JP2019022952A - 偽造防止印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】潜像部のカムフラージュ効果と、複写機で該潜像部を明瞭に再現する効果とを向上し得る偽造防止印刷物を提案する。【解決手段】同一線幅の二重線22からなる背景部11と互いに異なる線幅の二重線25からなる潜像部12とにより構成された偽造防止画像2Aを備え、該背景部11の濃度を15%以下とし且つ潜像部12の濃度を該背景部11の濃度の±5%以内としたものである。かかる構成によれば、潜像部12をカムフラージュする効果が高いと共に、複写機で複写された際に、複写された潜像部12を比較的はっきりと視認可能である。したがって、原本で潜像部12を隠蔽する効果が高いと共に、複写物と該原本とを比較的容易に見分けることができ、偽造を防止する効果が高い。【選択図】図2

Description

本発明は、有価証券や証明書等に使用される偽造防止印刷物に関する。
有価証券や証明書等に使用される印刷物として、複写機で再現される潜像と該潜像の周囲に形成された背景とが印刷された偽造防止印刷物が知られている。例えば、特許文献1には、背景が所定ピッチで並列状に印刷された万線により構成されると共に、潜像が、該万線の1/2の線幅で二本の直線が並列された万線により構成されてなる。かかる構成は、潜像が背景に紛れて視認し難くなっていると共に、複写機で複写された場合に、該潜像が複写されて再現されることから、真贋を容易に判定でき、偽造を防止することができる。
特開2004−25464号公報
上述した特許文献1の従来構成では、背景の万線を構成する直線一本に対して、潜像で二本の直線が配されていることから、複写機で複写された場合に、該潜像が比較的はっきりと再現され得る。また、潜像の線幅を背景の線幅の1/2として、該背景の濃度(万線が描かれた領域における直線部分の割合)と潜像の濃度とを略同じとしていることから、原本で該潜像を視認し難くするカムフラージュ効果も生じている。ところが、潜像では、その直線の数が背景の二倍であり、該潜像と背景とで線数が大きく異なることから、原本を見慣れてしまうと、該潜像を視認できてしまい、該背景による潜像のカムフラージュ効果に限界があった。特に、この従来構成では、万線の濃度を20%〜35%の範囲としていることから、紙面上に背景や潜像が比較的はっきりと表現されており、前記のように見慣れてしまうと、背景と潜像とを区別して視認し易い。この点も、前記カムフラージュ効果に限界を生じさせる一因となっていた。さらに、背景と潜像との濃度が比較的高いことから(前記20%〜35%の範囲)、複写機で複写された場合に、複写した背景と潜像とのコントラストに差異を生ずるものの、これら両者が夫々はっきりと再現されてしまうことから、複写した潜像が背景に対して目立たず、複写した潜像を背景に対して明瞭に表現する効果にも限界があった。
本発明は、潜像を視認し難くするカムフラージュ効果を向上し得ると共に、複写された場合に該潜像をより明瞭に再現可能な偽造防止印刷物を提案することを目的とする。
本発明は、所定ピッチをおいて平行な二本の線からなる二重線を、該二重線の線間のピッチよりも広いピッチで並列状に配した万線により構成されてなる偽造防止画像を備え、該偽造防止画像は、前記万線の二重線を構成する各線が略同一の線幅であり、かつ濃度が15%以下である背景部と、前記万線の二重線が互いに線幅の異なる二本の線により構成され、かつ前記背景部との濃度差が−5%〜+5%の範囲内である潜像部とを備えたものであることを特徴とする偽造防止印刷物である。
かかる構成にあっては、偽造防止画像の背景部と潜像部とが二重線から構成されるものであり、背景部の濃度(背景部の領域における線の占める割合)を15%以下とし、且つ潜像部の濃度(潜像部の領域における線の占める割合)を該背景部の濃度の±5%以内としたから、該背景部と潜像部とが淡く表れて全体的に見えづらく、さらに両者の濃度差が極めて小さいために、両者を見分け難く、潜像部が見え難い。特に、背景部と潜像部との両方が低い濃度で且つ二重線により構成されていることから、該二重線を構成する線の線幅が細く、潜像部を見え難くするカムフラージュ効果が飛躍的に向上する。さらに、背景部全体が一様に15%以下の濃度であることから、一般的な複写機で複写された場合に、該複写機の走査により該背景部が検出され難く、複写した複写物では該背景部が複写され難い。これに対して、潜像部は、背景部との濃度差が極めて小さいものの、二重線が互いに異なる線幅の二本の線により構成されていることから、前記複写機で複写された場合に、該複写機の走査により線幅の太い一方の線が検出され易く、複写物では該検出された一方の線が複写されて他方の線が複写され難い。こうしたことから、前記複写機で複写された複写物では、潜像部を構成する二重線の一方の線が、他方の線および背景部よりもはっきりと複写され、該一方の線により潜像部が再現される。そのため、複写された潜像部が目立って見え易い。したがって、本発明の構成によれば、潜像部を視認し難いことからカムフラージュする効果が極めて高く、該潜像部の存在を隠蔽する効果に優れると共に、複写機で複写されると、潜像部がはっきりと複写され、複写物であることを容易に判定できるため、複写による偽造を防止する効果が向上する。
