JP2019026069A - 死角補助装置 - Google Patents

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小幡 雅人
Masahito Obata
雅人 小幡
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Abstract

【課題】簡単な構成により、死角補助装置の視認性を高めること。
【解決手段】障害物21により遮られて視認者Mnから見えない死角領域Adにある物体Ojの像を映す死角補助装置50であって、板状の半透過ミラー51と、板状のミラー52とを含む。前記半透過ミラー51は、前記視認者Mn側に位置し、前記像を表す光Laを入射して一部を反射し残りを出射する。前記半透過ミラー51の半透過反射層51Bは、全面にわたって一定の反射率特性を有する。前記ミラー52は、前記半透過ミラー51の前記半透過反射層51Bに間隔を有して対面し、前記反射された光Laを前記半透過ミラー51へ向かって反射する。前記半透過ミラー51に対して前記視認者Mn側には、前記半透過ミラー51及び前記ミラー52から前記視認者Mnへ向かう前記光Laの少なくとも一部の明るさを調整する明るさ調整層100が位置している。
【選択図】図4

Description

本発明は、障害物により遮られて視認者から見えない死角領域にある像を映す、死角補助装置に関する。
例えば、自動車等の車両に乗っている運転者(視認者)からは、車体の左右のフロントピラーよりも外方の風景が、これらのフロントピラーに遮られて見えない。つまり、左右のフロントピラーは障害物の一種である。これに対し、障害物により遮られて視認者から見えない、いわゆる死角領域にある像を映す死角補助装置が、特許文献1から知られている。
特許文献1で知られている死角補助装置は、互いに平行に配置された、板状(平面状)の半透過ミラーと板状のミラーとの組合せを、基本構成としている。半透過ミラーは、ミラーよりも視認者側に位置し、物体の像を表す光を入射して一部を反射し残りを透過する。ミラーは、半透過ミラーの反射面に間隔を有して対面し、入射した光を半透過ミラーへ向かって反射する。
物体の像を表す光は、半透過ミラーに入射し、半透過ミラーとミラーとの間で反射を繰り返しつつ、一部が半透過ミラーから出射する。この結果、視認者は死角領域にある像を、視認することができる。所定の視点から死角補助装置に映る死角領域の像を視認すると、視認される像は、反射回数が異なる短冊状の像が複数並んだものとなる。半透過ミラーでの反射回数が多いほど、一対のミラーから出射する光量が小さくなり、像は暗くなる。このように、視認される像の不連続な明るさの変化が大きいと、特に暗い方の像が相対的に視認しにくくなる。
これに対し、特許文献1で知られている死角補助装置は、半透過ミラーの透過率(反射率)を部分的に異ならせることで、視認する像の明るさを均一化した。具体的には、半透過ミラーの反射層に、微細な複数の開口部(透過部)がパターン状に形成されてなる。半透過ミラーでの光の反射回数が多いと想定される部分ほど、反射層における開口部の開口率が大きい。このため、光の反射回数が多くなるにつれて、一対のミラーから出射する光量は多くなる。この結果、視認される像の明るさを均一化することができる。
しかし、半透過ミラーの反射層に、異なる開口率の微細な複数の開口部(透過部)を、多数設けるので、半透過ミラーの構成が複雑になり、生産コストが嵩む。これでは、死角補助装置の低価格化を図る上で、不利である。
特開2015−123750号公報
本発明は、簡単な構成により、視認性を高めることができる死角補助装置を、提供することを課題とする。
請求項1による発明によれば、障害物により遮られて視認者から見えない死角領域にある物体の像を映す死角補助装置であって、前記視認者側に位置し、前記像を表す光を入射して一部を半透過反射層により反射し残りを透過して反対側の出射面から出射する板状の半透過ミラーと、この半透過ミラーの前記半透過反射層に間隔を有して対面し、この半透過反射層により反射された前記光を前記半透過ミラーへ向かって反射する板状のミラーと、を含む。前記半透過ミラーの前記半透過反射層は、全面にわたって一定の反射率特性を有する。前記半透過ミラーに対して前記視認者側には、前記半透過ミラー及び前記ミラーから前記視認者へ向かう前記光の少なくとも一部の明るさを調整する明るさ調整層が位置していることを特徴とする。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記明るさ調整層は、前記半透過ミラー及び前記ミラーから前記視認者へ向かう前記光の、最も明るい表示領域の明るさを調整することが可能に位置している。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記明るさ調整層は、前記半透過ミラー及び前記ミラーから前記視認者へ向かう前記光の、複数の表示領域の明るさを、個別に調整することが可能に位置している。
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記半透過ミラー及び前記ミラーを収納するケースを、更に有する。このケースは、前記半透過ミラーを透過した前記光を前記視認者側から視認することが可能な開口と、この開口を通って前記半透過ミラーの前記出射面へ入射する外光を遮るルーバーとを有する。このルーバーは、前記開口に所定のピッチで配列された複数のパネルからなる。前記明るさ調整層は、前記複数のパネルに設けられている。
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記明るさ調整層の透過率の境界は、予め設定されている、前記視認者の視点の位置から、前記複数のパネルの1つのパネル面に沿って延びる直線上に位置している。
請求項6に記載のごとく、好ましくは、死角補助装置は、車両のピラーを覆うピラーガーニッシュの中に組み付けられている。このピラーガーニッシュは、前記半透過ミラーを透過した前記光を前記視認者側から視認することが可能な開口を有する。前記明るさ調整層は、前記開口に設けられている。
請求項7に記載のごとく、好ましくは、前記明るさ調整層は、前記半透過ミラーの前記出射面に有している。
請求項8に記載のごとく、好ましくは、前記半透過ミラー及び前記ミラーを収納するケースを、更に有する。このケースは、前記半透過ミラーを透過した、前記光を前記視認者側から視認することが可能な開口と、この開口を通って前記半透過ミラーの前記出射面へ入射する外光を遮る、ルーバーとを有する。このルーバーは、前記開口に所定のピッチで配列された複数のパネルからなる。前記明るさ調整層の透過率の境界は、予め設定されている、前記視認者の視点の位置から、前記複数のパネルの1つのパネル面に沿って延びる直線上に位置している。
請求項1に係る発明では、半透過ミラーに対して視認者側には、半透過ミラー及びミラーから視認者へ向かう、像を表す光の少なくとも一部の明るさを調整する明るさ調整層が位置している。このため、明るさ調整層の光の透過率を、予め適宜設定しておくことによって、半透過ミラー及びミラーから視認者へ向かう、像を表す明るさを調整(抑制)することが可能である。このように、全ての表示領域の光の明るさが均一化されることにより、視認する像の明るさは均一化される。しかも、明るさ調整層を付加するだけの簡単な構成により、死角補助装置に表示される像の、視認性を高めることができる。
請求項2に係る発明では、最も明るい表示領域の明るさを、明るさ調整層によって調整することによって、最も明るい表示領域の明るさを、他の表示領域の平均的な光の強度まで、下げることができる。このため、比較的簡単な構成の明るさ調整層であるにもかかわらず、全体の表示領域の差を概ね抑制することができる。具体的には、全体の表示領域の差を概ね2倍程度に抑制することができるが、これは実用上さほどに問題になることはない。なぜなら、一般に、半透過ミラーの反射率特性には、生産上のバラツキがある。このため、半透過ミラーの反射率を理想値で設定したとしても、全面にわたって、表示の明るさを正確にそろえることが、非常に難しく、2倍程度の差は実用上許容されるからである。
請求項3に係る発明では、複数の表示領域の個々の明るさを、明るさ調整層によって個別に、最適な明るさに調整することができる。このため、全体の表示領域の差を、より一層抑制することができる。
