JP2018533578A - グルコース代謝改善のための方法及び組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、個体のグルコースクリアランスを促進するための組成物、方法、及びキットに関する。詳細には、本組成物、方法、及びキットは、限定されるものではないが、特にインスリン抵抗性あるいは2型糖尿病の治療に有用である。本発明は、個体における血中グルコースクリアランスを促進する方法であって、該個体にSMOC1を投与することを含んでいる方法を提供する。好ましくは、該個体は血中からグルコースを取り除く能力が損なわれている者である。典型的には、この個体は、インスリン抵抗値を示す。

Description

本出願は、オーストラリア仮特許出願第2015904460号明細書の優先権を請求し、その全内容は本明細書にその全体が援用される。
本発明は、個体のグルコースクリアランスを促進するための組成物、方法、及びキットに関する。詳細には、本組成物、方法、及びキットは、限定されるものではないが、特にインスリン抵抗性あるいは2型糖尿病の治療に有用である。
インスリン抵抗性(IR)とは、インスリンホルモンのグルコースを低減させる効果への感度が身体の細胞において低くなる状態のことである。インスリン抵抗性の通常の根本原因は、ほぼ特定されていないが、遺伝的及び後天的両方の影響が関与しているものと思われる。身体的に非活動的であること、腹部肥満、食習慣(例えば、高カロリー摂取)、薬物(例えば、コルチゾール)、高血糖症(ブドウ糖毒性)、遊離脂肪酸の増加などの環境要因、また加齢も寄与しているものと思われる。インスリン抵抗性のもっとも一般的な型は、メタボリックシンドロームとして知られている状態を招く肥満と関連している。
インスリン抵抗のある人において、通常レベルのインスリンでは、同様の血糖値の制御効果を持たない。インスリン抵抗性の補償相の期間、インスリン濃度はより高く、血糖値はほぼ維持されている。よって、インスリン抵抗性のあるほとんどの人は、血中の糖の値は正常値であるが、血中インスリンの濃度が高い。もし、補償的なインスリン分泌がなければ、空腹時(空腹時血糖異常)あるいは食後(耐糖能異常)の血糖濃度が上がる。抵抗性が上昇し、補償的なインスリン分泌が無い結果として、日中を通じて血糖値がより高くなる時、最終的に、2型糖尿病が起こる。
前糖尿病の段階では、インスリンは、グルコース代謝を活性化する効果がより低くなる。前糖尿病は糖尿病の兆候が明らかになる20年も前に検出できる。患者は、典型的にはほとんど兆候を示さないにもかかわらず、この段階で長期の生理学的損傷をすでに起こしつつあることが研究によって示されている。これらの患者の60%が10年以内に2型糖尿病を発症する。
糖尿病は、インスリン製造が不充分であるか、あるいは身体がインスリンに対し適切な応答ができないことにより引き起こされる代謝性疾患である。インスリンは、膵臓によって作られ、ブドウ糖の血中から細胞中への取込みを制御し、肝臓のブドウ糖製造を禁ずる主要なホルモンである。それ故、インスリン製造不足又はその働きに対する非感受性が、すべての型の糖尿病において主要な役割を果たしている。インスリン不足、インスリン受容体の非感受性、又はこの両方の組み合わせが、両1型及び2型糖尿病において主要な役割を果たしている。1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島にあるインスリン製造細胞の数の減少によって引き起こされる。2型糖尿病は、インスリンが身体細胞へ入り込むのを仲介するインスリンレセプターの機能の喪失又は低下によって引き起こされるインスリンに対する身体の抵抗に因ると概ね特徴づけられる。2型糖尿病は、通常、高血圧、脂質異常症(高LD1コレステロール、低HDLコレステロール、及び高トリグリセリドを含む)及び凝固性亢進病など他の疾患と合併して起こる。これら全ての問題は、肥満、特に腹部肥満と関連し起こる。
インスリン反応異常及び/又はグルコース代謝に関連した状態に対する新規の及び/又は改良された治療の必要がある。
本明細書中の任意の先行技術への言及は、いずれかの管轄権において、この先行技術が通常の一般知識を形成するものと認知又は提唱するものでなく、あるいはこの先行技術が当業者によって当然に理解されると期待できる、関連するとみなされる及び/又は他の先行技術と組み合わせられることを認知又は提唱するのもではない。
本発明は、個体における血中グルコースクリアランスを促進する方法であって、SMOC1、SMOC1を含む融合タンパク質、又はそれらの生物学的に活性な変異体又は類似体をその個体に投与することにより、その個体における血中グルコースクリアランスを促進する方法である。
本発明は、個体における血糖を減少させるか又は除くことを促進する方法であって、該個体へSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を投与することを含みそれによって個体における血糖を減少させるか又は除くことを促進する方法を提供する。
好ましくは、該個体は血中から糖を取り除く能力が不全である。典型的には、該個体はインスリン抵抗値を示す。
本発明は、個体において血中グルコースクリアランスを促進する方法であり、該方法が、
(a)血中から糖を取り除く能力が不全であるか又は(b)空腹時SMOC1の値が上昇している個体を特定すること、
該個体にSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を投与しそれによって個体におけるグルコースクリアランスを促進すること、
を含んでいる方法を提供する。
本発明は、また、個体において血糖コントロールを増強する方法であり、該方法が該個体へSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を投与することを含みそれによって個体における血糖コントロールを増強する方法を提供する。
本発明は、また、個体において上昇した血糖値と関連する又はそれに起因する疾患を治療又は予防する方法であり、該方法が該個体へSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を投与することを含みそれによって上昇した血糖値と関連する又はそれに起因する疾患を治療又は予防する方法を提供する。
本発明は、血中グルコースクリアランスを促進する方法を提供するが、該方法は患者に組成物を投与する工程を含み、該組成物がSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体及び薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、又は担体を備えているか、本質的にそれらからなるか、又はそれらから成るものである。
ここで述べられている本発明のいずれの方法又は使用において、SMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体は全身的に投与してもよい。あるいは、SMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体は経口投与用に処方し、ここで述べられている本発明の方法又は使用において経口的に投与してもよい。
本発明は、SMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体及び薬学的に許容された希釈剤、賦形剤、又は担体を含む、個体において血中グルコースクリアランス促進するための薬学的組成物を提供する。一つの実施形態において、該組成物に存在する唯一の活性成分はSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体である。
本発明は、活性成分としてSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を含み又薬学的に許容された希釈剤、賦形剤、又は担体を含む、個体において血中グルコースクリアランス促進するための薬学的組成物を提供する。一つの実施形態において、該組成物に存在する唯一の活性成分はSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体である。
本発明は、主要成分としてSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を含み又薬学的に許容された希釈剤、賦形剤、又は担体を含む、個体において血中グルコースクリアランス促進するための薬学的組成物を提供する。一つの実施形態において、該組成物に存在する唯一の活性成分はSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体である。
本発明は、また、血中から糖を取り除く能力が不全である個体の治療において用いられるためのSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を提供する。
本発明は、また、SMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を含み又薬学的に許容された希釈剤、賦形剤、又は担体を含む、個体において、血中グルコースクリアランス促進するため又は血糖を減少させるか又は除くことを促進するために使用される薬学的組成物を提供する。
本発明は、また、その薬剤を必要とする個体において、血中グルコースクリアランス促進するための薬剤の製造にSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体の使用を提供する。
本発明は、また、(a)血中から糖を取り除く能力が不全であるか、(b)空腹時SMOC1の値が上昇しているか、又は(c)ここで述べられているその他の状態あるいは疾病を有する個体の治療用に用いられる、SMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を含んでいる組成物を提供する。
本発明は、また、SMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を含みまた薬学的に許容された担体、希釈剤、又は賦形剤を含んでいる組成物を提供する。
本発明は、また、主要成分として又は活性成分としてSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を含んでいる組成物を提供する。好ましくは、該組成物における唯一の活性成分はSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体である。
本発明は、また、SMOC1のアミノ酸配列、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を含んでいる融合タンパク質を提供する。好ましくは、該融合タンパク質は第一のSMOC1のアミノ酸配列及び第二のSMOC1のアミノ酸配列、その生物学的に活性のある変異体又は類似体を含んでいる。
本発明は、また、抗体のFc部分及びSMOC1タンパク質を含む融合タンパク質を提供する。該SMOC1タンパク質は、SMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体であってよい。該Fc部分は、例えば、IgG1又はIgG2抗体などヒトIgG抗体由来であってよい。
本発明は、また、配列番号3(SMOC1−Fc、IgG1)に示されている配列を含んでいるか又はそれから成る融合タンパク質、あるいはその生物学的に活性のある変異体又は類似体を提供する。該融合タンパク質の生物学的に活性のある変異体又は類似体は、例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列番号3に示されている配列の同一性を有する。該生物学的に活性のある変異体又は類似体も、グルコースクリアランスを促進する能力を維持している。
本発明は、また、配列番号4に示されている核酸配列を含んでいるか、本質的にその配列から成るか、その配列から成る核酸を提供する。
本発明は、また、配列番号4に示されている核酸配列を含んでいるベクター、好ましくは、発現ベクターを提供する。
本発明は、また、配列番号4に示されている核酸配列を含んでいるか、本質的にその配列から成るか、その配列から成る宿主細胞、又は配列番号4に示されている核酸配列を含んでいるベクター、好ましくは発現ベクター、を提供する。
本発明は、また、2型糖尿病であるか同病を発現するリスクがある個体を診断する方法であり、
該方法が、2型糖尿病であるかを診断すべき個体の末消血液の試験サンプルを提供し、
試験サンプルのSMOC1値を評価しそれによって試験サンプルの情報を形成すること、
2型糖尿病を有さない個体の末消血液中のSMOC1値データを含む対照プロファイルを提供すること、
試験サンプルプロファイルと対照プロファイル間でSMOC1濃度に違いがあるかどうかを同定するために試験サンプルプロファイルを対照プロファイルと比較すること、
試験サンプルプロファイルのSMOC1濃度が対照プロファイルより高い場合前記個体が2型糖尿病ではある又は同病気を発症するリスクがあることを決定すること、
試験サンプルプロファイルのSMOC1濃度が対照プロファイルのものと同じか又は低い場合前記個体が2型糖尿病ではない又は同病気を発症するリスクがないことを決定すること、
を含む、2型糖尿病であるか又は同病気を発症するリスクのある個体であるか診断する方法を提供する。
本発明は、また、2型糖尿病であるか同病を発現するリスクがある個体を診断する方法であり、該方法が、
2型糖尿病であるかを診断すべき個体の末消血液の試験サンプルを提供すること、
試験サンプルのSMOC1濃度を評価しそれによって試験サンプルプロファイルをすること、
2型糖尿病を有する個体の末消血液中のSMOC1濃度データを含む対照プロファイルを提供すること、
試験サンプルプロファイルと対照プロファイル間でSMOC1濃度に違いがあるかどうかを同定するために試験サンプルプロファイルを対照プロファイルと比較すること、
試験サンプルプロファイルのSMOC1濃度が対照プロファイルより低い場合前記個体が2型糖尿病ではない又は同病気を発症するリスクがないことを決定すること、
試験サンプルプロファイルのSMOC1濃度が対照プロファイルのものと同じか又は高い場合前記個体が2型糖尿病であるか又は同病気を発症するリスクがあることを決定することを含む、
2型糖尿病であるか又は同病気を発症するリスクのある個体であるか診断する方法を提供する。
ここで用いられているように、特に特定していない場合、SMOC1は、例えば、抗体のFc部分及びSMOC1含む融合タンパク質など、SMOC1を含む融合タンパク質も内包する。
本発明のいずれかの態様において、該個体は、これまで血中から糖を取り除く能力が不全であると同定された者、インスリン抵抗性を示す者及び/又は2型糖尿病と診断された者である。
本発明のいずれかの態様において、該個体は、これまで高い循環インスリン及び/又はSMOC1値を示すと同定された者である。好ましくは、高まっている循環インスリン及び/又はSMOC1値は空腹状態又は基底レベルでの値である。
本発明のいずれかの態様において、SMOC1は、該個体において空腹時又は基底の血糖値が高まる前に投与してよい。典型的には、SMOC1は、食事又は摂食前に投与される。典型的には、SMOC1は、空腹時に投与される。好ましくは、SMOC1は4、3、2又は1時間カロリーを消費していない個体に投与される。
本発明のいずれかの態様において、SMOC1は、ヒトSMOC1であってよい。好ましくは、ヒトSMOC1は配列番号1に示されるアミノ酸配列を有している。
