JP2019069920A - 遷移金属化合物およびオレフィン重合用触媒 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
下記一般式[1]で表される遷移金属化合物[A]。
nは、Mの価数を満たす1〜4の整数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、該アニオン配位子が、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系誘導体基であり、nが2以上の場合は、複数存在するXで示される基は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよく、
Qは、周期表第14族原子であり、
R1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
ただし、R8およびR9のいずれか一方は、直鎖状部分の炭素数が3〜10の飽和炭化水素基または直鎖状部分の炭素数が3〜10の末端不飽和炭化水素基であり、
R7とR8は、互いに結合して置換基を有していてもよい飽和環を形成してもよく、
R9とR10は、互いに結合して置換基を有していてもよい飽和環を形成してもよく、
R11とR12は、互いに結合してQを含む環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよい。)
前記一般式[1]において、
Mが、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
Xが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基または酸素含有基であり、
Qが、炭素原子またはケイ素原子であることを特徴とする前記[1]に記載の遷移金属化合物[A]。
前記一般式[1]において、
Qが、ケイ素原子であり、
R1〜R12が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有基または炭素数1〜20の窒素含有基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよいことを特徴とする前記[1]に記載の遷移金属化合物[A]。
前記一般式[1]において、
R1およびR6が、水素原子であり、
R2〜R5、R11およびR12が、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
R7およびR10のいずれか一方が、水素原子であり、
R8およびR9のいずれか一方が、水素原子であることを特徴とする前記[3]に記載の遷移金属化合物[A]。
前記一般式[1]において、
R2〜R5、R7およびR10が、水素原子であることを特徴とする前記[4]に記載の遷移金属化合物[A]。
前記[1]〜[5]のいずれかに記載の遷移金属化合物[A]を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
さらに、(B−1)有機金属化合物、
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3)遷移金属化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物[B]を含むことを特徴とする前記[6]に記載のオレフィン重合用触媒。
前記[6]または[7]に記載のオレフィン重合用触媒の存在下で、オレフィンを重合させる工程を含むことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
前記オレフィンを重合させる工程が、エチレンの単独重合またはエチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンとの共重合を行う工程であることを特徴とする前記[8]に記載のオレフィン重合体の製造方法。
本発明に係る遷移金属化合物[A]は下記一般式[1]で表される。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、前記アニオン配位子は、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系誘導体基である。
nが2以上の場合は、複数存在するXは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。また、前記環が複数存在する場合には、前記環は互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基(ブタン−2−イル基)、tert−ブチル基(2−メチルプロパン−2−イル基)、iso−ブチル基(2−メチルプロピル基)、ペンタン−2−イル基、2−メチルブチル基、iso−ペンチル基(3−メチルブチル基)、ネオペンチル基(2,2−ジメチルプロピル基)、シアミル基(1,2−ジメチルプロピル基)、iso−ヘキシル基(4−メチルペンチル基)、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、テキシル基(2,3−ジメチルブタ−2−イル基)、4,4−ジメチルペンチル基などの直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、プロペニル基(プロパ−1−エン−1−イル基)、iso−プロペニル基(プロパ−1−エン−2−イル基)、アレニル基(プロパ−1,2−ジエン−1−イル基)、ブタ−3−エン−1−イル基、クロチル基(ブタ−2−エン−1−イル基)、ブタ−3−エン−2−イル基、メタリル基(2−メチルアリル基)、ブタ−1,3−ジエニル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−2−エン−1−イル基、iso−ペンテニル基(3−メチルブタ−3−エン−1−イル基)、2−メチルブタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、プレニル基(3−メチルブタ−2−エン−1−イル基)などの直鎖状または分岐状のアルケニル基もしくは不飽和二重結合含有基;
エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基、プロパルギル基(プロパ−1−イン−1−イル基)などの直鎖状または分岐状のアルキニル基もしくは不飽和三重結合含有基;
ベンジル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、3,5−ジメチルベンジル基、クミニル基(4−iso−プロピルベンジル基)、2,4,6−トリ−iso−プロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル基、1−フェニルエチル基、ベンズヒドリル基(ジフェニルメチル基)などの芳香族含有直鎖状または分岐状のアルキル基および不飽和二重結合含有基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;
