JP2019037960A - 洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成が簡単でコンパクトでありながら洗浄効果に優れた洗浄装置を得る。【解決手段】洗浄対象物に流体Wを吐出する流体吐出部と、洗浄対象物に気体Aを噴射する気体吐出部と、流体Wを貯留する流体タンクと、流体タンクの流体Wを、流体流路Rwを介して流体吐出部に供給する流体ポンプと、気体流路Raを介して気体Aを気体吐出部に供給する気体ポンプと、流体ポンプおよび気体ポンプの駆動状態を制御する制御部と、流体流路Rwの一部および気体流路Raの一部が設けられたハウジング31と、ハウジング31の内部に保持され、気体流路Raを遮断する閉じ位置と気体流路Raを連通状態とする開き位置とに姿勢変更可能であり、流体流路Rwに対面して閉じ位置となる側に流体Wの圧力を受ける第1面33aと、閉じ位置にある状態で気体流路Raに対面して開き位置となる側に気体Aの圧力を受ける第2面33bとを有する弁体33と、を備えた洗浄装置。【選択図】図2
Description
本発明は、洗浄対象物に対して流体を吐出したのち気体を噴射することで洗浄対象物を洗浄する洗浄装置に関する。
従来、例えば車載カメラを搭載した車両には、車載カメラのレンズを洗浄する洗浄装置が設けられているものがある。そのような洗浄装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された洗浄装置は、車載光学センサが有するレンズのレンズ面等に向けて洗浄液を噴射する洗浄液ノズルを備え、さらに、洗浄液ノズルから噴射されてレンズ面を洗浄した使用済み洗浄液がレンズ面から所定位置へ落下しないよう、使用済み洗浄液に向けて空気を噴射して吹き飛ばすエアノズルを備えるものである。
洗浄液は、液ポンプによって洗浄液ノズルから吐出され、洗浄用の空気は、エアポンプによって洗浄液と混合した状態で、あるいは、空気単体でエアノズルから噴射される。これにより、車載カメラのレンズに向けて吹き付けた使用済み洗浄液がレンズ面の周囲の車体等に付着して車体等が汚れるのを防止しようとするものである。
ただし、特許文献1の洗浄装置では、洗浄用の空気を噴射する際には、エアポンプによって供給された空気が空気配管を流通したのちエアノズルから噴射される構造である。そのため、吐出エアの噴射力を高めるには、エアノズルの内径を細くするか、エアポンプの容量を大きくする必要がある。ただし、エアノズルの内径を細くすることは、吐出エアの吐出範囲も狭くなるから、エアポンプの容量を大きくする必要がある。その結果、洗浄装置の寸法が大きくなり、搭載性が悪化してしまう。
このような理由から、従来より、構成が簡単でコンパクトでありながら洗浄効果に優れた洗浄装置が求められている。
(特徴構成)
本発明に係る洗浄装置の特徴構成は、
洗浄対象物に流体を吐出する流体吐出部と、
前記洗浄対象物に気体を噴射する気体吐出部と、
流体を貯留する流体タンクと、
前記流体タンクの流体を、流体流路を介して前記流体吐出部に供給する流体ポンプと、
気体流路を介して気体を前記気体吐出部に供給する気体ポンプと、
前記流体ポンプおよび前記気体ポンプの駆動状態を制御する制御部と、
前記流体流路の一部および前記気体流路の一部が設けられたハウジングと、
前記ハウジングの内部に保持され、前記気体流路を遮断する閉じ位置と前記気体流路を連通状態とする開き位置とに姿勢変更可能であり、前記流体流路に対面して前記閉じ位置となる側に流体の圧力を受ける第1面と、前記閉じ位置にある状態で前記気体流路に対面して前記開き位置となる側に気体の圧力を受ける第2面とを有する弁体と、を備えた点にある。
本発明に係る洗浄装置の特徴構成は、
洗浄対象物に流体を吐出する流体吐出部と、
前記洗浄対象物に気体を噴射する気体吐出部と、
流体を貯留する流体タンクと、
前記流体タンクの流体を、流体流路を介して前記流体吐出部に供給する流体ポンプと、
