
また、一実施形態の蒸着マスクの製造方法、樹脂板の一方の面上に、1つの貫通孔が設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、前記金属マスク側から前記1つの貫通孔を通して前記樹脂板の一方の面にレーザーを照射し、前記1つの貫通孔と重なる位置の樹脂板に複数の開口部を形成する樹脂マスク形成工程と、前記樹脂マスクの一方の面において前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方、又は双方の面上に、金属材料を付着させて、前記樹脂マスクの一方の面において前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方、又は双方の面上に前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層を形成する金属層形成工程と、を備えることを特徴とする。
また、上記の製造方法において、フレーム上に、前記樹脂板付き金属マスクを固定した後に、前記樹脂マスク形成工程が行われてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、蒸着マスク準備体であって、スリットが設けられた金属マスクと、前記金属マスクの表面に位置し、前記スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクを製造するために用いられ、前記開口部が形成される前の樹脂板の一方の面上に、スリットが設けられた金属マスクが設けられ、前記樹脂板の前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に位置し、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を有する。
また、一実施形態の蒸着マスク準備体、スリットが設けられた金属マスクと、前記金属マスクの表面に位置し、前記スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクを製造するために用いられ、樹脂板の一方の面上に、スリットが設けられた金属マスクが設けられ、前記樹脂板の一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂板の他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、フレームに蒸着マスクが固定された、フレーム付き蒸着マスクであって、蒸着マスクとして上記の蒸着マスクを用いる。
また、一実施形態のフレーム付き蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、前記開口部と重なるスリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクが、フレームに固定されてなるフレーム付き蒸着マスクにおいて、前記樹脂マスクの一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、有機半導体素子の製造方法であって、フレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、フレーム付き蒸着マスクとして、上記のフレーム付き蒸着マスクを用いる。
また一実施形態の有機半導体素子の製造方法、フレームに蒸着マスクが固定されたフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、前記蒸着パターンを形成する工程において、前記フレームに固定される前記蒸着マスクが、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、前記開口部と重なるスリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクであって、前記樹脂マスクの一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられている蒸着マスクであることを特徴とする。
また一実施形態の有機半導体素子の製造方法、フレームに蒸着マスクが固定されたフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、前記蒸着パターンを形成する工程において、前記フレームに固定される前記蒸着マスクが、樹脂マスクの一方の面上に、複数のスリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、前記樹脂マスクには、複数画面を構成するために必要な開口部が設けられ、前記開口部は、蒸着作製するパターンに対応しており、各前記スリットは、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられ、前記樹脂マスクの一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられている蒸着マスクであることを特徴とする。
また一実施形態の有機半導体素子の製造方法、フレームに蒸着マスクが固定されたフレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、前記蒸着パターンを形成する工程において、前記フレームに固定される前記蒸着マスクが、蒸着作製するパターンに対応した開口部が複数設けられた樹脂マスクの一方の面上に、1つの貫通孔が設けられた金属マスクが積層されてなり、前記複数の開口部の全ては、前記1つの貫通孔と重なる位置に設けられ、前記樹脂マスクの一方の面において前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられている蒸着マスクであることを特徴とする。
本発明の蒸着マスクやフレーム付き蒸着マスクによれば、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができ、かつ、高精細な蒸着パターンの形成が可能となる。また、本発明の蒸着マスクの製造方法によれば、上記特徴の蒸着マスクを簡便に製造することができる。また、本発明の蒸着マスク準備体によれば、上記の蒸着マスクを精度よく製造することができる。また、本発明の有機半導体素子の製造方法によれば、有機半導体素子を精度よく製造することができる。
第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 (a)は、図1に示す蒸着マスクのA−A断面図の一例であり、(b)、(c)は第1実施形態の蒸着マスクの変形例を示す断面図である。 図1に示す蒸着マスクのA−A断面図の変形例である。 図1に示す蒸着マスクのA−A断面図の変形例である。 図1における1画面部分を拡大した一例を示す部分拡大図である。 第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 図1に示す蒸着マスクのA−A断面図の変形例である。 樹脂マスクの一例を示す正面図である。 シャドウと、金属マスクの厚みとの関係を示す概略断面図である。 第1実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第2実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 図13に示す蒸着マスクのB−B断面図である。 第2実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 第2実施形態の蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。 図16に示す蒸着マスクのB1−B1断面図である。 シャドウと、金属マスクの厚みとの関係を示す概略断面図である。 第1実施形態の蒸着マスクの製造方法の一例を示す概略断面図である。 第2実施形態の蒸着マスクの製造方法の一例を示す概略断面図である。 蒸着マスク準備体の一例を示す概略断面図である。 図1に示す蒸着マスクのA−A断面図の変形例である。 一実施形態のフレーム付き蒸着マスクを樹脂マスク側から見た正面図である。 一実施形態のフレーム付き蒸着マスクを樹脂マスク側から見た正面図である。
以下に、本発明の蒸着マスク100について第1実施形態、第2実施形態にわけ図面を用いて具体的に説明する。なお、第1実施形態、第2実施形態の蒸着マスク100は、後述するように、樹脂マスク20の一方の面上において、金属マスク10のスリット15や、1つの貫通孔16と重なる位置に対応する領域、或いは、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40が設けられている点を共通する特徴としている。
<第1実施形態の蒸着マスク>
図1〜図9、図12に示すように、本発明の第1実施形態の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するための蒸着マスクであって、樹脂マスク20の一方の面上に、複数のスリット15が設けられた金属マスク10が積層されてなり、樹脂マスク20には、複数画面を構成するために必要な開口部25が設けられ、各スリット15が、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられていることを特徴とする。さらに、第1実施形態の蒸着マスク100は、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスク20の他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスクより厚みが薄い金属層40が設けられていることを特徴とする。以下、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域上に、金属層40が設けられている例を中心に説明する。なお、図1、図6〜図8、図12は、第1実施形態の蒸着マスクの一例を示す蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図である。図2(a)は、図1に示す第1実施形態の蒸着マスクのA−A断面図であり、(b)、(c)は、第1実施形態の蒸着マスクの変形例を示す断面図である。図3、図4は、図1に示す第1実施形態の蒸着マスクの変形例を示す断面図である。図5は、図1における1画面部分を拡大した一例を示す部分拡大図である。なお、各図に示す形態では、金属層40の厚みを誇張して示している。
第1実施形態の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するために用いられる蒸着マスクであり、1つの蒸着マスク100で、複数の製品に対応する蒸着パターンを同時に形成することができる。第1実施形態の蒸着マスクで言う「開口部」とは、第1実施形態の蒸着マスク100を用いて作製しようとするパターンを意味し、例えば、当該蒸着マスクを有機ELディスプレイにおける有機層の形成に用いる場合には、開口部25の形状は当該有機層の形状となる。第1実施形態の蒸着マスク100では、蒸着源から放出された蒸着材が開口部25を通過することで、蒸着対象物に開口部25に対応する蒸着パターンが形成される。また、「1画面」とは、1つの製品に対応する開口部25の集合体からなり、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる開口部25の集合体が「1画面」となる。そして、第1実施形態の蒸着マスク100は、複数画面分の蒸着パターンを同時に形成すべく、樹脂マスク20には、上記「1画面」が、所定の間隔をあけて複数画面分配置されている。すなわち、樹脂マスク20には、複数画面を構成するために必要な開口部25が設けられている。
第1実施形態の蒸着マスクは、樹脂マスク20の一方の面上に、複数のスリット15が設けられた金属マスク10が積層されてなり、各スリットは、それぞれ少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられている点を特徴とする。換言すれば、1画面を構成するのに必要な開口部25の間において、横方向に隣接する開口部25の間に、スリット15の縦方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分や、縦方向に隣接する開口部25の間に、スリット15の横方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在していないことを特徴とする。以下、スリット15の縦方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分や、スリット15の横方向の長さと同じ長さであって、金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分のことを総称して、単に金属線部分と言う場合がある。
