JP2019020690A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱保存性、低温定着性、及び耐ドキュメントオフセット性に優れるトナーを提供する。【解決手段】トナー粒子が、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル酸系樹脂とを含有する。結晶性ポリエステル樹脂は、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとアクリル酸系モノマーとスチレン系モノマーとを含む単量体の重合物である。貯蔵弾性率1.0×108Paのトナーの温度が55℃以上である。貯蔵弾性率1.0×105Paのトナーの温度が80℃以下である。トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散径は、100nm以上500nm以下である。トナーの示差走査熱量分析において、2回目昇温時に測定されるCPES吸熱ピークの吸熱量は、1回目昇温時に測定されるCPES吸熱ピークの吸熱量の80%以上である。【選択図】図3

Description

本発明は、トナーに関し、特に静電潜像現像用トナーに関する。
特許文献1には、トナー粒子に、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル酸樹脂とを含有させる技術が開示されている。
特開2015−4722号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、耐熱保存性、低温定着性、及び耐ドキュメントオフセット性に優れるトナーを提供することは困難である。例えば、特許文献1では、トナーの低温定着性については検討されているものの、トナー成分(内添剤)の分散不良などについては十分な検討がなされていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、耐熱保存性、低温定着性、及び耐ドキュメントオフセット性に優れるトナーを提供することを目的とする。
本発明に係るトナーは、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有するトナー粒子を、複数含む。前記トナー粒子は、スチレン−アクリル酸系樹脂をさらに含有する。前記結晶性ポリエステル樹脂は、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとアクリル酸系モノマーとスチレン系モノマーとを含む単量体の重合物である。貯蔵弾性率1.0×108Paの前記トナーの温度が55℃以上である。貯蔵弾性率1.0×105Paの前記トナーの温度が80℃以下である。前記トナー粒子中の前記結晶性ポリエステル樹脂の分散径は、100nm以上500nm以下である。前記トナーの示差走査熱量分析により2回目昇温時に測定される、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量は、前記トナーの示差走査熱量分析により1回目昇温時に測定される、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量の80%以上である。前記示差走査熱量分析の測定条件は、測定範囲20℃〜150℃、昇温速度10℃/分、降温速度100℃/分、1回目と2回目とのインターバル10分間である。
本発明によれば、耐熱保存性、低温定着性、及び耐ドキュメントオフセット性に優れるトナーを提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係るトナーについて、示差走査熱量分析の1回目試験の昇温時に測定された吸熱曲線を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るトナーについて、示差走査熱量分析の2回目試験の昇温時に測定された吸熱曲線を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るトナーのG’温度依存性曲線を示すグラフである。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、その粉体に含まれる相当数の粒子について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。また、酸価及び水酸基価の各々の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従って測定した値である。また、数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)の各々の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。
SP値(溶解度パラメーター)は、何ら規定していなければ、Fedorsの計算方法(R.F.Fedors,「Polymer Engineering and Science」,1974年,第14巻,第2号,p147−154)に従って算出した値(単位:(cal/cm31/2、温度:25℃)である。SP値は、式「SP値=(E/V)1/2」(E:分子凝集エネルギー[cal/mol]、V:分子容[cm3/mol])で表される。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態のトナーは、複数のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含む粉体である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤を調製してもよい。
高画質の画像を形成するためには、キャリアとしてフェライトキャリア(詳しくは、フェライト粒子の粉体)を使用することが好ましい。また、長期にわたって高画質の画像を形成するためには、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する樹脂層とを備える磁性キャリア粒子を使用することが好ましい。キャリア粒子に磁性を付与するためには、磁性材料(例えば、フェライトのような強磁性物質)でキャリアコアを形成してもよいし、磁性粒子を分散させた樹脂でキャリアコアを形成してもよい。また、キャリアコアを被覆する樹脂層中に磁性粒子を分散させてもよい。高画質の画像を形成するためには、2成分現像剤におけるトナーの量は、キャリア100質量部に対して、5質量部以上15質量部以下であることが好ましい。なお、2成分現像剤に含まれる正帯電性トナーは、キャリアとの摩擦により正に帯電する。
本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、電子写真装置の像形成部(帯電装置及び露光装置)が、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。続けて、電子写真装置の現像装置(詳しくは、トナーを含む現像剤がセットされた現像装置)が、トナーを感光体に供給して、感光体に形成された静電潜像を現像する。トナーは、感光体に供給される前に、現像装置内のキャリア、現像スリーブ、又はブレードとの摩擦により帯電する。例えば、正帯電性トナーは正に帯電する。現像工程では、感光体の近傍に配置された現像スリーブ(例えば、現像装置内の現像ローラーの表層部)上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体に供給され、供給されたトナーが感光体の静電潜像に付着することで、感光体上にトナー像が形成される。消費されたトナーは、補給用トナーを収容するトナーコンテナから現像装置へ補給される。
続く転写工程では、電子写真装置の転写装置が、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、電子写真装置の定着装置(定着方式:加熱ローラー及び加圧ローラーによるニップ定着)がトナーを加熱及び加圧して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。転写工程の後、感光体上に残ったトナーは、クリーニング部材(例えば、クリーニングブレード)により除去される。なお、転写方式は、感光体上のトナー像を、中間転写体を介さず、記録媒体に直接転写する直接転写方式であってもよい。また、定着方式は、ベルト定着方式であってもよい。