フェニル基、トリル基(メチルフェニル基)、キシリル基(ジメチルフェニル基)、メシチル基(2,4,6−トリメチルフェニル基)、クメニル基(iso−プロピルフェニル基)、ジュリル基(2,3,5,6−テトラメチルフェニル基)、2,6−ジ−iso−プロピルフェニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、terフェニル基、ビナフチル基、アセナフタレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェロセニル基などの芳香族置換基
が挙げられる。
前記ケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−iso−プロピルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、トリメチルシリルメチル基などが挙げられる。
前記酸素含有基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、アリルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、メトキシメトキシ基、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−iso−プロピルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェノキシ基、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、過塩素酸アニオン、過ヨウ素酸アニオンが挙げられる。
前記硫黄含有基としては、例えば、メシル基(メタンスルフォニル基)、フェニルスルホニル基、トシル基(p−トルエンスルホニル基)、トリフリル基(トリフルオロメタンスルホニル基)、ノナフリル基(ノナフルオロブタンスルホニル基)、メシラート基(メタンスルホナート基)、トシラート基(p−トルエンスルホナート基)、トリフラート基(トリフルオロメタンスルホナート基)、ノナフラート基(ノナフルオロブタンスルホナート基)が挙げられる。
前記窒素含有基としては、例えば、アミノ基、シアノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリル基、ピロリル基、ビストリフリルイミド基などが挙げられる。
前記リン含有基としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
前記一般式[1]において、Qは、周期表第14族原子であり、たとえば炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子であり、好ましくは炭素原子またはケイ素原子であり、より好ましくはケイ素原子である。
前記一般式[1]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基である。R1〜R12は、好ましくは、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有基または炭素数1〜20の窒素含有基である。R1〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デカニル基、1−ウンデカニル基、1−ドデカニル基、1−エイコサニル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、ペンタン−2−イル基、2−メチルブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基(1,1−ジメチルプロピル基)、シアミル基、ペンタン−3−イル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、iso−ヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基(2−メチルペンタン−2−イル基)、3−メチルペンタン−2−イル基、4−メチルペンタン−2−イル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、テキシル基、3−メチルペンタン−3−イル基、3,3−ジメチルブタ−2−イル基、ヘキサン−3−イル基、2−メチルペンタン−3−イル基、ヘプタン−4−イル基、2,4−ジメチルペンタン−2−イル基、3−エチルペンタン−3−イル基、4,4−ジメチルペンチル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、4−プロピルヘプタン−4−イル基、2,3,3−トリメチルブタン−2−イル基、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基などの炭素原子数が1〜40の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、プロペニル基、iso−プロペニル基、アレニル基、ブタ−3−エン−1−イル基、クロチル基、ブタ−3−エン−2−イル基、メタリル基、ブタ−1,3−ジエニル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−2−エン−1−イル基、iso−ペンテニル基、2−メチルブタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、プレニル基、2−メチル−ブタ−2−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−2−イル基、2−メチル−ブタ−3−エン−2−イル基、ペンタ−1−エン−3−イル基、ペンタ−2,4−ジエン−1−イル基、ペンタ−1,3−ジエン−1−イル基、ペンタ−1,4−ジエン−3−イル基、iso−プレニル基(2−メチル−ブタ−1,3−ジエン−1−イル基)、ペンタ−2,4−ジエン−2−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、ヘキサ−4−エン−1−イル基、ヘキサ−3−エン−1−イル基、ヘキサ−2−エン−1−イル基、4−メチル−ペンタ−4−エン−1−イル基、3−メチル−ペンタ−4−エン−1−イル基、2−メチル−ペンタ−4−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−2−イル基、4−メチル−ペンタ−3−エン−1−イル基、3−メチル−ペンタ−3−エン−1−イル基、2,3−ジメチル−ブタ−2−エン−1−イル基、2−メチルペンタ−4−エン−2−イル基、3−エチルペンタ−1−エン−3−イル基、ヘキサ−3,5−ジエン−1−イル基、ヘキサ−2,4−ジエン−1−イル基、4−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル基、2,3−ジメチル−ブタ−1,3−ジエン−1−イル基、ヘキサ−1,3,5−トリエン−1−イル基、2−(シクロペンタジエニル)プロパン−2−イル基、2−(シクロペンタジエニル)エチル基などの炭素原子数が2〜40の直鎖状または分岐状のアルケニル基もしくは不飽和二重結合含有基;
エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基、プロパルギル基、ブタ−1−イン−1−イル基、ブタ−2−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−2−イン−1−イル基、ペンタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、3−メチル−ブタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−3−イン−2−イル基、2−メチル−ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−2−イル基、ヘキサ−1−イン−1−イル基、3,3−ジメチル−ブタ−1−イン−1−イル基、2−メチル−ペンタ−3−イン−2−イル基、2,2−ジメチル−ブタ−3−イン−1−イル基、ヘキサ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基などの炭素原子数が2〜40の直鎖状または分岐状のアルキニル基もしくは不飽和三重結合含有基;
ベンジル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、3,5−ジメチルベンジル基、クミニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル基、1−フェニルエチル基、ベンズヒドリル基、クミル基(2−フェニルプロパン−2−イル基)、2−(4−メチルフェニル)プロパン−2−イル基、2−(3,5−ジメチルフェニル)プロパン−2−イル基、2−(4−tert−ブチルフェニル)プロパン−2−イル基、2−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロパン−2−イル基、3−フェニルペンタン−3−イル基、4−フェニルヘプタ−1,6−ジエン−4−イル基、1,2,3−トリフェニルプロパン−2−イル基、1,1−ジフェニルエチル基、1,1−ジフェニルプロピル基、1,1−ジフェニル−ブタ−3−エン−1−イル基、1,1,2−トリフェニルエチル基、トリチル基(トリフェニルメチル基)、トリ−(4−メチルフェニル)メチル基、2−フェニルエチル基、スチリル基(2−フェニルビニル基)、2−(2−メチルフェニル)エチル基、2−(4−メチルフェニル)エチル基、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)エチル基、2−(3,5−ジメチルフェニル)エチル基、2−(2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル)エチル基、2−(4−tert−ブチルフェニル)エチル基、2−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル基、2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル基、3−フェニルプロピル基、シンナミル基(3−フェニルアリル基)、ネオフィル基(2−メチル−2−フェニルプロピル基)、3−メチル−3−フェニルブチル基、2−メチル−4−フェニルブタン−2−イル基、シクロペンタジエニルジフェニルメチル基、2−(1−インデニル)プロパン−2−イル基、(1−インデニル)ジフェニルメチル基、2−(1−インデニル)エチル基、2−(テトラヒドロ−1−インダセニル)プロパン−2−イル基、(テトラヒドロ−1−インダセニル)ジフェニルメチル基、2−(テトラヒドロ−1−インダセニル)エチル基、2−(1−ベンゾインデニル)プロパン−2−イル基、(1−ベンゾインデニル)ジフェニルメチル基、2−(1−ベンゾインデニル)エチル基、2−(9−フルオレニル)プロパン−2−イル基、(9−フルオレニル)ジフェニルメチル基、2−(9−フルオレニル)エチル基、2−(1−アズレニル)プロパン−2−イル基、(1−アズレニル)ジフェニルメチル基、2−(1−アズレニル)エチル基などの炭素原子数が7〜40の芳香族含有直鎖状または分岐状のアルキル基および不飽和二重結合含有基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、n−ブチル−メチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−メチルシクロペンチル基、1−アリルシクロペンチル基、1−ベンジルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アリルシクロヘキシル基、1−ベンジルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘプテニル基、シクロヘプタトリエニル基、1−メチルシクロヘプチル基、1−アリルシクロヘプチル基、1−ベンジルシクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクテニル基、シクロオクタジエニル基、シクロオクタトリエニル基、1−メチルシクロオクチル基、1−アリルシクロオクチル基、1−ベンジルシクロオクチル基、4−シクロヘキシル−tert−ブチル基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、ノルボルナジエニル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−(2−メチルアダマンチル)、1−(3−メチルアダマンチル)、1−(4−メチルアダマンチル)、1−(2−フェニルアダマンチル)、1−(3−フェニルアダマンチル)、1−(4−フェニルアダマンチル)、1−(3,5−ジメチルアダマンチル)、1−(3,5,7−トリメチルアダマンチル)、1−(3,5,7−トリフェニルアダマンチル)、ペンタレニル基、インデニル基、フルオレニル基、インダセニル基、テトラヒドロインダセニル基、ベンゾインデニル基、アズレニル基などの炭素原子数が3〜40の環状飽和および不飽和炭化水素基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ジュリル基、2,6−ジ−iso−プロピルフェニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、アリルフェニル基、(ブタ−3−エン−1−イル)フェニル基、(ブタ−2−エン−1−イル)フェニル基、メタリルフェニル基、プレニルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、3,5−ジ−アダマンチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、terフェニル基、ビナフチル基、アセナフタレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェロセニル基などの炭素原子数が6〜40の芳香族置換基
などが挙げられる。
前記遷移金属化合物[A]の好ましい態様としては、前記一般式[1]において、Mが、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基または酸素含有基であり、Qが、炭素原子またはケイ素原子である遷移金属化合物を挙げることができる。