第1実施形態の蒸着マスク100によれば、1画面を構成するのに必要な開口部25の大きさや、1画面を構成する開口部25間のピッチを狭くした場合、例えば、400ppiを超える画面の形成を行うべく、開口部25の大きさや、開口部25の間のピッチを極めて微小とした場合であっても、金属線部分による干渉を防止することができ、高精細な画像の形成が可能となる。なお、1画面が、複数のスリットによって分割されている場合、換言すれば、1画面を構成する開口部25間に金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在している場合には、図11(a)、(b)に示すように1画面を構成する開口部25a間のピッチが狭くなっていくことにともない、開口部25a間に存在する金属線部分が蒸着対象物へ蒸着パターンを形成する際の支障となり高精細な蒸着パターンの形成が困難となる。換言すれば、1画面を構成する開口部25間に金属マスク10と同じ厚みを有する金属線部分が存在している場合は、当該金属線部分が、シャドウの発生を引き起こし高精細な画面の形成が困難となる。なお、シャドウとは、蒸着源から放出された蒸着材の一部が、金属マスク10のスリット15の内壁面や、上記金属線部分の内壁面に衝突して蒸着対象物へ到達しないことにより、目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる未蒸着部分が生ずる現象のことをいう。特に、開口部25の形状が微細化していくことにともない、1画面内の開口部25間に存在する金属線部分によるシャドウによる影響は大きくなる。
蒸着マスクを用いた蒸着対象物上への蒸着パターンの形成、例えば、ガラス基板や、シリコン基板上への蒸着パターンの形成は、当該蒸着対象物と、開口部が設けられた樹脂マスクとが対向するように、蒸着対象物と蒸着マスクとを重ね、次いで、蒸着対象物の後方に配置された磁石により、蒸着対象物と、蒸着対象物の前方に位置する蒸着マスク100とを引きつけた状態で行われる。ところで、1画面内の開口部25間に金属線部分を存在させない上記蒸着マスクの構成では、磁石による蒸着対象物と蒸着マスクとの引き付けは、スリット15の内壁面を構成する金属部分においてのみ行われる。換言すれば、1画面、或いは複数画面の外周近傍においてのみ磁石による引きつけが行われる。
上記の磁石による引きつけの形態において、1つのスリット15と重なる1画面の大きさを大きくしていった場合、或いは、1つのスリット15が複数画面と重なる場合には、蒸着対象物と蒸着マスクとを1画面、或いは複数画面の外周近傍のみで引きつけることのみでは、各画面を構成する各開口部25と、蒸着対象物とを十分に密着させることができず、各開口部25と蒸着対象物との間に隙間が生ずることとなる。この隙間は、磁石による引きつけの影響が小さくなるスリット15の中心位置近傍において特に顕著に生じ得る。
蒸着対象物と蒸着マスクとの間に隙間が生じている場合、換言すれば、樹脂マスクの1画面を構成する各開口部25と、蒸着対象物との間に隙間が生じている場合には、蒸着対象物に蒸着パターンを形成する際に、蒸着対象物方向に向かって進行する蒸着材が、蒸着対象物と蒸着マスクとの間に生じた隙間から進行方向と直交する方向に回り込む。そして、本来であれば、所定の間隔をあけて形成されるべき各蒸着パターン同士が、隙間から進行方向と直交する方向に回り込んだ蒸着材によって繋がってしまう、或いは、蒸着パターン寸法太り等の問題を引き起こし、高精細な蒸着パターンの形成の支障となる。なお、蒸着パターン太りとは、目的とする蒸着パターンよりも大きな形状の蒸着パターンが形成される現象を言う。
そこで、第1実施形態の蒸着マスクでは、各図に示すように、樹脂マスク20の一方の面上においてスリット15と重なる位置に対応する領域に、或いは、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40が設けられている点を特徴とする。この特徴を有する第1実施形態の蒸着マスク100によれば、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域に金属層40が設けられる場合においては、図示するように、1画面の外周近傍、すなわちスリット15の内壁面を構成する金属マスク10の金属部分のみならず、スリット15内に存在している各開口部25の周辺においても、金属層40によって蒸着対象物と蒸着マスク100とを、磁石によって引きつけることができる。要約すれば、蒸着マスクと、蒸着対象物とを広い範囲で引き付けることができる。これにより、樹脂マスク20に設けられた各開口部25と、蒸着対象物とを十分に密着させることができ、隙間の発生を効果的に防止することができる。また、金属層40の厚みは、金属マスク10の厚みよりも薄いことから、第1実施形態の蒸着マスクは、樹脂マスク20の開口部25間に、金属マスクと同じ厚みの金属線部分が設けられた蒸着マスクと比較して、シャドウの発生を引き起こしにくい。また、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40が設けられる場合においても、金属層40が設けられている領域において、蒸着対象物と蒸着マスクとを引き付けることができ隙間の発生を防止することができる。したがって、第1実施形態の蒸着マスクによれば、高精細な蒸着パターンの形成を行うことが可能となる。以下、金属層40について説明する。なお、以下で説明する金属層40は、後述する第2実施形態の蒸着マスクについても同様である。
金属層40の材料について特に限定はないが、磁石によって引きつけることができる磁性材料を含んでいればよい。磁性材料としては、純鉄、ニッケル、炭素鋼、W鋼、Cr鋼、Co鋼、KS鋼、MK鋼、NKS鋼、Cunico鋼、Al−Fe合金、鉄ニッケル合金、鉄ニッケル合金であるインバー材等を挙げることができる。また、本発明でいう金属層40とは、磁性材料のみからなるものであってもよく、磁性を有しない材料に磁性材料が含有されたものであってもよい。磁性を有しない材料としては、樹脂材料等を挙げることができる。つまり、金属層40は、結果として磁性を有するものであればよい。例えば、バインダーとなる樹脂材料に、磁性を有する金属を分散させたものを、金属層40の金属材料として用いることもできる。
金属層40の厚みについて特に限定はないが、第1実施形態の蒸着マスクは、少なくとも金属マスク10の厚みよりも、薄い厚みであることを必須の条件とする。このことは、金属層40の厚みを、金属マスク10の厚みと同じ厚み、或いは金属マスク10の厚みよりも厚くした場合には、金属層40が、シャドウの発生を引き起こし高精細な画面の形成を行うことができないことによる。
金属層40の厚みは、金属マスク10の厚みよりも薄い厚みであるとの条件を満たせば、その厚みについて特に限定はないが、0.01μm以上10μm以下が好ましく、0.05μm以上5μm以下がより好ましく、0.1μm以上1μm以下が特に好ましい。少なくとも、金属マスク10の厚みよりも薄い厚みとすることで、1画面内に金属マスク10と同じ厚み、或いは金属マスクの厚みよりも厚い厚みの金属線部分を存在させた場合と比較して、シャドウの影響を低減させることができる。
また、本実施形態の蒸着マスクにおいて、「樹脂マスクの一方の面においてスリットと重なる位置に対応する領域に金属層が設けられている」とは、樹脂マスクの一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する全表面を「金属層形成面」としたときに、当該「金属層形成面」の全表面が金属層40によって覆われていることを意味するものではない。つまり、「金属層形成面」の表面の一部に、金属層40によって覆われていない領域が存在していてもよい。換言すれば、「金属層形成面」の表面の一部が露出していてもよい。このことは、1つの貫通孔16と重なる位置に対応する樹脂マスク上に金属層40が設けられている第2実施形態の蒸着マスクについても同様である。
例えば、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域に金属層40が設けられる場合に、上記「金属層形成面」において横方向に隣接する開口部25の間に、金属層40によって覆われない領域を縦方向に延びるように存在させる、或いは、縦方向に隣接する開口部25の間に、金属層40が設けられない領域を横方向に延びるように存在させてもよい。図5(a)に示す形態では、横方向に隣接する開口部25の間に、樹脂マスク20の表面の一部である「金属層形成面」が縦方向に向かって露出するように、「金属層形成面」上に金属層40が設けられている。図5(b)に示す形態では、樹脂マスク20の表面の一部である「金属層形成面」がスポット状に露出するように、「金属層形成面」上に金属層40が設けられている。また、図示する形態にかえて「金属層形成面」上に、所定の間隔をあけてパターン状に複数の金属層40を設けることもできる。図5(a)、(b)は、図1における1画面部分を拡大した一例を示す部分拡大図である。
なお、金属層40の厚みや、材料によっては、金属層40の皮膜応力により樹脂マスク20に設けられた開口部25の寸法に変動が生ずる虞があるが、上記のように、「金属層形成面」上の一部に金属層40を設けない領域を存在させる、換言すれば、「金属層形成面」の一部分が露出するように、「金属層形成面」上に金属層40を設けることで、金属層40による皮膜応力を低減させることができる。このことは、「金属層形成面」上に金属層40を設けない領域を存在させることを、皮膜応力を低減させるための必須の条件とするものではなく、例えば、金属層40の厚みを上記好ましい厚みの範囲内とすることによって、或いは、皮膜応力の影響が小さい金属材料を用いて金属層40を形成することで金属層40の皮膜応力による影響を低減させることもできる。
上記のように「金属層形成面」上の一部分に金属層40を設けない領域を存在させる場合において、「金属層形成面」の全表面積に占める、当該「金属層形成面」と接する金属層40の表面積の割合が10%未満である場合には、本実施形態の蒸着マスクと蒸着対象物との密着性が不十分となる場合が生じ得る。したがって、「金属層形成面」上には、当該「金属層形成面」の全表面積を100%としたときに、「金属層形成面」と接する金属層40の面積が10%以上、特には50%以上となるように、金属層40が設けられていることが好ましい。なお、金属層40が設けられている面積の割合にかかわらず、金属層40が設けられている分だけ、金属層40が設けられていない蒸着マスクと比較して、蒸着対象物との密着性を向上させることができ、第1実施形態の蒸着マスクを用いて高精細な蒸着パターンを形成することができる。
図2(a)に示す形態では、「金属層形成面」上にのみ、金属層40が設けられた構成をとるが、第1実施形態の蒸着マスクは、この形態に限定されるものではなく、図3に示すように、金属マスク10上に金属層40が設けられていてもよい。また、図示しないが、金属マスク10のスリット15の内壁面に金属層40が設けられていてもよい。また、図4に示すように、「金属層形成面」上のみならず、樹脂マスク20と金属マスク10との間に金属層40を設けることもできる。
上記では、樹脂マスクの一方の面上、すなわち、金属マスク10と接する側の樹脂マスク20の表面に金属層40が設けられた例を中心に説明を行ったが、図2(b)に示すように、樹脂マスク20の他方の面上に、金属層40を設けることもできる。また、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域(「金属層形成面」)と、樹脂マスクの他方の面の双方の面上に金属層40を設けることもできる(図示しない)。
なお、蒸着マスクは、樹脂マスクの他方の面と、蒸着対象物とが対向するように引き付けが行われることから、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40が設けられる場合において、金属層40の平滑性が低い場合には、蒸着マスク100と蒸着対象物との密着性が不十分となる場合や、その平滑性によっては、蒸着マスク100と蒸着対象物との間に隙間が発生する虞が生じ得る。また、金属層40の厚みを厚くしていくにともない、蒸着マスクと、蒸着対象物とのギャップが大きくなり、形成されるパターン精度が低下する傾向にある。したがって、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40を設ける場合には、この点を考慮して、平滑性が高い金属層40を設けることが好ましい。樹脂マスク20の他方の面上に金属層40を設ける場合における金属層40の好ましい厚みは、上記「金属層形成面」上に設けられる場合で説明した好ましい厚みと同じである。なお、蒸着マスクの一方の面である「金属層形成面」上に金属層40が設けられた形態は、金属層40の平滑性にかかわらず、蒸着マスク100と蒸着対象物とを隙間なく密着させることができる点で好ましい形態であるといえる。