本発明のいずれかの態様において、SMOC1は、単離されていても、組み替えであっても、合成でも、精製されていても、又は部分的に精製されていてもよい。
上記発明のいずれかの記述において、SMOC1は、またSMOC1の生物学的に活性のある変異体又は類似体をも内包していてよい。SMOC1の生物学的に活性のある変異体又は類似体、好ましくはヒトSMOC1は、例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列番号1と同一配列を有するポリペプチドであり、また生体活性又はグルコースクリアランスを促進する能力を保っている。グルコースクリアランスを促進する能力はここで述べられているいずれの方法によってもあるいは当分野でよく知られている方法によっても測定することができる。
ここで用いられているように、文脈上、他の意味に解すべき場合を除き、用語「comprise(含む)」及び「comprising(含んでいる)」、「comprises(含む)」や「comprised(含まれた)」などのその用語の変化形に、添加剤、成分、完全体、又は工程を除外する意図はない。
本発明の更なる態様及び前述のパラグラフにおいて述べられた態様の更なる実施形態は、添付図面及び例示で示すことにより、以下の記述から明らかになるであろう。
SMOC1はマウスへのグルコース投与によって肝臓により分泌され誘発される。(A)12週齢のC57Bl/6J雄マウスに固形飼料又は高脂質飼料(HFD)を6週間与えた。肝細胞を単離しiTRAQタンパク質標識とタンデム質量分析法により、肝臓からのタンパク質分泌を評価した。(B)C57Bl/6J雄マウスにグルコース(2g/体重(kg))を注射し、血液サンプルを尻尾を切って得、遠心分離後血漿が収集され、SMOC1タンパク質が免疫ブロット法により分析され、タンパク質負荷に正規化された(stain−freeゲル、N=3マウス) 腹腔内グルコース投与に応答する血漿グルコースにおけるSMOC1の効果。 (A)固形飼料(Lean)又は(B)高脂質飼料(HFD)が与えられた12週齢のC57Bl/6J雄マウス。グルコース投与の2時間前にSMOC1又は対照溶液を注射した。血液サンプルがグルコース投与(2g/体重(kg))前(0分)と投与後15分ごとに採取した。2回の個別実験(Lean:n=9対照、n=10SMOC1、HFD:n=5対照、n=5SMOC1)の結果である。統計分析が、Bonferroniポストホック補正を伴う二元配置反復測定分散分析によりなされた。各測定時間の対照とSMOC1に対するP値(P<0.05)。 正常(lean)マウスにおける経口グルコース投与に応答する血漿グルコース及びインスリンにおけるSMOC1の効果。 固形飼料(Lean)が与えられた12週齢のC57Bl/6J雄マウス。グルコース投与の2時間前にSMOC1又は対照溶液を注射した。SMOC1投与の前(−120分)、グルコース投与の前(0分)及びグルコース投与(50μgグルコース)後15分ごとに血液サンプルを採取した。(A)血糖値、(B)血漿インスリン値、そして(C)血漿C−ペプチド値。2回の個別実験(n=9対照、n=10SMOC1)の結果である。統計分析が、Bonferroniポストホック補正を伴う二元配置反復測定分散分析によりなされた。各測定時間の対照とSMOC1に対するP値(P<0.05)。 肥満マウスにおける経口グルコース投与に応答する血漿グルコース及びインスリンにおけるSMOC1の効果。 高脂質飼料(HFD)が与えられた12週齢のC57Bl/6J雄マウス。SMOC1又は対照溶液がグルコース投与の2時間前に注射された。SMOC1投与の前(−120分)、グルコース投与の前(0分)及びグルコース投与(50μgグルコース)後15分ごとに血液サンプルを採取した。(A)血糖値、(B)血漿インスリン値、そして(C)血漿C−ペプチド値。2回の個別実験(n=8対照、n=7SMOC1)の結果である。統計分析が、Bonferroniポストホック補正を伴う二元配置反復測定分散分析によりなされた。各測定時間の対照とSMOC1に対するP値(P<0.05)。 グルコース投与に応答に血漿グルコースにおけるSMOC1及びSMOC1−fcの効果。 15週齢のC57Bl/6J雄マウス。SMOC1−his又はSMOC1−fc又は対照溶液が注射された。SMOC1/対照投与の前(−120分)、グルコース投与の前(0分)及びグルコース投与(2g/体重(kg))後15分ごとに血液サンプルを採取した。(A)SMOC1/対照注入直後の血糖、(B)SMOC1/対照注入の24時間後の血糖値、1回の実験(各群n=3)の結果である。統計分析が、Bonferroniポストホック補正を伴う二元配置反復測定分散分析によりなされた。各測定時間の対照とSMOC1−fcに対するP値(P<0.05)。 正常血糖の被験者と比較し2型糖尿病を有する個体にSMOC1を上方調整する。 糖尿病ではない肥満の人(正常血糖、n=12)と2型糖尿病の肥満の人(T2D、n=11)における血漿SMOC1値。正常血糖に対するP値(P<0.005)。 糖尿病のdb/dbマウスにおいてSMOC1が耐糖能を改善する。 (A)10週齢のdb/db雌マウス。SMOC1(3mg/kg)、タンパク質(標的リガンド)、又は対照タンパク質溶液をマウスの腹腔内に注射した。SMOC1/対照投与の前(−120分)、グルコース投与の前(0分)及びグルコース投与(50mg/マウス)後15分ごとに血液サンプルを採取した。試験対象間の5日間の無作為化交差法。対照n=14、SMOC1n=14。 (B)10週齢のdb/db雌マウス。マウスにGFPをコードするアデノ随伴ウィルス(AVV)又はSMOC1/GFP融合体をコードするAAVを静脈注射した。18週目に耐糖能が、(A)に述べられているように評価された。対照−AAVn=3、SMOC1−AAV(リガンド−AAV)n=3。
配列の概要
配列番号1 ヒトSMOC1アミノ酸配列の例。
配列番号2 ヒトSMOC1ヌクレオチド配列の例。
配列番号3 ヒトSMOC1−Fc−3’Hisアミノ酸配列。
配列番号4 ヒトSMOC1−Fc−3’Hisヌクレオチド配列。
本明細書に開示され定義されている本発明は、説明あるいは図示された個々の2以上の特徴の全ての組み合わせを含んでいることが理解されるであろう。これらの異なる組み合わせの全てが本発明の多様な変更態様を構成するものである。
本発明の実施形態の参照が詳細に以下に示されるであろう。本発明は実施形態とともに記述されるが、本発明がこれらの実施形態に限定するものではないことは理解されるであろう。逆に、本発明の全ての変更、修正及び等価物は、請求項に定義されている本発明の範囲内に含まれるものであり、本発明はそれらすべてを意図するものである。
ここに述べられている多くの方法と材料又はそれらの等価物が、本発明の実施において用いることができることを、当業者は理解するであろう。本発明は、記述された方法や材料にいかなる意味でも制限されるものではない。本明細書に開示され定義されている本発明は、説明あるいは図示された個々の2以上の特徴の全ての組み合わせを含んでいることが理解されるであろう。これらの異なる組み合わせの全てが本発明の多様な択一的態様を構成するものである。
ここに述べられている全ての特許及び出版物は、その内容の全てを参照により援用される。
本明細書を解釈するうえで、単数形が用いられている用語は複数形も含んでおりまたその逆もある。
血中から効率的にグルコース除去ができないことは、インスリン抵抗性(前糖尿病)及び2型糖尿病を有する個体の主な欠陥である。ここで述べられている結果は、SMOC1が正常インスリン感受性のマウス(lean)及び高脂質摂取により肥満になりインスリン抵抗性(前糖尿病)を有するマウスにおいてグルコースクリアランスを改善することができること示している。
いかなる理論又は実施様式に拘束されるものではないが、インスリン分泌を高めることによっては、SMOC1はこれらの優れた効果を引き起こすことはできず、むしろ、実験データはSMOC1が(1)インスリン増感剤又は(2)血糖値が上昇した時(食後など)にのみグルコースクリアランスの調節機構のいずれかとして働くとこを示している。その場合、本発明の方法や化合物は、インスリン刺激性血中グルコースクリアランスを増強することにも有用である。本発明の方法や化合物は、インスリンに対する感受性を増強することに用いることができる。グルコース取り込みの増加は、高血糖症又は糖尿病など糖値が高い個体あるいはグルコース恒常性の達成や維持が不充分な個体において血糖値を下げる手段を提供する。故に、本発明の方法及び化合物は、インスリン感受性を増強し血糖値を下げることにより高血糖症及び糖尿病の治療に有用である。
SMOC1は空腹状態で高血糖症(低血糖)、これが多くの既存の糖尿病薬の問題であるが、を引き起こすことなく血中グルコースクリアランスを強化するので、ここに述べられている本発明は、臨床的に意義があり有用である。言い換えるなら、SMOC1は個体の基礎グルコースの有意な減少を引き起こすことがない。
本発明の更なる優位点は、グルコースクリアランス又は排除において観察される有益な効果が、外的なインスリン又はC−ペプチド投与を必要としないことである。
グルコースの正常な調整の乱れは、例えば正常な血糖値と比べ高いか又は低いなど、血糖値の逸脱をもたらす。例えば、高血糖症、糖尿病の特徴である慢性的な血糖値上昇は、身体の種々の臓器、組織、及びシステムに多重な有害効果をもたらし得る。糖尿病、高血糖症、又は高い血糖値は、例えば、急速進行型アテローム性動脈硬化、増強する慢性心疾患、心筋梗塞、卒中、細小血管症、血管系への損傷、腕や足への循環の減少へつながる末梢血管疾患、大血管合併症、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、白内障などの眼疾患、糖尿病性腎症、腎臓の損傷などを含む腎疾患、糖尿病性神経障害、末梢神経障害、自律神経系の損傷などを含む神経損傷及び他の神経症、高インスリン血症、高脂血症、インスリン抵抗性、皮膚及び結合組織障害、足の傷や潰瘍、糖尿病性酸性血症、など多くの疾病と状態に関連している。
グルコース調整の変化又は不全及び糖尿病、高血糖症などを含む疾患の存在又は疾患発症のリスクは循環するグルコース又は血中/血漿グルコース値の測定により特定することができる。血糖値はもっとも頻繁には、空腹時血糖試験、無作為血糖試験、又は経口耐糖能試験により測定されている。
ここで述べられている本発明の方法及び組成物は、血糖のクリアランス、排出又は削減の促進、加速、速度の増加又は改善をするためのものである。典型的には、これは、空腹時又は基礎グルコース値の増加が起こる事象後の各時間において、SMOC1を服用した個体における血糖値はSMOC1を服用していない個体(すなわち、対照の個体)より低いことを意味する。
ここで述べられているように本発明の有意な利点は、空腹時又は基礎血糖値の上昇後30、45、60、及び90分にもみられる。典型的には、空腹時又は基礎グルコース値を上げる事象後(すなわち、食後)30、60、45、又は90分の最大血糖値の減少の百分率は、対照(すなわち、SMOC1の投与なし)の少なくともおよそ3%、少なくともおよそ5%、少なくともおよそ10%、少なくともおよそ20%、少なくともおよそ25%、少なくともおよそ30%、少なくともおよそ35%、少なくともおよそ40%、少なくともおよそ45%である。減少の百分率は各実施例で示されているいずれの値であってもよい。
本発明のいずれかの態様において、個体の空腹時又は基礎血糖値の上昇をもたらす事象に先立ってSMOC1が投与される。典型的には、SMOC1は食事又は摂食前に個体に投与される。典型的には、SMOC1は空腹時に個体に投与される。好ましくは、SMOC1は4時間、3時間、2時間、又は1時間いかなるカロリーも消費していない個体に投与される。
用語「血糖コントロール」は、正常又は正常に近い血糖値を維持している、保っている、又は達していることを意味する。
ここで用いられるとき、用語「高血糖症」は、概して血中の糖濃度又は血糖値が正常より高いことを意味する。高血糖症は、当業者によって受け入れられ用いられているどのような手段によっても測定できる。現在、ヒトにおける正常な血糖はおよそ70と120mg/dl(3.9〜6.6mmol/L)の間にあると考えられているが、空腹状態により様々である。食事前、血糖は80から120mg/dl(4.4〜6.6mmol/L)の範囲であり、一方食後2時間では、血糖は180mg/dl(10mmol/L)又はそれ以下でありうる。加えて、絶食中の個体において、正常血糖はおよそ110mg/dl(6.1mmol/L)より低い。およそ126mg/dl(7mmol/L)又はそれ以上の血糖値である被験者は概して高血糖症と見なされ、およそ200mg/dl(11.1mmol/L)又はそれ以上の血糖値である被験者は概して糖尿病であると見なされる。
ここで用いられるとき、用語「状態」は、正常機能が壊れている又は干渉されていることを意味し特定の状態に限定するものではなく、疾病又は疾患を含んでいる。
ここで用いられるとき、「予防している」又は「予防」は疾病又は疾患を得るリスクの可能性(又はかかりやすさ)を減らすこと(すなわち、疾病に曝され又はかかりやすくなってはいるが疾病の症状をまだ経験しておらず又は現われていない患者が疾病の臨床症状の少なくとも一つを引き起こさないようにすること)を少なくとも意味している。その様な患者を特定するための生物学及び生理学的パラメータがここでは与えられ、また内科医によく知られている。例えば、血糖を片づける機能不全の防止は、知られている方法を用い開業医が決定することができる。
用語、被験者の「治療」又は「治療すること」は、疾患又は状態を、疾患や状態の症状、又は、疾患や状態のリスク(又は感受性)を遅らせる、緩やかにする、一定にする、治す、癒す、軽減する、緩和する、改める、改善する、悪化を抑える、良くする、向上させる、又は影響を与えるために、本発明のSMOC1、融合タンパク質又は医薬組成物の被験者への適用又は投与(又は、本発明のSMOC1、融合タンパク質又は医薬組成物の被験者からの細胞又は組織への適用又は投与)を含んでいる。用語、「治療する」は、軽減、緩和、悪化の速度の減少、疾患の過酷さの減少、症状の安定化、減少、又は患者にとって、損傷、病理、又は状態を耐えやすくすること、変性又は低下の速度を落とすこと、悪変の最終点の衰弱を軽くすること、又は、患者の肉体的精神的状態を改善することなどを含む客観的又は主観的パラメータすべてを含む損傷、病理、又は状態の治療又は改善において成功した全ての兆候を意味している。
血中からグルコースを取り除く機能不全の存在、その改善、それに関連する又はそれによって引き起こされる疾患の治療又は予防は、患者の臨床的又は生化学的に関連する方法又は生体検査のいずれの方法によっても測定できる。例えば、測定されるパラメータは、血中のグルコース値の存在又はブドウ糖付加試験後の血中グルコースの減少速度又は程度である。典型的には、空腹時血糖試験、無作為血糖試験、又は経口耐糖能試験により測定される血糖値が含まれる。
ここで用いられているとき、用語「被験者」又は「個体」はヒトを含むすべての動物、例えば、哺乳類を意味するときに用いている。例示的な被験者は、限定はしないが、ヒト及び非ヒト霊長類を含んでいる。例えば、被験者はヒトである。
本発明はヒトへの適用を見つけているが、本発明は、また理療獣医学的目的のために有用でもある。本発明は牛、羊、馬、及び鶏などの家畜又は牧畜、猫及び犬などのペット動物、更に動物園の動物に役立つ。
「それを必要とする」被験者又は個体とは、(a)血中から糖を取り除く能力が不全である、(b)空腹時SMOC1、グルコース、又はインスリン値が上昇している、又は(c)限定するものではないが、インスリン抵抗性、糖尿病(好ましくは、2型糖尿病)を含むここで述べられているその他の状態あるいは疾病を有する被験者又は個体を含む。