本実施形態に係るトナーは、複数のトナー粒子を含む。トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子はトナー母粒子と外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。トナー母粒子は、必要に応じて、結着樹脂以外に、内添剤(例えば、離型剤、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子(以下、非カプセルトナー粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、トナーコアと、トナーコアの表面に形成されたシェル層とを備える。シェル層は、実質的に樹脂から構成される。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散していてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂から構成されてもよいし、実質的に熱可塑性樹脂から構成されてもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。
非カプセルトナー粒子は、例えば粉砕法又は凝集法により作製できる。これらの方法は、非カプセルトナー粒子の結着樹脂中に内添剤を良好に分散させ易い。一般に、トナーは、粉砕トナーと重合トナー(ケミカルトナーとも呼ばれる)とに大別される。粉砕法で得られたトナーは粉砕トナーに属し、凝集法で得られたトナーは重合トナーに属する。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕し、得られた粉砕物を分級する。これにより、トナー母粒子が得られる。粉砕法を用いた場合には、凝集法を用いた場合よりも容易にトナー母粒子を作製できることが多い。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂の微粒子と離型剤の微粒子と電荷制御剤の微粒子と着色剤の微粒子とを含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、電荷制御剤、及び着色剤を含む凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
カプセルトナー粒子を製造する場合、シェル層の形成方法は任意である。例えば、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法のいずれかの方法を用いて、シェル層を形成してもよい。
本実施形態に係るトナーは、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有する静電潜像現像用トナーである。
(トナーの基本構成)
トナーが、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有するトナー粒子を、複数含む。トナー粒子は、スチレン−アクリル酸系樹脂をさらに含有する。結晶性ポリエステル樹脂は、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとアクリル酸系モノマーとスチレン系モノマーとを含む単量体(樹脂原料)の重合物である。貯蔵弾性率1.0×108Paのトナーの温度(以下、「溶融初期温度TMA」と記載する場合がある)が55℃以上である。貯蔵弾性率1.0×105Paのトナーの温度(以下、「溶融終期温度TMB」と記載する場合がある)が80℃以下である。トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散径は、100nm以上500nm以下である。トナーの示差走査熱量分析により2回目昇温時に測定される、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量は、トナーの示差走査熱量分析により1回目昇温時に測定される、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量の80%以上である。示差走査熱量分析の測定条件は、測定範囲20℃〜150℃、昇温速度10℃/分、降温速度100℃/分、1回目と2回目とのインターバル10分間である。
以下、レオメーターにより昇温速度2℃/分かつ周波数6.28ラジアン/秒の条件で測定されたトナーの貯蔵弾性率温度依存性曲線(縦軸:貯蔵弾性率、横軸:温度)を、「G’温度依存性曲線」と記載する。前述の基本構成において、溶融初期温度TMA及び溶融終期温度TMBはそれぞれ、G’温度依存性曲線から測定された値である。なお、G’温度依存性曲線の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
上記基本構成において、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散径は、トナー粒子の断面像における結晶性ポリエステル樹脂ドメインの円相当径の個数平均値である。
一般に、トナー粒子に非結晶性ポリエステル樹脂を含有させることで、優れた耐熱保存性を有するトナーが得られる。しかし、耐熱保存性と低温定着性との両方に優れるトナーを得ることは難しい。
耐熱保存性と低温定着性との両方に優れるトナーを得る方法として、非結晶性ポリエステル樹脂に加えて結晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含有させることが考えられる。しかし、トナー粒子に含有される非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が高くなければ、結晶性ポリエステル樹脂による効果(詳しくは、トナーの低温定着性を向上させる効果)は小さい。トナーの低温定着性を向上させるためには、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散径(詳しくは、ドメイン径)を十分小さくすることが好ましい。しかしながら、トナー粒子中で非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とが相溶し過ぎると、ドキュメントオフセットが発生し易くなる。ドキュメントオフセットは、加熱により記録媒体にトナーを定着させた後、まだ記録媒体が温かいうちにその上に次の記録媒体が載ることで、重なった記録媒体がくっ付いてしまう現象である。画像形成装置の印刷スピード(ひいては、スループット)を上げるためには、ドキュメントオフセットが発生しにくいトナーを使用することが望ましい。
前述の基本構成において、示差走査熱量分析の測定条件は、測定範囲20℃〜150℃、昇温速度10℃/分、降温速度100℃/分、1回目と2回目とのインターバル10分間である。すなわち、昇温速度10℃/分で20℃から150℃までトナーを昇温した後、降温速度100℃/分で150℃から20℃までトナーを降温する昇降温試験を繰り返し2回行う。2回目試験は、1回目試験が終わった後、トナーの温度を20℃に保ったまま10分間静置してから開始する。こうした示差走査熱量分析により吸熱曲線(縦軸:熱流、横軸:温度)が得られる。結晶化した状態の結晶性ポリエステル樹脂をトナーが含む場合には、トナーの吸熱曲線中に、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピーク(以下、「CPES吸熱ピーク」と記載する場合がある)が現れる。CPES吸熱ピークの吸熱量は、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位の溶解に伴う吸熱量に相当し、CPES吸熱ピークの面積から求めることができる。以下、1回目試験の昇温時に得られた吸熱曲線中に現れるCPES吸熱ピークの吸熱量を「ΔH1」と、2回目試験の昇温時に得られた吸熱曲線中に現れるCPES吸熱ピークの吸熱量を「ΔH2」と、それぞれ記載する場合がある。また、ΔH2をΔH1で除した値を、「CPES結晶性指数」と記載する場合がある。トナーの示差走査熱量分析において、1回目試験の昇温により溶けた結晶性ポリエステル樹脂の全てが、1回目試験の降温により再び結晶化した場合には、「ΔH2=ΔH1」となる。他方、溶けた結晶性ポリエステル樹脂の少なくとも一部が結晶化しない場合には、ΔH2がΔH1よりも小さくなる。トナーのCPES結晶性指数(ΔH2/ΔH1)が大きいことは、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂が結晶化し易いことを意味する。