請求項4に係る発明では、明るさ調整層は、ルーバーを構成する複数のパネルに設けられている。このため、ルーバーの剛性を高めることができる。
請求項5に係る発明では、ルーバーを構成する複数のパネルに明るさ調整層が設けられ、しかも、視点の位置から、複数のパネルの1つのパネル面に沿って延びる直線上に、明るさ調整層の透過率の境界が位置している。この透過率の境界の位置は、製造上の公差によって多少ばらつき得る。これに対し、請求項5では、パネルによって境界の部分を覆い隠すことができる。このため、境界の部分が視認者から見えにくい。死角補助装置の商品性を高めることができる。
請求項6に係る発明では、ピラーガーニッシュの中に死角補助装置を組み付けるとともに、ピラーガーニッシュの開口に明るさ調整層を設けることができる。
請求項7に係る発明では、半透過ミラーの出射面に明るさ調整層を直接に設けることができる。例えば、明るさ調整層の基材は不要であり、光透過率が調整されたフィルムを半透過ミラーの出射面に貼り付けてもよい。従って、より一層簡単な構成の明るさ調整層によって、死角補助装置に表示される像の、視認性を高めることができる。
請求項8に係る発明では、視点の位置から、ルーバーを構成する複数のパネルの1つのパネル面に沿って延びる直線上に、明るさ調整層の透過率の境界が位置している。この透過率の境界の位置は、製造上の公差によって多少ばらつき得る。これに対し、請求項8では、パネルによって境界の部分を覆い隠すことができる。このため、境界の部分が視認者から見えにくい。死角補助装置の商品性を高めることができる。
本発明の実施例による死角補助装置が搭載された車両を前方から見た斜視図である。 図1に示される死角補助装置が搭載された車両の運転席付近の模式図である。 図1に示される右のフロントピラーと死角補助装置との関係を車両上方から見た断面図である。 図2に示される死角補助装置の原理を説明する模式的な平面図である。 図4に示される半透過ミラーとミラーの拡大した図である。 図5に示される死角補助装置の一対のミラーとこの一対のミラーを収納するケースとを分解した斜視図である。 図6に示される死角補助装置の上部の詳細図である。 図6に示される死角補助装置の上部の断面図である。 図8に示される死角補助装置の上部の組立構成の断面図である。 図4に示される一対のミラーとルーバーとの関係の説明図である。 図9の11−11線に沿った断面図である。 図10に示される各表示領域の光強度分布特性を示す、光強度分布図である。 本発明の第1及び第2変形例による死角補助装置の一対のミラーとルーバーと明るさ調整層との関係の説明図である。 本発明の第3及び第4変形例による死角補助装置の一対のミラーとルーバーと明るさ調整層との関係の説明図である。 本発明の第5変形例による死角補助装置の一対のミラーと明るさ調整層とピラーガーニッシュとの関係の説明図である。 図15に示される明るさ調整層とピラーガーニッシュとを車室側から見た側面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例に係る死角補助装置及びこの死角補助装置を搭載した車両について説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の前進方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、CLは車幅方向の中心を示している。
図1及び図2に示されるように、車両10は例えば乗用車等の自動車である。車両10の車体11の前部は、起立した左右のフロントピラー21,21と、この左右のフロントピラー21,21の上端から後方へ延びたルーフ22と、左右のフロントピラー21,21の下半部から前方へ延びて車体11前部を覆った左右のフロントフェンダ23とを含む。
左右のフロントピラー21,21間には、ウインドシールド24が設けられている。このウインドシールド24の前には、ウインドシールド24の下縁に沿いつつ車幅方向へ延びたカウルトップパネル25が位置している。このカウルトップパネル25の前には、上下に開閉可能なフロントフード26が位置している。
車体11の側面のドア開口31,31は、左右のサイドドア32,32によって開閉される。この左右のサイドドア32,32は、上部に左右のサイドガラス33,33を有する。この左右のサイドガラス33,33は、左右のフロントピラー21,21の後端に隣接している。
ウインドシールド24の後方に位置している車室34(図2参照)の前部には、ステアリングホイール35と図示せぬ座席とが配置されている。以下、車両10の一例として、右ハンドル車を例示するが、これに限定されない。
ウインドシールド24は、ガラスや樹脂からなる板状の透明基体によって構成されている。ここで、車体11に組み付けられた状態のウインドシールド24について、以下のように定義する。ウインドシールド24の内面24a(裏面24a)のことを、適宜「車室34側の面24a」と言い換える。
このウインドシールド24の全周縁には、透光を遮る帯状の遮蔽層41が設けられている。この遮蔽層41は、ウインドシールド24の裏面24aの全縁に、印刷によって所定幅の帯状に形成された、例えば周知の黒色セラミック層からなる。この黒色セラミック層は、黒色顔料を含有した黒色セラミックペーストをウインドシールド24の裏面24aに塗着することにより、ウインドシールド24に一体的に形成されてなり、通称、黒セラ部といわれている。
図3に示されるように、右のフロントピラー21の少なくとも車幅方向内側の側面は、外観性を高めるために、右の樹脂製のピラーガーニッシュ42(ピラートリム42)によって覆われている。左のフロントピラー21も同様である。
図2及び図4に示されるように、車室34にいる視認者Mnは、ウインドシールド24(遮蔽層41の部分を除く)と左右のサイドガラス33,33を透して車外の風景を直接に視認することができる。ここで、視認者Mnとは、例えば乗員Mn(主に運転者Mn)のことである。
しかし、車両10のなかの、左右のフロントピラー21,21と遮蔽層41が配置される領域では、前記視認者Mnの視界が遮られて、外部の風景を直接に視認することができない。つまり、死角領域Adが生じる。左右のフロントピラー21,21と遮蔽層41は、障害物に該当する。
これに対し、車両10の内部、例えば車室34には、本発明の死角補助装置50が搭載可能である。つまり、車両10は死角補助装置50を搭載した、いわゆる死角補助装置搭載車両である。この死角補助装置50は、左右のフロントピラー21,21(障害物21,21)の一方により遮られて視認者Mn(乗員Mn)から見えない死角領域Adにある物体Ojの像を映す。ここで、物体Ojは、人間、動物、植物等の生物を含む。
このように、この死角補助装置50は、右(運転者側)のフロントピラー21に配置され、このフロントピラー21及び遮蔽層41によって遮られる死角領域Adの物体Ojの像を映すものである。この死角補助装置50は、視認者Mnから見てフロントピラー21及び遮蔽層41と対向するように配置されている。以下、死角補助装置50について詳しく説明する。
図4に示されるように、前記死角補助装置50は、半透過ミラー51とミラー52とを含む。半透過ミラー51とミラー52は、平板状などの縦板状、つまり板状に形成されている。以下、半透過ミラー51とミラー52の両方をまとめて、適宜「一対のミラー51,52」と言う。
半透過ミラー51は、視認者Mn側に位置し、物体Ojの像を表す光Laを入射して一部を反射し残りを透過する、いわゆるマジックミラーである。死角補助装置50が車両10に搭載された場合に、半透過ミラー51は、ミラー52よりも乗員Mn側に位置してなる。
図5に基づき、半透過ミラー51とミラー52について、より詳しく説明する。図5(a)は、図4に示される半透過ミラー51とミラー52を拡大して表している。図5(b)は、図5(a)に示される半透過ミラー51とミラー52の前半部を拡大して表している。
半透過ミラー51は、透光性のガラス板又は透光性の樹脂板によって構成された基材51Aと、この基材51Aの表面に付設された半透過反射層51Bとから成る。この半透過反射層51Bは、全面にわたって一定の反射率特性を有しており、基材51Aのなかの、ミラー52に対向する表面の全体に付設されている。この半透過反射層51Bの表面が、半透過ミラー51の入射面51aを成す。半透過ミラー51において、入射面51aに対し反対側の面51gのことを、「半透過ミラー51の出射面51g」という。