気体流路を介して気体を前記気体吐出部に供給する気体ポンプと、
前記流体ポンプおよび前記気体ポンプの駆動状態を制御する制御部と、
前記流体流路の一部および前記気体流路の一部が設けられたハウジングと、
前記ハウジングの内部に保持され、前記気体流路を遮断する閉じ位置と前記気体流路を連通状態とする開き位置とに姿勢変更可能であり、前記流体流路に対面して前記閉じ位置となる側に流体の圧力を受ける第1面と、前記閉じ位置にある状態で前記気体流路に対面して前記開き位置となる側に気体の圧力を受ける第2面とを有する弁体と、を備えた点にある。
(効果)
本構成であれば、洗浄対象物に流体を吐出しまたは気体を噴射する際に、弁体の位置を流体の圧力および気体の圧力を用いて変更することができる。よって、弁体の位置を切り替えるために別途電磁弁などを用いる必要が無く、構成が簡単で全体の寸法が小さな洗浄装置を得ることができる。
本構成であれば、洗浄対象物に流体を吐出しまたは気体を噴射する際に、弁体の位置を流体の圧力および気体の圧力を用いて変更することができる。よって、弁体の位置を切り替えるために別途電磁弁などを用いる必要が無く、構成が簡単で全体の寸法が小さな洗浄装置を得ることができる。
(特徴構成)
本発明に係る洗浄装置においては、前記制御部が、前記流体ポンプの停止に先立ち前記気体ポンプを駆動させるものであってもよい。
本発明に係る洗浄装置においては、前記制御部が、前記流体ポンプの停止に先立ち前記気体ポンプを駆動させるものであってもよい。
(効果)
気体を圧縮することで機体の吐出速度が高まり、洗浄対象物に付着した流体を確実に除去することができる。
気体を圧縮することで機体の吐出速度が高まり、洗浄対象物に付着した流体を確実に除去することができる。
(特徴構成)
本発明に係る洗浄装置においては、前記気体ポンプと前記弁体との間に高圧の気体を貯留する気体タンクが備えられていると好都合である。
本発明に係る洗浄装置においては、前記気体ポンプと前記弁体との間に高圧の気体を貯留する気体タンクが備えられていると好都合である。
(効果)
本構成のように気体タンクを備えることで高圧の気体をより多く貯留することができ、流体の除去効果を高めることができる。
本構成のように気体タンクを備えることで高圧の気体をより多く貯留することができ、流体の除去効果を高めることができる。
(特徴構成)
本発明に係る洗浄装置においては、前記流体流路および前記気体流路が前記ハウジングの内部に並列に配置され、前記弁体が、前記流体流路および前記気体流路の間に設けられた弁体収容部の内面に沿って、前記流体流路および前記気体流路の延出方向と交差する方向に往復移動可能に設けられ、前記第1面と前記第2面とが前記弁体の前記往復移動の方向に沿った両端部に設けられた構成とすることができる。
本発明に係る洗浄装置においては、前記流体流路および前記気体流路が前記ハウジングの内部に並列に配置され、前記弁体が、前記流体流路および前記気体流路の間に設けられた弁体収容部の内面に沿って、前記流体流路および前記気体流路の延出方向と交差する方向に往復移動可能に設けられ、前記第1面と前記第2面とが前記弁体の前記往復移動の方向に沿った両端部に設けられた構成とすることができる。
(効果)
本構成のようにハウジングの内部に流体流路と気体流路とを並設し、その中間に往復移動する弁体を配置して、弁体の両端に設けた第1面と第2面とに流体と気体の圧力を各別に作用させることで、一つのハウジングの内部に二つの流路と弁体とを効率的に配置することができ、弁体の往復移動を円滑に行える洗浄装置を得ることができる。
本構成のようにハウジングの内部に流体流路と気体流路とを並設し、その中間に往復移動する弁体を配置して、弁体の両端に設けた第1面と第2面とに流体と気体の圧力を各別に作用させることで、一つのハウジングの内部に二つの流路と弁体とを効率的に配置することができ、弁体の往復移動を円滑に行える洗浄装置を得ることができる。