本発明が、上述するように、特にそれを必要とする個体に有用である一方、一つの態様において、本発明は正常な個体(例えば、検出可能なインスリン抵抗性を全く持たない個体)において血糖値を緩和する目的で成されてもいる。
SMOC1
特に言及がなくここで用いられている場合、SMOC1は、SPARC関連のモジュールカルシウム結合タンパク質1又はSecreted Modular Calcium−binding protein 1としても知られているが、ヒトSMOC1の全てのイソフォーム、オルソログ、パラログ、又はホモログを含んでいる。ここで用いられているようにSMOC1はヒトSMOC1である。ヒトSMOC1は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含んでいるか、本質的にその配列から成るか、その配列から成るか又は配列番号2に示されているヌクレオチド配列によってコード化されていてもよい。ヒトSMOC1のアミノ酸及びヌクレオチド配列はアクセッション番号Nm_001034852.1を使いNCBIデータベース上でアクセスすることもできる。
SMOC1は、EF−handカルシウム結合ドメインを含む分泌されたモジュラータンパク質と更にサイログロブリン様ドメイン及びフォリスタチン様ドメインを含んでいる。SMOC1はカルシウム依存性の立体構造を有する糖タンパク質である。SMOC1は、C反応性タンパク質(CRP)、フィブリン1やビトロネクチンを含む幾つかのタンパク質に結び付く。ALK5やSMAD2/3の活性化を通したTGF−βの情報伝達は血管新生の禁止につながり、一方ALD1やSMAD1/5/8の活性化を通したTGF−βの情報伝達は血管新生の保護に帰結する。SMOC1は、ALK5/SMAD2の負調節因子として働き、TGF−βをALK1の活性化へ傾けそれによって内皮細胞増殖及び血管新生を促す。
タンパク質又はポリペプチドとの関連で、用語「単離された」は、その起源又は派生の源により、天然状態において天然に組み込まれ伴っている成分とは組み合わされていないことを意味し、また同じ源からの他のタンパク質を実質的に含んでいないことを意味している。タンパク質は、天然に組み込まれている成分を実質的に含まず、又は当該分野で知られているタンパク質精製技術を用いて単離によって実質的に精製されている。「実質的に精製される」とは、タンパク質が、例えば、少なくともおよそ70%又は75%又は80%又は85%又は90%又は95%又は96%又は97%又は98%又は99%汚染物質を持たない、など実質的に汚染物質の無いことを意味する。
用語「組み替えられている」は人工遺伝子組み換え製品を意味すると理解されたい。したがって、SMOC1を含む又はから成る組換えタンパク質の文脈においては、本用語は、被験者の身体内に自然に生成されるSMOC1を含んでいない。しかし、もしそのようなタンパク質が単離されるとSMOC1を含む又はから成る単離タンパク質と見なされる。同様に、タンパク質をコードする核酸が単離され組換え手段を用いて発現されると、得られたタンパク質はSMOC1を含む又はから成る組換えタンパク質である。組換えタンパク質が細胞、組織、又は被験者内、例えばそれが発現された所などにある場合、組換えタンパク質は人工組換え手段を用いて発現されたタンパク質をも含んでいる。
用語「タンパク質」は、一つのポリペプチド鎖、すなわちペプチドボンドにより結合している一連の連続したアミノ酸又は互いに共有結合又は非共有結合で結合されている一連のポリペプチド鎖(すなわち、ポリペプチド複合体)を含んでいると理解されたい。例えば、一連のポリペプチド鎖は、適した化学的又はジスルフィド結合により共有結合されていてもよい。非共有結合の例は、水素結合、イオン結合、ファンデルワース力、及び疎水的相互作用が含まれる。
用語「ポリペプチド」又は「ポリペプチド鎖」は、前述のパラグラフから理解されるように、ペプチドボンドにより結合している一連の連続したアミノ酸を意味している。
本発明において用いられるものと企図されているのは、SMOC1の生物学的に活性な変異体又は類似体、好ましくは、ヒト、すなわち、配列番号1に、例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するポリペプチド又はペプチド模倣体であり、これも物学的活性又はグルコースクリアランスを促進する能力を保っているものである。グルコースクリアランスを促進する能力はここで述べられているか当該分野で知られているいずれの方法でも測定できる。生物学的に活性な変異体又は類似体は、一つ以上の保存的アミノ酸置換又は非保存的アミノ酸置換を含んでいてもよい。
ポリペプチド配列、すなわち、ここで定義される本発明のポリペプチド、タンパク質又は融合タンパク質、に関する「アミノ酸配列同一性百分率(%)」又は「百分率(%)同一性」は、配列の位置決めをし、又必要なら最大の百分率配列同一性を得るためギャップを導入した後、またいかなる保存的置換も配列同一性の一部とは見做すことをせずに、本発明の特定のポリペプチドにおけるアミノ酸残基と同一である配列候補のアミノ酸残基の百分率と定義できる。
当業者は、較べられている配列の全長にわたる最大のアライメントをなすために必要とされる全てのアルゴリズム(以下に述べる非限定の例)を含むアライメントを測定するために適したパラメータを決定できるであろう。アミノ酸配列の位置合わせをするとき、対象アミノ酸配列Bに、と、又は、に対し対象アミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性百分率(これは、対象アミノ酸配列Aに、と、又は、に対し対象アミノ酸配列Bのアミノ酸配列同一性百分率と選択的に言い換えることもできる)は、アミノ酸配列同一性百分率=X/Y100:XはAとBの配列アライメントプログラム又はアルゴリズムアライメントによる同一組み合わせとして配点されるアミノ酸残基の数であり、YはBにおける全アミノ酸残基の数である:として計算することができる。アミノ酸配列Aの長さが、アミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAのアミノ酸配列の同一性百分率は、Aに対するBのアミノ酸配列の同一性百分率とは等しくならない。
百分率同一性の計算において、典型的には、完全な一致を数える。二つの配列の百分率同一性は数学的アルゴリズムを用いて決定することができる。二つの配列の比較のために用いられる数学的アルゴリズムの非限定的な例は、KarlinとAltschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:2264、KarlinとAltschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:5873−5877の修正版のアルゴリズムである。その様なアルゴリズムは、Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403のBLASTNとBLASTXの中に組み込まれている。比較のためのギャップドアライメントを得るため、Altschulら(1997)Nucleic Acids Res.25:3389に述べられているようにGapped BLAST(BLAST2.0における)を用いることができる。替わりに、PSI−Blastを分子間の遠い関係を検出する反復検査の実施に採用することができる。Altschulら(1997)supra.を参照されたい。BLAST、Gapped BLAST、及びPSI−Blastプログラムを用いる場合、各プログラム(例えばBLASTX及びBLASTN)のデフォルトパラメータを用いることができる。アライメントは、検査によって手動で行うこともできる。他の配列の比較のために用いられる数学的アルゴリズムの非限定的な例は、ClustalW−アルゴリズム(Higginsら(1994)Nucleic Acids Res.22:4673−4680)である。ClustalWは配列を比べ、アミノ酸又はDNA配列をすべて並べ、それですべてのアミノ酸配列の配列保存についてのデータを提供することができる。ClustalWアルゴリズムは、ベクターNT1プログラム一式(Invitrogen社、Carlsbad、 CA)のALIGNXモジュールなどの、市販のDNA/アミノ酸分析ソフトウェアパッケージに用いられている。ClustalWを使ったアミノ酸配列のアライメント後、アミノ酸同一性百分率が評価されうる。ClustalWの分析に役立つソフトウェアプログラムの非限定的な例は、GENEDOC(登録商標)又はJalView(http://www.jalview.org/)である。GENEDOC(登録商標)は、複数のタンパク質間でアミノ酸(又はDNA)類似性及び同一性の評価を可能にする。配列の比較用に用いられる数学的アルゴリズムの他の非限定的な例は、Myers and Millerのアルゴリズムである(1988)CABIOS4:11−17。このようなアルゴリズムは、ALIGNプログラム(2.0版)、これはGCG Wisconsin Genetics Software Package第10版(Accelrys, Inc,9685 Scranton Rd.,San Diego, Ca, USA)の一部であるが、に組み込まれている。アミノ酸配列の比較のためにALIGNプログラムを用いる場合、PAM120重み残基表、12ギャップ長ペナルティ、及び4ギャップペナルティが用いられる。
ポリペプチドは望ましくは、アミノ末端及びカルボキシル末端を備えている。ポリペプチドはD−アミノ酸、L−アミノ酸、又はD−及びL−アミノ酸の混合物を備えている。しかしながら、D−アミノ酸を備えたポリペプチドは生体内でその生物学的活性をより維持することが期待されるので、D−型アミノ酸が特に望ましい。
ポリペプチドは、数多くの従来の技術のいずれかにより製造することができる。ポリペプチドは、自然に生成された源泉又は組換えられている源泉から単離され又は生成することができる。組換え生成が好ましい。例えば、組換えポリペプチドの場合、望ましいペプチドをコード化するDNA断片は、よく知られている分子遺伝学的手法で妥当なベクター内にサブクローン化される(参照、例えば、Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,二版(Cold Spring Harbor Laboratory, 1982); Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,二版(Cold Spring Harbor Laboratory, 1989)。該断片は転写され、その後ポリペプチドが試験管内で翻訳される。市販されているキット(例えば、Clontech, Palo Alto, Calif.;Amersham Pharmacia Biotech Inc., Piscataway, N.J.;InVitrogen, Carlsbad,Calif., 等)も採用することができる。任意に、核酸操作の際、ポリメラーゼ連鎖反応を採用することもできる。
ここで用いられているように、用語「保存的置換」はペプチド又はポリペプチドの本来の配列内のアミノ酸を天然又は非天然に生成したアミノ酸又は類似の立体的性質を有するペプチド模倣薬で置換することを言う。ここで、本来の置換されるべきアミノ酸の側鎖は極性又は疎水性のいずれかであり、保存的置換は、極性又は疎水性(加えて、置換されるアミノ酸の側鎖と同じ性質を有する)の天然に生成したアミノ酸、非天然に生成したアミノ酸、又はペプチド模倣薬残基によってなされるべきである。
機能的に類似のアミノ酸を提供する保存的アミノ酸置換表は当業者によく知られている。次の6グループは互いに保存的置換できると考えられるアミノ酸の例である。
1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リシン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M),バリン(V)、及び
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
天然に生成したアミノ酸は、典型的にはそれらの性質に従ってグループ分けがなされているので、天然に生成したアミノ酸による保存的置換は、立体的に類似する非補充されたアミノ酸による補充されたアミノ酸の置換が保存的置換として見なされることを考慮して測定される。非天然に生成したアミノ酸による保存的置換を生ずるためには、当該分野でよく知られているアミノ酸類似体(合成アミノ酸)を用いることも可能である。天然に生成したアミノ酸のペプチド模倣薬は、当業者に知られている文献によく解説されており、また非天然又は不天然のアミノ酸は以下に更に述べられる。保存的置換に影響を及ぼす場合、アミノ酸置換は、元のアミノ酸としての側鎖と同じか又は類似の官能基を有するべきである。
挿入、削除及び/又は置換により変異ポリペプチドを生成するための天然アミノ酸配列の変更は、当業者に知られている多様な手段によって実施することができる。例えば、部位特定的変異は、修飾部位を備えた合成オリゴヌクレオチドを発現ベクターへ結索することにより導入することができる。あるいは、Walderら、Gene 42:133(1986)、Bauerら、Gene 37:73(1985)、Craik、Biotechniques、12−19(January1995)、及び米国特許第4518584号明細書及び4737462号明細書などに開示されている、オリゴヌクレオチド特異的であり部位特定的突然変異誘発手順を採用することができる。変異を導入する好ましい手段は、QuikChange Site−Directed Mutagenesis Kit(Stratagene, LaJolla,Calif.)である。
適した発現ベクター(例えば、PouWelsら、Cloning Vectors:A Laboratory Manual(Elsevier,N.Y.:1985))及び対応する適正な宿主が、SMOC1の組換えポリペプチド、その生物学的に活性のある変異体又は類似体の製造に採用することができる。発現宿主は、限定するものではないが、大腸菌、バシルス、シュードモナス、サルモネラ属内の細菌種、バキュロウィルス系を含む哺乳類又は昆虫宿主細胞系(例えば、Luckowら、Bio/Technology 6:47(1988))、及びCOS−7、C127、3T3、CHO、HeLa、及びBHK細胞株などの確立された細胞株を含んでいる。当業者は、発現宿主の選択は作られたポリペプチドのタイプに予期しない成り行きをたらすことを知っている。例えば、イースト又は哺乳類細胞内(例えば、COS−7細胞)で成されたポリペプチドの糖鎖形成は、大腸菌などの細菌細胞内で作られたポリペプチドのものとは異なるであろう。