また、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40を形成する場合において、他方の面の一部に金属層40を設けない領域を存在させた場合には、当該領域において、蒸着マスクと蒸着対象物との間に隙間が生ずることとなる。したがって、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40を設ける場合には、樹脂マスク20の他方の面のうち、上記各画面を構成する領域に対応する面上、少なくとも、図2(c)に示すように、樹脂マスク20の他方の面のうち、開口部25の近傍に金属層40が設けられていることが好ましい。
また、本発明では、蒸着マスク100の構成として樹脂マスク20が用いられることから、この蒸着マスク100を用いて蒸着を行ったときに、樹脂マスク20の開口部25には非常に高い熱が加わり、樹脂マスク20の開口部25を形成する端面(開口部25の内壁面)(図9参照)から、ガスが発生し、蒸着装置内の真空度を低下させる等のおそれが生じ得る。したがって、この点を考慮すると、図9に示すように、樹脂マスク20の開口部25を形成する端面にも金属層40が設けられていることが好ましい。開口部25を形成する端面に金属層40を設けることで、樹脂マスク20の開口部25を形成する端面からガスが発生することを防止できる。
上記で説明した、樹脂マスク20の開口部25を形成する端面に金属層40を設けることにかえて、樹脂マスク20の開口部25を形成する端面に、金属層40とは別の層、例えば、無機酸化物や、無機窒化物の層を設けることもできる。これらの層を設けることによっても、開口部25を形成する端面からガスが発生することを防止することができる。無機酸化物としては、例えば、ケイ素、インジウム、スズ等の酸化物を用いることができる。
各図(図2(a)、図3、図9)に示す形態の蒸着マスクでは、樹脂マスク20の一方の面上においてスリット15と重なる位置に形成されている金属層40は、スリット15の内壁面と接しているが、図22に示すように、樹脂マスク20の一方の面上において、スリット15と重なる位置に形成されている金属層40は、スリット15の内壁面と接していないことが好ましい。これは、金属層40とスリット15との内壁面が接している場合には、当該接している箇所が、所謂「剥離きっかけ」となり、蒸着マスクの繰り返しの使用時や、蒸着マスクの洗浄時において、スリット15の内壁面と接している金属層40が、蒸着マスクから脱落しやすくなる傾向にあることによる。一方、好ましい形態の蒸着マスク100は、スリット15の内壁面と金属層40とが接していないことから、蒸着マスク100から金属層40が脱落することを抑制することができる。なお、蒸着マスク100から金属層40が脱落した場合には、当該脱落した金属層40が異物として作用し、高精細な蒸着パターンを作製する際の支障となる場合や、金属層40の脱落した部分において、蒸着マスクと蒸着対象物との密着性が低下していくこととなる。このことは、後述する第2実施形態、他の実施形態についても同様であり、第2実施形態の蒸着マスクにおいては、スリット15とある記載を、1つの貫通孔16と読み替えればよい。なお、図22は、図1に示す蒸着マスクのA−A断面図の変形例であり、図14、図17で示す第2実施形態の蒸着マスク100においてもこの形態を適用することができる。
図4に示す形態の蒸着マスクは、樹脂マスク20と金属マスク10との間に、金属層40が設けられており、金属層40とスリット15との内壁面が接しないことから、この形態の蒸着マスク100おいても、図22に示す蒸着マスクと同様に、金属層40の脱落を抑制することができる。なお、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40を設ける場合には、金属層40がスリット15の内壁面と接することがなく、この場合には、スリットの内壁面と金属層40とが接することにより金属層40が脱落しやすくなる上記の問題は生じない。
次に、金属層40の形成方法の一例について説明する。なお、本実施形態の蒸着マスクにおける金属層40は、この方法によって形成されたものに限定されるものではなく、「金属層形成面」上、或いは、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40を設けることができる各種の方法を用いることができる。以下、「金属層形成面」上に金属層40を形成する方法を中心に説明する。
一例としての金属層40の形成方法としては、開口部25が設けられた樹脂マスクと、当該開口部と重なる位置に複数のスリット15が設けられた金属マスクが積層された積層体を準備し、この積層体の金属マスク側から、スリットを通して樹脂マスクの表面に金属材料を付着させることで、金属層40を形成する方法である。この方法によれば、図3に示す形態の蒸着マスクを得ることができる。樹脂マスクの表面に金属材料を付着させる方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の各種PVD法、CVD法、メッキ法等を挙げることができる。
他の一例としての金属層40の形成方法としては、樹脂板上に金属層40を形成し、金属層40側から、レーザー加工法、エッチング加工法等の従来公知の方法を用いて、金属層40側から、金属層40及び樹脂板30を貫通する貫通孔を形成する。この貫通孔は、樹脂マスクの開口部25に対応している。これにより、樹脂マスク20の表面に、樹脂マスク20の開口部25に対応する貫通孔が設けられた金属層40が得られる。そして、表面に金属層40が設けられた樹脂マスク20と、スリット15が設けられた金属マスクを、金属層40と金属マスク10とが対向するように積層することで、図4に示す形態の蒸着マスクを得ることができる。また、樹脂板の他方の面に金属層を形成した後に、樹脂板の一方の面側から樹脂板30、及び金属層40を貫通する貫通孔を形成し、樹脂マスク20の金属層40が設けられていない側の面と、金属マスク10とが対向するように積層することで、図2(b)に示す形態の蒸着マスク100を得ることができる。樹脂板上に金属層40を形成する方法としては、上記真空蒸着法、スパッタリング法、各種PVD法、CVD法に加え、各種の塗工方法を用いて形成することができる。各種の塗工方法では、バインダー樹脂などに金属材料が分散されてなる塗工液が用いられる。また、樹脂板上に金属箔を貼り合わせることで樹脂板上に金属層40を形成することもできる。なお、エッチング加工法を用いて、樹脂板に開口部25を形成する場合において、樹脂板に開口部25を形成することができるエッチング材が、金属層40の材料を侵食可能な材料である場合には、1つのエッチング材を用いて、金属層40、及び樹脂板に開口部25となる貫通孔を形成することができる。一方、樹脂板に開口部25を形成することができるエッチング材が、金属層40の材料を侵食不能な材料である場合には、金属層40の材料を侵食可能なエッチング材を用いて、金属層40に開口部に対応する貫通孔を形成し、次いで、貫通孔が形成された金属層40を耐エッチングマスクとして用い、樹脂板を侵食可能なエッチング材を用いて、樹脂板をエッチング加工することで、樹脂板に開口部25を形成することができる。一方、レーザー加工法によれば、金属層40と樹脂板を貫通する貫通孔を一時に形成することが可能である。
上記で説明した第1実施形態の蒸着マスク100によれば、従来の蒸着マスクと比較して軽量化を図ることができる。具体的には、第1実施形態の蒸着マスク100の質量と、従来公知の金属のみから構成される蒸着マスクの質量とを、蒸着マスク全体の厚みが同一であると仮定して比較すると、従来公知の蒸着マスクの金属材料の一部を樹脂材料に置き換えた分だけ、第1実施形態の蒸着マスク100の質量は軽くなる。また、金属のみから構成される蒸着マスクを用いて、軽量化を図るためには、当該蒸着マスクの厚みを薄くする必要などがあるが、蒸着マスクの厚みを薄くした場合には、蒸着マスクを大型化した際に、蒸着マスクに歪みが発生する場合や、耐久性が低下する場合が起こる。一方、第1実施形態の蒸着マスクによれば、大型化したときの歪みや、耐久性を満足させるべく、蒸着マスク全体の厚みを厚くしていった場合であっても、樹脂マスク20の存在によって、金属のみから形成される蒸着マスクよりも軽量化を図ることができる。このことは、後述する第2実施形態の蒸着マスクについても同様である。以下、それぞれについて具体的に説明する。
(第1実施形態における樹脂マスク)
樹脂マスク20は、従来公知の樹脂材料を適宜選択して用いることができ、その材料について特に限定されないが、レーザー加工等によって高精細な開口部25の形成が可能であり、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さく、軽量な材料を用いることが好ましい。このような材料としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料の中でも、その熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましく、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましく、この双方の条件を備える樹脂材料が特に好ましい。第1実施形態の蒸着マスクでは、樹脂マスク20が、上述したように金属材料と比較して高精細な開口部25の形成が可能な樹脂材料から構成される。したがって、高精細な開口部25を有する蒸着マスク100とすることができる。このことは、後述する第2実施形態の蒸着マスクについても同様である。
樹脂マスク20の厚みについても特に限定はないが、第1実施形態の蒸着マスク100を用いて蒸着を行ったときに、目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる蒸着部分、所謂シャドウが生じることを防止するためには、樹脂マスク20は可能な限り薄いことが好ましい。しかしながら、樹脂マスク20の厚みが3μm未満である場合には、ピンホール等の欠陥が生じやすく、また変形等のリスクが高まる。一方で、25μmを超えるとシャドウの発生が生じ得る。この点を考慮すると樹脂マスク20の厚みは3μm以上25μm以下であることが好ましい。樹脂マスク20の厚みをこの範囲内とすることで、ピンホール等の欠陥や変形等のリスクを低減でき、かつシャドウの発生を効果的に防止することができる。特に、樹脂マスク20の厚みを、3μm以上10μm未満、より好ましくは4μm以上8μm以下とすることで、400ppiを超える高精細パターンを形成する際のシャドウの影響をより効果的に防止することができる。なお、第1実施形態の蒸着マスク100において、金属マスク10と樹脂マスク20とは、直接的に接合されていてもよく、粘着剤層を介して接合されていてもよいが、粘着剤層を介して金属マスク10と樹脂マスク20とが接合される場合には、上記シャドウの点を考慮して、樹脂マスク20と粘着剤層との合計の厚みが3μm以上25μm以下、好ましくは3μm以上10μm未満、特に好ましくは、4μm以上8μm以下の範囲内となるように設定することが好ましい。このことは、後述する第2実施形態の蒸着マスクの樹脂マスクについても同様である。
また、第1実施形態の蒸着マスク100は、上記樹脂マスク20と、金属マスク10が積層された構成をとることから、金属マスク10の存在によって蒸着マスク全体の耐久性の向上が図られ、これにより、ハンドリング性能や、破断、変形の防止が図られている。
次に、図1、図6〜図8を参照して、1画面を構成する開口部25の一例について説明する。なお、図示する形態において破線で閉じられた領域が1画面となっている。図示する形態では、説明の便宜上少数の開口部25の集合体を1画面としているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、1つの開口部25を1画素としたときに、1画面に数百万画素の開口部25が存在していてもよい。
