JP2018204440A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機 Download PDF

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裕之 仲井間
Hiroyuki Nakaima
裕之 仲井間
昇平 藤原
Shohei Fujiwara
昇平 藤原
隆容 鈴木
Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
友次 橋本
Tomoji Hashimoto
友次 橋本
和也 本田
Kazuya Honda
和也 本田
昭洋 中島
Akihiro Nakajima
昭洋 中島
久弥 近藤
Hisaya Kondo
久弥 近藤
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Abstract

【課題】高い制御性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、ピストン9と、区画体13bと、移動体13aと、制御圧室13cと、制御機構15とを備えている。また、この圧縮機は、斜板5の傾斜角度を減少させる付勢部材としての傾角減少ばね59を備えている。傾角減少ばね59は、第1付勢力F1と第2付勢力F2とを有している。第1付勢力F1は、斜板5の傾斜角度の最大値から、最大値よりも小さく傾斜角度の最小値よりも大きい所定傾角までの間に作用する。第2付勢力F2は、斜板5の傾斜角度が所定傾角よりも小さい間に作用する。そして、第1付勢力F1は、第2付勢力F2よりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、駆動軸と、斜板と、リンク機構と、複数のピストンと、区画体と、移動体と、制御圧室と、制御機構と、付勢部材とを備えている。
ハウジングには、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されている。駆動軸はハウジングに回転可能に支承されている。斜板は、斜板室内に配置されており、駆動軸とともに回転可能となっている。リンク機構は斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対して斜板がなす角度である。各ピストンは、各シリンダボアにそれぞれ収納されており、斜板の回転によって傾斜角度に応じたストロークでシリンダボア内を往復動可能となっている。これにより、各ピストンは、各シリンダボア内に圧縮室を形成する。区画体は、駆動軸に設けられており、斜板室内で駆動軸と一体回転可能となっている。移動体は、駆動軸に移動可能に設けられているとともに斜板に連結されている。移動体は、斜板室内で駆動軸と一体回転可能であるとともに、かつ区画体に対して駆動軸心方向に移動可能となっている。制御圧室は、区画体と移動体とによって区画されており、内部の圧力が高くなることにより、移動体を移動させて傾斜角度を増大させる。制御機構は制御圧室内の圧力を調整する。付勢部材は、斜板を付勢して傾斜角度を減少させる。
この圧縮機では、制御機構が制御圧室内の圧力を高くすれば、移動体は、区画体から離れるように駆動軸心方向に移動する。このため、移動体が斜板を牽引し、斜板はピストンを通じて自己に作用する圧縮反力や付勢部材の付勢力に抗しつつ傾斜角度を増大させる。こうして、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が増大する。一方、制御機構が制御圧室内の圧力を低くすれば、斜板は圧縮反力や付勢部材の付勢力によって傾斜角度を減少させる。こうして、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が減少する。また、この際、移動体は区画体に近づくように駆動軸心方向に移動する。
特開2014−190265号公報
この種の圧縮機では、高い制御性が要求される。しかし、傾斜角度が最大値にある状態から傾斜角度を減少させる場合、制御圧室内の圧力を迅速に低くし難いことから、斜板が傾斜角度を最大値から減少し難い。
そこで、上記の圧縮機において、付勢部材の付勢力をより大きくすることが考えられる。しかしながら、この場合、制御圧室内の圧力が小さく、移動体が斜板を牽引する推力が小さいときには、付勢部材の大きな付勢力が妨げとなり、斜板が傾斜角度を迅速に増大し難くなる。つまり、付勢部材の付勢力を単純に大きくするだけでは、制御性が悪化してしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、高い制御性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であるとともに前記斜板と連結され、前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力が高くなることにより、前記移動体を移動させて前記傾斜角度を増大させる制御圧室と、前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構と、前記傾斜角度を減少させる付勢部材とを備え、
前記付勢部材は、前記傾斜角度の最大値から、前記最大値よりも小さく前記傾斜角度の最小値よりも大きい所定傾角までの間に作用する第1付勢力と、前記傾斜角度が前記所定傾角よりも小さい間に作用する第2付勢力とを有し、
前記第1付勢力は、前記第2付勢力よりも大きいことを特徴とする。
本発明の圧縮機では、付勢部材の第1付勢力により、斜板は、傾斜角度の最大値から所定傾角まで、傾斜角度を好適に減少することができる。また、傾斜角度が所定傾角よりも小さい間は、斜板に対して第1付勢力よりも小さい第2付勢力が作用するものの、この間は、制御圧室の圧力が比較的低いことから、斜板は、所定傾角から傾斜角度の最小値まで傾斜角度を好適に減少することができる。
反対に、傾斜角度の最小値から所定傾角まで傾斜角度を増大させるに当たっては、斜板に第2付勢力が作用するものの、上記のように、第2付勢力は第1付勢力よりも小さい。このため、制御圧室内の圧力が低く、移動体の推力が小さい場合であっても、第2付勢力は斜板が傾斜角度を増大する際の妨げになり難い。これにより、傾斜角度が最小値である場合を含め、傾斜角度が所定傾角よりも小さい場合であっても、斜板は傾斜角度を増大し易い。また、所定傾角から傾斜角度の最大値まで傾斜角度を増大させるに当たっては、斜板に第1付勢力が作用するものの、この間は、制御圧室内の圧力が高く、移動体の推力が大きいため、斜板は所定傾角から最大値まで傾斜角度を好適に増大することができる。