また、本発明の構成では、背景部と潜像部とが二重線により構成されており、直線を所定間隔で平行に配した一般的な万線に比して、構造が複雑であることから、これら構造を正確に解析して贋作を制作することが難しく、贋造を防止する効果が高い。したがって、上述した複写による偽造を防止する効果と合わせて、偽造防止効果を大きく向上できる。
尚、本構成にあって、潜像部は、背景部との濃度差を−3.5%〜+3.5%の範囲内とする構成が好適である。この構成とすることにより、潜像部が、背景部と一層見分け難くなることから、該潜像部のカムフラージュ効果を一層向上できる。また、背景部の濃度は、7%〜13%の範囲にあることが好適である。ここで、13%以下の濃度とすることで、複写された場合に、該背景部が一層複写され難くなり、複写された潜像部が一層目立って再現され得る。また、7%より低い濃度では、淡くなり過ぎてしまい、潜像部のカムフラージュ効果が低減したり、複写された際に該潜像部の再現性が低減する虞がある。
上述した本発明の偽造防止印刷物にあって、偽造防止画像の万線は、隣合う二重線の間のピッチが、該二重線を構成する線間のピッチに対して1.1倍〜1.5倍の範囲にある構成が提案される。
かかる構成によって、隣合う二重線の間のピッチ(隣間ピッチという)が線間ピッチに対して1.1倍〜1.5倍とすることにより、背景部と潜像部との二重線による上述した本発明のカムフラージュ効果と潜像部をはっきりと複写できるという効果とが一層安定して発揮され得る。これは、隣間ピッチと線間ピッチとの相対関係を前記範囲とすることによって、二重線の各線を一本づつ独立して表現させ得ることに因る。そのため、例えば隣合う二本の線を一の線に見誤られてしまうことも無く、低い濃度の背景部と潜像部とを略均一に表現できる。
尚ここで、隣間ピッチを線間ピッチの1.1倍よりも1倍に近くすると、直線を一定間隔で並べた一般的な万線に近くなるため、前記した二重線としての効果が低減する。さらに、1倍より小さくすると、隣合う線が近づきすぎてしまうことから、二本の線が一本の線のように見え易くなるため、前記した効果が十分に発揮できない虞がある。一方、1.5倍よりも大きくすると、隣間ピッチが線間ピッチよりも相対的に広くなり過ぎてしまい、各二重線が強調されてしまい、前記したカムフラージュ効果が低減する虞がある。
上述した本発明の偽造防止印刷物にあって、潜像部の二重線は、一方の線が、背景部の二重線の線幅と同等又は当該線幅よりも太い連続線であり、かつ他方の線が、該一方の線よりも細い線幅の連続線又は破線である構成が提案される。尚ここで、破線には、点線も含む。
かかる構成にあっては、複写機で複写された場合に、該複写機による走査で、線幅の細い他方の線に対して線幅の太い一方の線が強調されることにより、該一方の線が明確に検知される。そのため、線幅の太い一方の線が比較的はっきりと複写され、該複写された一方の線により潜像部が再現され得る。これにより、複写機で複写された複写物では、複写された潜像部をはっきりと視認できるため、潜像部を隠蔽した原本と一層容易かつ確実に見分けられる。
上述した本発明の偽造防止印刷物にあって、潜像部の二重線は、一方の線が、背景部の二重線の線幅よりも太い破線であり、かつ他方の線が、該一方の線よりも細い線幅の連続線である構成が提案される。尚ここで、破線には、点線も含む。
かかる構成にあっては、複写機で複写された場合に、該複写機による走査で、線幅の細い他方の線に対して線幅の太い一方の線が強調されることにより、該一方の線が明確に検知される。そのため、線幅の太い一方の線が比較的はっきりと複写され、該複写された一方の線により潜像部が再現され得る。これにより、複写物と原本とを一層容易かつ確実に見分けられる。また、一方の線が線幅の太い破線であることから、潜像部の濃度増加を可及的に抑制でき、背景部によるカムフラージュ効果を十分に保つことができる。したがって、本構成によれば、潜像部をカムフラージュする効果と、前記した複写物を見分ける効果とを、一層安定して発揮でき得る。
上述した本発明の偽造防止印刷物にあって、潜像部の二重線は、一方の線よりも細い他方の線が、背景部の二重線よりも細い線幅である構成が提案される。
かかる構成によれば、潜像部の濃度を背景部の濃度に可及的に近づけられることから、該背景部による潜像部のカムフラージュ効果を向上できる。さらに、複写機で複写した場合に、線幅の太い一方の線を一層検知し易くできるため、潜像部を再現し易く、複写物を一層容易に見分けることができる。
本発明の偽造防止印刷物は、上述したように、同一線幅の二重線からなる背景部と互いに異なる線幅の二重線からなる潜像部とを備え、該背景部の濃度を15%以下とし且つ潜像部の濃度を該背景部の濃度の±5%以内としたものであるから、該潜像部をカムフラージュする効果が高いと共に、複写機で複写された際に、複写された潜像部を比較的はっきりと視認可能である。したがって、本発明の構成によれば、原本で潜像部を隠蔽する効果が高いと共に、複写物と該原本とを比較的容易に見分けることができ、偽造を防止する効果が高い。
