JP6825554B2 - トナー - Google Patents
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Description
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態のトナーは、複数個のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含有する粉体である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤として使用してもよい。
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。なお、説明の容易化のため、図1に示すトナー粒子1が外添剤を備えないトナー粒子である場合について説明する。
次に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
コアは、成分の大部分(例えば、80質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、酸価、Tm等)を調整することができる。
コアは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
コアは、複数個の離型剤ドメインを含有する。離型剤ドメインを構成する離型剤は、酸価4mgKOH/g以下の離型剤である限り特に限定されない。保管時のトナーの凝集をより抑制しつつ、耐ホットオフセット性をより高めるためには、離型剤ドメインの量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
コアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
コアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された材料が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
シェル層は、化合物(1)を少なくとも含む単量体の重合物を含有する。シェル層を構成する重合物として、化合物(1)と、他のビニル化合物とを共重合させた重合物を用いても良い。なお、ビニル化合物は、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された基を有する化合物(より具体的には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等)である。ビニル化合物は、上記ビニル基等に含まれる炭素−炭素二重結合(C=C)により付加重合して、高分子(樹脂)になり得る。
トナー粒子は、外添剤(複数個の外添剤粒子)を更に備えてもよい。外添剤の外添方法としては、例えば、図1に示すトナー粒子1をトナー母粒子として用い、このトナー母粒子(粉体)と外添剤粒子(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させる方法が挙げられる。
以下、本実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。
コアの製造方法としては、例えば、凝集法及び粉砕法が挙げられる。
続けて、水性媒体(例えば、イオン交換水)に、コアと、シェル材料(例えば、オキサゾリン基含有高分子水溶液)とを添加する。
テトラヒドロフラン50mLに、試料5gを溶解させ、指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴加えた後、0.1モル/Lの水酸化カリウム水溶液で滴定を行なった。試料としては、後述する結着樹脂、離型剤RA、離型剤RB及び離型剤RCをそれぞれ用いた。結着樹脂については、後述するコア中の質量比に応じて、4.2gの非結晶性ポリエステル樹脂PA(後述する方法で合成した非結晶性ポリエステル樹脂)と0.8gの結晶性ポリエステル樹脂PB(後述する方法で合成した結晶性ポリエステル樹脂)とを混合した試料を用いた。試料溶液の色が無色から紫色に変化した点を終点とし、終点に達するまでに要した水酸化カリウム水溶液の量と滴定に供した試料の質量とから、酸価(単位:mgKOH/g)を算出した。
[植物由来の1,2−プロパンジオールの調製]
まず、植物油脂であるパーム油を加水分解してグリセリンを得た。具体的には、反応容器に、パーム油と、このパーム油を完全に鹸化させるために必要な量の2倍の量の水酸化ナトリウム水溶液(濃度10質量%)とを添加した。続けて、温度150℃で容器内容物を加熱して、パーム油(植物油脂)を完全に鹸化させた。鹸化後の容器内容物からグリセリン水溶液を分離し、得られたグリセリン水溶液を蒸留した。蒸留後のグリセリンに対して活性炭処理を施し、グリセリンを精製した。
攪拌機(アズワン株式会社販売「SM―104」)、窒素導入管、熱電対、脱水管、及び精留塔を備えた容量5Lの4つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器内に、上記のようにして調製した植物由来の1,2−プロパンジオール1142g(アルコール成分)と、テレフタル酸1743g(カルボン酸成分)と、ジオクタン酸スズ(II)4g(縮合触媒)とを加えた。反応により生成される水を除去しながら、窒素雰囲気の大気圧下、温度230℃で15時間、容器内容物を反応させた。その後、容器内の圧力を8.3kPaまで減圧して、圧力8.3kPaかつ温度230℃の条件で更に1時間、容器内容物を反応させた。
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、1,6−ヘキサンジオール1320g(アルコール成分)と、1,10−デカンジカルボン酸2300g(酸成分)と、酸化ジブチル錫4g(縮合触媒)と、ヒドロキノン3g(重合抑制剤)とを加えた。続けて、反応により生成される水を除去しながら、温度200℃かつ大気圧下でフラスコ内容物を5時間反応させた。次いで、減圧雰囲気(圧力1.3kPa)かつ温度200℃の条件で、フラスコ内容物を1時間反応させた。反応終了後、フラスコ内容物を取り出し、冷却した。その結果、軟化点(Tm)90℃、融点(Mp)75℃、結晶性指数(Tm/Mp)1.20の結晶性ポリエステル樹脂PBが得られた。
[コアCA−1の作製]
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂PAと、20質量部の結晶性ポリエステル樹脂PBと、10質量部の離型剤RA(日本精蝋株式会社製パラフィンワックス「HNP−5」)と、5質量部の着色剤(カーボンブラック:三菱化学株式会社製「MA−100」)と、1質量部の電荷制御剤(4級アンモニウム塩:オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)とを混合した。続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度100g/分、スクリュー回転速度150rpm、シリンダー温度140℃の条件で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を冷却した。続けて、冷却された溶融混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(コアンダ効果を利用した分級機:日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7.0μmのコアCA−1が得られた。