したがって、本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、高い制御性を発揮する。
付勢部材は、傾斜角度が最大値から最小値まで変位するまでの間で斜板を付勢する第1付勢ばねと、最大値から所定傾角までの間で斜板を付勢する第2付勢ばねとからなることが好ましい。この場合、斜板に作用する第1付勢力及び第2付勢力を好適に調整することができる。具体的には、斜板の傾斜角度が最大値から所定傾角までの間は、第1付勢ばねと第2付勢ばねの両方が斜板を付勢するため、斜板には第1付勢力が作用する。一方、所定傾角よりも小さい間は第1付勢部材のみが斜板を付勢するため、斜板には第2付勢力が作用する。
区画体は駆動軸に固定され得る。そして、第1付勢ばね及び第2付勢ばねは、駆動軸に設けられて区画体と斜板との間に配置されていることが好ましい。この場合、区画体によって、第1付勢ばね及び第2付勢ばねを支持することができる。これにより、第1付勢ばね及び第2付勢ばねを支持するための専用の部材が不要となり、圧縮機を低コスト化することができる。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、高い制御性を発揮する。
図1は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最小値の状態を示す断面図である。 図2は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最大値の状態を示す断面図である。 図3は、実施例1の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図4は、実施例1の圧縮機に係り、傾斜角度が最大値である状態を示す要部拡大断面図である。 図5は、実施例1の圧縮機に係り、傾斜角度が所定傾角である状態を示す要部拡大断面図である。 図6は、実施例1の圧縮機に係り、傾斜角度が最小値である状態を示す要部拡大断面図である。 図7は、実施例1及び比較例の圧縮機に係り、傾斜角度の変化と斜板に作用するばね荷重の変化との関係を示すグラフである。 図8は、実施例2の圧縮機に係り、傾斜角度が最大値である状態を示す要部拡大断面図である。 図9は、実施例2の圧縮機に係り、傾斜角度が所定傾角である状態を示す要部拡大断面図である。 図10は、実施例2の圧縮機に係り、傾斜角度が最小値である状態を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。これらの圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13とを備えている。また、この圧縮機は、図3に示す制御機構15を備えている。
図1及び図2に示すように、ハウジング1は、フロントハウジング17と、リヤハウジング19と、第1シリンダブロック21と、第2シリンダブロック23と、第1弁形成プレート39と、第2弁形成プレート41とを有している。なお、本実施例では、フロントハウジング17が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング19が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。そして、図4以降では、図1及び図2に対応させて前後方向を表示する。なお、実施例1における前後方向は一例であり、本発明の圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング17には、前方に向かって突出するボス17aが形成されている。ボス17a内には軸封装置25が設けられている。また、フロントハウジング17内には、第1吸入室27a及び第1吐出室29aが形成されている。第1吸入室27aはフロントハウジング17の中心側に位置している。第1吐出室29aは環状に形成されており、第1吸入室27aの外周側に位置している。
リヤハウジング19には、上記の制御機構15の一部が設けられている。また、リヤハウジング19には、第2吸入室27b、第2吐出室29b及び圧力調整室31が形成されている。圧力調整室31は、リヤハウジング19の中心側に位置している。第2吸入室27bは環状に形成されており、圧力調整室31の外周側に位置している。第2吐出室29bも環状に形成されており、第2吸入室27bの外周側に位置している。上記の第1吐出室29aと第2吐出室29bとは、図示しない吐出通路を通じて互いに連通している。また、吐出通路は図示しない吐出ポートに接続している。
第1シリンダブロック21は、フロントハウジング17と第2シリンダブロック23との間に設けられている。第1シリンダブロック21には、駆動軸3の駆動軸心O方向に延びる複数個の第1シリンダボア21aが形成されている。各第1シリンダボア21aは、それぞれ周方向に等角度間隔で配置されている。
また、第1シリンダブロック21には、駆動軸3を挿通させる第1軸孔21bが形成されている。第1軸孔21b内には第1滑り軸受22aが設けられている。さらに、第1シリンダブロック21には、第1軸孔21bに圧縮機の後方側から連通する第1凹部21cが形成されている。第1凹部21cは第1軸孔21bと同軸をなしている。第1凹部21cは、第1軸孔21bよりも内径が大きくされている。第1凹部21c内には、第1スラスト軸受35aが設けられている。また、第1シリンダブロック21には、前後方向に延びる第1連絡路37aが形成されている。
第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21とリヤハウジング19との間に設けられている。第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21に接合されることにより、第1シリンダブロック21との間に斜板室33を形成している。斜板室33は第1凹部21cと連通している。これにより、第1凹部21cは斜板室33の一部を構成している。また、斜板室33は第1連絡路37aと連通している。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3の駆動軸心O方向に延びる複数個の第2シリンダボア23aが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第1シリンダボア21aと同様、周方向に等角度間隔でそれぞれ配置されており、各第1シリンダボア21aと同軸かつ前後で対になっている。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとは同径に形成されている。なお、第1シリンダボア21aと第2シリンダボア23aとが対をなしていれば、これらの個数は適宜設計することができる。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとで異なる径の大きさに形成しても良い。さらに、対をなす第1シリンダボア21a及び第2シリンダボア23aの軸心は、ずれていても良い。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔23bが形成されている。第2軸孔23b内には第2滑り軸受22bが設けられている。また、第2シリンダブロック23には、第2軸孔23bに圧縮機の前方側から連通する第2凹部23cが形成されている。第2凹部23cは第2軸孔23bと同軸をなしている。第2凹部23cは、第2軸孔23bよりも内径が大きくされている。第2凹部23c内には、第2スラスト軸受35bが設けられている。第2凹部23cも斜板室33と連通しており、斜板室33の一部を構成している。