実施例1にかかる偽造防止印刷物1の偽造防止画像2Aを拡大して示す説明図である。 偽造防止画像2Aの一部をさらに拡大して示す説明図である。 偽造防止画像2Aを複写した複写画像102Aを示す説明図である。 実施例2の偽造防止画像2Bの一部を拡大して示す説明図である。 偽造防止画像2Bを複写した複写画像102Bを示す説明図である。 実施例3の偽造防止画像2Cを拡大して示す説明図である。 偽造防止画像2Cの一部をさらに拡大して示す説明図である。 偽造防止画像2Cを複写した複写画像102Cを示す説明図である。 実施例4の偽造防止画像2Dの一部を拡大して示す説明図である。 偽造防止画像2Dを複写した複写画像102Dを示す説明図である。 実施例5の偽造防止画像2Eを拡大して示す説明図である。 偽造防止画像2Eの一部をさらに拡大して示す説明図である。 偽造防止画像2Eを複写した複写画像102Eを示す説明図である。 実施例1〜5と比較例1〜4との評価結果を示す図表である。
本発明にかかる実施形態を、以下の実施例1〜5に従って説明する。
図1に、実施例1の偽造防止印刷物1の紙面に印刷された偽造防止画像2Aを示す。この偽造防止印刷物1は、例えば、有価証券や証明書等に利用されるものである。偽造防止画像2Aは、図1,2に示すように、複数の二重線22,26が並列状に配された万線21により構成され、同一線幅の二本の連続線23,23からなる二重線22を並列状に複数配した背景部11と、互いに異なる線幅の二本の連続線26a,26bからなる二重線25を並列状に複数配した潜像部12とからなる。ここで、潜像部12は「複」文字の画像であり(図3参照)、背景部11は該潜像部12の周囲に設けられてなる。
背景部11は、図2に示すように、上記した二重線22を所定のピッチで配してなるものであり、該二重線22は、略平行な二本の連続線23,23からなる。そして、隣合う二重線22の間のピッチ(以下、隣間ピッチ)P1が、該二重線22を構成する二本の連続線23,23間のピッチ(以下、線間ピッチ)P2よりも広くなるように定めている。ここで、本実施例にあって、隣間ピッチP1は、隣合う二重線22,22で、互いに隣接する夫々の連続線23,23の各線幅中央間の距離(間隔)を示す。すなわち、隣合う二重線22の一方を構成する二本の連続線23,23のなかの、他方の二重線22に近接する連続線23の線幅中央と、他方を構成する二本の連続線23,23のなかの、一方の二重線22に近接する連続線23の線幅中央との間隔を示す。また、線間ピッチP2は、二重線22を構成する二本の連続線23,23の、一方の連続線23の線幅中央と、他方の連続線23の線幅中央との間隔を示す。
潜像部12は、上記背景部11の二重線22と連続する二重線25からなるものであり、その隣間ピッチP1と線間ピッチP2とが該背景部11と略等しい。そして、潜像部12の二重線25は、互いに異なる線幅の二本の連続線26a,26bにより構成されており、各連続線26a,26bは、背景部11を構成する二本の連続線23,23と夫々一直線状に連続して、互いに略平行に設けられている。また、潜像部12の各二重線25は、該二重線25を構成する二本の連続線26a,26bのうち、一方の連続線26aが、前記背景部11の二重線22の連続線23よりも線幅が太く、且つ他方の連続線26bが、該連続線23の線幅よりも細くなっている。
こうした背景部11の具体例として、二重線22の連続線23,23の線幅が約32μm、隣間ピッチP1が約280μm、線間ピッチP2が約220μmであり、一インチ当りの線数が100線である。この場合、背景部11は、濃度(二重線22の占める面積率)が約12.5%、隣間ピッチP1が線間ピッチP2に対して約1.3倍である。一方、上記の潜像部12の具体例として、二重線25の一方の連続線26aの線幅が約53μmであり、他方の連続線26bの線幅が約21μmである。そして、隣間ピッチP1と線間ピッチP2とは、前記した背景部11と略等しく、線数も該背景部11と等しい。この場合、潜像部12は、濃度が約14.6%であり、背景部11との濃度差が約2.1%である。
本実施例1の偽造防止印刷物1にあっては、偽造防止画像2Aの背景部11と潜像部12とが低い濃度であり、かつ該背景部11と潜像部12との濃度差も極めて小さいことから、該偽造防止画像2Aが全体的に淡く見難いと共に、潜像部12を背景部11と見分けることが極めて難しい(図1参照)。そのため、潜像部12をカムフラージュする効果が高い。さらに、背景部11と潜像部12とは、上記した隣間ピッチP1および線間ピッチP2の二重線22,25で構成されており、各二重線22,25を夫々構成する連続線23,26が一本づつ独立して表現され得る。そして、こうした二重線22,25による背景部11と潜像部12とを前記した低い濃度とすることによって、該背景部11と潜像部12との両者を略均一に淡く表現できる。すなわち、かかる二重線22,25で構成することによって、低い濃度で略均一に表現される背景部11と潜像部12とを形成でき、該潜像部12をカムフラージュする効果を大きく向上できる。