前述の基本構成を有するトナーでは、式「ΔH2≧0.8×ΔH1」の関係を満たす。このことは、トナーの示差走査熱量分析において、1回目試験の昇温により溶けた結晶性ポリエステル樹脂の大半が、1回目試験の降温により再び結晶化したことを意味する。上記示差走査熱量分析の降温速度はとても速く、100℃/分である。こうした速度の降温でも結晶化し得る結晶性ポリエステル樹脂が、前述の基本構成における結晶性ポリエステル樹脂である。すなわち、前述の基本構成を有するトナーでは、トナー粒子が、結晶化し易い結晶性ポリエステル樹脂を含有する。トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂が結晶化することで、トナー粒子に含有される非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が低くなり、ドキュメントオフセットが抑制される。
結晶化し易い結晶性ポリエステル樹脂は、非結晶性ポリエステル樹脂と相溶しにくい傾向がある。非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶が不十分であると、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散径を十分小さくすることが難しくなる。本願発明者は、結晶性ポリエステル樹脂として、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとアクリル酸系モノマーとスチレン系モノマーとを含む単量体の重合物を使用するとともに、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とに加えて、スチレン−アクリル酸系樹脂をさらにトナー粒子に含有させることで、トナー粒子中において、結晶化し易い結晶性ポリエステル樹脂の分散径を十分小さくすることに成功した。この理由は、スチレン−アクリル酸系樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂(詳しくは、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとアクリル酸系モノマーとスチレン系モノマーとを含む単量体の重合物)と相溶するからであると考えられる。前述の基本構成において、スチレン−アクリル酸系樹脂のSP値と結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差(絶対値)は、非結晶性ポリエステル樹脂のSP値と結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差(絶対値)よりも小さくなる傾向がある。トナー粒子中に、十分小さく、かつ、小さ過ぎない分散径(詳しくは、100nm以上500nm以下)で、結晶性ポリエステル樹脂が存在することで、トナーがシャープメルト性を有するようになると考えられる。
一般に、トナーの溶解が進むにつれて、トナーの貯蔵弾性率は小さくなる傾向がある。前述の基本構成において、トナーの貯蔵弾性率が1.0×108Paになることは、トナーが溶け始めたことを意味する。シャープメルト性を有するトナーでは、トナーが溶け始めることで、急激にトナーの貯蔵弾性率が低下する傾向がある。また、トナーの貯蔵弾性率が1.0×105Paになることは、トナーの溶解が十分進行したことを意味する。溶融初期温度TMA(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×108Paのトナーの温度)が低過ぎると、トナーの耐熱保存性及び耐ドキュメントオフセット性が不十分になり易くなる。溶融終期温度TMB(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×105Paのトナーの温度)が高過ぎると、トナーの低温定着性が不十分になり易くなる。溶融初期温度TMAが55℃以上であり、かつ、溶融終期温度TMBが80℃以下であることは、概ね55℃以上80℃以下の温度範囲内において、トナーが溶け始め、かつ、トナーの溶解が十分進行することを意味する。また、トナー定着後、記録媒体上で定着したトナー(詳しくは、トナー像)を室温(例えば、25℃)環境下に静置した場合には、55℃付近までは速やかにトナーの温度が下がるが、それ以降は、徐々にトナーの温度が下がる傾向がある。トナーの溶融初期温度TMAが55℃以上である場合には、トナー定着後、速やかにトナーの貯蔵弾性率が十分大きくなるため、ドキュメントオフセットが抑制されるようになる。耐熱保存性と低温定着性と耐ドキュメントオフセット性とに優れるトナーを得るためには、温度30℃のトナーの貯蔵弾性率が3.0×108Pa以上であり、貯蔵弾性率1.0×108Paのトナーの温度が55℃以上60℃以下であり、貯蔵弾性率1.0×105Paのトナーの温度が75℃以上80℃以下であることが特に好ましい。30℃付近の低温領域では、トナーの貯蔵弾性率が略一定になる傾向がある。温度30℃のトナーの貯蔵弾性率は、加熱前(保存時)のトナーの貯蔵弾性率に相当する。
溶融初期温度TMAを55℃以上にし、かつ、溶融終期温度TMBを80℃以下にするためには、前述の基本構成において、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の量が、非結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して10質量部以上20質量部以下であり、トナー粒子中のスチレン−アクリル酸系樹脂の量が、非結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して30質量部以上50質量部以下であることが特に好ましい。スチレン−アクリル酸系樹脂の量が多過ぎると、トナー成分(内添剤)の分散性が悪くなり、トナーのシャープメルト性が不十分になる傾向がある(後述するトナーTB−1及びTB−7参照)。スチレン−アクリル酸系樹脂の量が少な過ぎると、結晶性ポリエステル樹脂の分散径を小さくするスチレン−アクリル酸系樹脂の作用が十分に得られず、溶融終期温度TMBを80℃以下にすることが難しくなる(後述するトナーTB−3、TB−5、及びTB−9参照)。結晶性ポリエステル樹脂の量が少な過ぎると、溶融終期温度TMBを80℃以下にすることが難しくなる(後述するトナーTB−2及びTB−4参照)。結晶性ポリエステル樹脂の量が多過ぎると、トナー粒子中に大きい結晶性ポリエステル樹脂ドメインが多く存在するようになり、トナーのシャープメルト性が不十分になる傾向がある(後述するトナーTB−6及びTB−8参照)。また、結晶性ポリエステル樹脂の量が多過ぎると、トナーの粉砕性が悪くなる傾向がある。
画像形成に適したトナーを得るためには、スチレン−アクリル酸系樹脂のSP値が結晶性ポリエステル樹脂のSP値よりも小さく、スチレン−アクリル酸系樹脂のSP値と結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差(絶対値)は、非結晶性ポリエステル樹脂のSP値と結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差(絶対値)よりも小さいことが好ましい。特に好ましい例では、非結晶性ポリエステル樹脂のSP値が10.0(cal/cm31/2以上11.0(cal/cm31/2以下であり、結晶性ポリエステル樹脂のSP値が9.2(cal/cm31/2以上9.9(cal/cm31/2以下であり、スチレン−アクリル酸系樹脂のSP値が9.0(cal/cm31/2以上9.7(cal/cm31/2以下である。