フリーモードミキサー(日工株式会社製「FM−10」)を用いて、回転速度120rpmの条件で、100質量部のコアCA−1と、固形分換算で1質量部のオキサゾリン基含有高分子水溶液(株式会社日本触媒製「エポクロスWS−300」)と、99質量部のイオン交換水とを、20分間混合した。温度計及び攪拌羽根を備えたフラスコに得られた混合物を入れた後、この混合物中の固形分濃度が20質量%になるようにイオン交換水をフラスコに加えた。次いで、回転速度120rpmでフラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内の温度を0.5℃/分の速度で60℃まで昇温させた。フラスコ内の温度が60℃に到達した後、1質量部の酢酸水溶液(濃度1質量%)を加え、更に、フラスコ内の温度を60℃に保ちながら、回転速度120rpmでフラスコ内容物を1時間攪拌し続けた。
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。次いで、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた後、ブフナー漏斗を用いてろ過した。更に、再分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、トナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子の粉体が得られた。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3000rpmかつジャケット温度20℃の条件で、100質量部のトナー母粒子と、1.2質量部のシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」、トリメチルシリル基とアミノ基とで表面修飾した乾式シリカ粒子、個数平均一次粒子径:12nm)と、0.8質量部の導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」、基体:酸化チタン粒子、被覆層:SbドープSnO2膜、体積中位径(D50):0.35μm)とを、2分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子及び導電性酸化チタン粒子)を付着させた。続けて、得られた粉体を、300メッシュ(目開き48μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTA−1が得られた。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCA−2を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTA−2を得た。コアCA−2は、2軸押出機のスクリュー回転速度を100rpmとしたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCA−3を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTA−3を得た。コアCA−3は、10質量部の離型剤RAの代わりに10質量部の離型剤RB(日本精蝋株式会社製パラフィンワックス「PARACOHL−5001」)を用いたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCA−4を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTA−4を得た。コアCA−4は、2軸押出機のスクリュー回転速度を100rpmとしたことと、10質量部の離型剤RAの代わりに10質量部の離型剤RBを用いたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCB−1を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTB−1を得た。コアCB−1は、2軸押出機のスクリュー回転速度を170rpmとしたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCB−2を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTB−2を得た。コアCB−2は、2軸押出機のスクリュー回転速度を70rpmとしたことと、10質量部の離型剤RAの代わりに10質量部の離型剤RBを用いたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCB−3を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTB−3を得た。コアCB−3は、2軸押出機のスクリュー回転速度を100rpmとしたことと、10質量部の離型剤RAの代わりに10質量部の離型剤RC(日本精蝋株式会社製パラフィンワックス「NPS−6010」)を用いたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCB−4を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTB−4を得た。コアCB−4は、2軸押出機のスクリュー回転速度を70rpmとしたことと、10質量部の離型剤RAの代わりに10質量部の離型剤RCを用いたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCB−5を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTB−5を得た。コアCB−5は、10質量部の離型剤RAの代わりに10質量部の離型剤RCを用いたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
シェル層形成工程において、100質量部のコアCA−1の代わりに100質量部のコアCB−6を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の手順により、多数個のトナー粒子を含む正帯電性のトナーTB−6を得た。コアCB−6は、2軸押出機のスクリュー回転速度を170rpmとしたことと、10質量部の離型剤RAの代わりに10質量部の離型剤RCを用いたこと以外は、コアCA−1の作製と同様の手順により得た。
[離型剤ドメインの分散径]
