JP2019038965A - 接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】剥離性を付与するための添加剤を実質的に含有しなくとも、接着後の良好な剥離性を有する接着剤を提供すること。【解決手段】結晶性オレフィン系重合体を含む接着剤が開示される。オレフィン系重合体が、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。結晶性オレフィン系重合体の示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃の範囲において、(a1)95〜145℃の範囲にピークトップを有する、結晶の融解によるピークが観測され、且つ、(a2)ガラス転移点が観測されない、又は、−20〜30℃の範囲にガラス転移点が観測される。【選択図】なし
Description
本発明は、接着剤に関する。
ホットメルト接着剤が、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)を発生させない無溶剤タイプの接着剤として注目されている。ホットメルト接着剤が、製本、包装、合板、電子部品、建材、サニタリー製品等の分野において広く使用されている。
ホットメルト接着剤には、ベースポリマーと呼ばれる高分子が使用されている。ベースポリマーとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer:EVA共重合体)、エチレン・α−オレフィン共重合体等エチレンを主成分とする共重合体、非晶性ポリオレフィン(Amorphous Poly-α-Olefin:APAO)、スチレン系エラストマー(例えば、SBS、SIS、SEBS、SEPS等)などが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
ホットメルト接着剤に関して、接着後の剥離性が求められることがある。例えば、種々の情報(個人情報、印刷情報の親展性、秘匿性、遮断性が必要とされる情報)が記録された面を被覆するシートを接着するための接着剤は、接着後に容易に剥離できることが求められる。そのような用途の一例として、種々の情報を記録したシートの情報記録面を内側として折りたたみ、接着剤により仮止めした親展性葉書(親展性を付与した葉書)がよく知られている。親展性葉書のような用途においては、葉書を開封し、情報記録面から情報を取得するため、開封者の葉書の使いやすさなどの観点から、接着剤の接着後における剥離性が重要である。
ホットメルト接着剤に対して、接着後の剥離性を付与する手段として、ワックス、オイル等の添加剤をベースポリマーに添加する方法が知られている。
例えば、特許文献3には、成分(A):オレフィン系樹脂から選択される少なくとも一種、及び成分(B)軟化点が80〜170℃のワックスから選択される少なくとも一種を含んでなることを特徴とするホットメルト型コールドシール接着剤が提案されている。また特許文献4には、疑似接着用に使用されるホットメルト接着剤組成物であって、エチレン・プロピレン共重合体を含有する熱可塑性樹脂と、固形パラフィンとを含み、前記固形パラフィンが、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜20重量部含有され、ホットメルト接着剤組成物の溶融粘度が、160℃において2000〜10000mPa・sであるホットメルト接着剤が提案されている。
しかしながら、ワックス及びオイルのような、剥離性を付与するための添加剤の使用により、ホットメルト接着剤の熱安定性が低下することがある。熱安定性が低いことは、加工時の焼け等の外観不良の一因となり得る。
そこで本発明は、剥離性を付与するための添加剤を実質的に含有しなくとも、接着後の良好な剥離性を有することのできる接着剤を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、結晶性オレフィン系重合体を含む接着剤を提供する。前記オレフィン系重合体が、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。前記結晶性オレフィン系重合体の示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃の範囲において、
(a1)95〜145℃の範囲にピークトップを有する、結晶の融解によるピークが観測され、且つ、
(a2)ガラス転移点が観測されないか、又は、−20〜30℃の範囲にガラス転移点が観測される。
(a1)95〜145℃の範囲にピークトップを有する、結晶の融解によるピークが観測され、且つ、
(a2)ガラス転移点が観測されないか、又は、−20〜30℃の範囲にガラス転移点が観測される。
上記接着剤は、ワックス、オイルのような剥離性を付与するための添加剤を含有しなくとも、接着後の良好な剥離性を有することができる。
上記結晶性オレフィン系重合体は、示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃の範囲において、120〜140℃の範囲にピークトップを有する、結晶の融解によるピークが観測されるものであってもよい。