粉砕トナーにおいてトナー成分(内添剤)の分散不良を抑制するためには、非結晶性ポリエステル樹脂が、アルコール成分として、炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを含み、ビスフェノールを含まず、酸成分として、芳香族ジカルボン酸を含み、結晶性ポリエステル樹脂が、アルコール成分としても酸成分としても、芳香族モノマーを含まないことが好ましい。
図1及び図2はそれぞれ、示差走査熱量計を用いて、前述の基本構成を有するトナーの一例について測定された吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を示している。測定条件は、温度範囲20℃〜150℃、昇温速度10℃/分、降温速度100℃/分、1回目と2回目とのインターバル10分間である。図1は、1回目試験の昇温時に測定された吸熱曲線中のCPES吸熱ピークを示している。図2は、2回目試験の昇温時に測定された吸熱曲線中のCPES吸熱ピークを示している。
図1に示されるCPES吸熱ピークの面積S1から、トナーのΔH1(詳しくは、1回目試験の昇温時に得られた吸熱曲線中に現れるCPES吸熱ピークの吸熱量)を求めることができる。また、図2に示されるCPES吸熱ピークの面積S2から、トナーのΔH2(詳しくは、2回目試験の昇温時に得られた吸熱曲線中に現れるCPES吸熱ピークの吸熱量)を求めることができる。
図3は、レオメーターを用いて、前述の基本構成を有するトナーの一例について測定されたG’温度依存性曲線(縦軸:貯蔵弾性率、横軸:温度)を示している。詳しくは、図3は、レオメーターを用いて、トナーの温度を一定速度(昇温速度2℃/分)で上昇させながら、周波数6.28ラジアン/秒の条件で各温度におけるトナーの貯蔵弾性率を測定した結果である。図3に示すG’温度依存性曲線では、トナーの温度が上昇にするにつれて貯蔵弾性率が小さくなっている。図3に示すように、溶融初期温度TMA(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×108Paのトナーの温度)は55℃以上であり、溶融終期温度TMB(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×105Paのトナーの温度)は80℃以下である。すなわち、溶融初期温度TMAと溶融終期温度TMBとの両方が55℃以上80℃以下の温度範囲内に存在する。また、温度30℃のトナーの貯蔵弾性率は3.0×108Paであった。図3に示すG’温度依存性曲線では、30℃付近の低温領域において、トナーの貯蔵弾性率が略一定になっている。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナー粒子の体積中位径(D50)が4μm以上9μm以下であることが好ましい。
次に、非カプセルトナー粒子の構成について説明する。詳しくは、トナー母粒子(結着樹脂及び内添剤)及び外添剤について、順に説明する。カプセルトナー粒子では、以下に示される非カプセルトナー粒子におけるトナー母粒子をトナーコアとして使用できる。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
(結着樹脂)
トナー母粒子では、一般に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子はアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基を有する場合には、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子が、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル酸系樹脂とを含有する。
ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコールと1種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ただし、前述の基本構成で規定される結晶性ポリエステル樹脂を得るためには、アルコール及びカルボン酸に加えて、アクリル酸系モノマー及びスチレン系モノマーも縮重合させる必要がある。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、脂肪族ジオール又はビスフェノール等)又は3価以上のアルコールを好適に使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を好適に使用できる。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸(より具体的には、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸等)、α,ω−アルカンジカルボン酸(より具体的には、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸等)、不飽和ジカルボン酸(より具体的には、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はグルタコン酸等)、又はシクロアルカンジカルボン酸(より具体的には、シクロヘキサンジカルボン酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体である。
トナー母粒子に含有される結晶性ポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル酸系樹脂を合成するためには、例えば以下に示すような、スチレン系モノマー及びアクリル酸系モノマーを好適に使用できる。
スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、アルキルスチレン(より具体的には、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、又は4−tert−ブチルスチレン等)、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、ハロゲン化スチレン(より具体的には、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン、又は2,4,6−トリブロモスチレン等)が挙げられる。
アクリル酸系モノマーの好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
画像形成に適したトナーを得るためには、前述の基本構成において、非結晶性ポリエステル樹脂が、1,2−プロパンジオールと芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸)と3価カルボン酸(例えば、トリメリット酸)とを含む単量体(樹脂原料)の重合物であり、結晶性ポリエステル樹脂が、α,ω−アルカンジオール(好ましくは、炭素数4以上10以下のα,ω−アルカンジオール)と2価カルボン酸(好ましくは、炭素数4以上10以下の不飽和ジカルボン酸)とスチレン系モノマー(例えば、スチレン)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル(好ましくは、エステル部に炭素数2以上8以下のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル)とを含む単量体(樹脂原料)の重合物であり、スチレン−アクリル酸系樹脂が、スチレン系モノマー(例えば、スチレン)と(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル(より具体的には、アクリル酸アミノエチル又はメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル等)と架橋剤(例えば、ジビニルベンゼン)とを含む単量体(樹脂原料)の重合物であることが特に好ましい。