また、この偽造防止印刷物1を一般的な複写機で複写すると、背景部11は一様に濃度が低いこと(約12.5%)から、該複写機による走査で検知され難く、全体が正確に複写されず、一部分が不鮮明に複写される程度である。一方、潜像部12は、濃度が低いものの、各二重線25が線幅の太い連続線26aと細い連続線26bとにより構成されていることから、複写機による走査で該太い連続線26aが検知され易い。そのため、潜像部12の太い連続線26aが比較的明瞭に複写され、かつ細い連続線26bがほとんど複写されない。こうしたことから、偽造防止印刷物1の複写物では、図3に示すように、偽造防止画像2Aを複写した部分に、潜像部12の太い連続線26aを複写した複写線126によって再現された複写潜像部112を備えた複写画像102Aが表れる。ここで、複写潜像部112は、前記複写線126によって「複」文字画像(潜像部12)が再現されてなる。このように複写物では、潜像部12を構成する各二重線25の太い連続線26aが複写されて、複写線126が比較的はっきりと表れると共に、その周囲の背景部11が前記のように部分的にしか複写されないことから、偽造防止画像2Aを複写した複写画像102Aには、前記複写線126により再現された複写潜像部112が目立って表れる。而して、本実施例1の偽造防止印刷物1が一般的な複写機で複写されると、その複写物では、複写された太い連続線26aにより「複」文字がはっきりと視認できるように表現される。
このように本実施例1の偽造防止印刷物1は、偽造防止画像2Aの潜像部12を背景部11によりカムフラージュする効果が高く、該潜像部12の存在を隠蔽できる(図1参照)。そして、複写機で複写されると、複写物では、複写潜像部112によって該潜像部12が明瞭に再現されることから(図3参照)、原本と容易かつ明確に見分けることができる。これにより、複写機による偽造を防止することができる。また、偽造防止画像2Aは、比較的緻密に設定された隣間ピッチP1および線間ピッチP2の二重線22,25により構成されて、比較的複雑な構造を有していることから、該構造を解析して正確な贋作を制作することが極めて難しく、贋造を防止する効果も高い。したがって、前記複写による偽造防止効果と合わせて、本実施例1の偽造防止印刷物1は、その偽造防止画像2Aにより偽造されることを防止する効果が極めて高い。尚、こうしたカムフラージュ効果と贋造防止効果とは、上述したように背景部11と潜像部12とが夫々に二重線22,25から構成されていることに因り、該潜像部12を明瞭に複写する効果は、該潜像部12が互いに異なる線幅の二重線25から構成されていることに因る。
実施例2の偽造防止印刷物1は、上述した実施例1と同様に、連続線36a,36bとからなる二重線35を並列状に配した潜像部32を備えたものであり、該連続線36a,36bの線幅が該実施例1と異なる。実施例2の偽造防止画像2Bは、こうした潜像部32と上記した背景部11とからなり、該潜像部32の連続線36a,36bとの線幅が異なる以外は上述の実施例1と同じであり、同じ構成要素についてはその詳細を適宜省略している。
潜像部32は、図4に示すように、二重線35を構成する一方の連続線36aが、背景部11の二重線22を構成する連続線23と略同じ線幅であり、他方の連続線36bが、該背景部11の連続線23よりも細い線幅である。そして、潜像部32の二重線35は、前記二本の連続線36a,36bが略平行に配されており、上述した実施例1と同様に、各連続線36a,36bが背景部11の連続線23,23と夫々連続する。
具体例として、潜像部32の二重線35は、一方の連続線36aの線幅が約32μmであり、他方の連続線36bの線幅が約21μmである。そして、この潜像部32の濃度は、約10.4%であり、背景部11の濃度(約12.5%)との差が約2.1%である。その他の背景部11の線幅、隣間ピッチP1および線間ピッチP2、該背景部11の濃度等は、上述した実施例1と同じとしている。
こうした実施例2の偽造防止画像2Bにあっても、上述した実施例1と同様に、背景部11および潜像部32とが夫々二重線22,35により構成されていることから、該潜像部32をカムフラージュする効果が高い。また、一般的な複写機で複写される際に、潜像部32では、その二重線35が互いに異なる線幅の連続線36a,36bにより構成されていることから、該複写機による走査で、太い方の連続線36aが検知され易い。そのため、上述した実施例1と同様に、複写機で複写されると、潜像部32の二重線35を構成する一方の連続線36aが比較的はっきりと複写され、かつ他方の連続線36bがほとんど複写されない。一方、背景部11は、その連続線23が潜像部32の一方の連続線36aと線幅が略同じであることから、複写機による複写の際に、上述した実施例1に比して、該背景部11の連続線23も検知され易く、潜像部32の近傍部分で該連続線23が比較的はっきりと複写され易い。こうした複写物には、図5に示すように、潜像部32の一方の連続線36aを複写した複写線136によって再現された複写潜像部132と、該複写潜像部132の周囲に背景部11の連続線23を複写した複写線135によって再現された複写周囲部131とを備えた複写画像102Bが表れる。そして、この複写画像102Bでは、前記のように潜像部32の他方の連続線36bがほとんど複写されないことから、複写潜像部132の濃度が複写周囲部131に比して低くなる。そのため、複写潜像部132は、複写周囲部133内で抜き文字(「複」文字画像)のように表現され、比較的はっきりと視認可能である。
さらに、本実施例2の構成も、上述した実施例1と同様に、贋造を防止する効果を奏し得る。したがって、実施例2の偽造防止印刷物1は、上述した実施例1と同様の作用効果を奏するものである。