図1に示す形態では、縦方向、横方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。図6に示す形態では、横方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。また、図7に示す形態では、縦方向に複数の開口部25が設けられてなる開口部25の集合体によって1画面が構成されている。そして、図1、図6、図7では、1画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。また、樹脂マスク20の一方の面のうち、各金属スリット15と重なる位置に対応する領域上、すなわち上記で説明した樹脂マスク20の「金属層形成面」上には、金属層40が設けられている。
上記で説明したように、スリット15は、1画面のみと重なる位置に設けられていてもよく、図8(a)、(b)に示すように、2以上の画面全体と重なる位置に設けられていてもよい。図8(a)では、図1に示す樹脂マスク10において、横方向に連続する2画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。図8(b)では、縦方向に連続する3画面全体と重なる位置にスリット15が設けられている。
次に、図1に示す形態を例に挙げて、1画面を構成する開口部25間のピッチ、画面間のピッチについて説明する。1画面を構成する開口部25間のピッチや、開口部25の大きさについて特に限定はなく、蒸着作製するパターンに応じて適宜設定することができる。例えば、400ppiの高精細な蒸着パターンの形成を行う場合には、1画面を構成する開口部25において隣接する開口部25の横方向のピッチ(P1)、縦方向のピッチ(P2)は60μm程度となる。また、開口部の大きさは、500μm2〜1000μm2程度となる。また、1つの開口部25は、1画素に対応していることに限定されることはなく、例えば、画素配列によっては、複数画素を纏めて1つの開口部25とすることもできる。
画面間の横方向ピッチ(P3)、縦方向ピッチ(P4)についても特に限定はないが、図1に示すように、1つのスリット15が、1画面全体と重なる位置に設けられる場合には、各画面間に金属線部分が存在することとなる。したがって、各画面間の縦方向ピッチ(P4)、横方向のピッチ(P3)が、1画面内に設けられている開口部25の縦方向ピッチ(P2)、横方向ピッチ(P1)よりも小さい場合、或いは略同等である場合には、各画面間に存在している金属線部分が断線しやすくなる。したがって、この点を考慮すると、画面間のピッチ(P3、P4)は、1画面を構成する開口部25間のピッチ(P1、P2)よりも広いことが好ましい。画面間のピッチ(P3、P4)の一例としては、1mm〜100mm程度である。なお、画面間のピッチとは、1の画面と、当該1の画面と隣接する他の画面とにおいて、隣接している開口部間のピッチを意味する。このことは、後述する第2実施形態の蒸着マスクにおける開口部25のピッチ、画面間のピッチについても同様である。
なお、図8(a)、(b)に示すように、1つのスリット15が、2つ以上の画面全体と重なる位置に設けられる場合には、1つのスリット15内に設けられている複数の画面間には、スリットの内壁面を構成する金属線部分が存在しないこととなる。したがって、この場合、1つのスリット15と重なる位置に設けられている2つ以上の画面間のピッチは、1画面を構成する開口部25間のピッチと略同等であってもよい。
開口部25の断面形状についても特に限定はなく、開口部25を形成する樹脂マスクの向かいあう端面同士が略平行であってもよいが、図2〜図4、図9に示すように、開口部25はその断面形状が、蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。換言すれば、金属マスク10側に向かって広がりをもつテーパー面を有していることが好ましい。開口部25の断面形状を当該構成とすることにより、第1実施形態の蒸着マスクを用いて蒸着を行ったときに、蒸着作成するパターンにシャドウが生じることを防止することができる。テーパー角については、樹脂マスク20の厚み等を考慮して適宜設定することができるが、樹脂マスクの開口部における下底先端と、同じく樹脂マスクの開口部における上底先端を結んだ角度が5°〜85°の範囲内であることが好ましく、15°〜80°の範囲内であることがより好ましく、25°〜65°の範囲内であることがさらに好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。さらに、図2〜図4、図9にあっては、開口部25を形成する端面は直線形状を呈しているが、これに限定されることはなく、外に凸の湾曲形状となっている、つまり開口部25の全体の形状がお椀形状となっていてもよい。このような断面形状を有する開口部25は、例えば、開口部25の形成時における、レーザーの照射位置や、レーザーの照射エネルギーを適宜調整する、或いは照射位置を段階的に変化させる多段階のレーザー照射を行うことで形成可能である。このことは、後述する第2実施形態の蒸着マスクについても同様である。
樹脂マスク20は、樹脂材料が用いられることから、従来の金属加工に用いられる加工法、例えば、エッチング加工法や切削等の加工方法によらず、開口部25の形成が可能である。つまり、開口部25の形成方法について特に限定されることなく、各種の加工方法、例えば、高精細な開口部25の形成が可能なレーザー加工法や、精密プレス加工、フォトリソ加工等を用いて開口部25を形成することができる。このことは、後述する第2実施形態の蒸着マスクについても同様である。レーザー加工法等によって開口部25を形成する方法については後述する。
エッチング加工法としては、例えば、エッチング材を噴射ノズルから所定の噴霧圧力で噴霧するスプレーエッチング法、エッチング材が充填されたエッチング液中に浸漬エッチング法、エッチング材を滴下するスピンエッチング法等のウェットエッチング法や、ガス、プラズマ等を利用したドライエッチング法を用いることができる。
図10は樹脂マスクの別の態様の正面図であり、金属マスク10、及び金属層40を省略している。図10に示すように、樹脂マスク20には、樹脂マスク20の縦方向、或いは横方向(図10の場合は縦方向)にのびる溝28が形成されていることが好ましい。蒸着時に熱が加わった場合、樹脂マスク20が熱膨張し、これにより開口部25の寸法や位置に変化が生じる可能性があるが、当該溝28を形成することで樹脂マスクの膨張を吸収することができ、樹脂マスクの各所で生じる熱膨張が累積することにより樹脂マスク20が全体として所定の方向に膨張して開口部25の寸法や位置が変化することを防止することができる。また、溝28が形成された樹脂マスク20上に金属層40を設けることで、金属層40の皮膜応力を低減させることができる。溝28の形成位置について限定はなく、1画面を構成する開口部25間や、開口部25と重なる位置に設けられていてもよいが、縦画面間に設けられていることが好ましい。また、溝28は、樹脂マスクの一方の面、例えば、金属マスクと接する側の面のみに設けられていてもよく、金属マスクと接しない側の面のみに設けられていてもよい。或いは、樹脂マスク20の両面に設けられていてもよい。
図10では、隣接する画面間に縦方向に延びる溝28が形成されているが、これに限定されることはなく、隣接する画面間に横方向に延びる溝を形成してもよい。さらには、これらを組み合わせた態様で溝を形成することも可能である。
溝28の深さやその幅については特に限定はないが、溝28の深さが深すぎる場合や、幅が広すぎる場合には、樹脂マスク20の剛性が低下する傾向にあることから、この点を考慮して設定することが必要である。また、溝の断面形状についても特に限定されることはなくU字形状やV字形状など、加工方法などを考慮して任意に選択すればよい。溝28については、第2実施形態の蒸着マスクについても同様に適用可能である。
(第1実施形態における金属マスク)
金属マスク10は、金属から構成され、複数のスリット15が設けられている。第1実施形態の蒸着マスクでは上記で説明したように、各スリット15は、少なくとも1つの画面全体と重なる位置に設けられている。換言すれば、1画面を構成する開口部25は、1つのスリット15と重なる位置に設けられている。スリット15は開口と同義である。
次に、図11(a)〜図11(d)を用いてシャドウの発生と、金属マスク10の厚みによって生じ得るシャドウの発生や、少なくとも1画面全体と重なる位置にスリットが設けられている第1実施形態の蒸着マスク100の優位性について説明する。なお、図11(a)は、1画面内を構成する開口部25aが、複数のスリット15aで分割されている蒸着マスクの部分拡大断面図であり、図11(b)は、図11(a)に示す蒸着マスクにおいて、金属マスクの厚みを厚くした状態を示す部分拡大断面図である。図11(c)は、1つのスリット15が、1画面全体と重なる位置に設けられている第1実施形態の蒸着マスク100の一例を示す部分拡大断面図である。図11(d)は、図11(c)における蒸着マスク100において金属マスク10の厚みを厚くした状態を示す部分拡大断面図である。また、図示する形態では、横方向に5つの開口部(縦方向は任意とする)が設けられている開口部25の集合体を1画面としている。
図11(a)に示すように、1画面を構成する開口部25aが、複数のスリット15aで分割されている場合には、隣接する開口部25a間の一部にスリット15aの壁面をなす金属線部分が存在することとなる。高精細な蒸着パターンの形成を行うべく、開口部25aのピッチや、開口部25aの形状を微細化していった場合において、1画面を構成する開口部25a間に金属線部分が存在している場合には、当該金属線部分が、蒸着源から放出された蒸着材の開口部25a内への通過を妨げ、高精細な蒸着パターンの作製を行うことが困難となる。また、金属マスク10aの厚みを薄くしていった場合には、蒸着マスク全体の耐久性も低下していくこととなる。蒸着マスク全体の耐久性を向上させるべく、図11(b)に示すように金属マスク10aの厚みを厚くしていった場合には、蒸着源から放出された蒸着材が、より金属線部分の内壁面に衝突しやすくなる。金属線部分の内壁面に衝突する蒸着材の量が多くなるほど、蒸着対象物へ到達することができなくなる蒸着材の量は多くなり、シャドウの発生がより顕著に発生する。
一方、第1実施形態の蒸着マスクでは、図11(c)に示すように、1画面全体、すなわち、1画面内に設けられている全ての開口部25は、1つのスリット15と重なる位置に設けられている。さらに、当該スリット15と重なる樹脂マスク20の表面、すなわち、上記「金属層形成面」上に設けられる金属層40、或いは、図2(b)に示すように、樹脂マスク20の他方の面上に設けられる金属層40は、金属マスクよりも厚みが薄いことから、図11(c)に示すように、開口部25内に蒸着材を無駄なく通過させることができ、シャドウの発生を防止することができる。また、図11(d)に示すように、ある程度、金属マスク10の厚みを厚くしていった場合であっても、シャドウの影響が小さく、高精細な蒸着パターンの形成が可能となる。特に、本発明では、金属マスク10の厚みを、100μm程度としていった場合であっても、シャドウの発生を防止することができる。さらに、図11(c)、(d)に示す形態では、蒸着マスクと蒸着対象物とを、金属層40を用いて隙間なく密着させることができる。また、金属マスク10の厚みを厚くすることで、蒸着マスク100全体の耐久性は向上することから、第1実施形態の蒸着マスクでは、高精細な蒸着パターンの形成を可能としつつも、その厚みを適宜設定することで耐久性を向上させることができる。つまり、図2〜4、図11(c)、(d)に示す本実施形態の蒸着マスクによれば、図11(a)、(b)に示す形態の蒸着マスクと比較して、蒸着材の衝突による影響が少なく、或いは影響を無くしてシャドウの発生を抑えることができるとともに、当該形態の蒸着マスクと蒸着対象物とを金属層40を利用して隙間なく密着させることができる。
金属マスク10の厚みについて特に限定はないが、シャドウの発生をより効果的に防止するためには、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、35μm以下であることが特に好ましい。なお、5μmより薄くした場合、破断や変形のリスクが高まるとともにハンドリングが困難となる傾向にある。第2実施形態の金属マスクについても同様である。