非結晶性ポリエステル樹脂(結着樹脂)を合成するための上記1,2−プロパンジオールとしては、植物由来の1,2−プロパンジオールが特に好ましい。植物由来の1,2−プロパンジオールは、例えば、化学合成、発酵法、又はこれらの方法を組み合わせた方法を用いて製造できる。植物由来の1,2−プロパンジオールを製造する方法の一例では、グルコースのような糖類を含む植物性バイオマスを加水分解してグリセリンを得る。続けて、グリセリンと水素とを反応させることにより、植物由来の1,2−プロパンジオールを得る。植物性バイオマスとしては、例えば、大豆油、ヤシ油、パーム油、ひまし油、及びカカオ油からなる群より選択される1種以上の植物性油脂を使用できる。植物性バイオマスを加水分解する方法としては、酸又は塩基を用いる化学的方法を採用してもよいし、酵素又は微生物を用いる生物的方法を採用してもよいし、他の方法を採用してもよい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。画像形成に適したトナーを得るためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有してもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有してもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有してもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有してもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤(より具体的には、有機金属錯体又はキレート化合物等)を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有してもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
[外添剤]
トナー母粒子の表面に外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)を付着させてもよい。外添剤は、内添剤とは異なり、トナー母粒子の内部には存在せず、トナー母粒子の表面(トナー粒子の表層部)のみに選択的に存在する。例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させることができる。トナー母粒子と外添剤粒子とは、互いに化学反応せず、化学的ではなく物理的に結合する。トナー母粒子と外添剤粒子との結合の強さは、攪拌条件(より具体的には、攪拌時間、及び攪拌の回転速度等)、外添剤粒子の粒子径、外添剤粒子の形状、及び外添剤粒子の表面状態などによって調整できる。
トナー粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(複数種の外添剤粒子を使用する場合には、それら外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。トナーの流動性を向上させるためには、外添剤粒子として、個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下の無機粒子(粉体)を使用することが好ましい。ただし、外添剤粒子として、脂肪酸金属塩(より具体的には、ステアリン酸亜鉛等)のような有機酸化合物の粒子、又は樹脂粒子を使用してもよい。また、外添剤粒子として、複数種の材料の複合体である複合粒子を使用してもよい。1種類の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、又はアルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(例えば、鎖状シラザン化合物又は環状シラザン化合物)、又はシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)を好適に使用できる。表面処理剤としては、シランカップリング剤又はシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン又はアミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数の水酸基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、水酸基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9(それぞれ正帯電性トナー)を示す。
Figure 2019020690
表1中、結晶性ポリエステル樹脂に関して、「CPES−1」及び「CPES−2」はそれぞれ、後述する方法で調製された結晶性ポリエステル樹脂CPES−1及びCPES−2であった。
表1中、スチレン−アクリル酸系樹脂に関して、「SAc−1」及び「SAc−2」はそれぞれ、後述する方法で調製された架橋スチレン−アクリル酸系樹脂SAc−1及びSAc−2であった。
表1中の「量(単位:質量部)」は、非結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対する相対的な量を示している。
以下、トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[材料の準備]
(非結晶性ポリエステル樹脂の調製方法)
まず、植物油脂であるパーム油を加水分解してグリセリンを得た。具体的には、反応容器に、パーム油と、このパーム油を完全に鹸化させるために必要な量の2倍の量の濃度10質量%水酸化ナトリウム水溶液とを添加した。続けて、容器内容物を加熱して、温度150℃でパーム油(植物油脂)を完全に鹸化させた。鹸化後の容器内容物からグリセリン水溶液を分離し、得られたグリセリン水溶液を蒸留した。蒸留後のグリセリンに対して活性炭処理を施し、グリセリンを精製した。
次に、還流冷却器を備えた反応容器内に、エチレングリコール200gと硝酸第二銅三水和物76gとを加えた。続けて、容器内容物を温度80℃で2時間攪拌した後、テトラエトキシシラン52gを滴下し、温度80℃で、容器内容物をさらに2時間攪拌した。その後、容器内に水18gを滴下した後、温度80℃で3時間、容器内容物を攪拌し、容器内に沈澱物を得た。得られた沈殿物を、温度120℃で乾燥させた後、空気中、温度400℃で2時間焼成し、銅/シリカ触媒(銅含有量:50質量%)を得た。得られた銅/シリカ触媒3gに、テトラアンミン白金(II)硝酸塩[Pt(NH34(NO32]29.8mgを含む水溶液を添加し、ロータリーエバポレーターで乾固させた。得られた固体を温度120℃で乾燥させた後、空気中、温度400℃で2時間焼成し、銅含有量50質量%の銅−白金/シリカ触媒(質量比:Cu/Pt/Si=50/0.5/17)を得た。
続けて、攪拌機付きの容量500mLの鉄製オートクレーブに、上記のようにして得た銅−白金/シリカ触媒2gと、前述の手順で得たグリセリン(精製したグリセリン)200gとを加え、オートクレーブ内の空気を水素で置換した。続けて、オートクレーブ内の温度を230℃まで昇温させて、オートクレーブ内に水素ガスを5L/分の速度で導入しながら、水素(H2)雰囲気、圧力2MPa、温度25℃の条件で、オートクレーブ内の材料(液体)を7時間反応させて、反応生成物(液体)を得た。得られた反応生成物を常法に従って精製し、植物由来の1,2−プロパンジオールを得た。
攪拌機(アズワン株式会社販売「SM―104」)、窒素導入管、熱電対、脱水管、及び精留塔を備えた容量5Lの4つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器内に、上記のようにして調製した植物由来の1,2−プロパンジオール1142g(アルコール成分)と、テレフタル酸1743g(カルボン酸成分)と、ジオクタン酸スズ(II)4g(縮合触媒)とを加えた。反応により生成される水を除去しながら、窒素雰囲気の大気圧下、温度230℃で15時間、容器内容物を反応させた。その後、容器内の圧力を8.3kPaまで減圧して、圧力8.3kPaかつ温度230℃の条件でさらに1時間、容器内容物を反応させた。