以下に遷移金属化合物[A]の具体例を示すが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。
遷移金属化合物[A]は従来公知の方法を利用して製造することができ、代表的な合成経路の例を以下に示すが、特に製造法が限定されるわけではない。
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記遷移金属化合物[A]を含み、さらに、
(B−1)有機金属化合物
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物(c−2)、および
(B−3)遷移金属化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物[B]を含むことが好ましい。
(B−1)有機金属化合物としては、下記一般式(B-1a)、(B-1b)または(B-1c)で表される有機金属化合物を挙げることができる。
Ra mAl(ORb)n Hp Xq … (B-1a)
〔一般式(B-1a)中、Ra およびRb は、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、互
いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。〕
Ma AlRa 4 … (B-1b)
〔一般式(B-1b)中、Ma はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示す。〕
Ra rMbRb s Xt … (B-1c)
〔一般式(B-1c)中、Ra およびRb は、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Mb は、Mg、ZnおよびCdから選ばれ、Xはハロゲン原子を示し、rは0<r≦2、sは0≦s≦1、tは0≦t≦1であり、かつr+s+t=2である。〕
前記有機金属化合物(B−1)としては、一般式(B-1a)で示されるものが好ましく、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジヒドロフェニルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ-n-ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライド、ジシクロヘキシルアルミニウムハイドライド、ジ-sec-ヘプチルアルミニウムハイドライド、ジ-sec-ノニルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウムメトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイドなどのジアルキルアルミニウムアルコキサイドなどが挙げられる。
有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムから調製されたアルミノキサンが好ましく、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物が特に好ましい。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
前記固体状担体[S]として用いられる無機化合物としては、多孔質酸化物、固体状アルミノキサン化合物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が挙げられる。
粒径d=((水平方向長さ)2+(垂直方向長さ)2)0.5
平均粒子径=Σnd4/Σnd3
前記固体状アルミノキサン化合物は、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜800m2/gであり、細孔容積が0.1〜2.5cm3/gであることが望ましい。
固体状担体[S]としては、成形時の異物防止の観点から、多孔質酸化物が好ましい。
本発明のオレフィン重合用触媒が遷移金属化合物[A](以下、成分(A)ともいう)に加えて、前記化合物[B](以下、成分(B)ともいう)および固体状担体[S](以下、成分(S)ともいう)を含む場合、エチレン重合用触媒は、成分(A)および成分(S)、ならびに任意に成分(B)を不活性炭化水素中で混合し接触させることにより、調製することができる。
(i) 成分(S)に成分(A)を接触させる方法
(ii) 成分(S)に成分(B)を接触させ、次いで成分(A)を接触させる方法
(iii) 成分(A)に成分(B)を接触させ、次いで成分(S)を接触させる方法
(iv) 成分(S)に成分(B)を接触させ、次いで成分(A)と成分(B)との混合物を接触させる方法、
(v) 成分(S)に成分(B)を接触させ、さらに成分(B)を接触させ、次いで成分(A)と成分(B)との混合物を接触させる方法
などが挙げられる。成分(B)が複数種用いられる場合は、その成分(B)同士が同一であっても異なっていてもよい。上記の方法のうち(i)、(ii)および(iii)が好ましい。
成分(B)と成分(S)との接触物と、成分(A)とを接触させる際には、接触時間は、通常1分〜20時間、好ましくは1分〜10時間であり、接触温度は、通常−50〜200℃、好ましくは−50〜100℃の範囲内である。
なお、成分(B)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)との比は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析法)により求めることができる。
予備重合に使用する固体触媒成分の形態としては、既に述べたものを制限無く利用できる。また、必要に応じて成分(B)が用いられ、特に一般式(B-1a)で示される有機アルミニウム化合物[B-1a]が好ましく使用される。成分(B)が用いられる場合は、成分(B)は、成分(B)中のアルミニウム原子(Al)と遷移金属化合物[A]中の遷移金属原子(M)とのモル比(Al/M)が、0.1〜10000、好ましくは0.5〜5000となる量で用いられる。
オレフィン重合用触媒と成分(G)とを接触させるに際して、成分(G)は、オレフィン重合用触媒100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.4〜5重量部の量で用いられる。
オレフィン重合用触媒と成分(G)との混合接触は、不活性炭化水素溶媒中で行うことができ、不活性炭化水素溶媒としては、前記と同様のものが挙げられる。
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記オレフィン重合用触媒の存在下で、オレフィンを重合させる工程を含むことを特徴とする。前記オレフィンを重合させる工程エチレンは、エチレンを単独重合するか、またはエチレンと炭素数3以上20以下のオレフィンとを共重合する工程であることが好ましい。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等を挙げることができる。