また、第1実施形態の蒸着マスク100において、さらに、シャドウ発生を十分に防止するには、図2〜図4、図9に示すように、スリット15の断面形状を、蒸着源に向かって広がりをもつような形状とすることが好ましい。このような断面形状とすることで、蒸着マスク100に生じうる歪みの防止、或いは耐久性の向上を目的として、蒸着マスク全体の厚みを厚くしていった場合であっても、蒸着源から放出された蒸着材が、スリット15の当該表面や、スリット15の内壁面に衝突等することなく、蒸着材を蒸着対象物へ到達させることができる。より具体的には、金属マスク10のスリット15における下底先端と、同じく金属マスク10のスリット15における上底先端を結んだ直線と金属マスク10の底面とのなす角度が5°〜85°の範囲内であることが好ましく、15°〜80°の範囲内であることがより好ましく、25°〜65°の範囲内であることがさらに好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。このような断面形状とすることで、蒸着マスク100に生じうる歪みの防止、或いは耐久性の向上を目的として金属マスク10の厚みを比較的厚くした場合であっても、蒸着源から放出された蒸着材が、スリット15の内壁面に衝突等することなく、蒸着材を蒸着対象物へ到達させることができる。これにより、シャドウ発生をより効果的に防止することができる。なお、樹脂マスク20の開口部25の向かいあう端面は略平行となっていてもよいが、上記で説明したように。金属マスク10のスリット15、及び樹脂マスク20の開口部25は、ともにその断面形状が、蒸着源側に向かって広がりを持つ形状となっていることが好ましい。第2実施形態の金属マスクについても同様である。
また、図示する形態では、スリット15の開口形状は、矩形状を呈しているが、開口形状について特に限定はなく、スリット15の開口形状は、台形状、円形状等いかなる形状であってもよい。第2実施形態の金属マスクのスリット15の開口形状についても同様である。
金属マスク10の材料について特に限定はなく、蒸着マスクの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ステンレス鋼、鉄ニッケル合金、アルミニウム合金などの金属材料を挙げることができる。中でも、鉄ニッケル合金であるインバー材は熱による変形が少ないので好適に用いることができる。金属マスク10と、金属層40は同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。第2実施形態の金属マスクについても同様である。
図12は、第1実施形態の蒸着マスク100の別の態様を示す正面図である。図12に示すように、蒸着マスク100の金属マスク10側から見た正面図において、1画面を構成する開口部25を横方向に互い違いに配置してもよい。つまり、横方向に隣り合う開口部25を縦方向にずらして配置してもよい。このように配置することにより、樹脂マスク20が熱膨張した場合にあっても、各所において生じる膨張を開口部25によって吸収することができ、膨張が累積して大きな変形が生じることを防止することができる。後述する第2実施形態の蒸着マスクにおいても同様である。
<第2実施形態の蒸着マスク>
次に第2実施形態の蒸着マスクについて説明する。図13、図14に示すように、本発明の第2実施形態の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応した開口部25が複数設けられた樹脂マスク20の一方の面上に、1つの貫通孔16が設けられた金属マスク10が積層されてなり、当該複数の開口部25の全てが、金属マスク10に設けられた1つの貫通孔と重なる位置に設けられている点を特徴とする。さらに、第2実施形態の蒸着マスクは、樹脂マスクの一方の面において1つの貫通孔16と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスク10よりも厚みが薄い金属層40が設けられている点を特徴とする。第2実施形態の蒸着マスクで言う開口部25とは、蒸着対象物に蒸着パターンを形成するために必要な開口部を意味し、蒸着対象物に蒸着パターンを形成するために必要ではない開口部は、1つの貫通孔16と重ならない位置に設けられていてもよい。なお、図13は、第2実施形態の蒸着マスクの一例を示す蒸着マスクを金属マスク側から見た正面図であり、図14は、図13に示す蒸着マスクのB−B断面図である。
第2実施形態の蒸着マスク100によれば、樹脂マスク20の一方の面上に、金属マスク10が設けられていることから、蒸着マスク100の耐久性や、ハンドリング性を高めることができる。なお、樹脂マスク20上に金属マスク10を設けることなく、樹脂マスクのみからなる蒸着マスクとした場合には、蒸着マスクの耐久性や、ハンドリング性は低下していくこととなる。特に、高精細な蒸着パターンの形成を行うためには、樹脂マスクの厚みは薄いことが好ましく、樹脂マスクの厚みを薄くしていった場合には、樹脂マスクのみからなる蒸着マスクの耐久性や、ハンドリング性能はさらに低下していく。
具体的には、第2実施形態の蒸着マスク100においては、図18(a)、(b)に示すように、開口部25間に貫通孔16の壁面をなす金属線部分が存在していないことから、高精細な蒸着パターンの形成が可能となる。また、貫通孔16の壁面をなす金属線部分は、蒸着マスク100の端部近傍に位置することから、蒸着パターンの形成に影響を与えることなく、高精細な蒸着パターンの形成を行うことが可能となる。
また、第2実施形態の蒸着マスクによれば、図18(b)に示すように、金属マスク10の厚みを厚くしていった場合であっても、シャドウの影響を殆ど受けることがないことから、金属マスク10の厚みを、耐久性や、ハンドリング性を十分に満足させることができるまで厚くすることができ、高精細な蒸着パターンの形成を可能としつつも、耐久性や、ハンドリング性を向上させることができる。
第2実施形態の蒸着マスクにおいても、上記第1実施形態の蒸着マスクと同様、樹脂マスク20の厚みを薄くしていった場合であっても、金属マスク10の存在によって、蒸着マスク100に十分な耐久性と、ハンドリング性を付与することができる。また、第2実施形態の蒸着マスク100によれば、蒸着マスクの軽量化を図ることができる。これらの理由は、上記第1実施形態の蒸着マスクで説明した理由と同じである。
第2実施形態の蒸着マスク100は、複数の開口部25を有する樹脂マスク20上に、1つの貫通孔16を有する金属マスク10が設けられており、かつ、複数の開口部25の全ては、当該1つの貫通孔16と重なる位置に設けられている。この構成を有する第2実施形態の蒸着マスク100では、開口部25間に、金属マスクの厚みと同じ厚み、或いは、金属マスクの厚みより厚い金属線部分が存在していないことから、上記第1実施形態の蒸着マスクで説明したように、金属線部分による干渉を受けることなく樹脂マスク20に設けられている開口部25の寸法通りに高精細な蒸着パターンを形成することが可能となる。
また、上記で説明したように、第1実施形態の蒸着マスクと同様、第2実施形態の蒸着マスク100においても、1つの貫通孔16と重なる位置に対応する樹脂マスク20の一方の面上、すなわち、第1実施形態の蒸着マスクで言う「金属層形成面」上、又は、樹脂マスク20の他方の面上、或いは、「金属層形成面」上と、樹脂マスク20の他方の面上の双方の面上に、金属層40が設けられている。したがって、第2実施形態の蒸着マスクにおいても、蒸着対象物と、蒸着マスク100との間に生じ得る隙間の発生を防止できる。換言すれば、蒸着対象物と、開口部25とを十分に密着させることができる。これにより、第2実施形態の蒸着マスク100においても、高精細な蒸着パターンの形成が可能となる。また、第2実施形態の蒸着マスクにおいても、図18(a)、(b)に示すように、樹脂マスク20の一方の面のうち、1つの貫通孔16と重なる位置に対応する領域上に設けられる金属層40の厚みは、貫通孔16が設けられた金属マスク15よりもその厚みが薄いことを条件とする。樹脂マスク20の他方の面上に金属層40が設けられる場合の金属層40の厚みについても同様である。したがって第2実施形態の蒸着マスクによれば、開口部25間に、金属マスクと同じ、或いはこれよりも厚い金属線部分を存在させた蒸着マスク(第1実施形態の図11(b)参照)と比較して、シャドウの影響を低減させることができ、高精細な蒸着パターンの形成が可能な蒸着マスクとすることができる。金属層40については、特に断りがない限り、上記第1実施形態の蒸着マスクで説明したものをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
例えば、図14に示す形態では、1つの貫通孔16と重なる樹脂マスク20上にのみ、金属層40が設けられた構成をとるが、第1実施形態の蒸着マスクで説明したように、金属マスク10上に金属層40が設けられていてもよい(第1実施形態の図3参照)。また、金属マスク10の貫通孔16の内壁面に金属層40が設けられていてもよい。また、樹脂マスク20と金属マスク10との間に金属層40を設けることもできる(第1実施形態の図4参照)。また、開口部25の端部(開口部25の内壁面)に金属層40、或いは、無機酸化物や、無機窒化物の層を設けることもできる(第1実施形態の図9参照)。
また、第1実施形態の蒸着マスクと同様に、第2実施形態の蒸着マスクにおいても、「金属層形成面」上の一部分に金属層40によって覆われていない領域を存在させてもよい(第1実施形態の図5参照)。この場合において、「金属層形成面」上には、「金属層形成面」の全表面積を100%としたときに、「金属層形成面」と接する金属層40の面積が10%以上、特には50%以上となるように、金属層40が設けられていることが好ましい。
また、第2実施形態の蒸着マスクにおいても、樹脂マスク20の他方の面上に金属層40を設けることもできる。また、上記「金属層形成面」、及び樹脂マスクの他方の面の双方の面上に、金属層40を設けることもできる。樹脂マスク20の他方の面上に金属層40を設ける構成は、第1実施形態の蒸着マスクで説明したものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
(第2実施形態における樹脂マスク)
第2実施形態の蒸着マスクにおける樹脂マスク20は、樹脂から構成され、図13、14に示すように、1つの貫通孔16と重なる位置に蒸着作製するパターンに対応した開口部25が複数設けられている。開口部25は、蒸着作製するパターンに対応しており、蒸着源から放出された蒸着材が開口部25を通過することで、蒸着対象物には、開口部25に対応する蒸着パターンが形成される。なお、図示する形態では、開口部が縦横に複数列配置された例を挙げて説明をしているが、縦方向、或いは横方向にのみ配置されていてもよい。
開口部25の形状、大きさについて特に限定はなく、蒸着作製するパターンに対応する形状、大きさであればよい。
第2実施形態の蒸着マスク100は、1画面に対応する蒸着パターンの形成に用いられるものであってもよく、2以上の画面に対応する蒸着パターンの同時形成に用いられるものであってもよい。第2実施形態の蒸着マスクにおける「1画面」とは、1つの製品に対応する開口部25の集合体を意味し、当該1つの製品が有機ELディスプレイである場合には、1つの有機ELディスプレイを形成するのに必要な有機層の集合体、つまり、有機層となる開口部25の集合体が「1画面」となる。この場合には、図15に示すように、画面単位毎に所定の間隔をあけて開口部25が設けられていることが好ましい。なお、図15では、破線で閉じられた領域を「1画面」としている。図15では、12個の開口部25によって1画面が構成されているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、1つの開口部25を1画素としたときに、数百万個の開口部25によって1画面を構成することもできる。画面間のピッチの一例としては、縦方向のピッチ、横方向のピッチともに1mm〜100mm程度である。なお、画面間のピッチとは、1の画面と、当該1の画面と隣接する他の画面とにおいて、隣接している開口部間のピッチを意味する。
(第2実施形態における金属マスク)
第2実施形態の蒸着マスク100における金属マスク10は、金属から構成され1つの貫通孔16を有している。そして、本発明では、当該1つの貫通孔16は、金属マスク10の正面からみたときに、全ての開口部25と重なる位置、換言すれば、樹脂マスク20に配置された全ての開口部25がみえる位置に配置されている。
金属マスク10を構成する金属部分、すなわち貫通孔16以外の部分は、図13、図14に示すように蒸着マスク100の外縁に沿って設けられていてもよく、図16、図17に示すように金属マスク10の大きさを樹脂マスク20よりも小さくし、樹脂マスク20の外周部分を露出させてもよい。なお、図17は、図16に示す蒸着マスクのB1−B1断面図である。また、金属マスク10の大きさを樹脂マスク20よりも大きくして、金属部分の一部を、樹脂マスクの横方向外方、或いは縦方向外方に突出させてもよい。なお、いずれの場合であっても、貫通孔16の大きさは、樹脂マスク20の大きさよりも小さく構成されている。