続けて、容器内の圧力を大気圧に戻し、容器内の温度を180℃まで下げた後、容器内に無水トリメリット酸288gを加えた。その後、容器内の温度を10℃/時の速度で210℃まで昇温させた。続けて、大気圧下、温度210℃でさらに10時間、容器内容物を反応させた。続けて、容器内の圧力を20kPaまで減圧し、圧力20kPaかつ温度230℃の条件でさらに1時間、容器内容物を反応させた。反応終了後、容器内容物を取り出し、冷却した。その結果、非結晶性ポリエステル樹脂が得られた。
(結晶性ポリエステル樹脂CPES−1の調製方法)
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、1,4−ブタンジオール990g(アルコール成分)と、1,6−ヘキサンジオール242g(アルコール成分)と、フマル酸1480g(酸成分)と、1,4−ベンゼンジオール2.5gとを入れた。続けて、温度170℃でフラスコ内容物を5時間反応させた。続けて、温度210℃でフラスコ内容物を1.5時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)かつ温度210℃の条件で、フラスコ内容物を1時間反応させた。続けて、常圧雰囲気に戻し、フラスコ内に、スチレン69g(スチレン−アクリル酸系成分)と、メタクリル酸n−ブチル54g(スチレン−アクリル酸系成分)とを入れた。続けて、温度210℃でフラスコ内容物を1.5時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)かつ温度210℃の条件で、フラスコ内容物を1時間反応させた。その結果、SP値9.9(cal/cm31/2の結晶性ポリエステル樹脂CPES−1が得られた。
(結晶性ポリエステル樹脂CPES−2の調製方法)
上記「結晶性ポリエステル樹脂CPES−1の調製方法」において、モノマー組成比を変更して、SP値9.6(cal/cm31/2の結晶性ポリエステル樹脂CPES−2を得た。
(架橋スチレン−アクリル酸系樹脂SAc−1の調製方法)
攪拌機及び温度計を備えた反応容器内に、イオン交換水5058gと、硫酸ナトリウム14gと、消泡剤(ポリオキシアルキレンペンタエリスリトールエーテル:日油株式会社製「ディスホーム(登録商標)CE−457」)60gとを入れた。続けて、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル6740gと、スチレン2136gと、架橋剤(純度56.5%のジビニルベンゼン)10gと、重合開始剤(BPO:ベンゾイルパーオキサイド)75gと、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(化薬アクゾ株式会社製「トリゴノックス(登録商標)117」)14gとを入れた。容器内容物の温度は40℃であった。続けて、容器内容物を攪拌しながら、容器内容物の温度を40℃から130℃まで65分間かけて上昇させて、容器内容物の温度が130℃に到達してからさらに2時間、容器内容物を反応(詳しくは、重合反応)させた。その後、容器内容物を冷却して、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂の分散液を得た。得られた分散液を目開き2mmの金属メッシュでろ過(固液分離)し、樹脂粒子(粉体)を得た。続けて、ナイロン製のろ過布を用いて、得られた樹脂粒子(粉体)中の微粉を除去した。その後、洗浄工程及び乾燥工程を経て、SP値9.6(cal/cm31/2の架橋スチレン−アクリル酸系樹脂SAc−1を得た。
(架橋スチレン−アクリル酸系樹脂SAc−2の調製方法)
上記「架橋スチレン−アクリル酸系樹脂SAc−1の調製方法」において、モノマー組成比を変更して、SP値9.4(cal/cm31/2の架橋スチレン−アクリル酸系樹脂SAc−2を得た。
[トナーの製造方法]
(トナー母粒子の作製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、非結晶性ポリエステル樹脂(前述の手順で得た非結晶性ポリエステル樹脂)100質量部と、表1に示す種類及び量の結晶性ポリエステル樹脂(各トナーに定められた結晶性ポリエステル樹脂CPES−1及びCPES−2のいずれか)と、表1に示す種類及び量の架橋スチレン−アクリル酸系樹脂(各トナーに定められた架橋スチレン−アクリル酸系樹脂SAc−1及びSAc−2のいずれか)と、エステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」)3質量部と、カーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA−100」)5質量部と、4級アンモニウム塩(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)1質量部とを混合した。例えば、トナーTA−1の製造では、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂と、10質量部の結晶性ポリエステル樹脂CPES−1と、30質量部の架橋スチレン−アクリル酸系樹脂SAc−1と、3質量部のエステルワックス(ニッサンエレクトールWEP−9)と、5質量部のカーボンブラック(MA−100)と、1質量部の4級アンモニウム塩(BONTRON P−51)とを混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル RS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径7μmのトナー母粒子が得られた。
(外添工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3000rpm、ジャケット温度20℃の条件で、トナー母粒子100質量部と、シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」、内容:トリメチルシリル基とアミノ基とで表面修飾した乾式シリカ粒子、個数平均1次粒子径:約12nm)1.2質量部と、導電性酸化チタン微粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」、基体:TiO2粒子、被覆層:SbドープSnO2層、体積中位径:約0.35μm)0.8質量部とを、2分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子及び酸化チタン粒子)が付着した。その後、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9)が得られた。
上記のようにして得られたトナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9に関して、CPES分散径(詳しくは、トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散径)と、貯蔵弾性率の温度特性(溶融初期温度TMA及び溶融終期温度TMB)と、CPES結晶性指数(ΔH2/ΔH1)との各々の測定結果は、表2に示すとおりであった。
Figure 2019020690
例えば、トナーTA−1に関しては、CPES分散径が260nmであり、溶融初期温度TMA(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×108Paのトナーの温度)が58℃であり、溶融終期温度TMB(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×105Paのトナーの温度)が79℃であり、CPES結晶性指数(ΔH2/ΔH1)が0.88(=88%)であった。これらの測定方法は、次に示すとおりであった。
<CPES分散径の測定方法>
トナー(測定対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)を常温硬化性のエポキシ樹脂中に分散し、温度40℃の雰囲気で2日間硬化させて硬化物を得た。続けて、得られた硬化物を、四酸化オスミウムを用いて染色した後、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ株式会社製「EM UC6」)を用いて切り出し、厚さ250μmの薄片試料を得た。続けて、得られた薄片試料の断面(特に、トナー母粒子の断面)を、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7401F」、方式:FE−SEM、FE電子源:コニカル形FE電子銃)を用いて撮影した。そして、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてSEM撮影像(トナー粒子の断面像)を解析することで、結晶性ポリエステル樹脂の分散径(円相当径)を計測した。