また、弁体の互いに反対方向に向く端面に流体の圧力と気体の圧力とを夫々作用させることで、特段の付勢部材などを用いない簡便な弁構造を得ることができる。
(特徴構成)
本発明に係る洗浄装置においては、前記弁体に、前記弁体を前記開き位置に向けて付勢する付勢部を設けておくことができる。
本発明に係る洗浄装置においては、前記弁体に、前記弁体を前記開き位置に向けて付勢する付勢部を設けておくことができる。
(効果)
本構成のように、弁体を開き位置に向けて付勢する構成とすれば、流体ポンプの駆動が停止し、流体圧が低下した際に、気体の押圧力に付勢部の付勢力が加わり、弁体を速やかに開き位置に移動させることができる。よって、汚れによって低下した洗浄対象物の機能を早期に復帰させることができる。
本構成のように、弁体を開き位置に向けて付勢する構成とすれば、流体ポンプの駆動が停止し、流体圧が低下した際に、気体の押圧力に付勢部の付勢力が加わり、弁体を速やかに開き位置に移動させることができる。よって、汚れによって低下した洗浄対象物の機能を早期に復帰させることができる。
さらに、弁体が速やかに開き位置に移動することで、先に洗浄対象物に吐出された流体が垂れ落ちる前に気体を噴射することができる。よって、洗浄対象物に流体が残存することがなく、より確実な洗浄作業を行うことができる。
(特徴構成)
本発明に係る洗浄装置においては、前記弁体が、一方の面が前記流体流路に面し、他方の面が前記気体流路に面するダイアフラムで構成されていてもよい。
本発明に係る洗浄装置においては、前記弁体が、一方の面が前記流体流路に面し、他方の面が前記気体流路に面するダイアフラムで構成されていてもよい。
(効果)
ダイアフラムはその両面に作用する流体の圧力と気体の圧力との差圧によって変形する。当該変形は弁体が閉じ位置から僅かに開くだけでもよく、ダイアフラムの変形を許容しつつダイアフラムを収容する空間の体積が僅かで済む。よって、外形寸法が小さく搭載性に優れた洗浄装置を得ることができる。
ダイアフラムはその両面に作用する流体の圧力と気体の圧力との差圧によって変形する。当該変形は弁体が閉じ位置から僅かに開くだけでもよく、ダイアフラムの変形を許容しつつダイアフラムを収容する空間の体積が僅かで済む。よって、外形寸法が小さく搭載性に優れた洗浄装置を得ることができる。
(特徴構成)
本発明に係る洗浄装置においては、前記制御部が、洗浄装置の駆動時および駆動停止時に、前記流体ポンプおよび前記気体ポンプを同時にオン・オフするものとすることができる。
本発明に係る洗浄装置においては、前記制御部が、洗浄装置の駆動時および駆動停止時に、前記流体ポンプおよび前記気体ポンプを同時にオン・オフするものとすることができる。
(効果)
吐出する気体の勢いおよび吐出量を増加させるためには、気体を吐出するタイミングに先立って気体ポンプを駆動させる必要がある。この気体ポンプの駆動開始時期は、洗浄対象物の表面に残存する流体の除去効果に応じて適宜決定すればよく、気体ポンプの能力に応じて設定されると良い。ただし、流体ポンプの駆動タイミングに一致させて気体ポンプを駆動させると双方のポンプの駆動制御が極めて容易となる。その場合でも、流体ポンプの駆動が終了するまでのあいだ気体の圧力を高めることができる。よって、気体による流体の除去効果を確保しながら制御の容易な洗浄装置を得ることができる。
吐出する気体の勢いおよび吐出量を増加させるためには、気体を吐出するタイミングに先立って気体ポンプを駆動させる必要がある。この気体ポンプの駆動開始時期は、洗浄対象物の表面に残存する流体の除去効果に応じて適宜決定すればよく、気体ポンプの能力に応じて設定されると良い。ただし、流体ポンプの駆動タイミングに一致させて気体ポンプを駆動させると双方のポンプの駆動制御が極めて容易となる。その場合でも、流体ポンプの駆動が終了するまでのあいだ気体の圧力を高めることができる。よって、気体による流体の除去効果を確保しながら制御の容易な洗浄装置を得ることができる。