図13に示される金属マスク10の貫通孔の壁面をなす金属部分の横方向の幅(W1)や、縦方向の幅(W2)について特に限定はないが、W1、W2の幅が狭くなっていくに従い、耐久性や、ハンドリング性が低下していく傾向にある。したがって、W1、W2は、耐久性や、ハンドリング性を十分に満足させることができる幅とすることが好ましい。金属マスク10の厚みに応じて適切な幅を適宜設定することができるが、好ましい幅の一例としては、W1、W2ともに1mm〜100mm程度である。開口部間の好ましいピッチ(P1、P2)については第一実施形態の金属マスクと同様に1mm〜100mm程度である。
(第1実施形態の蒸着マスクの製造方法)
次に、第1実施形態の蒸着マスクの製造方法について説明する。第1実施形態の蒸着マスク100の製造方法は、図19(a)に示すように、樹脂板30の一方の面上に、複数のスリット15が設けられた金属マスク10が積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、図19(b)に示すように金属マスク側からスリット15を通して樹脂板30の一方の面にレーザーを照射して、図19(c)に示すように複数画面を構成するために必要な開口部25を樹脂板30に形成する樹脂マスク形成工程と、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスク20の他方の面の何れか一方、又は双方の面上に、金属材料を付着させて、樹脂マスクの一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域(図19(d)参照)、及び樹脂マスク20の他方の面(図2(b)参照)の何れか一方、又は双方の面上に、金属マスクよりも厚みが薄い金属層40を形成する金属層形成工程とを備え、樹脂板付金属マスクを構成する金属マスク10として、複数画面のうちの少なくとも1画面全体と重なるスリット15が設けられた金属マスクが用いられることを特徴とする。以下、第1実施形態の蒸着マスクの製造方法について具体的に説明する。
(準備工程)
図19(a)に示される樹脂板30に、複数のスリットが設けられた金属マスク10が積層された樹脂板付き金属マスクを準備するにあたり、当該樹脂板付き金属マスクを得るための製造方法の一例を説明する。
(樹脂板付き金属マスクの第1の製造例)
樹脂板付き金属マスクの第1の製造方法は、まず、複数のスリット15が設けられた金属マスクと、樹脂板30とを準備する。本発明では、ここで準備される金属マスク10が、上記第1実施形態の蒸着マスク100で説明した、少なくとも1画面全体に設けられている開口部25全体と重なるスリット15が設けられている金属マスク10が用いられる。次いで、上記で準備した樹脂板30と、金属マスク10とを貼り合わせることで、樹脂板付き金属マスクが得られる。
上記の方法において、樹脂板付金属マスクを構成する樹脂板30には、板状の樹脂のみならず、上記のようにコーティングによって形成された樹脂層や樹脂膜も含まれる。つまり、樹脂板は、予め準備されたものであってもよく、従来公知のコーティング法等によって形成されたものであってもよい。また、樹脂板は、樹脂フィルムや樹脂シートを含む概念である。また、樹脂板の硬度についても限定はなく、硬質板であってもよく、軟質板であってもよい。また、樹脂板30と金属マスク10との貼り合せ方法について特に限定はなく、金属マスク10と樹脂板30とは各種粘着剤を用いて貼り合わせてもよく、自己粘着性を有する樹脂板を用いてもよい。金属マスク10と樹脂板30の大きさは同一であってもよく、異なる大きさであってもよい。なお、この後に任意で行われるフレームへの固定を考慮して、樹脂板30の大きさを金属マスク10よりも小さくし、金属マスク10の外周部分が露出された状態としておくと、金属マスク10とフレームとの溶接が容易となり好ましい。
「スリットが設けられた金属マスクの形成方法」
スリット15が設けられた金属マスク10の形成方法としては、金属板の表面にマスキング部材、例えば、レジスト材を塗工し、所定の箇所を露光し、現像することで、最終的にスリット15が形成される位置を残したレジストパターンを形成する。マスキング部材として用いるレジスト材としては処理性が良く、所望の解像性があるものが好ましい。次いで、このレジストパターンを耐エッチングマスクとして用いてエッチング法によりエッチング加工する。エッチングが終了後、レジストパターンを洗浄除去する。これにより、複数のスリット15が設けられた金属マスク10が得られる。スリット15を形成するためのエッチングは、金属板の片面側から行ってもよく、両面から行ってもよい。また、金属板に樹脂板が設けられた積層体を用いて、金属板にスリット15を形成する場合には、金属板の樹脂板と接しない側の表面にマスキング部材を塗工して、片面側からのエッチングによってスリット15が形成される。なお、樹脂板が、金属板のエッチング材に対し耐エッチング性を有する場合には、樹脂板の表面をマスキングする必要はないが、樹脂板が、金属板のエッチング材に対する耐性を有しない場合には、樹脂板の表面にマスキング部材を塗工しておく必要がある。また、上記では、マスキング部材としてレジスト材を中心に説明を行ったが、レジスト材を塗工する代わりにドライフィルムレジストをラミネートし、同様のパターニングを行ってもよい。
(樹脂板付き金属マスクの第2の製造例)
樹脂板付き金属マスクを得るための第2の方法は、予め金属マスクとなる金属板に対して樹脂層をコーティングにより形成した積層体を準備し、金属板の表面にマスキング部材、例えば、レジスト材を塗工し、所定の箇所を露光し、現像することで、最終的にスリット15が形成される位置を残したレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンを耐エッチングマスクとして用いてエッチング法によりエッチング加工し、エッチングが終了後、レジストパターンを洗浄除去することで樹脂板上に金属マスクが設けられた樹脂板付き金属マスクを得る。
(フレームに樹脂板付き金属マスクを固定する工程)
当該工程は、第1実施形態の蒸着マスクの製造方法における任意の工程であるが、完成した蒸着マスクをフレームに固定するのではなく、フレームに固定された状態の樹脂板付き金属マスクに対し、後から開口部を設けているので、位置精度を格段に向上せしめることができる。なお、完成した蒸着マスク100をフレームに固定する場合には、開口が決定された金属マスクをフレームに対して引っ張りながら固定するために、本工程を有する場合と比較して、開口位置座標精度は低下することとなる。
フレームに、樹脂板付き金属マスクを固定する方法について特に限定はなく、例えば、レーザー光によるスポット溶接、接着剤、ねじ止め等を用いて固定することができる。
ここで用いられるフレームは、略矩形形状の枠部材であり、最終的に固定される蒸着マスク100の樹脂マスクに設けられた開口部25を蒸着源側に露出させるための開口を有する。フレームの材料について特に限定はなく、蒸着マスクを支持することができる部材であればよく、例えば、金属フレーム、セラミックフレーム等を使用することができる。中でも、金属フレームは、蒸着マスクの金属マスクとの溶接が容易であり、変形等の影響が小さい点で好ましい。金属フレームの材料としては、剛性が大きい金属材料、例えば、SUSや、インバー材などが好適である。
フレームの厚みについても特に限定はないが、剛性等の点から10mm〜30mm程度であることが好ましい。フレームの開口の内周端面と、フレームの外周端面間の幅は、当該フレームと、蒸着マスクの金属マスクとを固定することができる幅であれば特に限定はなく、例えば、10mm〜70mm程度の幅を例示することができる。
フレームの開口の内周面間の幅、及び当該フレームの外周端面間の幅についても特に限定はないが、フレームにおける開口の内周面横方向間の幅は、蒸着マスクや、樹脂板付き金属マスクの横方向の幅よりも小さい幅となっている。同様に、フレームにおける開口の内周面縦方向間の幅は蒸着マスクや樹脂板付き金属マスクの縦方向の幅よりも小さい幅となっている。フレームの横方向端面間の幅について特に限定はない。
また、樹脂マスク20の開口部25の露出を妨げない範囲で、フレームの開口に補強フレーム等が存在していてもよい。換言すれば、開口が、補強フレーム等によって分割された構成を有していてもよい。図23に示す形態では、横方向に延びる補強フレーム65が縦方向に複数配置されているが、この補強フレーム65にかえて、或いは、これとともに縦方向に延びる補強フレームが横方向に複数列配置されていてもよい。また、図24に示す形態では、縦方向に延びる補強フレーム65が横方向に複数配置されているが、この補強フレーム65にかえて、或いは、これとともに、横方向に延びる補強フレームが縦方向に複数配置されていてもよい。補強フレーム65が配置されたフレーム60を用いることで、当該フレーム60に、上記で説明した各種の実施形態の蒸着マスク100を縦方向、及び横方向に複数並べて固定するときに、当該補強フレームと蒸着マスクが重なる位置においても、金属フレーム60に蒸着マスクを固定することができる。なお、図23は、補強フレーム65を有するフレーム60に、1つの蒸着マスク100が固定されてなるフレーム付き蒸着マスクを示す正面図であり、図24は、補強フレーム65を有するフレーム60に、複数の蒸着マスク100が固定されてなるフレーム付き蒸着マスクを示す正面図であり、ともに、樹脂マスク側から見た図である。
(金属マスク側からレーザーを照射し、樹脂板付き金属マスクの樹脂板に蒸着作製するパターンに対応した開口部を形成する工程)
次に、図19(b)に示すように、樹脂板付き金属マスクの金属マスク10側からスリット15を通してレーザーを照射し、樹脂板30に蒸着作製するパターンに対応した開口部25を形成し、樹脂マスク20とする。ここで用いるレーザー装置については特に限定されることはなく、従来公知のレーザー装置を用いればよい。これにより、図19(c)に示すように、開口部25が設けられた樹脂マスクとスリット15が設けられた金属マスクとが積層されてなる積層体を得る。
本発明の第1実施形態の蒸着マスクの製造方法では、予め1画面全体、或いは2以上の画面全体と重なる位置にスリット15が設けられた金属マスク10が用いられることから、本工程では、1つのスリット15内には、1画面を構成するのに必要な開口部25、或いは2以上の画面を構成するのに必要な開口部25が形成される。つまり、1つのスリット15は、1画面全体を構成する開口部、或いは2以上の画面全体を構成する開口部25と重なるように設けられることとなる。
また、フレームに固定された樹脂板付き金属マスクの樹脂板に開口部25を設けるに際し、蒸着作製するパターン、すなわち形成すべき開口部25に対応するパターンが予め設けられた基準板(図示しない)を準備し、この基準板を、樹脂板の金属マスク10が設けられていない側の面に貼り合せた状態で、金属マスク10側から、基準板のパターンに対応するレーザー照射を行ってもよい。この方法によれば、樹脂板付き金属板に貼り合わされた基準板のパターンを見ながらレーザー照射を行う、いわゆる向こう合わせの状態で、開口部25を形成することができ、開口の寸法精度が極めて高い高精細な開口部25を形成することができる。また、この方法は、フレームに固定された状態で開口部25の形成が行われることから、寸法精度のみならず、位置精度にも優れた蒸着マスクとすることができる。
なお、上記方法を用いる場合には、金属マスク10側から、樹脂板30を介して基準板のパターンをレーザー照射装置等で認識することができることが必要である。樹脂板としては、ある程度の厚みを有する場合には透明性を有するものを用いることが必要となるが、上記で説明したように、シャドウの影響を考慮した好ましい厚み、例えば、3μm〜25μm程度の厚みとする場合には、着色された樹脂板であっても、基準板のパターンを認識させることができる。
樹脂板付き金属マスクと基準板との貼り合せ方法についても特に限定はなく、例えば、金属マスク10が磁性体である場合には、基準板の後方に磁石等を配置して、樹脂板付き金属マスクの樹脂板30と基準板とを引きつけることで貼り合せることができる。これ以外に、静電吸着法等を用いて貼り合せることもできる。基準板としては、例えば、所定の開口パターンを有するTFT基板や、フォトマスク等を挙げることができる。
(金属層形成工程)
