JP2018203424A - 画像形成装置およびその保守作業を支援する方法 - Google Patents

画像形成装置およびその保守作業を支援する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジャムの発生を防ぐための保守作業の効率を高める。【解決手段】シートに画像を形成する画像形成装置は、シートを搬送するためのローラと、ローラを回転駆動するためのモータ3と、モータ3をベクトル制御するモータ制御部21と、モータの回転駆動力を前記ローラへ伝達するクラッチ5と、モータ3に流れて回転トルクを生じさせる電流の検出値Iqをモータ制御部21から取得して当該検出値Iqに基づいてクラッチ5の連結時間Taを測定する測定部203と、連結時間Taの測定値に応じて、保守作業を支援するための支援処理を行う支援処理部204と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置およびその保守作業を支援する方法に関する。
プリンタ、複写機、複合機などの画像形成装置は、用紙収納部からシート状の用紙を取り出して搬送し、搬送中の用紙に所定の位置で画像を印刷する。画像形成装置の内部の搬送路には、用紙の長さよりも短い間隔でローラが配置されており、画像形成装置は、搬送路上の各位置を用紙が所定のタイミングで通過するようにローラの回転駆動を制御する。
ローラを回転させる駆動源としてブラシレスモータが用いられている。ブラシレスモータの捲線(コイル)に流す交流電流をd−q座標系のベクトルの成分として制御するベクトル制御によると、ブラシレスモータを効率よく滑らかに回転させることができる。
ローラの回転駆動のオンオフするために、しばしばクラッチが用いられる。ローラとその駆動源であるモータとの間に回転駆動力の伝達を継断するクラッチを介在させることにより、モータを回転させたままローラを停止させることができる。クラッチは、例えば互いに回転のタイミングが異なる複数のローラの駆動源として1つのモータを兼用したい場合に用いられる。
クラッチには制御信号に対する応答遅れがある。すなわち、ローラとモータとを解放状態から連結状態へ切り替える際に、切替えが指令されてから連結が完了するまでに例えば数ms程度の連結時間がかかる。また、連結状態から解放状態へ切り替える際にも、同程度の解放時間がかかる。
画像形成装置の部品の交換時期を予測するための先行技術として、特許文献1、2に記載の技術がある。
特許文献1には、電子写真方式の画像形成装置において、感光体を回転駆動するモータの負荷電流を駆動トルクとして検出し、感光体の表面を清掃するブレードの劣化の度合いを駆動トルクの検出値に基づいて判定することが記載されている。
特許文献2には、特許文献1の技術の改良として、感光体の表面に現像剤が有る状態および現像剤が無い状態のそれぞれの駆動トルクを検出し、これらの検出値の差(トルク差)に基づいてブレードの交換時期を予測することが記載されている。
他方、クラッチの応答遅れのばらつきに因る用紙上の画像形成位置のばらつきを低減するための先行技術として、特許文献3に記載の技術がある。特許文献3には、ローラにその回転を検出するセンサを設け、クラッチのオンからローラが回転を開始するまでの時間を連結時間として測定し、その結果に基づいてクラッチのオンのタイミングを修正して用紙搬送精度を均一化することが記載されている。
特開平11−352852号公報 特開2005−202099号公報 特開2000−281235号公報
画像形成装置においては、搬送路内で用紙が停滞するジャムが発生することがある。従来、特に再現性が低い場合に、ジャムの真の発生原因を特定して再発を防ぐ保守作業に手間取ることがある、という問題があった。
再現性が低いジャムの発生原因の1つとして、クラッチの不調またはローラ表面のすべりなどに因る用紙搬送のタイミングのずれが考えられる。しかし、サービスパーソンは、クラッチが動作しなかったり明らかに動作が遅かったりする場合にはクラッチが不調であると分かるが、連結時間または解放時間が適正値より長めまたは短めになっているといった動作特性の微妙な経時変化を容易に知ることができなかった。ローラの表面状態の良否の程度を判断することも容易ではなかった。
上述の特許文献1、2の技術のようにモータの負荷電流を駆動トルクとして検出する手法では、クラッチの動作特性の良否判定に必要な精度でモータの駆動トルクを検出するのは困難である。すなわち、モータの負荷電流には、モータ内部で生じる損失分が含まれ、この損失分は回転速度に応じて変化する。したがって、クラッチの継断に伴う回転速度の変動を検出して回転速度に応じた損失補正を行わなければならない。
また、上述の特許文献3の技術による場合には、ローラの回転を高精度に検出可能な高価なセンサが必要である。センサを設けることにより、部品点数が増加してコストアップとなる。センサを実装するスペースを確保する必要もある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、ジャムの発生を防ぐための保守作業の効率を高めることが可能な画像形成装置および保守作業を支援する方法を提供することを目的としている。
本発明の実施形態に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成装置であって、前記シートを搬送するためのローラと、前記ローラを回転駆動するためのモータと、前記モータをベクトル制御するモータ制御部と、前記モータの回転駆動力を前記ローラへ伝達するクラッチと、前記モータに流れて回転トルクを生じさせる電流の検出値を前記モータ制御部から取得して当該検出値に基づいて前記クラッチの連結時間を測定する測定部と、前記連結時間の測定値に応じて、保守作業を支援するための支援処理を行う支援処理部と、を有する。