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法により得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。重合時には、ファウリング抑制あるいは粒子性状改善を目的として、前記の成分(G)を共存させることができる。
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法によって製造されるオレフィン重合体(マクロモノマー)は、好ましくは下記要件(1)〜(3)を同時に満たす。
(1)Mnが5000〜15000である。
(2)α×Mn≧2800 の関係を満たす。
(3)Mw/Mn ≦ 3.5 の関係を満たす。
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法によって得られるオレフィン重合体は、そのポリマーの末端にビニル基などの不飽和結合部位を有している。
末端ビニル率(%)=α/14000×Mn×100
(ただし、αは重合体の主鎖メチレン炭素1000個あたりのビニル末端数、Mnは数平
均分子量、Mwは重量平均分子量を示す)
で計算され、末端ビニル率が20%のとき、α×Mn=2800となる。末端ビニル率20%未満のものを長鎖分岐用マクロモノマーして用いた場合、そのほとんどが重合に寄与せず、未反応のまま残存する。よって、長鎖分岐数の少ない重合体が生成し、そのため成型加工性を満足するに至らない。本発明で得られるオレフィン重合体は、α×Mnが2800以上であることが好ましく、より好ましくは4000以上、さらに好ましくは5000以上である。
この性質を満たすオレフィン重合体は、末端不飽和結合率が高く、また分子量が公知品に比べて概して小さいので、共重合時の取り込み率が上がり、溶融流動性や成形加工性が優れる。
[各種物性の測定]
オレフィン重合体の物性測定方法を以下に示す。
メルトフローレートは、190℃、2.16kg荷重(kgf)の条件下で測定した。
<密度(D)>
MFR測定時に得られるストランドを100℃で30分間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
分子量および分子量分布は、Agilent社製GPC−粘度検出器(GPC−VISCO)PL−GPC220を用い、以下のように測定した。
オレフィン重合体の主鎖メチレン炭素1000個あたりのビニル末端数(α)は、1H-NMR(日本電子ECA−500)を用いて決定した。
〔合成例1〕ジメチルシリレン(2−インデニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A)と記す)の合成
〔合成例1−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片2.02g(83.1mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン25mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン3.92g(20.1mmol)のテトラヒドロフラン20mL希釈溶液をゆっくりと加え、80℃のオイルバス中で1時間加熱還流した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド12.0mL(100mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン20mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.90mL(20.2mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、n−ブチルシクロペンタジエン溶液9.79g(テトラヒドロフラン溶液、25wt%、20.0mmol)、テトラヒドロフラン20mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液12.5mL(ヘキサン溶液、1.60M、20.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら17時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−L)で示した目的物(以下化合物(A−L)と示す)が4.65g(収率79%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.52−7.35(2H,m,Ar−H),7.32−7.08(3H,m,Ar−H&C=CH−C),7.02−5.70(3H,m,C=CH−C),3.60−2.87(3H,m,Ar−CH2−C&Si−CH),2.39(2H,t,J=7.7Hz,−CH2−C3H7),1.59−1.41(2H,m,−CH2−),1.41−1.20(2H,m,−CH2−),0.87(3H,t,J=7.2Hz,−C3H6−CH3),0.50−0.02(6H,m,Si−CH3)ppm
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、〔合成例1−1〕で得られた化合物(A−L)0.30g(1.01mmol)、トルエン10mL、テトラヒドロフラン0.2mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液1.25mL(ヘキサン溶液、1.60M、2.00mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジエチルエーテル20mLを加えた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.23g(1.00mmol)を加え、室温にて17時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をメンブレンシリンジフィルターで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A)という)を0.22g(収率49%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.70−7.55(2H,m,Ar−H),7.38−7.26(2H,m,Ar−H),6.58(1H,t,J=2.5Hz,Cp−H),6.15(1H,dd,J=2.5and0.9Hz,Ind−H),6.07(1H,dd,J=2.5and0.9Hz,Ind−H),5.98(1H,t,J=2.8Hz,Cp−H),5.66(1H,t,J=2.4Hz,Cp−H),2.62(2H,t,J=7.7Hz,Cp−CH2−),1.58−1.40(2H,m,CH2−CH2−),1.40−1.20(2H,m,CH2−CH2−),0.87(3H,t,J=7.3Hz,CH2−CH3),0.80(3H,s,Si−CH3),0.77(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 454
<固体触媒成分(X−1)の調製>