本発明のポリペプチド、すなわちSMOC1、その生物学的に活性のある変異体又は類似体は、当該分野の当業者によく知られている標準的なペプチド合成技術(例えば、Bodanszkyに概説されている、Principles of Peptide Synthesis (Springer−Verlag, Heidelberg:1984))を用いて合成することができる。特に、ポリペプチド、は固相手順を用いて合成される(参照、例えば、Merrifield、J.Am.Chem.Soc.85:2149−54(1963);Barany et al.、Int.J.Peptide Protein Res.30:705−739(1987);及び米国特許第5424398号明細書)。望むなら、自動ペプチド合成器を用いて実施することもできる。ターシャルブチロキシカルボニル(t−BOC)又は9−フルオレニルメトキシロキシカルボニル(Fmoc)アミノ酸ブロッキング基の除去及び樹脂からポリペプチドを分離することは、例えば、減温化で酸処理によって実行できる。ポリペプチドを含む混合物は次に、非ペプチド性有機化合物を除くため、例えば、ジメチルエーテルを使い抽出することができまた合成されたペプチドは樹脂粉末から(例えば、およそ25%W/V酢酸により)抽出できる。ポリペプチドの合成に続き、不完全なポリペプチド又は遊離アミノ酸をすべて除くために更なる精製を(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC))により任意に実施することができる。アミノ酸及び/又はHPLC分析が合成されたポリペプチドに対しその同一性を検証するために行うことができる。本発明によるその他の応用を目的として、ここで述べられている方法又は他の遺伝学的方法に依り、より大きな融合タンパク質の部分として、あるいは当業者に知られているようにまたここで述べられているように、物理的あるいは化学的結合などを通じて、より大きい結合の部分としてポリペプチドを生成することが望ましい。
「ペプチド模倣薬」は、本発明のポリペプチドのものと実質的に同じ構造及び/又は機能特性を有する合成化学物質であり、後者はさらに以下で述べる。典型的に、ペプチド模倣薬は、例えば、血中グルコースクリアランス促進の能力を有する配列番号1又は配列番号3と同じ又は同様の配列など、本発明のポリペプチドと同じ又は同様の構造を有する。ペプチド模倣薬は、概して、天然には合成されていない残基を少なくとも一つ有している。ペプチド模倣薬化合物の非天然成分は、a)天然アミド結合(ペプチド結合)以外の残基結合基、b)天然に生成したアミノ酸残基の代わりの非天然残基、又はc)二次構造の模倣を誘発する残基、すなわち、二次構造を誘発又は安定化させるため、例えば、β回転、γ回転、βシート構造、αへリックス構造など、の一つ以上に従う。
ペプチド模倣薬は、例えば、Organic Syntheses Collective Volumes, Gilmanら(Eds)John Wiley&Sons, Inc., NY.al−Obeidi(1998)Mol. Biotechnol.9:205−223;Hruby(1997)Curr.Opin.Chem.Biol.1:114−119;Ostergaard(1997)Mol.Divers.3:17−27;Ostresh(1996)Methods Enzymot.267:220−234を採用し合成することができる。
SMOC1−融合タンパク質
ここで用いられているように、用語「免疫グロブリン重鎖定常領域」は用語「Fc」、「Fc領域」、及び「Fcドメイン」と互換可能に用いられ、免疫グロブリン重鎖定常領域のカルボキシル末端部分又はFcレセプターを結合できる類似体又はその部分を表すと理解できる。知られているように、各免疫グロブリン重鎖定常領域は4又は5のドメインを備えている。該ドメインは順次以下のように名付けられている:CH1−ヒンジCH2−CH3(−CH4)。CH4はIgm,これはヒンジ領域を持たない、が存在する。本発明の融合タンパク質において有用な免疫グロブリン重鎖定常領域は、免疫グロブリンヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを備えることができる。ここで用いられているように、用語、免疫グロブリン「ヒンジ領域」は全免疫グロブリンヒンジ領域、又は少なくとも第二の免疫グロブリンヒンジ領域との一つ以上のジサルファイド結合を形成するために充分な免疫グロブリンヒンジ領域の部分を意味すると理解されたい。
適した免疫グロブリン重鎖定常領域がIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMとして言及される各免疫グロブリンクラスに属する抗体から派生することを想定しているが、IgGからの免疫グロブリン重鎖定常領域が好ましい。更に、免疫グロブリン重鎖定常領域が、当該分野においてIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4として言及されるIgG抗体サブクラスからのいずれのものであれ、それから派生することを想定している。ある実施形態において、Fc領域はIgG1から派生する。他の実施形態において、Fc領域はIgG2から派生する。
免疫グロブリン重鎖定常領域は、免疫グロブリンクラスの間で交雑相同性を有する。例えば、IgGのCH2ドメインは、IgAとIgDのCH2ドメインと相同しておりまたIgMとIgEのCH3ドメインと相同している。好ましい免疫グロブリン重鎖定常領域は、IgGのCH2領域とCH3領域に相当するタンパク質ドメインを含んでいるか又は機能性タンパク質又はその誘導体を含んでいる。特定の結果を達成するためのある免疫グロブリンクラス及びサブクラスからの特定の免疫グロブリン重鎖定常領域配列の選択は、当該分野における技術レベルの家にあると考えられる。本発明のFc領域は、例えば、IgG−Fc、IgG−CH、他のIgクラス、すなわち、IgM、IgA、IgE,IgD又は軽鎖定常領域、からのFc又はそのCHドメインなどの定常領域を含んでいる。これらのドメインの切断物やアミノ酸変異体又は置換体も含んでいてよい。
多様なFc融合タンパク質をコード化する核酸配列も、本発明のSMOC1−Fc融合タンパク質を作るために用いることができる。例えば、5’から3’方向へ、免疫グロブリン重鎖定常領域とSMOC1ポリペプチド、又はSMOC1ポリペプチドと免疫グロブリン重鎖定常領域いずれかを核酸配列がコード化してもよい。更に、核酸配列はまた、任意に、例えば免疫グロブリン重鎖定常領域のヒンジ領域に直接融合する免疫グロブリン軽鎖配列に基づいている「リーダ」又は「シグナル」配列も含んでいてもよい。ある特定の実施形態において、Fc領域がIgG配列に基づいているとき、該Fc領域は、5’から3’方向へ、少なくとも免疫グロブリンヒンジ領域(すなわち、第二の免疫グロブリンヒンジ領域配列とジサルフィド結合を形成可能な少なくとも一つのシステインアミノ酸)免疫グロブリンCH2ドメイン、及びCH3ドメインをコード化する。更に、SMOC1−Fc融合タンパク質をコードする核酸配列はまた、例えば宿主細胞中、のFc融合タンパク質を発現する複写可能な発現ベクターに統合されていてもよい。
一つの実施形態において、SMOC1−Fc融合タンパク質の免疫グロブリン重鎖定常領域成分は、被験者に非免疫原性又は微かに免疫原性である。免疫グロブリン重鎖定常領域が免疫グロブリン重鎖定常領域に対抗する検出可能な抗体反応を起こすのに失敗する場合、Fc領域は、非免疫原性又は微かに免疫原性であると見なされる。このように、免疫グロブリン重鎖定常領域は、免疫グロブリンから派生するべきか、又は融合タンパク質の意図する受益者と同じ種に存在する免疫グロブリンに対応するアミノ酸配列に基づくべきである。幾つかの実施形態において、ヒト免疫グロブリン重鎖定常領域配列は、SMOC1−Fc融合タンパク質用に用いられ、それは、ヒトに投与される。ヒトFc IgGのヌクレオチドとアミノ酸配列は当該分野でよく知られており、例えば、Ellisonら、Nucleic Acids Res.10:4071−4079(1982)に開示されている。
本発明のSMOC1−FC融合タンパク質は、当該分野で知られている従来の方法論を用いて作ることができる。例えば、SMOC1−FC融合構築物は、DNAレベルでは組換えDNA技術を用いて生成でき、得られたDNAは発現ベクターに統合され、発現され、本発明のSMOC1−FC融合タンパク質を生成する。ここで用いられているように、用語「ベクター」は宿主細胞内に組み込まれる能力がありかつ宿主細胞ゲノムと再結合、統合する能力があり、又は自律的に複成する能力のあるエピソームとしてヌクレオチド配列を備えた全ての核酸を意味すると理解される。その様なベクターは、線形核酸、プラスミド、ファージミド、コスミド、RNAベクター、ウィルスベクター、などである。ウィルスベクターの非限定的な例は、レトロウィルス、アデノウィルス、及びアデノ随伴ウィルスが挙げられる。ここで用いられているように、用語SMOC1−Fc融合タンパク質の「遺伝子発現」又は「発現」は、DNA配列の転写、mRNA転写物の翻訳、及びFc融合タンパク質生成物の分泌を意味すると理解される。遺伝子工学技術によるタンパク質の融合に代わるものとして、従来の化学的架橋を用いた化学結合をタンパク質部分の融合のために採用してもよい。
本発明のタンパク質、特にSMOC1−Fc、を生成するために有用な定常領域の配列は、数多くの異なる元から得ることができる。幾つかの実施例において、定常領域又はタンパク質のその部分は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含む抗体クラス及びIgG1、IgG2、IgG3、とIgG4を含む抗体アイソタイプから派生することができる。ある実施例において、定常領域はヒトアイソタイプIgG4又は安定化IgG4定常領域である。
ある実施例において、定常領域のFc領域は、例えば、天然又は野生型のヒトIgG1又はIgG3Fc領域に比べると、エフェクタ機能を引き出す機能が低下している。ある実施例において、エフェクタ機能は、抗体依存−細胞障害性作用(ADCC)及び/又は抗体依存−細胞食作用(ADCP)及び/又は捕対依存性細胞障害(CDC)である。タンパク質を含むFc領域のエフェクタ機能のレベルを評価する方法は該分野に知られている及び/又は本明細書に述べられている。
一つの実施例において、Fc領域は、例えば、ヒトIgG4Fc領域など、IgG4Fc領域(すなわち、IgG4定常領域)である。適したIgG4Fc領域の配列は、当業者に明らかとなるであろう及び/又は公に使用可能なデータベースで利用可能になる(国立生物工学情報庁(National Center for Biotechnology Information)で利用可能である)。
他の実施例において、Fc領域は低下したエフェクタ機能を有するために修飾された領域、すなわち、「非免疫賦活性なFc領域」である。例えば、Fc領域は、268、309、330、及び331から成る群から選ばれる一つ以上の位置に置換体を含むIgG1Fc領域である。もう一つの他の実施例において、Fc領域は、一つ以上のE233P、L234VとL235Aの変化とG236の削除及び/又は一つ以上のA327G、A330SとP331Sの変化を備えるIgG1Fc領域である(Armourら、Eur J Immunol.29:2613−2624、1999;Shieldsら、J Biol Chem.276(9):6591−604、2001)。更に、非免疫賦活性なFc領域の例は、例えば、Dall’Acquaら、J Immunol.177:1129−1138、2006;及び/又はHezareh J Virol;75:12161−12168、2001)に述べられている。
他の実施例においてFc領域は、例えば、IgG4から少なくとも一つのCH2ドメインとIgG1抗体から少なくとも一つのCH3ドメインを含むキメラFc領域であり、該Fc領域は、(例えば、国際公開第2010/085682号パンフレットに述べられているように)240,262,264,266,297,299,307,309,323,399,409及び427(EU番号付け)から成る群から選ばれる一つ以上のアミノ酸位置の置換体を備えている。例示的置換体は、240F、262L、264T、266F、297Q、299A、299K、307P、309K、309M、309P、323F、399S、及び427Fを内包する。
組成物及び製剤
医薬組成物は、例えば、局所的(例えば、経皮又は接眼的)、経口、口腔、鼻内、膣内、直腸、非経口投与を含む、適した投与経路向けに製剤化することができる。ここで用いられているように、用語、非経口は、皮下、皮内、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、脊椎内、頭蓋内、くも膜下、眼内、眼球周囲、眼窩内、滑膜内、及び腹腔内注射、また同様な注射又は輸液技術を含む。ある実施形態において、経口使用又は非経口使用に適した形の組成物が好ましい。適した経口の形は、例えば、錠剤、トローチ、ドロップ、水溶又は油性懸濁液、分散性粉末又は粒剤、乳剤、ハード又はソフトカプセル、又はシロップ又はエリキシル剤が含まれる。その他の実施形態では、凍結乾燥物として処方してもよい。
注入用途に適した医薬形状は、無菌の水溶液又は分散液及び、無菌の注射溶液又は分散液の即時調整のための無菌の粉末を含んでいる。全ての場合において、該形状は、無菌でなければならず、また容易な注射針通過性を有する程の流体でなければならない。
概して、本発明の組成物は経口又は非経口(例えば、静脈、筋肉内、皮下、脊髄内)投与され得るが、そのほかの投与経路も考えられる。
口腔投与ように、本発明の組成物は、従来の方法で調剤された錠剤又はドロップの形状を有することができる。
経皮(例えば、局所)投与の用途用、希釈殺菌水溶又は部分的水溶液(通常、およそ0.1%から5%濃度)、他には上記非経口溶液と類似のものが調整される。
個別の用量の錠剤、カプセル、ドロップ、糖剤、ガム、又はその他の固形調剤として様々な投与単位が、それぞれ好ましく提供される。カプセルは、粉末、液体又は、ゲルをカプセル化している。固形の調剤は呑み込めるか、又は吸い込む又は噛む(噛み砕ける又はガムのような)タイプである。本発明は、ブリスター包装よりむしろ投与単位を保つ装置と考えている、例えば、瓶、管、缶、小箱などの包である。投与単位は、結合材、ゲル剤、充填剤、錠剤化潤滑剤、崩壊剤、表面活性剤、及び着色剤など医薬調剤において知られている従来の賦形剤を飲み込み可能又は噛める調剤用に含んでいてもよい。
経口用を意図した組成物は、魅力的で味の良い調合を得るために、更に甘味剤、香味料、着色剤及び/又は保存剤などの一つ以上の成分を含んでいてもよい。錠剤は、錠剤の製造に適している生理学的に許容される賦形剤との混和物中に活性成分を含んでいる。その様な賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、コーンスターチ又はアルギン酸などの粒状化及び崩壊剤、デンプン、ゼラチン又はアカシアなどの結合材、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクなどの潤滑剤を含んでいる。錠剤はコーティングされていなくてもよく或いは消化管で崩壊や吸収を遅らせそれによって長期にわたって持続的な作用を及ぼすために、既知の技術でコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの遅延剤を用いてもよい。
経口用の調剤も、活性成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンなどの不活性な固形希釈剤と混合されている硬いゼラチンカプセルとして与えられてもよく、又は活性成分が水又はピーナッツオイル、流動パラフィン又はオリーブ油などの油媒体と混合されている柔らかいゼラチンカプセルとして与えられてもよい。