さらに、第2シリンダブロック23には、吸入ポート330と、第2連絡路37bとが形成されている。斜板室33は、吸入ポート330を介して管路を構成する図示しない蒸発器と接続している。第2連絡路37bは、前後方向に延びており、斜板室33と連通している。
第1弁形成プレート39は、フロントハウジング17の後端面と第1シリンダブロック21の前端面との間に設けられている。この第1弁形成プレート39を介して、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21とが接合されている。
第1弁形成プレート39には、第1シリンダボア21aと同数の第1吸入孔390a及び第1吐出孔390bが形成されている。また、第1弁形成プレート39には、第1吸入連通孔390cが形成されている。各第1シリンダボア21aは、各第1吸入孔390aを通じて第1吸入室27aと連通する。また、各第1シリンダボア21aは、各第1吐出孔390bを通じて第1吐出室29aと連通する。そして、第1吸入連通孔390cを通じて、第1吸入室27aと第1連絡路37aとが連通する。
第2弁形成プレート41は、リヤハウジング19の前端面と第2シリンダブロック23の後端面との間に設けられている。この第2弁形成プレート41を介して、リヤハウジング19と第1シリンダブロック23とが接合されている。
第2弁形成プレート41には、第2シリンダボア23aと同数の第2吸入孔410a及び第2吐出孔410bが形成されている。また、第2弁形成プレート41には、第2吸入連通孔410cが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第2吸入孔410aを通じて第2吸入室27bと連通する。また、各第2シリンダボア23aは、各第2吐出孔410bを通じて第2吐出室29bと連通する。そして、第2吸入連通孔410cを通じて、第2吸入室27bと第2連絡路37bとが連通する。
図示を省略するものの、第1弁形成プレート39には、弾性変形により各第1吸入孔390aを開閉可能な吸入リード弁と、弾性変形により各第2吐出孔390bを開閉可能な吐出リード弁と、吐出リード弁の最大開度を規制するリテーナプレートとが設けられている。第2弁形成プレート41についても同様である。また、第1シリンダブロック21及び第2シリンダブロック23には、各吸入リード弁の最大開度を規制するリテーナ溝がそれぞれ設けられている。
第1、2連絡路37a、37b及び第1、2吸入連通孔390c、410cにより、第1、2吸入室27a、27bと斜板室33とが互いに連通している。このため、第1、2吸入室27a、27b内と斜板室33内とは、圧力がほぼ等しくなっている。そして、斜板室33には、吸入ポート330を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入することから、斜板室33内及び第1、2吸入室27a、27b内は、第1、2吐出室29a、29b内よりも低圧である。
駆動軸3は、駆動軸本体30と第1支持部材43aと第2支持部材43bとで構成されている。また、駆動軸3の前端には、ねじ部3aが形成されている。このねじ部3aを介して駆動軸3は、図示しないプーリ又は電磁クラッチと連結されている。
駆動軸本体30は、軸方向でハウジング1の前方側から後方側に向かって延びている。駆動軸本体30は、第1径部30aと、第2径部30bと、第3径部30cとを有している。また、駆動軸本体30には、軸路3b及び径路3cが形成されている。軸路3b、径路3cの詳細は後述する。
第1径部30aは駆動軸本体30における前後方向の略中央に位置している。第2径部30bは、駆動軸本体30における前方側に位置しており、第1径部30aの前端と連続している。第2径部30bは、第1径部30aよりも小径となっている。第3径部30cは、駆動軸本体30における後方側に位置しており、第1径部30aの後端と連続している。第3径部30cも第1径部30aよりも小径となっている。なお、第2径部30bと第3径部30cとは同径に形成されている。
第1支持部材43aは、駆動軸3の駆動軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第1支持部材43aは、駆動軸本体30の第2径部30bに圧入されている。また、第1支持部材43aには、径方向の外側に突出する第1フランジ430が形成されている。さらに、第1支持部材43aには、後述する第2ピン47bが挿通される取付部(図示略)が形成されている。
第2支持部材43bも、駆動軸3の駆動軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第2支持部材43bは、駆動軸本体30の第3径部30cに圧入されている。第2支持部材43bの前端には、径方向の外側に突出する第2フランジ431が形成されている。また、第2支持部材43bにおいて第2フランジ431よりも後方側には、第1シールリング46a及び第2シールリング46bが設けられている。
駆動軸3は、ハウジング1内において、軸封装置25内及び第1、2軸孔21b、23b内に挿通されている。これにより、第1支持部材43aは第1軸孔21bに支承されており、第2支持部材43bは第2軸孔23bに支承されている。また、第1支持部材43aでは、第1フランジ430が第1凹部21cの前壁との間で第1スラスト軸受35aを挟持する。そして、第2支持部材43bでは、第2フランジ431が第2凹部23cの後壁との間で第2スラスト軸受35bを挟持する。こうして、駆動軸3はハウジング1に支承されており、圧縮機の前後方向と平行な駆動軸心O周りで回転可能となっている。また、駆動軸3がハウジング1に支承されることにより、軸封装置25は、駆動軸3を挿通した状態でフロントハウジング17の外部と第1吸入室27aとの間を封止する。さらに、第1、2シールリング46a、46bは、第2凹部23cと圧力調整室31との間、ひいては、斜板室33と圧力調整室31との間を封止する。