このように、半透過ミラー51は、予め設定されている反射率を有した半透過反射層51B(反射率調整層51B)を形成してなる。この半透過反射層51Bは、なるべく明るく表示させるために、光吸収率が小さい誘電体多層膜によって構成されることが好ましい。この誘電体多層膜は、高屈折率と低屈折率の誘電体薄膜、例えばTiO膜とSiO膜とを交互に積層することによって反射率を高めたものであり、基材51Aの表面にコーティングされる。
ミラー52は、半透過ミラー51の半透過反射層51Bに間隔を有して対面し、この半透過反射層51Bにより反射された光を半透過ミラー51へ向かって反射する。このミラー52は、透光性のガラス板又は透光性の樹脂板によって構成された基材52Aと、この基材52Aの表面に付設された反射層52Bとから成る。この反射層52Bは、基材52Aのなかの、半透過ミラー51に対向する表面に付設されている。この反射層52Bの表面が、ミラー52の反射面52aを成す。この反射層52Bは、アルミニウム等の金属材料を基材52Aの表面に蒸着させたものである。
図4を参照すると、上述のように、一対のミラー51,52は、入射面51aと反射面52aとが互いに対向し合い、且つ、これらの入射面51aと反射面52aが実質的に車幅方向を向くように位置している。つまり、一対のミラー51,52は、車両10に搭載されたときに、縦板状に整列している。車両10を上から見て、半透過ミラー51の一端面51bとミラー52の一端面52bは、ウインドシールド24の裏面24aに近接している。半透過ミラー51のなかの、一端面51bとは反対側の端51cのことを、「他端面51c」と言う。ミラー52のなかの、一端面52bとは反対側の端52cのことを、「他端面52c」と言う。
半透過ミラー51は、ミラー52に対し、このミラー52の反射面52aに沿って位置ずれしている。つまり、半透過ミラー51を面直方向Faから見て、半透過ミラー51の一端面51bは、ミラー52の反射面52aからウインドシールド24の裏面24aへ向かって、位置ずれしている。面直方向Faとは、半透過ミラー51の板面に向かう方向Fa(板面に垂直な方向Fa)のことである。言い換えると、半透過ミラー51とミラー52とは、水平方向へ段違い状に位置している。
以下、この半透過ミラー51のなかの、ミラー52の反射面52aに向かい合う部分51dのことを「対向部51d」と言い、ミラー52の反射面52aに向かい合っていない部分51e、つまり半透過ミラー51の一端面51b側の部分のことを「非対向部51e」と言う。
図4に示されるように、死角補助装置50は、入射側のカバー板53と出射側のカバー板54とを含む。入射側のカバー板53は、半透過ミラー51の入射側端部51bと、ミラー52の入射側端部52bとの間を覆っている。出射側のカバー板54は、半透過ミラー51の出射側端部51cとミラー52の出射側端部52cとの間を覆っている。
これらのカバー板53,54は透光性を有した部材であって、ポリカーボネイト樹脂板等の透明な樹脂板によって構成することが好ましい。入射側のカバー板53は、各入射側端部51b,52bの間からの異物の浸入を防止している。出射側のカバー板54は、各出射側端部51c,52cの間からの異物の浸入を防止している。
半透過ミラー51の入射面51aは、ミラー52の反射面52aに対して平行ではなく、所定の傾斜角θだけ傾いている。半透過ミラー51の入射面51aの傾き方向は、半透過ミラー51の一端面51bから他端面51cへ向かうにつれて、入射面51aと反射面52aとの間の間隔が大きくなる方向である。言い換えると、前記傾き方向は、ミラー52に対して半透過ミラー51が視認者Mn側へ開く方向である。なお、半透過ミラー51の入射面51aを、ミラー52の反射面52aに対して平行としてもよい。
次に、死角補助装置50の原理を、図4を参照しつつ説明する。なお、図4は、視認者Mnが運転席に着座した状態を示しており、視点Piは視認者Mnの視点(アイポイント)を示している。この視点Piは、予め設定された「基準視点位置」に位置している。
視認者Mn(視点Pi)の前方視界には、フロントピラー21(遮蔽層41も含む)によって遮られる死角領域Adが生じる。従って、視点Piからは、死角領域Adに存在する物体Ojを直接に視認することはできない。
一方、物体Ojから一対のミラー51,52へ向かった光La(像を表す光La)は、半透過ミラー51の入射面51aのなかの非対向部51eへ入射する。このため、物体Ojからの光Laは、一対のミラー51,52の間で反射を繰り返しつつ、そのなかの一部が一対のミラー51,52から出射する(つまり、光Laの一部が半透過ミラー51を透過する)。一対のミラー51,52から出射する光Laの一部は、視点Piに達する。従って、視点Piからは直接に視認できる風景と連続して、ミラー52に映る物体Ojの像を、半透過ミラー51越しに視認することができる。
なお、死角領域Adのうち、フロントピラー21の背面側の僅かな領域(図4にハッチングによって表した部分)は、この領域からの光が一対のミラー51,52に入射できず、物体Ojの像を一対のミラー51,52によって映すことができない、いわゆる視認不能な領域である。
ところで、上述のように、半透過ミラー51の入射面51aは、ミラー52の反射面52aに対して傾いている。傾き方向は、ミラー52に対して半透過ミラー51が視認者Mn側へ開く方向である。つまり、入射面51aと反射面52aとの間の間隔は、この入射面51aと反射面52aとの間で反射を繰り返しつつ進行する光Laの進行方向に向かって徐々に大きくなる。
像を表す光Laが、半透過ミラー51の入射面51aのなかの非対向部51eへ入射する入射角のことを、「最初の入射角」と言う。像を表す光Laが、入射面51aと反射面52aとの間で反射を繰り返した後に、一対のミラー51,52から視点Piへ向かって出射する出射角のことを、「最後の出射角」という。最後の出射角は、最初の入射角よりも大きい。このため、任意の傾斜角θを予め適宜設定しておくことにより、物体Ojから半透過ミラー51の入射面51aへ、最初の入射角で入射する光La(光線La)は、視点Piと物体Ojとを結ぶ直線Lpに交差する。従って、視認者Mnが物体Ojの像を視認する際に、ミラー52に映る像と直接に視認する前方の風景との間にズレを生じることはない。
図6に示されるように、一対のミラー51,52は、フロントピラー21(図1参照)に沿って上下方向に細長い。死角補助装置50は、半透過ミラー51及びミラー52を収納するケース55を含む。このケース55は、第1ケース半体60と第2ケース半体70とからなる、分割ケースである。第1及び第2ケース半体60,70同士は、一対のミラー51,52の板面方向に分割されている。第1ケース半体60は、視認者Mn(図4参照)側に位置している。
図6及び図7に示されるように、第1ケース半体60は、一対のミラー51,52に合わせて上下に細長い略矩形状のボックスであり、第2ケース半体70に対向する面を全面的に開放している(つまり、第1の開口61を有する)。この第1ケース半体60は、第1の開口61の周縁を形成している周壁62と、この周壁62の前面を覆う前壁63とからなる、樹脂の一体成型品である。
この第1ケース半体60の前半部(つまり、第1の開口61とは反対側)は、長手方向の両端部(上端部と下端部)を残して形成されてなる、大きい第2の開口64を有している。つまり、ケース55は、第2の開口64を有している。以下、第2の開口64のことを、適宜「開口64」ということにする。
この第2の開口64は、半透過ミラー51を透過した、図4に示される像を表す光Laを視認者Mn側から視認することが可能である。この第2の開口64は、周壁62と前壁63とにわたって、大きく開口している。一対のミラー51,52から視認者Mn側へ出射された光Laは、この第2の開口64を通って視認者Mnに到達することが可能である。半透過ミラー51は、第1ケース半体60のなかの、第2の開口64側に位置している。半透過ミラー51の入射面51a(図4参照)は、第2の開口64に対して反対側を向いている。
第1ケース半体60の第1の開口61は、第2ケース半体70によって取り外し可能に塞がれている。この第2ケース半体70は、上下に細長い略平板状のリッドの構成である。この第2ケース半体70の長手方向の両端部(上端部と下端部)は、複数の嵌合片71,71と複数の結合フランジ72とを有する。複数の嵌合片71,71は、第2ケース半体70の長手方向の両端部から第1ケース半体60の第1の開口61へ向かって延びて、この第1の開口61に嵌め込み可能である。複数の結合フランジ72は、それぞれ貫通した、複数のビス挿入孔72aと複数の位置決め用孔72bとを有する。