次に、上記で得られた開口部25が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、スリット15が設けられた金属マスク10が積層されてなる積層体の、金属マスク10側からスリット15を通して樹脂マスク20の一方の面上に金属材料を付着させ、スリット15と重なる位置に対応する樹脂マスク20の一方の面上に金属マスクよりも厚みが薄い金属層40を形成する。これにより、第1実施形態の蒸着マスクを得る。なお、図19(d)に示す構成では、金属マスク10の頂面や、金属マスク10のスリット内壁面(図示しない)にも、金属層40が設けられることとなるが、金属層40の形成を所望しない領域、例えば、スリット15と重なる樹脂マスク20の表面以外をマスキング処理して、スリット15と重なる樹脂マスク20の表面のみに金属層40を設けることもできる。また、スリット15と重なる位置に対応する樹脂マスクの表面の一部をマスキング処理することで、「金属層形成面」上の一部分が金属層40によって覆われない構成とすることもできる。(第1実施形態の図5参照)
また、上記で説明したように、好ましい形態の蒸着マスク100は、金属層40が、スリット15の内壁面と接していない(図22参照)ことを特徴としている。したがって、当該好ましい形態の蒸着マスクとする場合には、樹脂マスク20の一方の面のうち、「金属層形成面」以外の領域、及びスリット15の内壁面の近傍をマスキング処理して、樹脂マスク20の一方の面上に、金属材料を付着させることで、スリット15の内壁面と接しない金属層40とすることができる。これ以外にも、一旦、スリット15の内壁面と接するように、金属層40を形成した後に、当該金属層40と、スリット15の内壁面とが接している箇所に対し、レーザー加工や、エッチング加工等の任意の処理を施して、金属層40の一部を除去することで、金属層40とスリット15の内壁面とが接しない形態とすることもできる。
また、金属層形成工程の他の形態では、樹脂マスク20の他方の面上に、金属材料を付着させ、樹脂マスク20の他方の面上に金属マスクよりも厚みが薄い金属層40を形成する。
金属材料を付着させて金属層40を形成する方法について特に限定はなく、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の各種PVD法、CVD法、メッキ法等を挙げることができる。金属材料の付着量については、金属層40の厚みが、金属マスク10の厚みよりも薄いとの条件を満たす範囲内で適宜設定することができる。好ましくは、金属層40の厚みが、0.01μm以上10μm以下が好ましく、0.05μm以上5μm以下がより好ましく、0.1μm以上1μm以下が特に好ましい。
また、上記以外の方法により、金属層40を形成することもできる。例えば、金属材料を含む塗工液を、樹脂マスク20の一方の面、或いは他方の面にパターン状に塗工して、金属層40を形成することもできる。また、樹脂マスク20の一方の面、或いは他方の全面に塗工液を塗工して、塗工層を形成し、当該塗工層に対しエッチング加工や、レーザー加工等を用いて、金属層40となるべき個所を残すように、塗工層の一部を除去することで、金属層40を形成することもできる。
また、上記で説明した工程間、或いは工程後にスリミング工程を行ってもよい。たとえば、最終的に樹脂マスク20となる樹脂板30や、金属マスク10として、上記で説明した好ましい厚みよりも厚いものを用いた場合には、製造工程中において、金属マスク10や樹脂板30を単独で搬送する際等に、優れた耐久性や搬送性を付与することができる。一方で、シャドウの発生等を防止するためには、本発明の製造方法で得られる蒸着マスク100の厚みは最適な厚みであることが好ましい。スリミング工程は、製造工程間、或いは工程後において耐久性や搬送性を満足させつつ、蒸着マスク100の厚みを最適化する場合に有用な工程である。
金属マスク10のスリミングは、上記で説明した工程間、或いは工程後に、金属マスク10の樹脂板30と接しない側の面、或いは金属マスク10の樹脂板30又は樹脂マスク20と接しない側の面を、金属マスク10をエッチング可能なエッチング材を用いてエッチングすることで実現可能である。
樹脂マスク20となる樹脂板30や、樹脂マスク20のスリミング、すなわち、樹脂板30、樹脂マスク20の厚みの最適化についても同様であり、上記で説明した何れかの工程間、或いは工程後に、樹脂板30の金属マスク10と接しない側の面、或いは樹脂マスク20の金属マスク10と接しない側の面を、樹脂板30や樹脂マスク20の材料をエッチング可能なエッチング材を用いてエッチングすることで実現可能である。また、蒸着マスク100を形成した後に、金属マスク10、樹脂マスク20の双方をエッチング加工することで、双方の厚みを最適化することもできる。
(第1実施形態の蒸着マスクの製造方法の変形例)
次に、第1実施形態の蒸着マスクの製造方法の変形例(以下、変形例の製造方法と言う)について説明する。変形例の製造方法は、樹脂板上に、金属層を形成することで、樹脂板上の表面に金属層が設けられた金属層付き樹脂板を形成する工程と、金属層付き樹脂板の金属層と、金属マスクとが対向するように、金属層付き樹脂板と、スリットが設けられた金属マスクを貼り合わせる工程と、金属マスク側からスリットを通してレーザーを照射し、金属層付き樹脂板の樹脂板に蒸着作製するパターンに対応した開口部を形成する工程とを含む。この方法によれば、図4に示されるように、金属マスク10と樹脂マスク20との間に、金属層40が設けられ、かつ、スリット15と重なる位置に対応する樹脂マスク20の表面に金属層40が設けられた蒸着マスクを得ることができる。金属層付き樹脂板の形成方法としては、樹脂板上に、上記で説明した真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の各種PVD法、CVD法、メッキ法等を用いて、金属層を形成する方法に加え、金属層の材料を含む塗工液を、各種塗工方法を用いて、樹脂板上に塗工・乾燥する方法や、樹脂板上に、金属箔を貼り合わせる方法を挙げることができる。
上記変形例の製造方法では、レーザーを照射して金属層40、及び樹脂板を貫通し、最終的に開口部25となる貫通孔が樹脂板に形成されるが、この方法にかえて、エッチング加工法によって、金属層40、及び樹脂板を貫通し、最終的に開口部25となる貫通孔を樹脂板に形成することもできる。
また、上記変形例の製造方法では、金属層付き樹脂板上に、スリットが設けられた金属マスク10を貼り合せているが、金属層付き樹脂板に、金属板を貼り合せ、上記第1実施形態の蒸着マスクで説明した「スリットが設けられた金属マスクの形成方法」を用いて、金属板から金属マスク10を形成することもできる。
(第2実施形態の蒸着マスクの製造方法)
次に、第2実施形態の蒸着マスクの製造方法について説明する。第2実施形態の蒸着マスク100の製造方法は、図20(a)に示すように、樹脂板30の一方の面上に、1つの貫通孔16が設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、図20(b)に示すように金属マスク10側から1つの貫通孔16を通して樹脂板30の一方の面にレーザーを照射して、樹脂板30の1つの貫通孔16と重なる位置に複数の開口部25を形成する工程と、樹脂マスク20の一方の面において1つの貫通孔16と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスク20の他方の面の何れか一方、又は双方の面上に、金属材料を付着させて、樹脂マスクの一方の面において1つの貫通孔16と重なる位置に対応する領域(図20(c)参照)、及び樹脂マスクの他方の面(図2(b)参照)の何れか一方、又は双方の面上に、金属マスクよりも厚みが薄い金属層40を形成する金属層形成工程と、を備えることを特徴とする。
第2実施形態の製造方法は、上記第1実施形態の製造方法で用いられる金属マスクが相違する点以外は、全て第1実施形態の製造方法と同じであり、相違点以外のここでの記載は省略する。
1つの貫通孔16が設けられた金属マスク10としては、上記第2実施形態の蒸着マスクで説明した金属マスクをそのまま用いることができる。金属マスクの製造方法については、上記第1実施形態の製造方法で説明した方法をそのまま用いることができる。
<他の実施形態の蒸着マスク>
次に、他の実施形態の蒸着マスクについて説明する。他の実施形態の蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部25が設けられた樹脂マスク20の一方の面上に、開口部20と重なるスリット15が設けられた金属マスク10が積層されてなる蒸着マスク100であって、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスク20の他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスク10よりも厚みが薄い金属層40が設けられていることを特徴としている。
他の実施形態の蒸着マスクは、(i)蒸着作製するパターンに対応する開口部25が設けられた樹脂マスク20の一方の面上に、開口部20と重なるスリット15が設けられた金属マスク10が積層されてなる蒸着マスクであり、(ii)樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスク20の他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスク10よりも厚みが薄い金属層40が設けられているとの条件を満たすものであればよい。したがって、他の実施形態の蒸着マスクは、第1実施形態の蒸着マスクの必須の要件である、樹脂マスクに、複数画面を構成するために必要な開口部が設けられ、開口部は、蒸着作製するパターンに対応しており、各スリットは、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられているとの要件や、第2実施形態の蒸着マスクの必須の要件である、蒸着作製するパターンに対応した開口部が複数設けられた樹脂マスクの一方の面上に、1つの貫通孔が設けられた金属マスクが積層されてなり、複数の開口部の全ては、1つの貫通孔と重なる位置に設けられているとの要件に限定されない。
他の実施形態の蒸着マスクによれば、上記第1実施形態や、第2実施形態の蒸着マスクと同様に、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスク20の他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスク10よりも厚みが薄い金属層40を設けることで、樹脂マスク20に設けられた各開口部25と、蒸着対象物を十分に密着させることができ、隙間の発生を効果的に防止することができる。例えば、他の実施形態の蒸着マスクは、1画面全体と重ならない位置に、金属マスク10のスリット15が設けられていてもよい。また、金属マスク10に形成されているスリット15は、ストライプ状(図示しない)であってもよい。
(蒸着マスク準備体)
次に、本発明の蒸着マスク準備体について説明する。本発明の蒸着マスク準備体150は、スリットが設けられた金属マスク10と、金属マスクの表面に位置し、スリット15と重なる位置に蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクを製造するために用いられる蒸着マスク準備体であって、図21に示すように、樹脂板30の一方の面上に、スリットが設けられた金属マスク10が設けられ、樹脂板30の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域、及び樹脂板30の他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスクよりも厚みが薄い金属層40が設けられていることを特徴とする。なお、図21は、樹脂板30の一方の面上においてスリット15と重なる位置に対応する領域に金属層40が設けられた例を示す断面図である。
(蒸着マスク準備体における樹脂板)
樹脂板30は、上記第1実施形態、及び第2実施形態の蒸着マスクの製造方法で説明したものをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(蒸着マスク準備体における金属マスク)
金属マスクは、上記第1実施形態、及び第2実施形態の蒸着マスクで説明した金属マスク10をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(蒸着マスク準備体における金属層)
金属層の材料は、上記第1実施形態、及び第2実施形態の蒸着マスクで説明したものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