本発明の実施形態に係る保守作業を支援する方法は、シートを搬送するローラにモータの回転駆動力を伝達するクラッチを有しかつ前記モータをベクトル制御する画像形成装置の保守作業を支援する方法であって、前記画像形成装置が、前記ベクトル制御において取得する前記モータに流れて回転トルクを生じさせる電流の検出値に基づいて、前記クラッチの連結時間を測定し、前記画像形成装置が、前記連結時間の測定値を複数のしきい値と比較することにより、前記シートの搬送に関わる部品群のうちの少なくとも前記クラッチについて動作特性の良否を判別するとともに、その判別結果を報知するものである。
本発明によると、ジャムの発生を防ぐための保守作業の効率を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成の概要を示す図である。 モータの回転駆動力をローラに伝達する機構の構成の例を模式的に示す図である。 モータのd−q軸モデルを示す図である。 モータ制御装置の機能的構成を示す図である。 クラッチの反応遅れを示す図である。 上位制御部の要部の機能的構成を示す図である。 クラッチの連結時におけるモータの回転トルクの変化を模式的に示す図である。 クラッチの解放時におけるモータの回転トルクの変化を模式的に示す図である。 クラッチの連結動作特性の判別の例を示す図である。 クラッチの解放動作特性の判別の例を示す図である。 サービスパーソンによる保守点検における処理の流れの例を示す図である。 画像形成装置における状態監視処理の流れを示す図である。
図1には本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成の概要が示されている。画像形成装置1は、電子写真式のプリンタエンジン10を備えたカラープリンタである。
プリンタエンジン10は4個のイメージングステーション11y,11m,11c,11kを有している。イメージングステーション11y〜11kのそれぞれは、筒状の感光体、帯電チャージャ、現像器、クリーナ、および露光用の光源などを有している。
カラー印刷モードにおいて、4個のイメージングステーション11y〜11kは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の4色のトナー像を並行して形成する。4色のトナー像は中間転写ベルト16に一次転写される。そして、二次転写ローラ15と対向するとき、用紙カセット12から給紙ローラ21によって引き出されてレジストローラ対14を経て搬送されてきたシート(記録用紙)9に二次転写される。二次転写の後、定着器17の内部を通って上部の排紙トレイ18へ送り出される。定着器17を通過するとき、加熱および加圧によってトナー像がシート9に定着する。
レジストローラ対14は、シート9のスキューを補正して二次転写位置へシート9を送り出す。すなわち、用紙カセット12から搬送されてきたシート9がレジストローラ対14のニップ部に到着するとき、レジストローラ対14は停止している。搬送中のシート9はニップ部に当接することにより撓む。シート9が適度に撓んでその先端縁がローラ軸と平行になったタイミングで、レジストローラ対14が回転してシート9を搬送する。
レジストローラ対14を回転駆動するモータ3は、例えばイメージングステーション11kの感光体および現像器の駆動源としても用いられる。イメージングステーション11kの回転制御と独立にレジストローラ対14の回転をオンオフするために、レジストローラ対14には、クラッチ5を介してモータ3の回転駆動力が伝達される。
レジストローラ対14の上流側および下流側のそれぞれの近傍には、シート9の有無を示す信号を出力するシートセンサ19A,19Bが設けれれている。上流側のシートセンサ19Aによる信号は、レジストローラ対14の回転を開始するタイミングの調整に用いられる。下流側のシートセンサ19Bによる信号は、二次転写位置の手前でシート9を待機させる場合に、レジストローラ対14の回転を一時的に停止するタイミングの調整に用いられる。
図2にはモータ3の回転駆動力をローラ14Aに伝達する機構の構成の例が模式的に示されている。図2(A)には機構の全体の構成が示され、図2(B)にはクラッチ5の連結状態が示されている。
レジストローラ対14の一方のローラ14Aにクラッチ5が連結されている。他方のローラ14Bは、ローラ14Aに従動して回転する。
クラッチ5は、電磁摩擦クラッチであり、ローラ14Aの回転軸方向に移動可能はギヤ部(駆動部)5Aおよびローラ14Aと一体に回転する被駆動部5Bを有する。ギヤ部5Aに、モータ3からギヤ4b,4f,4g,4i,4jを順に経て回転駆動力が伝達される。ギヤ部5Aは、ギヤ4jと噛み合った状態で回転軸方向に微小移動する。解放状態において、ギヤ部5Aは被駆動部5Bから離れている。磁力が加わると、図2(B)に示すように、ギヤ部5Aが移動して被駆動部5Bと密接し、クラッチ5は連結状態になる。
モータ3の回転シャフト3Sには、ギヤ4bと共にギヤ4a,4cが嵌入されている。ギヤ4aは、イメージングステーション11kの感光体に回転駆動力を伝達するためのギヤ4dと噛み合い、ギヤ4cは、現像器に回転駆動力を伝達するためのギヤ4eと噛み合っている。つまり、モータ3には、レジストローラ対14による負荷トルクの他に、イメージングステーション11kによる負荷トルクが加わる。
モータ3の回転は、プロセス速度に応じて切り替えられる。プロセス速度は、感光体の回転速度およびシート9の搬送速度などを規定する画像形成条件である。例えば、シート9として厚紙を使用する場合には、プロセス速度を普通紙を使用する場合よりも低速にする。すなわち、モータ3の回転速度を下げる。これにより、シート9が定着器17を通過する時間が長くなるので、シート9を十分に加熱してトナー像の定着性を良好にすることができる。