第1ケース半体60は、周壁62の外面から膨出した複数の結合凸部66を有する。この複数の結合凸部66は、複数の雌ネジ66aと複数の位置決め用突起66bとを有する。
第1ケース半体60に第2ケース半体70を組み付ける手順は、次の通りである。先ず、複数の嵌合片71,71を第1の開口61に嵌め込む。次に、第1ケース半体60に第2ケース半体70を重ね合わせ、複数の位置決め用孔72bと複数の位置決め用突起66bとを嵌合することによって双方の位置合わせをする。最後に、複数のビス挿入孔72aから挿入した複数のビス73を、複数の雌ネジ66aにネジ込む。これでケース55の組立作業を完了する。
図6〜図9に示されるように、第1ケース半体60のなかの、半透過ミラー51の板面に対向する第1対向面67(前壁63の内面67)は、複数の第1ミラー支持部68と複数の第1嵌合孔69とを有する。複数の第1ミラー支持部68は、半透過ミラー51に部分的に接触して支持することが可能である。この複数の第1ミラー支持部68の形状は、第1対向面67から半透過ミラー51の板面に向かって突出した、球面状である。複数の第1嵌合孔69は、複数の第1ミラー支持部68の近傍に位置している。
第2ケース半体70のなかの、ミラー52の板面に対向する第2対向面74は、複数の第2ミラー支持部75と複数の第2嵌合孔76とを有する。複数の第2ミラー支持部75は、ミラー52に部分的に接触して支持することが可能である。この複数の第2ミラー支持部75の形状は、第2対向面74からミラー52の板面に向かって突出した、球面状(図示せず)とすることができる。複数の第2嵌合孔76は、複数の第2ミラー支持部75の近傍に位置している。
複数の第1ミラー支持部68と複数の第2ミラー支持部75との、少なくとも一方は、弾性部材によって構成されている。より好ましくは、複数の第1及び第2ミラー支持部68,75のなかの、半透過ミラー51の入射面51aに対面したミラー52を支持する複数の第2ミラー支持部75のみが、弾性部材によって構成されている。この弾性部材は、好ましくはラバーによって構成されている。このラバーは、第2ケース半体70の第2対向面74に、例えば貼り付けによって取り付けられる。なお、複数の第2ミラー支持部75が、ラバーによって構成された場合には、先端面を球面状ではなく、図6に示されるように平坦面としてもよい。
図6に示されるように、複数の第1ミラー支持部68及び複数の第2ミラー支持部75は、好ましくは、それぞれ3個ずつである。複数の第1嵌合孔69及び複数の第2嵌合孔76も、好ましくは、それぞれ3個ずつである。
図6〜図9に示されるように、半透過ミラー51とミラー52との間には、複数のスペーサー80が介在している。この複数のスペーサー80は、複数の第1嵌合部81と複数の第2嵌合部82と複数の第1接触部83と複数の第2接触部84とを有している。つまり、1個のスペーサー80は、第1嵌合部81と第2嵌合部82と第1接触部83と第2接触部84とを、1個ずつ有する。
複数の第1嵌合部81は、複数のスペーサー80から、半透過ミラー51の縁51fに沿いつつ第1対向面67へ向かって延びて、複数の第1嵌合孔69に嵌合可能である。複数の第2嵌合部82は、複数のスペーサー80から、ミラー52の縁52dに沿いつつ第2対向面74へ向かって延びて、複数の第2嵌合孔76に嵌合可能である。複数の第1接触部83は、複数のスペーサー80のなかの、半透過ミラー51の入射面51aに対向する各一端面に、形成されている。この複数の第1接触部83は、半透過ミラー51の板面(入射面51a)に部分的に接触することが可能である。複数の第2接触部84は、複数のスペーサー80のなかの、ミラー52の反射面52aに対向する各他端面に、形成されている。この複数の第2接触部84は、ミラー52の板面(反射面52a)に部分的に接触することが可能である。
複数の第1及び第2ミラー支持部68,75と複数の第1及び第2接触部83,84の、各位置は、半透過ミラー51の面直方向Fa(半透過ミラー51の板面に向かう方向Fa。板面に垂直な方向Fa)から見て、それぞれ合致している(重なっている)。詳しく述べると、複数の第2ミラー支持部75の位置は、半透過ミラー51の面直方向Faから見て、複数の第1ミラー支持部68の位置と合致している。複数の第1接触部83の位置は、半透過ミラー51の面直方向Faから見て、複数の第1ミラー支持部68の位置と合致している。複数の第2接触部84の位置は、半透過ミラー51の面直方向Faから見て、複数の第2ミラー支持部75の位置と合致している。
半透過ミラー51とミラー52との、互いの間隔及び角度は、複数のスペーサー80の複数の第1及び第2接触部83,84によって、規定されている。
複数の第1及び第2ミラー支持部68,75と、複数のスペーサー80の第1及び第2接触部83,84は、それぞれ3個ずつである。3個のスペーサー80は、半透過ミラー51とミラー52とが互いに重なり合っている部分の中の、できるだけ端で、しかも三角形位置に位置している。
図6及び図9に示されるように、ケース55は、第2の開口64を通って半透過ミラー51の出射面51gへ入射する外光を遮るための、上下に延びたルーバー90を有する。
図5に示されるように、このルーバー90は、半透過ミラー51よりも視認者Mn側に位置しており、視認者Mn側から所定の進入角で、一対のミラー51,52に入射する外光を遮る遮光部として機能する。
このルーバー90は、第2の開口64(図6参照)に所定のピッチで配列された、複数、例えば6個のパネル91〜96からなる。詳しく述べると、複数のパネル91〜96は、第1ケース半体60(図6参照)の幅方向に所定のピッチに配列されている。各パネル91〜96とは、黒色の樹脂などの非透光性材料によって構成されている。
図4に示されるように、各パネル91〜96は、死角補助装置50が車両10に搭載された場合に、ウインドシールド24に沿って上下方向へ延びる、縦板状の遮光板によって構成されている。この各パネル91〜96は、半透過ミラー51の出射面51gに沿いつつ、一端面51b側から他端面51c側へ向かって一列に配列されている。さらに、各パネル91〜96は、それぞれの先端98が視認者Mn側を向くように、ルーバー90を上から見て、半透過ミラー51の出射面51gから車両10の後方且つ車幅中央へ傾いている。
次に、死角補助装置50にルーバー90を有する理由を、詳しく説明する。図5に示されるように、一対のミラー51,52には死角領域Ad(図4参照)からの光線Laだけではなく、他方からも外光が入射し得る。ここで、ルーバー90が無い場合を想定する。半透過ミラー51の出射面51gに対する垂線をVLとする。半透過ミラー51の出射面51gに入射する外光のうち、垂線VLに対して車両前方から、或る入射角αで入射した外光SL(以下、迷光SLという)の一部は、出射面51gに反射されて、視点Pi側へ向かう。また、迷光SLの一部は、半透過ミラー51を透過した後にミラー52の反射面52aに反射され、再び半透過ミラー51を透過して視点Pi側へ向かう。このような迷光SLは、半透過ミラー51に映る物体Oj(図4参照)の像を視認する、視認性を低下させる要因となる。
これに対して、本発明の死角補助装置50はルーバー90を有している。この結果、半透過ミラー51の出射面51gに入射する迷光SLを遮って高い視認性を確保することができる。これが、死角補助装置50にルーバー90を有する理由である。
ここで、複数のパネル91〜96において、それぞれ出射面51g側に位置した基端から、視認者Mn側へ向かって延びた長さのことを、以下、「複数のパネル91〜96の幅」という。複数のパネル91〜96の幅と個数については、出射面51gに入射する迷光SLを遮ることができ、しかも、視点Piからの視界を過度に遮らないように、適宜設定される。
つまり、各パネル91〜96は、幅が大きいほど、少ない個数によって多くの迷光SLを遮ることができる。しかし、幅広の各パネル91〜96では、この各パネル91〜96自体が視点Piからの視界を遮ってしまう。これに対し、本発明のルーバー90は、複数のパネル91〜96の個数を6個とすることにより、各パネル91〜96の幅を抑制している。
なお、迷光SLの全てが各パネル91〜96によって遮られることが好ましいが、一部が遮られる場合であっても視認性向上の効果を得ることができる。