実施例3の偽造防止印刷物1は、図6に示すように、偽造防止画像2Cが、連続線46と破線47とからなる二重線45により構成された潜像部42を備えたものであり、該潜像部42が複数の該二重線45を並列状に配してなる。そして、実施例3にあっても、上述した実施例1と同様、潜像部42が「複」文字の画像である。尚、潜像部42以外の構成は、上述した実施例1と同じであることから、その詳細を適宜省略する。
潜像部42の二重線45は、図7に示すように、背景部11を構成する二重線22の連続線23と略同じ線幅の連続線46と、該背景部11の連続線23よりも線幅の太い破線47とを、線間ピッチP2をおいて略平行に配してなるものである。そして、この潜像部42は、二重線45の隣間ピッチP1および線間ピッチP2が、背景部11の二重線22の隣間ピッチP1および線間ピッチP2と略同一であり、該二重線45の連続線46と破線47とが、背景部11の二重線22を構成する連続線23,23に夫々連続する。
具体例として、潜像部42の二重線45の連続線46は、その線幅が約32μmであり、破線47は、その線幅が約85μm、各線分の長さが約110μm、各線分間の間隔が約110μmである。そして、二重線45の連続線46と破線47との線間ピッチP2は、実施例1と同じであり、隣合う二重線45間の隣間ピッチP1も、実施例1と同じである。こうした潜像部42の濃度は、約14.6%であり、背景部11の濃度(約12.5%)との差が約2.1%である。
こうした実施例3の偽造防止画像2Cにあっても、上述した実施例1と同様に、背景部11と潜像部42とが夫々二重線22,45により構成され、かつ低い濃度であることから、該潜像部42をカムフラージュする効果が高い(図6参照)。ここで、潜像部42を構成する二重線45の破線47は、背景部11の二重線22の連続線23に対して二倍以上も線幅が太いものの、破線形態により濃度を低く抑制できるため、見難く、該背景部11と見分け難い。また、潜像部42が、線幅の異なる連続線46と破線47とからなる二重線45により構成されていることから、複写機で複写された際に、走査により線幅の太い破線47が検知され易い。そのため、複写機で複写された複写物では、図8に示すように、破線47を複写した複写線147によって再現された複写潜像部142を備えた複写画像102Cが表れる。ここで、複写潜像部142は、前記複写線147によって「複」文字画像(潜像部12)が再現されると共に、該複写潜像部142の周囲には、背景部11が部分的かつ不鮮明に複写される。そのため、複写画像102Cでは、前記複写潜像部142が目立って再現されるため、「複」文字の画像が比較的はっきりと視認可能である。而して、原本と複写物とを容易かつ明確に見分けることができ、上述した実施例1,2と同様に複写機による偽造を防止できる。
さらに、本実施例3は、潜像部42の二重線45が連続線46と破線47とから構成されており、偽造防止画像2Cの全体が複雑かつ緻密な構造であることから、正確に贋造することが一層難しく、贋造を防止する効果が極めて高い。このように、本実施例3の構成にあっても、上述した実施例1と同様の作用効果を奏し得る。
実施例4の偽造防止印刷物1は、上述した実施例3と同様に、連続線56と破線57とからなる二重線55を並列状に配した潜像部52を備えたものであり、連続線56の線幅と破線57の線幅とが該実施例3と異なる。本実施例4の偽造防止画像2Dは、こうした潜像部52と上記した背景部11とからなり、該潜像部52の連続線56と破線57との線幅が異なる以外は上述の実施例3と同じであり、その詳細は適宜省略する。
潜像部52の二重線55は、図9に示すように、背景部11の二重線22を構成する連続線23よりも線幅の細い連続線56と、該背景部11の二重線22の連続線23よりも太い線幅の破線57とを、線間ピッチP2をおいて略平行に配したものである。そして、破線57は、その線幅が実施例3の破線47よりも線幅が太く、線分長さと間隔とが略同じである。尚、潜像部52は、上述した実施例4と同様に、二重線55の隣間ピッチP1および線間ピッチP2が、背景部11の二重線22の隣間ピッチP1および線間ピッチP2と略同一であり、該二重線55の連続線56と破線57とが、背景部11の二重線22を構成する連続線23,23に夫々連続する。
具体例として、潜像部52の二重線55の連続線56は、その線幅が約21μmであり、破線57は、その線幅が約110μmである。そして、破線57の線分長さと間隔、線間ピッチP2、隣間ピッチP1は、実施例3と同じである。こうした潜像部52の濃度は、約14.6%であり、背景部11の濃度(約12.5%)との差が約2.1%である。
こうした実施例4の偽造防止画像2Dは、上述した実施例3と同様に、潜像部52の二重線55が連続線56と破線57とから構成されるものであることから、複写機で複写された際に、線幅の太い破線57が検知され易い。そのため、複写物では、図10に示すように、破線57を複写した複写線157によって再現された複写潜像部152を備えた複写画像102Dが表れ、該複写潜像部152が目立って再現されるため、「複」文字の画像が比較的はっきりと視認可能である。特に、本実施例4では、潜像部52の二重線55を構成する連続線56と破線57との線幅の差が、上述した実施例3よりも大きいことから、複写線157によって複写潜像部152が一層はっきりと再現される。而して、原本と複写物とを容易かつ明確に見分けることができ、上述した実施例3と同様に複写機による偽造を防止できる。