モータ3は、DCブラシレスモータであって、例えばセンサレス型の永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)である。モータ3は、回転磁界を発生させる電機子としての固定子と、永久磁石を用いた回転子とを備えている。固定子は、120度間隔で配置されたU相、V相、W相のコア、およびY結線された3つの捲線(コイル)33,34,35を有している(図4参照)。U相、V相およびW相の3相交流電流を捲線33〜35に流してコアを順に励磁することによって回転磁界が生じる。回転子は、この回転磁界に同期して回転する。
モータ3を効率よく滑らかに回転させるため、モータ3に対して、d−q座標系を基本とした制御モデルを用いて回転速度および磁極位置の推定を行うベクトル制御(センサレスベクトル制御)が行われる。
図3にはモータ3のd−q軸モデルが示されている。モータ3のベクトル制御では、モータ3の捲線33〜35に流れる3相の交流電流を、回転子である永久磁石と同期して回転している2相の捲線に流す直流電流に変換して制御を簡単化する。
永久磁石の磁束方向(N極の方向)をd軸とし、d軸から電気角でπ/2[rad](90°)進んだ方向をq軸とする。d軸およびq軸はモデル軸である。U相の捲線33を基準とし、これに対するd軸の進み角をθと定義する。この角度θは、U相の捲線33に対する磁極の角度位置(磁極位置)を示す。d−q座標系は、U相の捲線33を基準としてこれより角度θだけ進んだ位置にある。
モータ3は回転子の角度位置(磁極位置)を検出する位置センサを有していないので、回転子32の磁極位置(すなわち角度θ)を推定し、その推定した角度θである推定角度θmを用いて回転子の回転を制御する。
捲線33〜35に流す電流のうち、q軸の方向に流れるq軸成分は、誘起電圧定数に応じてモータ3を正転または逆転させる方向のトルク(回転トルク)に変換される。これに対して、d軸の方向に流れるd軸成分(d軸電流)は、トルクには変換されず、捲線33〜35において熱として消費される。
図4にはモータ制御装置21の機能的構成が示されている。モータ3は、モータ制御装置21により駆動されかつ制御される。モータ制御装置21は、ベクトル制御部25、モータ駆動部26、および電流検出部27などを有している。
モータ駆動部26は、モータ3の捲線33〜35に電流を流して回転子を駆動するためのインバータ回路である。モータ駆動部26は、ベクトル制御部25からの制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−に従って複数のトランジスタをオンオフすることにより、直流電源ライン260から接地ラインへ捲線33〜35を介して流れる電流を制御する。詳しくは、捲線33を流れる電流Iuを制御信号U+,U−に従って制御し、捲線34を流れる電流Ivを制御信号V+,V−に従って制御し、捲線35を流れる電流Iwを制御信号W+,W−に従って制御する。
電流検出部27は、捲線33,34に流れる電流Iu,Ivを検出する。Iu+Iv+Iw=0であるので、検出した電流Iu,Ivの値から計算によって電流Iwを求めることができる。なお、W相電流検出部を有してもよい。
電流検出部27は、電流Iu,Ivの流路に挿入されているシャント抵抗による電圧降下を増幅してA/D変換し、電流Iu,Ivの検出値として出力する。すなわち、2シャント方式の検出を行う。シャント抵抗の抵抗値は1/10Ωオーダーの小さい値である。
ベクトル制御部25には、上位制御部20から目標速度(速度指令値)ω*を示す速度指令S1が入力される。上位制御部20は、画像形成装置1の全体の制御を受け持つコントローラであり、画像形成装置1をウォームアップするとき、プリントジョブを実行するとき、節電モードに移行するときなどにモータ3の回転または停止を指令する。また、上位制御部20は、クラッチ駆動部51に対して、クラッチ制御信号S5によってクラッチ5のオンオフを指令する。
ベクトル制御部25は、速度制御部41、電流制御部42、出力座標変換部43、PWM変換部44、入力座標変換部45、および速度・位置推定部46を有する。
速度制御部41は、上位制御部20からの目標速度ω*と速度・位置推定部46からの推定速度ωmとの差を零に近づける比例積分制御(PI制御)のための演算を行い、d−q座標系の電流指令値Id*,Iq*を決定する。推定速度ωmは周期的に入力される。速度制御部41は、推定速度ωmが入力されるごとに電流指令値Id*,Iq*を決定する。
電流制御部42は、電流指令値Id*と入力座標変換部45からの推定電流値(d軸電流値)Idとの差、および電流指令値Iq*と同じく入力座標変換部45からの推定電流値(q軸電流値)Iqとの差を零に近づける比例積分制御のための演算を行う。そして、d−q座標系の電圧指令値Vd*,Vq*を決定する。
出力座標変換部43は、速度・位置推定部46からの推定角度θmに基づいて、電圧指令値Vd*,Vq*をU相、V相、およびW相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する。つまり、電圧について2相から3相への変換を行う。
PWM変換部44は、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−のパターンを生成し、モータ駆動部26へ出力する。制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−は、モータ3に供給する3相交流電力の周波数および振幅をパルス幅変調(PWM: Pulse Width Modulation )により制御するための信号である。