次に、半透過ミラー51の出射面51gに対する各パネル91〜96の配置及び傾き角について、図10を参照しつつ説明する。
ここで、6個のパネル91〜96の個々について、次のように定義する。半透過ミラー51の一端面51bの近くに位置しているパネル91を、「第1パネル91」とする。第1パネル91の真後ろに位置したパネル92を「第2パネル92」とし、半透過ミラー51の他端面51c側へ向かって、順次「第3パネル93」、「第4パネル94」、「第5パネル95」、「第6パネル96」とする。複数のパネル91〜96の各々の基端面97は、半透過ミラー51の出射面51gから離れて位置している。
さらに、半透過ミラー51について、次のように定義する。
半透過ミラー51における出射面51gと一端面51bとの交点P1を「第1交点P1」とする。
ミラー52における反射面52aと一端面52bとの交点P2を「第2交点P2」とする。
半透過ミラー51の入射面51aからミラー52の反射面52aまでの間隔を、Diとする。
第2交点P2が、半透過ミラー51の入射面51aに対して、更に間隔Diの2倍だけ離れたと仮定したときの点P3を「第3交点P3」とする。
この第3交点P3が、半透過ミラー51の入射面51aに対して、更に間隔Diの2倍だけ離れたと仮定したときの点P4を「第4交点P4」とする。
この第4交点P4が、半透過ミラー51の入射面51aに対して、更に間隔Diの2倍だけ離れたと仮定したときの点P5を「第5交点P5」とする。
ミラー52における反射面52aと他端面52cとの交点P6を「第6交点P6」とする。
基準視点位置として定められた視点Piから、半透過ミラー51の出射面51gを見ると、この出射面51gを透して、ミラー52の一端面52bが見える。図10に示されるように、この一端面52bは、視点Piから見て、前方視界における上下方向の線として視認される。
これに対し、図10に示されるように、第1パネル91は、視点Piと第1交点P1とを結ぶ第1直線L1上に沿って位置している。視点Piから第1直線L1方向を見たときに、第1パネル91は半透過ミラー51の一端面51bと重なり、前方視界における上下方向の線として視認される。出射面51gに対する第1パネル91の傾き角はβ1である。
第2パネル92は、第1パネル91の長さを短くするために設けられたものであって、第1パネル91と第3パネル93との間に設けられている。出射面51gに対する第2パネル92の傾き角β2は、第1パネル91の傾き角β1と同じである。
第3パネル93は、視点Piと第2交点P2とを結ぶ第2直線L2上に沿って位置している。視点Piから第2直線L2方向を見たときに、第3パネル93は、半透過ミラー51を透してミラー52の一端面52bと重なり、前方視界における上下方向の線として視認される。この第2直線L2は、次の第1表示領域A1と第2表示領域A2との境界線である。
第1表示領域A1は、第1直線L1と第2直線L2との間の領域であって、視点Piから半透過ミラー51を透して、車外の背景を視認することが可能である。つまり、第1表示領域A1は、半透過ミラー51のなかの、第1直線L1と第2直線L2との間を、反射することなくそのまま透過した、物体Ojの像を表す光線Laを視点Piから視認することが可能な領域である。
第2表示領域A2は、第2直線L2と後述する第3直線L3との間の領域であって、半透過ミラー51により1回反射された、像を表す光線Laを視点Piから視認することが可能である。つまり、第2表示領域A2は、像を表す光線Laが、半透過ミラー51の非対向部51eに入射することにより(1回目)、半透過ミラー51とミラー52の順で反射された後に、再び(2回目)半透過ミラー51に入射することによって、像を表す光線Laを視点Piから視認することが可能な領域である。
出射面51gに対する第3パネル93の傾き角β3は、第2パネル92の傾き角β2よりも大きい。
第4パネル94は、視点Piと第3交点P3とを結ぶ第3直線L3上に沿って位置している。実線にて示される実際のミラー52の反射面52aと、第3直線L3との、交点Q3を「第3直線映像点Q3」とする。視点Piから第3直線L3方向を見たときに、第4パネル94は、第3直線映像点Q3に映り込む入射側端部の像(半透過ミラー51により反射されて第3直線映像点Q3に映り込む像)に重なって見える。つまり、第3直線L3は、前記第2領域A2と次の第3表示領域A3との境界線である。
第3表示領域A3は、第3直線L3と後述する第4直線L4との間の領域であって、半透過ミラー51により2回反射された、像を表す光線Laを視点Piから視認することが可能である。つまり、第3表示領域A3は、光線Laが更に半透過ミラー51とミラー52の順で反射されて、再度(3回目)半透過ミラー51に入射することにより、像を表す光線Laを視点Piから視認することが可能な領域である。ミラー52の入射側端部の像は、第3直線L3上で視認される。
出射面51gに対する第4パネル94の傾き角β4は、第3パネル93の傾き角β3よりも大きい。
第5パネル95は、視点Piと第4交点P4とを結ぶ第4直線L4上に沿って位置している。実線にて示される実際のミラー52の反射面52aと、第4直線L4との、交点Q4を「第4直線映像点Q4」とする。視点Piから第4直線L4方向を見たときに、第5パネル95は、第4直線映像点Q4に映り込む入射側端部の像に重なって見える。つまり、第4直線L4は、前記第3表示領域A3と次の第4表示領域A4との境界線である。
第4表示領域A4は、第4直線L4と後述する第5直線L5との間の領域であって、半透過ミラー51により3回反射された、像を表す光線Laを視点Piから視認することが可能である。つまり、第4表示領域A4は、光線Laが更に半透過ミラー51とミラー52の順で反射されて、再度(4回目)半透過ミラー51に入射することにより、像を表す光線Laを視点Piから視認することが可能な領域である。ミラー52の入射側端部の像は第4直線L4上で視認される。
出射面51gに対する第5パネル95の傾き角β5は、第4パネル94の傾き角β4よりも大きい。
第6パネル96は、視点Piと第5交点P5とを結ぶ第5直線L5上に沿って位置している。実線にて示される実際のミラー52の反射面52aと、第5直線L5との、交点Q5を「第5直線映像点Q5」とする。視点Piから第5直線L5方向を見たときに、第6パネル96は、第5直線映像点Q5に映り込む入射側端部の像に重なって見える。つまり、第5直線L5は、前記第4表示領域A4と次の第5表示領域A5との境界線である。
第5表示領域A5は、第5直線L5と第6直線L6(視点Piと第6交点P6とを結ぶ直線L6)との間の領域であって、半透過ミラー51により4回反射された、像を表す光線Laを視点Piから視認することが可能である。つまり、第5表示領域A5は、光線Laが更に半透過ミラー51とミラー52の順で反射されることにより、ミラー52によって反射された光線Laを、そのまま視点Piから視認することが可能な領域である。第5表示領域A5においては、ミラー52によって反射された光線Laは、半透過ミラー51を透過しない。
出射面51gに対する第6パネル96の傾き角β6は、第5パネル95の傾き角β5よりも大きい。
このように、出射面51gに対する各パネル91〜96の傾き角β1〜β6は、入射側から出射側に向かって(一対のミラー51,52の光線Laの進行方向に向かって)段階的に大きくなるように設定されている。つまり「β1=β2<β3<β4<β5<β6」の関係である。このため、各パネル91〜96の先端98が視点Piを向くので、視点Piから視認される各パネル91〜96の幅を狭くして、視認者Mnの視界のうち各パネル91〜96によって遮られる領域を少なくできる。従って、各パネル91〜96を設ける構成であっても、良好な視認性を確保することができる。
また、複数のパネル91〜96の少なくとも一部(パネル93〜66)は、予め任意に定められる基準視点位置(視点Pi)から見て、ミラー52における反射面52aと一端面52bとの交点P2(第2交点P2)、あるいは、各直線映像点Q3〜Q5と重なるように配置されている。これによれば、前方視界における上下方向の線を低減してパネル91〜96を設ける構成であっても、良好な視認性を確保することができる。