上記結晶性オレフィン系重合体は、5〜100万、又は5〜30万の重量平均分子量を有してもよい。また、上記結晶性オレフィン系重合体が、1〜3の分子量分布を有してもよい。
上記結晶性オレフィン系重合体が、プロピレンをモノマー単位として含んでいてもよい。
上記接着剤は、ホットメルト接着剤であってよい。
本発明によれば、ワックス、オイルのような添加剤を含有しなくとも、接着後の良好な剥離性を有する接着剤を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る接着剤は、特定のオレフィンから構成される結晶性オレフィン系重合体を含む。具体的には、この結晶性オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。この結晶性オレフィン系重合体の示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃までの範囲において、(a1)95〜145℃の範囲にピークトップを有する、結晶の融解によるピークが観測され、且つ、(a2)ガラス転移点が観測されないか、又は、−20〜30℃の範囲にガラス転移点が観測される。本明細書において、「結晶性オレフィン系重合体」は、特に断らない限り、これら要件を満たす結晶性オレフィン系重合体のことを意味する。要件(a1)の結晶の融解によるピーク、及び要件(a2)のガラス転移点を確認するための示差走査熱量測定の詳細については後述される。
結晶性オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のオレフィンが重合することで形成される重合体である。結晶性オレフィン系重合体を構成するα−オレフィンの炭素数は、入手の容易さ、コスト、共重合性等の観点から、好ましくは3〜10である。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−イコセンが挙げられる。これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び1−デセンが好ましい。前記オレフィンは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
結晶性オレフィン系重合体は、好ましくはプロピレンをモノマー単位として含む単独重合体又は共重合体である。以下、プロピレンをモノマー単位として含む結晶性オレフィン系重合体を、結晶性プロピレン系重合体ともいう。
結晶性プロピレン系重合体は、プロピレンに由来するモノマー単位と、エチレンに由来するモノマー単位及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンに由来するモノマー単位とを含む共重合体であってもよい。
結晶性プロピレン系重合体のプロピレンに由来するモノマー単位の割合は、結晶性プロピレン系重合体を構成するモノマー単位全量を基準として、85モル%以上、90モル%以上、又は92モル%以上であってよく、100モル%以下であってよい。上記プロピレンに由来するモノマー単位の割合は、結晶性プロピレン系重合体を構成するモノマー単位全量を基準として、例えば、85〜100モル%、90〜100モル%、又は92〜100モル%であってよい。
結晶性プロピレン系重合体がプロピレンとエチレン等の他のモノマーとの共重合体である場合、他のモノマーの種類及び比率によって、結晶性プロピレン系重合体の融点及びガラス転移点を制御することができる。通常、エチレン等の他のモノマーの比率が高くなると結晶性プロピレン系重合体の融点及びガラス転移点が低くなる傾向がある。
結晶性プロピレン系重合体がエチレン及び炭素数4〜20のα−オレフィン等の他のモノマーに由来するモノマー単位を含む場合、その割合は、結晶性プロピレン系重合体を構成するモノマー単位全量を基準として、15モル%以下、10モル%以下、又は8モル%以下であってもよい。上記エチレン及び炭素数4〜20のα−オレフィン等の他のモノマーに由来するモノマー単位の割合は、結晶性プロピレン系重合体を構成するモノマー単位全量を基準として、例えば、0〜15モル%、0〜10モル%、又は0〜8モル%であってよい。
重合体における各単量体成分の割合は、例えば、13C−NMR法により求めることができる。
オレフィン系重合体が結晶性であることは、示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムにおいて結晶の融解による吸熱ピークの有無から確認することができる。本明細書において、結晶の融解による熱量1J/g以上の吸熱ピークを示すオレフィン系重合体は、結晶性であるとみなされる。