水溶性懸濁液は、水溶性懸濁液の製造に適した賦形剤と混和されている活性成分を含んでいる。その様な賦形剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカンスガム、アカシアガムなどの懸濁剤、また天然に生成リン脂質(例えば、レシチン)、酸化アルキレンとポリエチレンステアレートとの縮合物、酸化アルキレンとヘプタデカエチレンオキシセタノールなどの脂肪族アルコールとの縮合物、酸化エチレンと、脂肪酸とポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなどのヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合物、又は酸化エチレンと、脂肪酸とポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合物が分散又湿潤剤が含まれる。水溶性懸濁液は、また、例えば、エチル又はn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸の一つ以上の保存剤、一つ以上の着色剤、一つ以上の香味料、しょ糖又はサッカリンなどの一つ以上の甘味料も含んでいる。
油性懸濁液は、ピーナッツオイル、オリーブ油、ごま油、又はココナッツオイルなどの植物油、又は流動パラフィンなどの鉱物油に活性成分を懸濁し調剤することができる。油性懸濁液は、ミツバチ蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールなどの増ちょう剤を含んでいてもよい。上述の甘味料及び/又は香料を、口当たりの良い経口調剤として提供するために加えてもよい。その様な懸濁液は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることで保存することができる。
水溶性懸濁液の調剤に適した分散可能な粉末及び粒子を加えることによって、分散又は湿潤剤、懸濁剤、及び一つ以上の保存剤と活性剤の混和物が提供される。適した分散又は湿潤剤及び懸濁剤は、上に例示されている。追加の賦形剤は、甘味、香味、着色剤なども含まれていてもよい。
医薬組成物はまた、水中油乳化液の形状でもよい。油状相は、オリーブ油やピーナッツオイルなどの植物油、流動パラフィンなどの鉱物油、又はそれらの混合物である。適した乳化剤は、アカシアガム、トラガカントガムなどの天然に生成するガム、大豆レシチンなどの天然に生成するリン脂質、及び脂肪酸とヘキシトールから派生するエステル又は部分エステル、ソルビタンモノオレエート等の無水物、ポリオキシエチレンモノオレエート等の脂肪酸やヘキシトール等から派生する部分エステルとエチレンオキサイドの縮合物を含んでいる。乳化液も、一つあるいはそれ以上の甘味及び/又は香料を含んでいても良い。
シロップ及びエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又ショ糖など甘味料と調合しても良い。そのような調合剤は、一つ以上の鎮痛剤、保存剤、香料及び/又は着色剤も含んでいても良い。
組成物は、服用した調剤の安定性又は効果を改善するために適合された、安定化剤、懸濁剤、乳化剤、粘度調整剤、ゲル化剤、保存剤、抗酸化剤、皮膚浸透増強剤、湿潤剤、及び徐放材などの一つ以上の成分を含んでいても良い。その様な成分の例は、Martindale The Extra Pharmacopoeia(Pharmaceutical Press、London 1993)とMartin (ed.)Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載がある。調剤は、ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチンミクロカプセル、リポソーム、アルブミンミクロ球、ミクロエマルジョン、ナノ粒子、又はナノカプセルなどミクロカプセルを備えていてもよい。
保存剤は、それに限定はしないが、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸、安息香酸、及びフォルムアルデヒドなどの抗菌剤、同様にビタミンE、アスコルビン酸ナトリウム/アスコルビン酸、没食子酸プロピルなどの物理的安定化剤及び抗酸化剤を含んでいる。適した湿潤剤は、それに限定はしないが、乳酸及び他のヒドロキシ酸及びその塩、グリセリン、プロピレングリコール、及びブチレングリコールを含んでいる。適した緩和剤は、ラノリンアルコール、ラノリン、ラノリン誘導体、コレステロール、ワセリン及び鉱物油である。適した香料及び着色剤は、それに限定はしないが、FD&C Red No.40及びFD&C Yellow No.5である。典型的な調剤にあるその他の適した添加成分は、それに限定はしないが、研磨剤、吸収剤、固結防止剤、消泡剤、帯電防止剤、収斂剤(アメリカマンサクなど)、アルコール及びカモミールエキスなどハーブエキス、結合剤/賦形剤、緩衝剤、キレート剤、膜形成剤、コンディショニング剤、推進剤、不透明化剤、pH調整剤及び保護剤を含んでいる。
医薬組成物は、スプレー、ミスト、又はエアゾールなど吸入製剤として処方されている。吸入製剤用に、ここで提供している組成物又は組み合わせは、当業者に知られているいずれかの吸入方法に依って送達される。その様な吸引方法及び装置は、それに限定はしないが、CFC又はHFAなどの推進剤、又は生理学的にまた環境的に許容された推進剤を用いた定量噴霧式吸入器である。その他の適した装置は、呼吸操作吸入器、複数回投与乾燥粉末吸入器及びエアゾール噴霧器である。対象の方法で用いられるエアゾール製剤は、典型的には、推進剤、表面活性剤及び共溶媒を含み、適当な絞りバルブで閉じられる通常のエアゾール容器に満たすことができる。
吸引組成物は、噴霧及び気管支内使用に適した活性成分を含む液体又は粉末化組成物を含んでいてもよく、又は計量された用量を分配するエアゾルユニットを通して投与されたエアゾール組成物を含んでいてもよい。適した液体組成物は、登頂食塩水や静菌水などの水溶性、医薬的に許容された吸引溶剤中の活性成分を含んでいる。該溶液は、ポンプ又は絞り作動式スプレーディスペンサーの手段により投与されるか又は、患者の肺にまで必要な投与量の液体組成物の吸引を可能とするその他のあらゆる従来手段によって投与される。適した製剤は、その担体は液体であり、例えば、投与のため鼻スプレー又は点鼻薬の場合、活性成分の水溶性又は油溶液を含んでいる。
医薬組成物は、直腸内投与などの坐剤の形状で調剤されていてもよい。その様な組成物は、薬剤を適した常温では固形で直腸温度では液状でありそれ故薬剤を直腸では溶かす、非刺激性の賦形剤と混合することで調剤されていてもよい。適した賦形剤は、例えば、カカオ脂やポリエチレングリコールを含んでいる。
医薬組成物は投与に続いて修飾物質の徐放性を創り出すカプセルのような徐放性製剤として処方されてよい。その様な製剤は、通常知られている技術を用いて調剤され、例えば経口、直腸、又は皮下移植により投与されるか又は、目標の部位への移植により投与される。その様な製剤の中に用いられる担体は、生体適合性であり、また生分解性である。好ましくは、処方により比較的定常の修飾物質の放出を提供する。徐放性製剤に含まれる修飾物質の量は、例えば、部位への移植、期待される放出期間、及び治療される又は予防されるべき状態の性質に依存する。
キット
他の実施形態において、ここで述べられているSMOC1、融合タンパク質又は医薬組成物を含むキットあるいは製造物品が提供される。
その他の実施形態において、上述の治療的あるいは予防的適用に用いられるキットが提供され、該キットは、
ここに述べられているSMOC1又は融合タンパク質、又はここに述べられている医薬組成物の形状で治療的組成物を保持する容器、
取扱説明書とともにラベルまた挿入物パッケージを含んでいる。
ある実施形態において、キットはここに述べられている疾患又は障害の治療用の更なる活成のある成分又は合成分を含んでいてもよい。
キット又は「製造物品」は、容器と該容器に組み込まれたラベルあるいは挿入物パッケージを備えている。適した容器は、例えば、瓶、バイアル、注射器、ブリスターパック、等が含まれる。容器は、ガラス又はプラスチックなど多様な材料から形成される。容器は、状態の治療に効果的な治療組成物を保持し無菌のアクセスポート(例えば、容器は静脈溶液バッグ又は皮下注射針で穿孔可能なストッパーのあるバイアル)を有する。ラベルあるいは挿入物パッケージは、治療組成物は、病気治療のために用いられることを示している。一つの実施形態において、ラベルあるいは挿入物パッケージは、使用説明書を含みまたここに述べられている疾患の治療に用いられる治療的又は予防的組成物が使用可能であることを示している。
キットは、(a)治療的又は予防的組成物及び(b)第二の活性のある成分又は合成物をその中に含む第二の容器を備えている。本発明のこの実施形態におけるキットは、更に、ここに述べられている疾病の治療や血中グルコースを取り除く機能不全から派生する合併症の予防のために本組成物及び他の活性成分が用いられていることを示す小包挿入物を備えていてもよい。あるいは、又は加えて、キットは、注射用の静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液及びブドウ糖液などの医薬的に許容された緩衝剤を含んでいる第二の(又は第三の)容器を更に備えていてもよい。更に、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針及び注射液など市販又は消費者の立場から望ましい他の素材を更に含んでいてもよい。
ある実施形態において、治療組成は、治療的、予防的、又は医薬的組成物を保つ入れ物を含む使い捨て又は再利用可能な装置の形状で提供される。一つの実施形態において、装置は、注射器である。装置は、1〜2mLの治療組成物が入っている。治療的又は予防的組成物は、使用準備ができている状態又はさらに他の成分と混合するか又は加える状態の装置で提供される。
何れかの特定の患者の特定の用量値は、使用された特定の化合物の活性、年齢、体重、健康全般、性別、摂食、投与時間、投与経路、排出速度、薬剤の組み合わせ(すなわち、患者を治療するために使われている他の薬剤)及び治療を受けている特定の障害の重篤性などに依るものと、理解されたい。
2型糖尿病の生体標識としてのSMOC1
本発明は、また、
2型糖尿病の診断を受けるべき個体の試験サンプルを提供すること、
SMOC1値を評価しそれによって試験サンプルプロファイルを得ること、
2型糖尿病を有さない個体の末消血液中のSMOC1値データを含む対照プロファイルを提供すること、
試験サンプルプロファイルと対照プロファイル間でSMOC1値に違いがあるかどうかを同定するために試験サンプルプロファイルを対照プロファイルと比較すること、
試験サンプルプロファイルのSMOC1値が対照プロファイルのものより高い場合該個体が2型糖尿病であるか又は同病気を発症するリスクのあることを決定すること、
試験サンプルプロファイルのSMOC1値が対照プロファイルのものと同じか又は低い場合該個体が2型糖尿病でない又は同病気を発症するリスクのないことを決定することを含む、
2型糖尿病であるか又は同病気を発症するリスクがある個体であるかを診断する方法を提供する。
本発明は、また、
多発性2型糖尿病の診断を受けるべき個体の試験サンプルを提供すること、
SMOC1値を評価しそれによって試験サンプルの情報を得ること、
2型糖尿病を有する個体の末消血液中のSMOC1値データを含む対照プロファイルを提供すること、
試験サンプルプロファイルと対照プロファイル間でSMOC1値に違いがあるかどうかを同定するために試験サンプルプロファイルを対照プロファイルと比較すること、
試験サンプルプロファイルのSMOC1値が対照プロファイルのものより低い場合前記個体が2型糖尿病でないか又は同病気を発症するリスクがないことを決定すること、
試験サンプルプロファイルのSMOC1濃度が対照プロファイルのものと同じか又は高い場合前記個体が2型糖尿病である又は同病気を発症するリスクがあることを決定することを含む、
2型糖尿病であるか又は同病気を発症するリスクがある個体であるかを診断する方法を提供する。
試験サンプルにおけるSMOC1値の抽出及び評価
SMOC1を含む試験サンプルは、そのサンプルからSMOC1が測定できる条件付きの、個体から得られたいずれかの生物学的サンプルである。例えば、幾つかの実施形態において、サンプルは、血液サンプルであり、そこから次に白血球細胞、血漿又は血清が単離されたものである。あるいは、サンプルは、肝臓の生検試料などの組織生検試料である。試験サンプルが、組織生検試料である場合、組織は新鮮又は固定組織である。他の実施形態において、試験サンプルは、唾液、涙又は汗など細胞外液からのものである。
一つの実施形態において、全血は、EDTAが入っている試験管に集められ、反転により混合され、続いて、血漿を他の血液成分から分離するため遠心分離される(例えば、6,000×Gで5分間)。血清は次にその後の分析やタンパク質分析のため取り出され保存される。
特に好ましい実施形態において、サンプルは、個体からの血漿又は血清試料である。個体は、2型糖尿病を疑われる又は2型糖尿病のリスクがあると見なされている。ある実施形態において、個体は以前2型糖尿病の治療を受けており、またここで述べられている診断方法は処置の成果を評価する目的で(すなわち、個体がまだ2型糖尿病を有しているかどうか判断するため)実施される。
試験サンプルのSMOC1値の評価は、その試験サンプル中のSMOC1の量を直接測定することを含んでいる。あるいは、評価は、それまでに測定されているSMOC1の値を含み、中央データベースに見出せる検証データと関連する。幾つかの実施形態において、コンピュータ支援分析プログラムが、検出分析によって生成された生のデータ(例えば、与えられたマーカの値)を臨床医に向けた予測値へと翻訳するために用いられる。臨床医は、いずれかの適した手段を使って予測データにアクセスすることができる。このように、幾つかの好ましい実施形態において、本発明は、更に、遺伝学又は分子生物学に熟練しそうもない、その臨床医が生のデータの理解をしなくてもよいという便宜を提供する。でーたは、最も有益な形で臨床医に直接提示される。その後、臨床医は、被験者の治療を最善化するために情報を直ちに利用することができる。
本発明は、分析を行っている実験室、情報提供者、医療関係者、及び被験者へ及びから情報を受け取り、加工し、発信することが可能な方法のいずれも企図している。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、サンプル(例えば、生検又は血清又は検便サンプル)は、被験者から得て、評価予測サービス機関(例えば、医療機関の医療実験室、遺伝的評価予測企業、等)に生データを生成するために送られる。
熟練技術者であれば、SMOC1などの特定のタンパク質値又は量を直接測定する目的で生理学サンプルから全タンパク質を抽出する方法に精通しているであろう。その様な方法は、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,J. Sambrookら、eds.,第二版 Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989(参照としてここに援用される)述べられており又は生理学サンプルからのタンパク質分離用の市販のキットを用いて得ることができる。
試験サンプル及び対象情報におけるSMOC1の量(又はその濃度)は、当業者によく知られている多様な手段によって定量又は測定することができる。
本発明は、個体が2型糖尿病を患っているか又はリスクがあるか決定することを容易にするため、個体から得られた血液又は体液サンプルにおけるSMOC1の量の測定を含んでいる。例えば、その方法は、被験者からの体液サンプルを含む生検をSMOC1に結合できる化合物と接触させ、その化合物とSMOC1間の複合物の生成を検出することを包含している。
ここに述べられている診断方法の目的のために、用語「SMOC1」は、例えば、SMOC1の免疫原性断片又はSMOC1の抗原決定基を含むSMOC1の断片を包含している。