また、駆動軸3には、上記の斜板5、リンク機構7及びアクチュエータ13が設けられている。これにより、斜板5、リンク機構7及びアクチュエータ13は、斜板室33内に配置されている。
斜板5は環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aは、斜板室33内において圧縮機の前方側、つまり、フロントハウジング17側に面している。後面5bは、斜板室33内において圧縮機の後方側、つまり、リヤハウジング19側に面している。
斜板5はリングプレート45を有している。リングプレート45は環状の平板形状に形成されており、中心部に挿通孔45aが形成されている。斜板5は、斜板室33内において挿通孔45aに駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3に取り付けられている。また、リングプレート45には、前面5a側から後面5b側まで貫通する溝部45bが形成されている。さらに、リングプレート45には、斜板5の後方に突出する連結部45cが形成されている。連結部45cは、駆動軸心Oを基準として、溝部45bの反対側に位置している。
リンク機構7はラグアーム49を有している。ラグアーム49は、斜板室33内において、斜板5よりも前方に配置されており、斜板5と第1支持部材43aとの間に位置している。ラグアーム49は、前方から後方に向かって略L字形状となるように形成されている。また、ラグアーム49には、ウェイト部49aが形成されている。なお、ウェイト部49aの形状は適宜設計することが可能である。
ラグアーム49の後端側は、第1ピン47aによってリングプレート45と連結されている。これにより、ラグアーム49は、第1ピン47aの軸心を第1揺動軸心M1として、リングプレート45、すなわち斜板5に対し、第1揺動軸心M1周りで揺動可能に支持されている。
ラグアーム49の前端側は、第2ピン47bによって第1支持部材43aと連結されている。これにより、ラグアーム49は、第2ピン47bの軸心を第2揺動軸心M2として、第1支持部材43a、すなわち駆動軸3に対し、第2揺動軸心M2周りで揺動可能に支持されている。これらのラグアーム49、第1、2ピン47a、47bに加えて、後述する連結アーム132及び第3ピン47cによって、本発明におけるリンク機構7が構成されている。
ウェイト部49aは、ラグアーム49の後端、つまり、第1揺動軸心M1を基準として第2揺動軸心M2とは反対側に位置している。このため、ラグアーム49が第1ピン47aによってリングプレート45に支持されることで、ウェイト部49aはリングプレート45の溝部45bを通って、斜板5の後面5b側に位置する。そして、斜板5が駆動軸心O周りに回転することにより発生する遠心力が後面5b側でウェイト部49aに作用する。
この圧縮機では、斜板5と駆動軸3とがリンク機構7によって連結されることにより、斜板5は駆動軸3と共に回転することが可能となっている。また、ラグアーム49の両端がそれぞれ第1揺動軸心M1及び第2揺動軸心M2周りで揺動することにより、斜板5は、図1に示す最小値から図2に示す最大値まで傾斜角度を変更することが可能となっている。
各ピストン9は、それぞれ前端に第1頭部9aを有しており、後端に第2頭部9bを有している。つまり、各ピストン9は両頭ピストンである。各第1頭部9aは、それぞれ各第1シリンダボア21a内を往復動可能に収納されている。これらの各第1頭部9aと第1弁形成プレート39とにより、各第1シリンダボア21a内にそれぞれ第1圧縮室53aが形成されている。各第2頭部9bは、それぞれ第2シリンダボア23a内を往復動可能に収納されている。これらの各第2頭部9bと第2弁形成プレート41とにより、各第2シリンダボア23a内にそれぞれ第2圧縮室53bが形成されている。
また、各ピストン9の中央には係合部9cが形成されている。各係合部9c内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらのシュー11a、11bは、変換機構として斜板5の回転をピストン9の往復動に変換する。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、各第1頭部9aがそれぞれ第1シリンダボア21a内を往復動することが可能となっているとともに、各第2頭部9bがそれぞれ第2シリンダボア23a内を往復動することが可能となっている。
ここで、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度の変更に伴い各ピストン9のストロークが変化することで、リンク機構7は、各第1頭部9aと各第2頭部9bとの各上死点の位置を移動させる。具体的には、図1に示すように、リンク機構7は、斜板5の傾斜角度が小さくなるのに伴って、各第1頭部9aの上死点の位置よりも各第2頭部9bの上死点の位置を大きく移動させる。
アクチュエータ13は、斜板室33内において斜板5よりも後方側に配置されている。これにより、アクチュエータ13は、第2凹部23c内に進入することが可能となっている。アクチュエータ13は、移動体13aと区画体13bと制御圧室13cとを有している。
図4〜図6に示すように、移動体13aは、後壁130と、周壁131と、一対の連結アーム132とを有している。なお、図1や図4等では、連結アーム132の一方のみを図示している。
図4〜図6に示すように、後壁130は移動体13aの後方に位置しており、駆動軸心Oから離れる方向で径方向に延びている。また、後壁130には、挿通孔130aが貫設されている。挿通孔130a内にはOリング51aが設けられている。さらに、後壁130には、前方に向かって凹む収容部130bが形成されている。収容部130bは環状をなしており、挿通孔130aの外周側に位置している。
周壁131は、後壁130の外周縁と連続しており、移動体13aの前方に向かって延びている。これらの後壁130及び周壁131により、移動体13aは有底の略円筒状をなしている。各連結アーム132は、周壁131の前端にそれぞれ形成されており、周壁131から圧縮機の前方に向かって延びている。
区画体13bは、移動体13aの内径とほぼ同径をなす略円板状に形成されており、第1面133と、第1面133の反対側に位置する第2面134とを有している。第1面133は圧縮機の後方側に面しており、第2面134は圧縮機の前方側に面している。また、区画体13bは中心に挿通孔135が貫設されている。また、区画体13bの外周にはOリング51bが設けられている。