ここで、オレフィン系重合体の結晶の融解による吸熱ピークは、室温(通常20〜30℃)から200℃まで10℃/分の速度で昇温した後、直ちに−50℃へ速度10℃/分で降温する1stヒーティングと、その後−50℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温する2ndヒーティングとを含む示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムにおける、2ndヒーティングの−50℃から200℃までの昇温過程において確認される。オレフィン系重合体のガラス転移点も、同様の条件の示差走査熱量測定により得られる、2ndヒーティングの−50℃から200℃までの昇温過程のDSCサーモグラムにおいて確認される。
一実施形態に係る結晶性オレフィン系重合体の場合、上記の2ndヒーティングのDSCサーモグラムにおいて、95〜145℃の範囲にピークトップを有する、結晶の融解による吸熱ピークが観測される(要件(a1))。ここでの吸熱ピークは熱量1J/g以上のピークである。言い換えると、結晶性オレフィン系重合体の融点が95〜145℃の範囲にある。これにより、より優れた剥離性を有するホットメルト接着剤を得ることができる。同様の観点から、結晶性オレフィン系重合体の融点は、より好ましくは100℃以上、110℃以上、又は120℃以上である。結晶性オレフィン系重合体の融点は、143℃以下、又は140℃以下であってもよい。
一実施形態に係る結晶性オレフィン系重合体の示差走査熱量測定により得られる上記の2ndヒーティングのDSCサーモグラムにおいて、ガラス転移点が観測されないか、又は、−20〜30℃の範囲にガラス転移点が観測される(要件(a2))。すなわち、一実施形態に係る結晶性オレフィン系重合体は、−50〜200℃の範囲にガラス転移点を示さないか、又は、−20〜30℃の範囲のガラス転移点を示す。ここでのガラス転移点は、DSCサーモグラムにおいて、ガラス転移によるベースラインのシフトよりも低温側のベースラインの延長線と、ベースラインのシフトに伴う変曲点における接線との交点のことをいう。ガラス転移点の測定方法の詳細は、JISK7121に従う。例えば、ガラス転移点を示す結晶性オレフィン系重合体を生成させる重合触媒を用いること、エチレン等の共重合モノマーを導入すること、又はこれらの組み合わせにより、−20〜30℃の範囲にガラス転移点を有する結晶性オレフィン系重合体を得ることができる。
結晶性オレフィン系重合体がガラス転移点を有する場合には、ガラス転移点は、−20℃以上であり、好ましくは−16℃以上であり、更に好ましくは−10℃以上である。ガラス転移点は、30℃以下であり、好ましくは10℃以下であり、更に好ましくは0℃以下、特に好ましくは−8℃以下である。ガラス転移点がこれら範囲内であると、より優れた剥離性を有するホットメルト接着剤が得られる。
結晶性オレフィン系重合体の重量平均分子量Mwは、5万以上であってもよく、100万以下、80万以下、50万以下、又は30万以下であってもよい。結晶性オレフィン系重合体の重量平均分子量Mwは、例えば、5〜100万、5〜80万、5〜50万、又は5〜30万であってよい。結晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnは、好ましくは3以下、より好ましくは2.8以下、更に好ましくは2.5以下である。結晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnは、1以上であり、1.5以上、又は1.8以上であってよい。結晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnは、例えば、1〜3、1.5〜2.8、又は1.8〜2.5であってよい。オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnが上記範囲内であると、接着剤を塗布してから被着材を張るまでの時間(オープンタイム)を長くすることができ、接着剤として、より利便性が得られる。
本実施形態において、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ゲルパーミエイションクロマトグラフ法(GPC法)により測定される、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。Mw及びMnは、例えば、実施例に記載の方法により測定することができる。
結晶性オレフィン系重合体のメルトフローレイトは、5g/10分以上、又は10g/10分以上であってもよく、後述する他の添加剤成分と容易に混合する観点から、好ましくは50g/10分以上である。結晶性オレフィン系重合体のメルトフローレイトは、10,000g/10分以下、又は1,000g/10分以下であってもよく、接着剤の強度を持たせる観点から、好ましくは100g/10分以下である。ここでのメルトフローレイトは、ASTM D−1238に沿って、230℃、2.16kg荷重下の条件で測定されるメルトフローレイトを意味する。
結晶性オレフィン系重合体は、例えば、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のオレフィンを、チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒のような重合触媒の存在下で重合させることで製造することができる。重合触媒は、結晶性オレフィン系重合体の分子量分布が狭く、組成制御がより容易であることから、好ましくはメタロセン触媒である。