図9及び図11に示されるように、ケース55の開口64(第2の開口64)は、透光性の光透過板101(カバー板101)によって塞がれている。例えば、この光透過板101は、前壁63の内面67に隙間無く重なり、ケース55に固定されてなることにより、開口64を塞いでいる。このため、ゴミ等の異物がケース55の外部から開口64を通ってケース55内へ浸入しないように、光透過板101によって防止することができる。この結果、ケース55に収納されている半透過ミラー51及びミラー52への、異物の付着を防止することができる。死角補助装置50による視認性を、確保することができる。
光透過板101は、一対のミラー51,52よりも高強度、高剛性の材料、例えば透明な強化ガラス板や樹脂板(ポリカーボネイト樹脂板等)によって構成されてなる。このように、光透過板101の強度や剛性は、一対のミラー51,52の強度や剛性よりも大きい。このため、外部から死角補助装置50へ加わる衝撃によって、半透過ミラー51又はミラー52が破損した場合に、ケース55から外方への破片の飛散を、光透過板101によって防止することができる。
ケース55に対する光透過板101の固定構造は、例えば、次の通りである。第1のカバー板固定構造は、図11に示されるように、前壁63の内面67に光透過板101を超音波溶着、熱溶着、高周波溶着、誘導溶着等により溶着する固定構造である。第2のカバー板固定構造は、前壁63の内面67に光透過板101を接着する固定構造である(図示せず)。第3のカバー板固定構造は、前壁63の内面67に光透過板101をビス止めする固定構成である(図示せず)。
さらには、図10及び図11に示されるように、この透光性の光透過板101は、半透過ミラー51の出射面51gとルーバー90との間に位置して、ケース55に固定されてなる。複数のパネル91〜96は、光透過板101に対向している各々の基端面97(端面97)を、光透過板101に固定されてなる。
光透過板101に対する複数のパネル91〜96の各々の基端面97の固定構造は、例えば次の通りである。第1のパネル固定構造は、光透過板101に各々の端面97を超音波溶着、熱溶着、高周波溶着、誘導溶着等の溶着による固定構造である。第2のパネル固定構造は、光透過板101に各々の基端面97を接着による固定構造である。第3のパネル固定構造は、光透過板101に各々の基端面97をビス止めによる固定構造である。この場合には、複数のパネル91〜96の厚みを、ビス止め可能な程度に大きくすればよい。
このように、ルーバー90の各パネル91〜96同士とケース55を、光透過板101によって固定することにより、ケース55における開口64部分やルーバー90の剛性を高めることができる。
図9及び図11に示されるように、半透過ミラー51の出射面51gと光透過板101との間には、間隙Spを有している。このため、光透過板101から半透過ミラー51へ振動が伝わらない。
図6及び図9に示されるように、光透過板101は複数の切欠部101aを有する。この複数の切欠部101aは、光透過板101の縁に位置しており、複数の第1ミラー支持部68との緩衝を防ぐための逃げ部となる。
図3に示されるように、死角補助装置50は、ピラーガーニッシュ42の中に組み付けられている。つまり、ピラーガーニッシュ42は、ケース55(図9参照)に収納された構成の一対のミラー51,52を、収納するための膨出部42aを有する。なお、図3ではケース55を省略している。この膨出部42aは、ピラーガーニッシュ42から車幅中央へ向かって膨出するとともに、開口部42bを有する。この開口部42bは、半透過ミラー51の出射面51gから出射された光が車室34へ向かって通過可能である。
上述したことであるが、図4及び図10に示されるように、死角補助装置50は半透過ミラー51に入射した光Laを、半透過ミラー51とミラー52の間で繰り返し反射しつつ、一部を透過することによって、物体Ojの像を表示するものである。この結果、視認者Mnは死角領域Adにある像を、視認することができる。所定の視点Piから死角補助装置50に映る、死角領域Adの像を視認すると、視認される像は、反射回数が異なる短冊状の像が複数並んだものとなる。
半透過ミラー51は全面にわたって、一定の透過率特性を有しており、その分だけ反射率を抑制している。従って、半透過ミラー51での光Laの反射回数が多いほど、一対のミラー51,52から出射する光量が小さくなり、像は暗くなる。このことを、図10及び図12を参照しつつ説明する。
図12は、横軸を5つの表示領域A1〜A5とし、縦軸を表示光の光強度として、図10に示される各表示領域A1〜A5の光La強度分布特性を示す、光強度分布図である。
第1表示領域A1では、光La(表示光La)は半透過ミラー51を反射することなくそのまま透過する。このため、第1表示領域A1では、他の表示領域A2〜A5に比べて光Laの強度C1が最も大きい。この結果、第1表示領域A1において、半透過ミラー51から視認者Mnへ向かう光Laは、最も明るい。
第2表示領域A2では、半透過ミラー51によって1回反射された光Laが、ミラー52に反射された後に、半透過ミラー51を透過する。このため、第2表示領域A2での光Laの強度C2は、第1表示領域A1よりも小さい。この結果、第2表示領域A2において、半透過ミラー51から視認者Mnへ向かう光Laは、第1表示領域A1よりも暗い。
同様に、第3表示領域A3における光Laは、半透過ミラー51によって2回反射されてから、半透過ミラー51を透過する。光Laの強度C3が第2表示領域A2よりも小さいので、半透過ミラー51から視認者Mnへ向かう光Laは、第2表示領域A2よりも暗い。
また、第4表示領域A4における光Laは、半透過ミラー51によって3回反射されてから、半透過ミラー51を透過する。光Laの強度C4が第3表示領域A3よりも小さいので、半透過ミラー51から視認者Mnへ向かう光Laは、第3表示領域A3よりも暗い。
第5表示領域A5における光Laは、半透過ミラー51によって4回反射された後に、ミラ52ーに反射されて視認者Mnへ向かう。第5表示領域A5における光Laは、最後に半透過ミラー51を透過しない。光Laの強度C5は、第4表示領域A4よりも大きいので、ミラー52から視認者Mnへ向かう光Laは、第4表示領域A4よりも明るい。
このように、視認される像の不連続な明るさの変化が大きいと、特に暗い方の像が相対的に視認しにくくなる。このように、単一の透過率特性を有する半透過ミラー51を前提とした場合には、一対のミラー51,52の仕様を設定するだけで、視認される像の明るさを均一にすることは困難である。
これに対し、図10及び図11に示されるように、本実施例の死角補助装置50は、半透過ミラー51及びミラー52から視認者Mnへ向かう、像を表す光Laの少なくとも一部の明るさ(透過光強度)を調整することが可能な、明るさ調整層100を有する。この明るさ調整層100は、予め設定された、光の透過率を有しており、半透過ミラー51に対して視認者Mn側に位置している。この明るさ調整層100の光の透過率を、予め適宜設定しておくことによって、半透過ミラー51及びミラー52から視認者Mnへ向かう、像を表す光Laの明るさを調整(抑制)することが可能である。なお、明るさ調整層100の色彩の種類は任意である。
この明るさ調整層100は、前記光透過板101と、この光透過板101に付設された着色層102とから成る。この着色層102は、例えば光透過板101に貼付された着色フィルムから成る。この着色フィルムは合成樹脂フィルムからなる。なお、着色層102は、光透過板101自体に印刷や塗布によって着色加工した構成であってもよい。
着色層102は、光透過板101のなかの、例えば最も明るい第1表示領域A1のみに付設される。つまり、着色層102は、半透過ミラー51及びミラー52から視認者Mnへ向かう像を表す光Laの、少なくとも最も明るい表示領域A1を覆っている。このため、第1表示領域A1において、半透過ミラー51から視認者Mnへ向かう、像を表す光Laの明るさが、明るさ調整層100によって抑制される。つまり、図12において、実線によって示される第1表示領域A1での光Laの強度C1は、想像線によって示される強度C1dに下がる。この結果、第1表示領域A1での光Laの強度C1dを、他の表示領域A2〜A5の平均的な光の強度まで下げることができる。
このように、明るさ調整層100は、比較的簡単な構成であるにもかかわらず、全体の表示領域A1〜A5の差を概ね抑制することができる。しかも、明るさ調整層100を付加するだけの簡単な構成により、死角補助装置50に表示される像の、視認性を高めることができる。