入力座標変換部45は、電流検出部27により検出されたU相の電流IuおよびV相の電流Ivの各値からW相の電流Iwの値を算出する。そして、速度・位置推定部56からの推定角度θmと3相の電流Iu,Iv,Iwの値とに基づいて、d−q軸座標系の推定電流値であるd軸電流値Idおよびq軸電流値Iqを算出する。つまり、電流について3相から2相への変換を行う。q軸電流値Iqは、モータ3に流れて回転トルクを生じさせる電流の検出値の例である。
速度・位置推定部46は、入力座標変換部45からの推定電流値(Id,Iq)と電流制御部52からの電圧指令値Vd*,Vq*とに基づいて、いわゆる電圧電流方程式に従って速度推定値ωmおよび推定角度θmを求める。求められた速度推定値ωmは、速度制御部41に入力される。求められた推定角度θmは、出力座標変換部43および入力座標変換部45に入力される。
さて、画像形成装置1は、シート9のジャムの予防に有用な情報をサービスパーソンに提供する機能を有している。以下、この機能を中心に画像形成装置1の構成および動作を説明する。
図5にはクラッチ5の反応遅れが示されている。
クラッチ5は、モータ3がプロセス速度に応じた速度で回転している状態において、オンオフされる。クラッチ制御信号S5のOFFレベルからONレベルへの切替えが、クラッチ5に対する連結指令に相当し、ONレベルからOFFレベルベルへの切替えが、解放指令に相当する。
連結指令または解放指令が発令されると、実質的に直ちにクラッチ5の状態遷移(ギヤ部5Aの移動)が始まる。そして、連結時間Taまたは解放時間Tbが経過すると、状態遷移が完了する。連結時間(係合時間)Taは、回転駆動力を伝達しない解放状態からの状態遷移において、状態遷移が始まってから伝達が定常になるまでのクラッチ動作(連結)の所要時間である。解放時間Tbは、伝達が定常である連結状態から解放状態になるまでのクラッチ動作(解放)の所要時間である。
連結時間Taおよび解放時間Tbは、クラッチ5の個体差およびコンディションによって微妙に変化する。したがって、連結時間Taおよび解放時間Tbの少なくとも一方を正確に測定(計測)することにより、クラッチ5のコンディションの良否を判別したりコンディションの変化の兆候を検知したりすることができる。そして、清掃、修理、交換などの処置を実施することができる。
そこで、画像形成装置1は、ベクトル制御部25において得られるq軸電流値Iqに基づいて連結時間Taおよび解放時間Tbを測定する。q軸電流値Iqは、直流電源ライン260からモータ3に流れる電流(モータ電流)のうち、モータ3に加わる負荷トルクの変化に応じて、モータ3の回転速度を目標速度(ω*)に保つよう回転トルクを増減させるq軸電流成分の大きさを表わす。モータ電流からd軸電流成分を除いた成分であるq軸電流成分によると、d軸電流成分を含むモータ電流による場合と比べて、正確にモータ3の負荷トルクの変化を検知することができる。連結または解放が完了した瞬間に負荷トルクが急激に変化するので、クラッチ制御信号S5の切替えから負荷トルクの急激な変化までの時間を連結時間Taまたは解放時間Tbとして測定すればよい。
なお、連結時間Taや解放時間Tbの測定において、必ずしも時間を単位とする測定値を得る必要はなく、他の単位または無名数の値またはこれに関連するデータであってもよい。
図6には上位制御部20の要部の機能的構成が示されている。図7にはクラッチ5の連結時におけるモータ3の回転トルクMtの変化が、図8にはクラッチ5の解放時におけるモータ3の回転トルクMtの変化が、それぞれ模式的に示されている。また、図9にはクラッチ5の連結動作特性の判別の例が、図10にはクラッチ5の解放動作特性の判別の例が、それぞれ示されている。
図6において、上位制御部20は、プロセス制御部201、搬送制御部202、測定部203、および支援処理部204などを有している。これらの機能は、CPU(Central Processing Unit) およびその周辺デバイスを含む上位制御部20のハードウェア構成により、および制御プログラムがCPUによって実行されることにより実現される。
プロセス制御部201は、プリンタエンジン10による電子写真プロセスの進行を制御する。プロセス制御部201は、プロセス速度に応じた目標速度ω*をベクトル制御部25に与える。
搬送制御部202は、シート9の搬送を制御する。搬送制御部202は、シートセンサ19A,19Bなどからの信号に基づいて搬送の進行状況を監視し、適切なタイミングでクラッチ駆動部51にクラッチ5の連結/解放を指令する。
測定部203は、モータ3に流れて回転トルクMtを生じさせるq軸電流の検出値であるq軸電流値(推定電流値)Idを、ベクトル制御部25から取得する。そして、取得したq軸電流値Idに基づいてクラッチ5の連結時間Taを測定する。詳しくは次の通りである。
搬送制御部202が連結を指令すると、連結時間Taの測定を開始する。ベクトル制御部25において連結時間Taの想定される下限(例えば1ms)よりも十分に短い周期(例えば10〜50μs)で出力されるq軸電流値Iqを逐次に取得し、取得するごとにq軸電流値Iqの変化率を求める。つまり、取得の周期である単位時間当たりの変化量を求める。q軸電流値Iqの変化は、モータ3の出力軸における回転トルクMtの変化を表わす。
図7に示すように、クラッチ制御信号S5がオフの状態のとき、ローラ14A以外の負荷(感光体など)を駆動するための所定量の回転トルクMtが発生している。クラッチ5のギヤ部5Aと被駆動部5Bとが摺動しだすと、回転トルクMtが増大し始める。ギヤ部5Aと被駆動部5Bとの動摩擦力の増大に伴ってローラ14Aの回転速度がギヤ部5Aの回転速度に近づく。回転トルクMtは増大を続ける。