メタロセン触媒は、典型的には、以下に示す成分(A)と、成分(B)及び/又は成分(C)とで構成することができる。
成分(A)は、元素の周期表第4族の遷移金属元素(例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等)を有するメタロセン化合物である。このメタロセン化合物は、遷移金属元素を介して連結された2個の特定の有機基を有しており、2個の有機基の一方はシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基であり、もう一方はシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基、又はアルキル基で置換されていてもよいフェノキシ基である。遷移金属元素が連結する当該2個の特定の有機基は、任意に、他の有機連結基(例えば、アルキレン、ジアルキルシリレン等)を介して更に連結されていてもよい。メタロセン化合物において、遷移金属元素には、その原子価を満たす数の原子又はそれが連結する上記2個の特定の有機基とは異なる基(典型的には、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基)が結合している。ここで、シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基は、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、及びフルオレニル基が挙げられ、これらの基にアルキル基が結合していてもよい。
メタロセン化合物は、遷移金属元素が4価のチタンと、チタンによって連結された上記2個の特定の有機基と、チタンに結合している塩素原子とを有していてもよい。つまり、メタロセン化合物がチタニウムジクロライドであってもよい。その具体例として、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(フルオレニル)チタニウムジクロライド、(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、(テトラメチルシクロペンタジエニル)インデニルチタニウムジクロライド、(テトラメチルシクロペンタジエニル)フルオレニルチタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)インデニルチタニウムジクロライド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルチタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)インデニルチタニウムジクロライド、ジメチルシリレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルチタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(フルオレニル)チタニウムジクロライド及びジメチルシリレンビス(フルオレニル)チタニウムジクロライド等が挙げられる。
これらメタロセン化合物において、チタンが他の遷移金属元素(例えば、ジルコニウム又はハフニウム)に置き換えられてもよく、ジクロライドがジメチル等のジアルキル又はジメトキサイド等のジアルコキサイドに置き換えられてもよい。
成分(B)は、有機アルミニウム化合物であり、好ましくは炭化水素化アルミニウム、及びアルミノキサンからなる群より選択される1以上の化合物である。炭化水素化アルミニウムは、アルミニウムに結合したアルキル基等の炭化水素基を少なくとも1個有する有機アルミニウム化合物である。アルミノキサンは、「−Al(R)−O−」(Rは炭化水素基を示す。)で表される構造を含む化合物であり、環状又は線状であってよい。
炭化水素化アルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド及びジイソブチルアルミニウムハイドライドが挙げられる。
アルミノキサンとしては、例えば、「−Al(R)−O−」において、Rが、メチル基、エチル基又はイソブチル基である化合物が挙げられる。アルミノキサンは、例えば、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムを有機溶媒に溶かした溶液を水に接触させる方法、トリアルキルアルミニウムと結晶水を含んでいる金属塩とを接触させる方法等によって製造することができ、一般に環状又は線状のアルミノキサンを得ることができる。アルミノキサンは、市販品を用いることができる。
成分(C)は、ホウ素化合物であり、好ましくはボラン化合物、及びボレート化合物からなる群より選択される1以上の化合物である。ここでボラン化合物は、ホウ素に結合した、ハロゲン原子、炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基から選ばれる基を合計3個有する化合物である。ボレート化合物は、ホウ素に結合した、ハロゲン原子、炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基から選ばれる基を合計4個有するボレートアニオンと、対カチオンとからなる化合物である。対カチオンは特に限定されない。