具体的には、全体の表示領域A1〜A5の差を概ね2倍程度に抑制することができるが、これは実用上さほどに問題になることはない。なぜなら、一般に、半透過ミラー51の反射率特性には、生産上のバラツキがある。このため、半透過ミラー51の反射率を理想値で設定したとしても、全面にわたって、表示の明るさを正確にそろえることが、非常に難しく、2倍程度の差は実用上許容されるからである。
ところで、明るさ調整層100の境界102a、つまり着色層102の端102aの位置は、製造公差のために若干ずれる。明るさ調整層100は、像を表す光Laの明るさを調整するので、所定の透過率を有している。このため、半透過ミラー51において、明るさ調整層100(着色層102)が有る部分と無い部分とでは、光Laが強度が異なる。
これに対し、本実施例では、明るさ調整層100の端102aは、複数のパネル91〜96の1つ(例えば第3パネル93)に沿って、その投影上に位置している。このため、明るさ調整層100の端102a(透過率の境界102aの位置)は、第3パネル93の裏に位置しているので、視認者Mnから見えない。従って、死角補助装置50の商品性を高めることができる。
なお、この明るさ調整層100は、光透過板101のどちらの面に付設しても、簡単な構成により、死角補助装置50に表示される像の、視認性を高めることができるが、光透過板101のなかの、半透過ミラー51側の面(裏面)に付設することが好ましい。なぜなら、各パネル91〜93の基端面97が光透過板101に固定されるからである。しかも、光透過板101の表面で発生する光の反射をルーバー90によって防止することができる。このため、比較的高価な光反射防止膜を設ける必要がない。
明るさ調整層100は、次の2つの変形例を含む。つまり、変形例の明るさ調整層100は、半透過ミラー51及びミラー52から視認者Mnへ向かう光Laの、複数の表示領域A1〜A5の明るさを、個別に調整することが可能に位置した構成である。複数の表示領域A1〜A5の個々の明るさを、明るさ調整層100によって個別に、最適な明るさに調整することができる。このため、全体の表示領域A1〜A5の差を、より一層抑制することができる。
詳述すると、明るさ調整層100の1つの変形例としては、光透過板101の全面にわたって構成とすることができる。つまり、光透過板101の全面に付設された着色層102を採用する。この場合の着色層102は、各表示領域A1〜A5における光Laの強さC1〜C5のバラツキに従って、各領域A1〜A5毎に透過率を相違している。例えば、着色層102の濃度を、各領域A1〜A5毎に異なる濃度に調色しておく。
明るさ調整層100の他の変形例としては、光透過板101だけによって構成とすることができる。例えば、一様に調色された光透過板101の厚さを、各領域A1〜A5毎に変えた厚さに設定しておく。または、光透過板101の濃度を、各領域A1〜A5毎に異なる濃度に調色しておく。このようにすれば、着色層102を用いることなく、光透過板101だけによって、明るさ調整層100を構成することができる。
次に、更なる変形例1〜5について説明する。
<変形例1>
変形例1の死角補助装置50Aを図13(a)に基づき説明する。図13(a)は、変形例1の死角補助装置50Aの要部を拡大した断面構造を示し、上記図10に対応している。変形例1の死角補助装置50Aは、図10に示された明るさ調整層100を、図13(a)に示される明るさ調整層100Aに変更したことを特徴とし、その他の構成は、上記図1〜図12に示される死角補助装置50と同じである。
変形例1の明るさ調整層100Aは、ルーバー90を構成する複数のパネル91〜96の各先端98に設けられた光透過板101Aと、この光透過板101Aに付設された着色層102Aとからなる。光透過板101Aは、ルーバー90の先端98を塞いでいる。着色層102Aは、光透過板101Aのなかの、例えば最も明るい第1表示領域A1のみに付設される。
この着色層102Aは、光透過板101Aの全面に付設された構成であってもよい。この場合の着色層102Aは、各表示領域A1〜A5における光Laの強さC1〜C5のバラツキに従って、各領域A1〜A5毎に透過率を相違している。
<変形例2>
変形例2の死角補助装置50Bを図13(b)に基づき説明する。図13(b)は、変形例2の死角補助装置50Bの要部を拡大した断面構造を示し、上記図13(a)に対応している。変形例2の死角補助装置50Bは、図13(a)に示された明るさ調整層100Aを、図13(b)に示される明るさ調整層100Bに変更したことを特徴とし、その他の構成は、上記図13(a)に示される死角補助装置50Bと同じである。
変形例2の明るさ調整層100Bは、ルーバー90のなかの、第1パネル91の先端98から第3パネル93の先端98までの間に設けられた光透過板101Bと、この光透過板101Bに付設された着色層102Bとからなる。光透過板101Bは、第1パネル91の先端98から第3パネル93の先端98までの間を塞いでいる。着色層102Bは、光透過板101Bのなかの、最も明るい第1表示領域A1のみに付設される。
<変形例3>
変形例3の死角補助装置50Cを図14(a)に基づき説明する。図14(a)は、変形例3の死角補助装置50Cの要部を拡大した断面構造を示し、上記図10に対応している。変形例3の死角補助装置50Cは、図10に示された明るさ調整層100を、図14(a)に示される明るさ調整層100Cに変更したことを特徴とし、その他の構成は、上記図1〜図12に示される死角補助装置50と同じである。
変形例3の明るさ調整層100Cは、半透過ミラー51の出射面51gに有している。詳しく述べると、明るさ調整層100Cは、半透過ミラー51の出射面51gに全面にわたって付設された光透過板101Cと、この光透過板101Cに付設された着色層102Cとからなる。光透過板101Cは、半透過ミラー51の出射面51g全体を覆っている。着色層102Cは、光透過板101Cのなかの、例えば最も明るい第1表示領域A1のみに付設される。
この着色層102Cは、光透過板101Cの全面に付設された構成であってもよい。この場合の着色層102Cは、各表示領域A1〜A5における光Laの強さC1〜C5のバラツキに従って、各領域A1〜A5毎に透過率を相違している。
<変形例4>
変形例4の死角補助装置50Dを図14(b)に基づき説明する。図14(b)は、変形例4の死角補助装置50Dの要部を拡大した断面構造を示し、上記図14(a)に対応している。変形例4の死角補助装置50Dは、図14(a)に示された明るさ調整層100Cを、図14(b)に示される明るさ調整層100Dに変更したことを特徴とし、その他の構成は、上記図14(a)に示される死角補助装置50Cと同じである。
変形例4の明るさ調整層100Dは、着色層102Dのみによって構成されるとともに、半透過ミラー51の出射面51gに有している。詳しく述べると、着色層102Dは、半透過ミラー51の出射面51gのなかの、例えば最も明るい第1表示領域A1のみに直接に付設されてなる。この着色層102Dは、半透過ミラー51の出射面51gの全面に付設された構成であってもよい。この場合の着色層102Dは、各表示領域A1〜A5における光Laの強さC1〜C5のバラツキに従って、各領域A1〜A5毎に透過率を相違している。
このように、半透過ミラー51の出射面51gに明るさ調整層100Dを直接に設けることができる。上記図14(a)に示される光透過板101C(基材101C)は不要であり、光透過率が調整されたフィルム状の着色層102Dを半透過ミラー51の出射面51gに貼り付けてもよい。従って、より一層簡単な構成の明るさ調整層100Dによって、死角補助装置50Dに表示される像の、視認性を高めることができる。なお、着色層102Dは、半透過ミラー51の出射面51g自体に印刷や塗布によって着色加工した構成であってもよい。
<変形例5>
変形例5の死角補助装置50Eを図15及び図16に基づき説明する。図15は、変形例5の死角補助装置50Eの要部を拡大した断面構造を示し、上記図3に対応している。図16は、図15に示されるピラーガーニッシュ42(ピラートリム42)を車室側から見た側面構造を示している。変形例5の死角補助装置50Eは、図10に示された明るさ調整層100を、図15及び図16に示される明るさ調整層100Eに変更したことを特徴とし、その他の構成は、上記図1〜図12に示される死角補助装置50と同じである。
変形例5の明るさ調整層100Eは、ピラーガーニッシュ42(ピラートリム42)の開口42bに設けられている。詳しく述べると、明るさ調整層100Eは、開口42bを塞いでいる光透過板101Eと、この光透過板101Eに付設された着色層102Eとからなる。
