JP2019063044A - Oct装置、およびoct装置制御プログラム - Google Patents

Oct装置、およびoct装置制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構成で分解能を向上させることができるOCT装置、およびOCT装置制御プログラムを提供することを技術課題とする。【解決手段】 被検眼のスペクトル干渉信号を取得するOCT装置であって、前記被検眼によって反射された測定光と、前記測定光に対応する参照光との前記スペクトル干渉信号を検出手段によって取得するOCT光学系と、前記スペクトル干渉信号において周波数をシフトさせる演算手段と、を備えることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本開示は、被検眼の検査を行うOCT装置、およびOCT装置制御プログラムに関する。
従来において、被検眼に測定光を照射し、その反射光と、測定光に対応する参照光との干渉信号を取得するOCT装置が知られている。OCT装置には、例えば、被検眼の眼軸長を非接触にて測定すること(特許文献1参照)、または被検眼の断層画像を取得することなどに利用される。
特開2012−183152号公報
しかしながら、従来の装置において、例えば、OCT装置に用いられる光学部品の特性によっては、分解能が充分に得られないことがあった。
本開示は、従来の問題点に鑑み、簡単な構成で分解能を向上させるOCT装置、およびOCT装置制御プログラムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検眼のスペクトル干渉信号を取得するOCT装置であって、測定光と、前記測定光に対応する参照光との前記スペクトル干渉信号を検出手段によって取得するOCT光学系と、前記スペクトル干渉信号において周波数をシフトさせる演算手段と、を備えることを特徴とする。
(2) 被検眼のスペクトル干渉信号を取得するOCT装置において実行されるOCT装置制御プログラムであって、前記OCT装置のプロセッサによって実行されることで、測定光と、前記測定光に対応する参照光との干渉状態を利用して前記被検眼のスペクトル干渉信号を取得する取得ステップと、前記スペクトル干渉信号において周波数をシフトさせる演算ステップと、を前記OCT装置に実行させることを特徴とする。
OCT装置の概略構成図である。 OCT装置の制御動作を示すフローチャートである。 OCT装置の演算処理を示すブロック図である。 スペクトル干渉信号の例を示す図である。 周波数シフトについて説明する図である。 フィルタリングについて説明するための図である。 間引き処理について説明するための図である。 ゼロパッディング処理について説明するための図である。 角膜信号について処理した結果を示す図である。 眼底信号について処理した結果を示す図である。 眼軸長の算出について説明する図である。
<実施形態>
以下、本開示に係る本実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態のOCT装置(例えば、眼軸長測定装置200)は、例えば、被検眼のスペクトル干渉信号を取得する。OCT装置は、例えば、OCT光学系(例えば、OCT光学系100)と、演算部(例えば、制御部80)を主に備える。OCT光学系は、例えば、被検眼に測定光を照射し、被検眼によって反射した測定光と、測定光に対応する参照光との干渉状態を利用して被検眼のスペクトル干渉信号を取得する。例えば、OCT光学系の検出部(例えば、検出器120)によってスペクトル干渉信号が取得される。演算部は、例えば、スペクトル干渉信号において周波数をシフトさせる。演算部は、例えば、スペクトル干渉信号において目的とする周波数をシフトさせる。これによって、本実施形態のOCT装置は、スペクトル干渉信号を好適に処理できる。なお、目的とする周波数とは、例えば、検出目標となる周波数であり、それ以外のノイズ成分を除去するために設定された周波数である。例えば、目的とする周波数は、角膜信号が検出される周波数、または眼底信号が検出される周波数などである。