ローラ14Aの回転速度がギヤ部5Aの回転速度と等しくなると、すなわちギヤ部5Aと被駆動部5Bとが静止摩擦力により一体に回転しだすと、回転トルクMtは急激に所定の値まで増大して一定になる。
そこで、測定部203は、測定を開始してからq軸電流値Iqの変化率が急激に増大したタイミングまでの時間Ta1,Ta2,Ta3を連結時間Taとして測定する。変化率が急激に増大したか否かは、例えば単位時間当たりの変化量がしきい値を超えたか否かによって判断することができる。外乱によるq軸電流値Iqの変動などを考慮する分析手法を用いて連結の完了を見極める処理を行って判断してもよい。
なお、想定される連結時間Taに対して極端に長い所定の時間Tzが経過しても連結が完了しない場合があり得る。
このようにして連結時間Taを測定する際に、測定部203は、クラッチ5の連結前と連結後とのq軸電流値Iqの差を、回転トルクMtの変化量として取得する。この変化量は、モータ3に対してレジストローラ対14が負荷として加わったことにより生じるものであって、クラッチ5に加わる負荷トルクをモータ3の出力軸に換算した負荷トルクCtに対応する。つまり、測定部203は、クラッチ5の連結時に、連結時間Taと負荷トルクCt(回転トルクMtの変化量)とを測定(検出)する。負荷トルクCtの測定では、連結時間Taの測定において最初に取得したq軸電流値Iqを、連結前のq軸電流値Iqとして記憶しておく。
図7においては、連結時間Ta1,Ta2,Ta3および負荷トルクCt1,Ct2,Ct3が異なる3つの場合が示されている。一般に、負荷トルクCtが大きい(重い)ときには、負荷トルクCtが小さい(軽い)ときよりも、連結時間Taが長い。
また、測定部203は、クラッチ5の解放時において、連結時と同様にベクトル制御部25からq軸電流値Iqを取得し、取得したq軸電流値Iqに基づいて解放時間Tbを測定する。その際に、クラッチ5の解放前と解放後とのq軸電流値Iqの差を、回転トルクMtの変化量(すなわち負荷トルクCt)として取得する。
図8に示すように、解放時には、クラッチ制御信号S5がオンからオフに切り替わってから暫くはq軸電流値Iqが解放前の値に保たれ、その後に急激に減少する。詳しくは、クラッチ駆動部51によるクラッチ5の駆動が停止すると、クラッチ5内のコイルに流れる電流が徐々に減少し、これに伴って、クラッチ5が発生するトルク、つまりギヤ部5Aから被駆動部5Bに伝達される回転トルクが低下する。被駆動部5Bに加わっている負荷トルクよりもクラッチ5が発生するトルクが小さくなると、ギヤ部5Aと被駆動部5Bとが離れる。つまり、解放が完了する。このとき、q軸電流値Iqが負荷トルクCtの分だけ一気に減少する。クラッチ制御信号S5のオフからq軸電流値Iqが一気に減少するまでの時間Tb1,Tb2が解放時間Tbである。一般に、負荷トルクCt2が小さい(軽い)ときの連結時間Tb2は、負荷トルクCt1が大きい(重い)ときの連結時間Ta1よりも長い。
図6に戻って、測定部203は、シートセンサ19A,19Bからの信号に基づいて、シート9がレジストローラ対14を通過するのに要した時間である通過時間Tpを測定する。通過時間Tpは、レジストローラ対14による搬送におけるシート9のすべりにより変化するので、レジストローラ対14の表面状態の良否判断の目安の1つとなる。
支援処理部204は、連結時間Taの測定値に応じて、画像形成装置1の保守作業、特にクラッチ5およびその周辺部の不具合によるジャムを予防する作業を支援するための支援処理を行う。支援処理部204は、判別部241、報知処理部242、データ蓄積部243、およびデータ処理部244などから構成される。
判別部241は、図9に示すように、連結時間Taの測定値としきい値th1,th2,th3とを比較するとともに、負荷トルクCtの測定値としきい値th11,th12とを比較することにより、クラッチ5の連結動作特性の良否を判別する。
図9においては、連結時間Taについて、しきい値th1(例えば3ms)からしきい値th2(例えば8ms)までが適正時間範囲RTaとされている。負荷トルクCtについては、しきい値th11からしきい値th12までが適正トルク範囲RCtとされている。適正トルク範囲RCtは、適正変化量範囲の例である。
また、判別部241は、図10に示すように、解放時間Tbの測定値としきい値th21とを比較するとともに、負荷トルクCtの測定値としきい値th31とを比較することにより、クラッチ5の解放動作特性の良否を判別する。
報知処理部242は、測定部203により得られた各種の測定値、判別部241による判別の結果、および測定値に基づいて算出される保守必要度Qなど、ジャムの予防に関わる状況情報D5をサービスパーソンに知らせるための報知処理を支援処理として行う。
報知処理は、次の(1)〜(3)の処理を含む。
(1)メンテナンスモードにおいて、画像形成装置1の操作パネル7またはサービスパーソンが携帯する端末装置に状況情報を表示させる処理
(2)適時に通信インタフェース8を用いてサービスセンターへ状況情報D5を送信する処理
(3)サービスパーソンに対処を依頼するようユーザにメッセージを伝える処理
図9(B)を参照して、報知処理部242は、クラッチ5の連結動作が適正時間範囲RTaの上限(しきい値th2)よりも長い時間Tzが経過しても完了しない場合には、クラッチ5に不具合があることをサービスパーソンに知らせる報知処理を行う。
報知処理部242は、連結時間Taの測定値がしきい値th2よりも大きくかつ負荷トルクCtの測定値が適正トルク範囲RCtの上限(しきい値th12)よりも大きい場合に、モータ3の負荷トルクが増大する傾向にあることをサービスパーソンに知らせる。
報知処理部242は、連結時間Taの測定値がしきい値th2よりも大きく、かつ負荷トルクCtの測定値がしきい値th12よりも小さい場合に、クラッチの動作特性が劣化し始めていることをサービスパーソンに知らせる。