挿通孔130aには、駆動軸本体30の第3径部30cが挿通されている。これにより、移動体13aは駆動軸本体30と共に回転可能であるとともに、区画体13bに対して第3径部30cを駆動軸心O方向に移動することが可能となっている。一方、区画体13bの挿通孔135に対して、第3径部30cが圧入されている。これにより、区画体13bは駆動軸本体30に固定され、区画体13bは駆動軸本体30と共に回転可能となっている。なお、区画体13bについても駆動軸心O方向に移動可能に第3径部30cに挿通する構成としても良い。
区画体13bは、移動体13a内に配置されており、その周囲が周壁131によって取り囲まれた状態となっている。これにより、移動体13aが駆動軸心O方向に移動するに当たり、周壁131の内周面と、区画体13bの外周面とが摺動する。
そして、区画体13bが周壁131によって取り囲まれることにより、移動体13aと区画体13bとの間に制御圧室13cが形成されている。この制御圧室13cは、後壁130と周壁131と区画体13bとによって斜板室33から区画されている。また、Oリング51aは移動体13aと第3径部30cとの間で弾性変形し、Oリング51bは移動体13aと区画体13bとの間で弾性変形する。これにより、Oリング51a、51bは、制御圧室13cと斜板室33との間を封止する。
各連結アーム132と、リングプレート45の連結部45cとは、第3ピン47cによって連結されている。これにより、斜板5は、第3ピン47cの軸心を第3軸心M3として、第3軸心M3周りで移動体13aに揺動可能に連結されている。また、斜板5の後面5bと区画体13bの第2面134とが対面する。ここで、第1ピン47aと第3ピン47cとは、駆動軸本体30を挟んで対向して配置されている。つまり、各連結アーム132は、駆動軸心Oを基準として、溝部45bとは反対側でリングプレート45に連結されている。
また、駆動軸3には、復帰ばね57が設けられている。図1及び図2に示すように、復帰ばね57は、第1支持部材43aの第1フランジ430と斜板5との間に配置されている。これにより、第1フランジ430は復帰ばね57の前端を支持している。図1及び図6に示すように、復帰ばね57は、斜板5の傾斜角度が最小値である場合を含め、斜板5の傾斜角度が最小値に近づくことにより、自己の後端が斜板5の前面5aに当接する。これにより、復帰ばね57は、傾斜角度が増大するように斜板5を付勢する。
さらに、駆動軸3には、傾角減少ばね59が設けられている。傾角減少ばね59は本発明における「付勢部材」の一例である。傾角減少ばね59は、第1コイルばね59aと、第2コイルばね59bとで構成されている。第1コイルばね59aは、本発明における「第1付勢ばね」の一例であり、第2コイルばね59bは、本発明における「第2付勢ばね」の一例である。
傾角減少ばね59、すなわち、第1コイルばね59a及び第2コイルばね59bは、第1支持部材43bの第2フランジ431と移動体13aとの間、より詳細には、第2フランジ431と収容部130bとの間に配置されている。これにより、第2フランジ431は、第1コイルばね59aの後端及び第2コイルばね59bの後端を支持している。第1コイルばね59aは、第2コイルばね59bの外周側に位置している。また、図6に示すように、第1コイルばね59aは、第2コイルばね59bよりも全長が長く形成されている。これにより、第1コイルばね59aは、斜板5の傾斜角度が最大値から最小値まで変位するまでの間、前端が収容部130内に進入して常に移動体13aと当接する。一方、第2コイルばね59bは、斜板5の傾斜角度が図4に示す最大値から図5に示す所定傾角に変位するまでの間、前端が収容部130内に進入して移動体13aと当接する。ここで、所定傾角は、傾斜角度の最大値よりも小さく、かつ、傾斜角度の最小値よりも大きい範囲で設定されている。そして、第2コイルばね59bは、図6に示すように、斜板5の傾斜角度が所定傾角よりも小さくなり、移動体13aが第2フランジ431から遠ざかることにより、自己の前端が移動体13aから離反する。なお、所定傾角は、傾斜角度の最大値から最小値までの範囲内において、適宜設定することができる。また、第1コイルばね59aを第2コイルばね59bの内周側に配置しても良い。
この圧縮機では、上記のように、各連結アーム132、連結部45c及び第3ピン47cを通じて、斜板5と移動体13aとが連結されている。このため、第1コイルばね59aや第2コイルばね59b、つまり、傾角減少ばね59は、移動体13aを介して傾斜角度が減少するように斜板5を間接的に付勢する。そして、図4及び図5に示すように、傾斜角度が最大値から所定傾角となるまでの間は、第1コイルばね59a及び第2コイルばね59bの両方が移動体13aと当接する。このため、傾斜角度が最大値から所定傾角までの間は、同図の黒色矢印で示すように、斜板5に対し、傾角減少ばね59の第1付勢力F1が作用する。一方、図6に示すように、傾斜角度が所定傾角から最小値に変位するまでの間は、第1コイルばね59aのみが移動体13aに当接する。このため、傾斜角度が最小値である場合を含め、傾斜角度が所定傾角よりも小さい間は、同図の黒色矢印で示すように、斜板5に対し、傾角減少ばね59の第2付勢力F2が作用する。
こうして、傾角減少ばね59は、傾斜角度が最大値から所定傾角までの間、第2付勢力F2よりも大きい第1付勢力F1によって、傾斜角度が減少するように斜板5を付勢する。そして、傾角減少ばね59は、傾斜角度が所定傾角よりも小さい間、第2付勢力F2によって、傾斜角度が減少するように斜板5を付勢する。
図1及び図2に示すように、軸路3bは、駆動軸本体30内、より具体的には、第3径部30c内に形成されており、駆動軸心O方向に延びている。軸路3bの後端は、第3径部30cの後端面、つまり、駆動軸本体30の後端面に開口しており、圧力調整室31に連通している。径路3cは、軸路3bの前端と接続しつつ駆動軸本体30の径方向に延びており、第3径部30cの外周面に開口している。上記のように駆動軸本体30にアクチュエータ13が設けられることにより、径路3cは制御圧室13c内に開口する。こうして、軸路3b及び径路3cによって、圧力調整室31と制御圧室13cとが連通している。
図3に示すように、制御機構15は、抽気通路22と、給気通路24と、制御弁26と、オリフィス28とを有している。
抽気通路22は、第1低圧通路221、第2低圧通路222、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cによって構成されている。第1低圧通路221は、第2吸入室27bと制御弁26とに接続している。第2低圧通路222は、制御弁26と圧力調整室31とに接続している。これにより、抽気通路22は、制御圧室13cと第2吸入室27bとを接続している。制御弁26は、第2吸入室27bの圧力に基づいて第1、2低圧通路221、222に対する開度を変更することにより、抽気通路22の開度を変更する。