例えば、演算部は、直交検波によって周波数をシフトさせる。直交検波は、例えば、互いに位相の90°ずれた2つの正弦波信号を掛けて複素信号を得る処理である。例えば、演算部は、sin波とcos波をスペクトル干渉信号に掛け合わせることにより、スペクトル干渉信号に対して周波数がシフトされた複素信号を得る。
例えば、演算部は、スペクトル干渉信号の周波数を0Hz方向にシフトさせてもよい。例えば、演算部は、スペクトル干渉信号の周波数(の絶対値)が小さくなるようにシフトさせてもよい。例えば、演算部は、目的とする周波数を0Hz付近にシフトさせてもよい。このように、演算部は、スペクトル干渉信号において目的とする周波数を0Hzに近付けることによって、フィルタリング処理等の信号処理を好適に行うことができる。
なお、演算部は、スペクトル干渉信号の第1目的周波数を0Hz付近にシフトさせた第1複素信号と、スペクトル干渉信号の第2目的周波数を0Hz付近にシフトさせた第2複素信号と、をそれぞれ算出してもよい。これによって、演算部は、スペクトル干渉信号において、目的とする2つの周波数に関する情報を好適に取得できる。もちろん、演算部は、2つ以上の目的周波数について周波数をシフトさせた複素信号を算出してもよい。なお、演算部は、第1複素信号と、第2複素信号と、をそれぞれフーリエ変換することによって、OCTデータを取得してもよい。
例えば、第1目的周波数は角膜信号が検出される周波数であってもよい。角膜信号は、例えば、角膜反射光に基づいて得られるスペクトル干渉信号である。また、第2目的周波数は眼底信号が検出される周波数であってもよい。眼底信号は、例えば、眼底反射光に基づいて得られるスペクトル干渉信号である。この場合、演算部は、第1複素信号と、第2複素信号と、をそれぞれフーリエ変換するで得られたOCTデータに基づいて、被検眼の眼軸長を算出してもよい。このように、角膜に関するスペクトル干渉信号の周波数と、眼底に関するスペクトル干渉信号の周波数と、をそれぞれシフトさせて信号処理を行うことによって、演算処理の負荷の低減、または測定精度の向上を図ることができる。
なお、演算部は、実空間上において、スペクトル干渉信号のデータ数を間引いてもよい。フーリエ変換する前の実空間(時間空間)でデータ数を間引くことによって、フーリエ変換後の周波数空間での分解能を向上させることができる。
なお、演算部は、0(ゼロ)データをスペクトル干渉信号の後方に追加してもよい。演算部は、例えば、0付近にシフトさせてから0データを信号後方に追加することによって、フーリエ変換後の低周波成分の分解能を向上させることができる。
なお、演算部は、記憶部(例えば、記憶部85)などに記憶されたスペクトル干渉信号処理プログラムを実行してもよい。スペクトル干渉信号処理プログラムは、例えば、取得ステップと、演算ステップと、を含む。取得ステップは、例えば、測定光と、測定光に対応する参照光との干渉状態を利用して被検眼のスペクトル干渉信号を取得するステップである。演算ステップは、例えば、スペクトル干渉信号において目的とする周波数をシフトさせるステップである。演算部は、スペクトル干渉信号処理プログラムによって取得ステップと演算ステップをOCT装置に実行させてもよい。
<実施例>
以下、本開示に係る眼軸長測定装置200を図面に基づいて説明する。図1は本実施例に係る眼軸長測定装置200の光学系について示す概略構成図である。以下の光学系は、図示無き筐体に内蔵されている。その筐体は、周知のアライメント駆動機構の駆動によって、被検眼Eに対して3次元的に移動される。被検者の顔は図示無き顔支持部によって支持される。なお、以下の説明においては、被検眼Eの光軸方向をZ方向、水平方向をX方向、鉛直方向をY方向として説明する。眼底の表面方向をXY方向として考えてもよい。
以下の説明においては、光コヒーレンストモグラフィーデバイス(OCTデバイス)5と、を備えた眼軸長測定装置200を例に挙げて説明する。
OCTデバイス5は、眼Eの眼軸長を測定するために用いられる。角膜形状測定デバイス300は、角膜形状を測定するために用いられる。