トナー粒子の断面における結晶性ポリエステル樹脂ドメインの個数平均分散径を測定した。詳しくは、1個のトナー粒子の断面像につき10個の結晶性ポリエステル樹脂ドメインの分散径の測定値を得て、得られた10個の測定値に基づいて、そのトナー粒子の断面における結晶性ポリエステル樹脂ドメインの個数平均分散径を算出した。さらに、トナーに含まれる10個のトナー粒子についてそれぞれ、トナー粒子の断面における結晶性ポリエステル樹脂ドメインの個数平均分散径を求めて、得られた10個の測定値の算術平均をトナーの評価値(CPES分散径)とした。
<貯蔵弾性率の温度特性の測定方法>
トナー(測定対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)0.1gをペレット成形機にセットし、常温(約25℃)でトナーに荷重20kNを2分間加えて、直径10mm、厚さ1mmの円柱状のペレットを得た。続けて、得られたペレットを測定装置にセットした。測定装置としては、レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製「ARES」)を用いた。測定プレートとしては、直径10mmの円形パラレルプレートを使用した。そして、次に示す条件で、トナーのG’温度依存性曲線(縦軸:貯蔵弾性率、横軸:温度)を測定した。
(測定条件)
測定温度範囲:50℃〜200℃
昇温速度:2℃/分
周波数:6.28ラジアン/秒
測定間隔:15秒
印加歪:自動測定モード(初期値:0.1%)
伸長補正:自動測定モード
上記のようにして得られたG’温度依存性曲線から、溶融初期温度TMA(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×108Paのトナーの温度)及び溶融終期温度TMB(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×105Paのトナーの温度)を読み取った。
<ΔH1及びΔH2の測定方法>
測定装置として、TG−DSCシステム(株式会社リガク製「TAS−100」)を使用した。この測定装置を用いて2回の昇降温試験を行うことにより、トナー(測定対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)の吸熱曲線を測定して、得られた吸熱曲線からトナーのΔH1及びΔH2を求めた。具体的には、トナー10mgをアルミ皿(アルミニウム製の容器)に入れて、そのアルミ皿を測定装置の測定部にセットした。吸熱曲線の測定では、測定部の温度を、測定開始温度20℃から150℃まで10℃/分の速度で昇温させた(RUN1)。RUN1により、1回目昇温時のトナーの吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を得た。その後、測定部の温度を150℃から20℃まで100℃/分の速度で降温させた。温度20℃になってから10分間、温度20℃のまま保った(1回目測定と2回目測定とのインターバル)。続けて、測定部の温度を再び20℃から150℃まで10℃/分の速度で昇温させた(RUN2)。RUN2により、2回目昇温時トナーの吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を得た。上記のようにして得た1回目昇温時トナーの吸熱曲線と2回目昇温時トナーの吸熱曲線との各々から、トナーのΔH1及びΔH2(それぞれ、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量)を読み取った。トナーのΔH1は、1回目昇温時トナーの吸熱曲線におけるCPES吸熱ピークの面積から求めた。トナーのΔH2は、2回目昇温時トナーの吸熱曲線におけるCPES吸熱ピークの面積から求めた。そして、ΔH2をΔH1で除して、トナーのCPES結晶性指数(ΔH2/ΔH1)を求めた。
[評価方法]
各試料(トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9)の評価方法は、以下のとおりである。
(耐熱保存性)
トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)2gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて、その容器を、温度60℃に設定された恒温槽内に3時間静置した。その後、恒温槽から取り出したトナーを室温(約25℃)まで冷却して、評価用トナーを得た。
続けて、得られた評価用トナーを、質量既知の140メッシュ(目開き105μm)の篩に載せた。そして、評価用トナーを含む篩の質量を測定し、篩上のトナーの質量(篩別前のトナーの質量)を求めた。続けて、粉体特性評価装置(ホソカワミクロン株式会社製「パウダテスタ(登録商標)」)に上記篩をセットし、パウダテスタのマニュアルに従い、レオスタッド目盛り5の条件で30秒間、篩を振動させ、評価用トナーを篩別した。篩別後、篩を通過せずに篩上に残留したトナーの質量(篩別後のトナーの質量)を測定した。そして、篩別前のトナーの質量と、篩別後のトナーの質量とに基づいて、次の式に従ってトナー凝集度(単位:質量%)を求めた。
トナー凝集度=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
トナー凝集度が20質量%以下であれば○(良い)と評価し、トナー凝集度が20質量%超であれば×(良くない)と評価した。
(低温定着性)
現像剤用キャリア(FS−C5200DN用キャリア)100質量部と、トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)5質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。
評価機としては、Roller−Roller方式の加熱加圧型の定着装置を有するプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5200DN」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機の現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9のいずれか)を評価機のトナーコンテナに投入した。
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、上記評価機を用いて、評価用紙(モンディ社製「ColorCopy(登録商標)」、A4サイズ、坪量90g/m2)に、線速105mm/秒、トナー載り量1.3mg/cm2の条件で、大きさ25mm×25mmの黒色のソリッド画像(詳しくは、未定着のトナー像)を形成した。続けて、画像が形成された紙を評価機の定着装置に通した。
最低定着温度の評価では、定着温度の測定範囲が100℃以上150℃以下であった。詳しくは、定着装置の定着温度を150℃から2℃ずつ下げながら各定着温度について定着の可否を判定し、ソリッド画像(トナー像)を紙に定着できる最低温度(最低定着温度)を測定した。トナーを定着させることができたか否かは、以下に示すような折擦り試験で確認した。詳しくは、定着装置に通した評価用紙を、画像を形成した面が内側となるように半分に折り曲げ、布帛で被覆した1kgの真鍮製の分銅を用いて、折り目上の画像を5往復摩擦した。続けて、紙を広げ、紙の折り曲げ部(ソリッド画像が形成された部分)を観察した。そして、折り曲げ部のトナーの剥がれの長さ(剥がれ長)を測定した。剥がれ長が1mm以下となる定着温度のうちの最低温度を、最低定着温度とした。最低定着温度が130℃以下であれば○(良い)と評価し、最低定着温度が130℃を超えれば×(良くない)と評価した。