ボラン化合物としては、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン及びフェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられる。
ボレート化合物としては、例えば、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びN,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
メタロセン触媒は、上述の成分(A)と、成分(B)及び/又は成分(C)とで構成する触媒の他、例えば、特開2000−198820号公報に記載されている触媒であってもよい。
重合は、溶液重合、懸濁重合等であってよい。重合方式は、連続式、又は回分式であってよい。重合条件は、例えば、特開平7−48485号公報に記載される重合条件の範囲から適宜選択してもよい。
接着剤における結晶性オレフィン系重合体の含有量は、接着剤の全体重量を基準として、20〜100重量%、又は40〜100重量%であってもよい。本実施形態に係る接着剤は、上述の要件(a1)及び(a2)を満たす結晶性オレフィン系重合体の他に、その他の重合体を含んでもよい。ただし、その他の重合体の含有量は、接着剤の全体重量を基準として、80重量%以下、又は60重量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係る接着剤は、ワックス、オイル等の剥離性を付与するための添加剤(以下「剥離性付与剤」という。)を更に含有していてもよいが、実質的に含有していなくてもよい。本明細書において、「剥離性付与剤を実質的に含有しない」とは、剥離性付与剤の含有量が、接着剤に剥離性を付与するために必要とされる有効量未満であることをいう。具体的には、剥離性付与剤の含有量が、接着剤の全体重量を基準として、50重量%未満、又は40重量%未満であってもよく、0重量%であってもよい。
ワックスとしては、例えば、動物由来ワックス、植物由来ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、蜜蝋、鉱物ワックス、石油ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、フィッシャー・トロプシュワックスが挙げられる。
また本実施形態に係る接着剤は、剥離性付与剤以外の添加剤を更に含んでもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃化剤、防かび剤、顔料、染料等を挙げることができる。これらの添加剤の含有量は、接着剤の全体重量を基準として、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
本実施形態に係る接着剤は、ホットメルト接着剤、ラミネート接着剤、下塗塗料(プライマー)等の様々な接着剤として好適に使用できる。
本実施形態に係る接着剤は、例えば、非晶性オレフィン系重合体と、上記結晶性オレフィン系重合体と、必要によりその他の成分とを含む混合物を溶融混練することを含む方法によって、製造することができる。
接着剤の形状は、特に限定されず、例えばシート状、テープ状、又は棒状であってもよい。
本実施形態に係る接着剤をホットメルト接着剤として使用する場合は、例えば、加熱溶融したホットメルト接着剤を第一の被着体に付着させることと、ホットメルト接着剤を間に挟みながら第一の被着体と第二の被着体とを貼り合わせることと、第一の被着体と第二の被着体の間のホットメルト接着剤を冷却固化させることとを含む方法により、第一の被着体と第二の被着体とを接着させるために、用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明について具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
1.評価方法
(融点Tmおよびガラス転移点Tg)
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、製品名「DSC220C」)を用いて、10℃/分の速度で昇温及び降温する示差走査熱量測定をした。示差走査熱量測定は、室温から200℃へ昇温した後、直ちに−50℃へ降温する1stヒーティングと、その後−50℃から200℃へ昇温する2ndヒーティングとを含む条件によって行った。2ndヒーティングの後、試料を−50℃へ降温させた。2ndヒーティングのDSCサーモグラムにおいて観測された、結晶の融解に基づく吸熱ピークのピークトップの温度を、結晶性オレフィン系重合体の融点Tmとした。また、2ndヒーティングのDSCサーモグラムでの、結晶性オレフィン系重合体のガラス転移挙動に伴う比熱変化を示すベースラインシフトの変曲点における温度をガラス転移点Tgとして求めた。