OCTデバイス5は、干渉光学系(OCT光学系)100を備えている。OCT光学系100は、眼Eに測定光を照射する。OCT光学系100は、被検眼の前眼部または眼底から反射された測定光と,参照光との干渉状態を受光素子(検出器120)によって検出する。OCT光学系100は、被検眼上の撮像位置を変更するための走査部(例えば、光スキャナ108)を備えてもよい。制御部80は、設定された撮像位置情報に基づいて走査部の動作を制御し、検出器120によってスペクトル干渉信号を取得する。
OCT光学系100は、いわゆる眼科用光断層干渉計(OCT:Optical coherence tomography)の装置構成を持つ。OCT光学系100は、測定光源102から出射された光をカップラー(光分割器)104によって測定光(試料光)と参照光に分割する。そして、OCT光学系100は、測定光学系106によって測定光を被検眼に導き,また、参照光を参照光学系110に導く。その後、被検眼によって反射された測定光と,参照光との合成による干渉光を検出器(受光素子)120に受光させる。
光源102から出射された光は、カップラー104によって測定光束と参照光束に分割される。そして、測定光束は、光ファイバーを通過した後、空気中へ出射される。その光束は、光スキャナ108、及び測定光学系106の他の光学部材を介して前眼部に集光される。そして、被検眼で反射された光は、同様の光路を経て光ファイバーに戻される。
光スキャナ108は、眼E上でXY方向(横断方向)に測定光を走査させる。光スキャナ108は、例えば、2つのガルバノミラーであり、その反射角度が駆動機構109によって任意に調整される。
これにより、光源102から出射された光束はその反射(進行)方向が変化され、眼E上で任意の方向に走査される。これにより、被検眼上における撮像位置が変更される。光スキャナ108としては、光を偏向させる構成であればよい。例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられる。
参照光学系110は、眼Eでの測定光の反射によって取得される反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであっても良い。参照光学系110は、例えば、反射光学系(例えば、参照ミラー)によって形成され、カップラー104からの光を反射光学系により反射することにより再度カップラー104に戻し、検出器120に導く。他の例としては、参照光学系110は、透過光学系(例えば、光ファイバー)によって形成され、カップラー104からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導く。
参照光学系110は、参照光路中の光学部材を移動させることにより、測定光と参照光との光路長差を変更する構成を有する。例えば、参照ミラーが光軸方向に移動される。光路長差を変更するための構成は、測定光学系106の測定光路中に配置されてもよい。
検出器120は、測定光と参照光との干渉状態を検出する。フーリエドメインOCTの場合では、干渉光のスペクトル強度が検出器120によって検出され、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって所定範囲における深さプロファイル(OCTデータ)が取得される。ここで、制御部80は、光スキャナ108により測定光を被検眼上で所定の横断方向に走査することにより断層像を取得してもよい。例えば、X方向もしくはY方向に走査することにより、被検眼のXZ面もしくはYZ面における断層像を取得できる。なお、取得された被検眼の断層画像は、制御部80に接続されたメモリ85に記憶される。さらに、測定光をXY方向に二次元的に走査することにより、被検眼前眼部の三次元画像を取得することも可能である。
本実施例のOCT光学系100は、SS(Swept Source)−OCTが採用されている。SS−OCTの場合、光源102として出射波長を時間的に高速で変化させる波長掃引型光源(波長可変光源)が用いられる。本実施例の場合、光源102の波長掃引幅は、例えば、7nmである。検出器120は、例えば、受光素子である。光源102は、例えば、光源、ファイバーリング共振器、及び波長選択フィルタによって構成される。そして、波長選択フィルタとして、例えば、回折格子とポリゴンミラーの組み合わせ、ファブリー・ペローエタロンを用いたものが挙げられる。