(ドキュメントオフセット)
低温定着性の評価において形成したソリッド画像のうち、最低定着温度(例えば、トナーTA−1では126℃)で定着させたソリッド画像(定着後のトナー像)について、ドキュメントオフセットを評価した。詳しくは、画像(最低定着温度で定着させたトナー像)が形成された紙2枚を、画像が形成された面を接触させた状態で重ねた。一方の紙に形成された画像が、他方の紙の画像部及び非画像部の両方に接触するように重ねた。そして、重ねた2枚の紙を台の上に置き、荷重を加えた。重ねた2枚の紙に16g/cm2の圧力が加わった状態で、2枚の紙を、温度75℃に設定されたオーブン内に1時間静置した。その後、オーブンから取り出した2枚の紙を、室温(約25℃)雰囲気に30分間静置した。その後、重ねた2枚の紙を引き剥がして、各紙の画像の状態を確認し、次の基準に従ってドキュメントオフセットを評価した。
○(良い):2枚の紙のいずれにおいても画像欠損がなかった。
×(良くない):2枚の紙のうち少なくとも一方で画像欠損が生じていた。
[評価結果]
各試料(トナーTA−1〜TA−6及びTB−1〜TB−9)についての評価結果を、表3に示す。表3中、「L−定着」は低温定着性を、「保存性」は耐熱保存性を、「D.O.」はドキュメントオフセットを、それぞれ意味する。表3に示される評価結果は、低温定着性については最低定着温度、耐熱保存性についてはトナー凝集度、ドキュメントオフセットについては画像欠損の有無(○:無し、×:有り)である。
Figure 2019020690
トナーTA−1〜TA−6(実施例1〜6に係るトナー)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。詳しくは、トナーTA−1〜TA−6ではそれぞれ、トナー粒子が、非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とスチレン−アクリル酸系樹脂とを含有していた。結晶性ポリエステル樹脂は、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとアクリル酸系モノマーとスチレン系モノマーとを含む単量体の重合物(詳しくは、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとフマル酸とスチレンとメタクリル酸n−ブチルとの重合物)であった(前述の「結晶性ポリエステル樹脂CPES−1の調製方法」参照)。溶融初期温度TMA(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×108Paのトナーの温度)が55℃以上であり、溶融終期温度TMB(詳しくは、貯蔵弾性率1.0×105Paのトナーの温度)が80℃以下であった(表2参照)。トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散径は、100nm以上500nm以下であった(表2参照)。トナーのCPES結晶性指数(ΔH2/ΔH1)が0.80以上であった(表2参照)。すなわち、トナーの示差走査熱量分析により2回目昇温時に測定される、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量は、トナーの示差走査熱量分析により1回目昇温時に測定される、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量の80%以上であった。
表3に示されるように、トナーTA−1〜TA−6は、耐熱保存性、低温定着性、及び耐ドキュメントオフセット性に優れていた。
本発明に係るトナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。

Claims (7)

  1. 非結晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを含有するトナー粒子を、複数含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、スチレン−アクリル酸系樹脂をさらに含有し、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとアクリル酸系モノマーとスチレン系モノマーとを含む単量体の重合物であり、
    貯蔵弾性率1.0×108Paの前記トナーの温度が55℃以上であり、
    貯蔵弾性率1.0×105Paの前記トナーの温度が80℃以下であり、
    前記トナー粒子中の前記結晶性ポリエステル樹脂の分散径は、100nm以上500nm以下であり、
    前記トナーの示差走査熱量分析により2回目昇温時に測定される、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量は、前記トナーの示差走査熱量分析により1回目昇温時に測定される、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶化部位に由来する吸熱ピークの吸熱量の80%以上である、トナー。
    [前記示差走査熱量分析の測定条件は、測定範囲20℃〜150℃、昇温速度10℃/分、降温速度100℃/分、1回目と2回目とのインターバル10分間である。]
  2. 温度30℃の前記トナーの貯蔵弾性率は3.0×108Pa以上であり、
    貯蔵弾性率1.0×108Paの前記トナーの温度が55℃以上60℃以下であり、
    貯蔵弾性率1.0×105Paの前記トナーの温度が75℃以上80℃以下である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナー粒子中の前記結晶性ポリエステル樹脂の量は、前記非結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して10質量部以上20質量部以下であり、
    前記トナー粒子中の前記スチレン−アクリル酸系樹脂の量は、前記非結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して30質量部以上50質量部以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記スチレン−アクリル酸系樹脂のSP値は前記結晶性ポリエステル樹脂のSP値よりも小さく、
    前記スチレン−アクリル酸系樹脂のSP値と前記結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差は、前記非結晶性ポリエステル樹脂のSP値と前記結晶性ポリエステル樹脂のSP値との差よりも小さい、請求項3に記載のトナー。
  5. 前記トナーは、粉砕トナーであり、
    前記非結晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分として、炭素数2以上6以下の脂肪族ジオールを含み、ビスフェノールを含まず、酸成分として、芳香族ジカルボン酸を含み、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分としても酸成分としても、芳香族モノマーを含まない、請求項3又は4に記載のトナー。
  6. 前記非結晶性ポリエステル樹脂は、1,2−プロパンジオールと芳香族ジカルボン酸と3価カルボン酸とを含む単量体の重合物であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、α,ω−アルカンジオールと2価カルボン酸とスチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含む単量体の重合物であり、
    前記スチレン−アクリル酸系樹脂は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルと架橋剤とを含む単量体の重合物である、請求項3又は4に記載のトナー。
  7. 正帯電性トナーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
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