給気通路24は、高圧通路241、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cによって構成されている。高圧通路241は、第2吐出室29bと圧力調整室31とに接続している。これにより、給気通路24は、第2吐出室29bと制御圧室13cとに接続している。オリフィス28は、高圧通路241に設けられている。
この制御機構15において、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cは、抽気通路22の一部と、給気通路24の一部とを兼ねている。
この圧縮機では、図1及び図2に示す吸入ポート330に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、図示しない吐出ポートに対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、リンク機構7が駆動軸3の回転を斜板5に伝達するため、斜板5が回転する。これにより、各ピストン9では、各第1頭部9aが各第1シリンダボア21a内を往復動し、各第2頭部9bが各第2シリンダボア23a内を往復動する。このため、第1、2圧縮室53a、53bがピストン9のストロークに応じて容積変化を生じる。このため、この圧縮機では、第1、2吸入室27a、27bから第1、2圧縮室53a、53bへ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室53a、53bにおいて冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが第1、2吐出室29a、29bに吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。第1、2吐出室29a、29bに吐出された冷媒ガスは、吐出通路を経て吐出ポートから配管を介して凝縮器に吐出される。
そして、これらの吸入行程等が行われる間、斜板5、リングプレート45、ラグアーム49及び第1ピン47aからなる回転体には斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、斜板5の傾斜角度が変更されれば、ピストン9のストロークの増減による容量制御を行うことが可能である。
具体的には、図3に示す制御弁26が抽気通路22の開度を小さくすれば、高圧通路241を通じて第2吐出室29b内から導入された高圧の冷媒ガスによって、圧力調整室31の圧力が上昇する。そして、軸路3b及び径路3cを経て、圧力調整室31から制御圧室13cに高圧の冷媒ガスが導入されることで、制御圧室13cの圧力が上昇する。このため、制御圧室13cと斜板室33との差圧である可変差圧が大きくなる。
これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力及び傾角減少ばね59の付勢力に抗しつつ、移動体13aは、図2及び図4に示すように、区画体13bに対して駆動軸心O方向で第3径部30cを後方側に向かって移動する。なお、圧縮反力は、各ピストン9によって斜板5に作用するピストン圧縮力の合力である。
このため、各連結アーム134を通じて、移動体13aは斜板5を駆動軸心O方向で斜板室33の後方へ牽引する。このため、この圧縮機では、斜板5が作用軸心M3周りに揺動する。また、ラグアーム49の前端側が第1揺動軸心M1周りで揺動するとともに、ラグアーム49の後端側が第2揺動軸心M2周りで揺動する。このため、ラグアーム49の前端側が第1支持部材43aの第1フランジ430から遠ざかる。これらにより、斜板5は、作用軸心M3及び第1揺動軸心M1をそれぞれ作用点及び支点として揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が増大し、各ピストン9のストロークが増大する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が増大する。
一方、図3に示す制御弁26が抽気通路22の開度を大きくすれば、制御圧室13c内から径路3c、軸路3b及び圧力調整室31を経て第2吸入室27b内へ導出される冷媒ガスの流量が増大する。この結果、制御圧室13c内の圧力が減少し、可変差圧が小さくなる。
これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力及び傾角減少ばね59の付勢力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢される。このため、傾斜角度が大きくなる場合とは反対方向で斜板5が作用軸心M3周りで揺動する。また、傾斜角度が大きくなる場合とは反対方向でラグアーム49の前端側が第1揺軸心M1周りで揺動するとともに、ラグアーム49の後端側が第2揺動軸心M2周りで揺動する。このため、ラグアーム49の前端側が第1支持部材43aの第1フランジ430に近づく。これらにより、斜板5は、作用軸心M3を作用点とし、第1揺動軸心M1を支点として、傾斜角度が大きくなる場合とは反対方向に揺動する。このため、図1及び図6に示すように、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが減少する。こうして、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が減少する。
この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最小値であるとき、制御圧室13c内の圧力は、第2吸入室27b内の圧力とほぼ等しくなる。また、上記のように傾斜角度が減少することに伴い、斜板5は、移動体13aを駆動軸心O方向で斜板室33の前方へ牽引する。このため、移動体13aは区画体13bに近づくように駆動軸心O方向で第3径部30cを前方側に移動する。さらに、傾斜角度が最小値である場合を含め、傾斜角度が最小値に近づくことにより、斜板5は復帰ばね57に当接する。
また、この圧縮機では、ウェイト部49aに作用した遠心力も斜板5に付与される。このため、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度を減少させる方向に変位し易くなっている。