(融点Tmおよびガラス転移点Tg)
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、製品名「DSC220C」)を用いて、10℃/分の速度で昇温及び降温する示差走査熱量測定をした。示差走査熱量測定は、室温から200℃へ昇温した後、直ちに−50℃へ降温する1stヒーティングと、その後−50℃から200℃へ昇温する2ndヒーティングとを含む条件によって行った。2ndヒーティングの後、試料を−50℃へ降温させた。2ndヒーティングのDSCサーモグラムにおいて観測された、結晶の融解に基づく吸熱ピークのピークトップの温度を、結晶性オレフィン系重合体の融点Tmとした。また、2ndヒーティングのDSCサーモグラムでの、結晶性オレフィン系重合体のガラス転移挙動に伴う比熱変化を示すベースラインシフトの変曲点における温度をガラス転移点Tgとして求めた。
(分子量、分子量分布)
分子量は、GPC装置(Waters社製、製品名「150C/GPC装置」)を用いて、ゲルパーミエイションクロマトグラフ法(GPC法)により測定した。カラムは、昭和電工株式会社製の「Shodex Packed Column A−80M」を用いた。分子量標準物質は、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いた。
約5mgの結晶性オレフィン系重合体を、5mLのo−ジクロロベンゼンに溶解して約1g/L濃度の溶液を調製した。調整したサンプル溶液400μLをカラムにインジェクションし、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0mL/分の条件で測定を行い、屈折率検出器にて検出した。得られた重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)及び数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)から、両者の比Mw/Mnを求め、これを分子量分布とした。
分子量は、GPC装置(Waters社製、製品名「150C/GPC装置」)を用いて、ゲルパーミエイションクロマトグラフ法(GPC法)により測定した。カラムは、昭和電工株式会社製の「Shodex Packed Column A−80M」を用いた。分子量標準物質は、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いた。
約5mgの結晶性オレフィン系重合体を、5mLのo−ジクロロベンゼンに溶解して約1g/L濃度の溶液を調製した。調整したサンプル溶液400μLをカラムにインジェクションし、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0mL/分の条件で測定を行い、屈折率検出器にて検出した。得られた重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)及び数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)から、両者の比Mw/Mnを求め、これを分子量分布とした。
(剥離性の評価)
実施例及び比較例にて作製したシート状のホットメルト接着剤を0.15g程度の短冊状へカットし、段ボール片の上に載せた。段ボール片上のホットメルト接着剤を、230℃の熱源によって約1mmの距離から、10分間加熱した。熱源を離してから直ちに、ホットメルト接着剤の上に別の段ボール片を載せ、その上へ1kgの重りを載せ、1時間静置することにより、段ボール片同士がホットメルト接着剤によって接着された接着体を作製した。接着体の段ボール片同士を手で引き剥がした。剥離の状態を観察し、以下の基準で剥離性を評価した。
〇:界面剥離(段ボール片とホットメルト接着剤との接着界面での剥離)
△:段ボール片と接着層の境界部分面積の30%未満が段ボール片側で破損した。
×:段ボール片と接着層の境界部分面積の30%以上が段ボール片側で破損した。
実施例及び比較例にて作製したシート状のホットメルト接着剤を0.15g程度の短冊状へカットし、段ボール片の上に載せた。段ボール片上のホットメルト接着剤を、230℃の熱源によって約1mmの距離から、10分間加熱した。熱源を離してから直ちに、ホットメルト接着剤の上に別の段ボール片を載せ、その上へ1kgの重りを載せ、1時間静置することにより、段ボール片同士がホットメルト接着剤によって接着された接着体を作製した。接着体の段ボール片同士を手で引き剥がした。剥離の状態を観察し、以下の基準で剥離性を評価した。
〇:界面剥離(段ボール片とホットメルト接着剤との接着界面での剥離)
△:段ボール片と接着層の境界部分面積の30%未満が段ボール片側で破損した。
×:段ボール片と接着層の境界部分面積の30%以上が段ボール片側で破損した。
(熱重量損失の評価)