また、実施例4は、上述した実施例3と同様に、背景部11と潜像部52とが夫々二重線22,55から構成され、かつ低い濃度であることから、該潜像部52をカムフラージュする効果が高い。さらに、潜像部52の二重線55が連続線56と破線57とから構成されていることから、偽造防止画像2Dを正確に贋造することが一層難しく、贋造を防止する効果が極めて高い。このように、本実施例4の構成にあっても、上述した実施例3と同様の作用効果を奏し得る。
実施例5の偽造防止印刷物1は、上述した実施例3,4と同様に、連続線66と破線67とからなる二重線65を並列状に配した潜像部62を備えたものであり、連続線66の線幅と破線67の線幅とが該実施例3,4と異なる。本実施例5の偽造防止画像2Eは、図11に示すように、こうした潜像部62と上記した背景部11とからなり、該潜像部62の連続線66と破線67との線幅が異なる以外は上述の実施例3,4と同じであり、その詳細は適宜省略する。
潜像部62の二重線65は、図12に示すように、背景部11の二重線22を構成する連続線23よりも線幅の太い連続線66と、該背景部11の二重線22の連続線23と略同じ線幅の破線67とを、線間ピッチP2をおいて略平行に配したものである。そして、連続線66は、その線幅が実施例3,4の連続線46,56よりも太いと共に、破線67は、その線幅が実施例3,4の破線47,57よりも細く、線分長さと間隔とが略同じである。尚、潜像部62は、上述した実施例3,4と同様に、二重線65の隣間ピッチP1および線間ピッチP2が、背景部11の二重線22の隣間ピッチP1および線間ピッチP2と略同一であり、該二重線65の連続線66と破線67とが、背景部11の二重線22を構成する連続線23,23に夫々連続する。
具体例として、潜像部62の二重線65の連続線66は、その線幅が約64μmであり、破線67は、その線幅が約32μmである。そして、破線67の線分長さと間隔、線間ピッチP2、隣間ピッチP1は、実施例3,4と同じである。こうした潜像部62の濃度は、約15.6%であり、背景部11の濃度(約12.5%)との差が約3.1%である。
こうした実施例5の偽造防止画像2Eは、潜像部62の二重線65が連続線66と破線67とから構成されるものであるから、複写機で複写された際に、線幅の太い連続線66が検知され易い。そのため、複写物では、図13に示すように、連続線66を複写した複写線166によって再現された複写潜像部162を備えた複写画像102Eが表れ、該複写潜像部162が目立って再現されるため、「複」文字の画像が比較的はっきりと視認可能である。而して、原本と複写物とを容易かつ明確に見分けることができ、上述した実施例3,4と同様に複写機による偽造を防止できる。
また、実施例5は、上述した実施例3,4と同様に、潜像部62をカムフラージュする効果が高い。ここで、潜像部62と背景部11との濃度差は、上述した実施例3,4に比して若干高いものの、±5%以内(さらに言えば、±3.5%以内)であることから、偽造防止画像2Eが全体として淡く視難いと共に、該背景部11により潜像部62の存在を隠蔽できる(図11参照)。さらにまた、本実施例5にあっても、偽造防止画像2Eが複雑かつ緻密な構造であることから、贋造の防止効果も高い。したがって、本実施例5の構成にあっても、上述した実施例3,4と同様の作用効果を奏し得る。
次に、上述した実施例1〜5を、下記の比較例1〜5と比較した結果について説明する。以下に、各比較例1〜4の詳細な構成を説明すると共に、各比較例1〜4と上述した実施例1〜5との評価結果について説明する。
(比較例1)
比較例1は、所定ピッチをおいて並列させた複数の連続線からなる背景部と、該背景部の連続線の1/2の線幅の連続線を複数並列させた潜像部とから構成された偽造防止画像を備えたものであり(図示せず)、上述した従来構成(特許文献1の構成)と同じである。この偽造防止画像は、上述した実施例と同様に、潜像部により「複」文字の画像が構成され、該潜像部の周囲に背景部が設けられている。この比較例1の潜像部は、背景部の各連続線から夫々分岐した二本の連続線が並列状に配されて形成されている。そのため、潜像部の濃度は、背景部と略同じとなる。こうした比較例1の具体例として、背景部の連続線は、その線幅が約100μm、ピッチが約400μmであり、該背景部の濃度は、約25%である。そして、潜像部の連続線は、線幅が約50μm、ピッチが約200μmであり、該潜像部の濃度は背景部と略同じ約25%である。
(比較例2)
比較例2は、上述した比較例1と同様に、複数の連続線を並列させた背景部と、該背景部の連続線の1/2の線幅の連続線を複数並列させた潜像部とから、偽造防止画像を構成したものである。この比較例2では、各連続線の線幅とピッチとを変えて、背景部と潜像部との濃度を比較例1よりも低くしたものである。具体例として、背景部の連続線は、その線幅が約50μm、ピッチが約380μmであり、該背景部の濃度は、約13%である。そして、潜像部の連続線は、線幅が約25μm、ピッチが約190μmであり、該潜像部の濃度は背景部と略同じ約13%である。