〔第1実施形態〕
(概要)
本発明に係る洗浄装置Sの第1実施形態について図1乃至図3を参照しながら説明する。この洗浄装置Sは、例えば自動車の車体Bに装備された洗浄対象物CであるカメラC1や各種センサを、流体Wとしての洗浄水W1と気体Aとしての洗浄空気A1を噴射して洗浄するものである。
(概要)
本発明に係る洗浄装置Sの第1実施形態について図1乃至図3を参照しながら説明する。この洗浄装置Sは、例えば自動車の車体Bに装備された洗浄対象物CであるカメラC1や各種センサを、流体Wとしての洗浄水W1と気体Aとしての洗浄空気A1を噴射して洗浄するものである。
本実施形態に係る洗浄装置Sは、図1に示すように、車体Bの後方に搭載されたカメラC1のレンズを洗浄する。洗浄装置Sは、洗浄水W1を吐出する流体吐出部と、洗浄空気A1を噴射する気体吐出部とが一つの洗浄ノズルNで構成されている。
洗浄ノズルNには、流体流路の一例として洗浄水W1を供給する洗浄水供給路(以下、「水路Rw」と称する)と、気体流路の一例として洗浄空気A1を供給する洗浄空気供給路(以下、「空気路Ra」と称する)とが、洗浄ノズルNの上流側で集合した状態に接続されている。
水路Rwは、車体Bの所定の個所に配置された流体タンクとしての水タンクTwから洗浄ノズルNまでを繋ぐものであり、水タンクTwの下流の位置には流体ポンプとしての水ポンプPwが配置されている。水ポンプPwは、後述するように制御部Dによって駆動される。
尚、洗浄水W1は、リヤのカメラC1の洗浄だけに用いられるものではなく、リヤウインドウC2の洗浄等にも用いられる。そのため、水路Rwの途中には洗浄水W1の供給先を切り替える水路切替部Rw1が設けられ、その先にリヤウインドウC2に洗浄水W1を吐出する第2洗浄ノズルN2が設けられている。
水路Rwのうち洗浄ノズルNの上手側にはオリフィス1が設けられており、洗浄水W1および洗浄空気A1の流路面積が絞られて両者の噴射速度が高められる。
一方、洗浄空気A1は気体ポンプとしての空気ポンプPaで加圧され、空気路Raを介して洗浄ノズルNに供給される。空気路Raと水路Rwとの合流位置に対して空気路Raの上流側には逆止弁2が設けられる。本構成のように空気路Raと水路Rwとを合流させる場合、洗浄空気A1の噴射に際して洗浄ノズルNに残留した幾分かの洗浄水W1が吐出されることは避けられない。このような洗浄水W1の量が増えると、洗浄空気A1による洗浄水W1の除去効果が低下することとなる。よって、逆止弁2を設けることで、洗浄水W1が水路Rwから空気路Raに進入するのを防止し、洗浄空気A1の噴射に際して吐出される洗浄水W1の量を少なくしている。
〔切替弁〕
洗浄水W1の吐出と洗浄空気A1の噴射は切替弁3によって行われる。この切替弁3は一つのハウジング31を備えており、その内部に水路Rwの一部および空気路Raの一部が並設されている。また、水路Rwと空気路Raとを連絡する位置にシリンダ状の弁体収容部32が設けられており、この内部にピストン状の弁体33が往復移動可能に収納されている。弁体33の外周には、弁体収容部32との隙間を密封する環状のシール部材4が設けられている。また、水路Rwおよび空気路Raの先端部にもシール部材4が設けられており、ここに接続される水路Rwあるいは空気路Raとしての配管との密封状態が保持される。
洗浄水W1の吐出と洗浄空気A1の噴射は切替弁3によって行われる。この切替弁3は一つのハウジング31を備えており、その内部に水路Rwの一部および空気路Raの一部が並設されている。また、水路Rwと空気路Raとを連絡する位置にシリンダ状の弁体収容部32が設けられており、この内部にピストン状の弁体33が往復移動可能に収納されている。弁体33の外周には、弁体収容部32との隙間を密封する環状のシール部材4が設けられている。また、水路Rwおよび空気路Raの先端部にもシール部材4が設けられており、ここに接続される水路Rwあるいは空気路Raとしての配管との密封状態が保持される。