内容積270Lの攪拌機付き反応器を用い、窒素雰囲気下、固体状担体[S]として、シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製、レーザー光回折散乱法の体積分布の累積50%粒径:70μm、比表面積:340m2/g、細孔容積:1.3cm3/g、250℃で10時間乾燥、以下、固体状担体[S−1]と示す)10kgを77Lのトルエンに懸濁させた後、0〜5℃に冷却した。この懸濁液に成分(B)としてメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.5mol/L)19.4リットルを30分間かけて滴下した。この際、系内温度を0〜5℃に保った。次いで、これらを0〜5℃で30分間接触させた後、1.5時間かけて系内温度を95℃まで昇温して、引き続き95℃で4時間接触させた。その後、常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにトルエンで2回洗浄することで、全量115リットルのトルエンスラリーを調製した。得られたスラリーの一部を採取し分析したところ、固体分濃度は122.6g/L、Al濃度は0.612mol/Lであった。
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−1)を固体分として10.0mg装入した後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、オレフィン重合体163.9gを得た。触媒活性は16400g/g−固体触媒成分であった。
得られたオレフィン重合体の物性測定を行った結果を表8に示す。
<固体触媒成分(X−2)の調製>
化合物(A)の代わりに化合物(a−1)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−2)のスラリーを調製した。
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−2)を固体分として10.0mg装入した後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、オレフィン重合体64.8gを得た。触媒活性は6500g/g−固体触媒成分であった。
得られたオレフィン重合体の物性測定を行った結果を表8に示す。
<固体触媒成分(X−3)の調製>
化合物(A)の代わりに化合物(a−2)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−3)のスラリーを調製した。
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−3)を固体分として200mg装入した後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、オレフィン重合体38.9gを得た。触媒活性は200g/g−固体触媒成分であった。
得られたオレフィン重合体の物性測定を行った結果を表8に示す。
Claims (9)
- 下記一般式[1]で表される遷移金属化合物[A]。
nは、Mの価数を満たす1〜4の整数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、該アニオン配位子が、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系誘導体基であり、nが2以上の場合は、複数存在するXで示される基は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよく、
Qは、周期表第14族原子であり、
R1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
ただし、R8およびR9のいずれか一方は、直鎖状部分の炭素数が3〜10の飽和炭化水素基または直鎖状部分の炭素数が3〜10の末端不飽和炭化水素基であり、
R7とR8は、互いに結合して置換基を有していてもよい飽和環を形成してもよく、
R9とR10は、互いに結合して置換基を有していてもよい飽和環を形成してもよく、
R11とR12は、互いに結合してQを含む環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよい。) - 前記一般式[1]において、
Mが、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
Xが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基または酸素含有基であり、
Qが、炭素原子またはケイ素原子であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物[A]。 - 前記一般式[1]において、
Qが、ケイ素原子であり、
R1〜R12が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有基または炭素数1〜20の窒素含有基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよいことを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物[A]。 - 前記一般式[1]において、
R1およびR6が、水素原子であり、
R2〜R5、R11およびR12が、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
R7およびR10のいずれか一方が、水素原子であり、
R8およびR9のいずれか一方が、水素原子であることを特徴とする請求項3に記載の遷移金属化合物[A]。 - 前記一般式[1]において、
R2〜R5、R7およびR10が、水素原子であることを特徴とする請求項4に記載の遷移金属化合物[A]。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の遷移金属化合物[A]を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
- さらに、(B−1)有機金属化合物、
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3)遷移金属化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物[B]を含むことを特徴とする請求項6に記載のオレフィン重合用触媒。 - 請求項6または7に記載のオレフィン重合用触媒の存在下で、オレフィンを重合させる工程を含むことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
- 前記オレフィンを重合させる工程が、エチレンの単独重合またはエチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンとの共重合を行う工程であることを特徴とする請求項8に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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