また、眼軸長測定装置200は、ケラト投影光学系50、アライメント投影光学系40、前眼部正面撮像光学系30等を備えてもよい。
ケラト投影光学系50は、測定光軸O1を中心に配置されたリング状の光源51を有し、被検眼角膜にリング指標を投影して角膜形状(曲率、乱視軸角度、等)を測定するために用いられる。なお、光源51には、例えば、赤外光または可視光を発するLEDが使用される。なお、投影光学系50について、光軸O1を中心とする同一円周上に少なくとも3つ以上の点光源が配置されていればよく、間欠的なリング光源であってもよい。さらに、複数のリング指標を投影するプラチド指標投影光学系であってもよい。
アライメント投影光学系40は、光源51の内側に配置され、赤外光を発する投影光源41(例えば、λ=970nm)を有し、被検眼の角膜Ecにアライメント指標を投影するために用いられる。そして、角膜Ecに投影されたアライメント指標は、被検眼に対する位置合わせ(例えば、自動アライメント、アライメント検出、手動アライメント、等)に用いられる。本実施形態において、投影光学系50は、被検眼の角膜Ecに対してリング指標を投影する光学系であって、リング指標は、マイヤーリングも兼用する。また、投影光学系40の光源41は、前眼部を斜め方向から赤外光にて照明する前眼部照明を兼用する。なお、投影光学系40において、さらに、角膜Ecに平行光を投影する光学系を設け、投影光学系40による有限光との組合せにより前後のアライメントを行うようにしてもよい。
正面撮像光学系30は、前眼部正面像を撮像(取得)するために用いられる。正面撮像光学系30は、ダイクロイックミラー33、対物レンズ47、ダイクロイックミラー62、フィルタ34、撮像レンズ37、二次元撮像素子35、を含み、被検眼の前眼部正面像を撮像するために用いられる。二次元撮像素子35は、被検眼前眼部と略共役な位置に配置されている。
前述の投影光学系40、投影光学系50による前眼部反射光は、ダイクロイックミラー33、対物レンズ47、ダイクロイックミラー62、フィルタ34、及び撮像レンズ37を介して二次元撮像素子35に結像される。
光源1は、固視灯である。また、例えば、光源1から発せられた光の前眼部での反射により取得される前眼部反射光の一部は、ダイクロイックミラー33で反射され、正面撮像光学系30で結像される。
次に、制御系について説明する。制御部80は、装置全体の制御及び測定結果の算出を行う。制御部80は、OCTデバイス5の各部材、角膜形状測定デバイス300の各部材、モニタ70、操作部84、メモリ85、等と接続されている。
また、操作部84には、操作入力部として、マウス等の汎用インターフェースが用いられてもよいし、その他、タッチパネルが用いられてもよい。
なお、メモリ85には、各種制御プログラムの他、制御部80が解析を行うための解析プログラム等が記憶されている。
<制御動作>
以上のような構成を備える装置において、眼軸長測定を行う場合の制御動作を図2および図3に基づいて説明する。図2は、眼軸長測定の流れを示すフローチャートであり、図3はスペクトル干渉信号の演算処理方法を示すブロック図である。
(ステップS1:アライメント)
まず、検者は、モニタ70に表示される被検眼のアライメント状態を見ながら、図示なきジョイスティック等の操作手段を用いて、装置を上下左右及び前後方向に移動させ、装置を被検眼Eに対して所定の位置関係に置く。このとき、検者は、被検者に固視標を固視させておく。
アライメントの際には、光源41及び光源51が点灯される。例えば、検者は、モニタ70に電子的に表示されたレチクルと、光源41によるリング指標が同心円状になるように上下左右のアライメントを行う。これによって、被検眼の角膜頂点に本装置の光軸O1が通るようにXY方向にアライメントされる。また、検者は、リング指標のピントが合うように、前後のアライメントを行う。