金属層の形成方法としては、上記第1実施形態の蒸着マスクの製造方法で説明した樹脂板付き金属マスクを準備し、次いで、金属マスク10側からスリット、或いは1つの貫通孔を通して、当該スリット15、或いは1つの貫通孔と重なる樹脂板30の一方の面上に、金属材料を付着させることで形成することができる。また、上記第1実施形態の蒸着マスクの製造方法の変形例で説明したように樹脂板上に金属層40が設けられた金属層付き樹脂板を準備し、金属層付き樹脂板と、金属マスクとを貼り合わせることによっても得ることができる。また、樹脂板30の他方の面上に金属材料を付着させることで金属層40を形成することもできる。
本発明の一実施形態の蒸着マスク準備体によれば、当該蒸着マスク準備体に対し、エッチング加工法や、レーザー加工法を用いて、蒸着マスク準備体を構成する樹脂板に開口部25を形成することで、上記第1実施形態、及び第2実施形態で説明した高精細な蒸着パターンの形成が可能な蒸着マスクを得ることができる。また、一実施形態の蒸着マスク準備体にかえて、上記で説明した他の実施形態の蒸着マスクを得るための蒸着マスク準備体としてもよい。
(有機半導体素子の製造方法)
次に、本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法について説明する。本発明の有機半導体素子の製造方法は、フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法により、蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を有し、当該有機半導体素子を形成する工程において以下のフレーム付き蒸着マスクが用いられる点に特徴を有する。フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法についていかなる限定もされることはなく、例えば、反応性スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着法等の物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition)、熱CVD、プラズマCVD、光CVD法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)等を
挙げることができる。
フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法により蒸着パターンを形成する工程を有する一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、基板上に電極を形成する電極形成工程、有機層形成工程、対向電極形成工程、封止層形成工程等を有し、各任意の工程においてフレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法により基板上に蒸着パターンが形成される。例えば、有機ELデバイスのR,G,B各色の発光層形成工程に、フレーム付き蒸着マスクを用いた蒸着法をそれぞれ適用する場合には、基板上に各色発光層の蒸着パターンが形成される。なお、本発明の一実施形態の有機半導体素子の製造方法は、これらの工程に限定されるものではなく、蒸着法を用いる従来公知の有機半導体素子の任意の工程に適用可能である。
上記有機半導体素子の製造方法に用いられる一実施形態のフレーム付き蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、開口部と重なるスリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクが、フレームに固定されてなるフレーム付き蒸着マスクであって、当該フレームに固定されてなる蒸着マスクが、樹脂マスク20の一方の面においてスリット15と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスク20の他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスク10よりも厚みが薄い金属層40が設けられている蒸着マスクであることを特徴とする。
また、上記有機半導体素子の製造方法に用いられる他の実施形態のフレーム付き蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、開口部と重なるスリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクが、フレームに固定されてなるフレーム付き蒸着マスクであって、当該フレームに固定されてなる蒸着マスクが、樹脂マスクの一方の面上に、複数のスリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、樹脂マスクには、複数画面を構成するために必要な開口部が設けられ、開口部は、蒸着作製するパターンに対応しており、各スリットは、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられ、樹脂マスクの一方の面においてスリットと重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられている蒸着マスクであることを特徴とする。
また、上記有機半導体素子の製造方法に用いられる他の実施形態のフレーム付き蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、開口部と重なるスリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクが、フレームに固定されてなるフレーム付き蒸着マスクであって、当該フレームに固定されてなる蒸着マスクが、蒸着作製するパターンに対応した開口部が複数設けられた樹脂マスクの一方の面上に、1つの貫通孔が設けられた金属マスクが積層されてなり、複数の開口部の全ては、1つの貫通孔と重なる位置に設けられ、樹脂マスクの一方の面において1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び樹脂マスクの他方の面の、何れか一方、又は双方の面上に、金属マスクよりも厚みが薄い金属層が設けられている蒸着マスクであることを特徴とする。
フレーム付き蒸着マスクを構成する蒸着マスクについては、上記で説明した第1実施形態、第2実施形態、他の実施形態の蒸着マスク100をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。上記で説明した本発明の蒸着マスクによれば、高精細なパターンを有する有機半導体素子を形成することができる。本発明の製造方法で製造される有機半導体素子としては、例えば、有機EL素子の有機層、発光層や、カソード電極等を挙げることができる。特に、本発明の有機半導体素子の製造方法は、高精細なパターン精度が要求される有機EL素子のR、G、B発光層の製造に好適に用いることができる。
100…蒸着マスク
10…金属マスク
15…スリット
16…貫通孔
20…樹脂マスク
25…開口部
28…溝
40…金属層
150…蒸着マスク準備体

Claims (10)

  1. 蒸着作製するパターンに対応する開口部が設けられた樹脂マスクの一方の面上に、前記開口部と重なるスリットが設けられた金属マスクが積層されてなる蒸着マスクであって、
    前記樹脂マスクの前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に位置し、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を有する、
    蒸着マスク。
  2. 複数画面分の蒸着パターンを同時に形成するための蒸着マスクであって、
    前記蒸着マスクは、樹脂マスクの一方の面上に、複数のスリットが設けられた金属マスクが積層されてなり、
    前記樹脂マスクには、複数画面を構成するために必要な開口部が設けられ、
    前記開口部は、蒸着作製するパターンに対応しており、
    各前記スリットは、少なくとも1画面全体と重なる位置に設けられ、
    前記樹脂マスクの前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に位置し、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を有する、
    蒸着マスク。
  3. 蒸着パターンを形成するための蒸着マスクであって、
    前記蒸着マスクは、蒸着作製するパターンに対応した開口部が複数設けられた樹脂マスクの一方の面上に、金属マスクが積層されてなり、
    前記金属マスクは、前記蒸着作成するパターンに対応した複数の前記開口部の全てと重なる1つの貫通孔を有し、
    前記樹脂マスクの前記一方の面において前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に位置し、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を有する、
    蒸着マスク。
  4. 蒸着マスクの製造方法であって、
    樹脂板の一方の面上に、スリットが設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、
    前記金属マスク側から前記スリットを通して前記樹脂板の一方の面にレーザーを照射して、蒸着作製するパターンに対応する開口部を前記樹脂板に形成する樹脂マスク形成工程と、
    前記樹脂マスクの前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を形成する金属層形成工程と、
    を備える、
    蒸着マスクの製造方法。
  5. 蒸着マスクの製造方法であって、
    樹脂板の一方の面上に、複数のスリットが設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、
    前記金属マスク側から前記スリットを通して前記樹脂板の一方の面にレーザーを照射して、複数画面を構成するために必要な開口部を前記樹脂板に形成する樹脂マスク形成工程と、
    前記樹脂マスクの前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を形成する金属層形成工程と、
    を備え、
    前記金属マスクとして、前記複数画面のうちの少なくとも1画面全体と重なる位置にスリットが設けられた金属マスクが用いられる、
    蒸着マスクの製造方法。
  6. 蒸着マスクの製造方法であって、
    樹脂板の一方の面上に、1つの貫通孔が設けられた金属マスクが積層された樹脂板付き金属マスクを準備する準備工程と、
    前記金属マスク側から前記1つの貫通孔を通して前記樹脂板の一方の面にレーザーを照射し、前記1つの貫通孔と重なる位置の樹脂板に複数の開口部を形成する樹脂マスク形成工程と、
    前記樹脂マスクの前記一方の面において前記1つの貫通孔と重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を形成する金属層形成工程と、
    を備える、
    蒸着マスクの製造方法。
  7. フレーム上に、前記樹脂板付き金属マスクを固定した後に、前記樹脂マスク形成工程を行う、
    請求項4乃至6の何れか1項に記載の蒸着マスクの製造方法。
  8. スリットが設けられた金属マスクと、前記金属マスクの表面に位置し、前記スリットと重なる位置に蒸着作製するパターンに対応した開口部が設けられた樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクを製造するために用いられ、
    前記開口部が形成される前の樹脂板の一方の面上に、スリットが設けられた金属マスクが設けられ、
    前記樹脂板の前記一方の面において前記スリットと重なる位置に対応する領域、及び前記樹脂マスクの他方の面の何れか一方の面、又は双方の面上に位置し、前記金属マスクよりも厚みが薄く、且つ前記金属マスクと接しない金属層を有する、
    蒸着マスク準備体。
  9. フレームに蒸着マスクが固定された、フレーム付き蒸着マスクであって、
    前記蒸着マスクが、請求項1乃至3の何れか1項に記載の蒸着マスクである、
    フレーム付き蒸着マスク。
  10. 有機半導体素子の製造方法であって、
    フレーム付き蒸着マスクを用いて蒸着対象物に蒸着パターンを形成する工程を含み、
    フレーム付き蒸着マスクとして、請求項9に記載のフレーム付き蒸着マスクを用いる、
    有機半導体素子の製造方法。
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