図2(a)に示すように、弁体33が空気路Raの側に移動することで、ハウジング31に形成された弁座36に弁体33が当接し、空気路Raが遮断され水路Rwが開放される。一方、図2(b)に示すように、弁体33が水路Rwの側に移動することで水路Rwが遮断され空気路Raが開放される。この切替弁3は、洗浄水W1の水圧によって弁体33の位置を切り替え、空気路Raを遮断状態および連通状態に切り替えるものである。よって、以降においては、空気路Raを連通状態とする弁体33の位置を開き位置とし、空気路Raを遮断状態とする弁体33の位置を閉じ位置と称する。
弁体33は、往復移動方向に沿った両端部に第1面33aと第2面33bとを備えている。第1面33aは水路Rwに面しており、水路Rwから弁体33を閉じ位置とする側に水圧を受ける。一方の第2面33bは空気路Raに面しており、空気路Raから弁体33を開き位置とする側に空気圧を受ける。第1面33aと第2面33bは、水ポンプPwと空気ポンプPaが同時に稼働された場合には、第1面33aに作用する水圧が第2面33bに作用する空気圧よりも大きくなる寸法に設定されている。
例えば、空気ポンプPaの量大吐出圧をPAとし、第2面33bの面積をVA、洗浄水W1を吐出する時の水ポンプPwの圧力をPW、第1面33aの面積をVWとしたとき、PA・VA<PW・VWとなるように第1面33aと第2面33bを設定する。
図2に示すように、弁体収容部32のうち、弁体33の第1面33aに対向する位置には蓋体31cが設けられており、この蓋体31cには、弁体33の第1面33aに当接する凸部34が設けられている。蓋体31cの外周には、ハウジング31との隙間を密封する環状のシール部材4が設けられている。凸部34は、弁体33が開き位置にある状態で第1面33aと当接し、水路Rwの洗浄水W1が常に第1面33aに接触する状態が維持される。これにより、水ポンプPwの駆動が開始されると弁体33は直ちに閉じ位置の側に移動する。
このようにハウジング31の内部に水路Rwと空気路Raとを並設し、その中間に往復移動する弁体33を配置して、弁体33の両端に設けた第1面33aと第2面33bとに水圧と空気圧を各別に作用させることで、一つのハウジング31の内部に水路Rwおよび空気路Raと弁体33を効率的に配置することができ、弁体33の往復移動が円滑なものとなる。また、弁体33の互いに反対方向に向く第1面33aと第2面33bに水圧と空気圧とを夫々作用させることで、特段の付勢部材などを用いない簡便な弁構造を得ることができる。
〔制御部による駆動態様〕
制御部Dは、例えば図3に示すタイムチャートに従って水ポンプPwと空気ポンプPaを制御する。
制御部Dは、例えば図3に示すタイムチャートに従って水ポンプPwと空気ポンプPaを制御する。
水ポンプPwは、車体Bの運転者がモニタ上でカメラC1が汚れていると判断して駆動スイッチを操作した時や、汚れ検知のためのアルゴリズムがカメラC1やセンサの洗浄が必要と判断したときに駆動される。
水ポンプPwが駆動されると、水ポンプPwとオリフィス1との間で洗浄水W1の水圧が高まり、オリフィス1を通過した洗浄水W1が洗浄ノズルNから吐出される。水路Rwの途中には特段の遮蔽バルブなどはなく、水ポンプPwの駆動と共に洗浄水W1が直ちに吐出される。このとき、切替弁3の弁体33は、図2(a)に示すように第1面33aが水圧に押され、空気路Raを遮断する閉じ位置に固定される。
一方の空気ポンプPaは、図3の例では、水ポンプPwの駆動と同時に駆動が開始される。洗浄ノズルNから噴射する洗浄空気A1の勢いおよび噴射量を増やすためには、洗浄空気A1を噴射するタイミングに先立って空気ポンプPaを駆動させておき、洗浄空気A1の圧力を高めておく必要がある。この空気ポンプPaの駆動開始時期は、洗浄対象物Cの表面に残存する洗浄水W1の除去効果に応じて適宜決定すればよく、空気ポンプPaの能力に応じて設定されると良い。よって、空気ポンプPaの駆動開始タイミングは、洗浄空気A1の圧力を予め高めておくために、少なくとも水ポンプPwが停止する前に設定しておけばよい。