ある実施形態において、SMOC1を結合する化合物は抗体である。
ここで用いられているように、用語「抗体」は完全な分子と、同様に、例えばFab、F(ab’)2、Fv及びscFvなどその断片を含む又はから成る分子、また抗原決定基を結合することができる二重特異性抗体、三重特異性抗体、小型抗体、及び単一ドメイン抗体などを含む工学的変異体を包含している。このように、抗体は完全な免疫グロブリン又は様々な形状の修飾物として存在する。
他の実施形態において、SMOC1の抗体は患者のサンプル中に検出され、その検出によるサンプル中の抗体の量は個体が2型糖尿病のリスクがあるかあるいは患っているのか関連する情報を与える。
ここで考えられている好ましい検出システムは、生物試験サンプルからタンパク質または抗体を検出するあらゆる公知の分析を含み、例えば、SDS/PAGE、等電点電気泳動、SDS/FAGEと等電点電気泳動を含む二次元ゲル電気泳動、免疫分析、例えば蛍光活性化細胞選別(FACS)などの流動細胞分析、例えば小分子(例えば、タンパク質の化学化合物、作動体、拮抗体、アロステリック調整剤、競合的阻害剤、又は非競合的阻害剤)などの抗体又は非抗体化合物を用いた検出に基づくシステムを包含している。これらの実施形態に依れば、抗体又は小分子は、タンパク質検出用に修正できるどのような標準的固相又は液相分析様式においても用いることができる。例えば、質量分析、MALDI−TOF、バイオセンサー技術、エバネッセンス繊維光学又は蛍光共鳴エネルギー移動などを用いた工学光学的又は蛍光検出は、明らかに本発明に包含されている。例えば、高処理分光共鳴法(例えば、MALDI−TOF、エレクトロスプレー質量分析又はナノ―エレクトロスプレー質量分析)など、大量のサンプルの高処理スクリーニングの用途に適した分析システムも企図されている。
免疫測定法の様式は、本発明の方法に従って、SMOC1などのタンパク質バイオマーカを検出するのに特に適しており、例えば、免疫ブロット法、ウェスタンブロット測定法、ドットブロット法、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、放射免疫法(RIA)及び、酵素免疫測定法を包含している。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、同位体コード親和性タグ(ICAT)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化―飛行時間型質量分析(MALDI−TOF)、電子スプレーイオン化(ESI)、バイオセンサー技術、エバネッセンス繊維光学技術又はタンパク質チップ技術を用いた改良された免疫測定法もまた有用である。
酵素結合免疫吸着測定法、略してELISA、は、サンプル中の抗体又は抗原の存在を検出するための生物学的技術である。該測定法は、最小の2つの抗体、うち一つは抗原に特異であり残りは酵素と結合する、を用いる。第二の抗体は、信号を生成する発色又は蛍光基質を引き起こす。ELISAの変化形は、サンドイッチELISA、競合的ELISA、及びELISPOTを含んでいる。ELISAは、サンプル中の抗原の存在又は抗体の存在を高めるために実施することができるので、血清抗体濃度を測定する為とまた抗原の存在を検出する為両方に役立つツールである。
好ましい実施形態において、SMOC1値は、血漿サンプルにおいて、Cusabio Biotech(Dunwoody Georgia 30338)(Cat No.CSB−EL021842HU)から購入できる、市販されているELISAキットを用いて測定する。
定量的免疫−ポリメラーゼ連鎖反応(qlPCR)は、抗体に基づいた免疫分析において信号発生を増加するため核酸増大技術を用いる。標的タンパク質は、オリゴヌクレオチドと直接的又は間接的に接合する抗体と結合される。結合されない抗体は洗い流され、残っている結合された抗体は増大されたそのヌクレオチドを有している。タンパク質検出は、増大されたヌクレオチドの検出を通して、実時間法を含む標準的核酸検出方法に依って行われる。例示的な、iPCRを実施するための方法はNiemeyerら、Nature Protocols、2:1918−30(2007)に述べられている。
Proseek Proximity Extension Assay及びBioplex Multiplex Assayなどの多重化システムは、ここに述べられている、タンパク質バイオマーカの量を測定するために行う免疫分析に適したプラットフォームの例である。
ここで用いられているように、「SMOC1の値」は、血清又は血漿を含む血液サンプルにおけるSMOC1又はその断片の濃度を意味する。SMOC1の濃度は、典型的には個体のために分析された総サンプル体積に対してあるいは、ハウスキーピングタンパク質に対して正規化される(例えば、サンプル中のSMOC1濃度又は値は、サンプルのアルブミン量に対して正規化される)。
本発明に依れば、試験サンプル中のSMOC1の全タンパク質配列が測定される必要がないことは理解されるであろう。例えば、ある実施形態において、SMOC1から誘導された特定の断片又はペプチド又はSMOC1の相当物が、サンプル中で検出され、当業者の本発明の実施を充分に可能とする。
SMOC1の値の試験に先立ち、体液又は血液のサンプルは前処理に処されてもよい。前処理は、例えば、血液からの血漿の生成、粘性流動体を希釈するなどを含んでいる。その様な方法は、ろ過、蒸留、分離、濃縮、妨害成分の不活性化、及び試薬の添加を含んでいてもよい。試験前の生物学的サンプルの選択及び前処理は、当分野でよく知られている。幾つかの実施形態において、体液サンプルは、多くの低タンパク質のために、サンプルを単離又は濃厚にするために設計された事前処理に付される。
当業者は、個体の血液サンプルを含む生物学的サンプル得る様々な方法に精通している。更に、当業者は、サンプルのタンパク質含有量の感知できるほどの減少を起こさないことが確約できるサンプルの適切な保存方法、例えば、血液凝固又は血液サンプルの品質を保存するためのEDTA、ヘパリン、クエン酸塩、又は他の添加剤を含んでいるバキュティナ採血管の使用、に精通している。当業者は、また全血サンプルから血漿及び血清を抽出する方法にも精通している。
個体の末梢血のSMOC1値データを含んでいる対照プロファイル
個体からのサンプルにおけるSMOC1の値が該個体が2型糖尿病を患っているか、現にリスクがあるのかを示しているのかどうか決定するために、個体からのサンプルのSMOC1の値を対照プロファイルと比べる必要がある。
対照プロファイル(これは、また参考情報セットとしても言及される)は、典型的には、一人以上の個体からの末梢血におけるSMOC1値のデータの形状である。対照プロファイルは、2型糖尿病ではない一人以上の個体からのデータの形状である。あるいは、対照プロファイルは2型糖尿病である一人以上の個体からのデータの形状である。
本発明の方法に従う対照プロファイルあるいは参考データセットは、一人以上の個体からの代表するデータであり、適切な確度を有し、個体が2型糖尿病のリスクにあるのか又は2型糖尿病であるのかを、当業者に決定させ得る充分な代表的データを含んでいる。ある実施形態において、参考データセットは少なくとも10の個体からの参考データを含んでいる。当業者は、また、もしデータセットがより大きい数の個体からの参考データを含んでいる場合、治療を受ける個体の選別をより高い精度で見通すことができる。このように、更なる実施形態において、参考データセットは10からそれ以上の個体、25以上、50以上、100以上、200以上、400以上、600以上、800以上、又は1000以上の個体からの参考データを含んでいる。
個体が2型糖尿病のリスクにあるのか又は2型糖尿病であるのかを決定する目的で、個体からの試験サンプル中のSMOC1の値は、参考データ又は参照情報中のSMOC1の量と比較される。
試験サンプル中のSMOC1の値は、参考データ又は参照情報中のSMOC1の量と対照プロファイル又は参照データセット中のSMOC1の相対量に基づいて決定する目的で、
「より低い」は試験サンプル中のSMOC1の値が対照プロファイルにおけるSMOC1の値より10%以上も低いことを意味する。
「同じ」は、その値が、対照プロファイルにおけるSMOC1の値よりわずか10%より多い又はより少ないことを意味する。
「より多い」又は「より高い」は、試験サンプル中のSMOC1の値が対照プロファイルにおけるSMOC1の値より10%以上も多いことを意味する。ある実施形態において、本発明の方法は、リスクの測定をしている個体からのサンプル中のSMOC1の測定値の比較を含んでいる。幾つかの実施形態において、その比較は、個体から得たSMOC1タンパク質の正規化された量の検討及び、例えばエクセルスプレッドシートなどの、参考データセットにあるSMOC1量の直接的目視比較から生じた。しかしながら、当業者は、本発明は、制限されておらず、個体のSMOC1の量は、一人以上の個体のSMOC1の量を参考データセットとして同じ実験で測定できることを理解するであろう。例えば、SMOC1がマルチウェルプレート上のELISA実験によって測定される場合、個体及び参考データセット用のサンプルは、同じプレートに含めることができる。比較工程は、このような状況下で、ELISA実験から得られる発光強度の程度の比較に関連する。
多くの個体からのバイオマーカ情報を含んでいる参考データセットの状況において、場合によっては、試験サンプル中のバイオマーカの量と参考データセット中のバイオマーカの量の間の類似性又は違いの有意性を正しく測定するため統計分析が必要であることは理解できるであろう。当業者は、例えば、平均に基づく統計的検定(スチューデントのt検定及びその拡大解釈)、ベイズ及び経験的ベイズ法、分布型を問わない統計学的検定法、分散分析(ANOVA及び拡張)、経験的ベイズ/モデレート検定及び部分最小二乗法、ロジスティック回帰分析、完全又は部分的最小二乗法(PLS)、クラスター分析、機械学習技術又は「ビッグデータ」分析技術など、分析を容易にするため用いられる異なる統計方法に精通しているであろう。
本明細書に開示され、定義されている本発明は、上に述べられ、また記述又は図から明らかな個々の特徴の二つ以上のあらゆる組み合わせが可能であることは理解されるであろう。これらの異なる組み合わせの全てが本発明の多様な選択的態様を構成する。
これらの実施例は、本発明のこれら及び他の態様を示すために意図されており、実施例は、本発明の実施形態を記述するものであるが、実施例はこれらの実施形態をなんら制限するものではないことは理解されるであろう。上述の発明の態様及び/又は要旨を逸脱することなく、種々の変更が可能であり、等価物の代替が可能であり、修正が可能である。全ての変更、等価物、修正は、本明細書に記載されている請求項の範囲内で意図されている。
実施例1
動物飼育とメインテナンス
外科手術と実験手順は、Monash University School of Biomedical Science Animal Ethics Committeeが承認した。C57BL/6雄マウスをMonash Animal Servicesより購入した。全マウスが、温度(22℃)と光(12:12時間明暗サイクル)の管理下、飼育され、随意に、固形飼料(Specialty Feeds Irradiated Rat and Mouse Pellets;タンパク質からの熱量19.6%、脂質4.6%、粗繊維4.8%、14.3MJ/kg熱量;両C57BL/6マウス及びdb/dbマウス)又は高脂質飼料(HFD、C57BL/6マウス)(Specialty Feeds SF03−002;タンパク質19.5%、脂質36%、粗繊維4.7%、22.8MJ/kg熱量)が食餌された。
腹腔内耐糖能テスト(IP−GTT)
腹腔内耐糖能テストを10週齢の正常(lean)マウス(n=20)と14週齢のHFDマウス(n=10)に実施した。マウスに、無機リンとともに、生理食塩水又はヒト組換えSMOC1(1.63mg/kg(体重))(Life Research)のいずれかを耐糖能テストの2時間前に注射した。マウスは4時間絶食させ、腹腔内に2g/kgブドウ糖(50%デキストリン溶液)を注入した。テスト前、注入後15、30、45、60、及び90分に尾出血を通して血糖値を分析した。
経口耐糖能テスト(OGTT)
経口耐糖能試験を12週齢(n=4)と16週齢(n=16)の正常(lean)マウス、17週齢(n=8)と20週齢(n=8)のHFDマウス、及び10週齢(n=14)と18週齢(n=3)のdb/dbマウスに実施した。実験を始める4時間前は、マウス全てを絶食させた。
HFDは、各々OGTTに先立ち3週間及び6週間与えられた。
マウスに、生理食塩水又はヒト組換えSMOC1(1.63mg/kg(体重))(Life Research)のいずれかをOGTTの2時間前に腹腔内注射した。マウスは4時間絶食させ、50μgのブドウ糖(25%デキストリン溶液)を強制投与された。テスト前、注入後15、30、45、60、及び90分に尾出血を通して血糖値を分析した。
血液測定
0、5、15、30、及び60分のOGTTの間、150μLの血液が、インスリン、C−ペプチド、及びGLP−1測定のため採取された。血液は、キンブルチェース(Kimble Chase登録商標)75mmヘパリン添加キャピラリーチューブを用いて集められ、1.5μLのDPP4阻害剤と1.5μLのプロテアーゼ阻害剤カクテル(Protease Inhibitor Cocktail)(Sigma−Aldrich、 St.Louis、 MO.)を含んでいる1.7mLエッペンドルフチューブ(Eppendorf Tube登録商標)に移された。これらの阻害剤は、活性GLP1の非活性GLP1への変換を防ぐために加えられた。サンプルは8000rpmで3分間遠心分離され、血漿が新たな1.7mLエッペンドルフチューブに移され、その後の分析のため液体窒素で直ちに凍結された。GLP−1酵素結合免疫測定(ELISA)キット(Eagle Biosciences)が、マウス血漿中の生体活性GLP−1(7−36)を定量するために用いられた。マウスC−ペプチドELISAキット(Crystal Chem.)が、マウス血漿中のC−ペプチド濃度測定のために用いられた。
ウェスタンブロット分析
マウス血漿は1/50に水で希釈され、同量の2×Laemmli緩衝液(Biorad)と混合された。サンプルは95℃で5分間沸騰され、20μLのサンプルが、7.5%Criterion Stain−freeプレキャストゲル(Bio−Rad Laboratories、NSW、Australia)に導入された。導入量は、血漿0.833μLに相当する。サンプルは、SDS−PAGEに付され、PVDF膜(Trans−Blot(登録商標)Turbo(商標)Transfer System、Bio−Rad Laboratories、NSW、Australia)に移された。膜は、TBST中で5%ミルクでブロックされ、TBST中で5分間3回洗浄され、SMOC1に対して増強されたウサギポリクロナール抗体(ATLAS抗体;HPA00415)(TBST+5%BSA内で1/1000希釈)を用い、室温で1時間、揺り台上で探針された。TBST中で5分間3度の洗浄の後、膜は適当な第二の抗体(Anti−rabbit ECL IgG、NA934OV,GE Healthcare)(TBST中で5%ミルクに1/2000希釈)で探針され、結合が製造業者の指示書(Clarity(商標)Western ECL Substrate、Bio−Rad Laboratories、NSW、Australia)に従って、ChemiDoc(商標)MP System(Bio−Rad Laboratories、NSW、Australia)を用いて強化された化学発光法により検出され、濃度測定法(ImageLab、Version4.1、Bio−Rad Laboratories、NSW、Australia)により定量された。免疫活性信号は、これはImage Labを用いてステインーフリーブロット画像の可視化によって得られ定量されるのであるが、サンプルごとの全タンパク質負荷の密度に正規化される。