(ステップS2:スペクトル干渉信号取得)
アライメントが完了すると、OCT光学系100によってスペクトル干渉信号を取得する。例えば、被検眼に照射された測定光の反射光と、参照光学系110によって反射された参照光との干渉状態が検出器120によって検出されることでスペクトル干渉信号が取得される。取得されたスペクトル干渉信号は、メモリ85等に記憶される。
(ステップS3:周波数シフト)
次に制御部80は、取得されたスペクトル干渉信号において、目的とする周波数を0Hz付近にシフトさせる。つまり、低い周波数にシフトさせる。例えば、制御部80は、直交検波によって周波数をシフトさせる。直交検波とは、例えば、実数信号に対して、90°位相のずれた正弦波(例えば、sin波とcos波)をそれぞれ掛け合わせることで解析信号(複素信号)を得る処理である。例えば、実数信号にcos波を乗算した結果が実数部となり、sin波を乗算した結果が虚数部となる。例えば、図4(a)のスペクトル干渉信号S(t)に対して、図4(b)のcos波Wを掛けることによって、図4(c)の実数信号I(t)が得られ、図4(b)のsin波Wを掛けることによって図4(d)の虚数信号Q(t)が得られる。
図5(a)は直交検波前のスペクトル干渉信号をフーリエ変換によって周波数領域で表したOCTデータを示す。また、図5(b)は直交検波後のスペクトル干渉信号をフーリエ変換によって周波数領域で表したOCTデータを示す。例えば、周波数fの正弦波(例えば、sin波Wとcos波W)をスペクトル干渉信号に掛けて複素信号とすることによって、目的とする周波数をfHzだけ0Hz方向(低周波)にシフトさせることができる。例えば、数1のように、実数信号I(t)に対して複素信号exp(−j2πft)を乗算して複素信号B(t)を得る場合と同様に、周波数がシフトされる。
Figure 2019063044

ここで、A(t)は振幅成分、θ(t)は位相成分、fは目的とする帯域信号の中心周波数である。
本実施例では、角膜反射によって信号強度がピークをとる周波数fを含む周波数帯域を0Hz付近にシフトさせる。例えば、サンプリング周波数fsの4分の1だけ0Hz方向にシフトさせる。これによって、後述のフィルタリングおよび間引き処理を効果的に行うことができる。なお、目的の周波数が虚数領域にシフトしないように、シフト量(f)は目的の周波数よりも小さく設定される。
なお、図5のOCTデータにおいて、横方向に関してN個のデータの中央に該当する(N/2−1)番目のデータを境界として右側は共役信号波形が形成される。このため、眼軸長の取得において有効なデータ数はN/2個となる。また、図5において、説明のために周波数空間におけるOCTデータを示しているが、実際には、フーリエ変換前の実空間(時間空間)におけるスペクトル干渉信号に対して処理を行う。
(ステップS4:ローパスフィルタの適用)
制御部80は、スペクトル干渉信号にローパスフィルタを適用し、ノイズ成分を除去する。ステップ3において、目的とするスペクトル干渉信号の周波数帯を0Hz付近にシフトさせているため、図6(a)に示すように、急峻なフィルタを適用でき、ノイズとなる高周波成分を好適に除去することができる。図6(b)は、ローパスフィルタによって高周波成分が除去された場合を示す。なお、ローパスフィルタは、例えば、FPGAでのFIRフィルタ等が用いられる。
(ステップS5:データ間引き)
制御部80は、実数部と虚数部においてそれぞれ信号のサンプリングデータを間引く処理(ダウンサンプリング)を行う。これによって、フーリエ変換などの演算による負荷を軽くすることができる。
本実施例において、制御部80は、N個のデータがN/4個のデータになるようにデータを間引く。例えば、1024点のデータを256点まで間引く。図7(a)は、間引く前のデータを示す。図7(b)は、間引いた後のデータを示す。図7(b)に示すように、スペクトル干渉信号のデータを間引くことによって、時間方向に圧縮したような波形となる。