ただし、水ポンプPwの駆動開始タイミングに合わせて空気ポンプPaを駆動開始させると、双方のポンプの駆動制御が極めて容易となる。しかもこの場合、水ポンプPwの駆動が終了するまでのあいだ切替弁3によって洗浄空気A1は噴射されないため、洗浄空気A1の圧力を最も長時間に亘って高めることができる。このように、両ポンプの駆動タイミングを合わせることで、洗浄空気A1による洗浄水W1の除去効果を確保しながら制御の容易な洗浄装置Sを得ることができる。
水ポンプPwを止めると、洗浄水W1の水圧が低下する。洗浄水W1はオリフィス1で流通抵抗を受けるため、洗浄水W1の吐出は水ポンプPwの停止とほぼ同時に止まる。水路Rwの水圧は水ポンプPwの停止と共に下がり始め、空気路Raの圧力が水路Rwの水圧に勝る状態となったのちに弁体33が開き位置に向けて移動する。これにより、図2(b)に示すように弁体33の第2面33bが空気圧に押され、弁体33は空気路Raを開放する開き位置に保持される。このため、図3に示すように、洗浄空気A1の噴射は、水ポンプPwの停止から少し遅れて開始され、洗浄空気A1は、洗浄水W1の吐出が一旦終了した後、僅かの時間をおいて噴射される。
空気ポンプPaの停止時期は、水ポンプPwの停止と同時でも良いし、水ポンプPwの停止に遅れて行われても良い。空気ポンプPaの停止時期を遅らせることで、洗浄空気A1の噴射圧力を確実に高めることができる。例えば、水ポンプPwと空気ポンプPaとを同時に停止する場合、水ポンプPwの停止によって弁体33が開き位置に移動し、圧縮されていた洗浄空気A1が洗浄ノズルNから噴射される。ただし、このとき空気ポンプPaも停止していると、洗浄空気A1の一部が空気ポンプPaの側に逆流して空気路Raの圧力が僅かに低下する。このため、洗浄ノズルNから噴射される洗浄空気A1の勢いが損なわれる。よって、空気ポンプPaの停止時期を水ポンプPwの停止時期よりも遅らせることで洗浄空気A1の噴射圧力をより高く維持することができる。
尚、水ポンプPwおよび空気ポンプPaのオン・オフの双方を、例えば車体Bの運転者が行う洗浄装置Sのオン・オフ操作に合わせるものとすれば、制御部Dの構成がさらに簡便なものとなる。
以上のごとく、本構成の切替弁3を備えることで、洗浄対象物Cに洗浄水W1を吐出し、または、洗浄空気A1を噴射する際に、弁体33の位置を洗浄水W1の水圧および洗浄空気A1の圧力を用いて変更することができる。よって、弁体33の位置を切り替えるために別途電磁弁などを用いる必要が無く、構成が簡単で全体の寸法が小さな洗浄装置Sを得ることができる。
〔第2実施形態〕
切替弁3における弁体33には、図4に示すように、弁体33を開き位置に向けて付勢する付勢部Fを設けておくとよい。この付勢部Fとしては例えばコイルスプリングF1を用いることができる。
切替弁3における弁体33には、図4に示すように、弁体33を開き位置に向けて付勢する付勢部Fを設けておくとよい。この付勢部Fとしては例えばコイルスプリングF1を用いることができる。
本構成であれば、弁体33の第2面33bには、洗浄空気A1の空気圧に加えてコイルスプリングF1の付勢力が作用することになる。よって、水ポンプPwの駆動が停止して第1面33aに作用する水圧が低下した際に、弁体33は速やかに開き位置に移動することができる。この結果、洗浄水W1の吐出の終了から洗浄空気A1の噴射までの時間が短縮され、カメラC1などに吐出された洗浄水W1が下方に垂れ落ちる前に洗浄空気A1が洗浄水W1を飛散させることができる。よって、カメラC1などの洗浄対象物Cに洗浄水W1が残存することがなく、より確実な洗浄作業を行うことができる。
〔第3実施形態〕
図5に示すように、洗浄水W1を吐出する水ノズルNwと洗浄空気A1を噴射する空気ノズルNaとは独立に設けても良い。