そして、このように、斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが減少することで、リンク機構7は、各第2頭部9bの上死点の位置を大きく移動させる。これにより、各第2頭部9bの上死点の位置が第2弁形成プレート41から遠ざかる。一方、リンク機構7は、斜板5の傾斜角度に係らず、各第1頭部9aの上死点の位置を殆ど移動させない。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最小値である場合を含め、傾斜角度が最小値に近づくことで、第1圧縮室53aでは、冷媒ガスの圧縮仕事が行われ、内部の冷媒ガスが吐出リード弁を開いて第1吐出室29aに吐出されるものの、第2圧縮室53bでは、内部の冷媒ガスが吐出リード弁を開かないため、冷媒ガスが第2吐出室29bに吐出されなくなる。
この圧縮機では、傾斜角度が最小値から最大値まで変位する間、斜板5に作用する復帰ばね57のばね荷重及び傾角減少ばね59のばね荷重、すなわち、傾斜角度増大側のばね荷重と傾斜角度減少側のばね荷重とは、図7に示すグラフのように変化する。具体的には、傾斜角度が最小値である際には、斜板5に作用する復帰ばね57のばね荷重が最大となるため、傾斜角度増大側のばね荷重は最大となる。そして、傾斜角度が最小値から徐々に増大するにつれて、斜板5に作用する復帰ばね57のばね荷重が徐々に小さくなるため、傾斜角度増大側のばね荷重は徐々に小さくなる。そして、傾斜角度がさらに増大し、斜板5が復帰ばね57から離反すれば、斜板5には傾斜角度増大側のばね荷重が作用しなくなる。この一方で、斜板5は、傾角減少ばね59に抗しつつ傾斜角度を増大させるため、傾斜角度が徐々に増大するにつれて、斜板5に作用する傾斜角度減少側のばね荷重が徐々に増大する。ここで、傾斜角度が所定傾角に至っていない間は、第1コイルばね59aのばね荷重のみが移動体13aを通じて斜板5に作用する。このため、傾斜角度が所定傾角に至るまでは、斜板5に作用する傾斜角度減少側のばね荷重は、比較的緩やかに増大する。
そして、傾斜角度が所定傾角となり、移動体13aが第2フランジ431により近づけば、第1コイルばね59aに加えて、第2コイルばね59bも移動体13aに当接する。このため、傾斜角度が所定傾角から最大値まで増大する間は、第1コイルばね59aのばね荷重に加えて第2コイルばね59bのばね荷重も移動体13aを通じて斜板5に作用する。これにより、傾斜角度が所定傾角から最大値まで増大する間は、斜板5に作用する傾斜角度減少側のばね荷重が急激に大きくなる。換言すれば、この圧縮機では、傾斜角度が最大値から所定傾角まで減少する間は、傾角減少ばね59が第1付勢力F1によって傾斜角度が減少するように斜板5を付勢するため、この間は、斜板5に作用する傾斜角度減少側のばね荷重が大きくなる。一方、傾斜角度が所定傾角から最小値まで減少する間は、傾角減少ばね59が第2付勢力F2によって傾斜角度が減少するように斜板5を付勢する。このため、この間において斜板5に作用する傾斜角度減少側のばね荷重は、傾斜角度が最大値から所定傾角まで減少する間に比べて小さくなる。
このように、この圧縮機では、傾角減少ばね59が異なる第1付勢力F1と第2付勢力F2とを有しており、これらの第1、2付勢力F1、F2によって、傾角減少ばね59は傾斜角度が減少するように斜板5を付勢している。このため、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度の最大値から最小値まで変位し易くなっている。この作用について、比較例の圧縮機との対比を基に説明する。
詳細な図示を省略するものの、比較例の圧縮機では、傾角減少ばね59が第1コイルばね59aのみで構成されている。比較例の圧縮機の圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様である。このため、図7のグラフにおいて破線で示すように、比較例の圧縮機では、傾斜角度が最大値から所定傾角まで減少する間も、斜板5に対して傾角減少ばね59の第2付勢力F2が作用する。このため、比較例の圧縮機では、傾斜角度が最大値から所定傾角まで減少する間において、斜板5に作用する傾斜角度減少側のばね荷重が実施例1の圧縮機に比べて小さくなる。
ここで、実施例1や比較例の圧縮機では、斜板5の傾斜角度を減少させるに当たっては、上記のように制御機構15が制御圧室13c内の圧力を低下させる。このため、斜板5の傾斜角度が最大値にある状態から傾斜角度を減少させる場合、制御圧室13c内の圧力が非常に高いことから、たとえ制御弁26の開度を大きくしても、制御圧室13c内の圧力を迅速に低くし難い。このような状況において、比較例の圧縮機では、斜板5が圧縮反力と、傾角減少ばね59の付勢力、すなわち第2付勢力F2とによって傾斜角度を減少させることになる。このため、比較例の圧縮機では、斜板5が傾斜角度を最大値から減少し難くなっている。
これに対し、実施例1の圧縮機では、傾斜角度が最大値から所定傾角まで減少する間は、斜板5に対して、傾角減少ばね59の第1付勢力F1が作用する。この第1付勢力F1は第2付勢力F2よりも大きい。このため、実施例1の圧縮機では、たとえ制御圧室13c内の圧力が高い状態であっても、斜板5は、圧縮反力と第1付勢力F1とによって、傾斜角度の最大値から所定傾角まで傾斜角度を好適に減少することが可能となっている。また、実施例1の圧縮機では、傾斜角度が所定傾角から最小値までの間は、斜板5は、圧縮反力と第2付勢力F2とによって傾斜角度を減少させることになるものの、この間は、制御圧室13c内の圧力も比較的低いことから、斜板5は傾斜角度を好適に減少することができる。こうして、実施例1の圧縮機では、斜板5は傾斜角度の最大値から最小値まで傾斜角度を減少し易くなっている。
反対に、実施例1の圧縮機では、傾斜角度の最小値から所定傾角まで傾斜角度を増大させるに当たっては、斜板5に傾角減少ばね59の第2付勢力F2が作用するものの、第2付勢力F2は第1付勢力F1よりも小さい。このため、制御圧室13c内の圧力が低く、移動体13aの推力が小さい場合であっても、第2付勢力F2は斜板5が傾斜角度を増大する際の妨げになり難くなっている。これにより、傾斜角度が最小値である場合を含め、傾斜角度が所定傾角よりも小さい場合であっても、斜板5は傾斜角度を増大し易くなっている。また、所定傾角から最大値まで傾斜角度を増大させるに当たっては、斜板5に第1付勢力F1が作用するものの、この間は、制御圧室13c内の圧力が高く、移動体13aの推力が大きいため、斜板5は所定傾角から最大値まで傾斜角度を好適に増大することが可能となっている。
したがって、実施例1の圧縮機は、高い制御性を発揮する。
特に、この圧縮機では、傾角減少ばね59が第1コイルばね59aと第2コイルばね59bとで構成されている。このため、この圧縮機では、斜板5に作用する第1付勢力F1及び第2付勢力F2を好適に調整することが可能となっている。