報知処理部242は、連結時間Taの測定値が適正時間範囲RTaの下限(しきい値th1)よりも小さく、かつ負荷トルクCtの測定値が適正トルク範囲RCtの下限(しきい値th11よりも小さい場合に、レジストローラ対14の負荷が軽くなりだしていることサービスパーソンに知らせる。
図10を参照して、報知処理部242は、解放時間Tbの測定値がしきい値21よりも大きい場合に、レジストローラ対14の停止時間が長くなっていることをサービスパーソンに知らせる。詳しくは次の通りである。
解放時間Tbの測定値がしきい値21よりも大きく、かつ負荷トルクCtの測定値がしきい値31よりも小さい場合に、クラッチ5の負荷トルクが軽くなることによりレジストローラ対14の停止時間が長くなっていることを知らせる。
また、解放時間Tbの測定値がしきい値21よりも大きく、かつ負荷トルクCtの測定値がしきい値31よりも大きい場合に、クラッチ5内の摺動抵抗が大きくなることによりレジストローラ対14の停止時間が長くなっていることを知らせる。この場合には、摺動抵抗の増大の原因として、ギヤ部5Aの噛み合い面への異物の混入または軸受けの汚れの蓄積などがある旨を知らせてもよい。
データ蓄積部243は、連結時間Taの測定値が適正時間範囲RTa外の値である場合に、または負荷トルクCtの測定値が適正トルク範囲RCt外の値である場合に、状態監視処理を支援処理として行う。状態監視処理とは、少なくとも連結時間Taの測定値および負荷トルクCtの測定値を監視データD50として蓄積する処理である。
データ蓄積部243は、状態監視処理において、通過時間Tpの測定値を監視データD50の一部として蓄積する。
データ蓄積部243は、状態監視処理の実行中に連結時間Taの測定値がしきい値th1よりも小さく、かつ負荷トルクCtの測定値がしきい値th11よりも大きくなったときに、クラッチ5およびその周辺の状態が正常と判断して状態監視処理を終了する。
また、状態監視処理の実行中に連結時間Taの測定値が適正時間範囲RTa内となり、かつ負荷トルクCtが適正トルク範囲RCt内となったときに、クラッチ5およびその周辺の状態が正常と判断して状態監視処理を終了する。
データ処理部244は、状態監視処理の一部として、監視データD50に基づいてクラッチ5およびレジストローラ対14の動作特性の変化を予測するデータ処理を行う。詳しくは、監視データD50における連結時間Taの測定値がしきい値th2よりも大きい設定値(しきい値th3:例えば20〜30ms)を超える頻度および超える量に基づいて、保守必要度Qを算出する。保守必要度Qは、シート9のジャムの発生しやすさ、すなわちジャムを予防する対処作業の緊急度を表わす情報である。保守必要度Qの算出には、過去のジャムの発生事例の統計分析により導いた演算式を用いる。
図11にはサービスパーソンによる保守点検における処理の流れの例が示されている。図11では、サービスパーソンが画像形成装置1の設置場所にて作業を行う状況が想定されている。
サービスパーソンは、画像形成装置1にテスト印刷を実行させる。最近においてジャムが発生したことが分かっている場合には、ジャムの再現試験としてテスト印刷を実行させる。
画像形成装置1は、テスト印刷において少なくとも連結時間Taおよび負荷トルクCtを測定し(#301)、得られた測定値をサービスパーソンに報知する(#302)。連結動作特性を判別してその結果を測定値とともにまたは測定値に代えて報知してもよい。
サービスパーソンは、報知された情報に応じて、ジャムの発生させた疑いまたは発生させるおそれが大きい部位に重点をおいてクラッチ5とその近辺を対象とする周辺調査を実施する(#303〜#309)。
この周辺調査においては、基本的には、負荷トルクCtが比較的に軽いか重いかによって調査の手順を変える。
すなわち、負荷トルクCtが軽い場合には、搬送力が低下している可能性があるので、ローラ14A,14Bの表面状態、およびローラ14A,14Bによるシート9に対する押圧力を設定するバネの状態の調査から始める。
負荷トルクCtが重い場合には、負荷がさらに増大する可能性があるので、ローラ14A,14Bの表面状態、およびクラッチ5とモータ3とを連結するギヤ群(ギヤ部5Aを含む)への異物の付着および傷がないかどうかの調査から始める。
周辺調査は、連結時間Taの測定値に応じて、次のように行われる。
連結時間Taの測定値がしきい値th1よりも小さい場合は(#303でYES)、特に負荷トルクCtが軽いときに念入りに調査する(#309)。それは、負荷トルクCtが重いときは、連結時間Taの短いことがクラッチ5の摩擦面のいわゆる馴染みによる好ましい現象を示しているので、クラッチ5とその近辺に不具合があることはほとんどないからである。
周辺調査により何らかの不具合を見つけた場合には、清掃、修理、部品交換などの必要な処置を施す。
その後、画像形成装置1は、例えばメンテナンスモードを終了する所定の操作がなされたことを契機として状態監視処理を開始する(#312)。現時点ではクラッチ5は正常に動作しているが、連結時間Taの測定値は適正時間範囲RTa外であるので、状態監視処理を行うことにより今後のコンディションを示す情報を収集する。
連結時間Taの測定値が適正時間範囲RTa内の値である場合には(#303でNO、#304でYES)、周辺調査において各部の状態を確認する(#306)。
連結時間Taの測定値がしきい値th2よりも大きくかつしきい値th3以下である場合には(#304でNO、#305でYES)、連結完了が遅れぎみであることに留意して周辺調査を行う(#308)。特に、負荷が重い場合にその原因とない得る部位を念入りに調べる。その後、画像形成装置1は状態監視処理を開始する。