以上の変形例1〜5においても、視点Piの位置から、複数のパネル91〜96の1つに沿って、その投影上に明るさ調整層100A〜100Eの透過率の境界(102a等)が位置している。この透過率の境界の位置は、製造上の公差によって多少ばらつき得る。これに対し、パネル91〜96によって境界の部分を覆い隠すことができる。このため、境界の部分が視認者Mnから見えにくい。死角補助装置50A〜50Eの商品性を高めることができる。
以上の説明から明らかなように、上記実施例の明るさ調整層100と同様に、変形例1〜5の明るさ調整層100A〜100Eは、比較的簡単な構成であるにもかかわらず、全体の表示領域A1〜A5の差を概ね抑制することができる。低コストの明るさ調整層100A〜100Eであるにもかかわらず、全ての表示領域A1〜A5の光Laの明るさを均一化できるという、高い効果を得ることができる。しかも、明るさ調整層100A〜100Eを付加するだけの簡単な構成により、死角補助装置50A〜50Eに表示される像の、視認性を高めることができる。
なお、本発明による死角補助装置50,50A〜50Eは、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、実施例に限定されるものではない。
本発明の死角補助装置50,50A〜50Eは,車両10の運転席側から見て右側のフロントピラー21に配置されるものであったが、左側のフロントピラー21にも同様の死角補助装置50,50A〜50Eが配置されてもよい。また、死角補助装置50,50A〜50Eは、車両10においてフロントピラー21の他にも、センターピラーやリアピラー、又は各ピラー以外の部位に配置され、これらによって遮られる死角領域の像を映すものであってもよい。
また、死角補助装置50,50A〜50Eは、車両10に備えた例に説明したが、その他の乗り物にも適用可能であり、これらの形式のものに限られるものではない。すなわち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
また、本発明は、車両10以外の分野にも、障害物によって遮られる死角領域Adの、物体Ojの像を映す死角補助装置50,50A〜50Eとして広く適用することができる。例えば、本発明の死角補助装置50,50A〜50Dを住宅に用いる場合、大面積の死角補助装置50,50A〜50Dを天井に取り付けて入射部分のみを壁などから屋外に出すことで屋内に居ながら天井の死角補助装置50,50A〜50Dによって空の様子を見ることができ、また、天井から屋内に太陽光を導くことができる。住宅密集地や通常の窓を付けられない事情のある住宅には特に好適である。
また、例えば観光施設等の高層建築物で、高層階の床下に大面積の死角補助装置50,50A〜50Dを埋め込み、光入射部分のみを屋外に出すことで、床下の死角補助装置50,50A〜50Dによって眼下の風景を直接足下に感じることが可能となり、建築物の高さを強調することができる。同様の効果を得るために、従来は床下に空間を設ける必要があったが、本発明の死角補助装置50,50A〜50Dによれば既存の建築物にも容易に配置することができ好適である。
このほか、壁面に用いる例としては、道路に近接して塀が立っている、見通しの悪い交差点などにおいて、塀の角に本発明の死角補助装置50,50A〜50Dを配置することで、死角領域Adの歩行者や車両の存在をいち早く認識することができ、出会い頭の事故の防止に貢献することができる。
また、実施例及び各変形例死角補助装置50,50A〜50Eの一対のミラー51,52は、互いに対向するように配置される板状の構成であればよく、平板状ミラーの他に、曲面状ミラーであってもよい。例えば、一対のミラー51,52は、車両10を上から見て曲面状の構成とすることができる(特開2016−094117号参照)。詳しく述べると、半透過ミラー51の入射面51aは凹んだ曲面形状である。ミラー52の反射面52aは、半透過ミラー51の入射面51aへ向かって凸となる曲面形状である。
また、実施例及び各変形例死角補助装置50,50A〜50Eの、いずれかの複数又は全てを適宜組み合わせた構成とすることができる。
本発明の死角補助装置50は、車両10の左右のフロントピラー21,12に採用するのに好適である。
10 車両
42 ピラーガーニッシュ
42b 開口部
50、50A〜E 死角補助装置
51 半透過ミラー
51B 半透過反射層
51a 入射面
51g 出射面
52 ミラー
52a 反射面
55 ケース
64 開口(第2の開口)
90 ルーバー
91 第1パネル
92 第2パネル
93 第3パネル
94 第4パネル
95 第5パネル
96 第6パネル
100、100A〜E 明るさ調整層
101、101A〜E 光透過板
102、102A〜E 着色層
Ad 死角領域
La 物体の像を表す光(光線)
Mn 乗員(視認者)
Oj 物体

Claims (8)

  1. 障害物により遮られて視認者から見えない死角領域にある物体の像を映す死角補助装置であって、
    前記視認者側に位置し、前記像を表す光を入射して一部を半透過反射層により反射し残りを透過して反対側の出射面から出射する板状の半透過ミラーと、
    この半透過ミラーの前記半透過反射層に間隔を有して対面し、この半透過反射層により反射された前記光を前記半透過ミラーへ向かって反射する板状のミラーと、を含み、
    前記半透過ミラーの前記半透過反射層は、全面にわたって一定の反射率特性を有し、
    前記半透過ミラーに対して前記視認者側には、前記半透過ミラー及び前記ミラーから前記視認者へ向かう前記光の少なくとも一部の明るさを調整する明るさ調整層が位置していることを特徴とする死角補助装置。
  2. 前記明るさ調整層は、前記半透過ミラー及び前記ミラーから前記視認者へ向かう前記光の、最も明るい表示領域の明るさを調整することが可能に位置していることを特徴とする請求項1記載の死角補助装置。
  3. 前記明るさ調整層は、前記半透過ミラー及び前記ミラーから前記視認者へ向かう前記光の、複数の表示領域の明るさを、個別に調整することが可能に位置していることを特徴とする請求項1記載の死角補助装置。
  4. 前記半透過ミラー及び前記ミラーを収納するケースを、更に有し、
    このケースは、前記半透過ミラーを透過した前記光を前記視認者側から視認することが可能な開口と、この開口を通って前記半透過ミラーの前記出射面へ入射する外光を遮るルーバーとを有し、
    このルーバーは、前記開口に所定のピッチで配列された複数のパネルからなり、
    前記明るさ調整層は、前記複数のパネルに設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の死角補助装置。
  5. 前記明るさ調整層の透過率の境界は、予め設定されている、前記視認者の視点の位置から、前記複数のパネルの1つのパネル面に沿って延びる直線上に位置していることを特徴とする請求項4記載の死角補助装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項記載の死角補助装置は、車両のピラーを覆うピラーガーニッシュの中に組み付けられており、
    このピラーガーニッシュは、前記半透過ミラーを透過した前記光を前記視認者側から視認することが可能な開口を有し、
    前記明るさ調整層は、前記開口に設けられていることを特徴とする。
  7. 前記明るさ調整層は、前記半透過ミラーの前記出射面に有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の死角補助装置。
  8. 前記半透過ミラー及び前記ミラーを収納するケースを、更に有し、
    このケースは、前記半透過ミラーを透過した、前記光を前記視認者側から視認することが可能な開口と、この開口を通って前記半透過ミラーの前記出射面へ入射する外光を遮る、ルーバーとを有し、
    このルーバーは、前記開口に所定のピッチで配列された複数のパネルからなり、
    前記明るさ調整層の透過率の境界は、予め設定されている、前記視認者の視点の位置から、前記複数のパネルの1つのパネル面に沿って延びる直線上に位置していることを特徴とする請求項1、2、3、6、7のいずれか1項記載の死角補助装置。
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