なお、データを間引くことによってデータ数を減少させると、共役信号の一部がエイリアシングノイズとなって実数領域に現れることがあるが、ステップS4において、高周波成分を除去しているため、共役信号の出現を防ぐことができる。
(ステップS6:複素信号の算出)
制御部80は、実数信号I(t)と虚数信号Q(t)を複素信号B(t)とする。このとき得られる複素信号B(t)は、例えば、数2で表される。
Figure 2019063044
(ステップS7:ゼロパッディング)
続いて、制御部80は、ステップS6で得られた複素信号B(t)の後方に0(ゼロ)を付加し、データ数を増やす。例えば、ステップS5において256点に間引かれたデータを1024点にする。スペクトル干渉信号にフーリエ変換を施す場合、上記のようにスペクトル干渉信号の後方に0(ゼロ)を付加しても、元のスペクトル干渉信号に関する距離情報の範囲は変化しない。このため、0(ゼロ)を付加すると、距離に関わる分解能が向上する。なお、ステップS5においてデータが間引かれているため、0(ゼロ)を付加した場合でもフーリエ変換による負荷が過剰になる可能性は低い。
例えば、図8(a)は、後方にM個の0を付加した複素信号B(t)を示す。また、図8(b)は、0を付加した複素信号B(t)に対してフーリエ変換したときのOCTデータを示す(ステップS8)。上記の処理を行うことによって、分解能はNR/(N+MR)倍となり波形情報をより正確に検出することができる。ここで、Rは間引き係数で、データ数を4分の1に間引いた場合、R=4となる。
(ステップS8:高速フーリエ変換)
制御部80は、上記のようにして取得された複素信号B(t)を高速フーリエ変換(FFT)することによって、OCTデータ(図8(b)参照)を取得する。
(ステップS9:眼軸長算出)
制御部80は、FFTによって得られたOCTデータに基づいて被検眼の眼軸長を算出し、眼軸長測定処理を終了する。
上記のように、本実施例の眼軸長測定装置200は、直交検波によってスペクトル干渉信号の周波数を0Hz付近にシフトさせることによって、スペクトル干渉信号のフィルタリングおよび間引きを効率的に行うことができる。これによって、例えば、波長掃引幅の短い光源を用いた場合など、周波数分解能が不足する場合であっても周波数分解能を効率的に向上させることができる。
なお、制御部80は、上記のステップS3からステップS8までの処理を、角膜信号が検出される周波数と、眼底信号が検出される周波数についてそれぞれ行い、その結果取得された角膜の位置と、眼底の位置とに基づいて最終的な眼軸長を算出してもよい。
この場合、例えば、図9(a)に示すように、制御部80は、角膜信号G1が検出される第1目的周波数fを0Hz付近にシフトさせる。このようにして得られた複素信号に対してローパスフィルタを適用し、角膜信号部分よりも高い周波数成分を除去する。そして、制御部80は、高周波成分を除去した複素信号に対して、間引き処理とゼロパッディング処理を行った後、フーリエ変換を行うことによって、図9(b)のように、分解能が改善された角膜信号G1のOCTデータを得る。制御部80は、このOCTデータに基づいて、周波数をシフトさせた後における原点から角膜位置Pまでの距離Lを取得する。
また、図10(a)に示すように、制御部80は、眼底信号G2が検出される第2目的周波数fを0Hz付近にシフトさせる。このようにして得られた複素信号に対してローパスフィルタを適用し、眼底信号部分よりも高い周波数を除去する。そして、制御部80は、高周波成分を除去した複素信号に対して、間引き処理とゼロパッディング処理を行った後、フーリエ変換を行うことによって、図10(b)のように、分解能が改善された眼底信号G2のOCTデータを得る。制御部80は、このOCTデータに基づいて、周波数をシフトさせた後における原点から眼底位置Pまでの距離Lを取得する。
制御部80は、上記のようにしてそれぞれ算出された角膜位置Pと眼底位置Pと、周波数のシフト量とに基づいて、被検眼の眼軸長を算出する。例えば、図11に示すように、制御部80は、第2目的周波数fのシフト量fr2に対応する距離Lと距離Lとの和から、第1目的周波数fのシフト量fr1に対応する距離Lと距離Lとの和を差し引くことによって眼軸長Lを算出する。