肝細胞分離
マウスは、3%イソフルオレン(isorrane Inhalation Anaesthetic、Baxter)で麻酔をかけられ、24ゲージのカテーテルが肝門静脈に挿入された。肝臓が、ぜん動ポンプ(Pharmacia Biotech P−1)を用いて、37℃に保たれた50mLのHanks Buffered Salt Solution(HBSS)で潅流された。その後、肝臓は、Liberase TM Research Grade(50μg/ml)(Roche)を含んでいる50mLのコラーゲン緩衝液で潅流された。下大静脈は、潅流液の排出を可能とするため、潅流を始める際に切断された。肝臓が、潅流完了後切開され、ハサミで細かく刻まれ、70μmのフィルターで固化され、3度のHanks緩衝液による洗浄後、肝細胞は、以下に述べられているように、ろ過されたM199培地に懸濁された。肝細胞の純化は蛍光活性細胞選別により予備実験において確立された。
細胞培養及び試験管内実験設計
単離された初代肝細胞は、10%FBS、1%ペニンシリン−ストレプトマイシン(Gibco)、100nMインスリン(Sigma)、400nデキタメタゾン(Sigma)及び1.5nMのEGF(BD Biosciences)が補われた、ろ過されたM119培地中で組織培養皿に播種された。4時間後、培地が、同じ培地と補助物と10nMインスリンで置き換えられた。培養培地が24時間後替えられ、肝細胞はPBSで洗浄され、続いてEX−CELL(登録商標)325Protein−Free CHO Serum−Free Medium(SAFC Biosciences)中で培養された。順化培地が24時間後集められ、300×gで遠心分離され、培地が集められ―80℃で保存された。
iTRAQサンプル準備及びデータ収集
マウス肝細胞からの各々2.5mLの順化培地は、0.5M炭酸水素トリメチルアンモニウムと0.02%(W/V)SDSに、Viva spin 5000MWCO装置(Sartorius、Bohemia、NY)を用いて3000gの限界濾過により緩衝液交換された。タンパク質がTCEPで還元され、MMTSでアルキル化され、トリプシンで消化され、製造者の指示書に従ってiTRAQ 8−plex試薬で標識された。iTRAQで標識されたサンプルは(4HFD、4ビヒクル対照)は同率で結合され、強陽イオン交換クロマトグラフィーで分画化され12分画を得た。各分画は、乾燥され、0.1%トリフルオロ酢酸、2%アセトニトリルで再懸濁され、逆相法Captrap(Michrom Bioresources、CA)に負荷された。脱塩に続いて、トラップが150μm×10cm、C18 3μm 300ÅProteCol カラム(SGE、Ringwood、Vic)のラインに切り替えられ、TripleTOF 5600質量分析器(AB Sciex、Redwood City、CA)でトップ10データ依存的解析の120分勾配を採用することでナノLC ESI MS/MSにより分析された。
プロテオーム解析
ProteinPilot v4.0(AB Sciex)がiTRAQデータ処理のために用いられた。32614の入力(fwd+rev)を有するSwissProt2010 Mus musculusデータベースが検索された。ProteinPilotパラメータ設定において、徹底検索モードが採用され、前駆体イオン質量許容値は0.05Daであり、精製イオン質量許容値は0.1Da、Unused ProtScoreは>1.3(95%信頼度、0.3%タンパク質FDRに相当)であり、バイアス補正が可能とされた。タンパク質iTRAQ比は対応するペプチドiTRAQ比の幾何平均であり、これは最低2つのペプチドスペクトル一致を必要とする。個別に発現されたタンパク質は2標本t−検定で測定された(P<0.05)。
実施例2
SMOC1は、マウスへのグルコース投与によって肝臓により分泌され誘発される(図1)。
12週齢のC57Bl/6J雄マウスに固形飼料又は高脂質飼料(HFD)を6週間与えた(図1)。肝細胞を単離しiTRAQタンパク質標識とタンデム質量分析法により、肝臓からのタンパク質分泌を評価した。C57Bl/6J雄マウスにグルコース(2g/体重(kg))を注射し、血液サンプルを尻尾を切って得、遠心分離後血漿が収集され、SMOC1タンパク質が免疫ブロット法により分析され、タンパク質負荷に正規化された(stain−freeゲル、N=3マウス)(図1B)。
実施例3
正常及び高脂飼料(すなわち、インスリン抵抗性、前糖尿病)の両マウスの腹腔内グルコース投与の応答において、SMOC1は血漿グルコースクリアランスを加速させ促進する。
固形飼料(Lean;図2A)又は高脂質飼料(HFD;図2B)が与えられた12週齢のC57Bl/6J雄マウス。グルコース投与の2時間前にSMOC1又は対照溶液を注射した。血液サンプルがグルコース投与(2g/体重(kg))前(0分)と投与後15分ごとに採取した。2回の個別実験(Lean:n=9対照、n=10SMOC1、HFD:n=5対照、n=5SMOC1)の結果である。統計分析が、Bonferroniポストホック補正を伴う二元配置反復測定分散分析によりなされた。各測定時間の対照とSMOC1に対するP値(P<0.05)。
図2Aに示されているように、対照と比較すると、leanマウスにおけるSMOC1の投与は、血糖値のa%減少、30、60、45及び90分では、各々およそ34%、およそ41%、およそ36%及びおよそ25%の結果であった。
図2Bに示されているように、対照と比較すると、高脂飼料(すなわち、インスリン抵抗性、前糖尿病)マウスにおけるSMOC1の投与は、血糖値のa%減少、30、45、60及び90分では、各々およそ3%、およそ21%、およそ38%及びおよそ48%の結果であった。
実施例4
正常(lean)マウスにおける経口グルコース投与の応答において、SMOC1は血漿グルコースクリアランスを加速させ促進する(図3)。
固形飼料(Lean)が与えられた12週齢のC57Bl/6J雄マウス。SMOC1又は対照溶液が、グルコース投与の2時間前に注射された。SMOC1投与の前(−120分)、グルコース投与の前(0分)及びグルコース投与(50μgグルコース)後15分ごとに血液サンプルを採取した。図3Aは血糖を示し、図3Bは血漿インスリンを示し、図3Cは血漿C−ペプチド値を示している。2回の個別実験(n=9対照、n=10SMOC1)の結果である。統計分析が、Bonferroniポストホック補正を伴う二元配置反復測定分散分析によりなされた。各測定時間の対照とSMOC1に対するP値(P<0.05)。関連して、経口グルコース投与前の空腹時血糖値は、対照とSMOC1を投与されたマウスの間に違いがなかった(すなわち、SMOC1投与−120分とグルコース投与0分の間)。このことは、明らかに、SMOC1は空腹時血糖の基礎値の減少を起こさず低血糖症を引き起こさないことを示している。SMOC1投与は、血漿インスリン又はC−ペプチド値を変えることがなく、インスリン分泌に影響を与えないことを示していた。
図3Aに示されているように、正常マウスにおけるSMOC1の投与は、対照と比較すると、血糖値のa%減少、30、45、60及び90分では、各々およそ20%、およそ24%、およそ20%及びおよそ16%の結果であった。
実施例5
高脂飼料(すなわち、インスリン抵抗性、前糖尿病)マウスにおける経口グルコース投与の応答において、SMOC1は血漿グルコースクリアランスを加速させ促進する(図4)。
高脂飼料(HFD)が与えられた12週齢のC57Bl/6J雄マウス。SMOC1又は対照溶液が、グルコース投与の2時間前に注射された。SMOC1投与の前(−120分)、グルコース投与の前(0分)及びグルコース投与(50μgグルコース)後15分ごとに血液サンプルを採取した。図4Aは血糖を示し、図4Bは血漿インスリンを示し、図4Cは血漿C−ペプチド値を示している。2回の個別実験(n=8対照、n=7SMOC1)の結果である。統計分析が、Bonferroniポストホック補正を伴う二元配置反復測定分散分析によりなされた。各測定時間の対照とSMOC1に対するP値(P<0.05)。図3示されている結果と同様に、経口グルコース投与前の空腹時血糖値は、対照とSMOC1を投与されたマウスの間に違いがなかった(すなわち、SMOC1投与−120分とグルコース投与0分の間)。再度、このことは、明らかに、SMOC1は空腹時血糖の基礎値の減少を起こさず低血糖症を引き起こさないことを示している。SMOC1投与は、血漿インスリン値を変えることがなく、インスリン分泌に影響を与えないことを示していた。
図4Aに示されているように、高脂飼料(すなわち、インスリン抵抗性、前糖尿病)マウスにおけるSMOC1の投与は、対照と比較すると、血糖値のa%減少、30、45、60及び90分では、各々およそ19%、およそ26%、およそ25%及びおよそ26%の結果であった。
実施例6
単量体Hisタグ形状又は二量体Fc形状いずれかのSMOC1の、グルコース投与に応答する血漿グルコースにおける効果
15週齢のC57Bl/6J雄マウス。SMOC1−his、SMOC1−fc又は対照溶液が、注射された。SMOC1/対照投与の前(−120分)、グルコース投与の前(0分)及びグルコース投与(2g/体重(kg))後15分ごとに血液サンプルが得られた。図5AはSMOC1/対照投与2時間後の血糖を示し、図5BはSMOC1/対照投与24時間後の血糖を示している。1回の実験(各グループn=3)の結果である。統計分析が、Bonferroniポストホック補正を伴う二元配置反復測定分散分析によりなされた。各測定時間の対照とSMOC1−fcに対するP値(P<0.05)。SMOC1−hisとSMOC1−fcのいずれもグルコース投与直後血中グルコースクリアランスを有意に促進し、グルコース投与後24時間後もその傾向があった。
実施例7
正常血糖被験者と比べ2型糖尿病の個体においてSMOC1が増加させられる(図6)。
糖尿病ではない(正常血糖、n=12)肥満のヒトと2型糖尿病である(T2D、n=11)肥満のヒトにおける血漿SMOC1の値。正常血糖値に対する*P=0.005。
血中からグルコースを効率的に取り除くことができないことが、インスリン抵抗性(前糖尿病)及び2型糖尿病を有する個体の主要な欠陥である。ここで述べられている実験の結果は、SMOC1が、正常インスリン感受性のマウス及び高脂摂取によって肥満になりインスリン抵抗性(前糖尿病)を有するようになったマウスにおいてグルコースクリアランスを改善することができることを示している。SMOC1は、これらの有益な効果をインスリン分泌を強化することにより引き起こしているものではなく、むしろ、データは、SMOC1が(1)インスリン安定剤又は(2)血糖値が上昇するとき(食後など)にのみ働くグルコースクリアランスのモジュレータとして働いていることを示している。これは、SMOC1が低血糖症(低血糖)を引き起こす、これが既存の多くの糖尿病薬の問題であるが、ことなくグルコースクリアランスを高めるため、臨床的に重要なことである。
実施例8
糖尿病db/dbマウスにおいて、SMOC1は耐糖能を改善する(図7)。
SMOC1(3mg/kg体重)タンパク質又は対照溶液(0.9%生理食塩水)を、グルコース投与の2時間前に10週齢db/db雌マウスの腹腔内に注入した。
タンパク質投与の前(−120分)、グルコース投与の2時間前(0分)及びグルコース投与後(各マウスに50mg)15分ごとに血液サンプルが得られた。図7Aはグルコース投与後、90分以上の血糖を示している。試験対象間の5日間の無作為化交差法。各グループN=14。統計分析が、二元配置反復測定分散分析ANOVAによりなされた。対応する時間の対照とSMOC1に対するP値は、P=0.01。
実施例9
SMOC1をコード化するアデノ随伴ウィルス(AAV)(Vector Biolabs PA、USA、構築体AAV8−ALB−hSMOC1−2A−GFP、製品番号AAV−223762)が、生体内でのSMOC1の発現の効果を測定する目的で得られた。手短に述べると、該ウィルスはAAV−8カプシドとAAV−2 ITR遺伝子、ヒトSMOC1(GeneBank Ref:BC011548.1で提供される配列)が、アルブミンプロモータの制御下またeGFPを高度化する遺伝子の上流でコード化された。構築体は、SMOC1とGFPタンパク質を結合するためのT2Aリンカーをコード化する領域を含んでいる。
GFPのみをコード化する構築体は、対照(AAV8−AL.B−GFP、Vector Biolabs)として用いられた。
SMOC1−GFP融合体をコード化するcDNAを含んでいるアデノ随伴ウィルス(AAV)又はGFPをコード化する対照ベクターを10週齢db/db雌マウスに静脈注射された。耐糖能が、実施例8に述べられているように18週目に評価された。図7Bは、グルコース投与後90分以上の血糖値を示している。各グループN=3。
統計分析が、二元配置反復測定分散分析ANOVAによりなされた。対応する時間の対照とSMOC1に対するP値は、P=0.01。
実施例10
当業者は、治療を受けている個体のインスリン抵抗性の重篤性にもよるが、SMOC1用量を変化させることが、血糖値を下げることに効果的であることを理解するであろう。当業者は、また、それを必要とする個体においてグルコースクリアランスを促進するために適切なSMOC1用量を容易に決定することができるであろう。
しかしながら、特定の用量値及び特定の患者のだれに対しても服用の頻度は様々であり、用いられた特定のSMOC1の活性、そのSMOC1の代謝安定性及び反応の長さ、齢、体重、健康全般、性別、摂食、投与様式及び時間、排出速度、薬剤の組み合わせ、特定の状態の重篤性及び治療を受けている宿主を含む種々の因子によるであろう。
更に、ここに提供された開示に基づいて、マウスにおいて用いられた治療的に効果的な用量に関連して、適切なヒト用量を決める方法に、当業者は精通しているであろう。例えば、ヒト用量変換は、U.S.Department of Health and Human Services Food and Drug Administration Center for Drug Evaluation and Research (CDER), Estimating the Maximum Safe Starting Dose In Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers. Rockville、MD 2005、に記載されている関連方法のいずかによってなされ、その内容はここに参照として援用される。
ここに述べられているヒト等価用量は、身体表面積に基づく用量変換用のCDER‘Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers’に記載されている方法を用いて引き出す。ここで用いられているように、CDER文書に記載の方法における如何なる変形もマウスに投与された容量から適したヒト用量の決定のために利用してもよい(例えば、幾つかの状況では、身体表面積よりむしろ体重に基づく用量増減が適切である)。更に、当業者は、また若い人(例えば非成人)への適切な用量を決定する方法と同様に、本発明の方法が適用された非ヒト生体への適した用量を決定する方法にも精通するであろう。当業者は、また、意図している投与方法に基づいて適切な用量を調節する方法(例えば、静脈、筋肉内、皮下、局所、経口又は他の投与方法)にも精通するであろう。