また、この圧縮機では、第2支持部材43bの第2フランジ431によって、第1、2コイルばね59a、59bの各後端を支持することが可能となっている。このため、この圧縮機では、第1、2コイルばね59a、59bの各後端を支持するための専用の部品が不要となっている。このため、この圧縮機では低コスト化も可能となっている。
(実施例2)
図8〜図10に示すように、実施例2の圧縮機では、第1コイルばね59a及び第2コイルばね59bが区画体13bと斜板5との間、より詳細には、区画体13bの第2面134と、斜板5の後面5bとの間に配置されている。これにより、この圧縮機では、区画体13bが第1コイルばね59aの後端及び第2コイルばね59bの後端を支持している。第1コイルばね59aは、斜板5の傾斜角度が最大値から最小値まで変位するまでの間、自己の前端が常に斜板5の後面5bと当接する。一方、第2コイルばね59bは、斜板5の傾斜角度が図8に示す最大値から図9に示す所定傾角に変位するまでの間、自己の前端が斜板5の後面5bと当接する。そして、第2コイルばね59bは、図10に示すように、斜板5の傾斜角度が所定傾角よりも小さくなることにより、自己の前端が斜板5から離反する。また、この圧縮機では、移動体13aの後壁130に収容部130bが形成されていない。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
この圧縮機では、第1コイルばね59aや第2コイルばね59bが斜板5と当接することにより、傾角減少ばね59は、傾斜角度が減少するように斜板5を直接付勢する。そして、この圧縮機においても、傾斜角度が最大値から所定傾角に変位するまでの間は、第1コイルばね59a及び第2コイルばね59bの両方が斜板5に当接する。このため、図8及び図9に示すように、傾斜角度が最大値から所定傾角までの間は、斜板5に対し、傾角減少ばね59の第1付勢力F1が作用する。一方、図10に示すように、傾斜角度が所定傾角から最小値に変位するまでの間は、第1コイルばね59aのみが斜板5に当接するため、傾斜角度が最小値である場合を含め、傾斜角度が所定傾角よりも小さい間は、斜板5に対し、傾角減少ばね59の第2付勢力F2が作用する。こうして、この圧縮機においても、実施例1の圧縮機と同様の作用を奏することが可能となっている。
また、この圧縮機では、駆動軸本体30に固定された区画体13bによって、第1、2コイルばね59a、59bの各後端を支持することが可能となっている。このため、この圧縮機では、第1、2コイルばね59a、59bを区画体13bと斜板5との間に配置する場合であっても、第1、2コイルばね59a、59bの各後端を支持するための専用の部品が不要となっている。このため、この圧縮機でも低コスト化が可能となっている。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1、2の圧縮機では、第1コイルばね59aと第2コイルばね59bとによって傾角減少ばね59を構成している。しかし、これに限らず、第1付勢力F1と第2付勢力F2とを有する1つの非線形ばね等によって傾角減少ばね59を構成しても良い。
また、実施例2の圧縮機において、区画体13bと斜板5との間で駆動軸本体30にサークリップ等を固定し、サークリップ等と斜板5との間に第1コイルばね59a及び第2コイルばね59bを配置しても良い。この場合、駆動軸心O方向に移動可能に区画体13bを第3径部30cに挿通する構成としつつ、傾角減少ばね59が斜板5を直接付勢することが可能となる。
また、実施例1、2の圧縮機において、第1シリンダブロック21にのみ第1シリンダボア21aを形成し、各ピストン9は第1頭部9aのみを有することにより、片頭式の圧縮機としても良い。
さらに、アクチュエータ13は、斜板室33内において斜板5よりも前方側に配置されていても良い。この場合、リンク機構7は、斜板5の傾斜角度が小さくなるのに伴って、各第2頭部9bの上死点の位置よりも各第1頭部9aの上死点の位置を大きく移動させるように構成されていても良い。
また、制御機構15について、給気通路24の高圧通路241に対して制御弁26を設けるとともに、抽気通路22の第1低圧通路221や第2低圧通路222にオリフィス28を設ける構成としても良い。この場合には、制御弁26によって、給気通路24の開度を調整することが可能となる。これにより、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって制御圧室13cを迅速に高圧とすることができ、迅速に吐出容量を増大させることが可能となる。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
7…リンク機構
9…ピストン
13a…移動体
13b…区画体
13c…制御圧室
15…制御機構
59…傾角減少ばね(付勢部材)
59a…第1コイルばね(第1付勢ばね)
59b…第2コイルばね(第2付勢ばね)
F1…第1付勢力
F2…第2付勢力
O…駆動軸心

Claims (3)

  1. 斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であるとともに前記斜板と連結され、前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力が高くなることにより、前記移動体を移動させて前記傾斜角度を増大させる制御圧室と、前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構と、前記傾斜角度を減少させる付勢部材とを備え、
    前記付勢部材は、前記傾斜角度の最大値から、前記最大値よりも小さく前記傾斜角度の最小値よりも大きい所定傾角までの間に作用する第1付勢力と、前記傾斜角度が前記所定傾角よりも小さい間に作用する第2付勢力とを有し、
    前記第1付勢力は、前記第2付勢力よりも大きいことを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記付勢部材は、前記傾斜角度が前記最大値から前記最小値まで変位するまでの間で前記斜板を付勢する第1付勢ばねと、前記最大値から前記所定傾角までの間で前記斜板を付勢する第2付勢ばねとからなる請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記区画体は前記駆動軸に固定され、
    前記第1付勢ばね及び前記第2付勢ばねは、前記駆動軸に設けられて前記区画体と前記斜板との間に配置されている請求項2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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