(比較例3)
比較例3は、所定ピッチをおいて並列させた複数の連続線からなる背景部と、該背景部の連続線と夫々連続する複数の破線からなる潜像部とから構成された偽造防止画像を備えたものであり、該背景部の各連続線と潜像部の各連続線とを夫々一直線状に配されている。そして、この偽造防止画像は、上述した実施例と同様に、潜像部により「複」文字の画像が構成され、該潜像部の周囲に背景部が設けられている。具体例として、背景部の連続線は、その線幅が約100μm、ピッチが約400μmであり、該背景部の濃度は、約25%である。また、潜像部の破線は、線幅が約200μmであり、該潜像部の濃度が背景部の濃度と略等しくなるように、破線の線分長さと間隔とが設定されている。
(比較例4)
比較例4は、上述した実施例1と同様の、二重線の背景部と二重線の潜像部とからなる偽造防止画像であり、該背景部と潜像部との各線幅を変え且つピッチを変えたものである。具体例として、背景部の二重線を構成する二本の連続線は、いずれも線幅が約90μmであり、隣間ピッチが約400μmかつ線間ピッチが約300μmである。また、潜像部の二重線を構成する連続線は、一方の線幅が約110μmであり、他方の線幅が約90μmである。そして、潜像部の隣間ピッチと線間ピッチとは、背景部と略同じとしている。こうした背景部の濃度は、約25%であり、潜像部の濃度は、約28%である。
こうした比較例1〜4と上述した本実施例1〜5とを比較した評価結果を図14に示す。ここで、評価項目は「原本の非視認性」と「複写物の視認性」との二項目である。「原本の非視認性」は、実施例1〜5と比較例1〜4との具体例の原本(偽造防止印刷物)を見て、夫々の偽造防止画像で潜像部が見難いか否かを評価したものである。尚、この項目の評価では、潜像部を見難い場合に「〇」評価であり、該潜像部のカムフラージュ性が高いことを示す。一方、「複写物の視認性」は、実施例1〜5と比較例1〜4との具体例の原本(偽造防止印刷物)を、一般的な複写機で複写し、夫々の複写物を見て、複写した潜像部(「複」文字の画像)が見易いか否かを評価したものである。尚、この項目の評価では、複写潜像部を見易い場合に「〇」評価であり、複写物と原本とを見分け易いという効果が高いことを示す。
評価結果に示すように、実施例1〜5は、「原本の非視認性」と「複写物の視認性」との両方で「〇」評価であった。すなわち、実施例1〜5の各原本(偽造防止印刷物1)では、上述したように、夫々の偽造防止画像2A〜2Eを視ると、全体的に淡く見難く且つ各潜像部12,32,42,52,62と背景部11とを見分け難いことから、これら潜像部12,32,42,52,62のカムフラージュ効果が高い。これは、背景部11と各潜像部12,32,42,52,62とが夫々二重線で構成されていること、夫々が低い濃度であること、および濃度差が極めて小さいことに因る。こうしたことから、実施例1〜5では、各潜像部12,32,42,52,62の存在を隠蔽できると共に、贋造されることを防止する効果も高い。
一方、実施例1〜5の各原本を複写した複写物では、上述したように、夫々の複写潜像部112,132,142,152,162が比較的はっきりと再現される。これは、背景部11の濃度が低いこと、および各潜像部12,32,42,52,62を構成する二本の線のうちで一方が比較的はっきりと複写されることに因る。こうしたことから、実施例1〜5を複写機で複写した複写物では、各複写潜像部112,132,142,152,162が容易かつ明確に視認できることから、原本と容易に区別することができる。そのため、実施例1〜5では、複写機による偽造を防止する効果が高い。
また、比較例1の評価結果は、「原本の非視認性」で「×」評価であり、「複写物の視認性」で「△」評価であった。ここで、比較例1は、実施例1〜5に比して、背景部を構成する万線の線幅が太く且つ濃度も大幅に高いと共に、潜像部も同様に濃度が高い。そのため、原本で偽造防止画像の存在を比較的容易に知ることができることに加え、潜像部の線数が背景部の二倍であることから、見慣れると、潜像部を視認可能である。而して、比較例1の「原本の非視認性」は、「×」評価である。
一方、比較例1を複写した複写物では、該比較例1の背景部と潜像部との線数が異なっていることから、該潜像部に比して背景部が複写され易く、両者の再現性に差を生ずる。しかし、比較例1は背景部と潜像部との濃度が高いことから、両者が比較的鮮明に複写されてしまい、上述した実施例1〜5と比べると、比較例1の複写物では両者を見分け難いものの、見慣れると、「複」文字の画像を視認できる。而して、比較例1の「複写物の視認性」は、「△」評価である。
また、比較例2の評価結果は、「原本の非視認性」で「△」評価であり、「複写物の視認性」で「×」評価であった。ここで、比較例2では、背景部と潜像部との濃度が実施例1と同様に低いことから、上述した比較例1に比して、背景部と潜像部とが見難い。しかし、背景部の線幅が、実施例1に比して太いことから、見慣れると、該背景部を見ることが可能であり、これに伴って潜像部を知り得てしまう。而して、比較例2の「原本の非視認性」は、「△」評価である。