示差熱熱重量同時測定装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、型式「TG/DTA6200」)を用いて、240℃、窒素雰囲気下で、結晶性オレフィン系重合体を30分加熱した。その時の重量(30分加熱後のポリマー重量)を基準とした。同条件下で、さらに90分間加熱し続けた時点の重量(120分加熱後のポリマー重量)を測定し、下記式から重量損失%を算出した。
重量損失%={[(30分加熱後のポリマー重量)−(120分加熱後のポリマー重量)]/(30分加熱後のポリマー重量)}×100%
示差熱熱重量同時測定装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、型式「TG/DTA6200」)を用いて、240℃、窒素雰囲気下で、結晶性オレフィン系重合体を30分加熱した。その時の重量(30分加熱後のポリマー重量)を基準とした。同条件下で、さらに90分間加熱し続けた時点の重量(120分加熱後のポリマー重量)を測定し、下記式から重量損失%を算出した。
重量損失%={[(30分加熱後のポリマー重量)−(120分加熱後のポリマー重量)]/(30分加熱後のポリマー重量)}×100%
2.ホットメルト接着剤の作製とその評価
[実施例1]
窒素置換した0.4Lの重合装置に125gの乾燥トルエンを投入し、プロピレンを40g仕込んだ。重合装置の内温を70℃に上げ、トリイソブチルアルミニウム(TiBA)を4693mmol/L、ジメチルシリレンビスインデニルジルコニウムジクロライド(SIZC)を0.2μmol/L、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ジメチルアニリニウムを3.3mol/Lとなるように加え、重合を開始した。180分重合を継続した後、5mLのエタノールを添加して重合を停止した。脱圧後、10Lのアセトン中で重合溶液から生成物を析出させ、析出物を真空乾燥して、目的の結晶性オレフィン系重合体を得た。得られた結晶性オレフィン系重合体(プロピレン単独重合体)の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。
結晶性オレフィン系重合体をプレス機で加工して、シート状のホットメルト接着剤を作製し、これを用いて剥離性を評価した。結果が表1に示される。
[実施例1]
窒素置換した0.4Lの重合装置に125gの乾燥トルエンを投入し、プロピレンを40g仕込んだ。重合装置の内温を70℃に上げ、トリイソブチルアルミニウム(TiBA)を4693mmol/L、ジメチルシリレンビスインデニルジルコニウムジクロライド(SIZC)を0.2μmol/L、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸ジメチルアニリニウムを3.3mol/Lとなるように加え、重合を開始した。180分重合を継続した後、5mLのエタノールを添加して重合を停止した。脱圧後、10Lのアセトン中で重合溶液から生成物を析出させ、析出物を真空乾燥して、目的の結晶性オレフィン系重合体を得た。得られた結晶性オレフィン系重合体(プロピレン単独重合体)の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。
結晶性オレフィン系重合体をプレス機で加工して、シート状のホットメルト接着剤を作製し、これを用いて剥離性を評価した。結果が表1に示される。
[実施例2]
メタロセン化合物としてSIZCに代えてジメチルシリレンビスインデニルハフニウムジクロライド(SIHC)を用い、表1に記載の条件で実施例1と同様にして、目的の結晶性オレフィン系重合体(プロピレン単独重合体)を得た。得られた結晶性オレフィン系重合体の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。結晶性オレフィン系重合体を用いてシート状のホットメルト接着剤を作製し、その剥離性を評価した。結果が表1に示される。
メタロセン化合物としてSIZCに代えてジメチルシリレンビスインデニルハフニウムジクロライド(SIHC)を用い、表1に記載の条件で実施例1と同様にして、目的の結晶性オレフィン系重合体(プロピレン単独重合体)を得た。得られた結晶性オレフィン系重合体の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。結晶性オレフィン系重合体を用いてシート状のホットメルト接着剤を作製し、その剥離性を評価した。結果が表1に示される。
[実施例3〜4]
モノマーとしてプロピレン及びエチレンを、メタロセン化合物としてSIHCを用い、表1に記載の条件で実施例1と同様にして、実施例3、4の結晶性オレフィン系重合体(エチレン・プロピレン共重合体)を得た。得られた結晶性オレフィン系重合体の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。結晶性オレフィン系重合体を用いてシート状のホットメルト接着剤を作製し、その剥離性を評価した。結果が表1に示される。
モノマーとしてプロピレン及びエチレンを、メタロセン化合物としてSIHCを用い、表1に記載の条件で実施例1と同様にして、実施例3、4の結晶性オレフィン系重合体(エチレン・プロピレン共重合体)を得た。得られた結晶性オレフィン系重合体の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。結晶性オレフィン系重合体を用いてシート状のホットメルト接着剤を作製し、その剥離性を評価した。結果が表1に示される。