連結時間Taの測定値がしきい値th3よりも大きい場合は(#305でNO)、周辺調査を行うにあたり、負荷が重いかどうかを確認する(#307)。負荷が重いときは、クラッチ5以外に負荷を重くする原因が無いかを念入りに調べる。原因が見つからなければクラッチ5に不具合があると判断してクラッチ5を交換する(#310)。
サービスパーソンは、周辺調査を行った後、シート9の搬送の様子を確認する必要があると判断すると(#313)、再度、画像形成装置1にテスト印刷を行わせる。
図12には画像形成装置1における状態監視処理の流れが示されている。
状態監視モードを設定し(#401)、印刷ジョブを実行するごとに、連結時間Ta、負荷トルクCt、解放時間Tb、および通過時間Tpなどを測定し(#402)、得られた測定値を監視データD50として蓄積する(#403)。また、シート9の紙種などの搬送条件を測定値と対応づけて記録する。
定期的に保守必要度Qを算出するデータ処理を行い(#404)、処理結果をサービスパーソンによる読出しが可能に記録する(#405)。
処理結果が早々の保守作業の必要がない設定範囲内のものでありかつ測定値が監視を終了する条件を満たすものでない場合には(#406でYES、#407でNO)、ステップ#402に戻って状態監視を続ける。
データ処理の結果が設定範囲外、例えば保守必要度Qが80%以上である場合は(##406でNO)、メンテナンス・フラグをオンとし(#408)、ユーザにサーピスパーソンへの連絡を促すサービスコール処理を行う(#409)。
以上の実施形態によると、q軸電流値Iqに基づいて連結時間Taを測定するので、モータ3に流れる全電流の値に基づいて測定するよりも正確な測定値を容易に得ることができる。連結時間Taの正確な測定値に基づいてクラッチ5のコンディションを判別して必要な対処を行うことができるので、ジャムの発生を防ぐための保守作業の効率が高まる。
q軸電流値Iqに基づいて負荷トルクCtを容易に測定し、負荷トルクCtに基づいてクラッチ5に加わる負荷トルクを容易に求めることができるので、クラッチ5だけでなく、ローラ14Aおよびそれに駆動力を伝達する機構の各部のコンディションを負荷トルクCtの測定値に基づいて判別して必要な対処を行うことができる。これにより保守作業の効率がより高まる。
上に述べた実施形態において、連結時間Taおよび負荷トルクCtなどの測定値、並びに監視データD50を通信回線を介してサービスセンターへ随時にアップロードするようにしてもよい。その場合において、サービスパーソンは、サービスセンターに居ながら画像形成装置1のクラッチ5のコンディションを把握することができる。クラッチ5のコンディションに応じて保守作業の実施時期を決めたり、遠隔操作によりシート9の搬送のタイミングを調整したりすることができる。
上に述べた実施形態において、連結時間Taのしきい値th1〜th3および時間Tzの値は例示の値に限らない。クラッチ5の負荷トルクに対応した値でもよい。
クラッチ5を介して回転駆動するローラはレジストローラ対14以外のローラであってもよい。
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理の内容、順序、またはタイミング、連結時間Taおよび負荷トルクCtの判別に用いるしきい値の個数、モータ3の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
1 画像形成装置
3 モータ
5 クラッチ
9 シート
14 レジストローラ対(ローラ)
19A、19B シートセンサ(センサ)
21 モータ制御装置(モータ制御部)
203 測定部
204 支援処理部
Ct 負荷トルク(回転トルクの変化量)
D50 監視データ
Iq q軸電流値(電流の検出値)
Mt 回転トルク
Q 保守必要度
RCt 適正トルク範囲(適正変化量範囲)
RTa 適正時間範囲
th21 しきい値
Ta 連結時間
Tb 解放時間
Tp 通過時間
Tz 時間

Claims (17)

  1. シートに画像を形成する画像形成装置であって、
    前記シートを搬送するためのローラと、
    前記ローラを回転駆動するためのモータと、
    前記モータをベクトル制御するモータ制御部と、
    前記モータの回転駆動力を前記ローラへ伝達するクラッチと、
    前記モータに流れて回転トルクを生じさせる電流の検出値を前記モータ制御部から取得して当該検出値に基づいて前記クラッチの連結時間を測定する測定部と、
    前記連結時間の測定値に応じて、保守作業を支援するための支援処理を行う支援処理部と、を有する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記支援処理部は、前記クラッチの連結動作が適正時間範囲の上限よりも長い所定の時間が経過しても完了しない場合には、前記クラッチに不具合があることをサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記測定部は、前記連結時間を測定する際に、前記クラッチの連結前と連結後との前記検出値の差を前記回転トルクの変化量として取得し、
    前記支援処理部は、前記連結時間の測定値が適正時間範囲外の値である場合に、前記連結時間の測定値および前記変化量を監視データとして蓄積する状態監視処理を、前記支援処理として行う、
    請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記測定部は、前記連結時間を測定する際に、前記クラッチの連結前と連結後との前記検出値の差を前記回転トルクの変化量として取得し、
    前記支援処理部は、前記変化量が適正変化量範囲外の値である場合に、前記連結時間の測定値および前記変化量を監視データとして蓄積する状態監視処理を、前記支援処理として行う、