評価対象のトナーを光硬化性のエポキシ樹脂(東亞合成株式会社製「アロニックス(登録商標)LCR D−800」)中に十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気下、紫外線照射しながら2日間硬化させた。硬化後、ダイヤモンドナイフをセットしたミクロトームを用いて得られた硬化物を切削することで厚さ250μmの薄片を作製した。得られた薄片を、銅メッシュ上で四酸化ルテニウム水溶液(濃度0.5質量%)の蒸気中に10分間暴露して染色した。染色された薄片の断面を、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7401F」)にて、倍率5000倍で撮影した。断面撮影像を画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)で解析し、断面撮影像中のトナー粒子に含まれる離型剤ドメインの分散径(直径)を測定した。なお、離型剤ドメインの断面が真円でない場合には、円相当径(離型剤ドメインの投影面積と同じ面積を有する円の直径)を分散径の計測値とした。断面撮影像中の100個の離型剤ドメインの分散径をそれぞれ測定し、得られた100個の測定値の個数平均値を、評価対象のトナーの測定値(離型剤ドメインの分散径)とした。結果を表1に示す。なお、表1において、「分散径」は、離型剤ドメインの分散径を表す。
容器に評価対象のトナー1gとヘキサン20mLとを入れた後、これらをスターラーにより10分間攪拌し、トナー粒子表層の離型剤をヘキサン中へ溶出させた後、ろ過した。次いで、ろ過後の固形物の全量を温度40℃の乾燥機中で12時間乾燥させた。示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、乾燥後の固形物(ヘキサンで溶出した後のトナー)の全量を温度20℃から昇温速度10℃/分で150℃まで昇温させ、次いで150℃から20℃まで降温速度10℃/分で急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定されるDSC曲線の融解熱量から、ヘキサンで溶出した後のトナー中の離型剤の熱容量を計算した。別途、ヘキサンで溶出していない評価対象のトナー1gについても、同様の方法でトナー中の離型剤の熱容量を計算した。そして、ヘキサンによる溶出前後の離型剤の熱容量の差、及び使用した離型剤の比熱からトナー粒子表層の離型剤の露出量(ヘキサンで溶出された量)を得た後、トナー1gに対するトナー粒子表層の離型剤の露出量の割合(質量%)を算出した。得られた算出値をトナー粒子表層の離型剤の含有量とした。結果を表1に示す。トナー粒子表層の離型剤の含有量が3質量%以上10質量%以下のトナーの場合、保管時のトナーの凝集が抑制され、かつ耐ホットオフセット性に優れる傾向がある。
評価対象のトナーを作製する際に用いたトナー母粒子を銅メッシュ上で四酸化ルテニウム水溶液(濃度0.5質量%)の蒸気中に10分間暴露して染色した。続けて、染色されたトナー母粒子の表面を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて、倍率50000倍で撮影した。得られたTEM撮影像(トナー母粒子の表面撮影像)を、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて解析することにより、離型剤ドメインの露出面積割合を測定した。詳しくは、TEM撮影像(トナー母粒子の表面撮影像)において、コアの表面領域のうち、シェル層に覆われずに離型剤ドメインが露出している領域の割合を計測した。TEM撮影像中の100個のトナー母粒子について、それぞれ離型剤ドメインの露出面積割合を計測し、得られた100個の測定値の個数平均値を、評価対象のトナーの測定値(離型剤ドメインの露出面積割合)とした。結果を表1に示す。離型剤ドメインの露出面積割合が10%以上20%以下のトナーの場合、保管時のトナーの凝集が抑制され、かつ耐ホットオフセット性に優れる傾向がある。なお、離型剤ドメインの露出面積割合は、評価対象のトナーから外添剤を取り除いた後のトナー母粒子の表面を、上記と同様に観察し、解析することによっても測定可能である。
評価対象のトナー20gを容量20mLのポリエチレン製容器に入れて、トナーに0.01kgf/mm2の応力を加えた。そして、容器内でトナーに0.01kgf/mm2の応力を加えた状態で、その容器を25℃に設定された恒温槽内に3時間静置した。3時間静置後、恒温槽からトナーを取り出して、これを評価用トナーとした。
トナーの凝集度=100×篩別後のトナーの質量/篩別前のトナーの質量
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製プリンター「FS−C5200DN」用キャリア)100質量部と、評価対象のトナー5質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。
2 コア
3 シェル層
21 結着樹脂
22 離型剤ドメイン
Claims (7)
- コアと、前記コアの表面を部分的に覆うシェル層とを備えるトナー粒子を、複数個含むトナーであって、
前記コアは、結着樹脂及び複数個の離型剤ドメインを含有し、
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含み、
前記離型剤ドメインを構成する離型剤の酸価は、4mgKOH/g以下であり、
前記離型剤ドメインの分散径は、300nm以上700nm以下であり、
前記シェル層は、下記式(1)で表される化合物を少なくとも含む単量体の重合物を含有し、
前記コアの表面領域のうち、前記離型剤ドメインが前記シェル層で覆われず露出している領域の面積割合は、10%以上20%以下であり、
前記離型剤ドメインを構成する離型剤は、パラフィンワックスである、トナー。
- 前記結着樹脂の酸価は、10mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である、請求項1に記載のトナー。
- 前記結着樹脂は、前記ポリエステル樹脂として、非結晶性ポリエステル樹脂を含む、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記非結晶性ポリエステル樹脂は、植物由来の1,2−プロパンジオール及びテレフタル酸を含む単量体の重合物である、請求項3に記載のトナー。
- 前記結着樹脂は、前記ポリエステル樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を更に含む、請求項3又は4に記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂は、1,6−ヘキサンジオール及び1,10−デカンジカルボン酸を含む単量体の重合物である、請求項5に記載のトナー。
- 正帯電性トナーである、請求項1〜6の何れか一項に記載のトナー。
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