このように、目的とする周波数が複数ある場合は、目的とする各周波数をシフトさせた複数の複素信号を用いることで、より効率的に信号処理を行える。例えば、図9(a),図10(a)に示すように、より急峻なフィルタを用いることができ、好適に高周波成分のノイズを除去できる。また、周波数領域を絞ることで、より分解能を向上させたり、演算の負荷を抑えたりすることができる。
なお、一部の図において、OCTデータに対してローパスフィルタ(LFP)、間引き(Decimation)などの処理を行っているように図示したが、実際には波長スペクトルに対して処理を行っている。
なお、本実施例のOCT光学系はSS−OCTであったが、SD(Spectral domain)−OCT、TD(Time domain)−OCTが採用されてもよい。
SD−OCTの場合、光源102として低コヒーレント光源(広帯域光源)が用いられ、検出器120には、干渉光を各周波数成分(各波長成分)に分光する分光光学系(スペクトルメータ)が設けられる。スペクトルメータは、例えば、回折格子とラインセンサからなる。
5 光コヒーレンストモグラフィーデバイス
30 前眼部正面撮像光学系
40 アライメント投影光学系
50 ケラト投影光学系
70 モニタ
80 制御部
85 メモリ
84 操作部

Claims (10)

  1. 被検眼のスペクトル干渉信号を取得するOCT装置であって、
    測定光と、前記測定光に対応する参照光との前記スペクトル干渉信号を検出手段によって取得するOCT光学系と、
    前記スペクトル干渉信号において周波数をシフトさせる演算手段と、を備えることを特徴とするOCT装置。
  2. 前記演算手段は、直交検波によって前記周波数をシフトさせることを特徴とする請求項1のOCT装置。
  3. 前記演算手段は、前記周波数を0Hz方向にシフトさせることを特徴とする請求項1または2のOCT装置。
  4. 前記演算手段は、前記周波数を0Hz付近にシフトさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれかのOCT装置。
  5. 前記演算手段は、前記スペクトル干渉信号の第1目的周波数を0Hz付近にシフトさせた第1複素信号と、前記スペクトル干渉信号の第2目的周波数を0Hz付近にシフトさせた第2複素信号と、をそれぞれ算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかのOCT装置。
  6. 前記第1目的周波数は前記被検眼の角膜信号が検出される周波数であり、
    前記第2目的周波数は前記被検眼の眼底信号が検出される周波数であり、
    前記演算手段は、前記第1複素信号と、前記第2複素信号と、をそれぞれフーリエ変換することによって得られたOCTデータに基づいて、前記被検眼の眼軸長を算出することを特徴とする請求項5のOCT装置。
  7. 前記演算手段は、前記OCTデータと、前記第1目的周波数をシフトさせたときの第1シフト量と、前記第2目的周波数をシフトさせたときの第2シフト量と、に基づいて、前記眼軸長を算出することを特徴とする請求項6のOCT装置。
  8. 前記演算手段は、実空間上において、前記スペクトル干渉信号のデータ数を間引くことを特徴とする請求項1〜7のいずれかのOCT装置。
  9. 前記演算手段は、0データを前記スペクトル干渉信号の後方に追加することを特徴とする請求項1〜8のいずれかのOCT装置。
  10. 被検眼のスペクトル干渉信号を取得するOCT装置において実行されるOCT装置制御プログラムであって、前記OCT装置のプロセッサによって実行されることで、
    測定光と、前記測定光に対応する参照光との干渉状態を利用して前記被検眼のスペクトル干渉信号を取得する取得ステップと、
    前記スペクトル干渉信号において周波数をシフトさせる演算ステップと、
    を前記OCT装置に実行させることを特徴とするOCT装置制御プログラム。
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