    請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記支援処理部は、前記連結時間の測定値が前記適正時間範囲の上限よりも大きく、かつ前記変化量が前記適正変化量範囲の上限よりも大きい場合に、前記モータの負荷トルクが増大する傾向にあることをサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項3または4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記支援処理部は、前記連結時間の測定値が前記適正時間範囲の上限よりも大きく、かつ前記変化量が前記適正変化量範囲の上限よりも小さい場合に、前記クラッチの動作特性が劣化し始めていることをサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項3ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記支援処理部は、前記連結時間の測定値が前記適正時間範囲の下限よりも小さく、かつ前記変化量が前記適正変化量範囲の下限よりも小さい場合に、前記ローラの負荷が軽くなりだしていることサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項3ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記状態監視処理は、前記監視データに基づいて前記クラッチおよび前記ローラの動作特性の変化を予測するデータ処理を含む、
    請求項3ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記支援処理部は、前記監視データにおける前記連結時間の測定値が前記適正時間範囲の上限よりも大きい設定値を超える頻度および超える量に基づいて、前記シートのジャムの発生しやすさを保守必要度として算出する処理を前記データ処理として行うとともに、算出した当該保守必要度をサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項8記載の画像形成装置。
  10. 前記シートの搬送経路における前記ローラの上流側と下流側とに設けられて前記シートの有無を示す信号を出力するセンサを有し、
    前記測定部は、前記センサからの前記信号に基づいて前記シートが前記ローラを通過するのに要した時間である通過時間を測定し、
    前記支援処理部は、前記状態監視処理において、前記通過時間の測定値を監視データの一部として蓄積する、
    請求項8記載に画像形成装置。
  11. 前記支援処理部は、前記監視データにおける前記通過時間の測定値が所定値を超える頻度および超える量に基づいて、前記シートのジャムの発生しやすさを保守必要度として算出する処理を前記データ処理として行うとともに、算出した当該保守必要度をサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項10記載の画像形成装置。
  12. 前記支援処理部は、前記状態監視処理の実行中に前記連結時間の測定値が前記適正時間範囲の下限よりも小さく、かつ前記変化量が前記適正変化量範囲の下限よりも大きくなったときに、前記状態監視処理を終了する、
    請求項3記載の画像形成装置。
  13. 前記支援処理部は、前記状態監視処理の実行中に前記連結時間の測定値が前記適正時間範囲内となり、かつ前記変化量が前記適正変化量範囲内となったときに、前記状態監視処理を終了する、
    請求項3記載の画像形成装置。
  14. 前記測定部は、前記電流の検出値に基づいて、前記クラッチの解放時間を測定し、
    前記支援処理部は、前記解放時間の測定値がしきい値よりも大きい場合に、前記ローラの停止時間が長くなっていることをサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 前記測定部は、前記解放時間を測定する際に、前記クラッチの解放前と解放後との前記検出値の差を前記変化量として取得し、
    前記支援処理部は、前記解放時間の測定値が前記しきい値よりも大きく、かつ解放時の前記変化量がしきい値よりも小さい場合に、前記クラッチの負荷トルクが軽くなることにより前記ローラの停止時間が長くなっていることをサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項14記載の画像形成装置。
  16. 前記支援処理部は、前記解放時間の測定値が前記しきい値よりも大きく、かつ解放時の前記変化量が前記しきい値よりも大きい場合に、前記クラッチ内の摺動抵抗が大きくなることにより前記ローラの停止時間が長くなっていることをサービスパーソンに知らせるための報知処理を前記支援処理として行う、
    請求項14または15に記載の画像形成装置。
  17. シートを搬送するローラにモータの回転駆動力を伝達するクラッチを有しかつ前記モータをベクトル制御する画像形成装置の保守作業を支援する方法であって、
    前記画像形成装置が、前記ベクトル制御において取得する前記モータに流れて回転トルクを生じさせる電流の検出値に基づいて、前記クラッチの連結時間を測定し、
    前記画像形成装置が、前記連結時間の測定値を複数のしきい値と比較することにより、前記シートの搬送に関わる部品群のうちの少なくとも前記クラッチについて動作特性の良否を判別するとともに、その判別結果を報知する、
    ことを特徴とする保守作業を支援する方法。
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