一方、比較例2では、背景部と潜像部との濃度が低いことから、両者ともに複写され難い。さらに、潜像部を構成する連続線が同じ線幅であることから、潜像部が全体的に複写され難い。そして、背景部の線幅が、潜像部に比して二倍であるため、該潜像部に比べれば、該背景部の方が複写され易いものの、複写物では、両者ともに不鮮明になり易いために、「複」文字の画像を視認し難い。而して、比較例2の「複写物の視認性」は、「△」評価である。
また、比較例3の評価結果は、「原本の非視認性」で「×」評価であり、「複写物の視認性」で「△」評価であった。ここで、比較例3では、背景部の連続線と潜像部の破線との夫々の線幅が太く且つ該背景部と潜像部との濃度が高いことから、見慣れると、該連続線と破線とを比較的容易に見分けることができ、潜像部を視認し易い。而して、比較例3の「原本の非視認性」は、「×」評価である。
一方、比較例3では、背景部が連続線であり且つ潜像部が破線であり、さらに両者の濃度が高いことから、この複写物では、該背景部と潜像部との両方がはっきりと複写されてしまい、両者の差異が小さいため、実施例1〜5に比べると、両者を見分け難い。そのため、「複」文字の画像を視認し難い。而して、比較例3の「複写物の視認性」は、「△」評価である。
また、比較例4の評価結果は、「原本の非視認性」で「△」評価であり、「複写物の視認性」で「△」評価であった。ここで、比較例4では、実施例1に比して、背景部を構成する二重線の線幅が太く且つ濃度も高いと共に、潜像部も同様に線幅が太く且つ濃度が高いことから、偽造防止画像の存在を比較的容易に知ることができる。そして、背景部と潜像部との各線幅は、上述した比較例1に比して細く、さらに背景部と潜像部との両方が二重線で構成されていることから、これら両者が区別し難いものの、前記のように線幅が太いため、見慣れてくると、潜像部を見え易い。而して、比較例4の「原本の非視認性」は、「△」評価である。
一方、比較例4では、潜像部の二重線のうちで線幅の太い一方が他方に比してはっきりと複写されるものの、背景部の濃度が高いことから、該背景部もはっきりと複写されてしまう。そのため、複写物では、背景部と潜像部との両方が比較的はっきりと再現され、両者が見分け難くいが、見慣れれば、「複」文字の画像を視認可能である。而して、比較例4の「複写物の視認性」は、「△」評価である。
上述した評価結果によれば、本実施例1〜5の構成は、潜像部をカムフラージュする効果と、複写された場合に該潜像部をはっきりと再現できる効果との両方を有することが明らかである。したがって、本実施例1〜5の偽造防止印刷物1は、比較的1〜4に比して、原本で潜像部を隠蔽でき、かつ複写による偽造を防止することができる。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
例えば、上述した実施例1〜5では、隣間ピッチP1および線間ピッチP2を、連続線と破線との各線幅中央を基準として設定したものであるが、これに限らず、連続線や破線の一側縁を基準として設定したものであっても良い。こうして各線の一側縁を基準としてピッチP1,P2を設定しても、上述した実施例1〜5と同様に偽造防止画像を設けることができ、同様の作用効果を奏する。
1 偽造防止印刷物
2A〜2E 偽造防止画像
11 背景部
12,32,42,52,62 潜像部
21 万線
22,25,35,45,55,65 二重線
23,26a,26b,36a,36b,46,56,66 連続線
47,57,67 破線
P1 隣間ピッチ(隣合う二重線の間のピッチ)
P2 線間ピッチ(二重線の線間のピッチ)

Claims (5)

  1. 所定ピッチをおいて平行な二本の線からなる二重線を、該二重線の線間のピッチよりも広いピッチで並列状に配した万線により構成されてなる偽造防止画像を備え、
    該偽造防止画像は、
    前記万線の二重線を構成する各線が略同一の線幅であり、かつ濃度が15%以下である背景部と、
    前記万線の二重線が互いに線幅の異なる二本の線により構成され、かつ前記背景部との濃度差が−5%〜+5%の範囲内である潜像部と
    を備えたものであることを特徴とする偽造防止印刷物。
  2. 偽造防止画像の万線は、隣合う二重線の間のピッチが、該二重線を構成する線間のピッチに対して1.1倍〜1.5倍の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止印刷物。
  3. 潜像部の二重線は、一方の線が、背景部の二重線の線幅と同等又は当該線幅よりも太い連続線であり、かつ他方の線が、該一方の線よりも細い線幅の連続線又は破線であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偽造防止印刷物。
  4. 潜像部の二重線は、一方の線が、背景部の二重線の線幅よりも太い破線であり、かつ他方の線が、該一方の線よりも細い線幅の連続線であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偽造防止印刷物。
  5. 潜像部の二重線は、一方の線よりも細い他方の線が、背景部の二重線よりも細い線幅であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の偽造防止印刷物。
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