[比較例1]
重合体として、リコセン(クラリアント社製、製品名「PP2602」)をそのまま用いた。重合体の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。この重合体を用いてシート状のホットメルト接着剤を作製し、その剥離性を評価した。結果が表1に示される。
重合体として、リコセン(クラリアント社製、製品名「PP2602」)をそのまま用いた。重合体の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。この重合体を用いてシート状のホットメルト接着剤を作製し、その剥離性を評価した。結果が表1に示される。
[比較例2〜4]
モノマーとしてプロピレン及びエチレンを用い、表1に記載の条件で比較例2〜4の結晶性オレフィン系重合体(エチレン・プロピレン共重合体)を得た。得られた結晶性オレフィン系重合体の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。結晶性オレフィン系重合体を用いてシート状のホットメルト接着剤を作製し、その剥離性を評価した。結果が表1に示される。
モノマーとしてプロピレン及びエチレンを用い、表1に記載の条件で比較例2〜4の結晶性オレフィン系重合体(エチレン・プロピレン共重合体)を得た。得られた結晶性オレフィン系重合体の融点Tm、ガラス転移点Tg、重量平均分子量Mw、及び分子量分布Mw/Mnを測定した。結晶性オレフィン系重合体を用いてシート状のホットメルト接着剤を作製し、その剥離性を評価した。結果が表1に示される。
Claims (7)
- 結晶性オレフィン系重合体を含む接着剤であって、
前記結晶性オレフィン系重合体が、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のオレフィンをモノマー単位として含み、
前記結晶性オレフィン系重合体の示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃の範囲において、
(a1)95〜145℃の範囲にピークトップを有する、結晶の融解によるピークが観測され、且つ、
(a2)ガラス転移点が観測されないか、又は、−20〜30℃の範囲にガラス転移点が観測される、
接着剤。 - 前記結晶性オレフィン系重合体の示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃の範囲において、120〜140℃の範囲にピークトップを有する、結晶の融解によるピークが観測される、請求項1に記載の接着剤。
- 前記結晶性オレフィン系重合体が、5〜100万の重量平均分子量を有する、請求項1又は2に記載の接着剤。
- 前記結晶性オレフィン系重合体が、5〜30万の重量平均分子量を有する、請求項1又は2に記載の接着剤。
- 前記結晶性オレフィン系重合体が、1〜3の分子量分布を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤。
- 前記結晶性オレフィン系重合体が、プロピレンをモノマー単位として含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤。
- ホットメルト接着剤である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤。
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003082027A (ja) * | 2000-12-27 | 2003-03-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | 共重合体およびその用途 |
JP2006504858A (ja) * | 2002-10-15 | 2006-02-09 | エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク | オレフィン重合のための複数触媒系及びそれらから生成されたポリマー |
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JP2014500340A (ja) * | 2010-10-21 | 2014-01-09 | バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ | ブテン−1コポリマーを用いる感圧接着剤 |
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-
2017
- 2017-08-28 JP JP2017163657A patent/JP2019038965A/ja active Pending
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