図5に示すように、洗浄水W1を吐出する水ノズルNwと洗浄空気A1を噴射する空気ノズルNaとは独立に設けても良い。
図1に示す第1実施形態のように双方のノズルを共通にした場合、空気ノズルNaから空気を噴射する際に、洗浄空気A1の一部が水路Rwに供給されて空気ノズルNaからの空気噴射量が少なくなる可能性がある。また、洗浄水W1が空気路Raに流入することで空気路Raの内部で洗浄水W1が凍結したり、空気路Raを腐食させたりする不都合が懸念される。さらに、洗浄水W1が空気路Raに進入するのを防止する逆止弁2を設置する必要もあった。
そこで、図5に示すように水ノズルNwと空気ノズルNaを別に設けることで、洗浄水W1および洗浄空気A1の互いの混入が解消される。よって、所定量の洗浄水W1および洗浄空気A1が洗浄対象物Cに向けて確実に吐出・噴射され、洗浄効果を高めることができる。
〔第4実施形態〕
洗浄空気A1の噴射効果を高めるためには、図6に示すように、空気路Raの途中であって切替弁3の上流側に洗浄空気A1を圧縮しつつ貯留する気体タンク即ち空気タンクTaを設けておくと好都合である。この空気タンクTaの容量は、噴射させるべき洗浄空気A1の体積に合わせて設定するとよい。このように空気タンクTaを備えることで高圧の洗浄空気A1をより多く貯留することができ、先に吐出した洗浄水W1の除去効果を高めることができる。
洗浄空気A1の噴射効果を高めるためには、図6に示すように、空気路Raの途中であって切替弁3の上流側に洗浄空気A1を圧縮しつつ貯留する気体タンク即ち空気タンクTaを設けておくと好都合である。この空気タンクTaの容量は、噴射させるべき洗浄空気A1の体積に合わせて設定するとよい。このように空気タンクTaを備えることで高圧の洗浄空気A1をより多く貯留することができ、先に吐出した洗浄水W1の除去効果を高めることができる。
空気タンクTaの容量が設定されれば、空気ポンプPaの能力が決定される。つまり、洗浄水W1の吐出が行われている間に空気タンクTaの圧力を所定圧に高める必要があるから、空気タンクTaの容量が大きくなるほど空気ポンプPaの供給能力を高める必要がある。
尚、空気タンクTaの上流側には逆止弁2を設けておき、空気タンクTaに貯留した洗浄空気A1が空気ポンプPaの側に逆流するのを防止するように構成することで、圧縮した洗浄空気A1を確実に洗浄対象物Cに噴射することができる。
〔第5実施形態〕
図7に示すように、切替弁3の弁体33としてはダイアフラム35を用いることもできる。即ち、水路Rwと空気路Raとを仕切る膜状のダイアフラム35をハウジング31の内部に設ける。ダイアフラム35は例えばゴムなどの弾性部材で構成しておき、洗浄水W1の水圧と洗浄空気A1の空気圧との相対変化に応じて空気路Raを開閉するものとする。
図7に示すように、切替弁3の弁体33としてはダイアフラム35を用いることもできる。即ち、水路Rwと空気路Raとを仕切る膜状のダイアフラム35をハウジング31の内部に設ける。ダイアフラム35は例えばゴムなどの弾性部材で構成しておき、洗浄水W1の水圧と洗浄空気A1の空気圧との相対変化に応じて空気路Raを開閉するものとする。
図7に示すように、ダイアフラム35は、ハウジング31の内部のうち水路Rwと空気路Raとの境界位置に設けた弁体収容部32に設ける。ダイアフラム35を固定するために、例えば、ハウジング31は第1ハウジング31aと第2ハウジング31bとに分割構成してあり、これら第1ハウジング31aと第2ハウジング31bとを組み合わせる際に、ダイアフラム35の周縁部が第1ハウジング31aと第2ハウジング31bとで挟持される。