ヒト等価用量(mg/kgHED)=動物用量(mg/kg)×animal K÷Human K、ここでKは体重と身体表面積間の関係を反映する補正係数である。
典型的は成人(体重60kg、身体表面積1.6m2)向けには、Kは37でありマウスKは3である。このように、著しく肥満である2型糖尿病のモデルにおける血糖値の減少に効能がある3mg/kgの用量は、およそ0.25mg/kgのヒト等価用量に換算できる。
おおよそ1.63mg/kg体重のSMOC1の用量、これはここで正常及び高脂質飼料摂食の両マウスにおける血糖値の低下に効能があると示されているが、はヒト等価用量としてはおよそ0.14mg/kgに換算できる(典型的な、60kgのヒト成人を仮定して)。
2型糖尿病又は肥満を患う成人は、恐らく60kg以上であり、当業者は、60kg成人と比べて増加した身体表面積を考慮してSMOC1の用量を調節するための適した方法に精通するであろう。
配列番号1 ヒトSMOC1アミノ酸配列
MLPARCARLLTPHLLLVLVQLSPARGHRTTGPRFLISDRDPQCNLHCSRTQPKPICASDGRSYESMCEYQRAKCRDPTLGVVHRGRCKDAGQSKCRLERAQALEQAKKPQEAVFVPECGEDGSFTQVQCHTYTGYCWCVTPDGKPISGSSVQNKTPVCSGSVTDKPLSQGNSGRKDDGSKPTPTMETQPVFDGDEITAPTLWIKHLVIKDSKLNNTNIRNSEKVYSCDQERQSALEEAQQNPREGIVIPECAPGGLYKPVQCHQSTGYCWCVLVDTGRPLPGTSTRYVMPSCESDARAKTTEADDPFKDRELPGCPEGKKMEFITSLLDALTTDMVQAINSAAPTGGGRFSEPDPSHTLEERVVHWYFSQLDSNSSNDINKREMKPFKRYVKKKAKPKKCARRFTDYCDLNKDKVISLPELKGCLGVSKEVGRLV
配列番号2 ヒトSMOC1ヌクレオチド配列
ATGCTGCCCGCGCGCTGCGCCCGCCTGCTCACGCCCCACTTGCTGCTGGTGTTGGTGCAGCTGTCCCCTGCTCGCGGCCACCGCACCACAGGCCCCAGGTTTCTAATAAGTGACCGTGACCCACAATGCAACCTCCACTGCTCCAGGACTCAACCCAAACCCATCTGTGCCTCTGATGGCAGGTCCTACGAGTCCATGTGTGAGTACCAGCGAGCCAAGTGCCGAGACCCGACCCTGGGCGTGGTGCATCGAGGTAGATGCAAAGATGCTGGCCAGAGCAAGTGTCGCCTGGAGCGGGCTCAAGCCCTGGAGCAAGCCAAGAAGCCTCAGGAAGCTGTGTTTGTCCCAGAGTGTGGCGAGGATGGCTCCTTTACCCAGGTGCAGTGCCATACTTACACTGGGTACTGCTGGTGTGTCACCCCGGATGGGAAGCCCATCAGTGGCTCTTCTGTGCAGAATAAAACTCCTGTATGTTCAGGTTCAGTCACCGACAAGCCCTTGAGCCAGGGTAACTCAGGAAGGAAAGATGACGGGTCTAAGCCGACACCCACGATGGAGACCCAGCCGGTGTTCGATGGAGATGAAATCACAGCCCCAACTCTATGGATTAAACACTTGGTGATCAAGGACTCCAAACTGAACAACACCAACATAAGAAATTCAGAGAAAGTCTATTCGTGTGACCAGGAGAGGCAGAGTGCTCTGGAAGAGGCCCAGCAGAATCCCCGTGAGGGTATTGTCATCCCTGAATGTGCCCCTGGGGGACTCTATAAGCCAGTGCAATGCCACCAGTCCACTGGCTACTGCTGGTGTGTGCTGGTGGACACAGGGCGCCCGCTGCCTGGGACCTCCACACGCTACGTGATGCCCAGTTGTGAGAGCGACGCCAGGGCCAAGACTACAGAGGCGGATGACCCCTTCAAGGACAGGGAGCTACCAGGCTGTCCAGAAGGGAAGAAAATGGAGTTTATCACCAGCCTACTGGATGCTCTCACCACTGACATGGTTCAGGCCATTAACTCAGCAGCGCCCACTGGAGGTGGGAGGTTCTCAGAGCCAGACCCCAGCCACACCCTGGAGGAGCGGGTAGTGCACTGGTATTTCAGCCAGCTGGACAGCAATAGCAGCAACGACATTAACAAGCGGGAGATGAAGCCCTTCAAGCGCTACGTGAAGAAGAAAGCCAAGCCCAAGAAATGTGCCCGGCGTTTCACCGACTACTGTGACCTGAACAAAGACAAGGTCATTTCACTGCCTGAGCTGAAGGGCTGCCTGGGTGTTAGCAAAGAAGTAGGACGCCTCGTCTAA
配列番号3 SMOC1−Fc−3’Hisアミノ酸配列
MLPARCARLLTPHLLLVLVQLSPARGHRTTGPRFLISDRDPQCNLHCSRTQPKPICASDGRSYESMCEYQRAKCRDPTLGVVHRGRCKDAGQSKCRLERAQALEQAKKPQEAVFVPECGEDGSFTQVQCHTYTGYCWCVTPDGKPISGSSVQNKTPVCSGSVTDKPLSQGNSGRKDDGSKPTPTMETQPVFDGDEITAPTLWIKHLVIKDSKLNNTNIRNSEKVYSCDQERQSALEEAQQNPREGIVIPECAPGGLYKPVQCHQSTGYCWCVLVDTGRPLPGTSTRYVMPSCESDARAKTTEADDPFKDRELPGCPEGKKMEFITSLLDALTTDMVQAINSAAPTGGGRFSEPDPSHTLEERVVHWYFSQLDSNSSNDINKREMKPFKRYVKKKAKPKKCARRFTDYCDLNKDKVISLPELKGCLGVSKEVGRLVSHHHHHHASDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
配列番号4 SMOC1−Fc−3’Hisヌクレオチド配列
ATGGGCTGGAGCCTGATCCTCCTGTTCCTCGTCGCTGTGGCTACAGGTAAGGGGCTCACAGTAGCAGGCTTGAGGTCTGGACATATATATGGGTGACAATGACATCCACTTTGCCTTTCTCTCCACAGGTGGCGCGCATGCTGCCCGCGCGCTGCGCCCGCCTGCTCACGCCCCACTTGCTGCTGGTGTTGGTGCAGCTGTCCCCTGCTCGCGGCCACCGCACCACAGGCCCCAGGTTTCTAATAAGTGACCGTGACCCACAATGCAACCTCCACTGCTCCAGGACTCAACCCAAACCCATCTGTGCCTCTGATGGCAGGTCCTACGAGTCCATGTGTGAGTACCAGCGAGCCAAGTGCCGAGACCCGACCCTGGGCGTGGTGCATCGAGGTAGATGCAAAGATGCTGGCCAGAGCAAGTGTCGCCTGGAGCGGGCTCAAGCCCTGGAGCAAGCCAAGAAGCCTCAGGAAGCTGTGTTTGTCCCAGAGTGTGGCGAGGATGGCTCCTTTACCCAGGTGCAGTGCCATACTTACACTGGGTACTGCTGGTGTGTCACCCCGGATGGGAAGCCCATCAGTGGCTCTTCTGTGCAGAATAAAACTCCTGTATGTTCAGGTTCAGTCACCGACAAGCCCTTGAGCCAGGGTAACTCAGGAAGGAAAGATGACGGGTCTAAGCCGACACCCACGATGGAGACCCAGCCGGTGTTCGATGGAGATGAAATCACAGCCCCAACTCTATGGATTAAACACTTGGTGATCAAGGACTCCAAACTGAACAACACCAACATAAGAAATTCAGAGAAAGTCTATTCGTGTGACCAGGAGAGGCAGAGTGCTCTGGAAGAGGCCCAGCAGAATCCCCGTGAGGGTATTGTCATCCCTGAATGTGCCCCTGGGGGACTCTATAAGCCAGTGCAATGCCACCAGTCCACTGGCTACTGCTGGTGTGTGCTGGTGGACACAGGGCGCCCGCTGCCTGGGACCTCCACACGCTACGTGATGCCCAGTTGTGAGAGCGACGCCAGGGCCAAGACTACAGAGGCGGATGACCCCTTCAAGGACAGGGAGCTACCAGGCTGTCCAGAAGGGAAGAAAATGGAGTTTATCACCAGCCTACTGGATGCTCTCACCACTGACATGGTTCAGGCCATTAACTCAGCAGCGCCCACTGGAGGTGGGAGGTTCTCAGAGCCAGACCCCAGCCACACCCTGGAGGAGCGGGTAGTGCACTGGTATTTCAGCCAGCTGGACAGCAATAGCAGCAACGACATTAACAAGCGGGAGATGAAGCCCTTCAAGCGCTACGTGAAGAAGAAAGCCAAGCCCAAGAAATGTGCCCGGCGTTTCACCGACTACTGTGACCTGAACAAAGACAAGGTCATTTCACTGCCTGAGCTGAAGGGCTGCCTGGGTGTTAGCAAAGAAGTAGGACGCCTCGTCTCACATCATCACCATCACCACGCTAGCGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCCCCGGGTAA

Claims (27)

  1. 個体における血中グルコースクリアランスを促進する方法であって、SMOC1、SMOC1を含む融合タンパク質、又はそれらの生物学的に活性な変異体又は類似体を前記個体に投与することにより、個体における血中グルコースクリアランスを促進する方法。
  2. 血中からグルコースを取り除く能力が不全である個体を認定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 個体における上昇した血糖値によって引き起こされる疾患を治療又は予防する方法であり、SMOC1、SMOC1を含む融合タンパク質、又はそれらの生物学的に活性な変異体又は類似体を個体に投与することにより、個体における上昇した血糖値に関連する疾患を治療又は予防する方法。
  4. SMOC1が経口により投与される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. SMOC1が系統的に投与される、請求項1〜3の何れかの一項に記載の方法。
  6. 前記個体が血中からグルコースを取り除く能力が不全である者である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記個体がインスリン抵抗性を示す、請求項6に記載の方法。
  8. 前記個体が2型糖尿病又は前糖尿病である、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記個体の血糖値が上昇する事象の前にSMOC1が投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 空腹時にSMOC1が投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  11. SMOC1が摂食前に投与される、請求項10に記載の方法。
  12. SMOC1がヒトSMOC1である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. ヒトSMOC1が配列番号1に示されるアミノ酸を含む又はからなる、請求項12に記載の方法。
  14. SMOC1を含む前記融合タンパク質がSMOC1の第一アミノ酸配列及びSMOC1の第二アミノ酸配列を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  15. SMOC1を含む前記融合タンパク質が抗体のFc部分とSMOC1タンパク質を含む融合タンパク質である請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記融合タンパク質が配列番号3に示されるアミノ酸を含む、請求項14又は15に記載の方法。
  17. SMOC1、SMOC1を含む融合タンパク質、又はそれらの生物学的に活性な変異体又は類似体、及び薬学的に許容された希釈剤、賦形剤又は担体を含む、個体における血中グルコースクリアランスを促進するための医薬組成物。
  18. 血中からグルコースを取り除く能力が不全である個体の治療に用いるためのSMOC1、SMOC1を含む融合タンパク質、又はそれらの生物学的に活性な変異体又は類似体。
  19. グルコースクリアランスを必要とする個体の血中からグルコースクリアランスを促進するための医薬品の製造における、SMOC1、SMOC1を含む融合タンパク質、又はそれらの生物学的に活性な変異体又は類似体の使用。
  20. 血中からグルコースを取り除くための能力が不全である個体の治療におけるSMOC1、SMOC1を含む融合タンパク質、又はそれらの生物学的に活性な変異体又は類似体を含む組成物。
  21. SMOC1又はその生物学的に活性な変異体又は類似体のアミノ酸配列を含む融合タンパク質。
  22. SMOC1又はその生物学的に活性な変異体又は類似体の第一のアミノ酸配列及びSMOC1又はその生物学的に活性な変異体又は類似体の第二のアミノ酸配列をさらに含む、請求項21に記載の融合タンパク質。
  23. 抗体のFcタンパク質及びSMOC1又はその生物学的に活性のある変異体又は類似体を含む融合タンパク質。
  24. 前記タンパク質が配列番号3に示されるアミノ酸配列を含む、請求項23に記載の融合タンパク質。
  25. 型糖尿病であるか、又は同病気を発症するリスクのある個体を診断する方法であって、前記方法が、
    2型糖尿病であるか診断すべき個体からの末消血液の試験サンプルを提供すること、
    SMOC1濃度について試験サンプルを評価し、それによって試験サンプルプロファイルを形成すること、
    2型糖尿病を有さない個体の末消血液中の前記SMOC1濃度データを含む対照プロファイルを提供すること、
    前記試験サンプルプロファイルと前記対照プロファイル間で前記SMOC1濃度に違いがあるかどうかを同定するために試験サンプルプロファイルを対照プロファイルと比較すること、
    前記試験サンプルプロファイルの前記SMOC1濃度が前記対照プロファイルのものより高い場合前記個体が2型糖尿病であるか又は同病気を発症するリスクがあることを決定すること、
    前記試験サンプルプロファイルの前記SMOC1濃度が前記対照プロファイルのものと同じか又は低い場合前記個体が2型糖尿病ではない又は同病気を発症するリスクがないことを決定すること
    を含む、方法。
  26. SMOC1がヒトSMOC1である、請求項17〜25のいずれか1項に記載の組成物、融合タンパク質、又は方法。
  27. ヒトSMOC1が配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する、請求項26に記載の組成物、融合タンパク質、又は方法。
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