この収容室の壁部に対し、空気ポンプPaから延出する空気路Raが開口している。この開口の周囲は、ダイアフラム35が当接する弁座36として機能する。ダイアフラム35が自然状態にある場合、ダイアフラム35は弁座36に当接する。また、弁体収容部32の壁部のうち弁座36の外側には、洗浄ノズルNに至る空気路Raが連通している。よって、洗浄水W1の水圧が高い場合には、ダイアフラム35は弁座36に押し付けられて空気路Raは遮断される。一方、水ポンプPwが停止した場合など、洗浄空気A1の空気圧が高くなった場合には、ダイアフラム35が押されて弁座36が開口する。これにより、洗浄空気A1が洗浄対象物Cに噴射される。
このようにダイアフラム35はその両面に作用する洗浄水W1の水圧と洗浄空気A1の空気圧との差圧によって変形する。この変形はダイアフラム35が閉じ位置から僅かに開くだけでもよいから、弁体収容部32の体積は僅かでよい。よって、ダイアフラム35を用いることで外形寸法が小さく搭載性に優れた洗浄装置Sを得ることができる。
本発明に係る洗浄装置は、洗浄対象物に対して流体を吐出したのち気体を噴射して流体を除去する洗浄装置に広く適用することができる。
31 ハウジング
32 弁体収容部
33 弁体
33a 第1面
33b 第2面
35 ダイアフラム
A 気体
C 洗浄対象物
D 制御部
F 付勢部
Na 空気ノズル(気体吐出部)
Nw 水ノズル(流体吐出部)
Pa 空気ポンプ(気体ポンプ)
Pw 水ポンプ(流体ポンプ)
Rw 水路(流体流路)
S 洗浄装置
Ta 空気タンク(気体タンク)
Tw 水タンク(流体タンク)
W 流体
32 弁体収容部
33 弁体
33a 第1面
33b 第2面
35 ダイアフラム
A 気体
C 洗浄対象物
D 制御部
F 付勢部
Na 空気ノズル(気体吐出部)
Nw 水ノズル(流体吐出部)
Pa 空気ポンプ(気体ポンプ)
Pw 水ポンプ(流体ポンプ)
Rw 水路(流体流路)
S 洗浄装置
Ta 空気タンク(気体タンク)
Tw 水タンク(流体タンク)
W 流体
Claims (7)
- 洗浄対象物に流体を吐出する流体吐出部と、
前記洗浄対象物に気体を噴射する気体吐出部と、
流体を貯留する流体タンクと、
前記流体タンクの流体を、流体流路を介して前記流体吐出部に供給する流体ポンプと、
気体流路を介して気体を前記気体吐出部に供給する気体ポンプと、
前記流体ポンプおよび前記気体ポンプの駆動状態を制御する制御部と、
前記流体流路の一部および前記気体流路の一部が設けられたハウジングと、
前記ハウジングの内部に保持され、前記気体流路を遮断する閉じ位置と前記気体流路を連通状態とする開き位置とに姿勢変更可能であり、前記流体流路に対面して前記閉じ位置となる側に流体の圧力を受ける
第1面と、前記閉じ位置にある状態で前記気体流路に対面して前記開き位置となる側に気体の圧力を受ける第2面とを有する弁体と、を備えた洗浄装置。 - 前記制御部が、前記流体ポンプの停止に先立ち前記気体ポンプを駆動させる請求項1に記載の洗浄装置。
- 前記気体ポンプと前記弁体との間に高圧の気体を貯留する気体タンクが備えられている請求項1または2に記載の洗浄装置。
- 前記流体流路および前記気体流路が前記ハウジングの内部に並列に配置され、
前記弁体が、前記流体流路および前記気体流路の間に設けられた弁体収容部の内面に沿って、前記流体流路および前記気体流路の延出方向と交差する方向に往復移動可能に設けられ、前記第1面と前記第2面とが前記弁体の前記往復移動の方向に沿った両端部に設けられている請求項1から3の何れか一項に記載の洗浄装置。 - 前記弁体に、前記弁体を前記開き位置に向けて付勢する付勢部が設けられている請求項1から4の何れか一項に記載の洗浄装置。
- 前記弁体が、一方の面が前記流体流路に面し、他方の面が前記気体流路に面するダイアフラムで構成されている請求項1から3の何れか一項に記載の洗浄装置。
- 前記制御部が、洗浄装置の駆動時および駆動停止時に、前記流体ポンプおよび前記気体ポンプを同時にオン・オフする請求項1から6の何れか一項に記載の洗浄装置。
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